JP3807519B2 - トロコイド式気体圧縮機とその製造方法 - Google Patents

トロコイド式気体圧縮機とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸により駆動される内側ロータと、該内側ロータの外側にこれと偏心されて相対回転可能に設けられた外側ロータとの間に形成される可変空間に吸入口から流体を導入し、該可変空間の容積変化により該流体を加圧し、吐出口へ送出するトロコイド式歯形を備えた気体圧縮機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
一対のロータの回転により流体を圧送する回転流体機械にあって、近年、トロコイド歯形を有するロータを備えたトロコイド式圧縮機が、気体圧縮用の圧縮機として多用されてきている。
【0003】
このトロコイド歯形を有するロータを備えた気体圧縮用のトロコイド式圧縮機は、トロコイド歯形を有する内側ロータと外側ロータとを組合わせて、回転軸に連結された上記内側ロータとこれと偏心して相対回転される上記外側ロータとの間のトロコイド歯形の容積変化により、吸入口から導入された気体を加圧して吐出口へ送出するように構成されている。
【0004】
かかるトロコイド式気体圧縮機にあっては、従来内側ロータ及び外側ロータの歯形は平歯車形式であるため、気体の吸入口と吐出口とが近接した位置に設けざるを得ない。
このため、圧縮機の内部において高圧側から低圧側への気体の漏洩が生じ易くこれによる圧縮効率の低下を招く。
【0005】
このような気体の漏洩を防止するための手段としては、平歯車からなる内側、外側ロータ及びこれらとケーシング及び吸入、吐出ブラケットとの隙間の加工精度を向上する手段があるが、かかる加工精度の向上には限界があり、これのみでは漏洩防止を確実になすのは困難であった。
【0006】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、気体の吸入口と吐出口との距離を大きくでき、かつ加工の困難を伴うことなく上記のような気体の漏洩を抑制可能とし、圧縮効率の向上が実現できるトロコイド式圧縮機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するもので、請求項1の発明として、
内歯が形成された外側ロータの内側に、外歯が形成された内側ロータを配し、前記両ロータの相対回転により前記内歯と外歯との間に、形成される可変空間の容積を変化させることにより、吸入口から導入される気体を圧縮して吐出口に送出するトロコイド式気体圧縮機において、
前記外側ロータの内歯及び内側ロータの外歯を、互いに噛み合い可能なつる巻線状歯すじを有するハスバ歯形に形成するとともに、
前記吸入口と吐出口とを前記外側、内側ロータを挿んで互いに反対側に配置し、気体が前記外側、内側ロータのハスバ歯形の歯すじに沿って流動するように構成し、
更に前記外側及び内側ロータの吐出側端面に摺接するとともに、前記内側ロータを軸支する回転軸の軸方向に移動可能なシール円盤を設け、該シール円盤の板面に作用して該シール円盤を前記吐出側端面に押圧する制御流体が導入される圧力室を形成し、
前記制御流体は、制御流体供給口給源から圧力調整弁にて所定圧力に調整されて、圧力室内に供給されていることを特徴とする。
この場合に、前記制御流体は作動油であるのがよい。
【0008】
そして請求項1の発明において、外側ロータと内側ロータとの相対回転の態様として、請求項及びの発明を提案する。
【0009】
即ち請求項2の発明は、請求項1において、前記外側ロータがケーシングの内側に回転可能に配置され、前記内側ロータが回転軸にキーで回り止めされて、前記内側ロータが回転軸に、前記外側ロータと噛み合って回転し、前記気体を圧縮するように構成されてなる。
