JP3802975B2 - ペット用トイレ砂 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軽量化されたペット用トイレ砂に関するもので、より詳細には、軽量化され、吸水性、固化性、脱臭性等にも優れたペット用トイレ砂に関する。
【0002】
【従来の技術】
猫等のペットを飼育するに際して、それが排出する尿等を処理するために、ペット用トイレ砂が古くから使用されている。このようなペット用トイレ砂としては、いろいろなものが使用されており、たとえば天然ゼオライト、川砂、シリカゲル、新聞紙、製紙スラッジ成型品等があげられる。
【0003】
ベントナイトをペット用トイレ砂に用いることも古くから知られており、例えば、特開平1−269440号公報には、膨潤性粘土鉱物(スメクタイト)と消臭剤を併用したペット用トイレ砂が記載されている。
また、特許2572208号公報には水溶性粘着性物質を含有したスメクタイト粘土(ナトリウムベントナイト含有)射出成形物からなる吸収性組成物を含む排泄箱が記載されている。
更に、特許2587530号公報には非圧縮性且つ未焼成の水膨潤性ナトリウムベントナイトを吸収剤組成物として用いる寝わら箱が記載されている。
【0004】
一方、鹿沼土(アロフェン)が消臭作用を有することも古くから知られており、特開昭62−38164号公報には、多孔質焼成アロフェンを有効成分とする脱臭、吸湿剤が記載され、特開平4−354533号公報には、珪藻土、シラスバルーン、パーライト、ゼオライト及びカーボンブラックと石膏またはセメントからなる被覆材料で被覆された鹿沼土、赤玉土を防臭性多孔質顆粒材料として用いることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のペット用トイレ砂の多くは、砂の様な単なる濾過剤であったり、消臭機能が弱いものが多い。吸水性は持っていても尿の吸着部分と非吸着部分を分離することが困難であり、尿を吸収した後のペット用トイレ砂の大部分または全体を交換する必要があった。
【0006】
一方、ベントナイト等の膨潤性粘土鉱物は尿付着した部分が膨潤して凝集を起こす機能を持っており、それにより汚れた部分のみ凝固させ簡単に除去が可能となる。
しかしながら、ベントナイトはその物性上、比重が重く、取り扱いが不便であり、また消臭能力も未だ十分とはいえない。
【0007】
また、紙類を用いたペット用トイレ砂は比重が軽く、取り扱いは便利であるが、反面、その軽さや性質によりペットの足裏に付着したり、容器の外にこぼれ落ちたりして、汚物を室内にまき散らすなどの欠点があった。
【0008】
従って、本発明の目的は、軽量性に優れていると共に、吸水性、脱臭性、取り扱い性、更には固化性等にも優れたペット用トイレ砂を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、乾燥基準で0.5乃至6.0重量%の鉄分(Fe2O3)を含有するアロフェン系粘土鉱物50乃至95重量%と、スメクタイト族粘土鉱物及びホルマイト族粘土鉱物からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分5乃至50重量%との組成物の造粒物からなることを特徴とするペット用トイレ砂が提供される。
【0010】
本発明によればまた、(A)乾燥基準で0.5乃至6.0重量%の鉄分(Fe2O3)を含有するアロフェン系粘土鉱物50乃至95重量%と、スメクタイト族粘土鉱物及びホルマイト族粘土鉱物からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分5乃至50重量%との組成物の造粒物と、(B)膨潤性粘土鉱物の造粒物を(A):(B)=10乃至50:50乃至90の重量比でブレンドしたことを特徴とするペット用トイレ砂が提供される。
【0011】
本発明においては、
1.アロフェン系粘土鉱物造粒物が250乃至750g/Lの充填密度を有するものであること、
2.アロフェン系粘土鉱物が50m2 /g以上、特に100乃至400m2 /gの比表面積を有するものであること、
3.アロフェン系粘土鉱物がSiO2 /Al2 O3 のモル比が1.0乃至4.5となる組成を有するものであること、
が好ましい。
【0012】
【発明の実施形態】
[作用]
本発明では、アロフェン系粘土鉱物の内でも、乾燥基準で0.5乃至6.0重量%の鉄分(Fe2 O3 )を含有するものを使用する。アロフェン(allophane)とは、非晶質(無定形)含水ケイ酸アルミニウム粘土鉱物の総称であり、鹿沼土として容易に入手しうる。
【0013】
アロフェン系粘土鉱物が消臭性能を有することは古くから知られているが、上記の鉄分を含有するものは広範な消臭スペクトルを有し、例えば硫化水素に対する静的消臭容量が39.6mg/g、アンモニアに対する静的消臭容量が13.4mg/gであって、ベントナイトの硫化水素に対する静的消臭容量が1mg/g以下、アンモニアに対する静的消臭容量が5.3mg/gであるのに対して、顕著に優れている。また、後述の比較例4からも判るように、鉄分の含有量が上記範囲よりも低いアロフェン系粘土鉱物は、硫化水素に対する消臭性能が極端に劣る。
【0014】
また、アロフェン系粘土鉱物は、ゲル状のケイ酸アルミニウムから成るという化学的構造にも関連して、多量の水分を包蔵しうるという特徴を有している。即ち、このアロフェン系粘土鉱物は、一般に、乾燥基準で20乃至80重量%の水分を含有した場合にも泥状化することなく、尚、粉粒体としての特性を失わないという利点を有する。
【0015】
更に、上記の化学的構造にも関連して、アロフェン系粘土鉱物はその充填密度が250乃至650g/Lと低く、ベントナイトの充填密度が一般に750乃至900g/Lと高いのに比して、ペット用トイレ砂として、著しく軽量化が可能となることが分かる。
【0016】
しかしながら、アロフェン系粘土鉱物は、たとえこれを造粒したとしても、粒子の崩壊傾向が著しく、粒子強度が低く、さらさら性、流動性等に欠け、ペット用トイレ砂としての取り扱い性に難点がある。
【0017】
本発明では、以下の2成分基準で、アロフェン系粘土鉱物50乃至95重量%、特に70乃至95重量%と、スメクタイト族粘土鉱物及びホルマイト族粘土鉱物からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分5乃至50重量%、特に5乃至30重量%とを混合し、この組成物を造粒することにより、粒子強度を高めることが可能となり、さらさら性、流動性等を向上させ、ペット用トイレ砂としての取り扱い性を改善することが可能となった。
【0018】
本発明において、スメクタイト族粘土鉱物やホルマイト族粘土鉱物は、アロフェン系粘土鉱物に対する優れた造粒媒体となるだけではなく、ペット用トイレ砂として、相加的乃至相乗的な利点をもたらす。即ち、スメクタイト族粘土鉱物は層状粘土鉱物であって、膨潤性を有しており、ペット用トイレ砂の吸水性、固化性を向上させる。一方、ホルマイト族粘土鉱物は、鎖状粘土鉱物であり、吸水性及び消臭性能を増大させる。勿論、スメクタイト族粘土鉱物とホルマイト族粘土鉱物とを併用することによって、総合的性能に優れたペット用トイレ砂とすることもできる。
【0019】
本発明の好適な実施形態では、(A)アロフェン系粘土鉱物の造粒物10乃至50重量部、特に20乃至50重量部と、(B)膨潤性粘土鉱物の造粒物50乃至90重量部、特に50乃至80重量部(合計100重量部基準)とをブレンドして、ペット用トイレ砂とする。
