JP3806304B2 - 有機ヒドロキシルアミンの製造法 - Google Patents
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Description
有機ヒドロキシルアミンを製造するために、種々の方法、例えばニトロ化合物の電気化学的還元または金属、例えば亜鉛またはアマルガムを用いてのニトロ化合物の還元が記載されている。大工業的方法としては、殊に有機ニトロ化合物の選択的な接触水素化が利用される。
【0002】
ニトロ芳香族化合物の場合、接触水素化が数段階に亘って進行することは、公知である。中間生成物として生じるニトロソ芳香族化合物およびアリールヒドロキシルアミンを単離することは、しばしば不成功に終わっている。それというのも、安定なアニリン誘導体に対して後還元が行なわれるからである。
【0003】
更に、アリールヒドロキシルアミンの選択的に製出は、副反応によって困難になる。即ち、アリールヒドロキシルアミンと相応するニトロソ芳香族化合物およびアニリン誘導体との不均衡が生じる。この中間生成物は、後続反応を生じ、二量体化合物、例えばアゾキシベンゾール、アゾベンゾールおよびヒドラゾベンゾールを導く。
【0004】
ニトロ芳香族化合物の水素化の際に不均衡および過剰還元は、適当な添加剤によって抑制され、したがって選択的な製出が可能になる。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第2118369号明細書(米国特許第3694509号明細書に対応;発明者:P.N. Rylander 他)には、アリールヒドロキシルアミンを選択的に製出するための方法が記載されており、この場合には、ニトロ芳香族化合物は、中和溶剤中で触媒1モル当たりジメチルスルホキシド0.1〜100モルの存在下に水素で水素化される。水素化の選択度は、この条件下で約85%であり、したがって得られたアリールヒドロキシルアミンは、なお大量の相応するアニリン誘導体で汚染されており、アリールヒドロキシルアミンの全収率の結果は、僅かとなる。
【0006】
欧州特許出願公開第212375号明細書(発明者:G.C. Davis)の場合には、ホスフィン、ホスフェート、スルフィド、スルホキシドおよび複素環式窒素化合物は、添加剤としてのニトロ芳香族化合物1モル当たり0.4当量までのプロトン酸の存在下に使用される。p−ニトロ安息香酸エチルエステルを水素化する場合には、99%までの選択度が達成される。他のニトロ化合物は、記載されていない。しかし、酸の必要とされる添加量は、酸に敏感なアリールヒドロキシルアミンの製出に不利な作用を及ぼす。
【0007】
欧州特許出願公開第86363号明細書(発明者:D.C. Caskey, D.W. Chapman)には、アリールヒドロキシルアミンへのニトロ芳香族化合物の選択的な水素化のために、反応調節剤として2価硫黄化合物をアンモニア、脂肪族アミン、ホスフィン、脂肪族ホスフィン、アリールホスフィンおよびホスファイトエステルとの組合せ物で使用することが記載されている。殊に、硫黄含有添加剤での触媒の失活もしくは汚染は、触媒が多くの場合に既に1回の作業周期後に大部分の活性を失なうので、新しいものと交換するかまたは費用を掛けて再生しなければならないという結果を生じる。
【0008】
特開昭54−24837号公報(発明者:T. Tsurutani)(C.A. 91,56604)には、アリールヒドロキシルアミンが亜燐酸、亜燐酸のアルカリ金属塩、亜燐酸エステル、チオ亜燐酸エステル、アルキルホスフィンもしくはアリールホスフィン、アルキル−アミノホスフィンもしくはアリール−アミノホスフィン、アルキルスルフィドもしくはアリールスルフィド、カルボアルコキシアルキルスルフィド、アルキルメルカプタンもしくはアリールメルカプタンまたはチオフェンを含有するアルコールまたはエーテル中の非置換または置換ニトロベンゾールを接触水素化することによって取得される1つの方法が示されている。この方法の場合には、相応するアニリンへの過剰還元を阻止するために、水素化は、ニトロ化合物に対して2当量の水素の消費後に中断されなければならない。達成可能な選択度は、67〜98%である。
【0009】
pK値が3.2未満である有機塩基の存在下での白金触媒またはパラジウム触媒を用いてのニトロベンゾールの選択的水素化は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2327412号明細書(カナダ国特許第1001658号明細書に対応;発明者:J. le Ludec)およびドイツ連邦共和国特許出願公開第2357370号明細書(英国特許第1428226号明細書に対応;発明者:J. le Ludec)に記載されている。有機塩基は、ニトロ化合物に対して過剰量で使用されなければならない。好ましい塩基の場合、ピペリジンおよびジエチルアミンは、後処理後および精製後にまさに簡単に構成されたアリールヒドロキシルアミンだけに与えられた収率で達成することができる:N−フェニルヒドロキシルアミンは、ニトロベンゾールの水素化後に溶剤としてのジエチルアミン中で52%だけで単離された収率で得ることができた(ドイツ連邦共和国特許出願公開第2327412号明細書)。
【0010】
更に、ニトロ芳香族化合物の前記種類の接触水素化に対して記載された有機塩基は、N−アルキル化されたピペリジンおよび場合によっては環の炭素原子でアルキル化されたピペリジン、環の窒素原子および/または炭素原子でアルキル化されたピロリジン、N−アルキル化またはN−シクロアルキル化されたアニリンおよびピリジンならびに場合によっては環の炭素原子でアルキル化されたアニリンおよびピリジン、アルキル化されたピリジン、キノリンおよびイソキノリン(ドイツ連邦共和国特許出願公開第2455238号明細書、米国特許第3927101号明細書に対応;発明者:J. le Ludec)であり、ならびにクロルニトロ芳香族化合物の選択的水素化に対して記載された有機塩基は、アルキル基またはシクロアルキル基を有する第二モノアミンおよび第三モノアミンである(ドイツ連邦共和国特許出願公開第2455887号明細書、米国特許第3992395号明細書;発明者:J. le Ludec)。ピリジンを溶剤として用いた場合には、N−フェニルヒドロキシルアミンは、83%で単離された収率で取得することができた(ドイツ連邦共和国特許出願公開第2455238号明細書)。