【0010】
また請求項の発明は、請求項1において、前記外側ロータが、前記ケーシング、ブラケット等の静止部材に固定され、前記内側ロータが、前記外側ロータの軸心を回転軸心とする偏心カム軸に軸支されて前記外側ロータと噛み合い、公転及び自転して前記気体を圧縮するように構成されてなる。
【0011】
【0012】
【0013】
従って発明によれば、外側ロータの内歯及び内側ロータの外歯がつる巻線状のハスバ歯形に形成されているので、外側ロータと内側ロータとの噛み合い長さが従来の平歯車歯形に較べて長く、噛み合いが円滑となる。
これによって外側、内側ロータの回転速度の上昇が可能となり、圧縮機の高速化による容量増加が実現できる。
【0014】
また、吸入口と吐出口とを外側、内側ロータを挿んで互いに反対側に配置し、気体の流れを一方向流とすれば、ハスバ歯形の噛み合い長さが長いことから外側、内側ロータ間における気体の圧縮工程距離が長くなり吸入口から吐出口までの気体の流動距離が長くなる。これによって圧縮機内部における気体の漏洩が抑制される。
【0015】
また、前記のように外側、内側ロータをハスバ歯形とすることによって該ロータの円滑な噛み合い及び高速回転が可能となるため、請求項3の発明のように外側ロータ固定方式のトロコイド式気体圧縮機が支障なく得られる。
【0016】
【0017】
又本発明によれば、シール円盤を圧力室に導入される制御流体の圧力によって外側、内側ロータの端面に所定の押圧力によって押し付けることにより、吐出側から吸入側への気体の漏洩を抑制することができる。
【0018】
かかるシール円盤による気体の漏洩抑制作用及び前記のように外側、内側ロータをハスバ歯形とすることによる気体の漏洩抑制作用が重畳されることにより、従来のトロコイド式気体圧縮機に較べ大幅に気体の漏洩が減少し、高い圧縮効率を有する圧縮機が得られる。
【0019】
また、前記圧縮室への制御流体の圧力を制御することによって、シール円盤の押圧力を該シール円盤と外側、内側ロータの端面との接触による摩擦損失を小さくするように調整することができる。
【0020】
さらに、前記のように外側、内側ロータの歯形をハスバ歯形とすることにより、請求項のように、
前記外側ロータの及び内側ロータの外歯は、つる巻角が0°〜300°の範囲で形成可能とされる。
これによって、ハスバのつる巻角が広範囲に設計可能となり、所望の性能を有する圧縮機を得ることが可能となる。
【0021】
また、外側、内側ロータの歯形をハスバ歯形とすることにより、請求項のように、
前記内側ロータの外歯の歯数を2枚、外側ロータの内歯の歯数を3枚に構成することができる。
これによって、可変空間の容積が大きく採れ、ロータの外径の小さくしても大きな吐出量を得ることができ、小形大容量の圧縮機が実現できる。
【0022】
そして、前記ハスバ歯形を備えた外側、内側ロータのうち、特に通常の切削加工では加工困難なハスバ内歯を有する外側ロータの加工方法として、請求項の発明を提案する。
【0023】
即ち、請求項の発明は、
内歯が形成された外側ロータの内側に、外歯が形成された内側ロータを配し、前記両ロータの相対回転により、前記内歯と外歯との間に形成される可変空間の容積を変化させることにより、吸入口から導入される気体を圧縮して吐出口に送出するトロコイド式気体圧縮機を製造するにあたり、
前記外側ロータを放電加工前にその中心孔を穿設した後、
前記外側ロータのハスバ歯形と同形状の外歯歯形を加工し得る、ハスバ歯形を有する荒加工用の電極と仕上加工用の電極を加工順に主軸に固定した電極を用い、放電加工により前記主軸及び電極を、内歯のハスバ歯形つる巻角θに対応して回動させながら荒加工電極により外側ロータの前記中心孔に沿って荒加工が施されて、続いて該荒加工電極の背部に連設された仕上用の電極により仕上加工を施して、前記外側ロータの内歯を加工成形することを特徴とするトロコイド式気体圧縮機の製造方法。