【0020】
この態様では、各成分(A)及び(B)が機能分担して、優れた総合的特性を有するペット用トイレ砂となる。即ち、アロフェン系粘土鉱物の造粒物が消臭性、吸水性、軽量化等に寄与すると共に、膨潤性粘土鉱物の造粒物が吸水性、固化性等に寄与し、これらが総合されて要求される諸特性が何れも満足されることになる。特に、本発明のブレンド物では、尿が吸収された部分では、アロフェン系粘土鉱物の造粒物をも取り込んだ形で、膨潤固化が起こるので、この部分を簡単に未使用部分から分離して廃棄することが可能となり、ペット用トイレ砂の有効且つ経済的な利用が可能となる。
【0021】
[アロフェン系粘土鉱物]
本発明では、アロフェン系粘土鉱物の内でも、乾燥基準で0.5乃至6.0重量%、特に2.0乃至4.0重量%の鉄分(Fe2 O3 )を含有するものを使用する。アロフェンは、既に指摘したとおり、非晶質(無定形)含水ケイ酸アルミニウム粘土鉱物であり、本邦では、鹿沼土として容易に入手しうる。
【0022】
鹿沼土は、栃木県鹿沼地区から産出される径1〜3cmの淡黄〜黄色の軽石粒からなり多孔質の風化軽石で、且つ粘土分がアロフェンを主体とするもので水持ちが良いという特性がある。また、この鹿沼土は非常に崩れやすく、わずかな力で粉末になるという特性を有する。
この鹿沼土のアロフェン含有率は、一般に62〜65%であり、SiO2 /Al2 O3 のモル比が1.0乃至4.5の範囲にあるものである。
【0023】
鹿沼土の組成の一例を下記表1に示す。
【表1】
市販の鹿沼土の化学組成(園芸用)
【0024】
本発明においては、上記の鹿沼土をそのまま用いることも可能であるが、水簸により、石、砂、石英等を分離し、精製したものを用いるのがよい。この精製処理により、アロフェン系粘土鉱物の比表面積はかなり向上し、消臭性能も向上するようになる。
【0025】
本発明では、BET法による比表面積が50m2 /g以上、特に100乃至400m2 /gの範囲にあるものを使用することが、軽量化や、消臭性能、吸水性の見地から好ましい。
【0026】
[造粒媒体]
本発明では、造粒媒体兼改質剤として、スメクタイト族粘土鉱物やホルマイト族粘土鉱物を使用する。
【0027】
上記スメクタイト族粘土鉱物としては、各種の天然或いは合成のスメクタイト粘土鉱物或いはその化学変性物が使用される。例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト等のスメクタイト族粘土鉱物が挙げられる。化学変性物としては、酸性白土等のモンモリロナイトを、酸処理により活性化した活性白土や、酸性白土等のモンモリロナイトをアルカリ処理に活性化した活性ベントナイト等が使用される。更に、硫酸アルミニウムを含有する活性ベントナイトや活性白土も好適に使用される。
【0028】
スメクタイトは、SiO4 四面体層−AlO6 八面体層−SiO4 四面体層か成る三層構造、或いはこれらの四面体相、八面体相が異種金属で同型置換された三層構造を基本構造とし、これらの積層層間に、水やカチオンが存在している。このスメクタイトに水が混合されると、スメクタイトの持つ層構造の基本層(板状体)同士の層間に水が入り、膨潤するが、やがては基本層がバラバラなコロイドに状に分散し、流動状態となる。これを放置すると、基本層同士の吸引反発により、カード・ハウス構造が形成され、高度に増粘されるか、あるいはゲルされた状態となる。これが、スメクタイトによる吸水性及び固化性の原理である。
【0029】
一方、ホルマイト族粘土鉱物は鎖状粘土鉱物とも呼ばれるものであり、セピオライト、パリゴルスカイトがこれに属する。このホルマイト族粘土鉱物は、その外観形状が繊維状またはその収束体であり、その基本構造は八面体層の骨格を形成する主成分がマグネシウムからなる3−八面体型ケイ酸マグネシウム粘土鉱物である。このケイ酸マグネシウム粘土鉱物は、三次元の鎖状の結晶構造を有し、その外観形状の繊維及びその収束体の間隙にできる空孔が、BET法比表面積で100乃至600m2 /gの比表面積を有する。また、その収束体構造を有するが故に、吸着作用を有する多孔質の鎖状粘土鉱物である。このため、この鉱物は、バインダー持性に優れていると共に、脱臭作用をも有しており、種々の無機粉末との配合も容易である。
【0030】
これらの粘土鉱物を本発明のバインダーとして使用する前に、ボールミル、ハンマーミキサーでの解砕、スーパーミキサー、擂解機等での練込み粉砕や、アトマイザー、ジェットミル等での衝撃粉砕等の一次粉砕処理を施し、収束体としての鎖状構造及び鱗片状としての積層構造を部分的に解繊またはほぐしてから、使用することがより好ましい。
【0031】
[アロフェン系粘土鉱物の造粒]
本発明では、2成分合計乾燥基準で、アロフェン系粘土鉱物50乃至95重量%、特に70乃至95重量%と、スメクタイト族粘土鉱物及び/またはホルマイト族粘土鉱物5乃至50重量%、特に5乃至30重量%とを混合する。
【0032】
アロフェン系粘土鉱物の量が上記範囲よりも少ないと、ペット用トイレ砂の軽量化が困難となり、消臭性能も低下する傾向があり、一方、スメクタイト族粘土鉱物やホルマイト族粘土鉱物の量が上記範囲よりも少ないと、粒子強度が低下したり、ペット用トイレ砂としての取り扱い性や総合的特性が低下する傾向がある。
【0033】
アロフェン系粘土鉱物とスメクタイト族粘土鉱物及び/またはホルマイト族粘土鉱物とを混合し、それ自体公知の手段で造粒する。混合には、アトマイザー等の軽度の混合手段を用いればよく、造粒には、圧縮成形法、打錠成形法、転動造粒法、噴霧造粒法、押出造粒法等のそれ自体公知の造粒法が使用される。押出造粒が好適である。
造粒には、混合物が水分を含有した状態で行うのが好ましく、一般に乾燥物基準で、20乃至45重量%の水分を含有した状態で行うのがよい。一般には、粘土鉱物自体が有する水分を利用すればよい。
【0034】
このアロフェン系粘土鉱物造粒物は、一般に1乃至10mm、特に2乃至5mmの粒径を有することが好ましい。粒子形状は、球状、立方体状、円柱状、角柱状、顆粒状、タブレット状、不定形状等の任意の形状であってよい。
【0035】
得られたアロフェン系粘土鉱物造粒物は、必要により乾燥して製品とする。乾燥温度は、110乃至170℃が適当である。
【0036】
また、造粒物の色彩を変更することにより、より商品価値を高めることができる。色彩の改良には顔料がその性能を低下させない程度まで含有させることができる。用いられる顔料としては、無機顔料が好ましく、例えば、チタン白、亜鉛華、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、硫酸バリウム、ケイ酸鉛、カーボンブラック、鉄黒、ベンガラ、バーミリオン、黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、リサージ、ゼオライト、ハイドロタルサイト、リチウムアルミニウム、酸化クロムグリーン、コバルトブルー、群青、紺青等が挙げられる。
【0037】
[ブレンド物]
本発明において、前述したアロフェン系粘土鉱物の造粒物は、これを単独でペット用トイレ砂として使用されるが、(A)アロフェン系粘土鉱物の造粒物10乃至50重量部、特に20乃至50重量部と、(B)膨潤性粘土鉱物の造粒物50乃至90重量部、特に50乃至80重量部とのブレンド物で用いることにより、総合的性能に優れたものとなる。
【0038】
