JP3802458B2 - パック電池とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池の一部または全体を樹脂成形部にインサートして製作してなるパック電池とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パック電池は、安価に多量生産できることが大切である。さらに、パック電池は、高い寸法精度も要求される。寸法精度は、特に出力端子の位置に高い精度が要求される。それは、電気機器に設けている装着部に正確にセットさせて、出力端子を接触不良が起こらないように電気機器の電源端子に接続するためである。現在、市販されているパック電池は、プラスチックで成形した外装ケースに、電池に必要なパーツを連結しているコアパックを入れた構造である。この構造のパック電池は、外装ケースを正確な寸法に成形して、パック電池の外形を規定の寸法にできる。ただ、この構造のパック電池は、外装ケースにコアパックを入れて組み立てるので、製造に手間がかかって安価に多量生産するのが難しい。
【0003】
組立工程を極めて簡単にできるパック電池として、外装ケースを使用しないパック電池が開発されている。このパック電池は、外装ケースに相当する樹脂成形部を成形するときに、電池に必要な部品を連結しているコアパックの一部を樹脂成形部にインサートして製作される。この構造のパック電池は、電池に必要な部品を連結してコアパックとし、このコアパックを樹脂成形部を成形する金型の成形室に仮り止めし、成形室に溶融状態の合成樹脂を注入して製作される。このパック電池は、樹脂成形部を成形するときにコアパックを固定できるので、外装ケースを省略して能率よく製作できる。樹脂成形部は、パック電池の外装ケースの一部を形成すると共に、電池に連結している部品を固定する働きをする。したがって、樹脂成形部を成形するときにコアパックを固定できるので、安価に能率よく多量生産できる特長がある。この構造のパック電池は、たとえば特開2000-315483号公報に記載される。この公報のパック電池は、図1に示すように、外装ケースとなる樹脂成形部にコアパックをインサートして成形している。このパック電池は、回路基板91等のパック電池を構成するパーツを電池92に連結しているコアパック90を金型93の成形室94に仮り止めし、成形室94に溶融状態のプラスチックを注入してコアパック90の一部を樹脂成形部に埋設する状態でインサートし、プラスチックを硬化させた後に脱型して製作される。このパック電池は、樹脂成形部とコアパックとを隙間のない一体構造に連結して多量生産できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この構造のパック電池は、リード線を介して出力端子をパック電池とは別に連結しているので、この部分の製作に手間がかかる欠点がある。また、この構造のパック電池は、リード線が断線する等の弊害もある。このため、たとえば携帯電話に使用されるパック電池等にあっては、リード線で出力端子を設ける構造はほとんど採用されない。出力端子を樹脂成形部にインサートして定位置に固定できる。ただ、出力端子となる金属板を金型の成形室の正確な位置に仮り止めして、樹脂成形部を成形するのは現実に非常に難しい。
【0005】
本発明は、このように欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、簡単な構造で出力端子を樹脂成形部の定位置に固定できると共に、安価に多量生産できるパック電池とその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のパック電池は、電池2の一部ないし全体を樹脂成形部1にインサートして固定すると共に、出力端子3を外部に表出するように樹脂成形部1にインサートして固定している。パック電池は、樹脂成形部1に、電池2に電気接続されると共に、ケーシング11の一部あるいは全体を絶縁材とする保護素子4をインサートしている。パック電池は、この保護素子4の絶縁ケーシング11の表面に出力端子3を固定している。保護素子4は一対の端子を有しており、片方の端子をリード片4Bとし、他方の端子を出力端子3としており、リード片4Bを電池2の凸部電極2Bの端面に固定している。
【0007】
保護素子4は、本体部4Aと、この本体部4Aに連結しているリード片4Bとで構成することができる。この保護素子4は、リード片4Bを電池2の凸部電極2Bの端面に固定して、本体部4Aを凸部電極2Bのない平面部2Cと対向する位置に配置することができる。このパック電池は、本体部4Aと電池端面の平面部2Cとの間に寸法吸収隙間6を設けて、この寸法吸収隙間6に樹脂成形部1を成形している樹脂を注入できる。さらに、保護素子4は、本体部4Aの裏面側にリード片4Bを固定して、このリード片4Bを凸部電極2Bに固定し、本体部4Aと電池端面の平面部2Cとの間に、凸部電極2Bの高さにほぼ等しい間隔の寸法吸収隙間6を設けることができる。
【0008】
出力リード5は、電池端面の平面部2Cに固定される固定部5Aと、出力端子3となる出力端子部5Bと、この出力端子部5Bと固定部5Aとを平行に連結する連結部5Cとで構成することができる。この出力リード5は、固定部5Aを電池2に固定して樹脂成形部1にインサートされて、出力端子部5Bの一部を樹脂成形部1の外部に表出することができる。
【0009】
護素子4は、絶縁材であるケーシング11に出力端子3を固定すると共に、この出力端子3をケーシング11の一部に併用して、出力端子3の表面をパック電池の外部に表出し、出力端子3の裏面をケーシング11の内部で保護素子4の接点に使用することができる。
【0010】