【0024】
かかる発明によれば、外側ロータの内歯のハスバ歯形の加工が高精度で以って容易にでき、しかもつる巻角が0°〜300°の広範囲のハスバ内歯の加工が可能となる。
従って、かかる発明により、請求項1ないしに示されるハスバ歯形の外側、内側ロータを備えたトロコイド式気体圧縮機を加工面の支障なくして製造することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。
但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0026】
図1は本発明の第1実施形態に係るトロコイド式気体圧縮機の回転軸心に沿う断面図、図2は図1のY−Y断面図で、内、外ロータ部分の詳細図は図3、図4に示す。即ち、図3は外側ロータの単体側面の断面図、図4は内側ロータの単体側面図である。
【0027】
図1〜図2において、1は外側ロータ、2は回転軸13にキー51を介して相対回転不能でかつ軸方向には微動可能に取付けられた内側ロータ、3は環状のケーシング、8は吸入口ブラケット、6は吐出口ブラケット、221、222は回転軸13の軸受である。
【0028】
前記外側ロータ1はケーシング3の内周面3aに回転自在に嵌合されており、また、該外側ロータ1及びケーシング3の中心24は回転軸13及び内側ロータ2の軸心23に対して偏心量eだけ偏心せしめられている。
【0029】
従って、外側ロータ1はケーシング3の内周面3aに摺接し、内側ロータ2に噛み合いながら回転し、これにより内側ロータ2の外周に設けられたトロコイド外歯2aと外側ロータ1の内周に設けられたトロコイド内歯1aとの間に形成される可変空間10の容積変化により該可変空間10内の気体を圧縮する。
【0030】
前記吸入口ブラケット8には、気体が導入される吸入口9及び該吸入口に連通される有底の勾玉状の吸入孔12が設けられるとともに、
図2に示すように、該吸入孔12と略軸対称位置に勾玉状の有底の吐出孔5及び該吐出孔5に連通される吐出口7が設けられている。
そして該吸入口ブラケット8及びケーシング3及び吐出口ブラケット6は複数本のボルト25により一体に固定されている。
【0031】
4は前記外側ロータ1及び内側ロータ2の端面29と吐出口ブラケット6の内面との間に設けられたシール円盤である。
該シール円盤4は耐摩耗性の大きい材料からなり、前記回転軸13に、軸方向には移動可能に、かつ回転不能な状態で嵌合されている。
【0032】
また、前記シール円盤4と吐出口ブラケット6の内面との間には、該シール円盤4の吐出口ブラケット側板面4aが臨んだ圧力室11が形成され、該圧力室11には吐出口ブラケット6に穿設された制御流体供給口14が連通されている。
5は前記シール円盤4の、前記外側、内側ロータの端面29側に設けられた有底で勾玉状の吐出孔であり、該吐出孔5はシール円盤4及び吐出口ブラケット6に穿設された吐出口7に連通されている。
【0033】
本発明の実施形態に係るトロコイド式圧縮機は、前記外側ロータ1及び内側ロータ2のトロコイド歯形をハスバ型のつる巻線状歯形としている。
【0034】
即ち図3に示すように、外側ロータ1には所定のつる巻角θにて捩られたハスバ型つる巻線状歯形の内歯15が形成されている。
また、図4に示すように内側ロータ2には上記外側ロータ1の内歯15と噛み合うような上記つる巻角θにて捩られたハスバ型のつる巻線状歯形の外歯16が形成されている。
【0035】
前記外側ロータ1の内歯15は放電加工により成形され、内側ロータ2の外歯16は、切削及び研磨加工、あるいは放電加工によって成形される。
そして前記外側ロータ1の内歯15の歯数Nと内側ロータ2の外歯16の歯数をnとすれば、双方の間にはN−n=1の関係が保持される。