【0011】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19502700号明細書(南アフリカ特許第9600610号明細書;発明者:N. Goetz他)には、白金触媒または硫黄もしくはセレンでドープされたパラジウム触媒を選択的に水素化する方法が記載されており、この場合ニトロ芳香族化合物は、反応調節剤としての窒素で置換された過剰量のモルホリンの存在下に水素化される。記載された選択度は、98%までである。この方法の欠点は、過剰量で使用される塩基の価格が高いことにある。N−アルキル化されたモルホリンは、沸点が高いために、この塩基の除去は、高められた温度で初めて可能である。
【0012】
ニトロ芳香族化合物およびニトロ脂肪族化合物は、有機塩基10質量%未満(ニトロ誘導体の質量に対して)の存在下に3価または5価の有機燐化合物の添加下に不活性溶剤中で還元され、相応するアリールヒドロキシルアミンもしくはアルキルヒドロキシルアミンに変わる(欧州特許出願公開第0147879号明細書;発明者:A. H. Sharma, P. Hope)。アリールヒドロキシルアミンの良好な収率は、なかんずくピリジンと比較して高価なDMAP(N,N−ジメチルアミノピリジン)を使用した場合に得られる(N−フェニルヒドロキシルアミンの収率 DMAPを用いた場合88%、ピリジンを用いた場合76%)。また、この場合も高価で高沸点、ひいては分離が困難な塩基の使用下でのみ、高い選択度が達成されることは、不利である。ニトロ芳香族化合物に対して10質量%未満の量で有機塩基を使用する場合には、選択的な反応に対して大量の3価燐化合物(0.1〜5質量%)が必要とされる。この結果、触媒の迅速な失活を結果としてまねいた。
【0013】
米国特許第3441610号明細書(発明者:J. W. Dietz, J. R. McWorther)には、N−アルキルヒドロキシルアミンへのニトロアルカンの接触水素化が記載されている。この場合、パラジウム触媒を用いての水素化は、鉄陽イオン、コバルト陽イオンまたはニッケル陽イオンの添加下に、硫酸水溶液および混合不可能な有機溶剤からなる液状2相系中で行なわれる。このような強酸の条件下では、触媒の損失は著しい。それとともに、このような混合物は、使用される装置に対して著しく腐食性の作用を有する。
【0014】
欧州特許出願公開第0321219号明細書(発明者:M. B. Sherwin, P. Pichaichanarong)には、錯形成剤、例えばEDTAの添加下に1〜18個の炭素原子を有するニトロ脂肪族化合物を還元することによって、アルキルヒドロキシルアミンの嫌気性の条件下で貯蔵安定な水溶液を製出するための方法が記載されている。このような溶液の貯蔵安定性は、存在する遷移金属イオンを20ppm未満に減少させることによって達成される。
【0015】
本発明は、公知技術水準に記載された欠点を回避し、大工業的に簡単で安価に実施可能であり、高い選択度および収率を有し、かつ有機ヒドロキシルアミンの注意深い単離を可能にする、有機ヒドロキシルアミンの製造法を提供するという課題に基づくものである。
【0016】
この課題は、少なくとも1つの有機ニトロ化合物を有機塩基またはアンモニアである窒素塩基、3価燐化合物および水素化触媒の存在下に部分的に水素化するという方法によって解決され、この方法は、窒素塩基またはアンモニアを有機ニトロ化合物に対して10質量%を上廻る量で使用することによって特徴付けられる。
【0017】
有機塩基またはアンモニアである窒素塩基をニトロ化合物に対して10質量%を上廻る割合で3価燐化合物と組み合わせることは、過剰の有機塩基の単独の使用(ドイツ連邦共和国特許出願公開第2327412号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2357370号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第245538号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2455887号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19502700号明細書)とは異なり、選択度の著しい上昇を生じた。
【0018】
有機塩基およびアンモニアは、以下、窒素塩基の概念に一緒に含まれる。
【0019】
本発明による方法の場合、反応の選択度は、使用される窒素塩基の種類とは無関係である。従って、この方法は、安価で良好に直ちに使用可能な窒素塩基の使用を可能にする。
【0020】
まさに安価で開鎖状の第1アミン、第2アミンおよび第3アミンを使用する場合には、20℃を上廻る温度範囲で3価燐化合物の添加下でのみ良好な選択度を達成することができ、このことは、水素化の発熱に基づき処理技術に対して大きな利点をもたらす。
【0021】
低沸点の窒素塩基、例えば第1アミンまたはアンモニアの選択により、塩基を極めて熱安定性の有機ヒドロキシルアミンと簡単に分離することができる。
【0022】
相応するアミン誘導体への形成された有機ヒドロキシルアミンの後還元は本発明による方法の使用の際に極めて緩徐であるので、数時間までのニトロ化合物に対して2モル量の水素の吸収後にはさらに水素の吸収は行なわれない。従って、本発明による方法は、水素化の最終点の測定を簡易化し、工業的装置中での実施を簡単なものにする。
【0023】
