JP3803964B2 - 多層ゴルフボール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願は、1999年2月3日に出願され、現在係属中の特許出願第09/243,455号の一部継続出願であり、斯かる出願が開示するものを斯かる出願の迅速な引用として本明細書に組み入れる。
【0002】
本発明は、多層ゴルフボール及び該多層ゴルフボールの一部を形成する方法に関し、該ゴルフボールの一部は、少なくとも1つのセンター層を備えたセンターを有したコア、該センターの周りに同心に配置された弾性ポリマー成分から成る少なくとも1つのマントル層を有したマントル、好適には前記センター及び前記マントルの間に配置された柔らかく薄い中間層及び前記コアに隣接して同心に配置された少なくとも1つのカバー層を含む。本発明は、また、前記中間層の形成に使用されるポリマー配合物に関する。別の実施例では、前記薄い中間層は、せん断力がかかると粘度が高くなる反応ねん弾性配合物を含む。
【0003】
【従来の技術】
一般的に、ゴルフボールは、中実ボールまたは糸巻きボールに分類される。中実ボールは、概ね、中実なポリマーコア及びカバーを備える。斯かるボールは、一般的には製造し易いが、プレー特性に限界があると見なされている。糸巻きボールは、中実または液体を充填したセンターを備えており、該センターはぴんと張ったエラストマー材料及びカバーにより囲繞される。糸巻きボールは、一般的には良好なプレー特性を有するが、中実ボールより製造が難しい。
【0004】
従来の技術は、様々なゴルフボールを提供しており、斯かるゴルフボールは、最適なプレー特性を提供するように設計されている。これらの特性は、一般的には、ゴルフボールの初速度及びスピンであり、様々なプレーヤーに合わせて最適なものにすることができる。例えば、あるプレーヤーは、プレー性(playability)を求めてスピン速度の高いボールでプレーする。他のプレーヤーは、スピン速度が低いボールでプレーをして飛距離を最大限にするのを好む。しかしながら、これらのボールは、フィーリングが硬く、グリーン周りでのコントロールが難しい。従って、中実ボールの製造の容易性と糸巻きボールの有益なプレー特性と結合したゴルフボールを創造しようとする試みが色々なされてきた。
【0005】
日本国特許公報第10127819号は、「柔らかな」打球感を与える中実ゴルフボールの構成する方法に関する。斯かるボルフボールは、内部層、中間層及びカバー層から成る三層構造の中実コア及び該中実コアの上に設けたカバーから成る。三層構造中の内部層は、JIS−C硬度で40乃至90に設定され、前記中間層は、熱可塑性樹脂配合物から構成されてJIS−C硬度で50乃至80に設定され、且つ、カバー層は、JIS−C硬度で65以上に設定される。
【0006】
別の引用例である米国特許第5,184,828号は、2重コアゴルフボールを開示し、斯かるボールのコアは、内部コアの表面で最大硬度を有すると共に、前記内部コアの表面から内部コアの中心まで且つ前記内部コアの表面から外側コアの本体を通して硬度が高くなる。各部位の比硬度範囲は特定されるが、前記特許は、層間での柔らかなエラストマー薄膜の使用には言及していない。
【0007】
同様に、カスコ社(Kasco Corporation)の日本国特許出願第8−322964−Aは、2重コアボールを開示し、該ボールのコアは、硬度勾配が高くなっており、外側コアの内側面の硬度が外側コアの残りの部分の硬度より高くなければならない。
【0008】
従来の技術では、更に、糸巻き構造上に柔らかなエラストマー薄膜(ラテックスディップ(latex dip)等)を使用したゴルフボールを製造する様々な方法が開示されている。米国特許第5,733,428号は、糸巻きコアの本体内でラテックスディップを使用して多層糸巻きコアを製造することを開示する。斯かる従来の技術は、コア及びボールの外側カバーの間に被膜を設ける概念を開示する。即ち、斯かる被膜は、完全に硬化させたエポキシまたはその他の接着材料から成りコアとカバーの接着を高める一助となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許の何れも、本明細書に開示する如き材料及び材料特性を有した非糸巻き2重マルチコアまたは液体充填ボールの開示はおろか提案もしておらず、特に、内側球体とそれに続くマントル層との間に柔らかい中間層を使用して本発明の改良したボールを提供することは開示または提案されていない。前記柔らかなゴム製の中間層は、クッションインタフェースとして機能して、ボールの柔らかさ並びに破断耐久性を改善する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ゴルフボールに関し、より詳細には、センター及びそれに続く任意の層との間にクッションインタフェースを設けてプレー特性を改善した多層コアを有したゴルフボールに関する。斯かるボールは、センター、該センターの周りの柔らかく薄いエラストマーラテックス中間層であって、その厚さが約0.0254cm(約0.01インチ)未満で曲げ弾性率が約10,000psi未満の中間層、該中間層に隣接して同心に配置された1つ以上のマントル層であって、該マントル層の材料が弾性ポリマー成分から成る1つ以上のマントル層、及び該マントルの周りに同心に配置されたカバー層から成る。任意の柔らかなエラストマーラテックスまたは溶液は、乾燥されて前記センターまたはその他のそれに続くマントル層の表面に柔らかな薄膜を形成するものであり、中間層として使用することができる。典型的な熱硬化性ラテックス材料は、コアを被覆するのに使用することができ、低アンモニア天然ラテックス及び/または事前に加硫した天然ラテックスを含む。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、ゴルフボールに関し、より詳細には、センター及びそれに続く任意の層との間にクッションインタフェースを設けてプレー特性を改善した多層コアを有したゴルフボールに関する。斯かるボールは、センター、該センターの周りの柔らかく薄いエラストマーラテックス中間層であって、その厚さが約0.0254cm(約0.01インチ)未満で曲げ弾性率が約10,000psi未満の中間層、該中間層に隣接して同心に配置された1つ以上のマントル層であって、該マントル層の材料が弾性ポリマー成分から成る1つ以上のマントル層、及び該マントルの周りに同心に配置されたカバー層から成る。
【0012】
任意の柔らかなエラストマーラテックスまたは溶液は、乾燥されて前記センターまたはその他のそれに続くマントル層の表面に柔らかな薄膜を形成するものであり、中間層として使用することができる。典型的な熱硬化性ラテックス材料は、コアを被覆するのに使用することができ、低アンモニア天然ラテックス及び/または事前に加硫した天然ラテックスを含む。天然ラテックスは、高引っ張り強さ、優れた弾性、粘着性、低弾性率、及び強く、凝集性がある湿式及び乾式薄膜を形成する能力を組み合わせて有している事で知られる。天然ゴムラテックスもまた、比較的不活性、無毒性で、コスト効果があり、且つ大抵のコア及び外側シェルゴム配合物と相溶性があると共に、自然乾燥ができる。
【0013】
好適なラテックス材料は、一部事前に加硫した天然ラテックスであり、水で希釈して任意の中実含有量にすることが出来る。非ラテックス封入材料を使用することも可能である。斯かる材料は、水性及び非水性接着剤のみならずエラストマー接着剤、ウレタン分散液、合成ラテックス及びアルキド樹脂を含む。前記の柔らかい中間層に適したその他の材料は、水性アクリル及びラテックスコポリマー及びポリウレタン被覆及び配合物を含む。前記柔らかい中間層もまた、添加剤、充填剤、増粘剤、または、それらの組合せを含んで、該層の比重を調整して必要または所望に応じてゴルフボールの特性を様々に変更することが可能である。
【0014】
天然のゴムラテックスは、乾燥されると、ゴルフボールの製造に従来使用されている内側コア及び外側コア配合物より柔らかである。この特性は、内側コア及び外側コア配合物を架橋したときに特に顕著となるが、ラテックスはそうではない。柔らかなゴム中間層は、クッションインタフェースとして機能して、ボール耐久性及びボールがクラブで打たれた時の柔らかさを改善する一助となる。柔らかなゴム中間層は、また、破断耐久性を改善する機能も果たす。特に、センター及びマントル層との間の接着が強固でない場合の破断耐久性の改善に役立つ。本発明の1実施例では、中間層の厚さは、約0.00127cm乃至0.0254cm(約0.0005インチ乃至0.01インチ)である。好適には、中間層の厚さは、約0.002032cm乃至0.0254cm(0.0008インチ乃至0.01インチ)である。別の実施例では、中間層の硬度は、ショアA硬度で約90未満である。好適な実施例では、中間層の硬度は、ショアA硬度で約70未満である。或いは、中間層の曲げ弾性率は、約3,000psi未満である。
【0015】
内側球体またはセンターは、任意の寸法または配合とすることが可能であり、熱硬化中実ゴム球体、熱可塑性中実球体、木、コルク、金属またはゴルフボールの製造技術分野の当業者に公知の任意の材料から形成することが可能である。好適には、前記中実内側球体は、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンまたはスチレン−プロピレン−ジエンゴム等の弾性ポリマーから形成される。同様に、内側球体は、ゴムサック、熱可塑性または金属シェルデザイン等の流体充填球体とすることが可能であり、斯かるデザインでは、前記流体は、当業者に利用可能な任意の配合または粘度を有することが可能となる。また、前記センターを空隙またはガスセンターを備えた構造とすることが可能である。1実施例では、前記センターの外径は、約1.27cm乃至3.81cm(約0.5インチ乃至1.50インチ)である。好適には、センターの外径は、約1.905cm乃至3.175cm(約0.75インチ乃至1.25インチ)である。別の実施例では、センター、柔らかな弾性中間層及びマントルを組み合わせた外径は約3.683cmないし4.064cm(約1.45インチ乃至1.6インチ)である。好適には、センター、柔らかな弾性中間層及びマントルを組み合わせた外径は、約3.81cm乃至4.0132cm(約1.5インチ乃至1.58インチ)である。別の実施例では、前記センターは、液体またはガス等の流体、ゲルまたは気泡性発泡体で充填することができる。