膨潤性粘土鉱物としては、既に述べたスメクタイト族粘土鉱物は全て使用されるが、天然或いは合成のベントナイトが特に優れている。
【0039】
この粒状膨潤性粘土鉱物は、アロフェン系粘土鉱物の粒状物と同様の方法で造粒され、一般に1乃至10mm、特に2乃至5mmの粒径を有することが好ましい。粒子形状は、球状、立方体状、円柱状、角柱状、顆粒状、タブレット状、不定形状等の任意の形状であってよい。
【0040】
好適なベントナイトは、特公平5−73689号公報に記載されているような活性ベントナイトからなるものであり、モンモリロナイトを主成分として及びクリストバライトを少量成分として含有し、且つモル比で表して、
Al2O3/SiO2 =0.095乃至0.16
Na2O/SiO2 =0.8×10-2乃至4.5×10-2
MO/SiO2 =4.5×10-2乃至9.5×10-2
(式中、Mはアルカリ土類金属である)
の化学組成を有し、ACC法膨潤度が25ml/2g以上で、且つ流動挙動指数(n)が0.53以下のものである。
【0041】
(ACC法膨潤度の測定方法)
イオン交換水100mlを入れた100mlの共栓付メスシリンダーに、試料2g(水分4〜10.0%のもの)を内壁に殆ど付着しないように加える。先に加えた試料が殆ど沈着したのち次の試料を加える。加え終わったら栓をして24時間静置し容器内に推積した試料の見掛け容積を読みとる。膨潤力の単位を(ml/2g)として表示する。
【0042】
この活性ベントナイトは、濃度が3g/100mlの食塩水スラリーとして測定したpHが3乃至7の範囲にあり且つクリストバライトを含有する含水酸性白土に、無水物換算で1乃至5重量%の固体炭酸ナトリウムを添加し、50℃以上の温度で混練し、クリストバライトの残留条件下に酸性白土を活性ベントナイトに転化することにより製造される。
【0043】
上記粒状活性ベントナイトは、ペットの尿等を吸収すると共に固形化して、該当部分の取り出しを容易にし、その臭いもある程度吸収するという点で、ペット用トイレ砂の成分として特に優れたものである。
【0044】
本発明のブレンド物において、アロフェン系粘土鉱物造粒物の配合量が上記範囲よりも低い場合、本来の軽量化の目的が達成されず、消臭性能も低下する傾向があり、一方膨潤性粘土鉱物の造粒物の配合量が上記範囲を下回ると、固化性能が低下する傾向がある。
【0045】
上記ブレンド物に使用するアロフェン系粘土鉱物の造粒物は、造粒媒体として、ホルマイト族粘土鉱物を用いた造粒物であることが好ましい。この造粒物は、消臭性能に優れており、一方必要とする固化性は膨潤性粘土鉱物の造粒物により与えられるからである。
【0046】
本発明のブレンドタイプのペット用トイレ砂は、上記各成分を、タンブラー、コニカルブレンダー等でブレンドすることにより、容易に得られる。
【0047】
このブレンド物には、他の成分をブレンドすることもできる。例えば消臭性能の一層の向上のために、フィロケイ酸塩を配合することができる。
微結晶で比表面積の大きい合成のフィロケイ酸亜鉛、フィロケイ酸マグネシウム、含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛、含アルミニウムフィロケイ酸マグネシウムを使用できる。
特に好適なフィロケイ酸塩として、(1)特開昭61−10021号公報に記載されているフライポンタイト型のX線回析像と100m2 /gのBET比表面積を有するフィロケイ酸亜鉛や含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛或いは(2)特公平5−79602号公報に記載されている複合フィロケイ酸塩、即ち非晶質で多孔質のシリカ或いはシリカアルミナと、その一次粒子表面に形成されたフィロケイ酸亜鉛乃至マグネシウムや含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至マグネシウムが挙げられる。
【0048】
更に本発明品にその性能を損なわない程度に他の有機、無機の消臭剤、抗菌剤を添加することもできる。例えばシリカ無機消臭剤としては、ホワイトカーボン、その他の湿式法非晶質シリカや、酸性白土、モンモリロナイト、フラースアース等の粘土鉱物及びこれらを酸処理して得られるシリカ等、層状ケイ酸塩としてマガディアイト、ケニヤアイト、マカタイト、アイラアイト、カネマイト及びこれらを酸で処理して得られるもの、ケイ酸塩としては、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムの如きケイ酸アルカリ土類金属塩、ケイ酸亜鉛の如きケイ酸の第IIb族金属塩を添加することができる。
【0049】
アルミノケイ酸塩としては、層状アルミノケイ酸塩、特に各種粘土鉱物や、テクトケイ酸塩、ゼオライト、例えばモルデナイト、クリノプチロライト、ホージャサイト、ゼオライトA,ゼオライトX,ゼオライトY、ゼオライトP、アナルサイム、ソーダライト等と、更にこれらゼオライトを銀、銅、亜鉛等の抗菌性イオンでイオン交換したゼオライトを添加することもできる。
【0050】
有機抗菌剤としては、ポビドンヨード等のヨードホールを上記無機化合物に担持したものを配合することもできる。
【0051】
リン酸塩としては、リン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リン酸銅、リン酸スズを添加することができ、加えて吸着した有害物質を分解し、抗菌性を付与するために酸化チタン等の光反応性半導体を配合することも好ましい。
【0052】
【実施例】
本発明を次の実施例で説明する。
尚、本発明においての試験方法は以下によった。
【0053】
(1)充填密度試験方法
JIS.K−6220.6.8.(鉄シリンダー法)に準拠して測定した。
(2)粒子強度試験
適当な試料粒20個の耐圧強度を木屋式強度計で測定し平均値を求めた。
(3)脱臭試験方法(吸着容量)
ガス採取用シリコンゴム栓付き1.8リットル密閉ガラス容器に試料を一定量秤取した。次に注射器にて硫化水素ガス及びアンモニアガスを一定量添加し24時間後ガス検知管により容器中のガス濃度を測定し吸着容量を算出した。未検出の際には、更に一定量のガスを添加し測定を繰り返した。
(4)官能脱臭試験方法
各試料500mlを6リットルの臭気補集瓶に入れ、アンモニアと硫化水素を混合した人工尿臭10ml注入する、2時間放置後、臭気強度を5人のパネルで官能評価する、下記に評価基準を示す。
評価点 評価基準
0 無臭
1 非常に微かな臭い
2 微かな臭い
3 容易に感じる臭い
4 強い臭い
5 非常に強い臭い
(5)吸水性試験
30ccのガラス容器に試料2gを入れ、1%食塩水8cc添加した。1分間静置後、水平より30度傾け、その状態を観察し、以下のような基準により評価した。
◎:流動性を全く示さない
○:やや流動性を示す
△:液状物の流出
×:沈殿物と液状物に分かれる
(6)固化試験方法
300mlのトールビーカーに深さ6cmになるように試料を入れる。上方よりペットの尿の代替である1%食塩水7mlを10秒間で滴下し、試料を固化させ固化状態を評価する。
評価基準を下記の通り示す。
◎:手指により圧力を加えても容易には崩れない。
○:手指により圧力を加えると崩れる。
△:そのままでは固化しているが、手で持ち上げると崩れる。
×:固化しない。
【0054】
(実施例1)