【0036】
前記のように構成されたトロコイド式圧縮機の運転時において、吸入口9から導入された気体は勾玉状の吸入孔12に入る。そして、内側ロータ2と外側ロータ1との回転により、可変空間10と該吸入孔12とが連通されると前記気体は可変空間10内に流入し、両ロータ1、2の相対回転により可変空間10の容積が縮小されるに従い、圧縮されつつ軸方向に移動し、可変空間10がシール円盤4に設けられた勾玉状の吐出孔5に連通されると、該吐出孔5に流出し、吐出口7を通って外部に送出される。
【0037】
一方、前記吐出口ブラケット6に設けられた制御流体供給口14には作動油、空気等の制御流体が制御流体供給源(図示省略)から、圧力調整弁(図示省略)にて所定圧力に調整されて供給される。
【0038】
そして、この制御流体は圧力室11に流入して前記シール円盤4の板面4aに作用し、該シール円盤4を前記外側ロータ1及び内側ロータ2の端面29に上記調整された所定圧力にて押し付ける。これによって前記外側ロータ1及び内側ロータ2は、その端面29が前記シール円盤4と上記所定圧力にて常時摺接しながら回転し、該摺接部からの流体の漏洩が抑制される。
【0039】
かかるシール円盤4の取付部における気体の漏洩量は、前記圧力調整弁にて調整された圧力室11内の制御流体の圧力を制御して前記端面29とシール円盤4との間の押圧力を制御することによって調整することができ、上記漏洩量が常時許容量以下になるように上記圧力室11内の制御流体の圧力を調整する。
【0040】
前記シール円盤4の押圧力の制御については、全負荷時には該押圧力を大きくして漏洩量を抑制し、高い圧縮効率で運転可能とし、部分負荷時(軽負荷時)や始動時には、漏洩量をある程度許容するように押圧力を抑制して、シール円盤4と、外、内側ロータの端面29との接触による摩擦損失を小さくせしめる。
【0041】
然して、本発明の実施形態に係るトロコイド式圧縮機は、前記のように外側ロータ1の内歯15及び内側ロータ2の外歯16がつる巻線状のハスバ歯形に形成されているので、外側ロータ1と内側ロータ2との噛み合い長さが平歯車歯形に較べて長く、噛み合いが円滑となる。これによって外側、内側ロータの回転速度を上昇することができ、圧縮機の高速化が可能になるとともに、噛み合い騒音も低減される。
【0042】
また、かかる圧縮機は上記のように噛み合い長さが長いので、外側、内側ロータ1、2間における気体の圧縮工程距離が長くなり、吸入口ブラケット8に設けられた吸入孔12と吐出口ブラケット6に設けられた吐出孔5との気体の流動距離が長くなる。
これによって吐出側から吸入側への気体の漏洩等、圧縮機内部における気体の漏洩が抑制される。
【0043】
即ち、かかる実施形態によれば、吸入孔12と吐出孔5とを外側ロータ1及び内側ロータ2を挿んで軸方向において互いに反対側に設けて可変空間10内における気体を軸方向に流し、外側ロータ1及び内側ロータ2の歯形をハスバ歯形とすることにより上記気体の流動距離を長くし、さらにシール円盤4により吐出側端面をシールすることによって圧縮機内における気体の漏洩が最小限に抑えられる。
【0044】
図5は前記のようなハスバ形のトロコイド歯形を有する外側ロータ1の外歯15の放電加工装置の概略を示す。
図5において19は内部に水又は油18が収容された容器で、前記外側ロータ1は該容器19の底部に固定された固定台50上に固定される。
前記外側ロータ1は、かかる放電加工前にその中心孔1aを機械加工等により穿設しておく。
161はハスバ歯形を有する荒加工用の電極、17はハスバ歯形を有する仕上加工用の電極であり、双方の電極は加工順に主軸211に固定されている。
【0045】