【0016】
更に別の実施例では、前記中間層は、低アンモニア天然ラテックス及び/または事前に加硫した天然ラテックス、弾性接着剤、合成ラテックス、アクリルエステル、アルキド樹脂またはそれらの混合物から成る。好適には、前記柔らかい中間層は、天然または合成ラテックスから成る。
【0017】
本発明では、少なくとも1つの層であって、弾性ポリマー成分から成る層を備えたマントルは、前記中間層の回りに同心状に配置される。該マントル層は、補強ポリマーを含むことが可能である。補強ポリマー成分は、弾性ポリマーの架橋または熱分解が起きるのを回避するのに十分な低いガラス転移温度を有しなければならない。斯かる補強ポリマーは、トランスポリイソプレン、ブロックコポリマーエーテル/エステル、アクリルポリオール、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、1,2−ポリブタジエン(シンジオタクチック)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、シクロオクテン、トランス−ポリブタジエン及びそれらの混合物である。或いは、前記マントル層の前記弾性ポリマー成分は、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンまたはスチレン−プロピレン−ジエンゴム、またはそれらの混合物から成る。1実施例では、中実センターの弾性ポリマー成分は、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンまたはスチレン−プロピレン−ジエンゴム、またはそれらの混合物から成る。好適には、前記弾性ポリマー成分は、分子量平均が約50,000乃至約1,000,000である1,4−シス−ポリブタジエンから成る。マントル層の弾性ポリマー成分の量は、ポリマー成分の総重量の約60乃至約99重量パーセントである。マントル層の曲げ弾性率は、好適には、約3.5MPaを超えるものである。同様に、ゴルフボールは、更に、充填剤、遊離基開始剤または架橋剤の少なくとも1つを含む。
【0018】
本発明は、また、多層コアを有したゴルフボールの製造方法において、内側球体を形成する段階と、柔らかく、弾性を有した中間層を前記内側球体の周りに形成する段階であって、前記中間層の厚さが、約0.0254cm(約0.01インチ)未満であり、曲げ弾性率が約10,000psi未満である段階と、前記内側球体及び前記中間層から、及び、弾性材料から離れて、略半球キャビティを有した2つの略半球カップを成型する段階と、前記内側球体及び前記中間層を前記2つのカップの間で前記キャビティ内に設置する段階と、前記カップを接合して、内側球体、柔らかな中間層及び外側層を有した前記ゴルフボールコアを形成する段階と、該ゴルフボールコア上にカバーを形成する段階とを備えたゴルフボールの製造方法を提供する。
【0019】
第1の方法では、前記柔らかな中間層が、浸漬方法により前記内側球体上に形成される。前記内側球体は、正しい粘度及び中実パーセントを備えて非常に薄い材料層を形成すると共に、厚さが略均一であって前記内側球体を囲繞するラテックスまたはその他の材料浴中に降下させる。第2の方法では、前記柔らかな中間層が、前記ラテックスがノズルを介して塗布されて前記内側球体の表面を均一に被覆するスプレー工程により設けられる。
【0020】
更に、前記カップを成型する段階は、好適には、弾性材料から第1及び第2のカップを1つのモールド部品の両側に圧縮成型する段階を備える。前記センターは、柔らかなラテックスで浸漬またはスプレー工程により被覆され、前記2つのカップの間に設置され、該2つのカップが高温で接合されて、その間で架橋を発生させて前記コアの外側層が形成される。或いは、ラテックスディップをゴルフボールの内側カバー層上に配置することができる。前記カップを接合する段階は、前記カップを互いに接着取り付けする段階を備える。前記カップが接合されると、前記半球キャビティが一体となって球形キャビティを形成し、該球形キャビティが前記センターまたは内側球体に占められ、且つ、前記カップ自体が前記コアの外側層を形成する。従って、前記センターは、完成ボール内で容易に同心状に位置決めされる。別の実施例では、前記カップの接合が、圧縮成型により達成される。更に別の実施例では、成型が、更に、前記キャビティに隣接して前記カップ上に非平面嵌め合い面を成型して、前記カップを接合する段階が、前記嵌め合い面を噛合する段階を備える。
【0021】
最後に、カバーが、前記コアの周りに成型される。コアをカバー内で中央に正確に繰り返し設置できる方法であれば任意の方法を使用することができる。全体として、カバーは、圧縮成型、射出成型またはコア上にカバー材料を注型することで設けられる。
【0022】
本発明は、更に、第1の硬度を有した中実センター、前記第1の硬度より小さい第2の硬度を有した、前記中実センター上に形成される中間層、前記第1の硬度より大きい第3の硬度を有した、前記中間層上に形成される外側層及びカバーを備えたゴルフボールを提供する。好適には、前記第1の硬度は、約20乃至40ショアDであり、前記第2の硬度は、約20ショアD未満であり、且つ、前記第3の硬度は、約50ショアDより大きい。
【0023】
本発明は、また、少なくとも1つの層を有したコア、該コアの周りに同心状に配置されると共に、少なくとも1つの層を有したカバー、及び、前記コア及び前記少なくとも1つのカバー層との間に配置された、反応粘度弾性配合物から形成された中間層を含んだ多層ゴルフボールに関する。前記反応粘度弾性配合物は、ダイラタントまたはチキソロトープ粘度を有した、即ち、せん断力等の圧力に反応して粘度が高くなる少なくとも1つの材料を含む。
【0024】
1実施例では、前記中間層の厚さは、約0.0254cm(約0.01インチ)未満である。好適な実施例では、前記中間層の厚さは、約0.00127cm乃至0.0254cm(約0.0005インチ乃至0.01インチ)である。もう1つの好適な実施例では、前記中間層の厚さは、約0.002032cm乃至お0.00508cm(0.0008インチ乃至0.002インチ)である。
【0025】
別の実施例では、前記中間層の厚さは、0.0254cm乃至0.254cm(0.01インチ乃至0.1インチ)である。1つの好適な実施例では、前記中間層の厚さは、約0.0254cm乃至0.0762cm(約0.01インチ乃至0.03インチ)である。
【0026】
1実施例では、前記中間層は、2つのカバー層の間に配置される。別の実施例では、前記中間層は、前記コア及び第2の中間層との間に配置される。更に、別の実施例では、前記中間層の可塑度は、約20ミル乃至150ミルである。1好適な実施例では、前記中間層の可塑度は、約60ミル乃至120ミルである。
【0027】
1実施例では、前記中間層は、中実、半中実、ゲル、またはゲル状材料を含む。1好適な実施例では、前記材料は、ポリジメチルシロキサン、ジメチルシクロシロキサン、ヒドロキシを末端基とするポリジメチルシロキサン、ポリビニルアルコール、アクリルプラスチゾル、アクリルオルガノゾル、炭化水素をベースにしたゲル、スルホン酸イオノマー、ブチルゴムイオノマー、イオン化架橋ポリアクリルアミドゲル、微孔性速反応性ゲル、熱可塑性エラストマーゲル、またはそれらのブレンドを含むことが出来る。
【0028】
1実施例では、前記中間層の硬度は、約90ショアA未満である。1好適な実施例では、前記材料の硬度は、約70ショアA未満である。1実施例では、前記カバーの厚さは、約0.0508cm乃至0.254cm(約0.02インチ乃至0.1インチ)である。
【0029】
本明細書で使用する場合には、「約」なる用語は、ある範囲を表す数字の双方の数字を示すものである。
【0030】
本明細書で使用する場合には、「流体」なる用語は、液体、ペースト、ゲル、ガスまたはそれらの任意の組合せを含む。
【0031】
【実施例】
図1を参照すると、ボール10は、カバー11及びコア12を含む。コア12は、センターまたは内側球体13を有し、該内側球体は、柔らかい中間層15内のキャビティ内の中実または流体充填したセンター14から成ることができる。コア12は、また、外側マントル16を有することが可能であり、該マントルは、前記内側球体13を囲繞する。ボールの中実コアは、典型的には且つ好適には、中実または流体充填され、その径は、概ね約1.27cm乃至3.81cm(約0.5インチ乃至1.5インチ)であり、好適には、約1.27cm乃至3.429cm(約0.5インチ乃至1.35インチ)であり、より好適には、約1.905cm乃至3.175cm(約0.75乃至1.25インチ)である。柔らかな中間層の厚さは、約0.00127cmないし0.0254cm(約0.0005乃至0.010インチ)であり、好適には、約0.002032cm乃至0.0127cm(約0.0008乃至0.005インチ)とすることができる。マントルの厚さは、約0.254cm乃至1.524cm(約0.1乃至0.6インチ)であり、好適には、約0.381cm乃至0.889cm(約0.15乃至0.35インチ)であり、より好適には、約0.508cm乃至0.762cm(約0.2乃至0.3インチ)である。センター、柔らかい中間層及びマントルを含んだコア全体の径は、約3.683乃至4.064cm(約1.45乃至1.60インチ)であり、好適には、約3.81乃至4.0132cm(約1.50乃至1.58インチ)とすることができる。柔らかい中間層及び特別なセンターに相当するマントル及び該マントル及びセンターの周りに形成するカバーの径は、センターの径に応じて調整して、USGAにより求められる総最小径を備えた、本発明により形成したゴルフボールを提供することが可能である。
【0032】