本発明の請求項のパック電池の製造方法は、保護素子4の本体部4Aに連結している可撓性のあるリード片4Bを電池端面の凸部電極2Bに固定して、表面側に出力端子3を固定している保護素子4の本体部4Aを電池端面の平面部2Cと対向する位置に配設すると共に、固定部5Aと出力端子部5Bの相対位置を変更できる可撓性を有する出力リード5の固定部5Aを電池端面の平面部2Cに固定して電池のコアパック10とする。さらに、このコアパック10を金型30の成形室31に仮り止めして、コアパック10を仮り止めしている成形室31に溶融状態の合成樹脂を注入して、成形室31で成形される樹脂成形部1でコアパック10の保護素子4を定位置に固定する。さらに、この製造方法は、保護素子4の本体部4Aの表面に設けている出力端子3を成形室31の基準面32に押し付けるように保護素子4を押圧すると共に、出力リード5の出力端子部5Bを基準面32に押し付けるように出力端子部5Bを押圧して定位置に保持し、この状態で成形室31に溶融樹脂の注入を開始して樹脂成形部1を成形する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのパック電池とその製造方法を例示するものであって、本発明はパック電池とその製造方法を以下のものに特定しない。
【0012】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0013】
図2のパック電池は、電池端面に樹脂成形部1を成形している。この樹脂成形部1は、保護素子4をインサートして成形される。図のパック電池は、凸部電極2Bがある電極端面に樹脂成形部1を固定しているが、凸部電極のある電池端面とは反対側の電池端面に樹脂成形部を固定して、ここに保護素子をインサートすることもできる。また、薄型電池は、図示しないが、幅の狭い両側面に樹脂成形部を固定して、ここに保護素子をインサートすることもできる。凸部電極とは反対側に保護素子をインサートし、あるいは薄型電池の側面に保護素子をインサートして配設するパック電池は、保護素子のリード片4Bを薄型電池の側面に沿って絶縁しながら延長して凸部電極に接続する。
【0014】
パック電池は、図3と図4の斜視図に示すように、電池のコアパック10を金型30の成形室31に仮り止めし、成形室31に溶融樹脂を注入して、保護素子4と出力リード5を含むコアパック10の一部を樹脂成形部1にインサートして製作される。コアパック10は、保護素子4と出力リード5を電池2に連結したものである。図3と図4に示すコアパック10は、保護素子4と出力リード5を電池2に連結している。保護素子4と出力リード5とを連結しているコアパック10は、最も簡単な構造で、安価に製造できる。ただし、本発明のパック電池は、図示しないが、保護素子と出力リードに加えて、プリント基板等を樹脂成形部にインサートする構造とすることもできる。
【0015】
保護素子4は、電池が異常な状態になると電流を遮断して電池を安全に保護するもので、ブレーカ、PTC、ヒューズのいずれかである。ブレーカは、温度や過電流を検出して電流を遮断する。PTCは、温度を検出して電流を実質的に遮断する。ヒューズは、過電流を検出して電流を遮断する
【0016】
これ等の保護素子4は、本体部4Aにリード片4Bを連結している。保護素子4は、本体部4Aのケーシング11の一部あるいは全体を絶縁材とし、この絶縁ケーシング11の表面に出力端子3を固定している。図5と図6に示す保護素子4は、出力端子3を固定している部分を除く部分を絶縁材であるプラスチックで成形している。プラスチックでケーシング11を成形するときに、ケーシング11の上面となる位置に出力端子3をインサートして固定している。出力端子3はケーシング11を表裏に貫通して、表面と内面の両面に表出している。出力端子3の表面は、パック電池の樹脂成形部1から外部に表出される。出力端子3の内面はケーシング11に内蔵している保護部品に接続される。図の保護素子4は、出力端子3をケーシング11の表裏に表出させるので、出力端子3の部分を除くケーシング11の一部を絶縁材であるプラスチックで成形している。ただし、ケーシングの全体を絶縁材であるプラスチックで成形して、ケーシングの表面に、出力端子を、接続あるいはインサート等の構造で固定することもできる。また、ケーシングは、出力端子を絶縁する部分のみをプラスチック等の絶縁材で成形して、その他の部分を金属で製作することもできる。
【0017】
保護素子4は電池2と直列に接続されるので、一対の端子を必要とする。図の保護素子4は、片方の端子をリード片4Bとし、他方の端子を出力端子3としている。出力端子3は、本体部4Aのケーシング11の上面に固定され、リード片4Bは、本体部4Aのケーシング11から外部に突出して引き出される。図の保護素子4は、本体部4Aの表面側に出力端子3を固定して、裏面側にリード片4Bを固定している。リード片4Bは、正確には本体部4Aの裏面ではないが、裏面に近い側に固定している。したがって、本明細書において本体部4Aの裏面側とは、本体部4Aの裏面に近い部分を含む意味に使用する。本体部4Aの裏面側に固定しているリード片4Bは、保護素子4の両面と平行に伸びて電池2の凸部電極2Bの端面に固定される。リード片4Bと凸部電極2Bはスポット溶接やレーザー溶接等の方法で溶接して固定される。この姿勢で電池2に連結される保護素子4は、本体部4Aを電池端面の凸部電極2Bのない平面部2Cと対向する位置に配置する。このため、保護素子4の本体部4Aと電池端面の平面部2Cとの間に、寸法吸収隙間6が設けられる。寸法吸収隙間6は、樹脂成形部1を成形するときにリード片4Bを変形させて間隔を調整する。寸法吸収隙間6の間隔を調整するために、リード片4Bは、金型30の成形室31に仮り止めするときに変形できる可撓性のある金属プレートで製作される。この構造は、寸法吸収隙間6で電池2の寸法誤差を吸収することができる。
【0018】