アルカリヒドロキシルアミンの本発明方法により得られた溶液は、保護ガス下で貯蔵安定である。
【0024】
本発明は、有利に一般式IまたはII
【0025】
【化2】
【0026】
〔式中、Ar1は非置換または置換の同素環式または複素環式アリール基であり、Alk1は非置換または置換アルキル基である〕の有機ヒドロキシルアミンを、一般式IIIまたはIV
〔式中、Ar1およびAlk1は記載された意味を有する〕の有機ニトロ化合物を周期律表の第7副族または第8副族の少なくとも1つの元素、および少なくとも1つの窒素塩基および少なくとも1つの3価の燐化合物を含有する水素化触媒の存在下に部分的に水素化することによって製造する方法に関するものであり、この方法は、窒素塩基およびニトロ化合物を0.1を上廻る窒素塩基とニトロ化合物との重量比で使用し、3価の燐化合物をニトロ化合物に対して0.0001〜3モル%の量で使用することによって特徴付けられる。
【0027】
式IおよびIIIのAr1は、1回または数回R1で置換されていてよい単核または二核の同素環式または複素環式アリール基を表わし、この場合R1は、同一であるかまたは異なり、次の意味:
ハロゲン原子、C1〜C4−アルキル、ハロゲン−(C1〜C4)−アルキル、ハロゲン−(C1〜C4)−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルキルチオ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル、(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、(C1〜C4)−アルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−ジアルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−ジアルキルアミノ、(C1〜C4)−アルキルアミノ、(C1〜C4)−アルキルカルボニルアミノ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル−(C1〜C4)−アルキルアミノ、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシ基のエステルまたは塩、スルホノ、スルホノ基のエステルまたは塩、またはA−Bを有し、この場合Aは、−O−、−S−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−、−CH2−O−CO−、−CH2−N(R2)−、−CH=CH−、−CH=N−O−または単結合を表わし、
R2は、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニルまたは水素を表わし、
Bは、フェニル、ナフチル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、ピロリルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表わし、
この場合Bは、1〜3個の置換基R3で置換されていてもよく、
R3は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、ハロ−(C1〜C4)−アルキル、ハロ−(C1〜C4)−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルキルチオ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル、(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、(C1〜C4)−アルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−ジアルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−アルキルカルボニルアミノ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル−(C1〜C4)−アルキルアミノまたはシアノを表わす。
【0028】
式IIおよびIV中のAlk1は、有利に1〜24個のC原子を含有する線状または分枝鎖状または環式アルキル基を表わし、この場合アルキル基は、飽和または不飽和であってよく、置換されていないかまたは1回または数回置換基R4で置換されており、この場合R4は、同一かまたは異なり、次の意味:
C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルキルチオ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル、(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、(C1〜C4)−アルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−ジアルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−ジアルキルアミノ、(C1〜C4)−アルキルアミノ、(C1〜C4)−アルキルカルボニルアミノ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル−(C1〜C4)−アルキルアミノ、アミノ、ヒドロキシを有する。
【0029】
特に有利には、N−フェニルヒドロキシルアミンを製出する方法が適している。
【0030】
