JP3802915B2 - 通信ネットワークシステム - Google Patents

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Description

本発明は通信ネットワークシステムに関し、特にユニークなルーティング処理を採用した次世代対応の通信ネットワークシステムに関する。
従来の通信ネットワークシステムにおいては、ある運用ポリシーを有するネットワークとしての自律システムAS(Autonomous System)を構成する個々のルータがRIP(Routing Information Protocol)またはOSPF(Open Shortest Path First)などのルーティングプロトコルに則ってルーティング処理(経路選択処理)を行うため、個々のルータにかかる処理負荷が大きくなる。この結果、ネットワーク内を流れる経路情報(ルーティング情報)の量が多くなり、ネットワーク側にかかる負担が増大する。
ここで、RIPは、ディスタンスベクトルのルーティング処理手法を採り、隣同士のルータが次々と経路情報を交換し合うことで、ネットワーク全体の経路情報の収集・設定を可能にする。このRIPは小規模ネットワークに有効に適合する。また、OSPFは、各ルータがネットワーク全体の構成を把握し、この構成上の観点から最適な経路を選択可能にする。このOSPFは大規模ネットワークに有効に適合する。
従来の通信ネットワークシステムに適用されているAS間ルーティングプロトコルとしてのBGP−4(Border Gateway Protocol Version 4)などでは、主にAS間の経路情報数(AS数)に応じてルーティング処理を行うため、例えば回線が細い(伝送路の帯域幅が狭い)またはAS間が物理的に遠い場合、必ずしも適切なルーティング処理ではないことがある。
BGP−4は、プロバイダなどが相互接続して構成するインターネット・バックボーンにおけるプロバイダ間通信における経路制御の仕組みである。このBGP−4では、経路情報を操作する設定により、この不都合の回避が一応可能である。
本発明の課題は、階層ネットワーク及び中継装置における処理負荷を大幅に軽減することを可能にする手法を提供することにある。
本発明の他の課題は、AS間ルーティングプロトコルとしてのBGP−4などを採用した場合の上記不都合、つまり回線が細い(伝送帯域幅が狭い)またはAS間が物理的に遠いにも関わらず、経由AS数が最小となる経路を自動的に選択してしまうことを回避することを可能にする手法を提供することにある。
本発明の別の課題は、階層ネットワーク全体として効率的な通信が行える手法を提供することにある。
本発明の別の課題は、基幹となる上位階層のネットワークにおいてパラメータによる優先制御を柔軟に適用可能とする手法を提供することにある。
本発明の更に別の課題は、階層ネットワークにおける各種通信形態に応じて最適なルーティング処理を適用可能な手法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の通信ネットワークシステムは、分散配置の少なくとも1つの端末をそれぞれ収容し、隣接同士で回線接続される複数の第1の中継装置をそれぞれ有する複数の下位階層のネットワークと;
隣接同士で回線接続される複数の第2の中継装置を有し、前記複数の下位階層のネットワークにおけるそれぞれのエッジ位置の前記第1の中継装置と回線接続されるエッジ位置の前記第2の中継装置を介して、前記複数の下位階層のネットワーク間を接続する中位階層のネットワークとを備え;
前記複数の下位階層のネットワークにおける前記第1の中継装置のそれぞれは、自己対応のルーティング情報と、前記回線を通して隣接状態になる前記第1の中継装置及び前記エッジ位置の第2の中継装置の少なくとも一方に関するルーティング情報とに制限して保持する第1のルーティングテーブルを有し、
前記中位階層のネットワークにおける前記第2の中継装置のそれぞれは、前記回線を通して隣接状態になる前記第2の中継装置及び前記エッジ位置の第1の中継装置の少なくとも一方に関するルーティング情報を含んで保持する第2のルーティングテーブルを有する。
本発明の第2の通信ネットワークシステムは、前記中位階層のネットワークが複数存在するとき、
隣接同士で回線接続される複数の第3の中継装置を有し、前記複数の中位階層のネットワークにおけるそれぞれのエッジ位置の前記第2の中継装置と回線接続されるエッジ位置の前記第3の中継装置を介して、前記複数の中位階層のネットワーク間を接続する上位階層のネットワークを更に備え、
前記複数の中位階層のネットワークにおける前記第2の中継装置のそれぞれの前記第2のルーティングテーブルは、前記エッジ位置の第3の中継装置に向かうためのルーティング情報を更に保持し、
前記上位階層のネットワークにおける前記エッジ位置の第3の中継装置のそれぞれは、隣接状態の前記第3の中継装置との各区間における回線の優先度特定のためのパラメータに基づくルーティング処理を可能とする第3のルーティングテーブルを有する。
本発明の通信ネットワークシステムにおいて、前記上位階層のネットワークは、前記複数の中位階層のネットワーク間を高速回線を通して接続する基幹網である。
また、前記上位階層のネットワーク内の前記複数の第3の中継装置は、高速回線を通してメッシュ型に接続され、前記中位階層のネットワーク内の前記複数の第2の中継装置及び前記下位階層のネットワーク内の前記第1の中継装置は、それぞれツリー構造で回線を通して接続される。前記第1、第2、及び第3の中継装置は、ルータである。
さらに、前記パラメータは、回線帯域、ホップ数、料金、セキュリティ強度、及び輻輳・障害状況の少なくとも1つを含む。
図1は本発明の一実施の形態の通信ネットワークシステムの構成及び第1の動作例を説明するための図である。
図2はローカルルータ、エリアルータ、ワイドルータ及び端末の詳細構成及び動作を説明するための図である。
図3はローカルルータの処理を示すフローチャートである。
図4はローカルルータの処理を示すフローチャートである。
図5はローカルルータの処理を示すフローチャートである。
図6はエリアルータの処理を示すフローチャートである。
図7はエリアルータの処理を示すフローチャートである。
図8はエリアルータの処理を示すフローチャートである。
図9はワイドルータの処理を示すフローチャートである。
図10はワイドルータの処理を示すフローチャートである。
図11は各動作例における発呼情報のフォーマットを示す。
図12は各動作例における発呼情報のフォーマットを示す。
図13は第1の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図14は第1の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図15は本発明の一実施の形態の通信ネットワークシステムの構成及び第2の動作例を説明するための図である。
図16は第2の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図17は第2の動作例におけるエリアルータのエリアルーティングテーブルの一例を示す。
図18は第2の動作例におけるエリアルータのエリアルーティングテーブルの一例を示す。
図19は第2の動作例におけるエリアルータのエリアルーティングテーブルの一例を示す。
図20は第2の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図21は本発明の一実施の形態の通信ネットワークシステムの構成及び第3の動作例を説明するための図である。
図22は第3の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図23は第3の動作例におけるエリアルータのエリアルーティングテーブルの一例を示す。
図24は第3の動作例における返信情報のフォーマットを示す。
図25は第3の動作例における返信情報のフォーマットを示す。
図26は第3の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図27は本発明の一実施の形態の通信ネットワークシステムの構成及び第4,第5の動作例を説明するための図である。
図28は第4の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図29は第4の動作例におけるエリアルータのエリアルーティングテーブルの一例を示す。
図30は第4の動作例におけるエリアルータのエリアルーティングテーブルの一例を示す。
図31は第4の動作例における発呼情報のフォーマットを示す。
図32は第4の動作例における発呼情報のフォーマットを示す。
図33は第4の動作例におけるワイドルータのワイドルーティングテーブルの一例を示す。
図34は第4の動作例におけるワイドルータのパラメータテーブルの一例を示す。
図35は第4の動作例におけるワイドルータのワイドルーティングテーブルの一例を示す。
図36は第4の動作例におけるエリアルータのエリアルーティングテーブルの一例を示す。
図37は第4の動作例におけるエリアルータのエリアルーティングテーブルの一例を示す。
図38は第4の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図39は第4の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図40は第5の動作例におけるワイドルータのワイドルーティングテーブルの一例を示す。
図41は本発明の一実施の形態の通信ネットワークシステムの構成及び第6の動作例を説明するための図である。
図42は第6の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図43は第6の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図44は第6の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図45は第6の動作例におけるローカルルータのスリムルーティングテーブルの一例を示す。
図46は第6の動作例におけるエリアルータのエリアルーティングテーブルの一例を示す。
図47は第6の動作例におけるエリアルータのエリアルーティングテーブルの一例を示す。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[通信ネットワークシステムの概要構成及び機能]
先ず、図1を参照して、本発明の一実施の形態の通信ネットワークシステムの概要構成及び機能について説明する。
次世代対応の通信ネットワークシステムNNSは、下位(第1)階層、中位(第2)階層、及び上位(第3)階層の3階層の複数のネットワークから構成されている。3階層の複数のネットワークのそれぞれは自律システム(AS)として機能する。
この通信ネットワークシステムNNSでは、下位階層のネットワークとしてローカル網LNW(LNW11,LNW12,LNW21,LNW22)を備え、中位階層のネットワークとしてエリア網ANW(ANW1,ANW2)を備え、更に上位階層のネットワークとしてワイド網WNWを備える。
ローカル網LNWは一棟の建物内などの近距離(例えば、数Km以内)に存在するコンピュータ端末またはIP(Internet Protocol)電話端末などの端末TE間をパケット中継装置(ネットワーク機器)としてのルータを通して接続する。エリア網ANWは都市や地域レベル(例えば、数10Km〜数100Kmの距離)に展開するローカル網LNW間を接続する。また、基幹網(ハイウェイ網)としてのワイド網WNWは地理的に広範囲(例えば、数100Km以上)に展開するエリア網ANW間を接続する。
ローカル網LNW、エリア網ANW、及びワイド網WNWのそれぞれは、パケット中継装置(ネットワーク機器)としての複数のルータから構成されている。ここでは、ローカル網LNWに収容されるルータをローカルルータLRT(LRT10〜LRT16,LRT20〜LRT25)、エリア網ANWに収容されるルータをエリアルータART(ART10〜ART12,ART20〜ART22)、及びワイド網WNWに収容されるルータをワイドルータWRT(WRT10〜WRT16)とそれぞれ呼ぶ。
ワイド網WNW内の複数のワイドルータWRTは、高速回線を介してメッシュ型に接続され、エリア網ANW内の複数のエリアルータART及びローカル網LNW内の複数のローカルルータLRTは、それぞれツリー構造で回線を介して接続されている。
ローカル網LNW内の複数のローカルルータLRTは、それぞれサブネットワーク(セグメントまたは特に限定を要しないときは単にネットワークと記載することもある)N10〜N16,N20〜N25を構成している。
図1においては、ローカルルータLRT14に接続された端末(着端末)TE14及びローカルルータLRT15に接続された端末(発端末)TE15だけを代表で示しているが、他のローカルルータLRTも同様に端末TEを収容している。なお、厳密には、サブネットワークを構成する各ローカルルータLRTは端末TEをスイッチングハブなどのレイヤ2スイッチを介して収容するが、ここでは図示を省略している。
一層詳述すると、この通信ネットワークシステムNNSにおけるワイド網WNW内の各ワイドルータWRT(WRT10〜WRT16)は、互いに定期的にパラメータ情報の交換を行うことで、システムで予め決められたパラメータ(パラメータの内容は回線速度、ホップ数、セキュリティ強度、料金、輻輳・障害状況等のデータ値を含む)を最優先としたルーティング(経路選択)を実現する。
ワイド網ルーティングでは、システムによる設定(デフォルト設定)が可能である他に、発端末(発信端末)TE15または着端末(着信端末)TE14から個別にパラメータを指定してのルーティング処理も可能である。
ここで、ワイド網ルーティングとは、ワイド網WNW内におけるルーティング処理をいう。つまり、ワイド網WNWにおいては、入口のワイドルータWRT(入口位置対応のエッジワイドルータWRT)から出口のワイドルータWRT(出口位置対応のエッジワイドルータWRT)までいくつかの経路が存在するが、ある特定パラメータ(例えば、回線速度の一番早い経路、またはセキュリティが一番守られる経路)を優先させる場合に、最も良い経路を検索することが可能なルーティング処理手法である。
ワイド網WNWのワイドルータWRTでは、エリア網ANWのエリアルータARTから発呼情報(またはデータパケット)を受信した際、後に詳述するヘッダ分析部で発呼情報にパラメータ要求が含まれているか否か分析する。
ワイドルータWRTは、分析結果、発呼情報にパラメータ要求が無い場合は、通常通り、つまり予めワイドルータWRTが持っているワイドルーティングテーブルの内容(システム設定)に基づくルーティングを行う。また、ワイドルータWRTは、発呼情報にパラメータ要求が有る場合は、要求パラメータの内容に基づいてワイド網ルーティングを行う。
要求パラメータのルーティング処理内容がワイドルーティングテーブルに無い場合は、ワイドルータWRTはパラメータテーブルを参照して端末(発端末または着端末)TE側から要求されたパラメータについてのルーティング処理を認識し、ワイドルーティングテーブルにその結果を追加する。これにより、端末TEからの個別パラメータ要求に基づくルーティング処理を可能にしている。
ツリー構造により複数のローカル網LNWをそれぞれ収容するエリア網ANW(ANW1,ANW2)においては、各エリアルータARTが、下位階層ネットワーク(エリア網ANWに接続されるローカル網LNW)を把握しており、ネットワーク内外(ワイド網WNW及びローカル網LNW)から発呼情報を受信した場合、次のようにルーティング処理(発呼情報の転送)を行う。
