JP3804587B2 - 筒状のボス部を有する回転体用の成形用金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は成形用金型に関し、特に、ファンを製造するための成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばファンなどの回転体の射出成形時に成形品の回転中心位置(軸心)と重心位置が一致しないアンバランスな状態となることがある。このようなアンバランスにより成形品の回転時に回転不釣合いが生じてしまうので、何らかの方法でアンバランスを調整する必要がある。従来では、金型を切削したり、成形品にウェイトをつけたりするなどの方法が提案されていた。ところが、このような方法では、手作業であるため、膨大な時間を要しかつ高価であるという問題点があった。
【0003】
そこで、迅速かつ廉価にアンバランスを調整するために、固定金型の中央部のみを金型の他の部分に対して移動させる方法が提案されている。例えば、特公平7−115381号公報では、アンバランス量を、ファンの回転中心位置を原点としたファンの重心位置である「方向」と、ファンの重心位置とファンの回転中心位置の間の距離とファンの重量との積である「大きさ」とで評価し、この評価に基づいて、すなわち、前記「方向」と反対方向に同等の「大きさ」だけ、成形品の中央のボスに対応する固定金型の中心部を金型の長手軸線に直角な平面内で移動させている。
【0004】
固定金型の中心部のみを金型の他の部分に対して移動させるために、固定金型は、固定金型本体と、固定金型本体内に嵌合された外偏心リングと、この外偏心リング内に嵌合された内偏心リングと、内偏心リング内に嵌合された中央部とを備えており、外偏心リングと内偏心リングを適切に回転させることにより、内偏心リング内の固定金型の中心部の位置を移動させている。このように、一度調整すれば調整作業が完了するので、迅速かつ廉価に回転中心を重心位置に一致させることができる。
【0005】
ところで、ボス部が筒状である成形品を成形する場合、ボス部近傍では、例えば、固定金型の中心部は筒状部の外壁を構成し、可動金型が筒状の穴部分を構成している。このような構成により、上記方法で回転中心を重心位置に一致させるために固定金型の中心部のみを移動させると、ボス部の穴部分が筒状部分に対して偏心してしまう。このような偏心により、成形品のボス部の薄肉である場合には、ボス部の強度が低下してしまうなど無視できないほどに成形品の精度が低下してしまうという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を鑑み、本発明は、容易かつ迅速に高精度で成形品を成形する成形用金型を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る筒状のボス部を有する回転体用の成形用金型によれば、第一穴を有する可動金型本体と、可動金型本体の第一穴内で固定され、かつ第一穴の偏心位置に第二穴を有する可動側外偏心リングと、可動側外偏心リングの第二穴内で固定され、かつ第二穴の偏心位置に第三穴を有する可動側内偏心リングと、可動側内偏心リングの第三穴内に固定された可動側中央部材とを備えた可動金型と、第四穴を有する固定金型本体と、固定金型本体の第四穴内で固定され、かつ第四穴の偏心位置に第五穴を有する固定側外偏心リングと、固定側外偏心リングの第五穴内で固定され、かつ第五穴の偏心位置に第六穴を有する固定側内偏心リングと、固定側内偏心リングの第六穴内に固定された固定側中央部材とを備え、第二穴の第一穴に関する偏心量と第五穴の第四穴に関する偏心量は同じであり、かつ第三穴の第二穴に関する偏心量と第六穴の第五穴に関する偏心量は同じである。これにより、固定側のキャビティの中心部と可動側のキャビティの中心部の両方を金型の長手軸線に直角な平面内で移動させることにより、金型の中心部分の位置を高精度で調整することができ、成形品を高精度に成形することができる。
【0008】
本発明の請求項2に係る筒状のボス部を有する回転体用の成形用金型によれば、請求項1に係る筒状のボス部を有する回転体用の成形用金型において、可動金型本体と可動側外偏心リング、可動側外偏心リングと可動側内偏心リング、固定金型本体と固定側外偏心リング、固定側外偏心リングと固定側内偏心リングのそれぞれの間には、ピンと、ピンを受容する凹所とがそれらの周方向に等間隔に設けられている。これにより、外偏心リングと内偏心リングの位置を割り出すことができるので、可動側中央部材と固定側中央部材を平面内において全く同じ量だけ移動させることができ、金型の中心部の位置を高精度で調整することができ、成形品をより高精度に成形することができる。
【0009】
