JP3801035B2 - タイヤ空気圧モニター装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各タイヤに個別で装着される送信機から送られるタイヤ識別符号と検出した空気圧とを受信機で受信し、個別に各タイヤ空気圧をモニターするタイヤ空気圧モニター装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤ空気圧警報装置としては、例えば、特許第3061047号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来公報には、各タイヤに個別で装着される送信機から送られるタイヤ識別符号(ID:identification)を受信機で受信し、登録する際に、所定時間内に受信したものの内で受信頻度の高い方からIDを記憶(登録)する技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のタイヤ空気圧警報装置にあっては、多くの車両が密集する場所で他の車両のID誤登録は避けられるが、自車両のスペアタイヤスペースに搭載されている非装着タイヤからも装着タイヤと同様にデータが送信されれば、非装着タイヤからの受信頻度は装着タイヤからの受信頻度と同じとなり、非装着タイヤのIDを装着タイヤとして誤登録する可能性がある。その場合、ID登録されていない装着タイヤの空気圧の警報が行えないおそれがある。
【0005】
また、タイヤ交換後、ディーラ等でタイヤIDを再登録しなければならないとすると、タイヤ交換の度にID再登録という手間を余儀なくされ、それは実用的ではない。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、装着タイヤと非装着タイヤを区別しながら、自動的に各タイヤ位置を判断可能なタイヤ空気圧モニター装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、
複数のタイヤを備えた車両において、
各タイヤの空気圧を検出する空気圧検出手段と、
各タイヤに備えられ、各タイヤ個別の識別符号と検出した空気圧とを無線信号にて送信する送信手段と、
車両に取り付けられ、前記送信手段からの無線信号を受信する受信手段と、
車両の前後左右の荷重移動を検出する荷重移動検出手段と、
車両の前後左右の荷重移動中のタイヤ空気圧の変化を検出し、空気圧の変化に応じて各タイヤ位置と各識別符号との関係付けをするタイヤ位置判別手段と、
を備えたとを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、請求項1に記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記荷重移動検出手段は、車両の加減速を検出する加減速検出手段と、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、からなることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明では、請求項1または請求項2の何れかに記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記タイヤ位置判別手段は、
車両の加減速時のタイヤ空気圧値の変化から前輪と後輪を区別する手段と、
車両の旋回時のタイヤ空気圧値の変化から右輪と左輪を区別する手段と、を備え、
前輪と後輪を区別する手段で区別した結果と、右輪と左輪を区別する手段で区別した結果と、から各タイヤ位置を判別することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明では、請求項3に記載されたタイヤ空気圧モニター装置において、
前記タイヤ位置判別手段は、前輪と後輪を区別する手段で区別した結果と、右輪と左輪を区別する手段で区別した結果と、に共通して存在する複数個の識別符号データの内で最も頻度の高いものをタイヤの位置の判別に使用することを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明では、請求項4に記載されたタイヤ空気圧モニター装置において、
各タイヤの識別符号をタイヤの位置として記憶する記憶手段を備え、
前記タイヤ位置判別手段は、以前記憶していたタイヤの識別符号と、複数個の識別符号データの内で最も頻度が高い識別符号とが、互いに異なる場合には、複数個の識別符号データの内で最も頻度が高い識別符号に記憶し直すことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明では、請求項1ないし請求項5の何れかに記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
変速機のシフト位置を検出する変速シフト位置検出手段を備え、
前記タイヤ位置判別手段は、変速シフト位置が車両走行可能な位置になる度に1回、タイヤ位置判別を開始することを特徴とする。
【0013】
【発明の作用および効果】
請求項1に係る発明にあっては、複数の送信手段において、各タイヤ個別の識別符号とタイヤ空気圧検出手段にて検出した空気圧とが無線信号にて送信され、車両に取り付けられた受信手段において、送信手段からの無線信号が受信される。そして、荷重移動検出手段において、車両の前後左右の荷重移動が検出され、タイヤ位置判別手段において、車両の前後左右の荷重移動中のタイヤ空気圧の変化が検出され、この空気圧の変化に応じて各タイヤ位置と各識別符号とが関係付けされる。
【0014】
よって、荷重移動中にタイヤ空気圧が変化する装着タイヤか、荷重移動中であってもタイヤ空気圧の変化がない非装着タイヤ(自車両のスペアタイヤスペースに搭載)かの区別できることは勿論のこと、パンク等によるタイヤ交換後において、荷重移動中のタイヤ空気圧の変化モードにより、自動的に各送信データが複数輪のどの位置のタイヤを示すものかが分かる。
【0015】
請求項2に係る発明にあっては、荷重移動検出手段が、車両の加減速を検出する加減速検出手段と、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、からなるため、確実に車両の運動時(加減速や旋回)の左右前後の荷重移動時を検出することができる。
【0016】
請求項3に係る発明にあっては、タイヤ位置判別手段において、車両の加減速時のタイヤ空気圧値の変化から前輪と後輪が区別され、車両の旋回時のタイヤ空気圧値の変化から右輪と左輪が区別され、前輪と後輪を区別する手段で区別した結果と、右輪と左輪を区別する手段で区別した結果と、から各タイヤ位置が判別されるため、自動的に各タイヤの装着位置(右前位置、左前位置、右後位置、左後位置)を判別することができる。
【0017】
請求項4に係る発明にあっては、タイヤ位置判別手段において、前輪と後輪を区別する手段で区別した結果と、右輪と左輪を区別する手段で区別した結果と、に共通して存在する複数個の識別符号データの内で最も頻度の高いものがタイヤの位置の判別に使用される。
【0018】
よって、外乱等により車輪速に誤差が生じ、旋回判断や加減速判断を誤判断し、本来得るべきでない時にタイヤ空気圧を検出したことで、実際のタイヤ位置と異なるデータが蓄積されたとしても、複数個の識別符号データの内で最も頻度の高いものをタイヤ位置の判別に使用するので、信頼性の高いタイヤ位置判別を行うことができる。
【0019】
請求項5に係る発明にあっては、タイヤ位置判別手段において、以前記憶していたタイヤの識別符号と、複数個の識別符号データの内で最も頻度が高い識別符号とが、互いに異なる場合には、複数個の識別符号データの内で最も頻度が高い識別符号がタイヤの位置として記憶手段に記憶し直されるため、タイヤ交換後に自動的にID再登録(登録し直し)を行うことができる。
【0020】
請求項6に係る発明にあっては、タイヤ位置判別手段において、変速シフト位置検出手段からの変速機のシフト位置が車両走行可能な位置になる度に1回、タイヤ位置判別が開始される。
【0021】
よって、例えば、イグニッションON毎にタイヤ位置判別の処理を実行すると、タイヤ交換時にエンジンをかけたまま(イグニッションONのまま)にする可能性があり、その場合、タイヤ交換後にタイヤ位置判別ができない。しかし、タイヤ交換時には、必ず停車することから、変速シフト位置が車両走行可能な位置(Dレンジ・1速固定レンジ・2速固定レンジ・Rレンジ)になる度に1回、上記のタイヤ位置判別を開始するようにしたので、停車後の走行開始後に必ずタイヤ位置判別ができると共に、不要なときにはタイヤ位置判別を実行しないようにすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明におけるタイヤ空気圧モニター装置を実現する実施の形態を、請求項1〜請求項6に対応する第1実施例に基づいて説明する。
【0023】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置が適用された車両を示す全体図であり、図1において、1は右前輪タイヤ、2は左前輪タイヤ、3は右後輪タイヤ、4は左後輪タイヤ、5はスペアタイヤ、6は右前輪速センサ、7は左前輪速センサ、8は右後輪速センサ、9は左後輪速センサ、10はタイヤ空気圧センサ、11はABSコントローラ、12はATコントローラ、13はタイヤ空気圧警報コントローラ、14は空気圧低下ワーニングランプである。
【0024】
前記右前輪速センサ6、左前輪速センサ7、右後輪速センサ8、左後輪速センサ9は、前後輪1,2,3,4の各車輪速を検出し、車輪速センサ信号をABSコントローラ11に入力する。
【0025】
前記タイヤ空気圧センサ10は、前後輪タイヤ1,2,3,4とスペアタイヤ5のロードホイールにそれぞれ取り付けられ、各タイヤ個別のタイヤ空気圧を検出すると共に、各タイヤ個別のID(識別符号)と検出したタイヤ空気圧を無線信号にて、受信機能を有するタイヤ空気圧警報コントローラ13に送信する。
