JP3803093B2 - 高額紙幣用金庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャッシュレジスタに並設されることにより、万円券等の高額紙幣を一時的に保管する高額紙幣用金庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
量販店やコンビニエンスストア等においては、キャッシュレジスタに保管されている現金の盗難が多発している。これに対し、釣り銭として使用することのない万円券等の高額紙幣を盗難から防ぐことにより、被害額を最小限に抑えることが可能である。
【0003】
このような高額紙幣のための従来の金庫としては、キャッシュレジスタに組み付け可能な外箱と、紙幣を蓄積保管するための内箱とを備え、内箱を外箱の内部に引き出し可能に設けて内箱が不用意に外箱から露出しないようにした構造が開発されている。
【0004】
この金庫では、紙幣が載置されるトレーが内箱に引き出し可能に配置されており、紙幣載置状態でトレーを内箱に押し込むことにより紙幣が内箱内に自動的に落下する。このような紙幣の自動送り込みを行うため、トレーには、紙幣の後端に衝合するテーパ状の浮き止め板が設けられている。
【0005】
また、内箱が紙幣を保管することから、内箱内からの紙幣の不用意な取り出しを防止するため、内箱の引き出しロックを行う必要がある。このため、内箱の施錠を行う施錠機構が外箱の前面に設けられており、必要に応じて施錠機構のロックを解除して内箱を外箱から引き出し、紙幣を内箱の内部から取り出して他の保管用金庫等に移すようになっている。
【0006】
以上のような構造により、内箱内からの紙幣の取り出しを制限して盗難防止を行うと共に、種々のキャッシュレジスタへの組み付けを可能とした汎用性のあるものとしている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特許第3105360号公報(2−3頁、図1−2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の金庫では、内箱の引き出しロックを行うための施錠機構が外箱の前面に露出しているため、施錠のロック解除を簡単に行うことができる。このため、盗難を確実に防止することが難しい問題を有している。
【0009】
また、紙幣を他の保管用金庫に移し替えるため、内箱内からの紙幣の取り出しを店頭でのキャッシュレジスタで行う必要があるが、このような店頭のキャッシュレジスタでの紙幣の移し替えは、安全性に欠けるものとなっている。また、紙幣を他の保管金庫に移し替える際には、内箱から取り出した紙幣を運搬する必要があるが、運搬中に紙幣が不用意に落下して喪失する原因となる。このため、運搬用バッグを用いることも考えられるが、紙幣を内箱から取り出して運搬用バッグへ移し替える作業が必要であり、作業が煩雑となる新たな問題が発生する。
【0010】
さらに、紙幣を内箱に格納するためには、トレーの浮き止め板に衝合するように紙幣をトレーに載置する必要があるため、揃えた状態で紙幣をトレーへ載置する作業が面倒である問題も有している。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、施錠のロック解除を簡単に行うことができないと共に、格納した紙幣の移し替えを不要として盗難を確実に防止することができると共に、紙幣の格納を簡単に行うことが可能な高額紙幣用金庫を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の高額紙幣用金庫は、キャッシュレジスタが載置されるレジ台に差し込まれた状態で紙幣が投入される金庫であって、紙幣収容空間を内部に有した本体と、紙幣収容空間へ紙幣を投入するための投入口が開口されると共に、紙幣収容空間を封鎖するため本体に開閉自在に取り付けられた蓋体と、蓋体及び本体の間を回動するように蓋体に取り付けられており、蓋体側への回動によって投入口を閉鎖し、本体側への回動によって投入口を開放する投入口カバーと、レジ台に対し係脱自在となっており、レジ台への係合によって本体または蓋体をレジ台に固定状態とする固定機構と、固定機構のレジ台への係合及び解除を行うため本体または蓋体に設けられた固定用錠と、本体に対する蓋体の開閉の施錠を行うための蓋体開閉用錠と、投入口カバーを蓋体及び本体に対して固定するための投入口カバー用錠とを備えており、固定用錠が本体側へ回動した投入口カバーに隠蔽される位置に配置され、蓋体開閉用錠がレジ台によって隠蔽される位置に配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項1の発明では、紙幣収容空間を封鎖するための蓋体を蓋体開閉用錠により本体に施錠した状態で、金庫の全体がキャッシュレジスタのレジ台に差し込まれる。そして、固定用錠により固定機構をレジ台に係合させることにより、金庫全体がレジ台に固定されるため、レジ台からの不用意な引き抜きを防止することができる。この状態で蓋体の投入口から紙幣を投入することにより、本体の紙幣収容空間内に紙幣が投入されるため、キャッシュレジスタ内の高額紙幣を円滑に格納することができる。この場合、紙幣は投入口から投入するだけであるため、紙幣を揃える面倒な作業が不要となる。