本発明の請求項3に係る筒状のボス部を有する回転体用の成形用金型によれば、請求項1又は2に係る筒状のボス部を有する回転体用の成形用金型において、固定側中央部材及び可動側中央部材の少なくとも一方に冷却水通路が設けられている。これにより、キャビティの中心部を冷却することができ、成形品の中心部の収縮率を低減し、成形品の精度をより一層向上させることができるというさらなる利点がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の成形用金型の断面図である。本発明の成形用金型10は、パーティングラインAで分離される固定金型20と可動金型40とで構成されている。固定金型20は、固定金型本体21と、固定金型本体21の内部に嵌合された第一固定側リング23及び第二固定側リング24と、これらリング23、24の内部に嵌合された、固定金型20側のキャビティ30の中心部分を微調整することができる固定金型調整機構とで構成されている。一方、可動金型40は、可動金型本体41と、可動金型本体41の内部に嵌合された可動側リング44と、可動側リング44の内部に嵌合された、可動金型40側のキャビティ30の中心部分を微調整することができる可動金型調整機構とで構成されている。
【0011】
次に、成形品がシロッコファンである場合を例にとってキャビティ30について説明する。シロッコファンの羽根部分に対応するリング部、すなわち、キャビティの外側部分は、固定側リング23、24と可動側リング44とで構成されている。また、シロッコファンのディスク部、すなわち、キャビティの内側部分は、可動金型調整機構と固定金型調整機構で構成されている。また、シロッコファンのディスク部の中央の筒状のボス部、すなわち、キャビティの中心部分は、以下に詳細に説明するように、固定金型調整機構の固定側中央部材と、可動金型調整機構の可動側中央部材とで構成されており、各金型調整機構の中央部材の位置を金型の長手軸線に直角な平面内で変えることにより、キャビティの中心部の位置、すなわち成形品の中心部の形状を微調整することができる。
【0012】
固定金型調整機構は、図2の斜視図に示すように、第一固定側リング24内に嵌合された固定側外偏心リング25と、固定側外偏心リング25内に嵌合された固定側内偏心リング26と、固定側内偏心リング26内に嵌合された固定側中央部材とで構成されている。固定側中央部材は、材料をキャビティ30内に注入するためのスプルー22が設けられた筒状部材27と、筒状部材27内に嵌合された固定側ボスセンタ28とで構成されている。固定側ボスセンタ28には、離型時に成形品を押し出すための押出しピン(図示せず)を配置しうる孔28aが形成されている。
【0013】
外偏心リング25の外周面には、例えば16個の位置決めピン25bが周方向に等間隔に設けられており、これら位置決めピン25bの各々は、第二固定側リング24の内周面に設けられた複数の凹所24cの各々に受容されている。また、内偏心リング26の外周面には、複数の位置決めピン26bが周方向に等間隔に設けられており、これら位置決めピン26bの各々は、外偏心リング25の内周面に設けられた複数の凹所(図示せず)の各々に受容されている。また、筒状部材27の外周面には、複数の位置決めピン27bが周方向に等間隔に設けられており、これら位置決めピン27bの各々は、内偏心リング26の内周面に設けられた複数の凹所26cの各々に受容されている。このような構成により、固定側リング(固定金型本体)と、外偏心リングと、内偏心リングと固定側中央部材とを相対的に回転させた(割り出した)後に固定することができる。
【0014】
次に固定金型調整機構の調整の原理について説明する。図3は各リングの模式図である。図3(A)に示すように、外偏心リング25の中心Cは、金型の中心Oから距離r1だけ偏心している。このような構成により、外偏心リング25を回転させることによって、外偏心リング25の内側の部材の中心を金型の中心Oからr1の距離の任意の位置に配置することができる。また、図3(B)に示すように、内偏心リング26の中心Dは、外偏心リング25の中心C、すなわちボスセンタの中心から距離r2だけ偏心している。このような構成により、内偏心リング26を回転させることによって、内偏心リング26の内側の部材の中心を内偏心リングの中心からr2の距離の任意の位置に配置することができる。以上の偏心リング25、26の回転の組み合わせにより、偏心リング26、27の内側の部材、すなわち中央部材の中心の位置を、金型の中心Oから最小距離|r1−r2|と最大距離r1+r2の間で任意の位置に配置することができる。なお、偏心量r1、r2を選択する際、調整前の段階において中央部材の中心の位置を金型の中心Oに配置しうるように、|r1−r2|を0とする、すなわちr1=r2とすることが好ましい。