【0026】
前記ABSコントローラ11は、各車輪速センサ6,7,8,9からの車輪速センサ信号を入力し、車速情報(車体速、車体加減速度、各車輪速)をタイヤ空気圧警報コントローラ13に出力する。
【0027】
前記ATコントローラ12は、図外のインヒビタースイッチからのスイッチ信号によりシフト位置を判断し、シフト位置情報をタイヤ空気圧警報コントローラ13に出力する。
【0028】
前記タイヤ空気圧警報コントローラ13は、装着タイヤである前後輪タイヤ1,2,3,4のタイヤ位置を判別すると共に、装着タイヤの空気圧が低下していると判断した場合、空気圧低下ワーニングランプ14に対し、ランプ点灯指令を出力する。なお、メータパネル内で空気圧が低下している輪(タイヤ)を文字表示したり、車両に対するタイヤ位置を絵表示したもので該当するタイヤ絵をランプ点灯するようにしても良い。
【0029】
図2は第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧センサ10及びタイヤ空気圧警報コントローラ13を示す詳細図である。
【0030】
前記タイヤ空気圧センサ10は、タイヤ空気圧(内圧)を検出する圧力センサ10a(空気圧検出手段)と、作用する遠心力が小さい領域では開となり遠心力が大きい領域では閉となる遠心力スイッチ10bと、特定用途向け集積回路であるASIC10cと、発信子10d及び送信アンテナ10e(送信手段)とを有して構成される。そして、電池寿命を確保するために設置された遠心力スイッチ10bの開閉をトリガにして、停止を含む車速が低い領域では長い送信間隔(1時間)、それより車速が高い領域では、短い送信間隔(1分)というように送信周期を2段階に変え、圧力センサ10aからの変調した圧力値情報と、各タイヤ個別のID情報とを電磁波を用いて送信する。
【0031】
前記タイヤ空気圧警報コントローラ13は、5V電源回路13aと、前記タイヤ空気圧センサ10の送信アンテナ10eからの送信データを受信する受信アンテナ13b及び受信回路13c(受信手段)と、ABSコントローラ11からの車速情報を入力する車速情報入力回路13dと、ATコントローラ12からのシフト位置情報を入力するシフト位置情報入力回路13eと、受信回路13cからの受信データ、並びに、両入力回路13d,13eからの入力情報を入力し、所定の制御則に従って演算処理をするマイクロコンピュータ13fと、ID登録を行う電気的に記憶情報を消去可能な読み出し専用メモリであるEEPROM13g(記憶手段)と、受信データ内の圧力値を判断して圧力低下時にタイヤ空気圧警報指令を空気圧低下ワーニングランプ14に出力するワーニングランプ出力回路13hを有して構成される。
【0032】
次に、作用を説明する。
【0033】
[タイヤ位置判別の演算処理]
図3〜図6はタイヤ空気圧警報コントローラ13にて実行されるタイヤ位置判別の演算処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0034】
ステップS0では、ATコントローラ11からシフト位置情報が読み込まれ、次のステップS1では、変速シフト位置が停止シフト位置(PレンジまたはNレンジ)か判断し、停止シフト位置の場合はステップS2に移行し、ステップS2では、基準空気圧の記憶が完了している時のフラグを0にしてリターンに至る。すなわち、停止シフト位置の場合には、何も行わない。
【0035】
ステップS2に判断で停止シフト位置ではない場合は、ステップS3へ移行してフラグが0か否か(基準空気圧の記憶が完了していないか否か)を判断し、フラグが0の場合には、ステップS4へ移行し、車体速VcarをABSコントローラ11から入力し、ステップS5にて車体速Vcarが所定の車速(例えば、5km/h)以下か否かを判断する。ここで、所定の車速とは、車両の加減速度や旋回による荷重移動が生じる可能性が低い低速度であり、0km/hや1km/hでも構わない。
【0036】
ステップS5にてYESと判断された場合は、ステップS6へ移行してその時の各タイヤ空気圧を基準圧として記憶し、次のステップS7では、基準値を記憶した印としてフラグを1にしてリターンに至る。一方、ステップS5にてNOと判断された場合は、既に車両の加減速度や旋回が生じている可能性があるので、基準となる空気圧を記憶することなくリターンへ至る。
【0037】
ステップS7を経てリターンの後、再びスタートからしてステップS1→ステップS3に来ると、フラグは1なのでステップS3からステップS8へ移行し、ステップS8では、ABSコントローラ11から車体加減速度を読み込み、ステップS9にて、車体加速度が所定の加速度0.1G以上か否かを判断する(荷重移動検出手段及び加減速検出手段に相当)。そして、車体加速度が0.1G以上の場合には、ステップS10にて各タイヤの空気圧とIDを読み込み、加速時には前輪側の荷重が減少し後輪側の荷重が増大するというように車両荷重が前後移動することに基づき、ステップS11にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを前輪グループのテーブルに記憶させ、ステップS12にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高まったタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを後輪グループのテーブルに記憶させる。
【0038】
ステップS9にて車体加速度が0.1G未満の場合には、ステップ13へ移行し、ステップS13にて、車体減速度が所定の減速度0.1G以上か否かを判断する(荷重移動検出手段及び加減速検出手段に相当)。そして、車体減速度が0.1G以上の場合には、ステップS14にて各タイヤの空気圧とIDを読み込み、減速時には前輪側の荷重が増大し後輪側の荷重が減少するというように車両荷重が前後移動することに基づき、ステップS15にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高くなったタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを前輪グループのテーブルに記憶させ、ステップS16にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを後輪グループのテーブルに記憶させる。
【0039】
ステップS13で車体減速度が0.1G未満の場合(加減速がない定常走行時)は、ステップS17へ移行し、ステップS17では、ABSコントローラ11から各車輪速(左前輪速VFL、右前輪速VFR、左後輪速VRL、右後輪速VRR)が読み込まれ、次のステップS18では、左旋回時には、右前輪旋回半径が最も大径となり左後輪旋回半径が最も小径となることに基づき、右前輪速VFRから左後輪速VRLを除した値(減じた値でみると車速によってしきい値を補正しなければならないので、比の方が良い。)が所定の値(例えば、1.02)以上か否か、つまり、左旋回中か否かを判断する(荷重移動検出手段及び旋回状態検出手段に相当)。そして、VFR/VRL≧1.02の場合には、ステップS19にて各タイヤの空気圧とIDを読み込み、左旋回時には、左輪側の荷重が減少し右輪側の荷重が増大するというように車両荷重が左右移動することに基づき、ステップS20にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを左輪グループのテーブルに記憶させ、ステップS21にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高まったタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを右輪グループのテーブルに記憶させる。
【0040】
ステップS18にてVFR/VRL<1.02と判断された場合には、ステップS22へ移行し、ステップS22では、右旋回時には、左前輪旋回半径が最も大径となり右後輪旋回半径が最も小径となることに基づき、左前輪速VFLから右後輪速VRRを除した値が所定の値(例えば、1.02)以上か否か、つまり、右旋回中か否かを判断する(荷重移動検出手段及び旋回状態検出手段に相当)。そして、VFL/VRR≧1.02の場合には、ステップS23にて各タイヤの空気圧とIDを読み込み、右旋回時には、右輪側の荷重が減少し左輪側の荷重が増大するというように車両荷重が左右移動することに基づき、ステップS24にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを右輪グループのテーブルに記憶させ、ステップS25にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高まったタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを左輪グループのテーブルに記憶させる。
【0041】
ステップS22でVFL/VRR<1.02の場合には、直進走行状態のため、左右のグループ分けはしないでリターンへ至る。また、上記ステップS21またはステップS25からはステップS26へ移行し、ステップS26では、右前輪のグループを作るため、前輪グループと右輪グループの両方に共通して存在するIDを選択し、右前輪グループのテーブルにID記憶させ、次のステップS27では、右前輪グループのIDデータが3ヶ以上か否かを判断する。ここでは、例えば、外乱により車輪速に誤差が生じて旋回状態を誤判断した等によって、必ずしもテーブルに記憶されたデータが正しいものばかりでない可能性も考慮して、複数回の演算周期で得られた複数個のデータを蓄積しているか否かを判断している。また、頻度という考え方から最低3ヶ以上のデータが必要となるが、もっと多いデータ数でも構わない。また、好ましくは奇数のデータ数である。そして、ステップS27で右前輪グループのIDデータが3ヶ以上であれば、ステップS28にて、3ヶ以上のデータの中で一番頻度の多いIDを右前輪と判別する(タイヤ位置判別手段)。