A:ワイド網WNW→エリア網ANW→ローカル網LNW
エリア網ANWのエリアルータARTは、ワイド網WNWから自ネットワーク配下(当該エリア網ANW配下)のローカル網LNWへ送られる発呼情報に関しては、発呼情報にローカル網LNW内での転送先ルータ情報(付加情報)を付加してローカル網LNWに転送する。
B:ローカル網LNW→エリア網ANW→ワイド網WNW
エリア網ANWのエリアルータARTは、ローカル網LNWから他網のワイド網WNWへの発呼情報に対して転送処理を行う。
C:ローカル網LNW→エリア網ANW→ローカル網LNW
ローカル網LNW→エリア網ANW→ローカル網LNWとなる通信形態では、一つのローカル網LNW内だけで通信させる場合、例えばエリア網ANW1のエリアルータART12から発端末TE15に対して、返信情報(この経路で接続しなさいという情報)を送ることで一つのローカル網LNW12内での通信を実現する第1通信形態と、エリアルータARTを経由して他のローカル網LNWに接続する場合、例えばローカル網LNW12→エリア網ANW1→ローカル網LNW11の通信を実現する第2通信形態とがある。
上述したように、エリアルータARTを経由しないで一つのローカル網LNW内だけでの接続とする第1通信形態においては、エリアルータARTは、ローカル網LNWから発呼情報を受信し、エリアルータARTを経由しなくてもローカル網LNW内にて接続が可能な場合、エリアルータARTは発端末TE15に対して、返信情報としてどういう経路順路で着側のローカルルータLRTに接続すればよいかを示す接続経路を通知する。通知を受けた発端末TE15は、エリアルータARTからの返信情報(経路順路)に基づいて再発呼(発呼情報の送信及びデータ通信)を始める。
また、エリアルータARTを経由しての接続となる第2通信形態においては、当該エリアルータARTを経由して相手先(当該エリアルータART配下となる他のローカル網LNWのローカルルータLRT)に接続するために、当該エリアルータARTは発側のローカルルータLRTから送られてくる発呼情報に当該エリアルータARTから着側のローカルルータLRTまでの付加情報を付加して相手先ルータに送信する。
この通信ネットワークシステムNNSにおいては、ローカル網LNWのローカルルータLRTは、隣接(直接隣合せ)となるローカルルータLRT、または予め決められているエリアルータART向けの経路へのルーティングのみを行う。無駄のない必要最小限のルーティング処理とすることにより、ローカルルータLRTにかかる負荷を大幅に軽減している。
ローカルルータLRTは、発端末TE15からの発呼情報を受信すると、宛先を確認する。宛先が隣接のローカルルータLRTではないことを確認すると、ローカルルータLRTはエリアルータART向けの経路、または直接エリアルータARTに発呼情報を送信する。
このとき、エリアルータARTは、自ネットワーク配下のローカル網LNW内のみでルーティング処理が可能か否かを判断する。「可能」であると判定した場合、エリアルータARTは発呼してきた発端末TE15に対して返信情報として接続経路を通知する。発端末TE15はエリアルータARTからの返信情報に基づいて再発呼を始める。
また、この通信ネットワークシステムNNSにおいては、ローカル網LNWと直接接続のエリアルータARTと、各ローカルルータLRT(エリアルータART配下のルータLRT)とでルーティング情報の交換を行うことにより、簡素かつ効率的なネットワークルーティングを実現する。
[通信ネットワークシステムの詳細構成及び機能]
〔ローカル網LNW、ローカルルータLRT及び端末TE〕
次に、図1及び図2を参照して、本発明の一実施の形態の通信ネットワークシステムNNSを構成するローカル網LNW、ローカルルータLRT及び端末TEの詳細構成及び機能について説明する。図2はローカルルータLRT及び端末TEの詳細構成をエリアルータART及びワイドルータWRTと共に示す。
通信ネットワークシステムNNSのローカル網LNW(LNW11,LNW12,LNW21,LNW22)を構成するパケット中継装置(ネットワーク機器)としての各ローカルルータLRTは、次の構成要素を備えている。
各ローカルルータLRTにおいて、端末インタフェース110は端末TEを収容するためのインタフェースである。中継インタフェース111は、中位階層のネットワーク対応のエリア網ANWのエリアルータART、または隣接する他のローカルルータLRTと接続するためのインタフェースである。
スリムルーティングテーブル112は自ローカルルータLRTと隣接ルータ(ローカルルータLRTまたはエリアルータART)との間におけるルーティングを管理するテーブルである。
スリムルーティングテーブル112は、プロトコルRIPに則った場合のように余計なルーティングデータを保有しないことが特徴であり、基本的には、ルーティング先として自ルータ及び隣接ルータ対応のネットワーク情報(ネットワークアドレス、厳密には宛先としてのサブネットワークのIPアドレス)しか管理しない簡易構造を採っている。このスリムルーティングテーブル112の簡易構造を採ることにより、ローカルルータLRTにかかる負荷を大幅に軽減化している。
スリムルーティングテーブル112では、隣接ルータ対応のネットワーク情報に限定して管理するために、基本的には1ホップのみのルーティング管理となるが、設定によっては2ホップまたは3ホップ等のルーティング先を管理可能である。
このスリムルーティングテーブル112を備えるローカルルータLRTは、端末TEからの発呼情報を受信したとき、スリムルーティングテーブル112を参照して隣接ルータ対応のネットワークアドレスが認識できた場合のみ隣接ルータにルーティング処理を行う。ローカルルータLRTは、その他の場合は、全てエリアルータARTまたはエリアルータART向けの方路に送信する。
各ローカルルータLRTにおける制御部113は、隣接するローカルルータLRT同士でのルーティング情報の交換及びエリアルータARTとのルーティング情報の交換を行う。つまり、制御部113は、隣接ローカルルータLRTに接続するためのルーティング情報及びエリア網ANW側と接続するためのルーティング情報を得るために、自ネットワーク内の物理接続状態等を情報交換(ローカルルータLRT同士で情報交換、エリアルータARTへの情報通知)する。
システム管理部114はシステムとして輻輳・障害時にどう制御するかの管理を行う。ルーティングテーブル作成部115は、隣接するローカルルータLRTに対するルーティング情報と、エリアルータART向けの方路または直接エリアルータARTに対するルーティング情報とをスリムルーティングテーブル112に設定する。ルーティングテーブル作成部115は、デフォルトの回線設定、または制御部113と協働することにより、スリムルーティングテーブル112を作成する。
ヘッダ管理部116は経路付加部1161を有する。経路付加部1161は、自ローカルルータLRTからエリアルータART向けに発呼情報が送信される際、どのローカルルータLRTを経由してエリアルータARTまで発呼情報が送られたかをエリアルータARTで認識させるために必要な機能部である。この機能により、エリアルータART側で経路の比較判定、つまりローカル網LNW内での接続か、当該エリアルータARTを経由しての接続かの判定が可能となる。
ヘッダ分析部117は、端末TE、隣接ローカルルータLRT、または直接接続されているエリアルータARTから送信される発呼情報などの送信フレームのヘッダ部の内容を分析し、制御部113と協働することにより、スリムルーティングテーブル112を参照してルーティング処理を行う。
一つのローカル網LNW内通信となる場合、エリアルータARTからは再発呼要求の返信情報が発端末TEに送信され、発端末TEが着端末TEに再発呼(発呼情報を再送信)した後で、発端末TEを収容するローカルルータLRTの送信指示部119の機能により、発端末TEに対してデータ送信指示要求が出される。このデータ送信指示要求を受けた発端末TEはデータ(データパケット)通信を開始する。
タイマー部118は、発端末TEが発呼情報を送信した後、予め定めた時間(例えば、n秒)経過後に、つまりエリアルータARTが返信情報を送信するためにかかる十分な時間経過後に、発端末TE側にデータ送信指示要求を行うためのタイミング設定に使用される。つまり、一つのローカル網LNW内通信以外の通信形態(ローカル網LNW→エリア網ANW→ローカル網LNW、またはローカル網LNW→エリア網ANW→ワイド網WNW→エリア網ANW→ローカル網LNW)の場合には、タイマー部118の設定に基づく所定時間経過後、送信指示部119により発端末TEに対してデータ送信指示要求が行われる。この所定時間はタイマー部118において任意に設定可能である。
ローカルルータLRTの端末インタフェース110に接続される発端末TEは、付加情報読取部410及び付加情報設定部411を備えている。付加情報読取部410はエリアルータARTから送信された返信情報の内容を読み取る。付加情報設定部411はエリアルータARTから送信された返信情報の内容を付加情報として発呼情報に設定して着端末TEに送信する。
付加情報読取部410及び付加情報設定部411は、一つのローカル網LNW内通信での着端末TE側でも機能する。通常、着端末TE側では発端末TEに返信などを行う場合、発端末TEまでの経路設定の認識はないが、発端末TEからの付加情報により、一つのローカル網LNW内通信における発端末TEへの返信経路の認識が可能となる。つまり、一つのローカル網LNW内通信で発端末TEからの発呼情報に対する返信の場合、着端末TEでは発端末TEからの発呼情報に含まれる付加情報を付加情報読取部410にて読み取り、返信の際は付加情報設定部411にて発端末TEからの経路とは逆経路対応の付加情報を設定して発端末TE側に返信する。
なお、後に詳述するように、発端末TEは、希望するパラメータに基づいてワイド網WNW内でワイドルーティングを実施してもらいたい場合、発呼情報に希望パラメータを付加可能である。
〔エリア網ANW及びエリアルータART〕
次に、図1及び図2を参照して、本発明の一実施の形態の通信ネットワークシステムNNSを構成するエリア網ANW及びエリアルータARTの詳細構成及び槻能について説明する。図2にエリアルータARTの詳細構成を示す。
通信ネットワークシステムNNSのエリア網ANW(ANW1,ANW2)を構成するパケット中継装置(ネットワーク機器)としての各エリアルータARTは、次の構成要素を備えている。
各エリアルータARTにおいて、中継インタフェース211はワイドルータWRT、他のエリアルータART、及びローカルルータLRTと接続するためのインタフェースである。
エリアルーティングテーブル212はエリア網ANW内における全ての経路におけるルーティングを管理するためのテーブルである。また、エリアルーティングテーブル212は、エリア網ANWが収容する配下のローカル網LNWへのルーティング処理、及びワイド網WNWへのルーティング処理を行うために利用される。
制御部213は他のエリアルータART、ローカルルータLRT、またはワイドルータWRTとのルーティング情報などの交換を行う。制御部213は、エリア網ANWで収容するローカル網LNWの全てのローカルルータLRTに接続するためのルーティング情報と、ワイド網WNW側に接続するためのルーティング情報とを得るために、各ネットワーク内の物理接続状態等を情報交換する。つまり、制御部213はローカル網LNWからの情報収集と、エリアルータART同士での情報交換とを行う。
システム管理部214はシステムとして輻輳・障害時にどう制御するかの管理を行う。ルーティングテーブル作成部215は、システム設定(デフォルト設定)または制御部213の機能により、エリアルーティングテーブル212を作成する。
ヘッダ分析部216は、エリアルーティングテーブル212を参照したルーティング処理を可能にするために、ワイド網WNW、エリア網ANW、またはローカル網LNWから送信される発呼情報またはデータパケットなどのフレームのヘッダ部を分析する。
エリアルータARTによるルーティングは、ヘッダ分析部216とヘッダ管理部217の第1及び第2の経路作成部2171,2172との機能により、次の3種類に分別される。
(1)ワイド網WNWからローカル網LNWへのフレーム中継:
ヘッダ管理部217の第1の経路作成部2171は、ローカル網LNW内での経路を発呼情報のヘッダ部における付加情報領域に付加することで付加情報を作成する。このとき、経路作成部2171は付加情報フラグをOFF「0」に設定する。
(2)エリアルータART経由でのローカル網LNWからローカル網LNWへのフレーム中継(入側のローカルルータLRTからのフレームをエリアルータARTを経由して出側のローカルルータLRTに中継する通信形態):
エリアルータARTのヘッダ管理部217の経路チェック部2173において、エリアルータARTを経由して接続が必要か否か判定される。その結果、エリアルータARTの経由が必要であると判定された場合(経路が重複しない場合)、ヘッダ管理部217の経路作成部2171において、出側のローカル網LNW内で利用される付加情報をヘッダ部に付加する。このとき、経路作成部2171は付加情報フラグをOFF「0」に設定する。
(3)エリアルータART経由無しでのローカル網LNWからローカル網LNWへのフレーム中継:
エリアルータARTのヘッダ管理部217の経路チェック部2173において、エリアルータARTを経由して接続が必要か否か判定される。その結果、エリアルータARTの経由が不要であると判定された場合(経路が重複する場合)、ヘッダ管理部217の第2の経路作成部2172において、一つのローカル網LNW内での発端末から着端末までの経路情報(ルーティング情報)を返信情報としてヘッダ部に付加する。このとき、経路作成部2172は付加情報フラグをON「1」に設定する。
ヘッダ管理部217の経路情報削除部2176は、ローカル網LNWから受信した発呼情報のヘッダ部における経路追加情報領域に含まれる経路情報を読取った後で、発呼情報に含まれる経路追加情報領域の経路情報を削除する。なお、エリアルータARTでは、経路チェック部2173でのチェック後は必ず削除処理を行う。
(1)発呼情報をエリア網ANWからワイド網WNWに中継する場合:
ローカル網LNWからエリア網ANWに発呼情報が送られ、エリアルータARTのヘッダ分析部216で発呼情報のヘッダ部を分析の結果、ワイド網WNWに送出すると判断されたとき、ヘッダ管理部217の経路情報削除部2176にて経路情報を削除する。
(2)経路チェック部2173によるチェック後の削除:
発呼情報がエリア網ANWの配下のローカル網LNW内のサブネットワークを宛先とする場合、ヘッダ管理部217の経路チェック部2173が経路の重複をチェックした後、経路情報削除部2176は発呼情報のヘッダ部に含まれている経路情報を削除する。
ヘッダ管理部217は経路読取部2175及び経路送信部2174を更に備えている。経路読取部2175はローカル網LNWから送信された発呼情報のヘッダ部における経路追加情報領域に含まれる経路情報を読み取る。この経路情報の読み取り後、経路チェック部2173にて経路が重複となる区間をチェックする。
エリアルータARTでは、重複となる区間が有る場合、経路作成部2172によりローカル網LNW内のみでルーティングを可能にするための返信情報を作成し、経路送信部2174の機能によりこの返信情報を発端末TE宛に送信する。なお、経路送信部2174は、返信情報の送信だけでなく、ワイド網WNW→エリア網ANW→ローカル網LNW、またはローカル網LNW→エリア網ANW→ローカル網LNWへの付加情報の送信も行う。
〔ワイド網WNW及びワイドルータWRT〕
次に、図1及び図2を参照して、本発明の一実施の形態の通信ネットワークシステムNNSを構成するワイド網WNW及びワイドルータWRTの詳細構成及び機能について説明する。図2にワイドルータWRTの詳細構成を示す。