図の保護素子4は、ブレーカである。ブレーカは、ケーシング11に内蔵する保護部品として、可動接点12と、温度で可動接点12をオンオフに切り換える温度変形金属13とを備える。可動接点12は、弾性変形できる導電性の金属板で、一端を出力端子3に固定して、先端には接点金属12Aを固定している。可動接点12は、ケーシング11に固定しているリード片4Bの固定接点14に先端の接点金属12Aを接触させてオン状態となり、リード片4Bから離れてオフに切り換えられる。温度変形金属13は、熱膨張率が異なる複数の金属を積層したバイメタルやトリメタルである。温度変形金属13は、温度が上昇すると変形して、オン位置にある可動接点12をオフ位置に切り換える。図の可動接点12と温度変形金属13は、中心に中心孔15を設けて、ここにケーシング11に設けている凸部16を入れて定位置に配置させている。
【0019】
この図のブレーカは、温度変形金属13が電池温度を検出して可動接点12をオンオフに切り換える。図示しないが、ブレーカは、温度変形金属に電池の電流が流れる構造とし、あるいは電池と直列に加熱抵抗を接続して、加熱抵抗で温度変形金属を加熱する構造として、過電流を検出して電流を遮断することもできる。また、可動接点を温度変形金属とすることもできる。このブレーカは、可動接点が温度変形金属に併用されるので、内部構造を簡単にできる。
【0020】
図の保護素子4はブレーカであるが、保護部品をPTC、ヒューズのいずれかとすることができる。PTCは、温度が設定温度よりも高くなると、電気抵抗が飛躍的に大きくなって電流を実質的に遮断する部品を、出力端子とリード片との間に接続する。ヒューズは、過電流で溶断される保護部品を出力端子とリード片に接続する
【0021】
出力リード5は、電池端面の平面部2Cに固定される固定部5Aと、出力端子3となる出力端子部5Bと、この出力端子部5Bと固定部5Aとを平行に連結する連結部5Cとからなる。この出力リード5は、金属プレートを折曲加工して製作される。出力リード5は、スポット溶接やレーザー溶接等の方法で固定部5Aを平面部2Cに溶接して固定される。出力リード5は、固定部5Aと出力端子部5Bとの相対位置を変更できる可撓性を有する。この出力リード5は、電池2の寸法誤差を吸収して、出力端子部5Bを正確な位置に配置できる。規定寸法よりも小さい電池に固定される出力リード5は、固定部5Aと出力端子部5Bとの距離を離し、反対に規定寸法よりも大きい電池に固定される出力リード5は、固定部5Aと出力端子部5Bとの距離を接近させて、出力端子部5Bを正確な位置に配置する。可撓性のある出力リード5は、たとえば連結部5Cの一部を細くし、あるいは連結部5Cにく字状に折曲している折曲部を設けて、固定部5Aと出力端子部5Bの位置を変更できる。また、図に示すように、金属プレートをZ字状に折曲加工し、あるいは図示しないが、コ字状に折曲加工している出力リード5は、連結部5Cと固定部5Aとの境界の折曲角度と、連結部5Cと出力端子部5Bとの境界の折曲角度を変更して、固定部5Aと出力端子部5Bとの相対位置を変更できる。出力リード5は、樹脂成形部1にインサートして固定されるときに、固定部5Aと出力端子部5Bの相対位置が調整して固定される。すなわち、コアパック10を金型30の成形室31に仮り止めする状態で、出力端子部5Bが正確な位置に配置されて、出力端子部5Bを正確な位置に固定する。
【0022】
以上のコアパックは、金型30の成形室31に仮り止めするときに、保護素子4のリード片4Bと出力リード5とが変形して、電池2と出力端子3との相対位置を調整する。リード片4Bと出力リード5の変形量で、電池2の寸法誤差を修正しながら出力端子3を正確な位置に配置する。電池2は、製造工程において長さに相当な寸法誤差ができる。電池2の長さ方向の寸法誤差は、保護素子4と電池端面との寸法吸収隙間6を変化させ、さらに、出力リード5の固定部5Aと出力端子部5Bの相対位置を変化させて吸収できる。規格寸法よりも長い電池を内蔵するパック電池は、保護素子4の本体部4Aを電池端面の平面部2Cに接近させて寸法吸収隙間6を小さくすると共に、出力リード5の固定部5Aと出力端子部5Bの距離も短くする。規格寸法よりも短い電池を内蔵するパック電池は、寸法吸収隙間6を大きくすると共に、出力リード5の固定部5Aと出力端子部5Bとを離す。以上のようにして、パック電池の外形寸法を規定寸法とすると共に、出力端子3を正確な位置に配置する。
【0023】
以上の構造のコアパック10は、保護素子4と出力リード5を以下に記述する可動ピンで金型の基準面に押圧して、定位置に保持される。
【0024】
図7〜図11は、保護素子4を金型30の基準面32に押圧する可動ピン33を有する金型30を示す。これ等の金型30は、成形室31に可動ピン33を突出させて保護素子4の本体部4Aを成形室31の基準面32に押圧し、可動ピン33が保護素子4の本体部4Aを基準面32に押圧して定位置に保持する状態で、成形室31に溶融樹脂の注入を開始して、樹脂成形部1を成形する。
【0025】
図7の金型30の可動ピン33は、成形室31の内部に、保護素子4の本体部4Aの両面と平行な方向に弾性的に突出する直動ピン33Aである。この直動ピン33Aは、先端を傾斜面34として、傾斜面34で保護素子4の本体部4Aを金型30の基準面32に押圧する。傾斜面34は、直動ピン33Aを保護素子4の本体部4Aに向かって軸方向に移動させるとき、保護素子4の本体部4Aの表面を金型30の基準面32に押圧できる方向に傾斜している。保護素子4は、本体部4Aの表面を金型30の基準面32に押圧して、定位置に仮り止めされる。表面を基準面32に押圧するために、直動ピン33Aの傾斜面34は、保護素子4の本体部4Aの裏面、正確には保護素子4の本体部4Aの裏面と側面とのコーナーを押圧する。傾斜面34で押圧される保護素子4の本体部4Aは、表面と直交する方向の垂直分力で基準面32に押圧される。