【0042】
次のステップS29では、今まで右前輪として登録(記憶)していたIDとステップS28で判断したIDとが同一か異なるかを判断し、異なる場合にはステップS30にて、今まで右前輪として登録していたIDをクリアし、ステップS28で判断したIDを替わりに再登録する。なお、ステップS29で2つのIDが同一の場合は、登録し直しが必要ないので、リターンへ至る。但し、演算周期を重ねて個々でデータ数が増える内に一番頻度が高いものが入れ替わる可能性もでてくるので、この時点で登録し直しが必要なくても演算周期を重ね続けるようにリターンへ至るようにしている。
【0043】
ステップS31〜ステップS45までは、左前輪、右後輪、左後輪の順に、ステップS26〜ステップS30と同じような処理をしている。つまり、ステップS31では、左前輪のグループを作るため、前輪グループと左輪グループの両方に共通して存在するIDを選択し、左前輪グループのテーブルにID記憶させ、次のステップS32では、左前輪グループのIDデータが3ヶ以上か否かを判断し、ステップS32で左前輪グループのIDデータが3ヶ以上であれば、ステップS33にて、3ヶ以上のデータの中で一番頻度の多いIDを左前輪と判別する(タイヤ位置判別手段)。次のステップS34では、今まで左前輪として登録していたIDとステップS33で判断したIDとが同一か異なるかを判断し、異なる場合にはステップS35にて、今まで左前輪として登録していたIDをクリアし、ステップS33で判断したIDを替わりに再登録する。なお、ステップS32及びステップS34にてNOと判断された場合にはリターンへ至る。
【0044】
また、ステップS36では、右後輪のグループを作るため、後輪グループと右輪グループの両方に共通して存在するIDを選択し、右後輪グループのテーブルにID記憶させ、次のステップS37では、右後輪グループのIDデータが3ヶ以上か否かを判断し、ステップS37で右後輪グループのIDデータが3ヶ以上であれば、ステップS38にて、3ヶ以上のデータの中で一番頻度の多いIDを右後輪と判別する(タイヤ位置判別手段)。次のステップS39では、今まで右後輪として登録していたIDとステップS38で判断したIDとが同一か異なるかを判断し、異なる場合にはステップS40にて、今まで右後輪として登録していたIDをクリアし、ステップS38で判断したIDを替わりに再登録する。なお、ステップS37及びステップS39にてNOと判断された場合にはリターンへ至る。
【0045】
また、ステップS41では、左後輪のグループを作るため、後輪グループと左輪グループの両方に共通して存在するIDを選択し、左後輪グループのテーブルにID記憶させ、次のステップS42では、左後輪グループのIDデータが3ヶ以上か否かを判断し、ステップS42で左後輪グループのIDデータが3ヶ以上であれば、ステップS43にて、3ヶ以上のデータの中で一番頻度の多いIDを左後輪と判別する(タイヤ位置判別手段)。次のステップS44では、今まで左後輪として登録していたIDとステップS43で判断したIDとが同一か異なるかを判断し、異なる場合にはステップS45にて、今まで左後輪として登録していたIDをクリアし、ステップS43で判断したIDを替わりに再登録する。なお、ステップS42及びステップS44にてNOと判断された場合にはリターンへ至る。
【0046】
なお、ステップS26〜ステップS45までの処理後、4輪分のIDを確認してから必要なものだけIDの入れ替え登録をしても良いが、なるべく早く判ったものから確定するようにした方が好ましいため、4輪を独立して判断し、登録するようにしている。
【0047】
[タイヤ位置判別作用]
例えば、図7に示すように、タイヤ交換前は、右前輪タイヤがID1、左前輪タイヤがID2、右後輪タイヤがID3、左後輪タイヤがID4、スペアタイヤがID5であったのを、タイヤ交換後、右後輪タイヤがID5、スペアタイヤがID3となった場合で、タイヤ交換後、図8に示すように、車両が加速、左旋回、右旋回、減速を行った場合について、各タイヤ位置を判別する作用について説明する。
【0048】
なお、図8に示す丸印1〜20はタイヤ位置判別の演算時を示し、丸印の間隔は演算周期を示す。また、図9(イ)は1〜20回の演算処理したときの前輪・後輪・右輪・左輪の各グループのテーブルに記憶されたIDを示し、図9(ロ)は1〜20回の演算処理する中で右前輪・左前輪・右後輪・左後輪の各グループのテーブルに記憶されたIDを示す。
【0049】
まず、図8に示す丸印1〜6までは車両が加速度0.1G以上での加速状態であり、この領域では、図3のフローチャートにおいて、ステップS0→ステップS1→ステップS3→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤの上位2ヶ(ID1,ID2)が選択され、前輪グループのテーブルにID1,ID2が記憶される。さらに、ステップS12へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高くなったタイヤの上位2ヶ(ID4,ID5)が選択され、後輪グループのテーブルにID4,ID5が記憶される。
【0050】
次に、図8に示す丸印6〜8までは車両が左旋回状態であり、加速を伴う丸印6ではステップS12から、また、丸印7,8では、ステップS13からステップS17→ステップS18→ステップS19→ステップS20へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤの上位2ヶ(ID2,ID4)が選択され、左輪グループのテーブルにID2,ID4が記憶される。さらに、ステップS21へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高くなったタイヤの上位2ヶ(ID1,ID5)が選択され、右輪グループのテーブルにID1,ID5が記憶される。
【0051】
次の図8に示す丸印9は車両が直進状態での走行であり、図3〜図6のフローチャートでリターンへ至る流れとなり、IDの記憶はなされない。
【0052】
次に、図8に示す丸印10〜13までは車両が右旋回状態であり、ステップS18からステップS22→ステップS23→ステップS24へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤの上位2ヶ(ID1,ID5)が選択され、右輪グループのテーブルにID1,ID5が記憶される。さらに、ステップS25へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高くなったタイヤの上位2ヶ(ID2,ID4)が選択され、左輪グループのテーブルにID2,ID4が記憶される。
【0053】
次の図8に示す丸印14,15は車両が直進状態での走行であり、図3〜図6のフローチャートでリターンへ至る流れとなり、IDの記憶はなされない。
【0054】
次に、図8に示す丸印16〜20までは車両が減速度0.1G以上での減速状態であり、この領域では、図3のフローチャートにおいて、ステップS0→ステップS1→ステップS3→ステップS8→ステップS9→ステップS13→ステップS14→ステップS15へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高くなったタイヤの上位2ヶ(ID1,ID2)が選択され、前輪グループのテーブルにID1,ID2が記憶される。さらに、ステップS16へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤの上位2ヶ(ID4,ID5)が選択され、後輪グループのテーブルにID4,ID5が記憶される。
【0055】
そして、図9(イ)に示すように、演算周期回数1〜5までは前輪グループと右輪グループに両方に共通して存在するIDが存在しないが、演算周期回数6の時点で前輪グループと右輪グループに両方に共通するIDとしてID1が存在する。このため、ステップS26において、図9(ロ)に示すテーブルのうち右前輪グループに1個目のIDデータとしてID1が記憶される。次の演算周期回数7の時点でも前輪グループと右輪グループに両方に共通するIDとしてID1が存在するため、図9(ロ)に示すテーブルのうち右前輪グループに2個目のIDデータとしてID1が記憶される。次の演算周期回数8の時点でも前輪グループと右輪グループに両方に共通するIDとしてID1が存在するため、図9(ロ)に示すテーブルのうち右前輪グループに3個目のIDデータとしてID1が記憶される。
【0056】
右前輪グループと同様に、左前輪グループについても、ステップS31において、演算周期回数6,7,8の時点で、前輪グループと左輪グループに両方に共通するIDとしてID2が存在するため、図9(ロ)に示すテーブルのうち左前輪グループにIDデータとしてID2が合計3個記憶される。同様に、右後輪グループについても、ステップS36において、演算周期回数6,7,8の時点で、後輪グループと右輪グループに両方に共通するIDとしてID5が存在するため、図9(ロ)に示すテーブルのうち右後輪グループにIDデータとしてID5が合計3個記憶される。同様に、左後輪グループについても、ステップS41において、演算周期回数6,7,8の時点で、後輪グループと左輪グループに両方に共通するIDとしてID4が存在するため、図9(ロ)に示すテーブルのうち左後輪グループにIDデータとしてID4が合計3個記憶される。
【0057】