中央球体またはセンターは、任意の寸法または配合物とすることが可能である。該球体は、熱硬化性中実ゴム球体、熱可塑性中実球体、木、コルク、金属またはボールの製造技術分野の当業者に公知の任意の材料とすることが可能である。同様に、前記球体は、ゴムサック等の流体充填球体、熱可塑性または金属シェルデザインとすることが可能である。当業者に公知の任意の配合または粘度の液体を含むことが出来る。また、空隙または「ガス」センターを備えたセンターを構成することも可能である。
【0033】
本発明に従って作製されたゴルフボールセンター13を形成する代表的な且つ好適なベース配合物は、ポリブタジエン、及びポリブタジエン100部に対する重量部で言えば、20乃至50部の金属塩ジアクリレート、ジメタクリレートまたはモノメタクリレート、好適にはジアクリレート亜鉛から成る。ポリブタジエンのシス−1,4−ポリブタジエン含有量は、好適には、約90%を超え、より好適には約96%を超える。ポリブタジエンの市販源は、シェルケミカル社(Shell Chemical)により製造される「CARIFLEX」BR1220、アインケム・エラストマー社(Einchem Elastomers)により製造される「NEOCIS」BR40及びウベコウサン(Ube Industries,Ltd)により製造される「UBEPOL」BR150である。所望であれば、ポリブタジエンを天然ゴム、スチレンブタジエン及び/またはイソプレン等の当技術分野で公知のその他のエラストマーと混合してセンター13の特性を更に改質することもできる。エラストマーの混合物を使用するときには、コア配合物中のその他の成分の量は全体のエラストマー混合物を100重量部として決定する。
【0034】
本発明に使用するのに適した金属塩ジアクリレート、ジメタクリレート及びモノメタクリレートは、金属が、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、リチウムまたはニッケルであるものを含む。ジアクリレート亜鉛は、USGA試験においてゴルフボールに高初速度を与えることから好適である。適当な、市販のジアクリレート亜鉛は、サートマー(Sartomer)社からのものを含む。使用可能なジアクリレート亜鉛の好適な濃度は、ポリブタジエン100部、または、その他のエラストマーから成る混合物を備えたポリブタジエン100部とすると、約15乃至30部であり、好適には約18乃至25部である。
【0035】
遊離基開始剤を使用して金属塩ジアクリレート、ジメタクリレートまたはモノメタクリレート及びポリブタジエンの架橋を促進する。本発明で使用する適当な遊離基開始剤は、ジクミル過酸化物、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、a−aビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、または、ジ−t−ブチルペルオキシ及びそれらの混合物を含むが、それらに限定されるものではない。その他の有益な開始剤は、当業者には、実験などせずとも容易に明白となる。100%活動している開始剤を好適にはブタジエンまたは1つ以上のその他のエラストマーと混合したブタジエン100部に対して約0.05部乃至2.5部の範囲の量で添加する。より好適には、添加する開始剤の量は、約0.15部乃至2部の範囲であり、最も好適には、約0.25部乃至2.0部の範囲である。
【0036】
典型的な従来の技術のゴルフボールコアは、コア成型工程中にポリブタジエンを架橋するジアクリレート亜鉛−過酸化物硬化系中に5部乃至50部の酸化亜鉛を含有する。本発明では、ゴルフボールコア配合物中の酸化亜鉛をある程度酸化カルシウムに代えることができる。斯かる混合物から生成されるコア及びボールは、典型的に高性能特性を示す。標準ボールの初速度は、維持されるが、ボールの圧縮は、標準の圧縮尺度で少なくとも約2圧縮ポイントだけ低減される。他方、ある程度の酸化カルシウムの使用と高パーセントのジアクリレート亜鉛との組み合わせを使用して、同一の圧縮を維持することができるが、初速度は著しく高められる。従来の技術のコアに含まれた酸化亜鉛の量が、典型的には、5部乃至50部であるとすると、本発明のコア成型配合物に活性剤として添加される酸化カルシウムの量は、ゴムを100部とした酸化カルシウムの部数で言えば、約0.1乃至15部であり、好適には、約1乃至10部であり、最も好適には、約1.25乃至5部である。
【0037】
本発明の配合物は、また、充填剤を含むことが可能であり、該充填剤は、エラストマー配合物に添加されてコアの密度及び/または比重を調整する。本明細書で使用される場合、「充填剤」なる用語は、当該ゴルフボールコアの密度及びその他の特性を変化させるのに使用できる任意のコンパウンドまたは配合物である。本発明による有益な充填剤は、一般的には、無機であり、適当な充填剤は、多数の金属、酸化金属及び無機コンパウンドを含み、それらは、酸化亜鉛及び酸化錫及び硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、クレイ、タングステン、酸化タングステン、タングステンカーバイド、一列のシリカ、硬化ゴムの粉砕粒子(約20乃至40メッシュ粒子サイズに粉砕されたリサイクルされたコアの成型マトリックスを含むことができる)、着色剤等である。充填剤は、使用されるときには、配合物に対して約0.5乃至50重量パーセントの量で存在する。使用される充填剤の量及び種類は、配合物中のその他の成分の量及び重量により決定されるが、これは、USGAによりゴルフボールの最大重量が1.620オンス(45.92g)と確立されているためである。一般的に使用される適切な充填剤の比重の範囲は、約2乃至20である。好適な実施例では、センターは、センターの比重がマントル層の比重より大きくなる程の量の充填剤を含む。
【0038】
図1に図示する如く、ゴルフボールセンター13では、1実施例における好適な比重の範囲は、約1.1乃至1.7であり、より好適には、約1.1乃至1.4の範囲であり、センター、柔らかな中間層、カバー、マントル層及び完成したボール、及び、カバー及びマントル層の比重により決定される。
【0039】
本発明により製造されるエラストマーセンターには、酸化防止剤も含むことが可能である。酸化防止剤は、エラストマーの崩壊を防止するコンパウンドである。本発明における有益な酸化防止剤は、キノリンタイプの酸化防止剤、アミンタイプの酸化防止剤、及びフェノールタイプの酸化防止剤を含むが、それらに限定されるものではない。
【0040】
処理助剤、処理オイル、可塑剤、染料及び顔料、及び当業者に公知のその他の添加物等のその他の成分も、本発明においては、それらが典型的に使用される目的を達成するに足る量で使用することが可能である。
【0041】
センター13は、また、流体充填球体とすることができ、米国特許第5,683,312号に記載された如き空気、水溶液、ゲル、発泡体、ホットメルト、その他の流体材料及びそれらの組合せを含んだ広範な材料で充填される。なお、斯かる米国特許の開示は、引用として本明細書に組み込む。
【0042】
ボールコアに使用するハーフシェル及び其の結果生じるマントルは、弾性ポリマー成分を含み、該成分は、配合物及び方法において大多数のポリマーとして使用される。ボールコアに使用されるのに適した弾性ポリマーは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン、スチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)及びそれらの混合物を含む。弾性ポリマー成分は、好適には、ポリブタジエンであり、より好適には、1,4−シス−ポリブタジエンである。1,4−シス−ポリブタジエンの一例は、シェルから市販されている「CARIFLEX」BR1220である。ポリブタジエンまたはその他の弾性ポリマー成分は、主に1,4−シスを含有する任意の適当な触媒で生成することが可能であり、好適には、1,4−シスの含有量が高く且つ分子量平均が高い触媒で生成され、斯かる分子量平均は、少なくとも約50,000乃至1,000,000であり、好適には、約250,000乃至750,000であり、より好適には、約200,000乃至325,000である。ポリブタジエン中の1,4−シス成分は、ポリブタジエンが存在する場合には、弾性ポリマー成分の主たる部分を占める。本明細書では、「主たる」または「主として」を使用する場合には、50重量パーセントを超えることを意味する。1,4−シス成分は、ポリブタジエン成分の、好適には、約90重量パーセントを超え、より好適には、約95重量パーセントを超える量である。弾性ポリマー成分は、典型的には、ポリマーブレンドの少なくとも約60重量パーセントの量で存在し、好適には、約65乃至99重量パーセント、より好適には、約75乃至90重量パーセントの量で存在する。「ポリマーブレンド」なる用語は、本明細書では弾性ポリマー成分と補強ポリマー成分とのブレンドを意味するのに使用する。
【0043】
マントルもまた、補強ポリマー成分を含むことが可能であり、該成分は、混合温度で、2つのポリマー成分が適切に混合するのを可能にするのに十分低い粘度を有する。斯かる補強ポリマー成分は、典型的には、ガラス転化温度Tg(結晶の場合には、結晶融点)を有し、該ガラス転化温度Tgは、混合温度で、弾性成分が実質的に架橋または熱崩壊するのを避けつつ、弾性ポリマー成分との混合を可能にするのに十分低い温度である。補強ポリマー成分として使用するのに適したポリマーの例は、以下を含む。即ち、トランスポリイソプレン、ブロックコポリマーエーテル/エステル、アクリルポリオール、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、1,2−ポリブタジエン(シンジオタクチック)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、シクロオクテン、トランス−ポリブタジエン及びそれらの混合物である。特に適切な補強ポリマーは下記を含む。即ち、日本国カワサキシ、カワサキク、ヤコのアサヒケミカル(Asahi Chemical of Yako,Kawasakiku,Kasakishi)から入手できる「FUREN」88等のトランスポリブタジエン、クラレアメリカ社(Kuraray America Co.)としてのニューヨーク州ニューヨーク(MewYork,NY)のクラレ社(Kuraray Co.)から市販されているトランスポリイソプレンである「KURARAY」TP251、オハイオ州アクロン(Akron,OH)のバイエルゴム部門(Bayer−Rubber Division)から市販されているエチレン−ビニルアセテートである「LEVAPREN」700HV、及びオハイオ州トールマッジ(Tallmadge,OH)のハルス・アメリカ社(Huls America Inc.)から市販されているシクロオクテンである「VESTENAMER」8012である。幾つかの適当な補強ポリマー成分を下記にリストアップする。尚、それらの結晶融点及び/またはTgを書き添える。