【0014】
請求項1の発明において、金庫をレジ台に差し込んだ状態では、固定用錠が投入口カバーに隠蔽されるため、固定用錠のロック解除を安易に行うことができず、金庫の全体がレジ台に確実に固定される。このため、金庫をレジ台から引き抜くことができず、金庫全体の持ち出しによる盗難を防止することができる。
【0015】
また、本体及び蓋体を含めた金庫の全体が運搬されるものであり、店頭のキャッシュレジスタで紙幣を取り出して紙幣だけを運搬したり、運搬用バッグに移し替える必要がない。このため、運搬中やキャッシュレジスタでの安全性が向上するばかりでなく、紙幣の移し替え作業がなくなって作業性が向上する。
【0016】
さらに、金庫をレジ台へ差し込んだ状態では、蓋体開閉用錠がレジ台に隠蔽されるため、蓋体の施錠を簡単に解除することができない。これにより、蓋体を開放して本体内の紙幣の持ち出しを行うことができないため、本体内からの紙幣の盗難を防止することができる。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1記載の高額紙幣用金庫であって、前記投入口カバー用錠は、投入口カバーを本体側で施錠及び解除する本体側錠と、投入口カバーを蓋体側で施錠及び解除する蓋体側錠を備えており、蓋体側錠がレジ台によって隠蔽される位置に配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明では、本体側錠への操作によって投入口カバーを本体側に固定し、蓋体側錠への操作によって投入口カバーを蓋体側に固定することができる。投入口カバーの蓋体への固定状態では、投入口カバーが投入口を閉鎖した状態となるため、投入口に手を差し入れることができず、投入口を介して本体内部の紙幣を取り出すことができない。このため、投入口からの盗難を防止することができる。
【0019】
一方、投入口カバーの本体への固定状態では、蓋体の投入口が開放されるため、投入口からの紙幣の投入が可能となる。金庫の全体がレジ台に差し込まれた状態では、投入口カバーによる投入口の開放を行う蓋体側錠がレジ台に隠蔽されるため、蓋体側錠への操作ができず、投入口カバーによる投入口の不用意な開放を行うことができない。これによっても、盗難を防止することができる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1または2記載の高額紙幣用金庫であって、前記投入口カバーは、基端部がヒンジを介して蓋体に回動可能に連結されており、蓋体及び本体に挿入されて蓋体及び本体に係合するロック片が先端部に設けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明では、投入口カバーがヒンジを介して蓋体に取り付けられるため、同カバーの回動を円滑に行うことができる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項1記載の高額紙幣用金庫であって、運搬のための取手が前記本体または蓋体に取り付けられており、当該取手がレジ台に隠蔽される位置に配置されていることを特徴とする。
【0023】
請求項4の発明では、取手を把持することにより金庫全体の運搬が行われる。この発明では、取手がレジ台に隠蔽される位置に配置されることにより、レジ台への差し込み状態で取手を把持することができない。このため、レジ台からの不用意な持ち出しを行うことができず、金庫持ち出しによる盗難を防止することができる。
【0024】
請求項5の発明は、請求項1記載の高額紙幣用金庫であって、前記投入口は、紙幣が通過可能で且つ人手の差し入れができない寸法の開口幅となっていることを特徴とする。
【0025】
投入口の寸法を請求項5のように設定することにより、紙幣の投入だけを担保したままで人手の差し入れができないため、紙幣の取り出しを防止することができ、盗難を防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明の一実施の形態における高額紙幣用金庫の斜視図、図3は蓋体を開放した状態の斜視図、図4はレジ台への差し込み状態の斜視図、図5はレジ台から取り出す状態を示す斜視図、図6はレジ台の斜視図である。
【0027】
この実施の形態の高額紙幣用金庫1(以下、金庫1)は、キャッシュレジスタが載置されるレジ台50に差し込み状態で使用されることにより紙幣が投入されるものである。
【0028】