このようにして、右前輪グループのIDデータが3ヶ以上になると、ステップS27からステップS28へ進み、一番頻度の多いIDデータであるID1が、右前輪であると判別される。また、左前輪グループのIDデータが3ヶ以上になると、ステップS32からステップS33へ進み、一番頻度の多いIDデータであるID2が、左前輪であると判別される。また、右後輪グループのIDデータが3ヶ以上になると、ステップS37からステップS38へ進み、一番頻度の多いIDデータであるID5が、右後輪であると判別される。また、左後輪グループのIDデータが3ヶ以上になると、ステップS42からステップS43へ進み、一番頻度の多いIDデータであるID4が、左後輪であると判別される。
【0058】
例えば、図9(ロ)に示すように、右後輪グループに何かの誤差で実際のID5とは異なるID4が混入した場合や、左後輪グループに何かの誤差で実際のID4とは異なるID5が混入した場合でも、最も頻度が高いIDが選択されるため、誤差で混入したものは無視されることになる。
【0059】
次に、この例では、右後輪をID3からスペアタイヤのID5に交換しているが、図9(ロ)において、右後輪グループのIDデータ数が3個となった時点でステップS38において、タイヤ交換後のID5が右後輪であると判別され、次のステップS39において、今まで右後輪として登録していたID(=ID3)と一番頻度が多いID(=ID5)とが異なるため、ステップS40へ進み、一番頻度が多いIDであるID5が右後輪のIDとして再登録される。よって、タイヤ交換後、IDデータ数が3個蓄積された時点で、自動的にIDの再登録を行うことができる。
【0060】
次に、効果を説明する。
【0061】
(1) 車両の前後左右の荷重移動中のタイヤ空気圧の変化を検出し、空気圧の変化に応じて各タイヤ位置と各IDとの関係付けをすることで各タイヤ位置を判別するようにしたため、荷重移動中にタイヤ空気圧が変化する装着タイヤか、荷重移動中であってもタイヤ空気圧の変化がない非装着タイヤかの区別できることは勿論のこと、パンク等によるタイヤ交換後において、荷重移動中のタイヤ空気圧の変化モードにより、自動的に各送信データが複数輪のどの位置のタイヤを示すものかが分かる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS11,S12,S15,S16,S20,S21,S24,S25、及び図9のテーブル表を参照。
【0062】
(2) 荷重移動検出を、車両の加減速を検出する加減速検出ステップ(ステップS9,S13)と、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出ステップ(ステップS18,S22)と、により行うようにしたため、確実に車両の運動時(加減速や旋回)、すなわち、左右前後の荷重移動時を検出することができる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS9,S13,S18,S22を参照。
【0063】
(3) 車両の加減速時のタイヤ空気圧値の変化から前輪と後輪を区別した結果と、車両の旋回時のタイヤ空気圧値の変化から右輪と左輪を区別した結果と、から各タイヤ位置を判別するステップ(ステップS26,S31,S36,S41)を設けたため、自動的に各タイヤの装着位置(右前位置、左前位置、右後位置、左後位置)を判別することができる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS26,S31,S36,S41、及び図9のテーブル表を参照。
【0064】
(4) 各タイヤ位置を判別するステップ(ステップS26,S31,S36,S41)は、前輪と後輪を区別した結果と、右輪と左輪を区別した結果と、に共通して存在する3個のIDデータの内で最も頻度の高いものをタイヤの位置の判別に使用するようにしたため、外乱等により車輪速に誤差が生じ、旋回判断や加減速判断を誤判断し、本来得るべきでない時にタイヤ空気圧を検出したことで、実際のタイヤ位置と異なるデータが蓄積されたとしても、信頼性の高いタイヤ位置判別を行うことができる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS28,S33,S38,S43、及び図9のテーブル表を参照。
【0065】
(5) 変速シフト位置がPレンジ,Nレンジ以外の車両走行可能なレンジ位置になる度に1回、タイヤ位置判別を開始するようにしたため、停車後の走行開始後に必ずタイヤ位置判別ができると共に、不要なときにはタイヤ位置判別を実行しないようにすることができる。
すなわち、例えば、イグニッションON毎にタイヤ位置判別の処理を実行すると、タイヤ交換時にエンジンをかけたまま(イグニッションONのまま)にする可能性があり、その場合、タイヤ交換後にタイヤ位置判別ができない。しかし、タイヤ交換時には、必ず停車することから、変速シフト位置が車両走行可能な位置(Dレンジ・1速固定レンジ・2速固定レンジ・Rレンジ)になる度に1回、上記のタイヤ位置判別を開始するようにすると、エンジンをかけたままのタイヤ交換後においてもタイヤ位置を判別できる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS1を参照。
【0066】
(6) 以前記憶していたタイヤのIDと、複数個のIDデータの内で最も頻度が高いIDとが、互いに異なる場合には、複数個のIDデータの内で最も頻度が高いIDに記憶し直すようにしたため、タイヤ交換後に自動的にID再登録(登録し直し)を行うことができる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS30,S35,S40,S45を参照。
【0067】
(他の実施例)
以上、本発明のタイヤ空気圧モニター装置を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に記載された本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0068】
例えば、前後Gセンサや横Gセンサが搭載されている車両では、これらのセンサ信号を用いて加減速を検出したり旋回状態を検出するようにしても良い。
【0069】
また、第1実施例では、車体の加速度のしきい値を0.1G、旋回状態のしきい値を1.02として説明しているが、タイヤ空圧の変化が判るレベルの適切なしきい値を、実験やシミュレーションで求めて設定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置が適用された車両を示す全体図である。
【図2】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧センサ及びタイヤ空気圧警報コントローラを示す詳細図である。
【図3】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧警報コントローラにて実行されるタイヤ位置判別の演算処理の流れを示すフローチャート1である。
【図4】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧警報コントローラにて実行されるタイヤ位置判別の演算処理の流れを示すフローチャート2である。
【図5】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧警報コントローラにて実行されるタイヤ位置判別の演算処理の流れを示すフローチャート3である。
【図6】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧警報コントローラにて実行されるタイヤ位置判別の演算処理の流れを示すフローチャート4である。
【図7】タイヤ交換の前後における各タイヤのIDを示す図である。
【図8】車両が加速、左旋回、右旋回、減速を行った場合の各タイヤ位置を判別する演算時と演算周期を示す図である。
【図9】(イ)は1〜20回の演算処理したときの前輪・後輪・右輪・左輪の各グループのテーブルに記憶されたIDを示すテーブル表であり、(ロ)は1〜20回の演算処理する中で右前輪・左前輪・右後輪・左後輪の各グループのテーブルに記憶されたIDを示すテーブル表である。
【符号の説明】
1 右前輪タイヤ
2 左前輪タイヤ
3 右後輪タイヤ
4 左後輪タイヤ
5 スペアタイヤ
6 右前輪速センサ
7 左前輪速センサ
8 右後輪速センサ
9 左後輪速センサ
10 タイヤ空気圧センサ
10a 圧力センサ(空気圧検出手段)
10d 発信子(送信手段)
10e 送信アンテナ(送信手段)
11 ABSコントローラ
12 ATコントローラ
13 タイヤ空気圧警報コントローラ
13b 受信アンテナ(受信手段)
13c 受信回路(受信手段)
14 空気圧低下ワーニングランプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、各タイヤに個別で装着される送信機から送られるタイヤ識別符号と検出した空気圧とを受信機で受信し、個別に各タイヤ空気圧をモニターするタイヤ空気圧モニター装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤ空気圧警報装置としては、例えば、特許第3061047号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来公報には、各タイヤに個別で装着される送信機から送られるタイヤ識別符号(ID:identification)を受信機で受信し、登録する際に、所定時間内に受信したものの内で受信頻度の高い方からIDを記憶(登録)する技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のタイヤ空気圧警報装置にあっては、多くの車両が密集する場所で他の車両のID誤登録は避けられるが、自車両のスペアタイヤスペースに搭載されている非装着タイヤからも装着タイヤと同様にデータが送信されれば、非装着タイヤからの受信頻度は装着タイヤからの受信頻度と同じとなり、非装着タイヤのIDを装着タイヤとして誤登録する可能性がある。その場合、ID登録されていない装着タイヤの空気圧の警報が行えないおそれがある。