Figure 0003803964
【0044】
補強ポリマー成分は、好適には、処理中にシェルに剛性を付与するが、架橋ポリマーブレンドのレジリエンスを望ましくなくは低減せずに最終製品に望ましくない効果を及ぼすのに十分な量で存在する。本発明に使用するのに適した材料の粘度は、当業者であれば容易に決定することが可能である。斯かる粘度は、一般的には、約1,000,000ポワズ未満として混合を容易にすることが可能である。トランスポリイソプレンを補強ポリマー成分として使用するときには、ポリマーブレンドの約10乃至40重量パーセントの量で存在するのが典型的であり、約15乃至30重量パーセントの量で存在するのが好適である。総配合物に対する補強ポリマーの重量は、一般的には約5乃至25重量パーセントであり、好適には約10乃至15重量パーセントである。非架橋マントルの曲げ弾性率は、ASTM D790M−93の方法IIで測定して、約3.5MPaを超え、好適には、約7MPaを超える。補強ポリマー成分は、第1の混合物が、架橋されるまで所望の形状を維持するのに十分な剛性度をシェルに付与する。
【0045】
適当な架橋剤は、不飽和脂肪酸またはモノカルボン酸等の1つ以上の金属塩を含み、それらは、亜鉛、カルシウムまたはマグネシウムアクリレート塩等である。好適なアクリレートは、アクリレート亜鉛、ジアクリレート亜鉛及びメタクリレート亜鉛を含む。架橋剤は、好適には、ポリマーブレンド中の様々なポリマー鎖をそれ自体及び互いに対して架橋させるのに十分な量で存在する。マントルの所望の弾性率は、特定の種類または量の架橋剤を選択して架橋の量を調整することで得ることが可能である。これは、例えば、架橋剤の種類及び量を変えることで達成することが可能であり、この方法は、当業者には公知のことである。架橋剤は、典型的には、ポリマーブレンドの約1部乃至50部の量で存在し、好適には約20部乃至45部で存在し、より好適には約30部乃至45部で存在する。
【0046】
必要とされるわけではないが、遊離基開始剤を本発明の配合物及び方法に含むのが好適である。斯かる遊離基開始剤は、任意のコンパウンドまたはコンパウンド組合せであり、その量は、架橋剤及びポリマーブレンド中の補強及び弾性ポリマー成分との間で架橋反応を開始するのに十分な量で存在する。斯かる遊離基開始剤は、好適には過酸化物である。適当な遊離基開始剤は、ジ(2−t−ブチル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼンペルオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミル過酸化物、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、珪酸カルシム上のn−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレリアレート、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド等を含む。遊離基開始剤は、好適には、ポリマーブレンドに対して2部まで、好適には約0.2乃至1部までの量で存在する。
【0047】
弾性ポリマー成分、補強ポリマー成分、遊離基開始剤及び本発明によりゴルフボールセンター及びコアを形成するのに使用される任意のその他の材料は、当業者に公知の任意の種類の混合により結合することが可能である。オプションとしての架橋剤及びゴルフボールセンターの特性を改質するのに使用する任意のオプションとしてのその他の添加剤は、同様に、任意の種類の混合により結合することが可能である。適当な混合装置は、Banburyミキサー等の当業者に公知のものである。ポリマーを結合する従来の混合速度を使用するのが典型的であるが、斯かる速度は、好適には、弾性及び補強ポリマー成分を実質的に均一に分散するのに十分な高速である。他方、斯かる速度は、混合速度が高くなると、混合中のポリマーを破壊する傾向があり、特に、弾性ポリマー成分の分子量を低減して望ましくないので、高過ぎてはならない。従って、混合速度は、高せん断を避けるために十分に低くしなければならず、高せん断では、弾性ポリマー成分の所望の高分子量部分を損失する結果となる可能性がある。また、混合速度が、高過ぎると、温度が高くなって、プレフォームが形付けられ且つコアの周りに組みつけられる前に望ましくない架橋が開始されてしまう結果となる可能性がある。混合温度は、弾性及び補強ポリマー成分の種類により決定され、より重要であるのは、遊離基開始剤の種類のより決定されることである。混合温度は、好適には、補強ポリマーの溶融温度より高いが、実質的に架橋を開始してしまうほど高くなない。例えば、ジ(2−t−ブチル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼンペルオキシドを遊離基開始剤として使用する場合には、混合温度は約80℃乃至125℃であり、好適には、約88℃乃至110℃であり、より好適には、約90℃乃至100℃とするのが成分を安全に混合するのに適している。混合速度及び温度は、不要な実験をせずとも当業者であれば容易に決定できる。
【0048】
マントル層は、代替として、熱可塑性コポリエステルブロックコポリマー、動的に硫化した熱可塑性エラストマー、結合した無水マレイン酸またはスルホン酸等の官能基を備えたスチレン−ブタジエンエラストマー、メタローセン触媒を使用して作製した熱可塑性ポリウレタンまたはポリマー、またはそれらのブレンドをから成ることが可能である。適当な熱可塑性コポリエーテルエステルは、「HYTREL」3078及び「HYTREL」G4078Wを含み、それらは、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington,DE)のデュポン(DuPont)社から市販されている。適当な動的に硫化された熱可塑性エラストマーは、「SANTOPRENE」及び「SARLINK」を含み、それらは、アドバンスト・エラストマー・システム社(Advanced ElastomerSystem)から市販されている。適当な官能化されたスチレン−ブタジエンエラストマーは、「KRATON」FG−1901x及びFG−1921xを含み、それらは、シェル社から入手可能である。適当な熱可塑性ポリウレタンは、「ESTANE」58133及び「ESTANE」58144を含み、それらは、B.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich Company)から市販されている。更に、上記に説明したマントル層の材料は、発泡ポリマー材料の形態とすることが可能である。例えば、適当はメタローセンポリマーは、メタローセンシングルサイト触媒ベースの発泡体から成る発泡体を含む。
【0049】
更に、マントル層は、第1及び第2の熱可塑性プラスチックのブレンドとすることが可能であり、前記第1の熱可塑性プラスチックは、熱可塑性コポリエーテルエステルまたはコポリエステルエステルブロックコポリマー、動的に硫化した熱可塑性エラストマー、官能化したスチレン−ブタジエンエラストマー、熱可塑性ポリウレタンまたはメタローセンポリマーであり、第2の熱可塑性プラスチックは、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエーテルエステルまたはポリエーテルアミド、熱可塑性イオノマー樹脂、熱可塑性ポリエステル、別の動的に硫化したエラストマー、別の官能化したスチレン−ブタジエンエラストマー、別のメタローセンポリマーまたはそれらのブレンド等の材料である。
【0050】
適当な熱可塑性ポリエーテルアミドは、ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia,PA)のエルフ−アトケム(Elf−Atochem)社から市販されている「PEBAX」2533、「PEBAX」1205及び「PEBAX」4033を含む。適当な熱可塑性イオノマー樹脂は、任意の数のオレフィンベースのイオノマーを含み、該イオノマーは、「SURLYN」及び「IOTEK」を含み、それらは、それぞれデュポン社及びエクソン(Exxon)から市販されている。適当な熱可塑性ポリエステルは、ポリブチレンテレフタレートを含む。同様に、動的に硫化された熱可塑性エラストマー、官能化されたスチレン−ブタジエンエラストマー、熱可塑性ポリウレタンまたは上記に同定したメタローセンポリマー等が斯かるブレンドにおける第2の熱可塑性プラスチックとしても有益である。更に、上記に記載した第2の熱可塑性プラスチックの材料は、発泡ポリマー材料の形態をとることが可能である。
【0051】
充填剤は、ゴルフボールセンターでの使用に加えて、マントル層配合物または双方のボール部分に添加してコアの密度を高めて、均一なゴルフボール基準に適合させるようにする。充填材は、また、例えば、スイング速度の低いプレーヤーは低重量コアを好むといったプレーヤーに使用されるスペシャルティボールのコアの重量の修正するのに使用することが可能である。充填剤は、典型的には、処理助剤またはコンパウンドを含んで流動学的及び混合特性、比重、弾性率、せん断強度、補強等に影響を与える。充填剤は、一般には、無機であり、適当な充填剤は、多数の金属及び酸化金属を含み、酸化亜鉛及び酸化錫、及び硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、クレイ、タングステン、タングステンカーバイド、シリカ等がそうである。使用されるときには、充填剤は、配合物の約0.5乃至50重量パーセントの量で存在する。