市販されている園芸用鹿沼土0.7Kgとセピオライト粉末(水澤化学製エードプラスSP)0.3Kg(鹿沼土:セピオライト=70:30)を混練押出成形機で直径0.3cm長さ1.0cmの円柱状ペレットを得、160℃、15時間乾燥し試料1とした。
用いた鹿沼の乾燥物基準(110℃で2時間乾燥した場合)での鉄(Fe2O3)分は3.3w%であり、比表面積は263m2 /gであった。
試料1の化学組成を表1に、充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0055】
(実施例2)
鹿沼土:セピオライトを90:10に変更した以外は同様にして試料2を得た。試料2の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0056】
(実施例3)
鹿沼土:セピオライトを55:45に変更した以外は同様にして試料3を得た。試料3の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0057】
(実施例4)
市販されている園芸用鹿沼土0.7Kgとベントナイトスラリー(固形分6%)5.0Kg(鹿沼土:ベントナイト固形分=70:30)を混練押出成形機で直径0.3cm長さ1.0cmの円柱状ペレットを得、160℃、15時間乾燥し試料4とした。
試料4の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
更に、この吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0058】
(実施例5)
市販されている園芸用鹿沼土1.0Kgを乳鉢で粉砕し、得られた粉状物を2リットルの水に撹拌分散し約1分後懸濁状態の上層部のみ濾過する。濾過物は石英等の比重の重い部分が除かれた鹿沼土となる。
この精製鹿沼土を用いて実施例1と同様にして試料5を得た。
試料5の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0059】
(比較例1)
市販されている天然ゼオライト(#SS:日東粉化製)0.7Kgとセピオライト粉末(水澤化学製エードプラスSP)0.3Kg(天然ゼオライト:セピオライト=7:3)を混練押出成形機で直径0.3cm長さ1.0cmの円柱状ペレットを得て160℃で15時間乾燥し試料6とした。
試料6の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0060】
(比較例2)
実施例1の鹿沼土:セピオライトを98:2に変更した以外は実施例1と同様にして試料7を得た。
試料7の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
成形した造粒物は強度が弱く、運搬途中で大部分が崩れたしまった。
【0061】
(比較例3)
実施例1の鹿沼土:セピオライトを30:70に変更した以外は実施例1と同様にして試料8を得た。
試料8の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0062】
(比較例4)
市販されている鉄分3.3w%の園芸用鹿沼土100gに有機酸水溶液を加え、撹拌、濾過、乾燥し鉄分0.4w%に減少した鹿沼土を得た。
鉄分を除去した鹿沼土は処理前の鹿沼土の色である茶色から淡灰色に変化していた。
この酸処理を行った除鉄鹿沼土を用いた以外は実施例1と同様に試料9を得た。
更に、消臭試験結果を表2に示す。
【0063】
(実施例6)
実施例1で得られた試料1、0.2Kgにクリストバライト含有酸性白土を固体炭酸ナトリウムで処理して得られるベントナイト造粒物 0.8Kgを加え、均一になるよう混合し試料10を得た。
用いたベントナイト造粒物のACC法膨潤度は28ml/2gであった。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
更に、充填密度、消臭試験結果を表2に示す。
【0064】
(実施例7)
実施例1で得られた試料1を0.35Kgと実施例6で用いたベントナイト造粒物0.55Kgと含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛(ミズカナイト:水澤化学工業製)0.10Kgを加え、均一になるよう混合し試料11を得た。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0065】
(実施例8)
実施例1で得られた試料1を0.45Kgと市販のベントナイト造粒物0.55Kgを加え、均一になるよう混合し試料12を得た。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0066】
(実施例9)
実施例5で得られた試料5を0.45Kgと市販のベントナイト造粒物0.55Kgを加え、均一になるよう混合し試料13を得た。
この混合物の吸水性、固化性を測定し表3に示す。
【0067】
(実施例10)
実施例4で得られた試料4を0.45Kgにポビドンヨード添着(0.01W%)ベントナイト造粒物0.55Kgを加え、均一になるよう混合し試料14を得た。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0068】
(比較例5)
比較例4で得られた試料9を0.7Kgに実施例6で使用したベントナイト造粒物0.3Kgを加え、均一になるよう混合し試料15を得た。
【0069】
(比較例6)
比較例4で得られた試料9を0.3Kgに市販のシリカゲルペット用トイレ砂0.7Kgを加え、均一になるよう混合し試料16を得た。
固化性を測定したところ固化凝集は全く見られなかった。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
また充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0070】
(比較例7)
比較例4で得られた試料9を0.3Kgに市販の天然ゼオライトペット用トイレ砂0.7Kgを加え、均一になるよう混合し試料17を得た。
固化性を測定したところ固化凝集は全く見られなかった。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0071】
(比較例8)
市販のベントナイト造粒ペット用トイレ砂を試料18とし、この試料の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示し、吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】
本発明から成るペット用トイレ砂を用いることにより、軽量化されたペット用トイレ砂を安価に得ることができる。また得られたペット用トイレ砂は吸水性や固化性に優れ、特に脱臭性能においては従来品と比較しても格段に改良される。
【発明の属する技術分野】
本発明は軽量化されたペット用トイレ砂に関するもので、より詳細には、軽量化され、吸水性、固化性、脱臭性等にも優れたペット用トイレ砂に関する。
【0002】
【従来の技術】
猫等のペットを飼育するに際して、それが排出する尿等を処理するために、ペット用トイレ砂が古くから使用されている。このようなペット用トイレ砂としては、いろいろなものが使用されており、たとえば天然ゼオライト、川砂、シリカゲル、新聞紙、製紙スラッジ成型品等があげられる。
【0003】