【0005】
また、タイヤ交換後、ディーラ等でタイヤIDを再登録しなければならないとすると、タイヤ交換の度にID再登録という手間を余儀なくされ、それは実用的ではない。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、装着タイヤと非装着タイヤを区別しながら、自動的に各タイヤ位置を判断可能なタイヤ空気圧モニター装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、
複数のタイヤを備えた車両において、
各タイヤの空気圧を検出する空気圧検出手段と、
各タイヤに備えられ、各タイヤ個別の識別符号と検出した空気圧とを無線信号にて送信する送信手段と、
車両に取り付けられ、前記送信手段からの無線信号を受信する受信手段と、
車両の前後左右の荷重移動を検出する荷重移動検出手段と、
車両の前後左右の荷重移動中のタイヤ空気圧の変化を検出し、空気圧の変化に応じて各タイヤ位置と各識別符号との関係付けをするタイヤ位置判別手段と、
を備えたとを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、請求項1に記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記荷重移動検出手段は、車両の加減速を検出する加減速検出手段と、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、からなることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明では、請求項1または請求項2の何れかに記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記タイヤ位置判別手段は、
車両の加減速時のタイヤ空気圧値の変化から前輪と後輪を区別する手段と、
車両の旋回時のタイヤ空気圧値の変化から右輪と左輪を区別する手段と、を備え、
前輪と後輪を区別する手段で区別した結果と、右輪と左輪を区別する手段で区別した結果と、から各タイヤ位置を判別することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明では、請求項3に記載されたタイヤ空気圧モニター装置において、
前記タイヤ位置判別手段は、前輪と後輪を区別する手段で区別した結果と、右輪と左輪を区別する手段で区別した結果と、に共通して存在する複数個の識別符号データの内で最も頻度の高いものをタイヤの位置の判別に使用することを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明では、請求項4に記載されたタイヤ空気圧モニター装置において、
各タイヤの識別符号をタイヤの位置として記憶する記憶手段を備え、
前記タイヤ位置判別手段は、以前記憶していたタイヤの識別符号と、複数個の識別符号データの内で最も頻度が高い識別符号とが、互いに異なる場合には、複数個の識別符号データの内で最も頻度が高い識別符号に記憶し直すことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明では、請求項1ないし請求項5の何れかに記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
変速機のシフト位置を検出する変速シフト位置検出手段を備え、
前記タイヤ位置判別手段は、変速シフト位置が車両走行可能な位置になる度に1回、タイヤ位置判別を開始することを特徴とする。
【0013】
【発明の作用および効果】
請求項1に係る発明にあっては、複数の送信手段において、各タイヤ個別の識別符号とタイヤ空気圧検出手段にて検出した空気圧とが無線信号にて送信され、車両に取り付けられた受信手段において、送信手段からの無線信号が受信される。そして、荷重移動検出手段において、車両の前後左右の荷重移動が検出され、タイヤ位置判別手段において、車両の前後左右の荷重移動中のタイヤ空気圧の変化が検出され、この空気圧の変化に応じて各タイヤ位置と各識別符号とが関係付けされる。
【0014】
よって、荷重移動中にタイヤ空気圧が変化する装着タイヤか、荷重移動中であってもタイヤ空気圧の変化がない非装着タイヤ(自車両のスペアタイヤスペースに搭載)かの区別できることは勿論のこと、パンク等によるタイヤ交換後において、荷重移動中のタイヤ空気圧の変化モードにより、自動的に各送信データが複数輪のどの位置のタイヤを示すものかが分かる。
【0015】
請求項2に係る発明にあっては、荷重移動検出手段が、車両の加減速を検出する加減速検出手段と、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、からなるため、確実に車両の運動時(加減速や旋回)の左右前後の荷重移動時を検出することができる。
【0016】
請求項3に係る発明にあっては、タイヤ位置判別手段において、車両の加減速時のタイヤ空気圧値の変化から前輪と後輪が区別され、車両の旋回時のタイヤ空気圧値の変化から右輪と左輪が区別され、前輪と後輪を区別する手段で区別した結果と、右輪と左輪を区別する手段で区別した結果と、から各タイヤ位置が判別されるため、自動的に各タイヤの装着位置(右前位置、左前位置、右後位置、左後位置)を判別することができる。
【0017】
請求項4に係る発明にあっては、タイヤ位置判別手段において、前輪と後輪を区別する手段で区別した結果と、右輪と左輪を区別する手段で区別した結果と、に共通して存在する複数個の識別符号データの内で最も頻度の高いものがタイヤの位置の判別に使用される。
【0018】
よって、外乱等により車輪速に誤差が生じ、旋回判断や加減速判断を誤判断し、本来得るべきでない時にタイヤ空気圧を検出したことで、実際のタイヤ位置と異なるデータが蓄積されたとしても、複数個の識別符号データの内で最も頻度の高いものをタイヤ位置の判別に使用するので、信頼性の高いタイヤ位置判別を行うことができる。
【0019】
請求項5に係る発明にあっては、タイヤ位置判別手段において、以前記憶していたタイヤの識別符号と、複数個の識別符号データの内で最も頻度が高い識別符号とが、互いに異なる場合には、複数個の識別符号データの内で最も頻度が高い識別符号がタイヤの位置として記憶手段に記憶し直されるため、タイヤ交換後に自動的にID再登録(登録し直し)を行うことができる。
【0020】
請求項6に係る発明にあっては、タイヤ位置判別手段において、変速シフト位置検出手段からの変速機のシフト位置が車両走行可能な位置になる度に1回、タイヤ位置判別が開始される。
【0021】
よって、例えば、イグニッションON毎にタイヤ位置判別の処理を実行すると、タイヤ交換時にエンジンをかけたまま(イグニッションONのまま)にする可能性があり、その場合、タイヤ交換後にタイヤ位置判別ができない。しかし、タイヤ交換時には、必ず停車することから、変速シフト位置が車両走行可能な位置(Dレンジ・1速固定レンジ・2速固定レンジ・Rレンジ)になる度に1回、上記のタイヤ位置判別を開始するようにしたので、停車後の走行開始後に必ずタイヤ位置判別ができると共に、不要なときにはタイヤ位置判別を実行しないようにすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明におけるタイヤ空気圧モニター装置を実現する実施の形態を、請求項1〜請求項6に対応する第1実施例に基づいて説明する。
【0023】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置が適用された車両を示す全体図であり、図1において、1は右前輪タイヤ、2は左前輪タイヤ、3は右後輪タイヤ、4は左後輪タイヤ、5はスペアタイヤ、6は右前輪速センサ、7は左前輪速センサ、8は右後輪速センサ、9は左後輪速センサ、10はタイヤ空気圧センサ、11はABSコントローラ、12はATコントローラ、13はタイヤ空気圧警報コントローラ、14は空気圧低下ワーニングランプである。
【0024】
前記右前輪速センサ6、左前輪速センサ7、右後輪速センサ8、左後輪速センサ9は、前後輪1,2,3,4の各車輪速を検出し、車輪速センサ信号をABSコントローラ11に入力する。
【0025】
前記タイヤ空気圧センサ10は、前後輪タイヤ1,2,3,4とスペアタイヤ5のロードホイールにそれぞれ取り付けられ、各タイヤ個別のタイヤ空気圧を検出すると共に、各タイヤ個別のID(識別符号)と検出したタイヤ空気圧を無線信号にて、受信機能を有するタイヤ空気圧警報コントローラ13に送信する。
【0026】
前記ABSコントローラ11は、各車輪速センサ6,7,8,9からの車輪速センサ信号を入力し、車速情報(車体速、車体加減速度、各車輪速)をタイヤ空気圧警報コントローラ13に出力する。
【0027】
前記ATコントローラ12は、図外のインヒビタースイッチからのスイッチ信号によりシフト位置を判断し、シフト位置情報をタイヤ空気圧警報コントローラ13に出力する。
【0028】
前記タイヤ空気圧警報コントローラ13は、装着タイヤである前後輪タイヤ1,2,3,4のタイヤ位置を判別すると共に、装着タイヤの空気圧が低下していると判断した場合、空気圧低下ワーニングランプ14に対し、ランプ点灯指令を出力する。なお、メータパネル内で空気圧が低下している輪(タイヤ)を文字表示したり、車両に対するタイヤ位置を絵表示したもので該当するタイヤ絵をランプ点灯するようにしても良い。
【0029】
図2は第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧センサ10及びタイヤ空気圧警報コントローラ13を示す詳細図である。
【0030】