図6に示すように、レジ台50は、伝票等を格納するための複数の引き出し51が設けられたデスク52と、デスク52上に設けられた載置台53とを備え、載置台53にキャッシュレジスタ(図示省略)が載置されて現金取引に使用される。レジ台50の前面部分には、顧客との対応を行うための顧客用プレート54が立設状に設けられており、その左側には、伝票や現金の取引を行う取引窓54aが形成されている。
【0029】
金庫1は、このレジ台50における右側に形成された矩形状の差し込み口55に差し込まれる。差し込み口55の上面部分には、天板56が所定の長さで設けられており、金庫1は上面が天板56に覆われた状態となる。このように金庫1が天板56に覆われ、しかも金庫1の差し込み口55がレジ台50の右側に形成されることにより、金庫1が左側の取引窓54aと離れた位置となっているため、取引窓54aから手を差し込んで金庫1に手を伸ばすことができない。これにより、レジ台50からの金庫1の盗難を防止することが可能となっている。
【0030】
金庫1は、図1〜図3に示すように、ボックス状の本体2と、本体2に対して開閉可能となっている蓋体3と、蓋体3に回動可能に取り付けられた投入口カバー4と、蓋体3の施錠を行う蓋体開閉用錠5と、金庫1の全体をレジ台50に固定するための固定機構7と、投入口カバー4の施錠及び解除を行う投入口カバー用錠としての本体側錠8及び蓋体側錠9と、運搬のための取手10とを備えている。
【0031】
この実施の形態の金庫1は、本体2及び蓋体3を含めた上述した部材の全てがジュラルミン、ステンレス等の高強度金属により全体が形成されており、簡単に破壊されることがなく、かつ簡単な持ち運びが難しい比較的大重量となっている。本体2は、図3に示すように、紙幣が格納される紙幣格納空間2aが内部に形成されている。
【0032】
蓋体3は、図3に示すように、ヒンジ金具11を介して本体2の外面に回動可能に取り付けられている。蓋体3は本体2の上面を覆う形状に形成されており、本体2に被せられることにより紙幣格納空間2aを封鎖するようになっている。運搬のための取手10は、蓋体3の上面に起伏自在に取り付けられている。
【0033】
蓋体3の上面には、紙幣を本体2の紙幣収納空間2aに投入するための投入口12が開口されている。この投入口12は本体2に向かって斜めに延びていると共に延長方向に向かって幅が漸減したテーパ状となっている。これにより、投入口12の延長端は、紙幣だけが通貨可能でかつ人手の差し入れができない開口幅となっている。投入口12をこのような開口幅とすることにより、紙幣の投入だけができ人手の差し入れが禁止されるため、投入口12からの紙幣の取り出しを防止することができる。
【0034】
蓋体開閉用錠5は、蓋体3のロックを行うものであり、図1及び図2に示すように、本体2及び蓋体3の一側面(ヒンジ金具11が取り付けられた側面と反対側の側面)に配置されている。蓋体開閉用錠5は、本体2の外側面に回動可能に取り付けられた錠金具5aを備え、錠金具5aが蓋体3に掛け渡された状態で施錠することにより蓋体3のロックを行う。この実施の形態において、蓋体開閉用錠5は本体2及び蓋体3の側面に設けた凹み部分13内に設けられており、これにより、外方に突出することがなくレジ台50への差し込み際に干渉等することがないため、レジ台50への差し込みの支障となることがなくなる。
【0035】
固定機構7は、本体2の側面から外側へ突出する固定片によって構成されており、この固定片7が係合及び離脱する係合溝(図示省略)がレジ台50に形成されている。固定片7は、本体2の前面側の内面に配置されており、本体2の側面に形成されたスリット18から出没するようになっている。そして、スリット18から進出したとき、レジ台50の係合溝に入り込んで係合する。この係合により、金庫1の全体がレジ台50に固定され、不用意な取り出しが不可能となる。一方、固定片7がスリット18から本体2内へ退出することにより、係合溝との係合が解除される。これにより、レジ台50から金庫1の取り出しを行うことができる。なお、固定片7が係合するための係合溝は、レジ台50の内側面における固定片7との対応位置に形成されるものである。
【0036】
固定片7の出没を行うため、固定用錠17が本体2の前面部分に設けられている。固定用錠17はシリンダー錠からなり、キーを差し込んで回動させることにより、固定片7の出没作動を行うことが可能となっている。なお、この固定用錠17は、後述する投入口カバー4によって隠蔽可能な位置に配置されるものである。
【0037】
投入口カバー4は、蓋体3における前面側の角部に回動可能に取り付けられている。投入口カバー4は、カバー本体4aと、カバー本体4aの先端部に回動可能に取り付けられたロック片4bとを備えている(図5参照)。
【0038】