そして、前記電極161、17と被加工物である外側ロータ1との間に所定の電圧をかけ、前記主軸211及び電極161、17を回動させながら、所定の押圧力Fで押し付け、前記のようにハスバ歯形を有する電極161により外側ロータ1の穴の1aに沿って荒加工が施されて、続いて該電極161の背部に連設された仕上用の電極17により仕上加工が施され、外側ロータ1の内歯15が形成される。
この場合、電極161、17は、内歯15のハスバ歯形つる巻角θに対応して回動せしめられる。
【0046】
前記ハスバ歯形のつる巻角θは、トロコイド式気体圧縮機の仕様圧力等に基づいて設定され、その角度範囲は0°を超え最大300°までの広範囲に採ることができる。これにより、あらゆる仕様の外側ロータ1を加工面の支障なくして、製造することができる。
【0047】
前記のように、外側ロータ1の内歯15及び内側ロータ2の外歯16をハスバ歯形とすれば、これらの最小歯数が外側ロータ1の歯数N=3枚、内側ロータ2の歯数n=N−1=2枚となる。
かかる最小歯数によって構成された外側ロータ1と内側ロータ2とを組合わせた図を図6及び図7に示す。ここで図6は側面図、図7は図6のW−W断面図である。
【0048】
図7において、15は外側ロータ1の内歯で、歯数は3枚、16は内側ロータ2の外歯で歯数は2枚であり、これらを組合わせて前記ケーシング3内に組み込むとき、外側ロータ1の中心24(中心線Xo−Xo)と内側ロータ2の中心23(中心線X1−X1)とは、偏心量eを存して組み込まれる。
【0049】
これにより、両ロータ1、2の間には可変空間10が形成され、該可変空間10内に吸入孔12から気体を導入し、圧縮して吐出孔5に送出する。
かかる最小歯数の外側ロータ1及び内側ロータ2のハスバ歯形のつる巻角は180°である。
【0050】
図8(A)は前記最小歯数(N=3枚)に構成された外側ロータ1の断面図、(B)は内側ロータ2の側面図である。図8(A)において20は外側ロータ1の内歯15のハスバ歯形の曲線(内歯歯形曲線)、図8(B)において、21は内側ロータ2の外歯16のハスバ歯形の曲線(外歯歯形曲線)をそれぞれ示す。
【0051】
図6及び図7に示すように、外側ロータ1及び内側ロータ2が夫々歯数N=3枚、歯数n=2という最小歯数であっても、平歯車歯形のような歯車としての噛み合い不良が生ずるため回転困難となるような不具合の発生は無く、滑らかな噛み合い及び可変空間の変化がなされ、軽負荷域から、全負荷域の全ての運転域において、圧縮機としての機能を充分に発揮できる。
【0052】
これによって外側、内側歯形間の可変空間の容積が大きく採れ、外側、内側ロータ1、2の外径を小さく形成しても、大きな吐出量が確保され、圧縮機の小形大容量化が実現できる。
【0053】
図9〜図10は本発明に係るハスバ歯形からなる外側ロータ1及び内側ロータ2を使用した第2実施形態のトロコイド式圧縮機を示す。内、外ロータは、図3、図4と同形であるが、回転軸がカム軸になる。
この実施形態においてはハスバ歯形のトロコイド内歯を有する外側ロータ1が吸入口ブラケット8と吐出口ブラケット6との間に挟持され、ボルト25によって該2個のブラケット8、6と3枚締めにて固定されている。
【0054】
またハスバ歯形のトロコイド外歯を有して、前記外側ロータ1と噛み合う内側ロータ2は、回転軸心が外側ロータ1の軸心と同心のカム軸131に形成されたカム131aに回転自在に嵌合されており、該カム131aはその軸心つまり内側ロータ2の軸心23が、カム軸131の軸心つまり外側ロータ1の軸心24に対してeだけ偏心した偏心カムとなっている。
【0055】
従って内側ロータ2は、カム軸131の回転によって偏心カム131aを介して外側ロータ1の内側を自転しつつ公転し、これによって可変空間10の容積が変化し、該可変空間10内の気体を圧縮する。
