JP3798672B2 - 変形形状算出装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有限要素法などを利用したコンピュータによる変形解析結果の視覚的提示のための技術に関し、特に解析対象物の外形形状の見栄えを判断できる程度の画像を提供するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車部品を初めとする各種製品・部品の開発においては、強度や変形などの各種機械的特性の検査・確認のため、従来より実機(試作品)を用いた試験が行われている。
【0003】
例えば、自動車のインストルメントパネルなどに用いる樹脂部品は、軽量かつ加工性がよいという利点を持つものの、熱変形しやすいとう欠点を持っており、耐熱性や熱変形等の試験が重要である。このため、従来は、実機を用いた耐熱試験を行っていた。耐熱試験は、例えば、試験用の車両1台又はその1/3程度のカットボデーを加熱炉に入れて摂氏80度で2時間加熱するなどの大がかりなものであり、さらに試験自体の作業の他にも、試験用部品の製作、試験の準備、試験後の変形量の実測などに多大の時間と労力を要していた。また、試験において所要の特性が満足されなかった場合には、設計を変更して再度同様の試験を実施する必要があり、開発期間が長くなる要因の一つとなっていた。
【0004】
これに対し昨今では、顧客ニーズに合った製品を早く上市すべく開発期間の短縮が求められており、このため実機を用いた試験の代わりに、コンピュータシミュレーションの積極的な活用が図られている。
【0005】
一般に、コンピュータを用いた変形解析においては、有限要素法(FEM)などの数値演算解析が用いられる。この種の数値解析手法では、対象物を細かな要素(メッシュ)に分割して解析モデルを構成し、そのモデルの要素毎の変形を数値計算し、それら各要素の変形を組み合わせることで対象物全体の変形を計算する。
【0006】
このように変形解析を行った場合、その結果の良否の判定が問題となる。ここで、数値解析の結果得られるのは、例えば変形後の節点の位置などの数値なので、変形結果の良否判定の1つの方法として、各節点の位置の変形前後の変化量が所定のしきい値(変形許容量)以内かどうかを判定する手法がある。
【0007】
また、別の手法として、変形結果の解析モデルのメッシュ群を画像表示したり、あるいはそれらメッシュに平面等の面(サーフェイス)を貼って画像表示し、これを見てユーザが良否を判断するという方法も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
(1)各節点の変形量をしきい値判定する手法は、好適なしきい値が解っているケースでは自動化も可能であり、効率的な手法である。しかしながら、好適な判定しきい値は個別の設計対象により異なり、例えば過去に類似デザインの対象物を設計するなどしてデータが揃っているなどでもない限り、適切なしきい値は分からないのが一般的である。このため、しきい値(変形許容量)の判断は判定者の経験によるものとなり、余程の経験がない限り、精度のよい判定ができなかった。
【0009】
また、変形解析においては、各部の変形量そのものよりも、全体としての見栄えが問題となる場合も少なくない。このような場合、個々の節点の変形量を判定するだけでは、本質的な良否の判定は不可能である。また、各節点の変形量を数値で示し、判断者がこの数値群を見て変形後の見栄えを推測するということも行われているが、そのような数値群から3次元的な形状を思い浮かべることは極めて困難であり、信頼性のある判断は難しい。
【0010】
(2)変形結果の解析モデルの各メッシュにサーフェイスを貼って画像表示する手法は、画像表示により判断者に対して直感的な判断材料を提供できるという意味では、上述の数値的な判断よりも優れているといえる。しかしながら、解析モデルは、数値演算の時間やコストを減らすためある程度の大きさの要素に離散化されているのが一般的であり(例えば節点間が数mmから十数mm)、このように大幅に離散化された各メッシュに対して単にサーフェイスを貼っただけでは、曲面の「見栄え」といった微妙なニュアンスの判断に堪える品質の画像を得ることは困難である。
【0011】
また、例えば図6に示す自動車のインストルメントパネルの一部のように、複数の部品400と410が組み合された状態で使用される場合は、変形解析もそれら部品が組み合わされた状態で行う必要があるので、解析モデルはそれら部品が組み合わされた状態について作成する。この場合、CADモデルを元にメッシュを自動生成すると、メッシュ450が部品同士の合わせ目420をまたいで設定されることが多く、解析目的ではこのような設定で問題はない。しかしながら、このようなメッシュ群にサーフェイスを付けて画像化した場合、部品同士の合わせ目がなくなってしまい、見た目が変わってしまうという問題もある。
【0012】