ベントナイトをペット用トイレ砂に用いることも古くから知られており、例えば、特開平1−269440号公報には、膨潤性粘土鉱物(スメクタイト)と消臭剤を併用したペット用トイレ砂が記載されている。
また、特許2572208号公報には水溶性粘着性物質を含有したスメクタイト粘土(ナトリウムベントナイト含有)射出成形物からなる吸収性組成物を含む排泄箱が記載されている。
更に、特許2587530号公報には非圧縮性且つ未焼成の水膨潤性ナトリウムベントナイトを吸収剤組成物として用いる寝わら箱が記載されている。
【0004】
一方、鹿沼土(アロフェン)が消臭作用を有することも古くから知られており、特開昭62−38164号公報には、多孔質焼成アロフェンを有効成分とする脱臭、吸湿剤が記載され、特開平4−354533号公報には、珪藻土、シラスバルーン、パーライト、ゼオライト及びカーボンブラックと石膏またはセメントからなる被覆材料で被覆された鹿沼土、赤玉土を防臭性多孔質顆粒材料として用いることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のペット用トイレ砂の多くは、砂の様な単なる濾過剤であったり、消臭機能が弱いものが多い。吸水性は持っていても尿の吸着部分と非吸着部分を分離することが困難であり、尿を吸収した後のペット用トイレ砂の大部分または全体を交換する必要があった。
【0006】
一方、ベントナイト等の膨潤性粘土鉱物は尿付着した部分が膨潤して凝集を起こす機能を持っており、それにより汚れた部分のみ凝固させ簡単に除去が可能となる。
しかしながら、ベントナイトはその物性上、比重が重く、取り扱いが不便であり、また消臭能力も未だ十分とはいえない。
【0007】
また、紙類を用いたペット用トイレ砂は比重が軽く、取り扱いは便利であるが、反面、その軽さや性質によりペットの足裏に付着したり、容器の外にこぼれ落ちたりして、汚物を室内にまき散らすなどの欠点があった。
【0008】
従って、本発明の目的は、軽量性に優れていると共に、吸水性、脱臭性、取り扱い性、更には固化性等にも優れたペット用トイレ砂を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、乾燥基準で0.5乃至6.0重量%の鉄分(Fe2O3)を含有するアロフェン系粘土鉱物50乃至95重量%と、スメクタイト族粘土鉱物及びホルマイト族粘土鉱物からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分5乃至50重量%との組成物の造粒物からなることを特徴とするペット用トイレ砂が提供される。
【0010】
本発明によればまた、(A)乾燥基準で0.5乃至6.0重量%の鉄分(Fe2O3)を含有するアロフェン系粘土鉱物50乃至95重量%と、スメクタイト族粘土鉱物及びホルマイト族粘土鉱物からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分5乃至50重量%との組成物の造粒物と、(B)膨潤性粘土鉱物の造粒物を(A):(B)=10乃至50:50乃至90の重量比でブレンドしたことを特徴とするペット用トイレ砂が提供される。
【0011】
本発明においては、
1.アロフェン系粘土鉱物造粒物が250乃至750g/Lの充填密度を有するものであること、
2.アロフェン系粘土鉱物が50m2 /g以上、特に100乃至400m2 /gの比表面積を有するものであること、
3.アロフェン系粘土鉱物がSiO2 /Al2 O3 のモル比が1.0乃至4.5となる組成を有するものであること、
が好ましい。
【0012】
【発明の実施形態】
[作用]
本発明では、アロフェン系粘土鉱物の内でも、乾燥基準で0.5乃至6.0重量%の鉄分(Fe2 O3 )を含有するものを使用する。アロフェン(allophane)とは、非晶質(無定形)含水ケイ酸アルミニウム粘土鉱物の総称であり、鹿沼土として容易に入手しうる。
【0013】
アロフェン系粘土鉱物が消臭性能を有することは古くから知られているが、上記の鉄分を含有するものは広範な消臭スペクトルを有し、例えば硫化水素に対する静的消臭容量が39.6mg/g、アンモニアに対する静的消臭容量が13.4mg/gであって、ベントナイトの硫化水素に対する静的消臭容量が1mg/g以下、アンモニアに対する静的消臭容量が5.3mg/gであるのに対して、顕著に優れている。また、後述の比較例4からも判るように、鉄分の含有量が上記範囲よりも低いアロフェン系粘土鉱物は、硫化水素に対する消臭性能が極端に劣る。
【0014】
また、アロフェン系粘土鉱物は、ゲル状のケイ酸アルミニウムから成るという化学的構造にも関連して、多量の水分を包蔵しうるという特徴を有している。即ち、このアロフェン系粘土鉱物は、一般に、乾燥基準で20乃至80重量%の水分を含有した場合にも泥状化することなく、尚、粉粒体としての特性を失わないという利点を有する。
【0015】
更に、上記の化学的構造にも関連して、アロフェン系粘土鉱物はその充填密度が250乃至650g/Lと低く、ベントナイトの充填密度が一般に750乃至900g/Lと高いのに比して、ペット用トイレ砂として、著しく軽量化が可能となることが分かる。
【0016】
しかしながら、アロフェン系粘土鉱物は、たとえこれを造粒したとしても、粒子の崩壊傾向が著しく、粒子強度が低く、さらさら性、流動性等に欠け、ペット用トイレ砂としての取り扱い性に難点がある。
【0017】
本発明では、以下の2成分基準で、アロフェン系粘土鉱物50乃至95重量%、特に70乃至95重量%と、スメクタイト族粘土鉱物及びホルマイト族粘土鉱物からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分5乃至50重量%、特に5乃至30重量%とを混合し、この組成物を造粒することにより、粒子強度を高めることが可能となり、さらさら性、流動性等を向上させ、ペット用トイレ砂としての取り扱い性を改善することが可能となった。
【0018】
本発明において、スメクタイト族粘土鉱物やホルマイト族粘土鉱物は、アロフェン系粘土鉱物に対する優れた造粒媒体となるだけではなく、ペット用トイレ砂として、相加的乃至相乗的な利点をもたらす。即ち、スメクタイト族粘土鉱物は層状粘土鉱物であって、膨潤性を有しており、ペット用トイレ砂の吸水性、固化性を向上させる。一方、ホルマイト族粘土鉱物は、鎖状粘土鉱物であり、吸水性及び消臭性能を増大させる。勿論、スメクタイト族粘土鉱物とホルマイト族粘土鉱物とを併用することによって、総合的性能に優れたペット用トイレ砂とすることもできる。
【0019】
本発明の好適な実施形態では、(A)アロフェン系粘土鉱物の造粒物10乃至50重量部、特に20乃至50重量部と、(B)膨潤性粘土鉱物の造粒物50乃至90重量部、特に50乃至80重量部(合計100重量部基準)とをブレンドして、ペット用トイレ砂とする。
【0020】
この態様では、各成分(A)及び(B)が機能分担して、優れた総合的特性を有するペット用トイレ砂となる。即ち、アロフェン系粘土鉱物の造粒物が消臭性、吸水性、軽量化等に寄与すると共に、膨潤性粘土鉱物の造粒物が吸水性、固化性等に寄与し、これらが総合されて要求される諸特性が何れも満足されることになる。特に、本発明のブレンド物では、尿が吸収された部分では、アロフェン系粘土鉱物の造粒物をも取り込んだ形で、膨潤固化が起こるので、この部分を簡単に未使用部分から分離して廃棄することが可能となり、ペット用トイレ砂の有効且つ経済的な利用が可能となる。
【0021】
[アロフェン系粘土鉱物]