【0052】
図2及び図3を参照すると、浸漬装置17は、浸漬タンク18を含み、該浸漬タンクは、レベル18aまで満たされると共に、電気ミキサー18mにより攪拌される。装置17は、また、ボールコアキャリア20を備えた楕円形の搬送ラック19を含む。浸漬タンク18は、レベル18aまでラテックス浴18bで満たされ、且つ、ラテックスが、かなりの長さの時間タンク18内にある場合には、該タンク18内の浴18bの初期混合は、浴18bが均一となるまで実施される。斯かる混合の後、ゴルフボールコア21が搭載ステーション22において各々がステム20a及び保持リング20bを備えた保持キャリア20内に装填される。装填されたキャリア20は、搬送ラック19により搬送されて、センター21が約1乃至60秒間ラテックス浴18bに浸漬される。ラック19は、搬送回路の降下部23、浸漬部24及び上昇部25を移動してラテックス浸漬コア処理を完了する。中実コアでは、ラテックスがコア上に約0.00127cm乃至約0.0254cm(約0.0005インチ乃至0.01インチ)厚の封入被膜を形成する。
【0053】
例えば、ボールセンター21が浸漬タンク18を出た後で、硬化室26内へと通過して行き、該硬化室内では、熱、紫外線またはその他の硬化を促進する手段が設けられる。あるラテックス浴材料は、硬化室26を必要としない周囲条件下で十分に硬化する。
【0054】
使用するラテックス材料の性質により、ゴルフボール浸漬処理部は、一定の時間貯蔵されて更に硬化を行うことができ、または、ラテックス材料がこの時点で十分に硬化していれば、ラテックス浸漬封入ボール部は直接成型領域へ搬送して外側カバー層またはその他のカバー材料を成型する。
【0055】
あるラテックス材料は浸漬タンク18内で煙霧またはヒュームを発生するので、浸漬タンク18の上方に真空フード27を有するのが好適である。真空フード27には、好適には、クリーンな空気を浸漬タンク18の周囲に発生させて望ましくないガスが逃げるのを防止する手段が設けられる(図示なし)。硬化室26にも適当なガス除去手段を設けることができる。
【0056】
熱硬化性ラテックス材料は、本発明の1つ以上の中間層において有益であり、斯かる熱硬化性ラテックス材料は、任意の材料であって、好適にはマントルが直接熱硬化性ラテックス材料に隣接して成型される状況下でマントル材料が成型される温度に耐えられるような材料である。これらのラテックスまたはその他の柔らかな材料をコア層、中間層、または、カバー層に使用することが可能であるが、好適には、それらは、中間層に含まれるか、または、少なくとも1つの中間層を形成するのに使用される。典型的な熱硬化性ラテックス材料は、コアを被覆するのに使用することができ、低アンモニアの天然ラテックス及び/または事前に硫化した天然ラテックスを含む。天然ラテックスは、高引張り強さ、優れた弾性、粘着性、低弾性率及び強く、凝集性のある湿式及び乾式薄膜を形成する能力を組み合わせて持っていることで知られる。これらの特性により天然ラテックスは、浸漬した品物を製造するのに理想的なものとなり、前記特性の全てを所有した他のポリマー置換物は未だ見つかってはいない。
【0057】
オハイオ州アクロン(Akron,OH)のファイアストーン(Firestone)社から市販されている「HARTEX」101または「HARTEX」103、または事前に硫化した天然ラテックスである「HEVEATEX」H1704等の好適なラテックス材料は、任意の中実含有量に水で希釈することができる一部事前に硫化された天然ラテックスである。非ラテックス封入材料を使用することも可能である。斯かる材料は、水性及び非水性接着剤及びエラストマー接着剤を含むと共に、下記の例がその代表であるが、非包括的例でもある。「CHEMLOK」252H等のエラストマー接着剤は、Lord Corporationにより販売される。「AQUATHANE」等のウレタン分散液は、Reichhold Chemicals,Inc.により販売される。「CHEMLOK」EP6962−62等の水性接着剤は、Lord Corporationにより販売される。「SILAPRENE」DC−11687等の非水性接着剤は、Uniroyal Technology Corporationにより販売され、カルボキシレーテッド「NBR」ラテックス及び「THIXON」等の合成ラテックスは、それぞれReichhold Chemicals,Inc.、Morton International及びGuardsman Chemicals,Inc.により販売される。「VPI」等のアルキド樹脂は、Ball Chemical Companyから市販される。
【0058】
柔らかな中間層に適したその他の材料は、水性アクリル及びラテックスコポリマーを含み、「RHOPLEX」2438エマルジョン、「RHOPLEX」E−32NPエマルジョン及び多数の市販製品がそうであり、それらの多くは本発明で開発された柔らかな中間層としての使用を薦める特性を有する。
【0059】
前記柔らかい中間層は、また、添加剤、増粘剤またはそれらの組合せを含んで該層の比重を調整して、必要または所望とする如くゴルフボール特性を様々に変化させる。「RENACIT」7は、ペンシルベニアはフィラデルフィアのマイルズ社(Miles,Inc.)により製造されるしゃく解剤であり、カオリン、クウォーツ及び鉱物油を含んだペンタクロロシオフェノール混合物である。「RENACIT」7等の材料を使用してマントル層の内側表面の特性を変更することが可能である。特に、内側表面を軟化させるのに使用することが出来る。充填剤を中間層に添加することが可能である。充填剤は、典型的には、処理助剤またはコンパウンドを含んで、流動学的及び混合特性、比重、弾性率、せん断強度、補強等に影響を及ぼす。適当な充填剤は、コアまたはセンターに使用するように本明細書にて記載されたのと同一の充填剤を含む。好適には、中間層に使用される時には、充填剤は、配合物中に約0.5乃至50重量パーセントの量で存在することが可能である。1好適な実施例では、充填剤は、0.5乃至20重量パーセントの量で存在する。1実施例では、充填剤は、酸化亜鉛を含む。
【0060】
薄膜の厚さは、柔らかなエラストマー中間層の形成を考慮するに当っては、重要なパラメータである。天然または合成ラテックス材料の薄膜厚は、ボールセンターがラテックス浴中に存在する時間またはラテックスの中実度パーセント等のパラメータを調整して制御する。最も一般的には、薄膜厚の制御は、総中実粒子の重量パーセントを調整して達成される。例えば、オハイオ州アクロンのファイアストーン社が販売する「HARTEX」101または「HARTEX」103等の低アンモニア天然ラテックスコンパウンドは、中実粒子の含有量が30%で30秒の滞留時間でもって0.01778cm(0.007インチ)の膜厚を生成する。
【0061】
中間層は、また、反応性粘度弾性配合物を含む、または、斯かる配合物から全体的に形成することができる。これらの配合物は、中実、半中実、ゲルまたはゲル状材料を含み、斯かる材料は、レオペクシー、ダイラタントまたはチキソトロープ粘度を有しており、せん断力、張力、圧縮応力またはそれらの組合せに応答して粘度が上昇する。実際、斯かる材料は、ゴルフボールの一部の周り、または、好適には、ゴルフボールの一部を完全に囲繞するように配置された被膜または薄膜として形成することができ、または、前記材料は、圧縮、射出または反応射出成型、注型等の従来のゴルフボール形成方法により形成することができ、何れの方法を使用するかは材料により決定される。好適には、前記反応性粘度弾性配合物は、少なくとも1つの連続した材料層を形成する。本実施例では、前記中間層は、コアの内側層と外側カバー層との間でボールの任意のポイントに設置することができる。1つの好適な実施例では、反応性粘度弾性材料を含んだ中間層は、マントルと外側カバー層との間に配置され、別の実施例では、コアに直接隣接して配置される。
【0062】
理論に拘束されるされることなく、前記材料は、クラブヘッド速度が低い場合には、低せん断応力に対しては抵抗が低くなり、クラブヘッド速度が高い場合には、高せん断応力に対して抵抗が高くなる。即座の反応は、ダイラタントであり、一方、時間により決定される遅れた反応はレオペクシーによるものと考えられる。好適には、反応は、ダイラタントであり、または、せん断応力がかかると同時に反応する。反応性粘度弾性材料は可逆的である。其の結果、高有効弾性率及び比較的硬い圧縮を有したゴルフボールは、圧縮が柔らかく、より低い有効弾性率から歪みが大きくなり、且つ、速度が低いクラブヘッドで打った時により柔らかなフィールが得られて効果的である。本発明による斯かるゴルフボールは、ボールの特性が、ゴルフクラブが本発明によるボールと打つときに、ゴルフクラブのスイング速度に応じて変化することから、初心者および上級者双方に所望となる特性を有していて効果的である。
【0063】
適当な反応性粘度弾性配合物は、ポリシロキサン配合物を含み、Dow Corning社より市販されると共に、米国特許第2,541,851号に記載されたダイラタントシリコン配合物3179等がそれであり、前記米国特許の開示は、引用として本明細書に組み入れる。斯かる材料は、高弾性、高CORを有する。好適なポリシロキサンコンパウンドの可塑度は、ASTM D−926で測定した場合、典型的には、約20ミル乃至150ミルであり、好適には、約60ミル乃至120ミルであり、より好適には、65ミル乃至100ミルである。好適なポリシロキサンコンパウンドの比重は、1.1乃至1.18g/cmであるのが好適である。1実施例では、シリコンの引張り強さは、約10psi乃至250psiであり、一方別の実施例では、引張り強さが、約800psi乃至100,000psiである。1つの好適な実施例では、ポリシロキサン配合物が、ポリジメチリシロキサン、ジメチルシクロシロキサン、ヒドロキシを末端基とするポリジメチルシロキサンポリマーを含む。これらのポリシロキサン配合物は、また、1つ以上の添加物を含むことができ、それらは、TiO、シリカ、クウォーツ、硼酸、グリセリン等である。