このような問題については、解析モデルのメッシュを細かくすることである程度の改善は見込めるが、メッシュを細かくした場合の解析時間等のコストの増大は、得られる改善効果に比してはるかに大きいことが多く、余りよい解決策とはいえない。
【0013】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、変形後の対象物の形状の見栄えの判定に用いることができる品質のよい画像を提供できるようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る変形形状算出装置は、対象物の変形解析のための数値計算結果に基づき、その対象物の変形後の形状を求める装置であって、前記対象物の形状を表す形状モデルをポリゴンモデルに変換するポリゴン化手段と、前記対象物の解析モデルと、このモデルに前記変形解析のための数値計算を施した結果の変形後の解析モデルとに基づき、前記解析モデルの各節点の変形前と変形後の間の変位を求める変位算出手段と、前記ポリゴンモデルを前記各節点の変位の情報に基づいて変形するポリゴン変形手段と、前記ポリゴン変形手段の変形処理により得られた変形後のポリゴンモデルを曲面化することで、前記対象物の変形後の形状を算出する曲面化手段と、を備え、前記各手段の動作をコンピュータが実行する。
【0015】
この構成では、形状モデルを近似したポリゴンモデルを解析モデルの変形に合わせて変形し、その変形結果を曲面化することで、変形解析結果を反映した滑らかな形状を求めることができる。ポリゴンモデルを用いることで、簡単な計算処理でモデルの変形を行うことができる。
【0016】
本発明の好適な態様では、前記ポリゴン変形手段は、前記ポリゴンモデルの各ポリゴンを、当該ポリゴンに最も近い前記節点の変位に応じて移動させることで、前記ポリゴンモデルを変形する。
【0017】
また本発明の好適な態様では、前記ポリゴン化手段は、前記形状モデル内の隣接する面要素群を一体として取り扱ってポリゴン化する。
【0018】
このように面要素群を一体としてポリゴン化することで、面要素同士の隣接関係がポリゴンモデルに組み込まれる。
【0019】
また本発明に係る方法は、コンピュータシステム上で対象物の変形解析の数値演算結果を画像化する方法であって、前記コンピュータシステムが、前記対象物の変形前の形状を表す形状モデルをポリゴンモデルに変換し、前記コンピュータシステムが、前記対象物の解析モデルと、このモデルに前記変形解析のための数値計算を施した結果の変形後の解析モデルとに基づき、前記解析モデルの各節点の変形前と変形後の間の変位を求め、前記コンピュータシステムが、前記ポリゴンモデルを前記各節点の変位の情報に基づいて変形し、前記コンピュータシステムが、前記ポリゴン変形手段の変形処理により得られた変形後ポリゴンモデルを曲面化することで、前記対象物の変形後の形状を算出する。
【0020】
また本発明は、コンピュータシステムに、ポリゴン化処理プログラムに対象物の形状モデルを渡し、該ポリゴン化処理プログラムの処理結果であるポリゴンモデルを取得する手順、前記対象物の解析モデルと、このモデルに変形解析のための数値計算を施した結果の変形後の解析モデルとに基づき、前記解析モデルの各節点の変形前と変形後の間の変位を求める手順、前記ポリゴンモデルを、前記各節点の変位の情報に基づいて変形する手順、ポリゴンモデルを曲面化する曲面化プログラムに変形後のポリゴンモデルを渡し、該曲面化プログラムの処理結果の曲面形状情報を受け取って表示する手順、を実行させるためのプログラムを提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る変形解析装置の概略構成を示す機能ブロック図であり、図2は、この装置を用いた設計・解析作業の手順を示すフローチャートである。以下、これらの図を参照して、本実施形態の装置及びその処理内容について説明する。
【0023】
例えば自動車室内のインストルメントパネル等の設計では、デザイナーによる外観意匠の設計が行われ(S10)、この結果得られるデザイン画などをもとに、CADシステムを用いた詳細な設計が行われる(S12)。そして、CADシステムによる設計の結果得られたCADモデルが、解析対象物の形状を表すモデルとして、図1に示す本実施形態の変形解析装置に与えられる。このCADモデル131は、例えば対象物形状を曲面パッチの集合として表すサーフェイスモデルを含んでいる。このようなモデルのサーフェイス群の表す曲面は、意匠面とも呼ばれる。
【0024】
この変形解析装置は、プリ・ポストプロセッサ部100、ソルバ部150、及びポリゴンモデラー部160から構成される。
【0025】
プリ・ポストプロセッサ部100は、解析のためのデータを作成するプリプロセッサ機能と、解析結果を処理してユーザに提示するポストプロセッサ機能とを備えた装置であり、解析モデル生成処理部110,ポリゴン変形処理部120,記憶部130,表示処理部140を備えている。
【0026】