通信ネットワークシステムNNSのワイド網WNWを構成するパケット中継装置(ネットワーク機器)としての各ワイドルータWRTは、次の構成要素を備えている。
各ワイドルータWRTにおいて、中継インタフェース311は他のワイドルータWRTまたはエリアルータARTと自ワイドルータWRTとを接続するためのインタフェースである。パラメータテーブル312は、ワイド網WNW内の区間、つまり当該ワイドルータWRTと直接接続する各ワイドルータWRTとの区間における回線のパラメータ(回線帯域、ホップ数、料金、セキュリティ強度、輻輳・障害状況など)を管理するためのテーブルである。
ワイドルーティングテーブル313はワイド網WNW内の全ての経路におけるルーティングを管理するためのテーブルである。ワイド網WNWにおいては、ワイドルーティングテーブル313を参照することにより、上記パラメータに基づくワイドルーティング処理の実施を可能にする。
制御部314はワイド網WNW内の各ルータ間回線(ワイドルータWRT同士)のパラメータを定期的に情報交換するための制御を行う。システム管理部315は、システム全体に関わる事項決定(例えば、ワイド網ルーティングとして優先させるパラメータの取扱いや、輻輳・障害時の対応)について、システムとしてどう制御するかを管理する。
自パラメータデータ316は、当該ワイドルータWRTを中心とした隣接の各ワイドルータWRTとの各区間における回線帯域、ホップ数、料金、セキュリティ強度、及び輻輳・障害状況などのデータ値を示し、各ワイドルータWRTに個別のパラメータデータである。
パラメータテーブル作成部317は、制御部314によって行われる隣接ワイドルータWRTとのパラメータ情報交換と、自パラメータデータ316とに基づいてパラメータテーブル312を作成する。
ルーティングテーブル作成部318はパラメータテーブル312を基にしてワイドルーティングテーブル313を作成する。ワイドルーティングテーブル313は、システムとしては基本的に一意であるが、発端末TEまたは着端末TEからの発呼情報に含まれている個別パラメータ要求に応じて、発呼情報毎にワイド網WNW内でのルーティング処理を可能にする。
ヘッダ分析部319は、ワイドルーティングテーブル313を参照したルーティング処理を可能にするために、ワイド網WNWまたはエリア網ANWから送信される発呼情報などのフレームのヘッダ部の分析を行う。ヘッダ分析部319は、フレームがワイド網WNWから転送された場合は、ワイド情報としてのワイド網WNW内における経路情報の有無を確認する。制御部314は、ワイド情報がある場合は、次に指定されているワイドルータWRTにフレームの転送を行う。
入口のワイドルータWRTのヘッダ付加部320は、発端末TEまたは着端末TEから個別パラメータでのルーティング要求があった場合、ワイド網WNW内でのルーティング処理のためのワイド情報を付加する。
エリア網ANW側から発呼情報が転送された場合、ワイドルータWRTでは次の処理を行う。先ず、ヘッダ分析部319は、発呼情報にパラメータ要求が有るか無いかを確認する。発呼情報にパラメータ要求が無い場合は、制御部314は予めシステムで決められたシステム設定(デフォルト設定)のパラメータに基づいてワイドルーティング処理を行う。発呼情報にシステム設定とは別のパラメータ要求が有る場合、制御部314はパラメータテーブル312を参照して最適な経路を計算し、ルーティングテーブル作成部318は計算結果の経路情報をワイドルーティングテーブル313に追加する。
入口のワイドルータWRTでは、制御部314が新規に経路追加のあったワイドルーティングテーブル313から当該パラメータに見合った経路を求め、ヘッダ付加部320によりワイド情報を発呼情報に付加し、制御部314により次に転送すべきワイドルータWRTにその発呼情報を転送する。
転送された発呼情報を受信した次のワイドルータWRTでは、ヘッダ分析部319により発呼情報に含まれるワイド情報を読み取り、次に転送すべきワイドルータWRTに転送する。この一連の処理により、ワイド網WNWの出口のワイドルータWRTまで発呼情報を転送する。
ワイド情報削除部321は、ワイド網WNW内におけるルーティング処理時、当該ワイドルータWRTが次段のワイドルータWRTに発呼情報を転送する場合、転送を受けるまでに含まれているワイド情報(当該ワイドルータ宛のワイド情報)を削除する。なお、次のワイドルータWRTで参照されるワイド情報は削除しない。
〔各ルータのその他の機能〕
上述した通信ネットワークシステムNNSにおいて、ローカル網LNW、エリア網ANW及びワイド網WNWを構成するパケット中継装置(ネットワーク機器)としてのローカルルータLRT、エリアルータART及びワイドルータWRTと、ローカルルータLRTに収容される端末TEとは、更に次の機能を備えている。なお、ここでは、既述した機能の一部についても再び説明している。
(1)エリアルータART及びワイドルータWRTにおいては、ネットワークの障害状況及び輻輳状況を判断し、各ルーティングテーブル212,312に判断内容を加味させることで、ネットワーク全体の運用効率を高めている。
(2)ワイドルータWRTは、ワイドルータWRT同士が接続する各区間のパラメータ情報を定期的に交換することで、システムとして事前に決められたパラメータを最優先としたルーティング処理を実現する。
(3)ワイドルータWRTは、端末TEから要求されたパラメータでのルーティング処理内容がワイドルーティングテーブル313に無い場合は、パラメータテーブル312からルーティング処理内容を把握し、ワイドルーティングテーブル313にその把握内容を追加することで、個別パラメータ要求にも対応可能としている。
(4)エリアルータARTは、下位階層のネットワーク(エリア網ANWに接続されるローカル網LNW)を把握しており、ネットワーク内外(ワイド網WNW及びローカル網LNW)から発呼情報またはデータを受信した場合、ルーティング処理を行う。
(5)受信した発呼情報に含まれる付加情報フラグの内容(ローカル網LNW内通信時は「1」:ON、ワイド網WNWまたはエリア網ANWから受信の場合は「0」:OFF)により、ローカル網LNW内通信時は「1」:ONの場合は、受信の付加情報の経路とは逆向きの経路を付加情報領域に設定することで、端末TEからの返信を可能とする。
(6)発呼情報を受信した着端末TEは、付加情報読取部410で付加情報フラグを調査した結果、付加情報フラグが「1」:ONの場合は、付加情報設定部411で付加情報を設定して再発呼を行う。
(7)発呼情報を受信したエリアルータARTは、エリアルーティングテーブル212を参照したルーティング処理の結果、該当宛先が無かった場合は、ワイドルータWRT向け方路に発呼情報を転送する。
(8)エリアルータARTは、経路重複を判定する経路チェック部2173において、互いの通過経路を分析比較することを特徴とするアルゴリズムにて重複か否か、つまりエリアルータARTを介在しての通信か、ローカル網LNW内での通信かの判定を実現する。
(9)発呼情報を受信したエリアルータARTは、エリアルーティングテーブル212を参照したルーティング処理の結果、該当宛先が有る場合で、かつ発呼情報に経路情報が無い場合、ルーティング情報に付加情報が有るか無いかを確認し、有る場合は受信の発呼情報に付加情報(ローカル網LNW内でのルーティングの経路が示されている)を付加してローカル網LNW側に転送する。ここで、エリアルータARTが受信した発呼情報に付加情報を付加する場合、付加情報フラグには「0」:OFFを設定してローカル網LNW側に転送する。
(10)発呼情報を受信したワイドルータWRTは、ヘッダ分析部319により発呼情報を分析した結果、発呼情報にワイド情報(ワイド網WNWでのルーティング経路が示される)が含まれている場合、ワイド情報の指示に従って次段のワイドルータWRTに転送する。
(11)発呼情報を受信したワイドルータWRTは、ヘッダ分析部319により発呼情報を分析した結果、発呼情報にワイド情報が含まれていない場合は、パラメータ情報の有無を確認し、パラメータが指定されているときは、当該パラメータの内容に従ってワイドルーティングを行う。
(12)発呼情報を受信したワイドルータWRTは、ヘッダ分析部319により発呼情報を分析した結果、発呼情報にワイド情報が含まれていない場合は、パラメータ情報の有無を確認し、パラメータが指定されていないときは、デフォルト設定のパラメータにてワイドルーティングを行う。
(13)発呼情報を受信したワイドルータWRTは、ヘッダ分析部319によりパラメータ情報の有無を確認し、パラメータが指定されていたが、ワイドルーティングテーブル313上には当該パラメータのルーティング情報が無かった場合、発端末TEまたは着端末TEの要求するパラメータについてパラメータテーブル312から最適なルーティング経路を計算し、その結果をワイドルーティングテーブル313に追加登録することで、ワイドルーティング処理を行う。
(14)ワイドルータWRTは、パラメータテーブル312を参照して最適なルーティング経路を計算する際に、パラメータテーブル312から接続可能性のある区間を組合せ、その区間のパラメータ合計値の計算及び比較から最適な経路を導き出すとが可能である。
(15)ローカルルータLRTは、制御部113により、隣接のローカルルータLRT同士でルーティング情報の交換を行う。
(16)エリアルータARTは、制御部213により、隣接のローカル網LNWにエリアルータ情報を通知する。
このとき、エリアルータARTからエリアルータ情報を受信したローカルルータLRTにおいては、ローカル網LNW内の全てのローカルルータLRTにこのエリアルータ情報を通知する。
また、ローカルルータLRTは、ローカル網LNW内でエリアルータ情報の重複があるときは、エリアルータ情報に呼番号を付加することで、ローカル網LNW内での重複を避けることが可能になる。
(17)ローカルルータLRTの新規追加時、ローカルルータ情報をエリアルータARTに通知する。また、ローカルルータLRTの削除時、ローカルルータ情報をエリアルータARTに通知する。
(18)エリアルータARTは、ローカルルータLRTの新規追加及び削除時には、ローカルルータ情報を受信し、ルーティングテーブル作成部215にてエリアルーティングテーブル212を更新することで、追加・削除されたローカルルータLRTの情報をエリアルーティングテーブル212に反映させる。
(19)ローカルルータLRTは、ローカルルータLRTの新規追加時または削除時には、ローカル網LNW内でローカルルータ情報を交換し、ルーティングテーブル作成部115によりスリムルーティングテーブル112の更新を行う。
[通信ネットワークシステムの動作]
次に、本発明の一実施の形態の通信ネットワークシステムNNSにおける具体的動作例について説明する。
図3、図4及び図5は各動作例におけるローカルルータLRTの処理(L01〜L22)を示す。図6、図7及び図8は各動作例におけるエリアルータARTの処理(A01〜A22)を示す。また、図9及び図10は各動作例におけるワイドルータWRTの処理(W01〜W12)を示す。
〔第1の動作例〕
図1から図5、及び図11から図14を参照して、上述した通信ネットワークシステムNNSにおける第1の動作例について説明する。
第1の動作例は、一つのローカル網LNW12内でローカルルータLRT15から隣接ローカルルータLRT14にルーティングする通信形態を採り、通信経路が発端末TE15→ローカルルータLRT15(発端末収容)→ローカルルータLRT14(着端末収容)→着端末TE14となる場合である。
なお、ここで述べる動作の制御は、各ローカルルータLRT及びエリアルータART12における制御部113,213がルーティングテーブル作成部115,215及びヘッダ分析部117,216などの構成要素と協働して実施されるが、特に限定を要しないときは、その構成要素の説明を省略する。
ローカル網LNW12において、発端末TE15は、ローカルルータLRT15に対して発呼情報を送信することにより、発呼要求を行う。発端末TE15から送信される発呼情報は、プロトコルIPv4に則るとき図11に示す内容であり、プロトコルIPv6に則るとき図12に示す内容である。図11及び図12から明らかなとおり、発呼情報は、そのフレームのヘッダ部にIPヘッダ情報及びTCP(Transmission Contorol Protocol)ヘッダ情報を含むと共に、ヘッダ部の自由使用領域に付加情報フラグ、付加情報、経路追加情報、及びパラメータを設定するための領域を有している。
ローカルルータLRT15では、ヘッダ分析部117が発端末TE15からの発呼情報に含まれている付加情報フラグの内容(ON=「1」またはOFF=「0」)を確認する。付加情報フラグの内容が付加情報有りを示す「1」の場合は、制御部113は、その付加情報が指示する次の経路に発呼情報を転送する。
また、付加情報フラグの内容が付加情報無しを示す「0」の場合は、制御部113は、図13に示すローカルルータLRT15のスリムルーティングテーブル112を参照して、受信した発呼情報をどう処理するかを判断する。発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスが示すネットワーク(サブネットワーク)を確認し、そのネットワークが宛先としてスリムルーティングテーブル112に属するか否か(設定されているか否か)を確認する。
この例では、発端末TE15はネットワークN14の着端末TE14に向けて発呼情報を送信しているため、発呼情報の宛先は「ネットワークN14」を示している。ローカルルータLRT15では、制御部113は、スリムルーティングテーブル112を参照するとき、宛先「N14」のルーティング先がテーブル112内に存在しないことを認識する。
したがって、発端末TE15から受信した発呼情報はテーブル112内の宛先「その他」に対応するルーティング先としてのローカルルータLRT14に送信される。その際、ローカルルータLRT15では、ヘッダ管理部116の経路付加部1161の機能により、発呼情報の経路追加情報領域に経由した経路としての経路追加情報「ローカルルータLRT15」を格納(設定)する。
なお、各ローカル網LNW内のどのローカルルータLRTもスリムルーティングテーブル112における宛先「その他」に対応するルーティング先は、エリアルータART向け方路に設定されている。
ローカルルータLRT14では、制御部113は、図14に示すスリムルーティングテーブル112を参照して、ローカルルータLRT15から受信した発呼情報をどう処理するかを判断する。
先ず、制御部113は、ヘッダ分析部117と協働して、発呼情報の宛先(IPヘッダの宛先IPアドレス)を図14に示すスリムルーティングテーブル112を参照して確認し、宛先が自分(自ルータ)宛、つまりローカルルータLRT14が収容する端末TE14宛であるかどうかを確認する。この宛先がローカルルータLRT14収容の端末TE14宛であれば、宛先IPアドレスに対応する宛先ポートに対して発呼情報を送信する。
宛先が自分宛で無い場合、つまりローカルルータLRT14収容の端末TE14宛で無い場合、制御部113は、ヘッダ分析部117と協働して、発呼情報のヘッダ部に含まれる付加情報の有無を付加情報フラグに基づいて確認する。そして、付加情報有りの場合は付加情報の指示する内容でルーティング処理を行い、付加情報の無い場合はスリムルーティングテーブル112を参照してルーティング処理を行う。
この例では、着端末ET14はネットワークN14で収容されるため、ローカルルータLRT14では、受信した発呼情報の宛先IPアドレスに対応する宛先ポートに対して発呼情報を送信する。