【0064】
追加の適当な反応性粘度弾性配合物は、本質的には、未硬化のポリブタジエンまたは僅かに硬化したポリブタジエンを含み、該ポリブタジエンは、低レベルの過酸化物、酸化亜鉛及び約10部未満のジアクリレート亜鉛または別のα、β−不飽和カルボン酸またはそれらの誘導体を有する。「低レベル」の過酸化物は、典型的には、約5パーセント未満を指し、好適には、約1パーセント未満を指し、より好適には約0.1パーセント未満を指し、最も好適には、約0.05パーセント未満を指す。未硬化ポリブタジエンは、オプションで、約50重量パーセントのトランス−ポリイソプレン(合成)、バラタ(天然トランス−ポリイソプレン)、ポリオクテナマーまたは、本明細書に記載したその他の剛性化ポリマー、またはそれらの組合せとブレンドして、成型またはその他の所望の処理または最終製品特性を容易にする。1実施例では、剛性化ポリマーは、10乃至40重量パーセントの量で存在し、一方、別の実施例では、該ポリマーは、約20乃至30重量パーセントの量で存在する。
【0065】
本発明により使用されるその他の適当な反応性粘度弾性配合物は、下記を含む。即ち、(a)米国特許第4,829,093号に記載のオイルを含有した樹脂、並びに、1つ以上のオイルを含有したコポリマーと1つ以上の熱可塑性樹脂との組合せ、(b)米国特許第5,498,645号、第5,171,766号、第5,506,280号、第5,364,892号、第5,972,092号に記載されたモデリングドウ配合物であって、中空微細球体を備えていても、備えていなくとも良い、(c)米国特許第4,371,636号、4,654,396号及び5,037,880号に記載されてある如く狭い粒子分散を有したコポリマー分散液であって、不飽和カルボン酸(ビニルアセテート、メタクリル酸等)、モノオレフィン不飽和モノマー(スチレン等のビニルエステル、アクリル酸とアルカノールとのエステル等)及び添加物(乳化剤、分散剤等)を含む分散液、(d)米国特許第5,883,382号に記載した如き、複数の粒子、1つ以上の非揮発性緩和剤及びゲル化剤を含んだダイラタント配合物、(e)米国特許第5,679,735号に記載した如き保護コロイドにより安定化された合成樹脂分散液、(f)米国特許第5,689,616号に記載された如き典型的には高MWの熱可塑性コアを含んだ、剛性が管理されたオルガノゾルゲル、(g)米国開示第H363号に開示された如きスルホン化ポリスチレンイオノマー、または、スルホン化EPDMまたはブチルゴムイオノマーの溶液、(h)ナトリウムテトラボレート架橋ポリビニルアセテート配合物、(i)米国特許第5,021,170号に開示した如き、オイルベースのウェルボア流体に基づいたゲラント、(j)米国特許第4,536,310号に記載した如き、炭化水素をベースにしたゲル、スルホネートイオノマーまたはそれらのブレンド、(k)感光熱合体可能なアクリルプラスチゾルまたはオルガノゾル等の米国特許第4,465,572号に記載した如きアクリルプラスチゾルまたはオルガノゾル、(l)米国特許第5,827,459号に開示した如き、本明細書に開示した反応性粘度弾性配合物に合致した反応性ゲル等を含み、ポリビニルアルコール、イオン化架橋ポリアクリルアミドゲル、微孔性速反応ゲル、熱可塑性エラストマーゲル、またはそれらのブレンドを含む。上記特許の各々の開示は引用として本明細書に組み入れる。更に、斯かる材料を知る当業者であれば、本発明により作製したゴルフボール内に前記材料を容易に含むことができる。任意の適当な反応性粘度弾性配合物を互いに組み合わせること、または、従来の材料と組み合わせることも想定できることである。
【0066】
非反応性粘度弾性材料を配合物中に含む場合には、斯かる材料は、該配合物に対して約50重量パーセント未満の量で存在するのが典型的である。様々な実施例では、斯かる非反応性粘度弾性材料は、約20重量パーセント未満、約10重量パーセント未満、約5重量パーセント未満、約1重量パーセント未満、及び約0.1重量パーセント未満の量で存在する。
【0067】
本明細書に記載した反応性粘度弾性材料のあるものは、処理に難しい、即ち、非常に粘度の高い液体またはゲル、または、粘度のある固体であるが、配合物を処理により適するようにする材料の薄膜中に収容することが可能である。例えば、前記材料を外側カバー材料のハーフシェルの内側表面に注型して、その後で圧縮成型をすることができる。
【0068】
反応性粘度弾性配合物は何れも、従来の添加物が、材料の反応特性を実質的に低減するものでなければ、様々な従来の添加物で改質することができる。例えば、密度変更重点材、ファイバー、フレーク、粒子、熱可塑性またはガラス微小中空球、及び、ゴルフボールのその他の層に関して本明細書に記載したその他の適当な充填剤の何れかを含めることが可能である。米国特許第6,127,457号、第5,895,805号、第5,607,993号、及び第5,202,362号に記載した様々な充填剤を、個々にまたは任意に組み合わせて含むことが出来ると共に、前記特許の開示は即座の引用として本明細書に組み込む。
【0069】
1実施例では、図1は、内側コア14、外側コア15、反応性粘度弾性材料から形成した中間層16及びカバー11を有したゴルフボールを図示する。本発明は、多層のカバーを包含するが、本実施例のカバー11は、単層を有する。また、内側及び外側コア層14、15は単一の一体のコア(図示なし)として製造することが可能である。
【0070】
別の実施例では、図1は、一体のコア14、反応性粘度弾性材料から形成した中間層15、内側カバー層16及び外側カバー層11から形成されるゴルフボール10を図示する。更に別の実施例では、図1は、コア14、内側カバー層15、反応性粘度弾性材料から形成した中間層16及び外側カバー層11から形成したゴルフボール10を図示する。図1の上記の実施例の各々において、厚さは、必ずしも適正な縮尺に図示されていない点に留意する必要がある。また、本発明の各実施例に関しては、コアは、1つ以上のの層を含み且つ中実、糸巻き、流体充填または当業者が実施可能な任意のその他の構造とすることができる。更に別の実施例(図示なし)では、本発明のゴルフボールは、コア、反応性粘度弾性材料から形成した第1の中間層、内側カバー層、反応性粘度弾性材料から形成した第2の中間層、及びカバーを含み、各々が前の層と同心状に配置される。
【0071】
第1の好適な実施例は、薄く、剛性のある外側カバー材料を含み、該材料は、イオノマー、高酸イオノマー、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレタンイオノマー等から形成され、ショアD硬度は約60を超え、厚さは約0.00254cm乃至0.0762cm(約0.001インチ乃至0.03インチ)であり、前記反応性粘度弾性配合物が、前記外側カバー層に直接隣接すると共に該カバー層の内側にあり、且つ、前記コアに直接隣接して配置された中間層を備える。本実施例の中間層の厚さは、約0.0762cm乃至0.254cm(0.03インチ乃至0.1インチ)とすることができる。また、中間層のショアD硬度は、約50未満であるのが典型的であり、好適には硬度は、約90ショアA未満であり、より好適には、約70ショアA未満である。
【0072】
第2の好適な実施例も同様であるが、更に、同一材料から成る内側カバー層、または、同一材料をコア及び中間層の間に含む。1実施例では、外側カバー層は、ポリウレタン、好適には、注型したポリウレタン材料を含み、内側カバー層は、少なくとも1つのイオノマーを含む。第3の好適な実施例は、第1のものと同様ではあるが、中間層が、内側及び外側カバー層の双方から内側に配置される。この第3の好適な実施例の様々な実施例において、内側及び外側カバー層の硬度は、一方の層が他方の層より固くなるように調整することが出来る。
【0073】
図4を参照すると、最も好適な成型工程では、上部または頂部モールドフレーム31、下部または底部モールドフレーム32及びセンターモールドフレーム33を備えたモールドアセンブリ30を使用する。頂部及び底部モールドフレーム31及び32は、複数の嵌め合いキャビティ34及び35を含み、該キャビティは、上記に記載した如くゴルフボールコアのサイズの球体を形成する。センターモールドフレーム33は、複数の突起36を該センターモールドフレームの両側に含み、斯かる突起は、前記頂部及び底部モールドフレームのキャビティ34及び35に対応する。前記突起36は、半球形であり、上記に記載した如く、ボールセンターの2分の1と同サイズである。
【0074】
最初に、ステップ1に図示した如く、ポリブタジエンプレップ37等のマントル材料が、頂部及び底部モールドフレームのキャビティ34及び35内に設置される。次いで、ステップ2Aを参照すると、センターモールドフレーム33が、底部モールドフレーム32と整列するように移動されて、突起36がキャビティ35と整列または同軸に配置される。しかしながら、センターモールドフレーム33は、底部モールドフレーム32上方のポリブタジエンプレップが十分に圧縮されて所定位置に保持される高さに位置決めされる。次いで、ステップ2B及び2Cを参照すると、センターモールドフレーム33及び底部モールドフレーム32を頂部モールドフレーム31と整列するように移動させて、前記突起36及びキャビティ34及び35がすべて整列するようになる。再び、センタモールドフレーム33を頂部モールドフレーム31から離間させて、頂部モールドフレームキャビティ34内のプレップが若干だけ圧縮されるようにする。
【0075】