【0015】
偏心リング25、26の移動量の決定について説明する。図4は偏心リングの移動量を決定するために用いる図である。図4のxy平面は、金型の長手軸線に直角であり、金型の中心を原点Oとし、外偏心リングの中心をCとし、固定側中央部材の中心をDとする。図4において、固定側中央部材の中心Dを金型の横断面であるxy平面内で座標(x、y)に移動させる場合について考える。内偏心リングの中心Cは原点Oからr1の距離に位置し(線分OCの長さはr1)、内偏心リングを回転させる時の中央部材の中心DはCからr2の距離に位置する(線分CDの長さはr2)ことから、中央部材の中心Dの位置は、線分OCと線分CDの組み合わせで定まる。したがって、目標位置(x、y)に移動させたい場合には、Dを目標位置(x、y)に一致させてxy平面上にOCDの三角形を形成することにより、OCの方向(外偏心リングの回転量)とCDの方向(内偏心リングの回転量)を定めることができる。図4では、調整前の位置が外偏心リングの中心Cの位置、固定側中央部材の中心Dの位置をx軸上にあるとすると、外偏心リングの回転量は、x軸から反時計回りに角度αである。また、内偏心リングの回転量は、外偏心リングに対して時計回りに角度βであるということが理解される。なお、偏心リングの回転方向及び回転量をもう一通り定めることができる。すなわち、xy平面上にOCDの他に、Cと線分ODに対して対称に位置するC´を頂点とするOC´Dの三角形が形成される。この場合、図4の例において、外偏心リングの回転量はx軸から時計回りに角度α´であり、内偏心リングの回転量は、外偏心リングに対して時計回りに角度β´である。
【0016】
筒状部材27とボスセンタ28で構成される固定側中央部材は、内偏心リング26と一体に構成されてもよいが、ボスセンタ28の形状が長手軸線に対して非対称である場合などのように、外偏心リング25及び内偏心リング26を回転させることによってボスセンタ28の向きを変えることが好ましくない場合には、固定側中央部材は、内偏心リング26に対して分離しうる別部材に構成しうる。本実施例では、固定側中央部材と内偏心リング26は別部材であり、図2に示すように、筒状部材27の外周面には、複数の位置決めピン27bが周方向に等間隔に設けられており、これら位置決めピン27bの各々は、内偏心リング26の内周面に設けられた複数の凹所26cの各々に受容されている。これにより、偏心リング25、26の回転量と逆の回転量を筒状部材を回転させて内偏心リング26に固定することにより、筒状部材27及びボスセンタ28の金型の横断面内における向きを偏心リング25、26を回転させる前と同じ向きに維持することができる。
【0017】
次に可動金型調整機構について説明する。可動金型調整機構は、可動側リング44内に嵌合された可動側外偏心リング45と、可動側外偏心リング45内に嵌合された可動側内偏心リング46と、可動側内偏心リング46内に嵌合された可動側中央部材とで構成されている。また、可動側中央部材は、筒状部材47と、筒状部材47内に嵌合された可動側ボスセンタ48とで構成されており、これらの構成は、それぞれ、固定側外偏心リング25、固定側内偏心リング26、固定側中央部材の構成とほぼ同じである。そのため、固定金型側で調整する方法と全く同じ方法で可動金型側で調整することができる。但し、偏心リング45、46及び可動側中央部材の回転方向は偏心リング25、26及び固定側中央部材の回転方向と全く逆であり、偏心リング45、46及び可動側中央部材の移動量は、偏心リング25、26及び固定側中央部材の移動量と全く同じである。
【0018】
次に本発明の冷却機構について説明する。図1に示すように、可動側リング44の外周には、キャビティ30を囲う環状の冷却水通路44aが設けられている。また、この冷却水通路44aに連通した二つの冷却水通路41a(一つのみを示す)が可動金型41に設けられており、冷却水通路41aから冷却水通路44aに流入した冷却水は、キャビティ30の外周付近を周回して冷却水通路41aに流出する。これにより、金型のキャビティ30の外周付近を冷却することができる。
【0019】
また、本発明では、金型10のキャビティ30の中心近傍をより効果的に冷却するために、金型10の中心近傍に位置するボスセンタに冷却水通路を形成している。図5は可動側ボスセンタ48の断面図である。図5に示すように、ボスセンタ48は、筒部本体48aと、筒状部材47と当接する上側環状突出部48bと、筒状部材47と当接する下側環状突出部48cと、筒状本体48aの上面から突出している突起部48dとを備えている。ボスセンタ48と筒状部材47を嵌合させると、上側環状突出部48bと下側環状突出部48cと筒状部材47の間の空間には、環状の第一冷却水通路61が形成されている。この第一冷却水通路61の入口及び出口は、それぞれ、可動金型41に設けられた冷却水通路41b(一つのみ示している)に接続された筒状部材47中の冷却水通路47a(一つのみ示している)に接続されている。このような構成により、筒状部材の冷却水通路47aに設けられた入口から流入した冷却水は、ボスセンタ48の外周付近を周回して筒状部材の別の冷却水通路47aに設けられた出口を通って出るので、ボスセンタ48の側面、すなわち可動金型20の中心近傍を冷却することができる。