発端末TE15を収容するローカルルータLRT15では、制御部113がタイマー部118において予め定めた時間後に、発端末TE15に対して通信可メッセージを送信する。ここで、予め定めた時間は、後に詳述するように、エリア網ANWからローカル網LNWへの再接続要求時に、ローカル網LNW内でルーティングされる通信において、エリアルータARTからの返信情報を受信する可能性があるため、返信情報を受け取るに十分な時間に相当する。
ローカルルータLRT15からの通信可メッセージを受信した発端末TE15は、データ(データパケット)の送信を開始する。ローカルルータLRT15では、制御部113は、ヘッダ分析部117と協働して、発端末TE15から送られてくるデータパケットにおけるヘッダ部の付加情報の有無を付加情報フラグに基づいて確認する。付加情報が有る場合は、制御部113は付加情報で示される経路に従ってルーティング処理を行う。また、付加情報が無い場合は、制御部113はローカルルータLRT15の有するスリムルーティングテーブル112を参照してルーティング処理を行う。
この例では、付加情報が無いため、ローカルルータLRT15では、スリムルーティングテーブル112(図13)を参照した結果、宛先「N14」は「その他」となり、エリアルータART向け方路対応のローカルルータLRT14にデータパケットを送信する。
ローカルルータLRT14でもローカルルータLRT15と同様に、送られてくるデータパケットにおける付加情報の有無を確認する。付加情報が有る場合は、付加情報で示される経路にルーティング処理を行い、付加情報が無い場合は、ローカルルータLRT14の有するスリムルーティングテーブル112を参照してルーティング処理を行う。
この例では、ローカルルータLRT14で受信の付加情報は無いため、ローカルルータLRT14では、スリムルーティングテーブル112(図14)を参照してルーティング処理を行う。その結果、宛先「N14」は「自ルータ」であり、ローカルルータLRT14配下の着端末TE14の宛先ポートにデータ転送を行う。
〔第2の動作例〕
図2から図8、図11、図12、及び図15から図20を参照して、上述した通信ネットワークシステムNNSにおける第2の動作例について説明する。
第2の動作例は、エリア網ANW1を介在して、ローカル網LNW11,LNW12間でルーティングされる通信形態を採り、通信経路が発端末TE14→ローカル網LNW12(発端末収容)→エリア網ANW1→ローカル網LNW11(着端末収容)→着端末TE12となる場合である。
なお、ここで述べる動作の制御は、各ローカルルータLRT及びエリアルータART12における制御部113,213がルーティングテーブル作成部115,215及びヘッダ分析部117,216などの構成要素と協働して実施されるが、特に限定を要しないときは、その構成要素の説明を省略する。
ローカル網LNW12において、発端末TE14は、ローカルルータLRT14に対して発呼情報を送信することにより、発呼要求を行う。発端末TE14から送信される発呼情報は、上述した第1の動作例と同様に、図11及び図12に示す内容である。
ローカルルータLRT14では、ヘッダ分析部116が発端末TE14からの発呼情報に含まれている付加情報フラグの内容(ON=「1」またはOFF=「0」)を確認する。付加情報フラグの内容が付加情報有りを示す「1」の場合は、制御部113は、その付加情報が指示する次の経路に発呼情報を転送する。
また、付加情報フラグの内容が付加情報無しを示す「0」の場合は、制御部113は、図16に示すローカルルータLRT14のスリムルーティングテーブル112を参照して、受信した発呼情報をどう処理するかを判断する。発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスが示すネットワーク(サブネットワーク)を確認し、そのネットワークが宛先としてスリムルーティングテーブル112に属するか否かを確認する。
この例では、発端末TE14はローカル網LNW11内のネットワークN12の着端末TE12に向けて発呼情報を送信しているため、発呼情報の宛先は「ネットワークN12」を示している。ローカルルータLRT14では、制御部113は、スリムルーティングテーブル112を参照するとき、宛先「N12」のルーティング先がテーブル112内に存在しないことを認識する。
したがって、発端末TE14から受信した発呼情報はテーブル112内の宛先「その他」に対応するルーティング先としてのエリアルータART12に送信される。その際、ローカルルータLRT14では、ヘッダ管理部116の経路付加部1161の機能により、発呼情報の経路追加情報領域に経由した経路としての経路追加情報「ローカルルータLRT14」を格納する。
なお、各ローカル網LNW内のどのローカルルータLRTもスリムルーティングテーブル112における宛先「その他」に対応するルーティング先は、エリアルータART向け方路に設定されている。
エリアルータART12では、制御部213は、図17に示すエリアルーティングテーブル212を参照して、ローカルルータLRT14から受信した発呼情報をどう処理するかを判断する。制御部213は、ヘッダ分析部216と協働して、先ず発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスの示すネットワークを確認し、エリアルーティングテーブル212に該当があるか否かを確認する。制御部213は、該当の無い場合は、宛先「その他」が示すワイドルータWRT向け方路に対応するエリアルータARTに発呼情報を転送する。
この例では、IPヘッダの宛先IPアドレスはネットワーク「N12」であり、ルーティング先はエリアルータART11であるので、エリアルータART12はエリアルータART11に発呼情報を転送する。このとき、エリアルータART12におけるヘッダ管理部217の経路情報削除部2176は、ローカルルータLRT14から受信した発呼情報のヘッダ部の経路追加情報領域に設定されている経路情報(経路追加情報)「ローカルルータLRT14」を削除する。
ここで、エリアルータART12において、エリアルーティングテーブル212(図17)を参照した結果、ルーティング先がエリアルータART12配下のローカルルータLRT13,LRT14,LRT15,LRT16であった場合に、ヘッダ管理部217の経路チェック部2173は、経路の重複がないことを確認する。その際、どういう経路でエリアルータART12まで到達したかということを認識するために上記経路追加情報が必要となる。
経路チェック部2173により経路の重複が確認された場合、つまりエリアルータART12を介さなくてもローカルルータLRT同士で通信可能と判定された場合、エリアルータARTでは、ヘッダ管理部217の第2の経路作成部2172により、ローカルルータLRT間での経路追加情報及び付加情報フラグ「1」が設定された返信情報を作成し、更にヘッダ管理部217の経路送信部2174の機能により、発端末TE14への発呼情報に作成された返信情報を追加して送信する。
エリアルータART12から発呼情報を受信したエリアルータART11では、制御部213は、図18に示すエリアルーティングテーブル212を参照して、エリアルータART12から受信の発呼要求対応の発呼情報をどう処理するかを判断する。
エリアルータART11では、制御部213は、ヘッダ分析部216と協働して、発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスの示すネットワークを確認し、エリアルーティングテーブル212(図18)に該当があるか否かを確認する。該当の無い場合は、制御部213はエリアルーティングテーブル212における宛先「その他」により示されるルーティング先対応のワイドルータWRT向け方路に発呼情報を転送する。
この例では、発呼情報におけるIPヘッダの宛先IPアドレスはネットワーク「N12」であり、ルーティング先は「エリアルータART10」であるので、エリアルータART11はエリアルータART10に発呼情報を転送する。
エリアルータART10では、制御部213は、図19に示すエリアルーティングテーブル212を参照して、エリアルータART11から受信した発呼要求対応の発呼情報をどう処理するかを判断する。
エリアルータART10では、制御部213は、ヘッダ分析部216と協働して、発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスの示すネットワークを確認し、エリアルーティングテーブル212に該当があるか否かを確認する。該当の無い場合は、制御部213はエリアルーティングテーブル212における宛先「その他」により示されるルーティング先対応のワイドルータWRT向け方路に発呼情報を転送する。
この例では、発呼情報におけるIPヘッダの宛先IPアドレスはネットワーク「N12」であり、ルーティング先は「ローカルルータLRT12」であるので、エリアルータART10はローカルルータLRT12に発呼情報を転送する。
このとき、エリアルータART10では、ヘッダ管理部217の第1の経路作成部2171により、着端末TE12向けに、着側のローカル網LNW11内での転送経路及び付加情報フラグ「0」を示した付加情報を作成する。さらに、ヘッダ管理部217の経路送信部2174は、発呼情報のヘッダ部における付加情報領域に付加情報が追加された発呼情報を次のルータに送信する。
この例では、着ローカルルータLRT12がエリアルータART10に隣接するため、付加情報フラグ及び付加情報は無しとなる。なお、例えば、宛先がネットワーク「N10」である場合には、付加情報フラグは「0」であり、付加情報「ローカルルータLRT10」となる
ローカルルータLRT12では、図20に示すスリムルーティングテーブル112を参照して、エリアルータART10から受信した発呼情報を次のように処理する。
先ず、ローカルルータLRT12では、制御部113は、ヘッダ分析部117と協働して、発呼情報のヘッダ部における付加情報領域に付加情報が有るか無いかを確認し、付加情報が有る場合は付加情報で示される経路にルーティング処理する。付加情報が無い場合、制御部113はスリムルーティングテーブル112を参照してルーティング処理を行う。
制御部113は、ヘッダ分析部117と協働して、スリムルーティングテーブル112の参照により、発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスに自分宛の端末があるか否か確認し、ローカルルータLRT12が収容する端末があれば、宛先IPアドレスに対応する宛先ポートに対して発呼情報を送信する。
この例では、着端末TE12はネットワークN12で収容する端末であるので、ローカルルータLRT12では受信した発呼情報の宛先IPアドレスに対応する宛先ポートに発呼情報を送信する。
発端末TE14を収容するローカルルータLRT14では、上記予め定めた時間(n秒)後に、発端末TE14に対して通信可メッセージを送信する。発端末TE14は、この通信可メッセージを受信したとき、データ(データパケット)送信を始める。ローカルルータLRT14では、発端末TE14から送られてくるデータパケットのヘッダ部における付加情報の有無を確認し、付加情報が有る場合は付加情報で示される経路にルーティング処理を行う。また、付加情報が無い場合は、ローカルルータLRT14が保有するスリムルーティングテーブル112(図16)を参照してルーティング処理を行う。なお、データパケットの場合には、ローカルルータLRTでヘッダ部に経路情報は付加しない。
この例では、発端末TE14から送信するデータパケットには付加情報は無いため、スリムルーティングテーブル112を参照した結果、宛先「N12」は「その他」の宛先となるので、エリアルータ向け方路対応のエリアルータART12に送信される。
ローカルルータLRT14からの発呼情報を送信されたエリア網ANW1内のエリアルータART12,ART11,ART10では、各エリアルータが保有するエリアルーティングテーブル212に基づいて、ローカルルータLRT12にルーティング処理する。
データパケットを受信したローカルルータLRT12では、そのデータパケットの付加情報の有無を確認する。付加情報有りの場合は付加情報に示される経路でルーティング処理を行い、付加情報無しの場合はローカルルータLRT12のスリムルーティングテーブル212に基づいてルーティング処理を行う。この例では、付加情報は無く、エリアルーティングテーブル212を参照した結果、宛先「N12」はルーティング先「自ルータ」となるので、ローカルルータLRT12は配下の着端末TE12対応の宛先ポートにデータ転送を行う。
〔第3の動作例〕
図2から図8、図11、図12、及び図21から図26を参照して、上述した通信ネットワークシステムNNSにおける第3の動作例について説明する。
第3の動作例は、エリア網ANW1からローカル網LNW12への再接続要求により、ローカル網LNW12内でルーティングする通信形態を採り、発呼時の第1の通信経路が発端末TE14→ローカル網LNW12→エリア網ANW1→ローカル網LNW12となり、再発呼時の第2の通信経路がローカルルータLRT14(発端末収容)→ローカル網LNW12→ローカルルータLRT16(着端末収容)となる場合である。
具体的には、図21に示すシステム構成において、次の通信経路となる。つまり、発端末TE14→ローカルルータLRT14→エリアルータART12(ここで、エリアルータART12は発端末TE14に対し接続経路を指示するための返信情報を送信する)→ローカルルータLRT14→発端末TE14(ここで、発端末TE14はエリアルータART12からの返信情報を受信し、指示された経路を返信情報のヘッダ部の付加情報領域に設定し、ローカルルータLRT14に送信する)→ローカルルータLRT14(ここで、ローカルルータLRT14は発端末TE14からの発呼情報のヘッダ部に含まれる付加情報を参照してローカルルータLRT15に送信する)→ローカルルータLRT15(ここで、ローカルルータLRT15は発呼情報の付加情報を参照してローカルルータLRT16に送信する)→ローカルルータLRT16(ローカルルータLRT16は返信有り時の経路として着端末TE16に経路情報を指示する)→着端末TE16の順で接続される。
なお、ここで述べる動作の制御は、各ローカルルータLRT及びエリアルータART12における制御部113,213がルーティングテーブル作成部115,215及びヘッダ分析部117,216などの構成要素と協働して実施されるが、特に限定を要しないときは、その構成要素の説明を省略する。
ローカル網LNW12において、発端末TE14は、ローカルルータLRT14に対して発呼情報を送信することにより、発呼要求を行う。発端末TE14から送信される発呼情報は、上述した第1の動作例と同様に、図11及び図12に示す内容である。
ローカルルータLRT14では、ヘッダ分析部117が発端末TE14からの発呼情報に含まれている付加情報フラグの内容(ON=「1」またはOFF=「0」)を確認する。付加情報フラグの内容が付加情報有りを示す「1」の場合は、制御部113は、その付加情報が指示する次の経路に発呼情報を転送する。
また、付加情報フラグの内容が付加情報無しを示す「0」の場合は、制御部113は、図22に示すローカルルータLRT14のスリムルーティングテーブル112を参照して、受信した発呼情報をどう処理するかを判断する。発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスが示すネットワーク(サブネットワーク)を確認し、そのネットワークが宛先としてスリムルーティングテーブル112に属するか否かを確認する。
この例では、発端末TE14はローカル網LNW12内のネットワークN16の着端末TE16に向けて発呼情報を送信しているため、発呼情報の宛先は「ネットワークN16」を示している。ローカルルータLRT14では、制御部113は、スリムルーティングテーブル112を参照するとき、宛先「N16」のルーティング先がテーブル112内に存在しないことを認識する。