カバー本体4aは、蓋体3の前面側の角部に取り付けられたヒンジ15を介して蓋体3に回動可能に取り付けられている。この回動は図1に示すように本体2側及び図2に示すように蓋体3側に対して行うものであり、本体側への回動によって蓋体3の投入口12を開放し、かつ上述した固定用錠17を隠蔽し、蓋体3側への回動によって投入口12を閉鎖するようになっている。このため、カバー本体4aは上記作動が可能な寸法及び形状となるように形成される。
【0039】
ロック片4bは、カバー本体4aを本体2側及び蓋体3側に固定状態とするものである。すなわちロック片4bは、本体2の前面側に開口されたロックスリット19に挿入される一方、蓋体3の上面側に形成されたロックスリット20に挿入されることにより、これらの間でのカバー本体4aの固定を行う。これらのロックスリット19及び20側には、ロック片4bに挿脱自在に係合するロックリップ22,23が配置されている。
【0040】
図3には、本体2側のロックリップ22を示してある。ロックリップ22は本体2のロックスリット19に係合するように本体2の内面に沿って回動するものであり、回動によってロックリップ22はロック片4bのロックスリット4cに挿入されてロック片4bと係合する。これにより、カバー本体4aを本体2側に固定することができる。このロックリップ22の回動は、本体2におけるロックスリット19近傍に設けられた本体側錠8への操作によって行われる。
【0041】
蓋体3側のロックリップ23は図3に示すように、本体2側のロックリップ22と同様に蓋体3におけるロックスリット20近傍に設けられた蓋体側錠9への操作によってロック片4bに係合し、この係合によってカバー本体4aを蓋体3側に固定するようになっている。かかる蓋体側錠9は、金庫1をレジ台50に差し込んだときに、レジ台50の天板56に隠蔽される位置に配置することができる。このように配置することにより、レジ台50への差し込み状態では、投入口カバー用錠9への操作が禁止される。
【0042】
この実施の形態において、投入口カバー4を本体2側に固定した状態では、図1に示すように蓋体3の投入口12が開放される。これにより、投入口12から紙幣の投入が可能となる。この紙幣の投入は、金庫1をレジ台50に差し込んだ状態で行われるものである。また、この状態では固定用錠17が投入口カバー4のカバー本体4aによって隠蔽される。従って、固定用錠17への不用意な操作が禁止される。このため、固定用錠17を解除して金庫1をレジ台50から取り出すことが不可能となり、金庫1を持ち出す盗難の防止が可能となる。
【0043】
一方、投入口カバー4を蓋体3側に固定した状態では、投入口12がカバー本体4aによって閉鎖される。この投入口12の閉鎖は、金庫1の運搬時に行われるものであり、このように投入口12を閉鎖状態とすることにより、投入口12に吸着ロッド等の盗難道具を差し込むことができない。このため、金庫1の運搬時における盗難を防止することができる。また、運搬時に金庫1が転倒しても、投入口12から紙幣が洩れ出ることがないため、安全性が向上する。
【0044】
次に、この実施の形態の金庫1の使用態様を説明する。
【0045】
図4は、金庫1をレジ台50の差し込み口55に差し込んで使用する状態を示す。差し込み口55への差し込み前においては、蓋体開閉用錠5を施錠することにより、蓋体3を本体2にロックする。また、差し込み口55への差し込み時には、蓋体3側の蓋体錠9を操作して、投入口カバー4のロックを解除し、投入口カバー4をフリー状態とする。
【0046】
その後、金庫1の全体をレジ台50の差し込み口55内に押し込み、固定用錠17を操作して固定片7(固定機構7)をレジ台50に係合させる。この係合により、金庫1がレジ台50に固定されると同時に取手10がレジ台50に隠蔽されるため、金庫1の不用意な引き出し及び持ち出しが禁止される。
【0047】
かかるレジ台50への差し込み状態では、蓋体開閉用錠5がレジ台50に隠蔽されるため、蓋体3の施錠解除を行うことができない。これにより、蓋体3を開放して本体2内の紙幣の持ち出しを行うことができず、本体2内からの紙幣の盗難を確実に防止することができる。
【0048】
レジ台50の差し込みの後、投入口カバー4を本体2側に回動させ、そのロック片4bを本体2側のロックスリット19に挿入し、本体側錠8を施錠することにより投入口カバー4を本体2側に固定する。これにより、これにより固定用錠17が投入口カバー4によって隠蔽されるため、固定用錠17への操作が禁止される。従って、固定用錠17を操作することによる固定機構7の解除を行うこときができないため、金庫1をレジ台50に確実に固定することができ、金庫1の持ち出しによる盗難を確実に防止することができる。
【0049】
レジ台50からの金庫1の取り出しは、本体側錠8を解除して投入口カバー4を蓋体3側に固定することにより投入口12を封鎖する。投入口カバー4の蓋体3側への固定により、固定用錠17が露出するため、同錠17を操作して固定機構7のロック解除を行う。これにより、金庫1をレジ台50から引き出すことができ、取手10を把持して金庫1を格納金庫へ運搬することができる。かかる運搬の際においては、投入口12が投入口カバー4によって封鎖されているため、投入口12からの紙幣の取り出しを行うことができず、その盗難の防止を確実に行うことができる。