一旦モールドアセンブリ30が所定位置に配置されると、モールドアセンブリ30が、プレス内に設置され、ステップ3に図示する如く、加熱圧縮される。好適には、モールドアセンブリ30を第1の温度に加熱して、ポリブタジエンプレップを一段と可撓性を有するようにするが、硬化開始点以上の温度までにはしない。好適には、前記温度は、約65.6℃(約150°F)より高いが、硬化開始点には達していない。最も好適な温度は、約87.8℃乃至約104.4℃(約190°F乃至220°F)である。モールドアセンブリ30は、ステップ4に図示した如く、ポリブタジエンプレップから半球体を形成するのに十分な圧力に圧縮される。好適には、モールドアセンブリは、約700psi乃至1400psiの圧力まで圧縮され、より好適には、約1000psiの圧力まで圧縮される。次いで、モールドは、約15.6℃乃至約37.8℃(約60°F乃至100°F)まで冷却され、好適には、約26.7℃(約80°F)まで冷却される。
【0076】
マントル材料、例えば、ポリブタジエンプレップを半球形に形成した後で、モールドアセンブリをプレスから取り出して、頂部モールドフレーム31、底部モールドフレーム32及びセンターモールドフレーム33の整列を、ステップ4に図示する如く、解く。次いで、ステップ5を参照すると、中間層15(図1を参照)を備えたボールセンター13を底部モールドフレーム32内に配置した半球体内に設置する。頂部モールドフレーム31を移動して底部モールドフレームと整列させて、マントル半球体がボールセンター13の周りに球体を形成するようにする。次いで、頂部及び底部モールドフレーム31及び32をプレス内に戻して、再度加熱圧縮する。この時、頂部及び底部モールドフレームを硬化開始より高い温度まで加熱してポリブタジエンがマントルプレップを形成する。好適には、モールドフレームは、約143.3℃(約290°F)を超える温度まで加熱されると共に、約2000psiを超える圧力まで圧縮される。
【0077】
図1を参照すると、カバー11は、ボール10とクラブとの間のインタフェースを画成する。カバーにとって望ましい特性は、色々あるが、その中でも、良好な成形性、高耐損傷性、高せん断強さ、高レジリエンス及び良好な型離れが、特性として挙げられる。
【0078】
カバー11は、エチレン及び不飽和モノカルボン酸から成るイオンコポリマー等のポリマー材料から構成することができ、デラウエア州、ウィルミントン(Wilmington)のE.I.デュポン・ドゥ・ネモーズ&カンパニー(E.I.DuPont de Nemours & Company)から「SURLYN」の商標名、または、エクソン(Exxon)社から「IOTEK」または「ESCOR」の商標名で市販されている。これらは、エチレン及びメタクリル酸またはアクリル酸のコポリマーまたはターポリマーであり、前記メタクリル酸またはアクリル酸は、亜鉛、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、ポタシウム、カルシウム、マンガン、ニッケル等で部分的に中和される。
【0079】
好適なボールによれば、カバー11は、十分な強度、良好な性能特性及び耐久性を全体として提供できる厚さを有する。好適には、カバー11の厚さは、約0.0762cm乃至0.3048cm(約0.03インチ乃至0.12インチ)である。より好適には、カバー11の厚さは、約0.1016cm乃至0.2286cm(約0.04インチ乃至0.09インチ)であり、最も好適には、約0.127cm乃至0.2159cm(約0.05インチ乃至0.085インチ)である。
【0080】
1つの好適な実施例では、カバー11は、亜鉛、リチウム及び/またはナトリウムイオンコポリマーまたはターポリマーの混合物またはブレンドから形成することができる。
【0081】
カバー11に使用する「SURLYN」樹脂は、イオンコポリマーまたはターポリマーであり、斯かるポリマーにあっては、ナトリウム、リチウムまたは亜鉛塩は、2乃至8個の炭素原子を有したオレフィンと3乃至8個の炭素原子を有した不飽和モノカルボン酸との反応生成物である。カルボン酸基のコポリマーは、全体または部分的に中和することが可能であり、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸を含むことが可能である。
【0082】
本発明のカバーは、ホモポリマー及びコポリマー材料から成ることが可能であり、斯かる、ホモポリマー及びコポリマーは、下記の通りである。
(1) 酢酸ビニル、アクリル酸エステルまたは塩化ビニリデンで塩化ビニルを重合するかまたは共重合して形成される如きビニル樹脂。
(2) ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及びエチレンメタクリレート、エチレンエタクリレート、エチレン酢酸ビニル、エチレンメタクリル酸またはエチレンアクリル酸またはプロピレンアクリル酸等のコポリマー等のポリオレフィン及びシングルサイト触媒を使用して生成されるコポリマー及びホモポリマー。
(3) ポリオール及びジイソシアネートまたはポリイソシアネートから調整される如き、または、米国特許第5,334,673号に開示された如きポリウレタン。
(4) 米国特許第5,484,870号に開示された如きポリ尿素。
(5) ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)及びジアミン及び二塩基酸から調整されるその他のもの及びポリ(カプロラクタム)等のアミノ酸から調整されるもの等のポリアミド、及びポリアミドとサーリン(Surlyn)、ポリエチレン、エチレンコポリマー、エチル−プロピレン−非−共役ジエンターポリマー等とのブレンド。
(6) アクリル樹脂及びアクリル樹脂とポリ塩化ビニル、エラストマー等とのブレンド。
(7) ウレタン等の熱可塑性プラスチック、ポリオレフィンとエチレン−プロピレン−非−共役ジエンターポリマー、スチレン及びブタジエンのブロックコポリマー、イソプレンまたはエチレン−ブタジエンゴム、または、ペンシルベニア(Pennsylvania)州、フィラデルフィア(Philadelphia)のElf−Atochem社が販売する「PEBAX」等のコポリ(エーテル−アミド)。
(8) 酸化ポリフェニレン樹脂、または、酸化ポリフェニレンとマサチューセッツ州ピッツフィールドのゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company,Pittsfield,MA)により「NORYL」の商標名で市販されている如き高衝撃ポリスチレンとのブレンド。
(9) ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、改質ポリエチレンテレフタレート/グリコール及びデラウエア州ウィルミントンのE.I.デュポン・ドゥ・ネモーズ社により「HYTREL」の商標名で及びマサチューセッツ州ピッツフィールドのゼネラル・エレクトリック社により「LOMOD」の商標名で販売されているエラストマー等の熱可塑性ポリエステル。
(10) ポリカーボネートとアクリルニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレンマレイン酸硬石膏、ポリエチレン、エラストマー等とのブレンド及び合金、及び、塩化ビニルとアクリルニトリルブタジエンスチレンまたはエチレン酢酸ビニルまたはその他のエラストマーとのブレンド及び合金を含んだブレンド及び合金。熱可塑性ゴムとポリエチレン、プロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、セルロースエステル等とのブレンド。
【0083】
好適には、カバー11は、エチレン、プロピレン、ブテン−1またはヘキサン−1ベースのホモポリマー及びコポリマー等のアクリル酸及びメタクリル酸及び全体的にまたは部分的に中和されたイオノマー樹脂及びそれらのブレンド等の官能モノマーを含んだポリマー、メチルアクリレート、メチルメタクリレートホモポリマー及びコポリマー、ポリマーを含んだイミド化(imidized)したアミノ基、ポリカーボネート、強化ポリアミド、酸化ポリフェニレン、高衝撃ポリスチレン、ポリエーテルケトン、ポルスルホン、ポリ(フェニレンスルフィド)、アクリロニトリル−ブタジエン、アクリル−スチレン−アクリロニトリル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリ(テトラフルオロエチレン)及び官能コモノマーを含んだそれらのコポリマー、及びそれらのブレンドから成る。更に、カバー11は、好適には、ポリエーテルまたはポリエステル熱可塑性ウレタン、熱硬化性ポリウレタン、酸含有エチレンコポリマーイオノマー等のE/X/Yターポリマーを含んだイオノマーまたはそれらの組合せから成り、前記E/X/Yターポリマー中、Xは、0乃至50重量パーセントの量で存在するアクリレートまたはメタクリレートベースの軟化コモノマー、及び、Yは、約5乃至35重量パーセントの量で存在するアクリル酸またはメタクリル酸である。より好適には、最大飛距離を目的として設計された低スピン速度の実施例では、15乃至35重量パーセントのアクリル酸またはメタクリル酸が存在して、斯かるイオノマーを高弾性率のイオノマーにする。高スピンの実施例では、カバーは、約10乃至15重量パーセントの酸が存在するイオノマー及び軟化コモノマーを含む。
【0084】
本発明の好適な実施例を添付図面に図示すると共に、前記詳細な説明で説明してきたが、本発明は開示した前記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ、部品及び要素を様々に再配置及び修正することが出来る。
【0085】
【発明の効果】
本発明では、ゴルフボールコア配合物中の酸化亜鉛をある程度酸化カルシウムに代えることができる。斯かる混合物から生成されるコア及びボールは、典型的に高性能特性を示す。標準ボールの初速度は、維持されるが、ボールの圧縮は、標準の圧縮尺度で少なくとも約2圧縮ポイントだけ低減される。他方、ある程度の酸化カルシウムの使用と高パーセントのジアクリレート亜鉛との組み合わせを使用して、同一の圧縮を維持することができるが、初速度は著しく高められる。
【0086】
本発明による斯かるゴルフボールは、ボールの特性が、ゴルフクラブが本発明によるボールと打つときに、ゴルフクラブのスイング速度に応じて変化することから、初心者および上級者双方に所望となる特性を有していて効果的である。
【図面の簡単な説明】
本発明の更なる特徴及び効果は、添付図面と関連して記載した下記の詳細な説明から確実にされる。