したがって、発端末TE14から受信した発呼情報はテーブル112内の宛先「その他」に対応するルーティング先としてのエリアルータART12に送信される。その際、ローカルルータLRT14では、ヘッダ管理部116の経路付加部1161の機能により、発呼情報の経路追加情報領域に経由した経路としての経路追加情報「ローカルルータLRT14」を格納する。
エリアルータART12では、図23に示すエリアルーティングテーブル212を参照して、ローカルルータLRT14から受信した発呼情報を処理する。エリアルータART12では、制御部213は、ヘッダ分析部216と協働して、先ず発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスの示すネットワークを確認する。
これにより、制御部213はエリアルーティングテーブル212に該当する宛先(ネットワーク)があるか否かを確認する。該当の無い場合は、制御部213は、宛先「その他」により示されるルーティング先「エリアルータART11」対応のワイドルータWRT向け方路に発呼情報を転送する。
この例では、宛先「N16」がエリアルーティングテーブル212に存在するため、該当は有りとなる。つまり、宛先IPアドレスは「NT6」、ルーティング先は「ローカルルータLRT14」、及び付加情報は「ローカルルータLRT15」、「ローカルルータLRT16」となる。
このとき、エリアルータART12では、ヘッダ管理部217の経路読取部2175が経路情報を読み取る。この例では、経路読取部2175は発呼情報のヘッダ部に含まれている経路追加情報領域の経路追加情報「ローカルルータLRT14」を読み出す。そして、エリアルーティングテーブル212における宛先「N16」の示すルーティング先「ローカルルータLRT14」及びルーティング先付加情報「ローカルルータLRT15、ローカルルータLRT16」と、発呼情報に含まれる経路追加情報「ローカルルータLRT14」とを比較し、重複部分の有無を確認する。
この重複部分の比較確認については、次のとおりである。この場合、エリアルータART12では、ルーティング先「ローカルルータLRT14、ローカルルータLRT15、ローカルルータLRT16」と、経路追加情報「ローカルルータLRT14」とを比較した結果、「ローカルルータLRT14」が重複となっていることが分かる。つまり、エリアルータART12を介さずローカル網LNW12内で接続可能であることが分かる。
ローカル網LNW12内で接続可能であると判断したエリアルータART12では、ヘッダ管理部217の第2の経路作成部2172は、発端末TE14向けに、発端末TE14が再発呼するときに必要となる付加情報フラグを「返信情報1」とし、かつ付加情報を「返信情報2」として、図24または図25に示す返信情報のヘッダ部の自由使用領域に格納する。図24はプロトコルIPv4対応の返信情報のフォーマットを示し、図25はプロトコルIPv6対応の返信情報のフォーマットを示す。
この例では、発端末TE14が発呼時の付加情報フラグは「1」、付加情報は「ローカルルータLRT14、ローカルルータLRT15、ローカルルータLRT16」となるため、返信情報部1には「1」が格納され、かつ返信情報部2には「ローカルルータLRT14、ローカルルータLRT15、ローカルルータLRT16」が格納される。なお、返信情報に含まれる付加情報フラグは「0」、付加情報は「ローカルルータLRT14」、経路追加情報は「無」となる。
エリアルータART12におけるヘッダ管理部217の経路送信部2174は、発端末TE14宛に返信情報を送信する。この場合、返信情報としてヘッダ部の自由使用領域に格納される内容は、付加情報フラグ「0」、付加情報「ローカルルータLRT14」、経路追加情報「無」、返信情報1「1」、返信情報2「ローカルルータLRT14、ローカルルータLRT15、ローカルルータLRT16」となる。
ヘッダ管理部217の経路送信部2174は、返信情報の付加情報「ローカルルータLRT14」を確認し、ローカルルータLRT14宛に返信情報を送信する。
返信情報を受信したローカルルータLRT14では、制御部113は、ヘッダ分析部117と協働して、返信情報の付加情報を確認するが、内容が「ローカルルータLRT14」であるため、自己保有のスリムルーティングテーブル112(図22)参照してルーティング処理する。
スリムルーティングテーブル112の参照結果、宛先「N14」は自ルータ配下となるため、宛先IPアドレスの示す宛先ポート(発端末TE14対応)に返信情報を送信する。
返信情報を受信した発端末TE14では、返信情報のヘッダ部に含まれる返信情報1及び返信情報2を付加情報読取部410で読み取る。発端末TE14では、付加情報読取部410で読み取った返信情報1及び返信情報2の内容を付加情報設定部411により発呼情報に付加情報フラグ及び付加情報として設定する。つまり、発端末TE14では、発呼情報に付加情報フラグ「1」及び付加情報「ローカルルータLRT14、ローカルルータLRT15、ローカルルータLRT16」を設定し、ローカルルータLRT14に再度送信する。
ローカルルータLRT14では、発端末TE14からの発呼情報に含まれる付加情報の有無を確認する。付加情報がある場合は、付加情報で示される内容に基づいて次の経路に転送する。付加情報が無い場合は、スリムルーティングテーブル112(図22)を参照してルーティング処理する。
この例では、発呼情報に付加情報が有るため、ローカルルータLRT14では、付加情報に基づいてルーティング処理を行う。この場合、付加情報の内容は「ローカルルータLRT14、ローカルルータLRT15、ローカルルータLRT16」となっているため、ローカルルータLRT14では、次のルーティング先としてのローカルルータLRT15宛に転送処理を行う。
ローカルルータLRT14から発呼情報を受信したローカルルータLRT15では、ローカルルータLRT14と同じく、発呼情報に付加情報が有るか無いかを確認する。この場合、発呼情報に付加情報が含まれているため、ローカルルータLRT15では、付加情報で示されるルーティング先「ローカルルータLRT16」に転送する。
ローカルルータLRT16では、ローカルルータLRT14,LRT15と同じく、発呼情報に含まれる付加情報フラグを確認する。この場合、付加情報は含まれているが、「ローカルルータLRT16」以降の付加情報が含まれていないため、ローカルルータLRT16では、図26に示す自己保有のスリムルーティングテーブル112を参照してルーティング処理を行う。ローカルルータLRT16では、スリムルーティングテーブル112の参照結果、宛先「N16」により示されるルーティング先が「自ルータ」であるため、宛先IPアドレスの示す宛先ポート(着端末TE16対応)に送信処理する。
ローカルルータLRT16からの発呼情報を受信した着端末TE16では、付加情報フラグ及び付加情報を付加情報読取部410で読み取る。発端末TE14から送信され、ローカルルータLRT16を通して受信した発呼情報の付加情報フラグが「1」の場合、着端末TE16は、付加情報設定部411により、付加情報フラグを「0」に設定すると共に、受信時とは順番を反転した付加情報を設定する。
着端末TE16から発端末TE14に返信(データ送信)など行う場合は、付加情報設定部411にて設定した内容、つまり付加情報フラグ「0」及び受信時とは順番を反転した付加情報「ローカルルータLRT16、ローカルルータLRT15、ローカルルータLRT14」をデータパケットに付加してデータ送信を行う。なお、発端末TE14から送信された付加情報フラグが「0」であった場合、着端末TE16では付加情報設定部411による上記設定は行わない。
上述した処理により、発端末TE14はエリアルータART12からの返信情報に基づいて付加情報フラグ及び付加情報を発呼情報に設定し、着端末TE16宛への発呼情報の送信を完了する。その後、発端末TE14はローカルルータLRT14に対して着端末TE16宛へのデータ(データパケット)送信を始める。
データ転送過程において、ローカルルータLRT14では、発端末TE14から送られてくるデータパケットの付加情報の有無を確認し、付加情報が有る場合は付加情報で示される経路にルーティング処理を行う。付加情報が無い場合は、ローカルルータLRT14で保有するスリムルーティングテーブル112(図22)を参照してルーティング処理を行う。
この例では、付加情報は有るため、付加情報の指示に基づいてルーティング処理され、ローカルルータLRT15にデータパケットが転送される。ローカルルータLRT15では、付加情報の有無を確認し、付加情報が有るので、付加情報で示されるルーティング先「ローカルルータLRT16」に転送する。
ローカルルータLRT16は、同様に付加情報が有ることを確認するが、ローカルルータLRT16以降の付加情報が無いため、ローカルルータLRT16のスリムルーティングテーブル112(図26)を参照してルーティング処理を行う。この場合、宛先「N16」により示されるルーティング先が「自ルータ」であるため、ローカルルータLRT16では、自ルータ配下の着端末TE16対応の宛先ポートにデータ転送を行う。
〔第4の動作例〕
図2から図12、及び図27から図39を参照して、上述した通信ネットワークシステムNNSにおける第4の動作例について説明する。
第4の動作例は、ワイド網WNW内で設定されたパラメータ(システム設定)に基づいてルーティングする通信形態を採り、通信経路が発端末TE14→ローカルルータLRT14→エリア網ANW1→ワイド網WNW→エリア網ANW2→ローカルルータLRT21→ローカルルータLRT20→着端末TE20となる場合である。
具体的には、図27に示すシステム構成において、次の通信経路となる。つまり、発端末TE14→ローカルルータLRT14→エリア網ANW1(エリアルータART12→エリアルータART11)→ワイド網WNW(ワイド網WNW内でのパラメータルーティングは、ワイド網WNW内でのシステム設定による)→エリア網ANW2(エリアルータART21→エリアルータART20)→ローカル網LNW21(ローカルルータLRT21→ローカルルータLRT20)→着端末TE20の順で接続される。
なお、ここで述べる動作の制御は、各ローカルルータLRT及びエリアルータART12における制御部113,213,314がルーティングテーブル作成部115,215及びヘッダ分析部117,216,319などの構成要素と協働して実施されるが、特に限定を要しないときは、その構成要素の説明を省略する。
ローカル網LNW12において、発端末TE14は、ローカルルータLRT14に対して発呼情報を送信することにより、発呼要求を行う。発端末TE14から送信される発呼情報は、上述した第1の動作例と同様に、図11及び図12に示す内容である。
ローカルルータLRT14では、ヘッダ分析部117が発端末TE14からの発呼情報に含まれている付加情報フラグの内容(ON=「1」またはOFF=「0」)を確認する。付加情報フラグの内容が付加情報有りを示す「1」の場合は、制御部113は、その付加情報が指示する次の経路に発呼情報を転送する。
また、付加情報フラグの内容が付加情報無しを示す「0」の場合は、制御部113は、図28に示すローカルルータLRT14のスリムルーティングテーブル112を参照して、受信した発呼情報をどう処理するかを判断する。発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスが示すネットワーク(サブネットワーク)を確認し、そのネットワークが宛先としてスリムルーティングテーブル112に属するか否かを確認する。
この例では、発呼情報に付加情報は無いため、ローカルルータLRT14では、スリムルーティングテーブル112を参照してルーティング処理する。ローカルルータLRT14では、スリムルーティングテーブル112を参照時、宛先「N20」はテーブル112内に存在していない。
したがって、スリムルーティングテーブル112において、宛先「その他」により示されるルーティング先「エリアルータART12」に発呼情報を送信する。その際、ローカルルータLRT14では、発呼情報のヘッダ部における経路追加情報領域に、経路追加情報として経由する経路「ローカルルータLRT14」を格納する。
エリア網ANW1におけるエリアルータART12では、図29に示す自己保有のエリアルーティングテーブル212を参照して、ローカルルータLRT14から受信した発呼情報をどう処理するかを判断する。
エリアルータART12では、先ず発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスの示すネットワークを確認し、エリアルーティングテーブル212に該当があるか否かを確認する。該当の無い場合は、宛先「その他」により示されるルーティング先対応のワイドルータWRT向け方路に転送する。
この例では、宛先は「N20」となるため該当無しとなり、宛先「その他」により示されるワイドルータWRT向け方路対応のエリアルータART11に発呼情報を転送する。この転送する際、エリアルータART12は、ヘッダ管理部217の経路情報削除部2176の機能により、発呼情報に含まれる経路情報を削除してエリアルータART11に転送する。
エリアルータART11はエリアルータART12から発呼情報を受信する。エリアルータART11では、発呼情報の宛先IPアドレスの示すネットワークを確認し、図30に示すエリアルーティングテーブル212に該当があるか否かを確認する。該当の無い場合は、宛先「その他」により示されるルーティング先対応のワイドルータWRT向け方路に発呼情報を転送する。この例では、該当が無いため、ワイドルータWRT11に転送される。
ワイド網WNWにおけるワイドルータWRT11では、発呼情報を受信時、先ずワイド網WNW内での経路を示すワイド情報があるか否かを確認する。なお、ワイド情報が付加されたプロトコルIPv4及びプロトコルIPv6対応の発呼情報のフォーマットを図31及び図32にそれぞれ示す。
発呼情報を受信したワイドルータWRT11では、ヘッダ部における自由使用領域のワイド情報を確認した結果、ワイド情報がある場合はワイド情報の内容に従って次の経路に転送する。ワイド情報の無い場合は、発呼情報にパラメータが含まれているか否かを確認する。
発呼情報にパラメータが含まれていた場合は、制御部314は、ルーティングテーブル作成部318と協働して、パラメータが指定する内容(例えば、回線速度、ホップ数、セキュリティ強度など)に従って、発呼情報のパラメータに対応したワイドルーティングテーブル313を作成する。
この例では、ワイドルータWRT11が受信した発呼情報には、ワイド情報が無いため、ワイドルータWRT11では発呼情報のパラメータの確認を行う。その結果、パラメータも無いため、ワイドルータWRT11では、図33に示すワイドルーティングテーブル313を参照して、宛先「N20」に至る経路(ルート)を検索する。ここでは、ワイド網WNWのパラメータは「1:回線速度、2:ホップ数、3:セキュリティ強度」のうちの「1:回線速度」で事前にシステム設定(デフォルト設定)されている。
図34はワイドルータWRT11におけるパラメータテーブル312の一例を示す。各区間(各ワイドルータWRT間)の総パラメータ値が低ければ低いほど優先経路として採択される。例えば、ワイドルータWRT11からワイドルータWRT14に至る場合は、次の3通りのルートR1、R2、R3がある。
ルートR1:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT10→ワイドルー
タWRT14