【0020】
金型10のキャビティ30の中心近傍をより効果的に冷却するために、ボスセンタ48の内部に設けた凹所48eにおいて仕切り部材51を用いて第二冷却水通路62をさらに形成している。図5に示すように、本実施例では、仕切り部材51は、フランジ部51bを外周部に有するパイプ状である。仕切り部材51のフランジ部51bをボスセンタ48の凹所48eの壁面に嵌合させることにより第二冷却水通路62を形成している。第二冷却水通路62の入口はパイプ部の基部51aであり、第二冷却水通路62の出口はフランジ部51bに設けられた穴51cである。第二冷却水通路62の入口及び出口は、それぞれ、筒状部材47及び可動金型20に設けられた冷却水通路に接続されている。このような構成により、第二冷却水通路62の入口から流入した冷却水は、仕切り部材51の内部に沿って流れ、パイプ部の先端51で折り返し、仕切り部材51の外部を通って第二冷却水通路62の出口から流れ出る。これにより、金型10の中心近傍をさらに効率的に冷却することができる。
【0021】
別の実施例の可動側ボスセンタ48について図6を参照しつつ説明する。図6に示すように、本実施例の可動側ボスセンタ48の仕切り部材51は、基部においてフランジ部51eを有する板部材である。仕切り部材51の板部材の側部とフランジ部51eの側部をボスセンタ48の凹所48eの壁面に嵌合させることにより第二冷却水通路62を形成している。第二冷却水通路62の入口はフランジ部51bに設けられた第一穴51fであり、第二冷却水通路62の出口は、フランジ部51bの第一穴51fと反対側に設けられた第二穴51gである。第二冷却水通路62の入口及び出口は、上記実施例と同様に、それぞれ、筒状部材47及び可動金型20に設けられた冷却水通路に接続されている。このような構成により、第二冷却水通路62の入口から流入した冷却水は、仕切り部材51の一方側に沿って流れ、仕切り部材51の先端51hで折り返し、仕切り部材51の他方側に沿って出口から流れ出る。これにより、金型10の中心近傍をさらに効率的に冷却することができる。
【0022】
また、固定金型側のボスセンタ28にも可動金型のボスセンタ48の第一冷却水通路61と同様に冷却水通路を形成し、金型10の中心近傍をさらに効率的に冷却することができる。
【0023】
金型調整機構の調整手順について説明する。例えば、固定金型20及び可動金型40側の外偏心リング25、45の偏心量及び内偏心リング26、46の偏心量は0.1mmである。また、外偏心リング25、45の偏心方向と逆方向に内偏心リング26、46を偏心させることによって、最初の成形時において各金型20、40の中央部材の中心を金型10の中心に位置させる。このように設定した後、成形用金型10を型締めし、材料を固定金型20のスプルー22を通してキャビティ30内に注入し、射出成形する。
【0024】
次にアンバランス量を測定する。離型して取り出した成形品について、図示しないバランス測定器により、成形品のアンバランス量、すなわち、成形品の重心と成形品の形状の中心の偏心方向及び偏心量を得る。さらに、この偏心方向及び偏心量を金型の中心軸に直角な平面(図4におけるxy平面)内の偏心座標に変換する。この偏心座標が図4において点P(−x、−y)であるとすると、アンバランスを解消するために各金型20、40の中央部材の中心を(x、y)の方向及び量だけ移動させることが必要であることが確定する。換言すると、図4において、中央部材があるOから(x、y)の位置に移動させるべきであることが確定する。
【0025】
次に、偏心リング25、26、45、46の移動量を決定する。中央部材の中心を移動させる量を確定すると、前述の方法で固定金型の外偏心リング25の理論回転量α(又はα´)、内偏心リング26の理論回転量β(又はβ´)を確定することができる。次に、上記理論回転量α、βを参照して実際に回転させうる量の中から、偏心リングを実際に回転させる量α´´、β´´を決定する。例えば、位置決めピン及び凹所の数が16個である(すなわち最小回転角度が22.5°である)場合において、理論回転量が43°である場合には、実際に回転させる回転量を45°とする。
【0026】