すなわち、直動ピン33Aが成形室31に押し出されると、保護素子4の本体部4Aのコーナーが傾斜面34を摺動して、表面を金型30の基準面32に押圧する。直動ピン33Aの傾斜面34は、図の実線で示す最も厚い保護素子4から、図の鎖線で示す最も薄い保護素子4まで押圧できる長さを有する。直動ピン33Aは、保護素子4の本体部4Aを、図において上下両側から弾性的に押圧して、表面を基準面32に押し付ける。直動ピン33Aは、好ましくは、上下に複数個を設けて、保護素子4の本体部4Aの複数箇所を上下両側から押圧する。このように、複数箇所が直動ピン33Aで押圧される保護素子4は、より確実に基準面32に押し付けられて、定位置に保持される。さらに、直動ピン33Aは、弾性的に保護素子4を押圧するために、外部で弾性体(図示せず)に連結している。さらに、直動ピン33Aは、コアパック10を成形室31にセットするときに後退する。直動ピン33Aがコアパック10のセットの邪魔にならないようにするためである。直動ピン33Aを後退させるために、直動ピン33Aは弾性体を介して、金型30の外部でシリンダーや後退機構等(図示せず)に連結される。シリンダー(図示せず)は、空気シリンダーとして、直動ピン33Aを弾性的に押し出すことができる。
【0026】
図8の可動ピン33も、保護素子4の本体部4Aに向かって成形室31に突出する直動ピン33Aである。この直動ピン33Aは、保護素子4の表面と平行な方向に成形室31に弾性的に突出されて、出力端子3が基準面32に当接するように、保護素子4の本体部4Aを裏面から押圧する。この直動ピン33Aは、保護素子4の本体部4Aの裏面を押圧する面に、先端縁が直動方向に伸びている山形凸条35を設けている。この山形凸条35が保護素子4の本体部4Aの裏面を押圧して、保護素子4の表面に設けている出力端子3を基準面32に保持する。この直動ピン33Aは、保護素子4の本体部4Aの裏面に沿って、裏面と平行に突出して、山形凸条35で保護素子4の本体部4Aの裏面を押圧する。山形凸条35は、図の実線で示す最も厚い保護素子4から図の鎖線で示す最も薄い保護素子4まで裏面を押圧する。山形凸条35は、成形室31の同じ位置に突出して、薄い保護素子4から厚い保護素子4まで押圧するが、厚い保護素子4は、深く食い込んで基準面32に向かって押圧し、浅い保護素子4は浅く食い込んで基準面に向かって押圧する。すなわち、山形凸条35は、保護素子4の本体部4Aの裏面に食い込んで基準面32に向かって押圧するが、厚い保護素子4と薄い保護素子4では、食い込む深さが異なる。この構造の可動ピン33は、簡単な構造で、山形凸条35を保護素子4の本体部4Aの裏面に食い込ませて、表面の出力端子3を基準面32にしっかりと押圧して定位置に保持できる。この直動ピン33Aも、好ましくは、上下に複数個を設けて、保護素子4の複数箇所を上下両側から押圧して保護素子4の本体部4Aを、より確実に基準面32に押し付けて定位置に保持できる。この直動ピン33Aも、傾斜面34のある直動ピン33Aと同じような機構で、コアパック10を成形室31にセットするとき後退させる。コアパック10をセットするときに邪魔にならないようにするためである。
【0027】
さらに、図9の可動ピン33は、成形室31の内面に突出して、保護素子4の本体部4Aの裏面を基準面32に向かって押圧する方向に回動する回動ピン33Bである。この回動ピン33Bは、保護素子4の本体部4Aの裏面を押圧して、保護素子4の表面の出力端子3を基準面32に押圧して定位置に保持する。回動ピン33Bは、金型30に回転できるように連結している回転軸36と、この回転軸36に中心から外に向かって伸びるように固定している押圧ピン37とを備える。さらに、回動ピン33Bは、金型30の外側から回動できるように、金型30の外側に駆動アーム38を突出させている。駆動アーム38は、一端を回転軸36に連結して、他端をシリンダー39等に連結している。回転軸36は、回転できるが成形室31の内面との間に隙間ができないように、金型30に連結している。回転軸36と成形室31の内面との間に隙間ができると、注入される溶融樹脂がこの隙間に侵入して、バリとなるからである。この回動ピン33Bは、シリンダー39に回動されて、押圧ピン37で保護素子4の本体部4Aの裏面を押圧する。この回動ピン33Bも、コアパック10を成形室31にセットするときに、邪魔にならないように、押圧ピン37を成形室31の内面に向かって回動させる。コアパック10を成形室31にセットした後、シリンダー39で回動ピン33Bを回動して、押圧ピン37で保護素子4の本体部4Aの裏面を押圧し、保護素子4の表面を基準面32に押し付けて保護素子4を定位置に保持する。
【0028】
さらに、図10と図11の可動ピン33は、保護素子4の本体部4Aの裏面を押圧するカム面42を先端部に有するカムピン33Cである。このカムピン33Cは、成形室31の内面に突出すると共に、成形室31に突出した状態で軸を中心に回転して、カム面42で保護素子4の本体部4Aの表面を基準面32に押圧する。図のカムピン33Cは、先端部を軸方向に切欠して保護素子4の本体部4Aの裏面に挿入する挿入凸部41を形成しており、この挿入凸部41の保護素子4と対向する面をカム面42としている。カム面42は、カムピン33Cを軸を中心に回転させると、保護素子4の本体部4Aの表面を基準面32に押圧できる形状としている。図11に示す挿入凸部41は、断面形状を半円状としてカム面42を平面としている。ただ、挿入凸部41は、必ずしも半円形状とする必要はなく、保護素子4の本体部4Aの裏面に挿入された状態で回転されて、カム面42で保護素子4の本体部4Aを金型30の基準面32に押圧できる全ての形状とすることができる。たとえば、挿入凸部は、カム面を曲面として保護素子の裏面をスムーズに押圧できる。
【0029】