ルートR2:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT12→ワイドルー
タWRT13→ワイドルータWRT14
ルートR3:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT15→ワイドルー
タWRT16→ワイドルータWRT14
この場合、パラメータとして回線速度でルートを割り出すと、各総パラメータ値は次のとおりになる。
ルートR1:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT10→ワイドルー
タWRT14
=総パラメータ値:4+4=8
ルートR2:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT12→ワイドルー
タWRT13→ワイドルータWRT14
=総パラメータ値:2+2+2=6
ルートR3:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT15→ワイドルー
タWRT16→ワイドルータWRT14
=総パラメータ値:3+3+3=9
この結果、総パラメータ値(回線速度)が最小値「6」となるルートR2が採択される。
なお、他の例として、ホップ数をパラメータとした場合、各総パラメータ値は次のとおりになる。
ルートR1:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT10→ワイドルー
タWRT14
=総パラメータ値:1+1=2
ルートR2:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT12→ワイドルー
タWRT13→ワイドルータWRT14
=総パラメータ値:1+1+1=3
ルートR3:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT15→ワイドルー
タWRT16→ワイドルータWRT14
=総パラメータ値:1+1+1=3
この結果、総パラメータ値(ホップ数)が最小値「2」となるルートR1が採択される。
ワイドルータWRT11では、ワイドルーティングテーブル313(図33)から宛先「N20」向けの経路を検索した結果、ルーティング先は「ワイドルータWRT12」、ワイド情報1は「ワイドルータWRT13」、ワイド情報2は「ワイドルータWRT14」であることを確認する。
この例では、ワイドルータWRT11は、ワイドルーティングテーブル313を参照して、先ずブロトコルIPv4(図31)またはプロトコルIPv6(図32)の発呼情報に対して、ワイド情報1「ワイドルータWRT13」及びワイド情報2「ワイドルータWRT14」を格納する。次に、ワイドルータWRT11はルーティング先のワイドルータWRT12に発呼情報を転送処理する。
ワイドルータWRT11からの発呼情報を受信したワイドルータWRT12では、発呼情報にワイド情報(ワイド情報1,2)が含まれているか否かを確認する。この場合、ワイド情報1「ワイドルータWRT13」が含まれているため、ワイドルータWRT12は次段(ネクストホップ)のワイドルータWRT13に対して発呼情報を転送処理する。このとき、ワイドルータWRT12のワイド情報削除部321はワイド情報1「ワイドルータWRT13」を発呼情報のヘッダ部から削除する。
ワイドルータWRT12からの発呼情報を受信したワイドルータWRT13では、発呼情報にワイド情報が含まれているか否か確認する。この場合、ワイド情報2「ワイドルータWRT14」が含まれているため、次段のワイドルータWRT14に対して発呼情報を転送処理する。このとき、ワイドルータWRT13のワイド情報削除部321はワイド情報2「ワイドルータWRT14」を発呼情報のヘッダ部から削除する。
ワイドルータWRT13からの発呼情報を受信したワイドルータWRT14では、同様に、発呼情報にワイド情報が含まれているか否かを確認する。この場合、ワイド情報は含まれていないため、ワイドルータWRT14では、図35に示すワイドルーティングテーブル313を参照して、IPヘッダの宛先IPアドレスにより示される宛先を確認する。ワイドルータWRT14は、宛先が自ルータ配下のエリアルータARTである場合は、当該エリアルータARTに発呼情報を転送する。ここでは、発呼情報の宛先は「N20」であるため、ワイドルータWRT14はエリアルータART21にルーティング処理を行う。
エリア網ANW2におけるエリアルータART21では、図36に示す自己保有のエリアルーティングテーブル212を参照して、ワイドルータWRT14から受信した発呼情報をルーティング処理する。エリアルータART21では、先ず発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスが示す宛先(ネットワーク)を確認し、エリアルーティングテーブル212に該当があるか否かを確認する。
この例では、IPヘッダの宛先TPアドレスは宛先「N20」であり、ルーティング先は「エリアルータART20」となる。したがって、エリアルータART21は受信した発呼情報をエリアルータART20に転送する。
エリアルータART20では、図37に示す自己保有のエリアルーティングテーブル212を参照して、エリアルータART21から受信した発呼情報を処理する。エリアルータART20では、先ず発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスにより示される宛先(ネットワーク)を確認し、エリアルーティングテーブル212に該当があるか否かを確認する。
この例では、IPヘッダの宛先IPアドレスは宛先「N20」であり、ルーティング先は「ローカルルータLRT21」であるため、エリアルータART20は受信した発呼情報をローカルルータLRT21に転送する。
このとき、エリアルータART20は、ヘッダ管理部217の第1の経路作成部2171により、着端末TE20向けに、発呼情報のヘッダ部に付加情報フラグ及び付加情報を付加する。ここでは、付加情報フラグは「0」であり、付加情報は「ローカルルータLRT20」となる。
なお、付加情報フラグについては、上述した第3の動作例(エリア網ANWからローカル網LNWへの再接続要求にて、ローカル網LNW内でルーティングする通信形態)の場合には、付加情報フラグ「1」を付ける。その他の場合は全て付加情報フラグ「0」を付ける。
ローカル網LNW21におけるローカルルータLRT21では、図38に示す自己保有のスリムルーティングテーブル112を参照して、エリアルータART20から受信の発呼情報を処理する。ローカルルータLRT21では、先ず発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスをスリムルーティングテーブル112により確認し、自分宛、つまりローカルルータLRT21が収容する端末TE宛かどうかを確認する。宛先がローカルルータLRT21収容の端末TE宛であれば、宛先IPアドレスに該当する宛先ポートに対して発呼情報を送信する。
また、宛先が自分宛で無い場合、ローカルルータLRT21は発呼情報のヘッダ部に付加情報が有るか無いか確認し、有る場合は付加情報の示す宛先に発呼情報を転送する。付加情報が無い場合は、スリムルーティングテーブル212によりルーティング処理する。この例では、付加情報として「ローカルルータLRT20」があるので、ローカルルータLRT21はローカルルータLRT20に発呼情報を転送する。
ローカルルータLRT20では、図39に示す自己保有のスリムルーティングテーブル112を参照して、ローカルルータLRT21から受信した発呼情報を処理する。先ず、発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスをエリアルーティングテーブル112により確認する。宛先「N20」は自ルータで収容する端末TE20対応であるため、ローカルルータLRT20では、受信した発呼情報の宛先IPアドレスに該当する宛先ポートに対して発呼情報を送信する。
ローカル網LNW12において、発端末TE14を収容するローカルルータLRT14では、上記予め定めた時間後に、発端末TE14に対して通信可メッセージを送信する。通信可メッセージを受信した発端末TE14は、データ(データパケット)送信を開始する。データパケットは、発呼情報と同じく、発端末TE14→ローカルルータLRT14→エリア網ANW1(エリアルータART12→エリアルータART11)→ワイド網WNW(パラメータルーティングはシステム設定)→エリア網ANW2(エリアルータART21→エリアルータART20)→ローカル網LNW21(ローカルルータLRT21→ローカルルータLRT20)→着端末TE20の順で転送される。
〔第5の動作例〕
図2から図12、及び図27から図40を参照して、上述した通信ネットワークシステムNNSにおける第5の動作例について説明する。
第5の動作例は、発端末TE14からのパラメータ(ホップ数)要求に応じてワイド網WNW内でルーティングする通信形態を採り、通信経路が発端末TE14→ローカルルータLRT14→エリア網ANW1→ワイド網WNW→エリア網ANW2→ローカルルータLRT21→ローカルルータLRT20→着端末TE20となる場合である。
具体的には、図27に示すシステム構成において、次の通信経路となる。つまり、発端末TE14→ローカルルータLRT14→エリア網ANW1(エリアルータART12→エリアルータART11)→ワイド網WNW(ワイド網WNW内でのパラメータルーティングは、発端末TE14からの発呼情報に付加設定されたパラメータ情報による)→エリア網ANW2(エリアルータART21→エリアルータART20)→ローカル網LNW21(ローカルルータLRT21→ローカルルータLRT20)→着端末TE20の順で接続される。
なお、ここで述べる動作の制御は、各ローカルルータLRT及びエリアルータART12における制御部113,213,314がルーティングテーブル作成部115,215及びヘッダ分析部117,216,319などの構成要素と協働して実施されるが、特に限定を要しないときは、その構成要素の説明を省略する。
ローカル網LNW12において、発端末TE14は、ローカルルータLRT14に対して発呼情報を送信することにより、発呼要求を行う。このとき、発端末TE14は、ワイド網WNW内でのルーティング処理について、ホップ数を最小限とするようにシステム側に要求する。そのため、発端末TE14は発呼情報のヘッダ部における自由使用領域にパラメータ「ホップ数」を格納した後に、ローカルルータLRT14に発呼情報を送信する。発端末TE14から送信される発呼情報は、上述した第1の動作例と同様に、図11及び図12に示す内容である。
ローカルルータLRT14では、ヘッダ分析部117が発端末TE14からの発呼情報に含まれている付加情報フラグの内容(ON=「1」またはOFF=「0」)を確認する。付加情報フラグの内容が付加情報有りを示す「1」の場合は、制御部113は、その付加情報が指示する次の経路に発呼情報を転送する。
また、付加情報フラグの内容が付加情報無しを示す「0」の場合は、制御部113は、図28に示すローカルルータLRT14のスリムルーティングテーブル112を参照して、受信した発呼情報をどう処理するかを判断する。発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスが示すネットワーク(サブネットワーク)を確認し、そのネットワークが宛先としてスリムルーティングテーブル112に属するか否かを確認する。
この例では、発呼情報に付加情報は無いため、ローカルルータLRT14では、スリムルーティングテーブル112を参照してルーティング処理する。ローカルルータLRT14では、スリムルーティングテーブル112を参照時、宛先「N20」はテーブル112内に存在していない。
したがって、スリムルーティングテーブル112において、宛先「その他」により示されるルーティング先「エリアルータART12」に発呼情報を送信する。その際、ローカルルータLRT14では、発呼情報のヘッダ部における経路追加情報領域に、経路追加情報として経由する経路「ローカルルータLRT14」を格納する。
エリア網ANW1におけるエリアルータART12では、図29に示す自己保有のエリアルーティングテーブル212を参照して、ローカルルータLRT14から受信した発呼情報をどう処理するかを判断する。
エリアルータART12では、先ず発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスの示すネットワークを確認し、エリアルーティングテーブル212に該当があるか否かを確認する。該当の無い場合は、宛先「その他」により示されるルーティング先対応のワイドルータWRT向け方路に転送する。
この例では、宛先は「N20」となるため該当無しとなり、宛先「その他」により示されるワイドルータWRT向け方路対応のエリアルータART11に発呼情報を転送する。この転送する際、エリアルータART12は、ヘッダ管理部217の経路情報削除部2176の機能により、発呼情報に含まれる経路情報を削除してエリアルータART11に転送する。
エリアルータART11はエリアルータART12から発呼情報を受信する。エリアルータART11では、発呼情報の宛先IPアドレスの示すネットワークを確認し、図30に示すエリアルーティングテーブル212に該当があるか否かを確認する。該当の無い場合は、宛先「その他」により示されるルーティング先対応のワイドルータWRT向け方路に発呼情報を転送する。この例では、該当が無いため、ワイドルータWRT11に転送される。
ワイド網WNWにおけるワイドルータWRT11では、発呼情報を受信時、先ずワイド網WNW内での経路を示すワイド情報があるか否かを確認する。なお、ワイド情報が付加されたプロトコルIPv4及びプロトコルIPv6対応の発呼情報のフォーマットを図31及び図32にそれぞれ示す。
発呼情報を受信したワイドルータWRT11では、ヘッダ部における自由使用領域のワイド情報を確認した結果、ワイド情報がある場合はワイド情報の内容に従って次の経路に転送する。ワイド情報の無い場合は、発呼情報にパラメータが含まれているか否かを確認する。
ワイド情報は無いが、発呼情報にパラメータが含まれている場合は、パラメータが指定する内容(例えば、回線速度、ホップ数、セキュリティ強度など)に従って、発呼情報のパラメータに対応したワイドルーティングテーブル313を作成する。
この例では、ワイドルータWRT11が受信した発呼情報には、ワイド情報が無いため、ワイドルータWRT11では発呼情報のパラメータの有無を確認する。その結果、発呼情報にパラメータ「ホップ数」が存在するため、ワイドルータWRT11では、図33に示すワイドルーティングテーブル313を参照して、宛先「N20」に至る経路(ルート)にパラメータとして「2:ホップ数」が設定されているか否かを検索する。
ここでは、ワイド網WNWのパラメータは「1:回線速度、2:ホップ数、3:セキュリティ強度」のうちの「1:回線速度」で事前に統一的にシステム設定(デフォルト設定)されているので、宛先「N20」向けのパラメータとして「2:ホップ数」はワイドルーティングテーブル313に存在しない。そこで、ワイドルータWRT11では、図34に示すパラメータテーブル312から宛先「N20」向けの最有効経路を検索し、図33に示すワイドルーティングテーブル313への追加を行う。
この最有効経路の追加処理手順を次に示す。この例では、ワイドルータWRT11からワイドルータWRT14に至る経路は次の3通りある。
ルートR1:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT10→ワイドルー
タWRT14