前記内側ロータ2の公転回転数は、カム軸131の回転数と同一、自転回転数は(カム軸131の回転数/内側ロータ2の歯数)となる。
【0056】
4はシール円盤であり、前記吐出口ブラケット6の嵌合穴6a内に往復摺動可能に嵌合され、そのロータ側の端面4aに勾玉状の吐出孔5が設けられ、該吐出孔5は外部への吐出口7に連通可能となっている。
前記シール円盤4の背部には図1〜図2に示す第1実施形態と同様な圧力室11が設けられ、該圧力室11には制御流体供給口14からシール円盤4を押圧するための制御流体が導入されている。前記シール円盤4は該圧力室11内の制御流体により、吸入側へ押圧されながら前記内側ロータ2の公転回転数と同一回転数で回転する。
【0057】
140は吸入孔円盤であり、勾玉状の吸入孔12が穿設され、吸入口ブラケット8に設けられた嵌合穴8aに回転可能に嵌合されている。
該吸入孔円盤140も前記シール円盤4と同じくカム軸131の公転回転数と同一回転数で回転する。
9は前記吸入孔円盤14の吸入孔12に連通可能とされた気体の吸入口である。
【0058】
このように、外側、内側ロータ1、2をハスバ歯形とすることによって、外側ロータ1を固定する型式のトロコイド式圧縮機が高速回転で以って実現できる。
【発明の効果】
【0059】
以上記載のごとく、発明によれば、外側ロータの内歯及び内側ロータの外歯をハスバ歯形に形成したので、外側、内側ロータの噛み合い長さが従来の平歯車歯形に較べて長く、噛み合いが円滑となる。これにより、外側、内側ロータの回転速度の上昇とこれによる圧縮機の高速化が得られ、圧縮機の容量を増加することができる。
【0060】
また本発明のように吸入口と吐出口を配置して気体の流れを一方向流とすれば、前記噛み合いの長さの増加による気体の圧縮工程距離が長くなり、これによって気体の漏洩を抑制することができる。
また、かかる外側、内側ロータをハスバ歯形とすることにより、請求項3のように外側ロータを固定方式とするトロコイド式気体圧縮機が構造機能面の支障なく得られる。
【0061】
また、発明によれば、シール円盤を圧力室に導入される制御流体の圧力によってロータ端面に押し付けることにより、吐出側から吸入側への気体の漏れが抑制され、前記のように外側、内側ロータをハスバ歯形とすることによる漏洩抑制効果と相まって従来のもの較べ気体の漏洩が大幅に減少する。これによって圧縮効率が向上する。
【0062】
また、前記シール円盤に作用する制御流体の圧力を調整することにより、ロータ端面とシール円盤との接触部の面圧を所定値以内に調整することができ、シール円盤による摩擦損失を小さくする様調整可能となる。
【0063】
また本発明によれば、0°〜300°の広範囲のつる巻角を有するハスバ歯形の設計が可能となり、性能が向上された圧縮機を得ることが可能となる。
また本発明によれば、外側、内側ロータを最小歯数とすることにより、可変空間の容積が増大され、小形コンパクトな装置で以って大容量の圧縮機を実現できる。
【0064】
さらに請求項7の発明によれば、放電加工によって外側ロータのハスバ歯形の内歯の加工が高精度で以って可能となり、ハスバ歯形の外側、内側ロータを有するトロコイド式圧縮機を加工面の規制を受けることなく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るトロコイド式気体圧縮機の縦断面図である。
【図2】 図1のY−Y線断面図である。
【図3】 上記第1実施形態における外側ロータ縦断面図である。
【図4】 上記第1実施形態における内側ロータの側面図である。
【図5】 上記第1実施形態における外側ロータの内歯の放電加工要領を示す側面説明図である。
【図6】 上記第1実施形態において最小歯数の外側、内側ロータの側面図である。
【図7】 図6のW−W線断面図である。
【図8】 (A)は上記最小歯数の外側ロータの展開断面図、(B)は内側ロータの側面図である。