【0050】
このような実施の形態では、紙幣投入状態の金庫1の全体を運搬するものであり、店頭のキャッシュレジスタで紙幣を金庫から取り出して運搬したり、運搬用バッグに移し替える必要がない。このため、運搬中やキャッシュレジスタでの安全性が向上するばかりでなく、紙幣の移し替え作業がなくなって作業性が向上する。
【0051】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることがなく、種々変形が可能である。例えば、固定機構7によって金庫1をレジ台50に固定状態として持ち出しを禁止するため、取手10をレジ台50に隠蔽することなく、露出状態としても良い。また、取手10に加えて、吊り下げ用ベルトの引き掛けバーを本体2に設けても良い。さらに、蓋体3の投入口12に対し、プラスチック等からなる仮り蓋を嵌め込んで投入口12を適宜、封鎖することによりカード等の誤投入を防止しても良い。さらに、また、投入口カバー用錠としては、本体または蓋体のいずれか一方に設けて投入口カバーの施錠及び解除を行うようにしても良い。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、紙幣投入状態のままの金庫全体を運搬するものであり、店頭のキャッシュレジスタ側で紙幣を取り出して運搬したり、運搬用バッグに移し替える必要がないため、運搬中やキャッシュレジスタでの安全性が向上するばかりでなく、紙幣の移し替え作業がなくなって作業性が向上する。また、金庫をレジ台へ差し込んだ状態では、蓋体開閉用錠がレジ台に隠蔽されて蓋体の施錠解除が禁止されるため、蓋体を開放して本体内の紙幣の持ち出しを行うことができず、本体内からの紙幣の盗難を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における投入口カバーを本体側に固定した状態の斜視図である。
【図2】投入口カバーを蓋体側に固定した状態の斜視図である。
【図3】蓋体を開放した状態の斜視図である。
【図4】レジ台に差し込んだ状態を示す斜視図である。
【図5】レジ台への操作を示す斜視図である。
【図6】レジ台の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 金庫
2 本体
3 蓋体
4 投入口カバー
5 蓋体開閉用錠
7 固定機構
8 本体側錠
9 蓋体側錠
10 取手
12 投入口
15 ヒンジ
17 固定用錠
Claims (5)
- キャッシュレジスタが載置されるレジ台に差し込まれた状態で紙幣が投入される金庫であって、
紙幣収容空間を内部に有した本体と、
紙幣収容空間へ紙幣を投入するための投入口が開口されると共に、紙幣収容空間を封鎖するため本体に開閉自在に取り付けられた蓋体と、
蓋体及び本体の間を回動するように蓋体に取り付けられており、蓋体側への回動によって投入口を閉鎖し、本体側への回動によって投入口を開放する投入口カバーと、
レジ台に対し係脱自在となっており、レジ台への係合によって本体または蓋体をレジ台に固定状態とする固定機構と、
固定機構のレジ台への係合及び解除を行うため本体または蓋体に設けられた固定用錠と、
本体に対する蓋体の開閉の施錠を行うための蓋体開閉用錠と、
投入口カバーを蓋体及び本体に対して固定するための投入口カバー用錠とを備えており、
固定用錠が本体側へ回動した投入口カバーに隠蔽される位置に配置され、蓋体開閉用錠がレジ台によって隠蔽される位置に配置されていることを特徴とする高額紙幣用金庫。 - 前記投入口カバー用錠は、投入口カバーを本体側で施錠及び解除する本体側錠と、投入口カバーを蓋体側で施錠及び解除する蓋体側錠を備えており、蓋体側錠がレジ台によって隠蔽される位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の高額紙幣用金庫。
- 前記投入口カバーは、基端部がヒンジを介して蓋体に回動可能に連結されており、蓋体及び本体に挿入されて蓋体及び本体に係合するロック片が先端部に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の高額紙幣用金庫。
- 運搬のための取手が前記本体または蓋体に取り付けられており、当該取手がレジ台に隠蔽される位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の高額紙幣用金庫。
- 前記投入口は、紙幣が通過可能で且つ人手の差し入れができない寸法の開口幅となっていることを特徴とする請求項1記載の高額紙幣用金庫。
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