ルートR2:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT12→ワイドルー
タWRT13→ワイドルータWRT14
ルートR3:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT15→ワイドルー
タWRT16→ワイドルータWRT14
この3経路について、パラメータ「ホップ数」の総パラメータ値が最小となる経路、つまり経由するワイドルータ数が一番少ない経路を採択し、図33に示すワイドルーティングテーブル313に追加する。なお、追加する際、次段の転送対象ワイドルータ(ワイドルータWRT10)はルーティング先として、その次以降の経由ワイドルータ(ワイドルータWRT14)をワイド情報として書き込み(格納)する。追加処理後に作成されたワイドルーティングテーブル313の一例を図40に示す。
なお、図34はワイドルータWRT11におけるパラメータテーブル312の一例を示す。各区間(各ワイドルータWRT間)の総パラメータ値が低ければ低いほど優先経路として採択される。例えば、ワイドルータWRT11からワイドルータWRT14に至る場合は、上記3通りのルートR1、R2、R3がある。
この場合、パラメータとして回線速度でルートを割り出すと、各総パラメータ値は次のとおりになる。
ルートR1:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT10→ワイドルー
タWRT14
=総パラメータ値:4+4=8
ルートR2:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT12→ワイドルー
タWRT13→ワイドルータWRT14
=総パラメータ値:2+2+2=6
ルートR3:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT15→ワイドルー
タWRT16→ワイドルータWRT14
=総パラメータ値:3+3+3=9
この結果、総パラメータ値(回線速度)が最小値「6」となるルートR2が採択される。
また、他の例として、ホップ数をパラメータとした場合、各総パラメータ値は次のとおりになる。
ルートR1:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT10→ワイドルー
タWRT14
=総パラメータ値:1+1=2
ルートR2:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT12→ワイドルー
タWRT13→ワイドルータWRT14
=総パラメータ値:1+1+1=3
ルートR3:ワイドルータWRT11→ワイドルータWRT15→ワイドルー
タWRT16→ワイドルータWRT14
=総パラメータ値:1+1+1=3
この結果、総パラメータ値(ホップ数)が最小値「2」となるルートR1が採択される。
ワイドルータWRT11では、図40に示すワイドルーティングテーブル313から宛先「N20」向けのパラメータ「2:ホップ数」対応の経路を検索した結果、ルーティング先は「ワイドルータWRT10」、ワイド情報1は「ワイドルータWRT14」であることを確認する。
この例では、ワイドルータWRT11は、ワイドルーティングテーブル313を参照して、先ずプロトコルIPv4(図31)またはプロトコルIPv6(図32)の発呼情報に対して、ワイド情報1「ワイドルータWRT14」を格納する。次に、ワイドルータWRT11はルーティング先のワイドルータWRT10に発呼情報を転送処理する。
ワイドルータWRT11からの発呼情報を受信したワイドルータWRT10では、発呼情報にワイド情報(ワイド情報1,2)が含まれているか否かを確認する。この場合、ワイド情報1「ワイドルータWRT14」が含まれているため、ワイドルータWRT10は次段のワイドルータWRT14に対して発呼情報を転送処理する。このとき、ワイドルータWRT10のワイド情報削除部321はワイド情報1「ワイドルータWRT14」を発呼情報のヘッダ部から削除する。
ワイドルータWRT10からの発呼情報を受信したワイドルータWRT14では、発呼情報にワイド情報が含まれているか否か確認する。この場合、ワイド情報は含まれていないため、ワイドルータWRT14では、図35に示すワイドルーティングテーブル313を参照して、IPヘッダの宛先IPアドレスにより示される宛先を確認する。ワイドルータWRT14は、宛先が自ルータ配下のエリアルータARTである場合は、当該エリアルータARTに発呼情報を転送する。ここでは、発呼情報の宛先は「N20」であるため、ワイドルータWRT14はエリアルータART21にルーティング処理を行う。
エリア網ANW2におけるエリアルータART21では、図36に示す自己保有のエリアルーティングテーブル212を参照して、ワイドルータWRT14から受信した発呼情報をルーティング処理する。エリアルータART21では、先ず発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスが示す宛先(ネットワーク)を確認し、エリアルーティングテーブル212に該当があるか否かを確認する。
この例では、IPヘッダの宛先IPアドレスは宛先「N20」であり、ルーティング先は「エリアルータART20」となる。したがって、エリアルータART21は受信した発呼情報をエリアルータART20に転送する。
エリアルータART20では、図37に示す自已保有のエリアルーティングテーブル212を参照して、エリアルータART21から受信した発呼情報を処理する。エリアルータART20では、先ず発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスにより示される宛先(ネットワーク)を確認し、エリアルーティングテーブル212に該当があるか否かを確認する。
この例では、IPヘッダの宛先IPアドレスは宛先「N20」であり、ルーティング先は「ローカルルータLRT21」であるため、エリアルータART20は受信した発呼情報をローカルルータLRT21に転送する。
このとき、エリアルータART20は、ヘッダ管理部217の第1の経路作成部2171により、着端末TE20向けに、発呼情報のヘッダ部に付加情報フラグ及び付加情報を付加する。ここでは、付加情報フラグは「0」であり、付加情報は「ローカルルータLRT20」となる。付加情報フラグ及び付加情報を付加された発呼情報は、ヘッダ管理部217の経路送信部2174により送信される。
なお、付加情報フラグについては、上述した第3の動作例(エリア網ANWからローカル網LNWへの再接続要求にて、ローカル網LNW内でルーティングする通信形態)の場合には、付加情報フラグ「1」を付ける。その他の場合は全て付加情報フラグ「0」を付ける。
ローカル網LNW21におけるローカルルータLRT21では、図38に示す自己保有のスリムルーティングテーブル112を参照して、エリアルータART20から受信の発呼情報を処理する。ローカルルータLRT21では、先ず発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスをスリムルーティングテーブル112により確認し、自分宛、つまりローカルルータLRT21が収容する端末TE宛かどうかを確認する。宛先がローカルルータLRT21収容の端末TE宛であれば、宛先IPアドレスに該当する宛先ポートに対して発呼情報を送信する。
また、宛先が自分宛で無い場合、ローカルルータLRT21は発呼情報のヘッダ部に付加情報が有るか無いか確認し、有る場合は付加情報の示す宛先に発呼情報を転送する。付加情報が無い場合は、スリムルーティングテーブル212によりルーティング処理する。この例では、付加情報としてローカルルータLRT20」があるので、ローカルルータLRT21はローカルルータLRT20に発呼情報を転送する。
ローカルルータLRT20では、図39に示す自己保有のスリムルーティングテーブル112を参照して、ローカルルータLRT21から受信した発呼情報を処理する。先ず、発呼情報のヘッダ部におけるIPヘッダの宛先IPアドレスをエリアルーティングテーブル112により確認する。宛先「N20」は自ルータで収容する端末TE20対応であるため、ローカルルータLRT20では、受信した発呼情報の宛先IPアドレスに該当する宛先ポートに対して発呼情報を送信する。
ローカル網LNW12において、発端末TE14を収容するローカルルータLRT14では、上記予め定めた時間後に、発端末TE14に対して通信可メッセージを送信する。通信可メッセージを受信した発端末TE14は、データ(データパケット)送信を開始する。データパケットは、発呼情報と同じく、発端末TE14→ローカルルータLRT14→エリア網ANW1(エリアルータART12→エリアルータART11)→ワイド網WNW(ホップ数に基づくパラメータルーティング)→エリア網ANW2(エリアルータART21→エリアルータART20)→ローカル網LNW21(ローカルルータLRT21→ローカルルータLRT20)→着端末TE20の順で転送される。
〔第6の動作例〕
図2から図8、及び図41から図47を参照して、上述した通信ネットワークシステムNNSにおける第6の動作例について説明する。
第6の動作例は、ローカル網LNW12内のローカルルータLRT13,LRT14,LRT15,LRT16間、及びローカル網LNW12のエッジ位置のローカルルータLRT14とローカル網LNW12に直接接続されるエリア網ANW1のエッジ位置のエリアルータART12との通信形態として、ルーティング情報の交換について説明する。
なお、ここで述べる動作の制御は、各ローカルルータLRT及びエリアルータART12における制御部113,213がルーティングテーブル作成部115,215及びヘッダ分析部117,216などの構成要素と協働して実施されるが、特に限定を要しないときは、その構成要素の説明を省略する。
〈ルーティング情報の交換〉
(1)ローカル網LNW12内のローカルルータLRT(LRT13,LRT14,LRT15,LRT16)同士では、各ローカルルータLRTが、互いに隣接する他のローカルルータLRTと、次のようにルーティング情報の交換、を行う。また、ローカルルータLRT14とエリア網ANW1におけるエリアルータART12とは、次のようにルーティング情報の交換を行う。
(a)ローカルルータLRT16がローカルルータLRT15にルーティング情報(ローカルルータ情報)を通知すると、ローカルルータLRT15ではローカルルータLRT16を認識する。
(b)ローカルルータLRT15がローカルルータLRT16,LRT14にローカルルータ情報を通知する。ローカルルータLRT16,LRT14ではローカルルータLRT15をそれぞれ認識する。
(c)ローカルルータLRT14がローカルルータLRT15,LRT13及びエリアルータART12にローカルルータ情報を通知する。ローカルルータLRT15,LRT13ではローカルルータLRT14をそれぞれ認識する。また、エリアルータART12ではローカルルータLRT14を認識する。
(d)ローカルルータLRT13がローカルルータLRT14にローカルルータ情報を通知する。ローカルルータLRT14ではローカルルータLRT13を認識する。
ここまでのルーティング情報の交換結果、図42から図46に示すように、各ローカルルータLRTのスリムルーティングテーブル112及びエリアルータART12のエリアルーティングテーブル212の状態は次のようになる。
ローカルルータLRT16のテーブル112においては、宛先「N15」及びルーティング先「ローカルルータLRT15」が設定される(図42)。
ローカルルータLRT15のテーブル112においては、宛先「N16」,「N14」及びルーティング先「ローカルルータLRT16」,「ローカルルータLRT14」が設定される(図43)。
ローカルルータLRT14のテーブル112においては、宛先「N15」,「N13」及びルーティング先「ローカルルータLRT15」,「ローカルルータLRT13」が設定される(図44)。
ローカルルータLRT13のテーブル112においては、宛先「その他」及びルーティング先「ローカルルータLRT14」が設定される(図45)。
エリアルータART12のテーブル212においては、宛先「N13」,「N14」,「N15」,「N16」及びルーティング先「ローカルルータLRT14」が設定される(図46)。
(2)エリアルータART12は、ローカル網LNW12と直接接続となるローカルルータLRT14にルーティング情報としてエリアルータ情報を通知する。エリアルータ情報を受信したローカルルータLRT14は、自身のルーティングテーブル112に宛先「その他」及びルーティング先「エリアルータART12」を追加すると同時に、接続している全ての出方路対応(入方路は除く)のローカルルータLRT13,LRT15にエリアルータ情報を送信する。
ローカルルータLRT13,LRT15は送信されたエリアルータ情報を受信する。ローカルルータLRT13は更に接続されるルータは無いため、受信後、エリアルータ情報を廃棄する。ローカルルータLRT15は出方路(ネクストホップ)のローカルルータLRT16にエリアルータ情報を送信する。
ローカルルータLRT16は送信されたエリアルータ情報を受信する。ローカルルータLRT16は、その次につながる出方路(ネクストホップ)が無いため、エリアルータ情報を廃棄する。
これにより、ローカル網LNW12内の全ローカルルータLRTにエリアルータ情報の通知が完了する。なお、ネットワーク形状(例えば、ループ型、リング型等)によっては、エリアルータ情報がループする可能性があるため、エリアルータ情報には呼番号を付け、受信したローカルルータLRTで呼番号をチェックして、重複した場合は重複のエリアルータ情報を廃棄することにより対処可能である。
(3)エリアルータ情報を受信した全ローカルルータLRTでは、ルーティングテーブル作成部115の機能により、エリアルータ情報(エリアルータ向け方路)をスリムルーティングテーブル112に追加する。
上述した(2)及び(3)の処理結果、図42から図45に示すように、ローカルルータLRT13からローカルルータLRT16の各スリムルーティングテーブル112は、次の状態に設定される。
ローカルルータLRT16のテーブル112においては、エリアルータ向け方路として、ルーティング先「ローカルルータLRT15」が追加設定される(図42)。
ローカルルータLRT15のテーブル112においては、エリアルータ向け方路として、ルーティング先「ローカルルータLRT14」が追加設定される(図43)。
ローカルルータLRT14のテーブル112においては、エリアルータ向け方路として、ルーティング先「エリアルータART12」が追加設定される(図44)。
ローカルルータLRT13のテーブル112においては、エリアルータ向け方路として、ルーティング先「ローカルルータLRT14」が追加設定される(図45)。
(4)次に、各ローカルルータLRTは、エリアルータ向け方路にルーティング情報として、ローカルルータ情報を送信する。なお、ローカルルータ情報は、ヘッダ管理部116の経路付加部1161の機能により、エリアルータART12に到達するまで、各ローカルルータLRTを経由する度に、経由したローカルルータ情報を付加していく。
ローカルルータLRT13から送信されるローカルルータ情報は、「ローカルルータLRT13、ローカルルータLRT14」として、エリアルータART12に到着する。
ローカルルータLRT14から送信されるローカルルータ情報は、「ローカルルータLRT14」として、エリアルータART12に到着する。
ローカルルータLRT15から送信されるローカルルータ情報は、「ローカルルータLRT15、ローカルルータLRT14」として、エリアルータART12に到着する。