カムピン33Cである可動ピン33は、図10に示すように、保護素子4の本体部4Aの両面と平行な方向に成形室31に突出されて、挿入凸部41が保護素子4の本体部4Aの裏面に挿入される。さらに、カムピン33Cは、図11に示すように、挿入凸部41を保護素子4の本体部4Aの裏面に位置させる状態で中心軸を中心に回転されて、カム面42で保護素子4の本体部4Aの裏面を押圧する。本体部4Aの裏面が押圧される保護素子4は、表面の出力端子3が金型30の基準面32に押圧されて、定位置に仮り止めされる。この構造のカムピン33Cは、回転することによって、厚い保護素子4から薄い保護素子4まで基準面32に向かって押圧するが、厚い保護素子4と薄い保護素子4とでは回転する角度が異なる。すなわち、カムピン33Cは、厚い保護素子4では小さく回転して基準面32に向かって押圧し、薄い保護素子4では大きく回転して基準面に向かって押圧する。したがって、カム面42は、最も厚い保護素子4から最も薄い保護素子4まで押圧できる形状としている。このカムピン33Cも、好ましくは、上下に複数個を設けて、保護素子4の本体部4Aの裏面の複数箇所をカム面42で押圧する。図10と図11に示す金型30は、上下に各2個のカムピン33Cを設けており、保護素子4の本体部4Aの裏面の4箇所を押圧している。複数のカムピン33Cは、一緒に回転してカム面42で保護素子4の本体部4Aの裏面を同時に押圧する。このとき、保護素子4の両端部、図11において左右に位置するカムピン33Cは、互いに逆方向に回転させる。保護素子4が左右の一方向に強く押圧されて、左右にずれるのを防止するためである。このように、本体部4Aの裏面の複数箇所が同時に押圧される保護素子4は、より確実に基準面32に押し付けられて、定位置に保持される。このカムピン33Cも、前述の直動ピン33Aと同じような機構で、コアパック10を成形室31にセットするときに、邪魔にならないように後退させる。
【0030】
コアパックは、図示しないが、保護素子と電池との間、さらに出力リードの固定部と出力端子部との間にホルダーを配設することもできる。ホルダーは、樹脂成形部よりも硬いプラスチックを成形して製作される。このホルダーは、たとえば保護素子を嵌着して定位置に配設する形状に成形される。さらに、ホルダーは、位置決嵌着部を設けて、この位置決嵌着部を外部に表出するようにして樹脂成形部にインサートすることができる。この構造のパック電池は、硬質プラスチックのホルダーで位置決嵌着部を設けることができる。このため、位置決嵌着部をしっかりとした構造として、パック電池を正確に位置決めして電気機器に装着できる。位置決嵌着部は凹部とし、ここに電気機器に設けている嵌着凸部を入れて、パック電池を定位置に決められた姿勢で装着することができる。位置決嵌着部は、凸部とすることもできる。凸部の位置決嵌着部は、電気機器に設けている凹部に嵌入される。
【0031】
ただし、コアパック10の保護素子4を樹脂成形部1にインサートして固定するパック電池は、樹脂成形部1で保護素子4を正確な位置に固定するので、図3と図4に示すように、ホルダーのない構造として極めて簡単な構造にできる。
【0032】
樹脂成形部1を成形する金型30は、電池2と保護素子4と出力リード5を正確な位置に仮り止めする成形室31を有する。コアパック10は、成形室31に仮り止めされる。成形室31に仮り止めされたコアパック10は、可動ピン33が保護素子4の本体部4Aと出力リード5の出力端子部5Bとを押圧して、保護素子4表面の出力端子3と出力リード5の出力端子部5Bとを基準面32に押圧する状態で成形室31の正確な位置に保持される。この状態で、成形室31に溶融樹脂を注入して、保護素子4と出力リード5を正確な位置に固定する。
【0033】
電池2は、リチウムイオン電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池等の充電できる二次電池である。図の電池2は、薄型電池で、外装缶2Aの両側を湾曲面として、外装缶2Aの四隅のコーナー部を面取りした形状としている。薄型電池にリチウムイオン電池を使用すると、パック電池全体の容量に対する充電容量を大きくできる特長がある。この電池2は、図12に示すように、凸部電極2Bを設けている電極端面の平面部2Cに安全弁25を設けている。図に示す電池2は、平面部2Cの中央部分に凸部電極2Bを設けて、一端部に安全弁25を設けている。電池は、凸部電極に安全弁を内蔵させることもできる。安全弁25は、電池2の内圧が設定圧力よりも高くなるときに開弁する。開弁した安全弁25は、内部のガス等を排出して、外装缶2Aの内圧上昇を停止する。
【0034】
コアパック10は、図3と図12に示すように、安全弁25の開口部に保護シート26を固定している。保護シート26は、両面接着テープ27を介して電池端面の平面部2Cに接着される。保護シート26は、図2に示すように、平面部2Cの外周よりもわずかに小さい。保護シート26は、樹脂成形部1を成形する時に射出圧による安全弁25への悪影響を防止する。さらに、保護シート26を電池端面の平面部2Cに接着する両面接着テープ27は、好ましくは、接着部分における凹凸を吸収できる充分な厚さのものを使用する。この両面接着テープ27は、電池端面に密着して保護シート26を確実に接着できると共に、安全弁25を保護する働きもある。樹脂成形部1は、安全弁25が開弁するときに、安全弁25のガスを外部に排気する排気路8を成形して設けている。排気路8は、図13に示すように、安全弁25の開口部を樹脂成形部1の外部に連結する形状で設けられる。この構造のパック電池は、安全弁25が開弁するとき、ガスをスムーズに外部に排気する。安全弁25が開弁するとき、保護シート26は剥離され、あるいはガスを透過させて排気する。
【0035】