記憶部130は、変形解析のための各種データを記憶する記憶装置である。記憶部130には、解析対象物のCADモデル131が記憶される他、処理の進行に応じて、解析対象物の解析モデル132,これに対する変形解析演算の結果である変形後の解析モデル133のデータなどが格納される。
【0027】
解析モデル生成処理部110は、プリプロセッサ機能を遂行する処理ユニットであり、CADシステムから取得した解析対象物のCADモデル131から、有限要素法(FEM)などの変形解析処理のための解析モデル132を作成する(S14)。FEMの場合、解析モデルは例えば四角形や三角形のメッシュ群からなるモデルであり、各メッシュはその頂点となる節点群により規定される。各節点は、それぞれ座標情報を有している。解析モデル生成処理部110は、例えば、節点間隔などに関するユーザの指定条件に従ってCADモデルに適合したメッシュ群を自動生成したり、あるいは自動生成したメッシュに対するユーザの修正操作を受け付けたりして、ユーザの望む解析モデルを生成する。例えば、図4の(a)に示す形状モデルが与えられた場合、(b)に示すように、そのCADモデルに沿って設定された節点10群からなる解析モデルが生成される。CADモデル等からFEMモデル等の解析モデルを作成するプログラムは、従来の構造解析ソフトウエアでも各種のものが用いられており、本実施形態の解析モデル生成処理部110としてはこれら既存のものと同等のものを用いることができる。
【0028】
このほか、プリ・ポストプロセッサ部100は、プリプロセッサ機能として、対象物に対する各種解析条件の入力を受け付ける機能を備えている。例えば、対象物の熱変形の解析ならば、温度や加熱時間、各部への荷重などの条件が、解析条件として入力され、これが解析モデル132と共にソルバ部150に渡される。
【0029】
ポリゴンモデラー部160は、コンピュータグラフィクスに関する各種の処理機能を実現するシステムであり、この実施形態との関連では、特にポリゴン化機能と曲面化機能を備える。ポリゴン化機能は、Bezierパッチ曲面やNURBS曲面等のパラメトリック曲面で表現されたCADモデル(あるいはCADモデルをパラメトリック曲面形式のデータに変換したもの)を、三角形等の多角形平面要素(ポリゴン)からなるポリゴンモデルに変換する機能であり、曲面化機能は、その逆にポリゴンモデルを滑らかな曲面に変換する機能である。曲面化機能としては、例えばポリゴンモデルに対してスムースシェーディング処理を施すなどにより、滑らかな表面形状を求めるなどの機能を用いることができる。これらポリゴン化機能、曲面化機能は、既存の3Dポリゴンモデラーソフトウエアで各種のものが実現されており、本実施形態のポリゴンモデラー部160としては、基本的にはこれら既存のものと同等のものを採用することができる。
【0030】
ただし、本実施形態では、ポリゴン化機能について、隣接する複数の曲面要素を一体としてポリゴン化する機能を実装しており、この点では従来のものと異なる。図5の(a)に示す例では、2つのパッチ曲面要素302a,302bからなるCADモデル300について、それら2つの面要素を一体ポリゴン化して、ポリゴン312群からなる一体ポリゴンモデル310を生成している。従来の一般的なポリゴン化処理では、曲面要素ごとにポリゴン分割が行われるので、隣接する曲面要素をポリゴン化しても、それらが隣接しているという情報はポリゴンモデルのデータに残らない。これに対して本実施形態の一体ポリゴン化処理では、隣接する曲面要素302a,302b同士の境界線304を挟んで隣接関係になるポリゴン312aと312bとが、隣接部位に関して同じエッジ314、同じ頂点316を共有するように制約条件を付けて、ポリゴン化処理を行うなどすればよい。この結果得られる一体ポリゴンモデル310では、境界線304の箇所で隣接するポリゴン312a,312bは、各々のポリゴンデータの中で、同じエッジ314及び/又は同じ頂点316のデータを参照することになる。したがって、この一体ポリゴン化処理では、単一の曲面要素内のポリゴン群が相互に連結関係を持っているのと同様に、隣接する曲面要素のポリゴン群が同様の連結関係を持つことになる。なお図5(a)では、2つの曲面要素からなるCADモデルを例にとったが、明らかなように、3以上の曲面要素が隣接関係により連結したモデルについても、この一体ポリゴン化処理によりその連結関係を維持したままポリゴン化を行うことができる。
【0031】
プリ・ポストプロセッサ部100は、前述の解析モデルの生成処理と共に、このポリゴンモデラー部160にCADモデル131を渡して一体化ポリゴン処理を実行させ、その結果得られたポリゴンモデル134を記憶部130に格納する(S14)。図2では、解析モデル生成処理とポリゴンモデル生成処理とを並行的に行うものとして表したが、ポリゴンモデルの生成は、後述するポリゴンモデル変形処理(S20)までに完了していればよい。なおこのS14において、生成する解析モデルの節点数と、生成するポリゴンモデルのポリゴン数とが一定の関係(例えば両者をほぼ同数にする、或いは節点数をポリゴン数のn倍にするなど)となるようにし、プリ・ポストプロセッサ部100に対して節点数又はポリゴン数の一方を指定すれば、他方をその指定に応じて自動的に決定するように構成することもできる。