有機ニトロ化合物としては、本発明による方法において、例えば簡単なニトロ芳香族化合物、例えばニトロベンゾール、2−ニトロトルオール、4−ニトロトルオール、4−ニトロクモール、2−ニトロ−m−キシロール、3−ニトロ−o−キシロール、4−ニトロ−o−キシロール、4−ニトロ−m−キシロール、5−ニトロ−m−キシロール、ニトロメシチレン、ニトロアントラセン、1−ニトロナフタリン、2−ニトロナフタリン、1−ニトロピレン、2−メチル−1−ニトロナフタリン、2−ニトロフルオレン、ならびに複合体化合物、例えば2−ニトロアニソール、3−ニトロアニソール、4−ニトロアニソール、4−ニトロビフェニル、2−ニトロベンゼンスルホン酸アミド、5−ニトロキノリン、8−ニトロキノリン、2−ニトロイミダゾール、5−ニトロインダゾール、6−ニトロインドリン、5−ニトロイソキノリン、4−ニトロ−α−ナフトールメチルエーテル、4−ニトロフェノール、4−ニトロアニリン、ニトロレゾルシン、2−ニトロピリジン、4−ニトロ安息香酸アミド、4−ニトロベンゾニトリル、4−ニトロ−2,1,3−ベンゾチアゾールが使用され、ならびにニトロ脂肪族化合物、例えばニトロメタン、ニトロ−第三ブタン、1−ニトロブタン、3−ニトロ−2−ブタノール、ニトロシクロヘキサン、1−ニトロシクロヘキセン、ニトロシクロペンタン、ニトロエタン、2−ニトロエタノール、1−ニトロヘキサン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、2−ニトロ−1−プロパノール、2−ニトロ−1−プロピルアミン、2−ニトロ−1−エチルアミンが使用される。
【0031】
ニトロ芳香族化合物の中で有利なのは、ニトロベンゾール、2−ニトロトルオール、4−ニトロトルオール、4−ニトロクモール、2−ニトロ−m−キシロール、3−ニトロ−o−キシロール、4−ニトロ−o−キシロール、4−ニトロ−m−キシロール、5−ニトロ−m−キシロール、ニトロメシチレン、ニトロアントラセン、1−ニトロナフタリン、2−ニトロナフタリンである。
【0032】
ニトロ脂肪族化合物の中で有利なのは、ニトロメタン、ニトロ−第三ブタン、1−ニトロブタン、ニトロシクロヘキサン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパンである。
【0033】
エダクトとして使用されるニトロ芳香族化合物およびニトロ脂肪族化合物は、購入することができるかまたは公知方法で簡単に良好な収率で製出することができる(R.G. Coombes in Comprehensive Organic Chemistry, Pergamon Press, Oxford-New York-Tronto-Sydney-Paris-Frankfurt, 第2巻, 第7部, 325-334, 1979)。
【0034】
本発明方法で使用される水素化触媒は、場合によっては銀、金、銅、錫、硫黄、セレンまたはこれら元素の組合せ物でドープされてよい。
【0035】
水素化触媒は、有利に担持材料上に施こされて使用されてよい。
【0036】
適当な担持材料は、有利に僅かな比表面積または大きな比表面積を有する多孔質または非多孔質の炭素種、酸化物化合物または塩状化合物、例えば酸化アルミニウム、珪酸塩、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、二酸化チタンおよびこれらの物質の組合せ物の群から選択されたものである。
【0037】
更に、触媒は、溶剤に対して不活性の金属、例えば場合によっては炭素でドープされた鉄、銅、ニッケル、鉛、タンタル、チタン、モリブデン、クロム、バナジウムまたは記載された化合物の合金上に施こされてもよい。
【0038】
触媒として好ましいのは、白金、パラジウムおよびニッケルである。
【0039】
触媒として特に好ましいのは、白金およびパラジウムである。
【0040】
担持材料として好ましいのは、多孔質または非多孔質の炭素種、多孔質または非多孔質の炭素種と酸化物または塩状化合物との組合せ物、および溶剤中で不活性の金属の鉄、銅、チタン、タンタル、バナジウムおよびこれらの場合によっては炭素でドープされた合金である。
【0041】
触媒が担持材料上で結合して存在する場合には、触媒含量は、担持材料に対して有利に0.1〜20質量%、特に有利に0.1〜10質量%、殊に有利に0.1〜4質量%である。
【0042】
使用される触媒金属の量は、使用されるニトロ化合物に対して有利に0.001〜1質量%、特に有利に0.001〜0.1質量%である。
【0043】
窒素塩基としては、本発明による方法において、有利にアンモニア、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、(ポリ)アルキレンポリアミン、N−アルキル化されたピペリジンおよびモルホリンならびに場合によっては環の炭素原子でアルキル化されたピペリジンおよびモルホリン、管の窒素原子および/または炭素原子でアルキル化されたピロリジン、N−アルキル化アニリンおよびピリジンならびに場合によっては環の炭素原子でアルキル化されたアニリンおよびピリジン、アルキル化されたピリジン、キノリンおよびイソキノリンの群から選択された1つの化合物が使用される。
【0044】
記載されたアルキル基およびアルカノール基は、分枝鎖状であっても非分枝鎖状であってもよく、1〜20個のC原子、特に有利に1〜6個のC原子、殊に1〜4個のC原子を有する。
【0045】
モノアルキルアミン、ジアルキルアミンおよびトリアルキルアミンの例は、メチルアミン、エチルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エチレンジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、シクロヘキシルアミンである。
【0046】
モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンの例は、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンである。
【0047】
(ポリ)アルキレンポリアミンの例は、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンである。