前記タイヤ空気圧センサ10は、タイヤ空気圧(内圧)を検出する圧力センサ10a(空気圧検出手段)と、作用する遠心力が小さい領域では開となり遠心力が大きい領域では閉となる遠心力スイッチ10bと、特定用途向け集積回路であるASIC10cと、発信子10d及び送信アンテナ10e(送信手段)とを有して構成される。そして、電池寿命を確保するために設置された遠心力スイッチ10bの開閉をトリガにして、停止を含む車速が低い領域では長い送信間隔(1時間)、それより車速が高い領域では、短い送信間隔(1分)というように送信周期を2段階に変え、圧力センサ10aからの変調した圧力値情報と、各タイヤ個別のID情報とを電磁波を用いて送信する。
【0031】
前記タイヤ空気圧警報コントローラ13は、5V電源回路13aと、前記タイヤ空気圧センサ10の送信アンテナ10eからの送信データを受信する受信アンテナ13b及び受信回路13c(受信手段)と、ABSコントローラ11からの車速情報を入力する車速情報入力回路13dと、ATコントローラ12からのシフト位置情報を入力するシフト位置情報入力回路13eと、受信回路13cからの受信データ、並びに、両入力回路13d,13eからの入力情報を入力し、所定の制御則に従って演算処理をするマイクロコンピュータ13fと、ID登録を行う電気的に記憶情報を消去可能な読み出し専用メモリであるEEPROM13g(記憶手段)と、受信データ内の圧力値を判断して圧力低下時にタイヤ空気圧警報指令を空気圧低下ワーニングランプ14に出力するワーニングランプ出力回路13hを有して構成される。
【0032】
次に、作用を説明する。
【0033】
[タイヤ位置判別の演算処理]
図3〜図6はタイヤ空気圧警報コントローラ13にて実行されるタイヤ位置判別の演算処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0034】
ステップS0では、ATコントローラ11からシフト位置情報が読み込まれ、次のステップS1では、変速シフト位置が停止シフト位置(PレンジまたはNレンジ)か判断し、停止シフト位置の場合はステップS2に移行し、ステップS2では、基準空気圧の記憶が完了している時のフラグを0にしてリターンに至る。すなわち、停止シフト位置の場合には、何も行わない。
【0035】
ステップS2に判断で停止シフト位置ではない場合は、ステップS3へ移行してフラグが0か否か(基準空気圧の記憶が完了していないか否か)を判断し、フラグが0の場合には、ステップS4へ移行し、車体速VcarをABSコントローラ11から入力し、ステップS5にて車体速Vcarが所定の車速(例えば、5km/h)以下か否かを判断する。ここで、所定の車速とは、車両の加減速度や旋回による荷重移動が生じる可能性が低い低速度であり、0km/hや1km/hでも構わない。
【0036】
ステップS5にてYESと判断された場合は、ステップS6へ移行してその時の各タイヤ空気圧を基準圧として記憶し、次のステップS7では、基準値を記憶した印としてフラグを1にしてリターンに至る。一方、ステップS5にてNOと判断された場合は、既に車両の加減速度や旋回が生じている可能性があるので、基準となる空気圧を記憶することなくリターンへ至る。
【0037】
ステップS7を経てリターンの後、再びスタートからしてステップS1→ステップS3に来ると、フラグは1なのでステップS3からステップS8へ移行し、ステップS8では、ABSコントローラ11から車体加減速度を読み込み、ステップS9にて、車体加速度が所定の加速度0.1G以上か否かを判断する(荷重移動検出手段及び加減速検出手段に相当)。そして、車体加速度が0.1G以上の場合には、ステップS10にて各タイヤの空気圧とIDを読み込み、加速時には前輪側の荷重が減少し後輪側の荷重が増大するというように車両荷重が前後移動することに基づき、ステップS11にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを前輪グループのテーブルに記憶させ、ステップS12にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高まったタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを後輪グループのテーブルに記憶させる。
【0038】
ステップS9にて車体加速度が0.1G未満の場合には、ステップ13へ移行し、ステップS13にて、車体減速度が所定の減速度0.1G以上か否かを判断する(荷重移動検出手段及び加減速検出手段に相当)。そして、車体減速度が0.1G以上の場合には、ステップS14にて各タイヤの空気圧とIDを読み込み、減速時には前輪側の荷重が増大し後輪側の荷重が減少するというように車両荷重が前後移動することに基づき、ステップS15にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高くなったタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを前輪グループのテーブルに記憶させ、ステップS16にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを後輪グループのテーブルに記憶させる。
【0039】
ステップS13で車体減速度が0.1G未満の場合(加減速がない定常走行時)は、ステップS17へ移行し、ステップS17では、ABSコントローラ11から各車輪速(左前輪速VFL、右前輪速VFR、左後輪速VRL、右後輪速VRR)が読み込まれ、次のステップS18では、左旋回時には、右前輪旋回半径が最も大径となり左後輪旋回半径が最も小径となることに基づき、右前輪速VFRから左後輪速VRLを除した値(減じた値でみると車速によってしきい値を補正しなければならないので、比の方が良い。)が所定の値(例えば、1.02)以上か否か、つまり、左旋回中か否かを判断する(荷重移動検出手段及び旋回状態検出手段に相当)。そして、VFR/VRL≧1.02の場合には、ステップS19にて各タイヤの空気圧とIDを読み込み、左旋回時には、左輪側の荷重が減少し右輪側の荷重が増大するというように車両荷重が左右移動することに基づき、ステップS20にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを左輪グループのテーブルに記憶させ、ステップS21にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高まったタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを右輪グループのテーブルに記憶させる。
【0040】
ステップS18にてVFR/VRL<1.02と判断された場合には、ステップS22へ移行し、ステップS22では、右旋回時には、左前輪旋回半径が最も大径となり右後輪旋回半径が最も小径となることに基づき、左前輪速VFLから右後輪速VRRを除した値が所定の値(例えば、1.02)以上か否か、つまり、右旋回中か否かを判断する(荷重移動検出手段及び旋回状態検出手段に相当)。そして、VFL/VRR≧1.02の場合には、ステップS23にて各タイヤの空気圧とIDを読み込み、右旋回時には、右輪側の荷重が減少し左輪側の荷重が増大するというように車両荷重が左右移動することに基づき、ステップS24にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを右輪グループのテーブルに記憶させ、ステップS25にて、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高まったタイヤを上位2ヶ選択し、そのタイヤのIDを左輪グループのテーブルに記憶させる。
【0041】
ステップS22でVFL/VRR<1.02の場合には、直進走行状態のため、左右のグループ分けはしないでリターンへ至る。また、上記ステップS21またはステップS25からはステップS26へ移行し、ステップS26では、右前輪のグループを作るため、前輪グループと右輪グループの両方に共通して存在するIDを選択し、右前輪グループのテーブルにID記憶させ、次のステップS27では、右前輪グループのIDデータが3ヶ以上か否かを判断する。ここでは、例えば、外乱により車輪速に誤差が生じて旋回状態を誤判断した等によって、必ずしもテーブルに記憶されたデータが正しいものばかりでない可能性も考慮して、複数回の演算周期で得られた複数個のデータを蓄積しているか否かを判断している。また、頻度という考え方から最低3ヶ以上のデータが必要となるが、もっと多いデータ数でも構わない。また、好ましくは奇数のデータ数である。そして、ステップS27で右前輪グループのIDデータが3ヶ以上であれば、ステップS28にて、3ヶ以上のデータの中で一番頻度の多いIDを右前輪と判別する(タイヤ位置判別手段)。
【0042】
次のステップS29では、今まで右前輪として登録(記憶)していたIDとステップS28で判断したIDとが同一か異なるかを判断し、異なる場合にはステップS30にて、今まで右前輪として登録していたIDをクリアし、ステップS28で判断したIDを替わりに再登録する。なお、ステップS29で2つのIDが同一の場合は、登録し直しが必要ないので、リターンへ至る。但し、演算周期を重ねて個々でデータ数が増える内に一番頻度が高いものが入れ替わる可能性もでてくるので、この時点で登録し直しが必要なくても演算周期を重ね続けるようにリターンへ至るようにしている。
【0043】
ステップS31〜ステップS45までは、左前輪、右後輪、左後輪の順に、ステップS26〜ステップS30と同じような処理をしている。つまり、ステップS31では、左前輪のグループを作るため、前輪グループと左輪グループの両方に共通して存在するIDを選択し、左前輪グループのテーブルにID記憶させ、次のステップS32では、左前輪グループのIDデータが3ヶ以上か否かを判断し、ステップS32で左前輪グループのIDデータが3ヶ以上であれば、ステップS33にて、3ヶ以上のデータの中で一番頻度の多いIDを左前輪と判別する(タイヤ位置判別手段)。次のステップS34では、今まで左前輪として登録していたIDとステップS33で判断したIDとが同一か異なるかを判断し、異なる場合にはステップS35にて、今まで左前輪として登録していたIDをクリアし、ステップS33で判断したIDを替わりに再登録する。なお、ステップS32及びステップS34にてNOと判断された場合にはリターンへ至る。