次に、固定金型の位置を調整する。まず、固定金型20の第二固定側リング24から外偏心リング25及びその内部の全てのリングを取り外し、固定金型本体21に対してこれらリングを回転量α´´だけ回転させて第二固定側リング24に取り付ける。次に、内偏心リング26及びその内部の全てのリングを外偏心リング25から取り外し、これらリングを回転量β´´だけ回転させて外偏心リング25に取り付ける。最後に、中央部材の向きを調整前と同じに維持するために、内偏心リング26から中央部材を取り出して中央部材を調整前と同じ向きにして内偏心リング26に固定する。こうして、固定金型20の位置の調整を完了した後、固定金型20の種々の構成要素を適切な締結手段により固定して固定金型20を完了する。
【0027】
次に、可動金型の位置を調整する。可動金型の調整は、前述の固定金型の調整とほぼ同じである。但し、可動金型の外偏心リング及び内偏心リングの回転量は、固定金型の外偏心リング及び内偏心リングの回転量それぞれと同じであり、回転方向が逆である。なお、可動金型の位置の調整は、固定金型の調整の後に限らず、固定金型の調整の前又は同時でもよい。
【0028】
以上により、本発明では、固定側のキャビティの中心部と可動側のキャビティの中心部の両方を金型の長手軸線に直角な平面内で移動させることにより、金型の中心部分の位置を高精度で調整することができ、成形品を高精度に成形することができる。さらに、外偏心リングと内偏心リングの位置を割り出すことができるので、可動側中央部材と固定側中央部材を平面内において全く同じ量だけ移動させることができ、金型の中心部の位置を高精度で調整することができ、成形品をより高精度に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形用金型の断面図である。
【図2】本発明の固定金型調整機構の斜視図である。
【図3】外偏心リングと内偏心リングの模式図である。
【図4】偏心リングの移動量を決定するために用いる図である。
【図5】可動側ボスセンタの断面図である。
【図6】別の実施例の可動側ボスセンタの断面図である。
【符号の説明】
10…成形用金型
20…固定金型
21…固定金型本体
25…固定側外偏心リング
26…固定側内偏心リング
27…固定側中央部材
28…固定側中央部材
40…可動金型
41…可動金型本体
45…可動側外偏心リング
46…可動側内偏心リング
47…可動側中央部材
48…可動側中央部材
Claims (3)
- 第一穴を有する可動金型本体と、
前記可動金型本体の前記第一穴内で固定され、かつ前記第一穴の偏心位置に第二穴を有し、かつ可動金型側のキャビティの輪郭を構成している可動側外偏心リングと、
前記可動側外偏心リングの前記第二穴内で固定され、かつ前記第二穴の偏心位置に第三穴を有し、かつ可動金型側のキャビティの輪郭を構成している可動側内偏心リングと、
前記可動側内偏心リングの前記第三穴内に固定された、可動金型側のキャビティの筒状のボス部に対応する中央部の輪郭を構成している可動側中央部材とを備えた可動金型と、
第四穴を有する固定金型本体と、
前記固定金型本体の前記第四穴内で固定され、かつ前記第四穴の偏心位置に第五穴を有し、かつ固定金型側のキャビティの輪郭を構成している固定側外偏心リングと、
前記固定側外偏心リングの前記第五穴内で固定され、かつ前記第五穴の偏心位置に第六穴を有し、かつ固定金型側のキャビティの輪郭を構成している固定側内偏心リングと、
前記固定側内偏心リングの前記第六穴内に固定された、固定金型側のキャビティの筒状のボス部に対応する中央部の輪郭を構成している固定側中央部材とを備え、
前記第二穴の前記第一穴に関する偏心量と前記第五穴の前記第四穴に関する偏心量は同じであり、かつ前記第三穴の前記第二穴に関する偏心量と前記第六穴の前記第五穴に関する偏心量は同じであることを特徴とする筒状のボス部を有する回転体用の成形用金型。 - 前記可動金型本体と前記可動側外偏心リング、前記可動側外偏心リングと前記可動側内偏心リング、前記固定金型本体と前記固定側外偏心リング、前記固定側外偏心リングと前記固定側内偏心リングのそれぞれの間には、ピンと、前記ピンを受容する凹所とがそれらの周方向に等間隔に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の筒状のボス部を有する回転体用の成形用金型。
- 前記固定側中央部材及び前記可動側中央部材の少なくとも一方に冷却水通路が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の筒状のボス部を有する回転体用の成形用金型。
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