【0048】
ピロリジン、ピペリジンおよびモルホリンの例は、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、およびモノメチルピロリジン、ジメチルピロリジン、トリメチルピロリジンおよびテトラメチルピロリジン、モノメチルピペリジン、ジメチルピペリジン、トリメチルピペリジンおよびテトラメチルピペリジン、モノメチルモルホリン、ジメチルモルホリン、トリメチルモルホリンおよびテトラメチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−エチルピペリジン、N−エチルモルホリン、N−エチルピロリジンである。
【0049】
アニリンおよびピリジンの例は、アニリン、o−トルイジンおよびm−トルイジン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2−エチルピリジンである。
【0050】
有利には、アンモニア、モノアルキルアミン、ジアルキルアミンおよびトリアルキルアミン、モルホリンおよびピペリジンの群から選択された化合物が使用される。
【0051】
特に有利には、アンモニア、およびモノアルキルアミン、ジアルキルアミンおよびトリアルキルアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、シクロヘキシルアミンの群から選択された化合物が使用される。
【0052】
窒素塩基は、単独で使用されてもよいし、混合物として使用されてもよく、この場合塩基の使用される量は、使用される窒素塩基/使用されるニトロ塩基の重量比が0.1を上廻るようでなければならない。有利には、重量比は0.1〜10である。
【0053】
本発明による方法には、有利に燐原子が鎖長1〜20個の炭素原子を有する1個またはそれ以上のアリール基またはアリールオキシ基および/またはアルキル基またはアルキルオキシ基を有しているような3価の燐化合物が適しており、この場合アリール基は、非置換であってもよいし、C1〜C4−アルキル基またはC1〜C4−アルコキシ基で置換されていてもよい。
【0054】
このような化合物の例は、トリフェニルホスファイト、ジメチルフェニルホスファイト、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスファイト、ジ−p−ニトロフェニルホスファイトおよびジ−p−メチルフェニルホスファイト、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリノニルホスファイトである。
【0055】
好ましいのは、燐原子が鎖長1〜8個の炭素原子を有する1個またはそれ以上のフェニル基またはフェニルオキシ基および/または1個またはそれ以上のアルキル基またはアルキルオキシ基を有しているような燐化合物である。
【0056】
本発明による方法で使用されてもよい他の3価の燐化合物は、三塩化燐および亜燐酸である。
【0057】
3価の燐化合物は、単独で使用されてもよいし、混合物で使用されてもよい。
【0058】
有利には、3価の燐化合物は、出発反応混合物中でニトロ化合物に対して0.0001〜3モル%の量、有利に0.0001〜0.8モル%の量、特に有利に0.0001〜0.1モル%の量で存在していてもよい。
【0059】
本発明による方法は、特に−10℃〜100℃、有利に10℃〜80℃の温度範囲内で実施される。
【0060】
水素化が選択された温度で十分に迅速に進行することを保証するために、有利には、常圧と10バールの過圧との間にある水素分圧が使用される。
【0061】
反応は、他の溶剤、例えばエーテル、エステル、アルコール、ニトリル、アミド、脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素または水の存在下で実施されてよい。
【0062】
本発明による方法で取得されるアリールヒドロキシルアミンは、刊行物から公知のように、バンベルガー転位により調製的に価値の高い置換アミノフェノールに変換されることができる。
【0063】
更に、アリールヒドロキシルアミンは、周知のように、フォトリソグラフィーに使用されるジアリールニトロンのための出発物質として、植物保護剤を製造するための中間生成物として、および分析試薬のクペロンを製出するための出発物質として使用される。
【0064】
また、本発明による方法で取得されるアルキルヒドロキシルアミンは、殊に製薬学および植物保護に使用されるヒドロキサム酸の製出のための中間生成物として多方面で使用されている。
【0065】
次の実施例につき本発明を説明する。
【0066】
例1
100mlのオートクレーブ中に活性炭上の白金5質量%(Aldrich社)を含有する触媒68mgを入れる。そのために、ニトロベンゾール3.0mlおよびジエチルアミン12.0mlをピペットで注入する。トリエチルホスファイト3μlの添加後、混合物を25℃で強力に攪拌しながら5バールの水素圧力で2時間水素化する。
【0067】
粗製混合物のHPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン96.6モル%、アニリン1.4モル%およびニトロベンゾール2モル%が明らかになる。
【0068】
比較例1
例1と同様に処理するが、しかし、トリエチルホスファイトは添加しない。
【0069】
2時間の反応時間後のHPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン46.2モル%、アニリン47.2モル%およびニトロベンゾール6.6モル%が明らかになる。
【0070】
例2
例1と同様に処理する。溶剤としてトリエチルアミンを使用する。先行する水素化反応からの触媒を再び使用する。反応を完結させるために1.5時間が必要とされる。
【0071】
HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン97.3モル%、アニリン1.0モル%およびニトロベンゾール1.7モル%が明らかになる。
【0072】
比較例2
例2と同様に作業するが、しかし、トリフェニルホスファイトは添加しない。水素化を20℃で2時間で実施する。
【0073】
HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン62.9モル%、ニトロベンゾール16.2モル%およびアニリン20.9モル%が明らかになる。
【0074】
例3
例1と同様に実施する。溶剤として、ピリジンを使用する。
【0075】
3.75時間の反応時間後、HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン97.3モル%、アニリン2.4モル%およびニトロベンゾール0.3モル%が明らかになる。
【0076】
比較例3
例3と同様に処理するが、しかし、トリエチルホスファイトは添加しない。反応時間は、4時間である。
【0077】
HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン91.2モル%、アニリン6.5モル%およびニトロベンゾール2.3モル%が明らかになる。
【0078】
例4
例1と同様に処理する。溶剤としてN−メチルモルホリンを使用する。水素化を28℃で5時間で実施する。
【0079】
HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン97.8モル%、アニリン1.7モル%およびニトロベンゾール0.5モル%が明らかになる。
【0080】
比較例4
例4と同様に作業するが、しかし、トリエチルホスファイトは添加しない。
【0081】
5時間の反応時間後、HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン85モル%、アニリン14.6モル%およびニトロベンゾール0.4モル%が明らかになる。
【0082】
例5
100mlのオートクレーブ中に活性炭上の白金1.2質量%を含有する触媒45.9mgを入れる。そのために、ニトロベンゾール3.6gおよびn−プロピルアミン12mlをピペットで注入する。トリエチルホスファイト1μlの添加後、混合物を25℃で攪拌しながら2バールの水素圧力で水素化する。
【0083】
3.75時間の反応時間後、HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン98.2モル%およびアニリン1.8モル%が明らかになる。
【0084】
比較例5
例5と同様に作業するが、しかし、トリエチルホスファイトは添加しない。
【0086】
4.25時間の反応時間後、HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン82.6モル%、アニリン16.5モル%およびニトロベンゾール0.9モル%が明らかになった。
【0087】
例6
例5と同様に作業する。溶剤としてイソプロピルアミンを使用する。そのために、活性炭上の白金5質量%(Aldrich社)を含有する触媒を入れる。反応を完結させるために、2.5時間が必要とされる。
【0088】
HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン97.7モル%、アニリン2.0モル%およびニトロベンゾール0.3モル%が明らかになった。
【0099】
例7
例5と同様に処理する。溶剤としてn−プロピルアミン6mlとトルオール6mlとの混合物を使用する。活性炭上の白金5質量%(Aldrich社)を含有する触媒68mgを使用する。水素化を完結させるために、3時間が必要とされる。
【0100】
HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン93.2モル%、アニリン3.9モル%およびニトロベンゾール2.9モル%が明らかになった。
【0101】
例8
例5と同様に処理する。活性炭上の白金5質量%(Aldrich社)を含有する触媒68mgを使用する。トリエチルホスファイトをトリフェニルホスフィン4.6mgによって代替する。反応を完結させるために、3.75時間ガスで化学的な作用を及ぼす。
【0102】
HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン96.6モル%、アニリン2.0モル%およびニトロベンゾール1.4モル%が明らかになる。
【0103】
例9
例8と同様に処理し、トリフェニルホスフィンをトリプロピルホスフィン3.5μlによって代替する。
【0104】
2.75時間の反応時間後、HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン96.5モル%、アニリン1.6モル%およびニトロベンゾール1.9モル%が明らかになる。
【0105】
例10
例5と同様に作業する。活性炭上の白金5質量%(Aldrich社)を含有する触媒22.7mgを使用する。水素化反応を60℃で実施する。2.5時間の水素化時間後、HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン95.3モル%、アニリン2.0モル%およびニトロベンゾール2.7モル%が明らかになる。
【0106】
例11
100mlのオートクレーブ中に白金粉末31.5mg(Alfa社、99.9%粒径0.5〜1.2μm)を入れる。そのために、ニトロベンゾール3.6gおよびn−プロピルアミン12mlをピペットで注入する。トリエチルホスファイト3μlの添加後、混合物を30℃で攪拌しながら5バールの水素圧力で水素化する。
【0107】
2時間の反応時間後、HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン95.4モル%、アニリン2.0モル%およびニトロベンゾール3.6モル%が明らかになった。