【0044】
また、ステップS36では、右後輪のグループを作るため、後輪グループと右輪グループの両方に共通して存在するIDを選択し、右後輪グループのテーブルにID記憶させ、次のステップS37では、右後輪グループのIDデータが3ヶ以上か否かを判断し、ステップS37で右後輪グループのIDデータが3ヶ以上であれば、ステップS38にて、3ヶ以上のデータの中で一番頻度の多いIDを右後輪と判別する(タイヤ位置判別手段)。次のステップS39では、今まで右後輪として登録していたIDとステップS38で判断したIDとが同一か異なるかを判断し、異なる場合にはステップS40にて、今まで右後輪として登録していたIDをクリアし、ステップS38で判断したIDを替わりに再登録する。なお、ステップS37及びステップS39にてNOと判断された場合にはリターンへ至る。
【0045】
また、ステップS41では、左後輪のグループを作るため、後輪グループと左輪グループの両方に共通して存在するIDを選択し、左後輪グループのテーブルにID記憶させ、次のステップS42では、左後輪グループのIDデータが3ヶ以上か否かを判断し、ステップS42で左後輪グループのIDデータが3ヶ以上であれば、ステップS43にて、3ヶ以上のデータの中で一番頻度の多いIDを左後輪と判別する(タイヤ位置判別手段)。次のステップS44では、今まで左後輪として登録していたIDとステップS43で判断したIDとが同一か異なるかを判断し、異なる場合にはステップS45にて、今まで左後輪として登録していたIDをクリアし、ステップS43で判断したIDを替わりに再登録する。なお、ステップS42及びステップS44にてNOと判断された場合にはリターンへ至る。
【0046】
なお、ステップS26〜ステップS45までの処理後、4輪分のIDを確認してから必要なものだけIDの入れ替え登録をしても良いが、なるべく早く判ったものから確定するようにした方が好ましいため、4輪を独立して判断し、登録するようにしている。
【0047】
[タイヤ位置判別作用]
例えば、図7に示すように、タイヤ交換前は、右前輪タイヤがID1、左前輪タイヤがID2、右後輪タイヤがID3、左後輪タイヤがID4、スペアタイヤがID5であったのを、タイヤ交換後、右後輪タイヤがID5、スペアタイヤがID3となった場合で、タイヤ交換後、図8に示すように、車両が加速、左旋回、右旋回、減速を行った場合について、各タイヤ位置を判別する作用について説明する。
【0048】
なお、図8に示す丸印1〜20はタイヤ位置判別の演算時を示し、丸印の間隔は演算周期を示す。また、図9(イ)は1〜20回の演算処理したときの前輪・後輪・右輪・左輪の各グループのテーブルに記憶されたIDを示し、図9(ロ)は1〜20回の演算処理する中で右前輪・左前輪・右後輪・左後輪の各グループのテーブルに記憶されたIDを示す。
【0049】
まず、図8に示す丸印1〜6までは車両が加速度0.1G以上での加速状態であり、この領域では、図3のフローチャートにおいて、ステップS0→ステップS1→ステップS3→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤの上位2ヶ(ID1,ID2)が選択され、前輪グループのテーブルにID1,ID2が記憶される。さらに、ステップS12へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高くなったタイヤの上位2ヶ(ID4,ID5)が選択され、後輪グループのテーブルにID4,ID5が記憶される。
【0050】
次に、図8に示す丸印6〜8までは車両が左旋回状態であり、加速を伴う丸印6ではステップS12から、また、丸印7,8では、ステップS13からステップS17→ステップS18→ステップS19→ステップS20へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤの上位2ヶ(ID2,ID4)が選択され、左輪グループのテーブルにID2,ID4が記憶される。さらに、ステップS21へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高くなったタイヤの上位2ヶ(ID1,ID5)が選択され、右輪グループのテーブルにID1,ID5が記憶される。
【0051】
次の図8に示す丸印9は車両が直進状態での走行であり、図3〜図6のフローチャートでリターンへ至る流れとなり、IDの記憶はなされない。
【0052】
次に、図8に示す丸印10〜13までは車両が右旋回状態であり、ステップS18からステップS22→ステップS23→ステップS24へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤの上位2ヶ(ID1,ID5)が選択され、右輪グループのテーブルにID1,ID5が記憶される。さらに、ステップS25へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高くなったタイヤの上位2ヶ(ID2,ID4)が選択され、左輪グループのテーブルにID2,ID4が記憶される。
【0053】
次の図8に示す丸印14,15は車両が直進状態での走行であり、図3〜図6のフローチャートでリターンへ至る流れとなり、IDの記憶はなされない。
【0054】
次に、図8に示す丸印16〜20までは車両が減速度0.1G以上での減速状態であり、この領域では、図3のフローチャートにおいて、ステップS0→ステップS1→ステップS3→ステップS8→ステップS9→ステップS13→ステップS14→ステップS15へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より高くなったタイヤの上位2ヶ(ID1,ID2)が選択され、前輪グループのテーブルにID1,ID2が記憶される。さらに、ステップS16へ進み、図9(イ)に示すように、4輪のうち読み込んだ空気圧が基準圧より低下したタイヤの上位2ヶ(ID4,ID5)が選択され、後輪グループのテーブルにID4,ID5が記憶される。
【0055】
そして、図9(イ)に示すように、演算周期回数1〜5までは前輪グループと右輪グループに両方に共通して存在するIDが存在しないが、演算周期回数6の時点で前輪グループと右輪グループに両方に共通するIDとしてID1が存在する。このため、ステップS26において、図9(ロ)に示すテーブルのうち右前輪グループに1個目のIDデータとしてID1が記憶される。次の演算周期回数7の時点でも前輪グループと右輪グループに両方に共通するIDとしてID1が存在するため、図9(ロ)に示すテーブルのうち右前輪グループに2個目のIDデータとしてID1が記憶される。次の演算周期回数8の時点でも前輪グループと右輪グループに両方に共通するIDとしてID1が存在するため、図9(ロ)に示すテーブルのうち右前輪グループに3個目のIDデータとしてID1が記憶される。
【0056】
右前輪グループと同様に、左前輪グループについても、ステップS31において、演算周期回数6,7,8の時点で、前輪グループと左輪グループに両方に共通するIDとしてID2が存在するため、図9(ロ)に示すテーブルのうち左前輪グループにIDデータとしてID2が合計3個記憶される。同様に、右後輪グループについても、ステップS36において、演算周期回数6,7,8の時点で、後輪グループと右輪グループに両方に共通するIDとしてID5が存在するため、図9(ロ)に示すテーブルのうち右後輪グループにIDデータとしてID5が合計3個記憶される。同様に、左後輪グループについても、ステップS41において、演算周期回数6,7,8の時点で、後輪グループと左輪グループに両方に共通するIDとしてID4が存在するため、図9(ロ)に示すテーブルのうち左後輪グループにIDデータとしてID4が合計3個記憶される。
【0057】
このようにして、右前輪グループのIDデータが3ヶ以上になると、ステップS27からステップS28へ進み、一番頻度の多いIDデータであるID1が、右前輪であると判別される。また、左前輪グループのIDデータが3ヶ以上になると、ステップS32からステップS33へ進み、一番頻度の多いIDデータであるID2が、左前輪であると判別される。また、右後輪グループのIDデータが3ヶ以上になると、ステップS37からステップS38へ進み、一番頻度の多いIDデータであるID5が、右後輪であると判別される。また、左後輪グループのIDデータが3ヶ以上になると、ステップS42からステップS43へ進み、一番頻度の多いIDデータであるID4が、左後輪であると判別される。
【0058】
例えば、図9(ロ)に示すように、右後輪グループに何かの誤差で実際のID5とは異なるID4が混入した場合や、左後輪グループに何かの誤差で実際のID4とは異なるID5が混入した場合でも、最も頻度が高いIDが選択されるため、誤差で混入したものは無視されることになる。
【0059】
次に、この例では、右後輪をID3からスペアタイヤのID5に交換しているが、図9(ロ)において、右後輪グループのIDデータ数が3個となった時点でステップS38において、タイヤ交換後のID5が右後輪であると判別され、次のステップS39において、今まで右後輪として登録していたID(=ID3)と一番頻度が多いID(=ID5)とが異なるため、ステップS40へ進み、一番頻度が多いIDであるID5が右後輪のIDとして再登録される。よって、タイヤ交換後、IDデータ数が3個蓄積された時点で、自動的にIDの再登録を行うことができる。
【0060】
次に、効果を説明する。
【0061】