本発明では、アロフェン系粘土鉱物の内でも、乾燥基準で0.5乃至6.0重量%、特に2.0乃至4.0重量%の鉄分(Fe2 O3 )を含有するものを使用する。アロフェンは、既に指摘したとおり、非晶質(無定形)含水ケイ酸アルミニウム粘土鉱物であり、本邦では、鹿沼土として容易に入手しうる。
【0022】
鹿沼土は、栃木県鹿沼地区から産出される径1〜3cmの淡黄〜黄色の軽石粒からなり多孔質の風化軽石で、且つ粘土分がアロフェンを主体とするもので水持ちが良いという特性がある。また、この鹿沼土は非常に崩れやすく、わずかな力で粉末になるという特性を有する。
この鹿沼土のアロフェン含有率は、一般に62〜65%であり、SiO2 /Al2 O3 のモル比が1.0乃至4.5の範囲にあるものである。
【0023】
鹿沼土の組成の一例を下記表1に示す。
【表1】
市販の鹿沼土の化学組成(園芸用)
【0024】
本発明においては、上記の鹿沼土をそのまま用いることも可能であるが、水簸により、石、砂、石英等を分離し、精製したものを用いるのがよい。この精製処理により、アロフェン系粘土鉱物の比表面積はかなり向上し、消臭性能も向上するようになる。
【0025】
本発明では、BET法による比表面積が50m2 /g以上、特に100乃至400m2 /gの範囲にあるものを使用することが、軽量化や、消臭性能、吸水性の見地から好ましい。
【0026】
[造粒媒体]
本発明では、造粒媒体兼改質剤として、スメクタイト族粘土鉱物やホルマイト族粘土鉱物を使用する。
【0027】
上記スメクタイト族粘土鉱物としては、各種の天然或いは合成のスメクタイト粘土鉱物或いはその化学変性物が使用される。例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト等のスメクタイト族粘土鉱物が挙げられる。化学変性物としては、酸性白土等のモンモリロナイトを、酸処理により活性化した活性白土や、酸性白土等のモンモリロナイトをアルカリ処理に活性化した活性ベントナイト等が使用される。更に、硫酸アルミニウムを含有する活性ベントナイトや活性白土も好適に使用される。
【0028】
スメクタイトは、SiO4 四面体層−AlO6 八面体層−SiO4 四面体層か成る三層構造、或いはこれらの四面体相、八面体相が異種金属で同型置換された三層構造を基本構造とし、これらの積層層間に、水やカチオンが存在している。このスメクタイトに水が混合されると、スメクタイトの持つ層構造の基本層(板状体)同士の層間に水が入り、膨潤するが、やがては基本層がバラバラなコロイドに状に分散し、流動状態となる。これを放置すると、基本層同士の吸引反発により、カード・ハウス構造が形成され、高度に増粘されるか、あるいはゲルされた状態となる。これが、スメクタイトによる吸水性及び固化性の原理である。
【0029】
一方、ホルマイト族粘土鉱物は鎖状粘土鉱物とも呼ばれるものであり、セピオライト、パリゴルスカイトがこれに属する。このホルマイト族粘土鉱物は、その外観形状が繊維状またはその収束体であり、その基本構造は八面体層の骨格を形成する主成分がマグネシウムからなる3−八面体型ケイ酸マグネシウム粘土鉱物である。このケイ酸マグネシウム粘土鉱物は、三次元の鎖状の結晶構造を有し、その外観形状の繊維及びその収束体の間隙にできる空孔が、BET法比表面積で100乃至600m2 /gの比表面積を有する。また、その収束体構造を有するが故に、吸着作用を有する多孔質の鎖状粘土鉱物である。このため、この鉱物は、バインダー持性に優れていると共に、脱臭作用をも有しており、種々の無機粉末との配合も容易である。
【0030】
これらの粘土鉱物を本発明のバインダーとして使用する前に、ボールミル、ハンマーミキサーでの解砕、スーパーミキサー、擂解機等での練込み粉砕や、アトマイザー、ジェットミル等での衝撃粉砕等の一次粉砕処理を施し、収束体としての鎖状構造及び鱗片状としての積層構造を部分的に解繊またはほぐしてから、使用することがより好ましい。
【0031】
[アロフェン系粘土鉱物の造粒]
本発明では、2成分合計乾燥基準で、アロフェン系粘土鉱物50乃至95重量%、特に70乃至95重量%と、スメクタイト族粘土鉱物及び/またはホルマイト族粘土鉱物5乃至50重量%、特に5乃至30重量%とを混合する。
【0032】
アロフェン系粘土鉱物の量が上記範囲よりも少ないと、ペット用トイレ砂の軽量化が困難となり、消臭性能も低下する傾向があり、一方、スメクタイト族粘土鉱物やホルマイト族粘土鉱物の量が上記範囲よりも少ないと、粒子強度が低下したり、ペット用トイレ砂としての取り扱い性や総合的特性が低下する傾向がある。
【0033】
アロフェン系粘土鉱物とスメクタイト族粘土鉱物及び/またはホルマイト族粘土鉱物とを混合し、それ自体公知の手段で造粒する。混合には、アトマイザー等の軽度の混合手段を用いればよく、造粒には、圧縮成形法、打錠成形法、転動造粒法、噴霧造粒法、押出造粒法等のそれ自体公知の造粒法が使用される。押出造粒が好適である。
造粒には、混合物が水分を含有した状態で行うのが好ましく、一般に乾燥物基準で、20乃至45重量%の水分を含有した状態で行うのがよい。一般には、粘土鉱物自体が有する水分を利用すればよい。
【0034】
このアロフェン系粘土鉱物造粒物は、一般に1乃至10mm、特に2乃至5mmの粒径を有することが好ましい。粒子形状は、球状、立方体状、円柱状、角柱状、顆粒状、タブレット状、不定形状等の任意の形状であってよい。
【0035】
得られたアロフェン系粘土鉱物造粒物は、必要により乾燥して製品とする。乾燥温度は、110乃至170℃が適当である。
【0036】
また、造粒物の色彩を変更することにより、より商品価値を高めることができる。色彩の改良には顔料がその性能を低下させない程度まで含有させることができる。用いられる顔料としては、無機顔料が好ましく、例えば、チタン白、亜鉛華、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、硫酸バリウム、ケイ酸鉛、カーボンブラック、鉄黒、ベンガラ、バーミリオン、黄鉛、黄色酸化鉄、チタンイエロー、リサージ、ゼオライト、ハイドロタルサイト、リチウムアルミニウム、酸化クロムグリーン、コバルトブルー、群青、紺青等が挙げられる。
【0037】
[ブレンド物]
本発明において、前述したアロフェン系粘土鉱物の造粒物は、これを単独でペット用トイレ砂として使用されるが、(A)アロフェン系粘土鉱物の造粒物10乃至50重量部、特に20乃至50重量部と、(B)膨潤性粘土鉱物の造粒物50乃至90重量部、特に50乃至80重量部とのブレンド物で用いることにより、総合的性能に優れたものとなる。
【0038】
膨潤性粘土鉱物としては、既に述べたスメクタイト族粘土鉱物は全て使用されるが、天然或いは合成のベントナイトが特に優れている。
【0039】
この粒状膨潤性粘土鉱物は、アロフェン系粘土鉱物の粒状物と同様の方法で造粒され、一般に1乃至10mm、特に2乃至5mmの粒径を有することが好ましい。粒子形状は、球状、立方体状、円柱状、角柱状、顆粒状、タブレット状、不定形状等の任意の形状であってよい。
【0040】
好適なベントナイトは、特公平5−73689号公報に記載されているような活性ベントナイトからなるものであり、モンモリロナイトを主成分として及びクリストバライトを少量成分として含有し、且つモル比で表して、
Al2O3/SiO2 =0.095乃至0.16
Na2O/SiO2 =0.8×10-2乃至4.5×10-2
MO/SiO2 =4.5×10-2乃至9.5×10-2