【0108】
例12
100mlのオートクレーブ中に活性炭上の白金1質量%を含有する触媒110mgを入れる。そのために、8−ニトロキノリン5.09gおよびn−プロピルアミン20mlを加える。トリエチルホスファイト3μlの添加後、混合物を25℃で強力に攪拌しながら5バールの水素圧力で3時間水素化する。HPLC分析により、8−ヒドロキシルアミノキノリン100モル%が明らかになる。
【0109】
粗製混合物から40℃/20ミリバールで溶剤を除去し、酢酸エチル中に溶解し、石油エーテルで沈殿させる。融点66〜68℃を有する黄色の粉末が得られる。
【0110】
1H−NMR(CD3OD ppm):8.71(dd,1h)、8.19(dd,1H)、7.42(m,4H)。
【0111】
例13
100mlのオートクレーブ中に活性炭上の白金1.2質量%を含有する触媒92mgを入れる。そのために、ニトロベンゾール9.6ml、n−ヘキサノール38.5mlおよび水1.9mlからなる混合物15mlをピペットで注入する。この混合物中にガス状アンモニア4.0gを導入する。トリエチルホスファイト3μlの添加後、この混合物を室温および水素圧力5バールで3.25時間水素化する。
【0112】
HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン95.25モル%、アニリン3モル%およびニトロベンゾール1.75モル%が明らかになる。
【0113】
例14
100mlのオートクレーブ中に活性炭上の白金1質量%を含有する触媒110mgを入れる。そのために、ニトロベンゾール18.7ml、n−ブタノール74.8mlおよび水6.6mlからなる混合物15mlをピペットで注入する。この混合物中にガス状アンモニア7.9gを導入する。トリエチルホスファイト3μlの添加後、この混合物を室温および水素圧力5バールで2.25時間水素化する。
【0114】
HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン96モル%、ニトロベンゾール1.5モル%およびアニリン2.5モル%が明らかになる。
【0115】
例15
100mlのオートクレーブ中に活性炭上の白金1質量%を含有する触媒110mgを入れる。そのために、ニトロベンゾール3mlおよびメタノール中の7Nアンモニア溶液12mlをピペットで注入する。トリエチルホスファイト3μlの添加後、室温および水素部分圧力5バールで5.25時間水素化する。
【0116】
HPLC分析により、フェニルヒドロキシルアミン95モル%、アニリン3.3モル%およびニトロベンゾール0.7モル%が明らかになる。
Claims (10)
- 有機ニトロ化合物を有機塩基またはアンモニアである窒素塩基、3価燐化合物および水素化触媒の存在下に部分的に水素化することにより、有機ヒドロキシルアミンを製造する方法において、窒素塩基を有機ニトロ化合物に対して10質量%を上廻る量で使用することを特徴とする、有機ヒドロキシルアミンの製造法。
- 一般式IまたはII
Ar1−NO2 Alk1−NO2
III IV
〔式中、Ar1およびAlk1は記載された意味を有する〕の有機ニトロ化合物を周期律表の第7副族または第8副族の少なくとも1つの元素、および少なくとも1つの窒素塩基および少なくとも1つの3価燐化合物を含有する水素化触媒の存在下に部分的に水素化することによって製造する方法において、窒素塩基およびニトロ化合物を0.1を上廻る窒素塩基とニトロ化合物との重量比で使用し、3価燐化合物をニトロ化合物に対して0.0001〜3モル%の量で使用することを特徴とする、一般式IまたはIIの有機ヒドロキシルアミンの製造法。 - 式IおよびIIIのAr1は、1回または数回R1で置換されていてよい単核または二核の同素環式または複素環式アリール基を表わし、この場合R1は、同一であるかまたは異なり、次の意味:
ハロゲン原子、C1〜C4−アルキル、ハロゲン−(C1〜C4)−アルキル、ハロゲン−(C1〜C4)−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルキルチオ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル、(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、(C1〜C4)−アルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−ジアルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−ジアルキルアミノ、(C1〜C4)−アルキルアミノ、(C1〜C4)−アルキルカルボニルアミノ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル−(C1〜C4)−アルキルアミノ、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシ基のエステルまたは塩、スルホノ、スルホノ基のエステルまたは塩、またはA−Bを有し、この場合Aは、−O−、−S−、−O−CH2−、−CH2−O−、−S−CH2−、−CH2−S−、−CH2−O−CO−、−CH2−N(R2)−、−CH=CH−、−CH=N−O−または単結合を表わし、
R2は、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニルまたは水素を表わし、
Bは、フェニル、ナフチル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、ピロリルまたはC3〜C7−シクロアルキルを表わし、
この場合Bは、1〜3個の置換基R3で置換されていてもよく、