(1) 車両の前後左右の荷重移動中のタイヤ空気圧の変化を検出し、空気圧の変化に応じて各タイヤ位置と各IDとの関係付けをすることで各タイヤ位置を判別するようにしたため、荷重移動中にタイヤ空気圧が変化する装着タイヤか、荷重移動中であってもタイヤ空気圧の変化がない非装着タイヤかの区別できることは勿論のこと、パンク等によるタイヤ交換後において、荷重移動中のタイヤ空気圧の変化モードにより、自動的に各送信データが複数輪のどの位置のタイヤを示すものかが分かる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS11,S12,S15,S16,S20,S21,S24,S25、及び図9のテーブル表を参照。
【0062】
(2) 荷重移動検出を、車両の加減速を検出する加減速検出ステップ(ステップS9,S13)と、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出ステップ(ステップS18,S22)と、により行うようにしたため、確実に車両の運動時(加減速や旋回)、すなわち、左右前後の荷重移動時を検出することができる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS9,S13,S18,S22を参照。
【0063】
(3) 車両の加減速時のタイヤ空気圧値の変化から前輪と後輪を区別した結果と、車両の旋回時のタイヤ空気圧値の変化から右輪と左輪を区別した結果と、から各タイヤ位置を判別するステップ(ステップS26,S31,S36,S41)を設けたため、自動的に各タイヤの装着位置(右前位置、左前位置、右後位置、左後位置)を判別することができる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS26,S31,S36,S41、及び図9のテーブル表を参照。
【0064】
(4) 各タイヤ位置を判別するステップ(ステップS26,S31,S36,S41)は、前輪と後輪を区別した結果と、右輪と左輪を区別した結果と、に共通して存在する3個のIDデータの内で最も頻度の高いものをタイヤの位置の判別に使用するようにしたため、外乱等により車輪速に誤差が生じ、旋回判断や加減速判断を誤判断し、本来得るべきでない時にタイヤ空気圧を検出したことで、実際のタイヤ位置と異なるデータが蓄積されたとしても、信頼性の高いタイヤ位置判別を行うことができる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS28,S33,S38,S43、及び図9のテーブル表を参照。
【0065】
(5) 変速シフト位置がPレンジ,Nレンジ以外の車両走行可能なレンジ位置になる度に1回、タイヤ位置判別を開始するようにしたため、停車後の走行開始後に必ずタイヤ位置判別ができると共に、不要なときにはタイヤ位置判別を実行しないようにすることができる。
すなわち、例えば、イグニッションON毎にタイヤ位置判別の処理を実行すると、タイヤ交換時にエンジンをかけたまま(イグニッションONのまま)にする可能性があり、その場合、タイヤ交換後にタイヤ位置判別ができない。しかし、タイヤ交換時には、必ず停車することから、変速シフト位置が車両走行可能な位置(Dレンジ・1速固定レンジ・2速固定レンジ・Rレンジ)になる度に1回、上記のタイヤ位置判別を開始するようにすると、エンジンをかけたままのタイヤ交換後においてもタイヤ位置を判別できる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS1を参照。
【0066】
(6) 以前記憶していたタイヤのIDと、複数個のIDデータの内で最も頻度が高いIDとが、互いに異なる場合には、複数個のIDデータの内で最も頻度が高いIDに記憶し直すようにしたため、タイヤ交換後に自動的にID再登録(登録し直し)を行うことができる。
図3〜図6に示すフローチャートのステップS30,S35,S40,S45を参照。
【0067】
(他の実施例)
以上、本発明のタイヤ空気圧モニター装置を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に記載された本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0068】
例えば、前後Gセンサや横Gセンサが搭載されている車両では、これらのセンサ信号を用いて加減速を検出したり旋回状態を検出するようにしても良い。
【0069】
また、第1実施例では、車体の加速度のしきい値を0.1G、旋回状態のしきい値を1.02として説明しているが、タイヤ空圧の変化が判るレベルの適切なしきい値を、実験やシミュレーションで求めて設定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置が適用された車両を示す全体図である。
【図2】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧センサ及びタイヤ空気圧警報コントローラを示す詳細図である。
【図3】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧警報コントローラにて実行されるタイヤ位置判別の演算処理の流れを示すフローチャート1である。
【図4】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧警報コントローラにて実行されるタイヤ位置判別の演算処理の流れを示すフローチャート2である。
【図5】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧警報コントローラにて実行されるタイヤ位置判別の演算処理の流れを示すフローチャート3である。
【図6】第1実施例のタイヤ空気圧モニター装置のタイヤ空気圧警報コントローラにて実行されるタイヤ位置判別の演算処理の流れを示すフローチャート4である。
【図7】タイヤ交換の前後における各タイヤのIDを示す図である。
【図8】車両が加速、左旋回、右旋回、減速を行った場合の各タイヤ位置を判別する演算時と演算周期を示す図である。
【図9】(イ)は1〜20回の演算処理したときの前輪・後輪・右輪・左輪の各グループのテーブルに記憶されたIDを示すテーブル表であり、(ロ)は1〜20回の演算処理する中で右前輪・左前輪・右後輪・左後輪の各グループのテーブルに記憶されたIDを示すテーブル表である。
【符号の説明】
1 右前輪タイヤ
2 左前輪タイヤ
3 右後輪タイヤ
4 左後輪タイヤ
5 スペアタイヤ
6 右前輪速センサ
7 左前輪速センサ
8 右後輪速センサ
9 左後輪速センサ
10 タイヤ空気圧センサ
10a 圧力センサ(空気圧検出手段)
10d 発信子(送信手段)
10e 送信アンテナ(送信手段)
11 ABSコントローラ
12 ATコントローラ
13 タイヤ空気圧警報コントローラ
13b 受信アンテナ(受信手段)
13c 受信回路(受信手段)
14 空気圧低下ワーニングランプ
Claims (6)
- 複数のタイヤを備えた車両において、
各タイヤの空気圧を検出する空気圧検出手段と、
各タイヤに備えられ、各タイヤ個別の識別符号と検出した空気圧とを無線信号にて送信する送信手段と、
車両に取り付けられ、前記送信手段からの無線信号を受信する受信手段と、
車両の前後左右の荷重移動を検出する荷重移動検出手段と、
車両の前後左右の荷重移動中のタイヤ空気圧の変化を検出し、空気圧の変化に応じて各タイヤ位置と各識別符号との関係付けをするタイヤ位置判別手段と、
を備えたことを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項1に記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記荷重移動検出手段は、車両の加減速を検出する加減速検出手段と、車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、からなることを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項1または請求項2の何れかに記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
前記タイヤ位置判別手段は、
車両の加減速時のタイヤ空気圧値の変化から前輪と後輪を区別する手段と、
車両の旋回時のタイヤ空気圧値の変化から右輪と左輪を区別する手段と、を備え、
前輪と後輪を区別する手段で区別した結果と、右輪と左輪を区別する手段で区別した結果と、から各タイヤ位置を判別することを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項3に記載されたタイヤ空気圧モニター装置において、
前記タイヤ位置判別手段は、前輪と後輪を区別する手段で区別した結果と、右輪と左輪を区別する手段で区別した結果と、に共通して存在する複数個の識別符号データの内で最も頻度の高いものをタイヤの位置の判別に使用することを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項4に記載されたタイヤ空気圧モニター装置において、
各タイヤの識別符号をタイヤの位置として記憶する記憶手段を備え、
前記タイヤ位置判別手段は、以前記憶していたタイヤの識別符号と、複数個の識別符号データの内で最も頻度が高い識別符号とが、互いに異なる場合には、複数個の識別符号データの内で最も頻度が高い識別符号に記憶し直すことを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。 - 請求項1ないし請求項5の何れかに記載のタイヤ空気圧モニター装置において、
変速機のシフト位置を検出する変速シフト位置検出手段を備え、
前記タイヤ位置判別手段は、変速シフト位置が車両走行可能な位置になる度に1回、タイヤ位置判別を開始することを特徴とするタイヤ空気圧モニター装置。
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