保護素子4と出力リード5と電池2は、樹脂成形部1との接着面にプライマー層を設けて、樹脂成形部1に強固に接着される。プライマー層は、樹脂成形部1を成形するときに樹脂成形部1を強力に接着する。とくに、金属ケースの電池表面と出力リード5を樹脂成形部1を強力に接着する。さらに、プライマー層は、保護素子4の本体部4Aに塗布して、ここに樹脂成形部1をしっかりと接着することもできる。プライマー層は、樹脂成形部1を接着する面に塗布して設けられる。図のパック電池は、電池端面に樹脂成形部1を接着しているので、電池端面にプライマー層を設ける。さらに保護素子4と出力リード5にも樹脂成形部1を接着しているので、これ等の表面にもプライマー層を設ける。プライマー層は、未硬化では液状をしているプライマー液を霧状にスプレーし、あるいはこれを刷毛で塗布し、あるいはコアパック10をプライマー液に浸漬して塗布することができる。プライマー層は、コアパック10の状態で必要な部分に設けられ、あるいはコアパック10として組み立てる前の電池2の表面に、さらに保護素子4や出力リード5に塗布して設けることができる。保護素子4の本体部4Aに設けるプライマー層は、出力端子3等の電気接点を除く部分に塗布される。プライマー層が電気接点の接触不良の原因となるからである。プライマー層は、薄膜で充分な効果があるので、その膜厚を約1μmとする。ただし、プライマー層は、膜厚を0.5〜5μmとすることもできる。プライマー層は、樹脂成形部1を強力に接着する作用に加えて、電池表面を保護する働きもあるので、膜厚を厚くして保護作用をより向上できる。
【0036】
樹脂成形部1はポリアミド樹脂で成形して、プライマー層をエポキシ樹脂系のプライマーとすることができる。樹脂成形部1のポリアミド樹脂は、樹脂内にある酸−アミド結合にプライマー層のエポキシ基を導入してプライマー層に化学結合される。このため、樹脂成形部1は、より強力にプライマー層に接着される。プライマー層を形成するプライマーは、エポキシ樹脂に代わって、あるいはエポキシ樹脂に加えて、変性エポキシ樹脂系プライマー、フェノール樹脂系プライマー、変性フェノール樹脂系プライマー、ポリビニルブチラール系プライマー、ポリビニルホルマール系プライマー等も使用できる。これ等のプライマーは、複数を混合して使用することもできる。これ等のプライマーは、ポリアミド樹脂の樹脂成形部1に化学結合すると共に、金属表面に水素結合あるいは化学結合して、樹脂成形部1を電池表面に強力に接着する。
【0037】
樹脂成形部1を成形する合成樹脂は、ポリアミド樹脂である。ポリアミド樹脂にはエポキシ樹脂を添加することもできる。エポキシ樹脂を添加しているポリアミド樹脂は、ポリアミド樹脂のみのものに比較して接着力を強くできる。ポリアミド樹脂は、軟化温度が低く、しかも溶融時の粘度も低いので、他の熱可塑性合成樹脂に比較して、低温、低圧で成形できる。また、金型の成形室から速やかに脱型できる特長もある。低温、低圧で成形される樹脂成形部1は、成形に要する時間を短縮できると共に、樹脂成形時における熱や射出圧による保護素子4等への悪影響を低減できる特長がある。ただし、本発明のパック電池は、樹脂成形部1を成形する樹脂をポリアミド樹脂には特定しない。ポリアミド樹脂以外の樹脂、たとえばポリウレタン樹脂等も使用できる。さらに、樹脂成形部1にインサートされる保護素子4等の耐熱性が向上できるなら、ポリエチレン、アクリル、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用できる。
【0038】
図のパック電池は、図2、図12及び図13に示すように、電池端面から電池2の外周表面まで延長しているラップ薄肉部18を有する。このラップ薄肉部18は、樹脂成形部1に一体的に成形されると共に、樹脂成形部1を成形するときに電池2の外周表面に接着される。金型30の成形室31に注入される溶融樹脂は、電池端面からラップ薄肉部18を成形する部分まで注入されて、ラップ薄肉部18を樹脂成形部1に一体的に成形する。ラップ薄肉部18は、好ましくは電池2の外周表面の全周に設けられる。この樹脂成形部1は、外周表面の全周に設けているラップ薄肉部18で最も剥離しないように電池2に連結される。ただ、ラップ薄肉部18は、薄型電池の幅広面の外周表面にのみ設けることもできる。
【0039】
ラップ薄肉部18は、厚いとパック電池の外形を大きくし、薄いと充分な強度にできない。このため、ラップ薄肉部18の肉厚は、好ましくは0.1〜0.3mm、さらに好ましくは0.1〜0.2mmとする。この肉厚のラップ薄肉部18は、薄型電池を内蔵するパック電池全体の厚さを実質的にはほとんど厚くしない。それは、薄型電池の使用時の「膨れ量」に吸収されるからである。薄型電池は、内圧が上昇するときに、中央部が多少は膨れて厚くなる性質がある。前述の肉厚のラップ薄肉部18は、薄型電池の「膨れ量」よりも小さい。さらに、ラップ薄肉部18は、電池端面から外周表面に延長して設けているが、この部分は膨れることがない。このため、薄型電池の中央が内圧上昇で膨れるとき、ラップ薄肉部18を設けている部分のパック電池の厚さは、膨れた中央部分よりも薄くなる。このため、ラップ薄肉部18を設けることで、薄型電池を内蔵するパック電池全体を厚さを実質的に増加させることはない。
【0040】
ラップ薄肉部18の幅(W1)は、広くして電池2との結合強度を大きくできる。ラップ薄肉部18は、相当に幅を狭くしても、樹脂成形部1をしっかりと電池端面に接着できる。とくに、図に示すように、表面を表面被覆シート7でカバーしているパック電池は、表面被覆シート7でラップ薄肉部18を電池表面に押圧して剥離しないようにできる。このため、ラップ薄肉部18の幅(W1)を狭く、0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1mm、たとえば0.5mmと狭くして、樹脂成形部1をしっかりと電池2に連結できる。幅の狭いラップ薄肉部18は、溶融状態の合成樹脂を確実に注入して規定の形状に成形できる。