R3は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、ハロゲン−(C1〜C4)−アルキル、ハロゲン−(C1〜C4)−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルキルチオ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル、(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、(C1〜C4)−アルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−ジアルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−アルキルカルボニルアミノ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル−(C1〜C4)−アルキルアミノまたはシアノを表わし、
式IIおよびIV中のAlk1は、1〜24個のC原子を含有する線状または分枝鎖状または環式アルキル基を表わし、この場合アルキル基は、飽和または不飽和であってよく、置換されていないかまたは1回または数回置換基R4で置換されており、この場合R4は、同一かまたは異なり、次の意味:
C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルキルチオ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル、(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、(C1〜C4)−アルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−ジアルキルアミノカルボニル、(C1〜C4)−ジアルキルアミノ、(C1〜C4)−アルキルアミノ、(C1〜C4)−アルキルカルボニルアミノ、(C1〜C4)−アルキルカルボニル−(C1〜C4)−アルキルアミノ、アミノ、ヒドロキシを有する、請求項2記載の方法。 - 有機ニトロ化合物として、簡単なニトロ芳香族化合物、例えばニトロベンゾール、2−ニトロトルオール、4−ニトロトルオール、4−ニトロクモール、2−ニトロ−m−キシロール、3−ニトロ−o−キシロール、4−ニトロ−o−キシロール、4−ニトロ−m−キシロール、5−ニトロ−m−キシロール、ニトロメシチレン、ニトロアントラセン、1−ニトロナフタリン、2−ニトロナフタリン、1−ニトロピレン、2−メチル−1−ニトロナフタリン、2−ニトロフルオレンを使用し、ならびに複合体化合物、例えば2−ニトロアニソール、3−ニトロアニソール、4−ニトロアニソール、4−ニトロビフェニル、2−ニトロベンゾールスルホン酸アミド、5−ニトロキノリン、8−ニトロキノリン、2−ニトロイミダゾール、5−ニトロインダゾール、6−ニトロインドリン、5−ニトロイソキノリン、4−ニトロ−α−ナフトールメチルエーテル、4−ニトロフェノール、4−ニトロアニリン、ニトロレゾルシン、2−ニトロピリジン、4−ニトロ安息香酸アミド、4−ニトロベンゾニトリル、4−ニトロ−2,1,3−ベンゾチアゾールまたはニトロ脂肪族化合物、例えばニトロメタン、ニトロ−第三ブタン、1−ニトロブタン、3−ニトロ−2−ブタノール、ニトロシクロヘキサン、1−ニトロシクロヘキセン、ニトロシクロペンタン、ニトロエタン、2−ニトロエタノール、1−ニトロヘキサン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、2−ニトロー1−プロパノール、2−ニトロ−1−プロピルアミン、2−ニトロ−1−エチルアミンを使用する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
- 窒素塩基としてアンモニア、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、(ポリ)アルキレンポリアミン、N−アルキル化ピペリジンおよび場合によっては環の炭素原子でアルキル化されたピペリジンならびにN−アルキル化モルホリンおよび場合によっては環の炭素原子でアルキル化されたモルホリン、窒素原子および/または環の炭素原子でアルキル化されたピロリジン、N−アルキル化アニリンおよび場合によっては環の炭素原子でアルキル化されたアニリンならびにN−アルキル化ピリジンおよび場合によっては環の炭素原子でアルキル化されたピリジン、アルキル化ピリジン、キノリンまたはイソキノリンを使用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
- 燐原子が1個以上のアリール基もしくはアリールオキシ基またはアルキル基もしくはアルキルオキシ基を有し、その鎖長が1〜20個の炭素原子である少なくとも1つの化合物を3価燐化合物として使用し、この場合アリール基は、置換されていなくとも置換されていてもよい、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
- 使用される窒素塩基と使用されるニトロ化合物との重量比が1〜5である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
- 出発反応混合物中の3価燐化合物がニトロ化合物に対して0.0001〜3モル%の量で存在している、請求項1または請求項4から7までのいずれか1項に記載の方法。
- 使用されるニトロ化合物に対して0.001〜1質量%の量で触媒を使用する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
- −10℃〜100℃の温度範囲内で実施する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
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