(式中、Mはアルカリ土類金属である)
の化学組成を有し、ACC法膨潤度が25ml/2g以上で、且つ流動挙動指数(n)が0.53以下のものである。
【0041】
(ACC法膨潤度の測定方法)
イオン交換水100mlを入れた100mlの共栓付メスシリンダーに、試料2g(水分4〜10.0%のもの)を内壁に殆ど付着しないように加える。先に加えた試料が殆ど沈着したのち次の試料を加える。加え終わったら栓をして24時間静置し容器内に推積した試料の見掛け容積を読みとる。膨潤力の単位を(ml/2g)として表示する。
【0042】
この活性ベントナイトは、濃度が3g/100mlの食塩水スラリーとして測定したpHが3乃至7の範囲にあり且つクリストバライトを含有する含水酸性白土に、無水物換算で1乃至5重量%の固体炭酸ナトリウムを添加し、50℃以上の温度で混練し、クリストバライトの残留条件下に酸性白土を活性ベントナイトに転化することにより製造される。
【0043】
上記粒状活性ベントナイトは、ペットの尿等を吸収すると共に固形化して、該当部分の取り出しを容易にし、その臭いもある程度吸収するという点で、ペット用トイレ砂の成分として特に優れたものである。
【0044】
本発明のブレンド物において、アロフェン系粘土鉱物造粒物の配合量が上記範囲よりも低い場合、本来の軽量化の目的が達成されず、消臭性能も低下する傾向があり、一方膨潤性粘土鉱物の造粒物の配合量が上記範囲を下回ると、固化性能が低下する傾向がある。
【0045】
上記ブレンド物に使用するアロフェン系粘土鉱物の造粒物は、造粒媒体として、ホルマイト族粘土鉱物を用いた造粒物であることが好ましい。この造粒物は、消臭性能に優れており、一方必要とする固化性は膨潤性粘土鉱物の造粒物により与えられるからである。
【0046】
本発明のブレンドタイプのペット用トイレ砂は、上記各成分を、タンブラー、コニカルブレンダー等でブレンドすることにより、容易に得られる。
【0047】
このブレンド物には、他の成分をブレンドすることもできる。例えば消臭性能の一層の向上のために、フィロケイ酸塩を配合することができる。
微結晶で比表面積の大きい合成のフィロケイ酸亜鉛、フィロケイ酸マグネシウム、含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛、含アルミニウムフィロケイ酸マグネシウムを使用できる。
特に好適なフィロケイ酸塩として、(1)特開昭61−10021号公報に記載されているフライポンタイト型のX線回析像と100m2 /gのBET比表面積を有するフィロケイ酸亜鉛や含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛或いは(2)特公平5−79602号公報に記載されている複合フィロケイ酸塩、即ち非晶質で多孔質のシリカ或いはシリカアルミナと、その一次粒子表面に形成されたフィロケイ酸亜鉛乃至マグネシウムや含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至マグネシウムが挙げられる。
【0048】
更に本発明品にその性能を損なわない程度に他の有機、無機の消臭剤、抗菌剤を添加することもできる。例えばシリカ無機消臭剤としては、ホワイトカーボン、その他の湿式法非晶質シリカや、酸性白土、モンモリロナイト、フラースアース等の粘土鉱物及びこれらを酸処理して得られるシリカ等、層状ケイ酸塩としてマガディアイト、ケニヤアイト、マカタイト、アイラアイト、カネマイト及びこれらを酸で処理して得られるもの、ケイ酸塩としては、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムの如きケイ酸アルカリ土類金属塩、ケイ酸亜鉛の如きケイ酸の第IIb族金属塩を添加することができる。
【0049】
アルミノケイ酸塩としては、層状アルミノケイ酸塩、特に各種粘土鉱物や、テクトケイ酸塩、ゼオライト、例えばモルデナイト、クリノプチロライト、ホージャサイト、ゼオライトA,ゼオライトX,ゼオライトY、ゼオライトP、アナルサイム、ソーダライト等と、更にこれらゼオライトを銀、銅、亜鉛等の抗菌性イオンでイオン交換したゼオライトを添加することもできる。
【0050】
有機抗菌剤としては、ポビドンヨード等のヨードホールを上記無機化合物に担持したものを配合することもできる。
【0051】
リン酸塩としては、リン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リン酸銅、リン酸スズを添加することができ、加えて吸着した有害物質を分解し、抗菌性を付与するために酸化チタン等の光反応性半導体を配合することも好ましい。
【0052】
【実施例】
本発明を次の実施例で説明する。
尚、本発明においての試験方法は以下によった。
【0053】
(1)充填密度試験方法
JIS.K−6220.6.8.(鉄シリンダー法)に準拠して測定した。
(2)粒子強度試験
適当な試料粒20個の耐圧強度を木屋式強度計で測定し平均値を求めた。
(3)脱臭試験方法(吸着容量)
ガス採取用シリコンゴム栓付き1.8リットル密閉ガラス容器に試料を一定量秤取した。次に注射器にて硫化水素ガス及びアンモニアガスを一定量添加し24時間後ガス検知管により容器中のガス濃度を測定し吸着容量を算出した。未検出の際には、更に一定量のガスを添加し測定を繰り返した。
(4)官能脱臭試験方法
各試料500mlを6リットルの臭気補集瓶に入れ、アンモニアと硫化水素を混合した人工尿臭10ml注入する、2時間放置後、臭気強度を5人のパネルで官能評価する、下記に評価基準を示す。
評価点 評価基準
0 無臭
1 非常に微かな臭い
2 微かな臭い
3 容易に感じる臭い
4 強い臭い
5 非常に強い臭い
(5)吸水性試験
30ccのガラス容器に試料2gを入れ、1%食塩水8cc添加した。1分間静置後、水平より30度傾け、その状態を観察し、以下のような基準により評価した。
◎:流動性を全く示さない
○:やや流動性を示す
△:液状物の流出
×:沈殿物と液状物に分かれる
(6)固化試験方法
300mlのトールビーカーに深さ6cmになるように試料を入れる。上方よりペットの尿の代替である1%食塩水7mlを10秒間で滴下し、試料を固化させ固化状態を評価する。
評価基準を下記の通り示す。
◎:手指により圧力を加えても容易には崩れない。
○:手指により圧力を加えると崩れる。
△:そのままでは固化しているが、手で持ち上げると崩れる。
×:固化しない。
【0054】
(実施例1)
市販されている園芸用鹿沼土0.7Kgとセピオライト粉末(水澤化学製エードプラスSP)0.3Kg(鹿沼土:セピオライト=70:30)を混練押出成形機で直径0.3cm長さ1.0cmの円柱状ペレットを得、160℃、15時間乾燥し試料1とした。
用いた鹿沼の乾燥物基準(110℃で2時間乾燥した場合)での鉄(Fe2O3)分は3.3w%であり、比表面積は263m2 /gであった。
試料1の化学組成を表1に、充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0055】
(実施例2)
鹿沼土:セピオライトを90:10に変更した以外は同様にして試料2を得た。試料2の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0056】
(実施例3)
鹿沼土:セピオライトを55:45に変更した以外は同様にして試料3を得た。試料3の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0057】