【0041】
表面被覆シート7は、加熱して収縮できる熱収縮チューブである。この表面被覆シート7は、樹脂成形部1のラップ薄肉部18の表面に密着されて、樹脂成形部1を電池2にしっかりと連結する。さらに、表面被覆シート7で被覆しているパック電池は、ラップ薄肉部18と電池2との間に剥離するものが侵入することがなく、このことによっても、ラップ薄肉部18の剥離を阻止できる。ただ、表面被覆シートは、ラベルや粘着テープとすることもできる。ラベルや粘着テープである表面被覆シートは、樹脂成形部とラップ薄肉部の表面ないし電池の表面に貼付して、樹脂成形部を電池にしっかりと連結する。
【0042】
図12と図13のパック電池は、樹脂成形部1の外周に段差19を設け、低く成形している部分を表面被覆シート7で被覆している。この樹脂成形部1は、表面被覆シート7が樹脂成形部1から突出することがなく、樹脂成形部1と表面被覆シート7の表面をほぼ同一面にできる。
【0043】
さらに、図2に示すパック電池は、樹脂成形部1を成形しているのと反対側の電池端面に、図において電池2の底面をプラスチック成形体21でカバーしている。このプラスチック成形体21は、樹脂成形部1よりも硬質のプラスチックで成形している。このプラスチック成形体21は、電池端面の前面を被覆する底部22と、電池端面から電池2の外周表面まで延長している第2のラップ薄肉部23とを一体的に成形している。底部22は、第2のラップ薄肉部23よりも厚く成形すると共に、パック電池を電気機器から脱着するときにユーザーが爪先を入れる引掛凹部24を設けている。
【0044】
以上のパック電池は、以下のようにして製造される。
(1) 保護素子4のリード片4Bを電池の凸部電極2Bの端面に固定し、出力リード5の固定部5Aを電池2の平面部2Cに固定して、保護素子4と出力リード5を電池2に連結してコアパック10を製作する。ホルダーのあるコアパックは、保護素子と電池の間にホルダーを配設する。底にプラスチック成形体21を連結するコアパック10は、プラスチック成形体21を接着して固定する。
【0045】
(2) コアパック10を、図3に示すように、金型30の成形室31にセットする。このとき、コアパック10は、可動ピン33が保護素子4の本体部4Aを押圧して、保護素子4の表面の出力端子3を基準面32に押圧すると共に、出力リード5の出力端子部5Bをも可動ピン33で押圧して、出力端子部5Bを基準面32に押圧する。可動ピン33で金型30の基準面32に押圧される保護素子4と出力リード5は、成形室31の正確な位置に仮り止めして保持される。成形室31にコアパック10をセットした後、金型30を型締めする。型締めされた金型30は、樹脂成形部1を成形するための成形室31が形成される。
【0046】
(3) 成形室31に、加熱された溶融樹脂の注入を開始し、成形室31に溶融樹脂を満たして、樹脂成形部1を成形する。溶融樹脂は、金型30に開口された注液孔40から注入される。注入された溶融樹脂は、ラップ薄肉部18を成形する部分まで注入されて、樹脂成形部1と一体構造のラップ薄肉部18を成形する。溶融樹脂の注入工程においては、可動ピン33が保護素子4と出力リード5を基準面32に押圧する状態で注入を開始して、最後まで溶融樹脂を注入することもできるが、可動ピン33が保護素子4と出力リード5を基準面32に押圧する状態で、溶融樹脂の注入を開始し、溶融樹脂の注入が完了する前に、保護素子4と出力リード5を押圧しない位置まで可動ピン33を後退させることもできる。樹脂成形部1の注入が開始されて、成形室31に溶融樹脂が注入されると、注入された溶融樹脂で保護素子4は定位置に保持される。したがって、その後は、可動ピン33が保護素子4と出力リード5を基準面32に押圧する押圧状態を解除して、溶融樹脂を注入して、保護素子4と出力リード5の位置ずれを防止しながら溶融樹脂の注入を完了できる。この方法で成形すると、可動ピン33が保護素子4を押圧する位置にないので、可動ピン33の跡型である凹部が樹脂成形部1にできるのを解消できる。
【0047】
(4) 樹脂成形部1を硬化させた後、金型30を開いて、樹脂成形部1にコアパック10の一部をインサート成形しているパック電池を取り出す。
【0048】
(5) その後、熱収縮チューブである筒状の表面被覆シート7にパック電池を入れ、熱収縮チューブを加熱して、パック電池の表面に密着させる。表面被覆シート7は、樹脂成形部1とプラスチック成形体21に設けている段差19にぴったりと密着されて、樹脂成形部1とプラスチック成形体21とをしっかりと電池2に連結する。
【0049】
以上にようにして製作された図2のパック電池は、保護素子4に固定している出力端子3を大きくしている。したがって、このパック電池は、保護素子4に固定している出力端子3に、電気機器に設けている正負の電源端子に加えて、パック電池を識別する識別端子を接触させることができる。このパック電池は、図14に示す回路構成となるので、これが装着される電気機器は、識別端子と電源端子との電気抵抗が0Ωであると、正常なパック電池が装着されたと判定する。
【0050】
【発明の効果】
本発明のパック電池とその製造方法は、簡単な構造で出力端子を樹脂成形部の定位置に固定できると共に、安価に多量生産できる特長がある。それは、本発明のパック電池とその製造方法が、電池をインサートして成形される樹脂成形部に、ケーシングを絶縁材とする保護素子をインサートすると共に、この保護素子の絶縁ケーシングの表面に出力端子を固定し、樹脂成形部にインサートして固定している保護素子を介して出力端子を樹脂成形部の定位置に固定しているからである。この構造のパック電池は、保護素子と電池を樹脂成形部にインサートして製造できることに加えて、出力端子を固定するための端子基板等をインサートする必要がなく、極めて簡単な構造で出力端子をしっかりと固定できる特長がある。さらに、保護素子と出力端子とを直列に接続する構造にあっては、保護素子と出力端子との接続を極めて短く、しかも簡単にできる特長がある。したがって、パック電池の内部抵抗を小さくして無駄な電力消費を少なくしながら、大電流で放電できる優れた電気特性も実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のパック電池の製造方法を示す斜視図