【図9】 本発明の第2実施形態に(外側ロータ固定型)係るトロコイド式気体圧縮機の縦断面図である。
【図10】 図9のZ−Z線断面図である。
【符号の説明】
1 外側ロータ
2 内側ロータ
3 ケーシング
4 シール円盤
5 吐出孔
6 吐出口ブラケット
7 吐出口
8 吸入口ブラケット
9 吸入口
10 可変空間
11 圧力室
12 吸入孔
13 回転軸
14 制御流体供給口
15 内歯
16 外歯
161 電極(荒加工用)
17 電極(仕上加工用)
19 容器
29 端面
211 主軸
131 カム軸
131a カム
140 吸入孔円盤

Claims (7)

  1. 内歯が形成された外側ロータの内側に、外歯が形成された内側ロータを配し、前記両ロータの相対回転により前記内歯と外歯との間に、形成される可変空間の容積を変化させることにより、吸入口から導入される気体を圧縮して吐出口に送出するトロコイド式気体圧縮機において、
    前記外側ロータの内歯及び内側ロータの外歯を、互いに噛み合い可能なつる巻線状歯すじを有するハスバ歯形に形成するとともに、
    前記吸入口と吐出口とを前記外側、内側ロータを挿んで互いに反対側に配置し、気体が前記外側、内側ロータのハスバ歯形の歯すじに沿って流動するように構成し、
    更に前記外側及び内側ロータの吐出側端面に摺接するとともに、前記内側ロータを軸支する回転軸の軸方向に移動可能なシール円盤を設け、該シール円盤の板面に作用して該シール円盤を前記吐出側端面に押圧する制御流体が導入される圧力室を形成し、
    前記制御流体は、制御流体供給口給源から圧力調整弁にて所定圧力に調整されて、圧力室内に供給されていることを特徴とするトロコイド式気体圧縮機。
  2. 前記制御流体は作動油であることを特徴とする請求項1記載のトロコイド式気体圧縮機。
  3. 前記外側ロータがケーシングの内側に回転可能に配置され、前記内側ロータが回転軸にキーで回り止めされて、前記外側ロータと噛み合って回転し、前記気体を圧縮するように構成された請求項1記載のトロコイド式気体圧縮機。
  4. 前記外側ロータが、前記ケーシング、ブラケット等の静止部材に固定され、前記内側ロータが、前記外側ロータの軸心を回転軸心とする偏心カム軸に軸支されて前記外側ロータと噛み合い、公転及び自転して前記気体を圧縮するように構成された請求項1記載のトロコイド式気体圧縮機。
  5. 前記外側ロータの内歯及び内側ロータの外歯は、つる巻角が0°〜300°の範囲で形成可能とされた請求項1ないしの何れかに記載のトロコイド式気体圧縮機。
  6. 前記内側ロータの外歯の歯数を2枚、外側ロータの内歯の歯数を3枚に構成した請求項1ないしの何れかに記載のトロコイド式気体圧縮機。
  7. 内歯が形成された外側ロータの内側に、外歯が形成された内側ロータを配し、前記両ロータの相対回転により、前記内歯と外歯との間に形成される可変空間の容積を変化させることにより、吸入口から導入される気体を圧縮して吐出口に送出するトロコイド式気体圧縮機を製造するにあたり、
    前記外側ロータを放電加工前にその中心孔を穿設した後、
    前記外側ロータのハスバ歯形と同形状の外歯歯形を加工し得る、ハスバ歯形を有する荒加工用の電極と仕上加工用の電極を加工順に主軸に固定した電極を用い、放電加工により前記主軸及び電極を、内歯のハスバ歯形つる巻角θに対応して回動させながら荒加工電極により外側ロータの前記中心孔に沿って荒加工が施されて、続いて該荒加工電極の背部に連設された仕上用の電極により仕上加工を施して、前記外側ロータの内歯を加工成形することを特徴とするトロコイド式気体圧縮機の製造方法。
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