【図1】本発明のボールの断面図である。
【図2】本発明の装置の立面図である。
【図3】コア処理装置の平面図である。
【図4】本発明による内側球体を形成する方法のフローチャートである。

Claims (38)

  1. センターと、
    該センターの周りに形成され、且つ、厚さが0.0254cm(0.01インチ)未満で曲げ弾性率が100,000psi未満の中間層と、
    弾性ポリマー成分から成る少なくとも1つの層から成り、前記中間層に隣接して同心に配置されたマントルと、
    該マントルの周りに同心に配置された少なくとも1つのカバー層とから成るコアを備え、
    前記中間層が、ポリシロキサン配合物、未硬化のポリブタジエン、僅かに硬化したポリブタジエン、モデリングドウ配合物、非揮発性緩和剤及びゲル化剤を含んだダイラタント配合物、保護コロイドにより安定化された合成樹脂分散液、スルホン化ポリスチレンイオノマー溶液、スルホン化エチレンプロピレンジエンモノマー溶液、ブチルゴムイオノマー溶液、ナトリウムテトラボレート架橋ポリビニルアセテート配合物、オイルベースのウェルボア流体に基づいたゲラント、炭化水素をベースにしたゲル、アクリルプラスチゾル、アクリルオルガノゾル、ポリビニルアルコール、イオン化架橋ポリアクリルアミドゲル、微孔性速反応ゲル、熱可塑性エラストマーゲル、またはそれらのブレンドを含み、圧力に反応して粘度が高くなる配合物である反応粘度弾性配合物で形成されていることを特徴とする多層ゴルフボール。
  2. 請求項1のボールであって、前記中間層の厚さが、0.00127cm乃至0.0254cm(0.0005インチ乃至0.01インチ)であるボール。
  3. 請求項2のボールであって、前記中間層の厚さが、0.002032cm乃至0.0254cm(0.0008インチ乃至0.01インチ)であるボール。
  4. 請求項1のボールであって、前記中間層の硬度が、ショアA硬度で90未満であるボール。
  5. 請求項4のボールであって、前記中間層の硬度が、ショアA硬度で70未満であるボール。
  6. 請求項1のボールであって、前記中間層の曲げ弾性率が、3,000psi未満であるボール。
  7. 請求項1のボールであって、前記センターの外径が、1.27cm乃至3.429cm(0.5インチ乃至1.35インチ)であるボール。
  8. 請求項7のボールであって、前記センターの外径が、1.905cm乃至3.175cm(0.75インチ乃至1.25インチ)であるボール。
  9. 請求項1のボールであって、前記センター、前記柔らかな弾性中間層及び前記マントルを組み合わせた外径が、3.683cm乃至4.064cm(1.45インチ乃至1.6インチ)であるボール。
  10. 請求項1のボールであって、前記センター、前記柔らかな弾性中間層及び前記マントルを組み合わせた外径が、3.81cm乃至4.0132cm(1.5インチ乃至1.58インチ)であるボール。
  11. 請求項1のボールであって、前記センターが、中実であるか、または、液体、ゲル、発泡体またはガスで充填されるボール。
  12. 請求項1のボールであって、前記マントル層が、補強ポリマー成分から成るボール。
  13. 請求項1のボールであって、前記マントル層の前記弾性ポリマー成分が、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンまたはスチレン−プロピレン−ジエンゴムから成るボール。
  14. 請求項1のボールであって、前記センターが、中実センターであり、該中実センターが、弾性ポリマー成分から成るボール。
  15. 請求項14のボールであって、前記中実センターが、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンまたはスチレン−プロピレン−ジエンゴムから成るボール。
  16. 請求項13のボールであって、前記弾性ポリマー成分が、分子量平均が50,000乃至1,000,000である1,4−シス−ポリブタジエンから成るボール。
  17. 請求項13のボールであって、前記弾性ポリマー成分の量が、ポリマー成分の総重量の60乃至99重量パーセントであるボール。
  18. 請求項13のボールであって、更に、充填剤、遊離基開始剤または架橋剤の少なくとも1つから成るボール。
  19. 請求項13のボールであって、前記マントル層の曲げ弾性率が、3.5MPaを超えるボール。
  20. 請求項1のボールであって、前記圧力に反応して粘度が高くなる配合物である反応粘度弾性配合物は、ポリジメチルシロキサン、ジメチルシクロシロキサン、ヒドロキシを末端基とするポリジメチルシロキサン、ポリビニルアルコール、アクリルプラスチゾル、アクリルオルガノゾル、炭化水素をベースにしたゲル、スルホン酸イオノマー、ブチルゴムイオノマー、イオン化架橋ポリアクリルアミドゲル、微孔性速反応性ゲル、熱可塑性エラストマーゲル、またはそれらのブレンドの少なくとも1つを備えているゴルフボール。
  21. 請求項1のボールであって、前記中間層が、更に、添加剤、充填剤、増粘剤、または、それらの組合せを備えているボール。
  22. 請求項21のボールであって、前記充填剤が、酸化亜鉛であり、且つ、0.5乃至20重量パーセントの量で存在するボール。
  23. 請求項1のゴルフボールであって、
    前記センターとして第1の硬度を有した中実センターと、
    前記第1の硬度より小さい第2の硬度を有した、前記中実センター上に形成された中間層であって、この中間層は0.0254cm(0.01インチ)未満の厚さを有し、且つ、ポリシロキサン配合物、未硬化のポリブタジエン、僅かに硬化したポリブタジエン、モデリングドウ配合物、非揮発性緩和剤及びゲル化剤を含んだダイラタント配合物、保護コロイドにより安定化された合成樹脂分散液、スルホン化ポリスチレンイオノマー溶液、スルホン化エチレンプロピレンジエンモノマー溶液、ブチルゴムイオノマー溶液、ナトリウムテトラボレート架橋ポリビニルアセテート配合物、オイルベースのウェルボア流体に基づいたゲラント、炭化水素をベースにしたゲル、アクリルプラスチゾル、アクリルオルガノゾル、ポリビニルアルコール、イオン化架橋ポリアクリルアミドゲル、微孔性速反応ゲ ル、熱可塑性エラストマーゲル、またはそれらのブレンドを含み、圧力に反応して粘度が高くなる配合物である反応粘度弾性配合物から形成される中間層と、
    前記第1の硬度より大きい第3の硬度を有した、前記中間層上に形成される外側層と、
    カバーとを備えたことを特徴とするゴルフボール。
  24. 請求項23のボールであって、前記第1の硬度が、20乃至40ショアDであるボール。
  25. 請求項23のボールであって、前記第2の硬度が、20ショアD未満であるボール。
  26. 請求項23のボールであって、前記第3の硬度が、50ショアDより大きいボール。
  27. 請求項1のゴルフボールであって、
    少なくとも1つの層を有したコアと、
    該コアの周りに同心状に配置されると共に、少なくとも1つの層を有したカバーと、
    前記コア及び前記少なくとも1つのカバー層との間に配置される、ポリシロキサン配合物、未硬化のポリブタジエン、僅かに硬化したポリブタジエン、モデリングドウ配合物、非揮発性緩和剤及びゲル化剤を含んだダイラタント配合物、保護コロイドにより安定化された合成樹脂分散液、スルホン化ポリスチレンイオノマー溶液、スルホン化エチレンプロピレンジエンモノマー溶液、ブチルゴムイオノマー溶液、ナトリウムテトラボレート架橋ポリビニルアセテート配合物、オイルベースのウェルボア流体に基づいたゲラント、炭化水素をベースにしたゲル、アクリルプラスチゾル、アクリルオルガノゾル、ポリビニルアルコール、イオン化架橋ポリアクリルアミドゲル、微孔性速反応ゲル、熱可塑性エラストマーゲル、またはそれらのブレンドを含み、圧力に反応して粘度が高くなる配合物である反応粘度弾性配合物から形成された中間層と
    から成ることを特徴とする多層ゴルフボール。
  28. 請求項27のゴルフボールであって、前記中間層の厚さが、0.0254cm(0.01インチ)未満であるゴルフボール。
  29. 請求項27のゴルフボールであって、前記中間層の厚さが、0.00127cm乃至0.0254cm(0.0005インチ乃至0.01インチ)であるゴルフボール。
  30. 請求項27のゴルフボールであって、前記中間層の厚さが、0.002032cm乃至0.00508cm(0.0008インチ乃至0.002インチ)であるゴルフボール。
  31. 請求項27のゴルフボールであって、前記中間層が、2つのカバー層の間に配置されるゴルフボール。
  32. 請求項27のゴルフボールであって、前記中間層が、前記コア及び第2の中間層の間に配置されるゴルフボール。
  33. 請求項27のゴルフボールであって、前記中間層の可塑度が、20ミル乃至150ミルであるゴルフボール。
  34. 請求項27のゴルフボールであって、前記中間層の可塑度が、60ミル乃至120ミルであるボルフボール。
  35. 請求項27のゴルフボールであって、前記反応粘度弾性配合物が、ポリジメチルシロキサン、ジメチルシクロシロキサン、ヒドロキシを末端基とするポリジメチルシロキサン、 ポリビニルアルコール、アクリルプラスチゾル、アクリルオルガノゾル、炭化水素をベースにしたゲル、スルホン酸イオノマー、ブチルゴムイオノマー、イオン化架橋ポリアクリルアミドゲル、微孔性速反応性ゲル、熱可塑性エラストマーゲル、またはそれらのブレンドの少なくとも1つを備えるゴルフボール。
  36. 請求項27のゴルフボールであって、前記中間層材料の硬度は、90ショアA未満であるゴルフボール。
  37. 請求項27のゴルフボールであって、前記中間層材料の硬度は、70ショアA未満であるゴルフボール。
  38. 請求項27のゴルフボールであって、前記カバーの厚さが、0.0508cm乃至0.254cm(0.02インチ乃至0.1インチ)であるゴルフボール。
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