【図2】本発明の一実施例にかかるパック電池の分解斜視図
【図3】図2に示すパック電池のコアパックを金型に配設する状態を示す斜視図
【図4】図3に示す金型の断面斜視図
【図5】保護素子の平面図
【図6】図5に示す保護素子のA−A線断面図
【図7】樹脂成形部を成形する金型の一例を示す断面図
【図8】樹脂成形部を成形する金型の他の一例を示す断面図
【図9】樹脂成形部を成形する金型の他の一例を示す断面図
【図10】樹脂成形部を成形する金型の他の一例を示す断面図
【図11】図10に示す金型の水平断面図
【図12】図2に示すパック電池の樹脂成形部の水平断面図
【図13】図12に示すパック電池の樹脂成形部のA−A線断面図
【図14】図2に示すパック電池の回路図
【符号の説明】
1…樹脂成形部
2…電池 2A…外装缶 2B…凸部電極
2C…平面部
3…出力端子
4…保護素子 4A…本体部 4B…リード片
5…出力リード 5A…固定部 5B…出力端子部
5C…連結部
6…寸法吸収隙間
7…表面被覆シート
8…排気路
10…コアパック
11…ケーシング
12…可動接点 12A…接点金属
13…温度変形金属
14…固定接点
15…中心孔
16…凸部
18…ラップ薄肉部
19…段差
21…プラスチック成形体
22…底部
23…第2のラップ薄肉部
24…引掛凹部
25…安全弁
26…保護シート
27…両面接着テープ
30…金型
31…成形室
32…基準面
33…可動ピン 33A…直動ピン 33B…回動ピン
33C…カムピン
34…傾斜面
35…山形凸条
36…回転軸
37…押圧ピン
38…駆動アーム
39…シリンダー
40…注液孔
41…挿入凸部
42…カム面
90…コアパック
91…回路基板
92…電池
93…金型
94…成形室

Claims (6)

  1. 電池(2)の一部ないし全体を樹脂成形部(1)にインサートして固定すると共に、出力端子(3)を外部に表出するように樹脂成形部(1)にインサートして固定しているパック電池であって、
    樹脂成形部(1)に、電池(2)に電気接続されると共に、ケーシング(11)の一部あるいは全体を絶縁材とする保護素子(4)インサートされており、この保護素子(4)の絶縁ケーシング(11)の表面に出力端子(3)固定され保護素子 (4) は一対の端子を有しており、片方の端子をリード片 (4B) とし、他方の端子を出力端子 (3) としており、リード片 (4B) が電池 (2) の凸部電極 (2B) の端面に固定されているパック電池。
  2. 保護素子(4)が、本体部(4A) 有し、リード片(4B)を電池(2)の凸部電極(2B)の端面に固定して、本体部(4A)を凸部電極(2B)のない平面部(2C)と対向する位置に配置して、本体部(4A)と電池端面の平面部(2C)との間に寸法吸収隙間(6)を設けており、この寸法吸収隙間(6)には樹脂成形部(1)を成形している樹脂を注入している請求項1に記載されるパック電池。
  3. 保護素子(4)が、本体部(4A)の裏面側にリード片(4B)を固定しており、このリード片(4B)を凸部電極(2B)に固定して、本体部(4A)と電池端面の平面部(2C)との間に、凸部電極(2B)の高さに等しい間隔の寸法吸収隙間(6)を設けている請求項2に記載されるパック電池。
  4. 出力リード(5)が、電池端面の平面部(2C)に固定される固定部(5A)と、出力端子(3)となる出力端子部(5B)と、この出力端子部(5B)と固定部(5A)とを平行に連結する連結部(5C)とからなり、固定部(5A)を電池(2)に固定して樹脂成形部(1)にインサートされ、出力端子部(5B)の一部を樹脂成形部(1)の外部に表出している請求項1に記載されるパック電池。
  5. 保護素子(4)が、絶縁材であるケーシング(11)に出力端子(3)を固定しており、この出力端子(3)をケーシング(11)の一部に併用して、出力端子(3)の表面をパック電池の外部に表出し、出力端子(3)の裏面をケーシング(11)の内部で保護素子(4)の接点に使用している請求項1に記載されるパック電池。
  6. 保護素子(4)の本体部(4A)に連結している可撓性のあるリード片(4B)を電池端面の凸部電極(2B)に固定して、表面側に出力端子(3)を固定している保護素子(4)の本体部(4A)を電池端面の平面部(2C)と対向する位置に配設すると共に、固定部(5A)と出力端子部(5B)の相対位置を変更できる可撓性を有する出力リード(5)の固定部(5A)を電池端面の平面部(2C)に固定して電池のコアパック(10)とし、このコアパック(10)を金型(30)の成形室(31)に仮り止めして、コアパック(10)を仮り止めしている成形室(31)に溶融状態の合成樹脂を注入して、成形室(31)で成形される樹脂成形部(1)でコアパック(10)の保護素子(4)を定位置に固定するパック電池の製造方法であり、
    保護素子(4)の本体部(4A)の表面に設けている出力端子(3)を成形室(31)の基準面(32)に押し付けるように保護素子(4)を押圧すると共に、出力リード(5)の出力端子部(5B)を基準面(32)に押し付けるように出力端子部(5B)を押圧して定位置に保持し、この状態で成形室(31)に溶融樹脂の注入を開始して樹脂成形部(1)を成形することを特徴とするパック電池の製造方法。
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