また、ローカルルータLRT16から送信されるローカルルータ情報は、「ローカルルータLRT16、ローカルルータLRT15、ローカルルータLRT14」として、エリアルータART12に到着する。
この結果、エリアルータART12のエリアルーティングテーブル212は、図46に示す状態に設定される。
〈ローカルルータLRTの追加、削除〉
エリアルータART12と各ローカルルータLRT間では、定期的にルーティング情報の交換を実施する。ローカルルータLRTを新規に追加登録するとき、新規のローカルルータLRTからエリアルータART12にルーティング情報を送信することにより、エリアルータART12におけるエリアルーティングテーブル212に追加される。
また、ローカルルータLRTの削除時は、エリアルータART12でそのローカルルータLRT対応のルーティング情報を受信しないため、エリアルータART12でエリアルーティングテーブル212から自動的に削除する。例えば、ローカルルータLRT13が削除された場合、エリアルーティングテーブル212の状態は図47に示すように変化する。
本発明によれば、ユニークなルーティング処理を採用した通信ネットワークシステムを提供できる。
本発明によれば、階層ネットワーク及び中継装置における処理負荷を大幅に軽減することができる。
本発明によれば、AS間ルーティングプロトコルとしてのBGP−4などを採用した場合の上記不都合、つまり回線が細い(伝送帯域幅が狭い)またはAS間が物理的に遠いにも関わらず、経由AS数が最小となる経路を自動的に選択してしまうことを回避することができる。
本発明によれば、階層ネットワーク全体として効率的な通信が行える。
本発明によれば、基幹となる上位階層のネットワークにおいてパラメータによる優先制御を柔軟に適用することができる。
本発明によれば、階層ネットワークにおける各種通信形態に応じて最適なルーティング処理を適用することができる。

Claims (39)

  1. 分散配置の少なくとも1つの端末をそれぞれ収容し、隣接同士で回線接続される複数の第1の中継装置をそれぞれ有する複数の下位階層のネットワークと;
    隣接同士で回線接続される複数の第2の中継装置を有し、前記複数の下位階層のネットワークにおけるそれぞれのエッジ位置の前記第1の中継装置と回線接続されるエッジ位置の前記第2の中継装置を介して、前記複数の下位階層のネットワーク間を接続する中位階層のネットワークとを備え;
    前記複数の下位階層のネットワークにおける前記第1の中継装置のそれぞれは、自己対応のルーティング情報と、前記回線を通して隣接状態になる前記第1の中継装置及び前記エッジ位置の第2の中継装置の少なくとも一方に関するルーティング情報とに制限して保持する第1のルーティングテーブルを有し、
    前記中位階層のネットワークにおける前記第2の中継装置のそれぞれは、前記回線を通して隣接状態になる前記第2の中継装置及び前記エッジ位置の第1の中継装置の少なくとも一方に関するルーティング情報を含んで保持する第2のルーティングテーブルを有する
    通信ネットワークシステム。
  2. 前記中位階層のネットワークが複数存在するとき、
    隣接同士で回線接続される複数の第3の中継装置を有し、前記複数の中位階層のネットワークにおけるそれぞれのエッジ位置の前記第2の中継装置と回線接続されるエッジ位置の前記第3の中継装置を介して、前記複数の中位階層のネットワーク間を接続する上位階層のネットワークを更に備え、
    前記複数の中位階層のネットワークにおける前記第2の中継装置のそれぞれの前記第2のルーティングテーブルは、前記エッジ位置の第3の中継装置に向かうためのルーティング情報を更に保持し、
    前記上位階層のネットワークにおける前記エッジ位置の第3の中継装置のそれぞれは、隣接状態の前記第3の中継装置との各区間における回線の優先度特定のためのパラメータに基づくルーティング処理を可能とする第3のルーティングテーブルを有する
    請求項1記載の通信ネットワークシステム。
  3. 前記上位階層のネットワークは、前記複数の中位階層のネットワーク間を高速回線を通して接続する基幹網である
    請求項2記載の通信ネットワークシステム。
  4. 前記上位階層のネットワーク内の前記複数の第3の中継装置は、高速回線を通してメッシュ型に接続され、
    前記中位階層のネットワーク内の前記複数の第2の中継装置及び前記下位階層のネットワーク内の前記第1の中継装置は、それぞれツリー構造で回線を通して接続される
    請求項2記載の通信ネットワークシステム。
  5. 前記第1及び第2の中継装置、または前記第3の中継装置は、ルータである
    請求項1または2記載の通信ネットワークシステム。
  6. 前記第1の中継装置のそれぞれは、
    前記回線を通して隣接状態になる前記第1の中継装置及び前記エッジ位置の第2の中継装置の少なくとも一方に関するルーティング情報を得るために、前記下位階層のネットワーク内の物理接続状態を情報交換する制御部を有する
    請求項1記載の通信ネットワークシステム。
  7. 前記第1の中継装置のそれぞれは、
    発端末から送信された発呼情報を前記第1の中継装置から前記エッジ位置の第2の中継装置に転送するとき、受信した前記発呼情報のヘッダ部における経路追加情報領域に経由した前記第1の中継装置に関する情報をルーティング情報として順次追加する経路付加部を有する
    請求項1記載の通信ネットワークシステム。
  8. 前記第1の中継装置のそれぞれは、
    前記第1のルーティングテーブルを参照したルーティング処理を行うために、前記端末、前記第1の中継装置、または前記エッジ位置の第2の中継装置から送信される前記発呼情報のヘッダ部の内容を分析するヘッダ分析部を有する
    請求項1記載の通信ネットワークシステム。
  9. 前記第1の中継装置のそれぞれは、
    一つの前記下位階層のネットワーク内の通信を行わせるために、前記エッジ位置の第2の中継装置から再発呼要求の返信情報が発端末宛に送信され、前記発端末が着端末宛に再び発呼情報を送信するときに、前記発端末から送信された再発呼情報を受信後に、前記発端末に対してデータパケットの送信指示要求を送出する送信指示部を有する
    請求項1記載の通信ネットワークシステム。
  10. 前記第1の中継装置のそれぞれは、
    一つの前記下位階層のネットワーク範囲外の通信を行わせるために、前記発端末が着端末宛に発呼情報を送信した後、予め定めた時間が経過したとき、前記発端末に対してデータパケットの送信指示要求を送出する送信指示部を有する
    請求項1記載の通信ネットワークシステム。
  11. 前記第2の中継装置のそれぞれは、
    前記回線を通して隣接状態になる前記第2の中継装置及び前記エッジ位置の第1の中継装置に関するルーティング情報と、前記エッジ位置の第3の中継装置に向かうためのルーティング情報との少なくとも一方を得るために、前記複数の下位階層のネットワーク内及び前記中位階層のネットワーク内の物理接続状態を情報交換する制御部を有する
    請求項1または2記載の通信ネットワークシステム。
  12. 前記第2の中継装置のそれぞれは、
    前記第2のルーティングテーブルを参照したルーティング処理を行うために、前記エッジ位置の第1の中継装置、前記第2の中継装置、または前記エッジ位置の第3の中継装置から送信される前記発呼情報のヘッダ部の内容を分析するヘッダ分析部を有する
    請求項1または2記載の通信ネットワークシステム。
  13. 前記第2の中継装置のそれぞれは、
    前記上位階層のネットワークから受信した発呼情報について、着側の前記下位階層のネットワークへの経路を作成する第1の経路作成部を有する
    請求項2記載の通信ネットワークシステム。
  14. 前記第2の中継装置のそれぞれは、
    前記下位階層のネットワークから受信した発呼情報について、前記第2の中継装置を経由しなくても、前記下位階層のネットワーク内で接続が可能か否かを判定する経路チェック部を有する
    請求項1または2記載の通信ネットワークシステム。
  15. 前記第2の中継装置のそれぞれは、
    前記下位階層のネットワークから受信した発呼情報について、前記経路チェック部による判定結果、前記第2の中継装置を経由しなければ接続できないとき、着側の前記下位階層のネットワークへの経路を示すルーティング情報を作成する第1の経路作成部を有する
    請求項14記載の通信ネットワークシステム。
  16. 前記第1の経路作成部は、作成したルーティング情報を付加情報として、前記発呼情報のヘッダ部の付加情報領域に付加する
    請求項13または15記載の通信ネットワークシステム。
  17. 前記第1の経路作成部は、作成したルーティング情報を付加情報として、前記発呼情報のヘッダ部に付加する場合、着端末から発端末への返信時に前記着端末で受信の付加情報を逆順路で参照するか否かを示す付加情報フラグを併せて付加する
    請求項16記載の通信ネットワークシステム。
  18. 前記第2の中継装置のそれぞれは、
    前記下位階層のネットワークから受信した発呼情報について、前記経路チェック部による判定結果、前記第2の中継装置を経由しなくても、前記下位階層のネットワーク内で接続できるとき、発端末から着端末までの前記下位階層のネットワーク内のルーティング情報を作成する第2の経路作成部を有する
    請求項14記載の通信ネットワークシステム。
  19. 前記第2の経路作成部は、作成した前記下位階層のネットワーク内のルーティング情報を返信情報のヘッダ部に設定する
    請求項18記載の通信ネットワークシステム。
  20. 前記第2の経路作成部は、作成した前記下位階層のネットワーク内のルーティング情報を返信情報のヘッダ部に設定するとき、フラグ情報を併せて設定する
    請求項19記載の通信ネットワークシステム。
  21. 前記第2の中継装置のそれぞれは、
    前記第1の経路作成部により前記付加情報フラグ及び前記付加情報を付加された前記発呼情報を前記下位階層のネットワークに対して送信する経路送信部を有する
    請求項17記載の通信ネットワークシステム。
  22. 前記第2の中継装置のそれぞれは、
    前記第2の経路作成部により前記下位階層のネットワーク内のルーティング情報及び前記フラグ情報を付加された前記返信情報を前記下位階層のネットワークに対して送信する経路送信部を有する
    請求項20記載の通信ネットワークシステム。
  23. 前記第2の中継装置のそれぞれは、
    前記下位階層のネットワークから受信した前記発呼情報のヘッダ部における経路追加情報領域に含まれているルーティング情報を読取る経路読取部を有する
    請求項1または2記載の通信ネットワークシステム。
  24. 前記第2の中継装置のそれぞれは、
    前記経路読取部により前記発呼情報の前記経路追加情報領域に含まれる前記ルーティング情報を読取った後、前記経路追加情報領域の前記ルーティング情報を削除する経路削除部を有する
    請求項23記載の通信ネットワークシステム。
  25. 前記第3の中継装置のそれぞれは、
    隣接状態の前記第3の中継装置との各区間における回線の前記パラメータを管理するためのパラメータテーブルを有する
    請求項2記載の通信ネットワークシステム。
  26. 前記パラメータは、回線帯域、ホップ数、料金、セキュリティ強度、及び輻輳・障害状況の少なくとも1つを含む
    請求項2または25記載の通信ネットワークシステム。
  27. 前記第3の中継装置のそれぞれは、
    前記パラメータテーブルを作成するために、隣接状態の前記第3の中継装置と前記パラメータを情報交換する制御部を有する
    請求項25記載の通信ネットワークシステム。
  28. 前記第3の中継装置のそれぞれは、
    個別で持つ前記パラメータを管理する自パラメータデータを有する
    請求項27記載の通信ネットワークシステム。
  29. 前記第3の中継装置のそれぞれは、
    前記制御部により前記自パラメータデータを隣接状態の前記第3の中継装置同士で情報交換し、前記パラメータテーブルを作成するパラメータテーブル作成部を有する
    請求項28記載の通信ネットワークシステム。
  30. 前記第3の中継装置のそれぞれは、
    前記パラメータテーブルに基づいて前記第3のルーティングテーブルを作成するルーティングテーブル作成部を有する
    請求項29記載の通信ネットワークシステム。
  31. 前記第3の中継装置のそれぞれは、
    前記上位階層のネットワーク内において前記パラメータのいずれによってルーティング処理を行うかを予めデフォルト設定可能にする制御部を有する
    請求項2記載の通信ネットワークシステム。
  32. 前記第3の中継装置のそれぞれは、
    前記上位階層のネットワーク内において前記パラメータのいずれによってルーティング処理を行うかを前記端末からの前記発呼情報に含まれるパラメータ要求に応じて設定可能にする制御部を有する
    請求項2記載の通信ネットワークシステム。
  33. 前記第3の中継装置のそれぞれは、
    前記第3のルーティングテーブルを参照してルーティング処理を行うために、受信した発呼情報のヘッダ部の内容を分析するヘッダ分析部を有する
    請求項2記載の通信ネットワークシステム。
  34. 前記第3の中継装置のそれぞれは、
    発呼情報を隣接状態の前記第3の中継装置から受信した場合、前記上位階層のネットワーク内で経由する前記第3の中継装置対応のルーティング情報の有無を確認し、このルーティング情報が有るときは、指定されている次段の前記第3の中継装置に前記発呼情報を転送する制御部を有する
    請求項2記載の通信ネットワークシステム。
  35. 前記第3の中継装置のそれぞれは、
    前記第3のルーティングテーブルを参照したルーティング処理を行った結果、前記上位階層のネットワーク内で経由させる前記第3の中継装置対応のルーティング情報が有るときは、このルーティング情報を前記発呼情報のヘッダ部に付加するヘッダ付加部を有する
    請求項2記載の通信ネットワークシステム。
  36. 前記第3の中継装置のそれぞれの前記制御部は、前記発呼情報に前記パラメータ要求が無い場合は、前記デフォルト設定の前記パラメータによるルーティング処理を行う
    請求項32記載の通信ネットワークシステム。
  37. 前記第3の中継装置のそれぞれの前記制御部は、前記発呼情報に前記パラメータ要求が有り、かつこのパラメータ要求対応の内容が前記デフォルト設定に有る場合は、前記デフォルト設定の前記パラメータによるルーティング処理を行う
    請求項32記載の通信ネットワークシステム。
  38. 前記第3の中継装置のそれぞれの前記制御部は、前記発呼情報に前記パラメータ要求が有り、かつこのパラメータ要求対応の内容が前記デフォルト設定に無い場合は、前記端末の要求する前記パラメータについて、隣接状態の前記第3の中継装置との各区間における回線の前記パラメータを管理するためのパラメータテーブルから最適な経路を求め、求めた最適経路を前記第3のルーティングテーブルに追加設定して、ルーティング処理を行う
    請求項32記載の通信ネットワークシステム。
  39. 前記第3の中継装置のそれぞれは、
    前記上位階層のネットワーク内で経由する前記第3の中継装置対応のルーティング情報の含まれた前記発呼情報を受信した場合、このルーティング情報で示される次段の前記第3の中継装置に前記発呼情報を転送するとき、自己宛のルーティング情報をを削除する削除部を有する
    請求項2記載の通信ネットワークシステム。
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