(実施例4)
市販されている園芸用鹿沼土0.7Kgとベントナイトスラリー(固形分6%)5.0Kg(鹿沼土:ベントナイト固形分=70:30)を混練押出成形機で直径0.3cm長さ1.0cmの円柱状ペレットを得、160℃、15時間乾燥し試料4とした。
試料4の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
更に、この吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0058】
(実施例5)
市販されている園芸用鹿沼土1.0Kgを乳鉢で粉砕し、得られた粉状物を2リットルの水に撹拌分散し約1分後懸濁状態の上層部のみ濾過する。濾過物は石英等の比重の重い部分が除かれた鹿沼土となる。
この精製鹿沼土を用いて実施例1と同様にして試料5を得た。
試料5の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0059】
(比較例1)
市販されている天然ゼオライト(#SS:日東粉化製)0.7Kgとセピオライト粉末(水澤化学製エードプラスSP)0.3Kg(天然ゼオライト:セピオライト=7:3)を混練押出成形機で直径0.3cm長さ1.0cmの円柱状ペレットを得て160℃で15時間乾燥し試料6とした。
試料6の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0060】
(比較例2)
実施例1の鹿沼土:セピオライトを98:2に変更した以外は実施例1と同様にして試料7を得た。
試料7の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
成形した造粒物は強度が弱く、運搬途中で大部分が崩れたしまった。
【0061】
(比較例3)
実施例1の鹿沼土:セピオライトを30:70に変更した以外は実施例1と同様にして試料8を得た。
試料8の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0062】
(比較例4)
市販されている鉄分3.3w%の園芸用鹿沼土100gに有機酸水溶液を加え、撹拌、濾過、乾燥し鉄分0.4w%に減少した鹿沼土を得た。
鉄分を除去した鹿沼土は処理前の鹿沼土の色である茶色から淡灰色に変化していた。
この酸処理を行った除鉄鹿沼土を用いた以外は実施例1と同様に試料9を得た。
更に、消臭試験結果を表2に示す。
【0063】
(実施例6)
実施例1で得られた試料1、0.2Kgにクリストバライト含有酸性白土を固体炭酸ナトリウムで処理して得られるベントナイト造粒物 0.8Kgを加え、均一になるよう混合し試料10を得た。
用いたベントナイト造粒物のACC法膨潤度は28ml/2gであった。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
更に、充填密度、消臭試験結果を表2に示す。
【0064】
(実施例7)
実施例1で得られた試料1を0.35Kgと実施例6で用いたベントナイト造粒物0.55Kgと含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛(ミズカナイト:水澤化学工業製)0.10Kgを加え、均一になるよう混合し試料11を得た。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0065】
(実施例8)
実施例1で得られた試料1を0.45Kgと市販のベントナイト造粒物0.55Kgを加え、均一になるよう混合し試料12を得た。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0066】
(実施例9)
実施例5で得られた試料5を0.45Kgと市販のベントナイト造粒物0.55Kgを加え、均一になるよう混合し試料13を得た。
この混合物の吸水性、固化性を測定し表3に示す。
【0067】
(実施例10)
実施例4で得られた試料4を0.45Kgにポビドンヨード添着(0.01W%)ベントナイト造粒物0.55Kgを加え、均一になるよう混合し試料14を得た。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0068】
(比較例5)
比較例4で得られた試料9を0.7Kgに実施例6で使用したベントナイト造粒物0.3Kgを加え、均一になるよう混合し試料15を得た。
【0069】
(比較例6)
比較例4で得られた試料9を0.3Kgに市販のシリカゲルペット用トイレ砂0.7Kgを加え、均一になるよう混合し試料16を得た。
固化性を測定したところ固化凝集は全く見られなかった。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
また充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示す。
【0070】
(比較例7)
比較例4で得られた試料9を0.3Kgに市販の天然ゼオライトペット用トイレ砂0.7Kgを加え、均一になるよう混合し試料17を得た。
固化性を測定したところ固化凝集は全く見られなかった。
この混合物の吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0071】
(比較例8)
市販のベントナイト造粒ペット用トイレ砂を試料18とし、この試料の充填密度、粒子強度、消臭試験結果を表2に示し、吸水性、固化性、官能脱臭試験を測定し表3に示す。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】
本発明から成るペット用トイレ砂を用いることにより、軽量化されたペット用トイレ砂を安価に得ることができる。また得られたペット用トイレ砂は吸水性や固化性に優れ、特に脱臭性能においては従来品と比較しても格段に改良される。
Claims (5)
- 乾燥基準(110℃、2時間)で0.5乃至6.0重量%の鉄分(Fe2O3)を含有するアロフェン系粘土鉱物50乃至95重量%と、スメクタイト族粘土鉱物及びホルマイト族粘土鉱物からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分5乃至50重量%との組成物の造粒物からなることを特徴とするペット用トイレ砂。
- アロフェン系粘土鉱物造粒物が250乃至600g/Lの充填密度を有するものである請求項1記載のペット用トイレ砂。
- アロフェン系粘土鉱物が50m2 /g以上の比表面積を有するものである請求項1または2記載のペット用トイレ砂。
- アロフェン系粘土鉱物がSiO2 /Al2 O3 のモル比が1.0乃至4.5となる組成を有するものである請求項1乃至3の何れかに記載のペット用トイレ砂。
- (A)乾燥基準で0.5乃至6.0重量%の鉄分(Fe2O3)を含有するアロフェン系粘土鉱物50乃至95重量%と、スメクタイト族粘土鉱物及びホルマイト族粘土鉱物からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分5乃至50重量%との組成物の造粒物と、(B)膨潤性粘土鉱物の造粒物を(A):(B)=10乃至50:50乃至90の重量比でブレンドしたことを特徴とするペット用トイレ砂。
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