【0032】
さて、解析モデル132が生成されると、プリ・ポストプロセッサ部100は、その解析モデルと、指定された他の変形解析条件とをソルバ部150に渡し、その解析モデルの変形解析のための数値演算処理を実行させる(S16)。この演算処理により、解析モデルの各節点の変形後の座標情報を含んだ解析モデルが求められる。ソルバ部150による変形解析演算の解析結果である変形後の解析モデル133は、記憶部130に格納される。図4の(c)は、同図(b)の解析モデルに対し解析条件を適用して得られた変形結果の解析モデルの例を示している。なお、ソルバ部150自体は本発明の特徴ではなく、公知のソルバをそのまま用いてよい。
【0033】
変形解析により変形後の解析モデル133が求められ、さらにCADモデル131からポリゴンモデル134(変形前)が求められると、ポリゴン変形処理部120が、ポリゴンモデル134の変形処理を行う。この処理では、まず変形前の解析モデル132と変形後の解析モデル133とから、解析モデル上の各節点の変形前後の変位を求める(S18)。この変位は、例えば、x,y,zの各方向の成分からなる3次元のベクトルであり、これが各節点ごとに求められる。すなわち、図3に示すように、変形前の解析モデル200と変形後の解析モデル210との間で、同一の節点202及び212の各座標成分同士の差分を表すベクトルを、変位ベクトル220として求めればよい。
【0034】
次に、ポリゴン変形処理部120は、その各節点の変位の情報をもとに、ポリゴンモデル134(変形前)を変形させる(S20)。
【0035】
この処理では、まず変形前の解析モデル132の節点とポリゴンモデル134(変形前)のポリゴンとの対応付けを行う。この対応付けは、例えば、ポリゴンモデル134の各ポリゴンごとに、そのポリゴンに最も近い節点を対応付けるなどの方式で行えばよい。例えば、ポリゴンの代表点(重心など)からの距離がもっと小さい節点を当該ポリゴンに対応する節点に選ぶなどである。この場合、ポリゴンから大きく離れた節点は、ポリゴンの変位を正しく表さない可能性が高いので、所定のしきい値距離を超える節点はポリゴンに対応付けないなどの処置を加えることも好適である。この対応付けにより、各ポリゴンには、高々1個の節点が対応付けられる。なお、この対応付け処理は、S14で解析モデル132とポリゴンモデル134を生成した際に行っておき、その対応付け結果を記憶するようにしておいてもよい。
【0036】
ポリゴンと節点の対応付けが終わると、図5の(b)に示すように、変形前のポリゴンモデル310の各ポリゴン312を、それに対応付けられた節点の変位ベクトル318に従って移動させる。この移動では、例えば多角形平面であるポリゴンをその変位ベクトルの示す方向に、その変位の量だけ平行移動させる。
【0037】
ここで、節点に対応付けられないポリゴンができる場合もある。そのようなポリゴンは、変位に対応付けられていないので移動はさせないが、隣接するポリゴンが移動することで、その隣接ポリゴンと共有しているエッジや頂点が移動し、結果として変形作用を受けることになる。
【0038】
また、隣接するポリゴン同士のそれぞれに変位ベクトルが対応付けられている場合は、例えば、各ポリゴンをそれぞれその変位ベクトル分だけ平行移動した無限平面を生成し、それら無限平面の交差する線が、平行移動後の新たなポリゴン同士の共有のエッジとすればよい。またこの代わりに、隣接する各ポリゴンを、各々に対応する変位ベクトルに従ってそのまま平行移動し、その結果両ポリゴン間にできる隙間を、新たにポリゴンを生成して埋める(例えば移動前に両ポリゴンで共有していたエッジの両端の頂点同士を直線で結んでポリゴンを生成するなど)などの処理を行ってもよい。
【0039】
このような処理により、変形前のポリゴンモデル310が解析モデルの変形に合わせて変形され、変形後のポリゴンモデル320が生成される(図5(b)参照)。このようにして得られた変形後のポリゴンモデルのデータは、ポリゴンモデル135として記憶部130に格納される。
【0040】
解析モデルの変形に合わせたポリゴンモデルの変形が完了すると、プリ・ポストプロセッサ部100は、求められた変形後のポリゴンモデル135のデータをポリゴンモデラー部160に渡し、このポリゴンモデル135の曲面化処理を実行させる(S22)。この曲面化では、従来と同様の曲面化処理を適用することにより、図5(c)に示すように、変形後のポリゴンモデル320が、1つ滑らかな曲面、又は複数の滑らかな曲面要素をつなぎ合わせた曲面である曲面化モデル330に変換される。このような処理により得られたモデルのデータは、曲面化モデル136として記憶部130に格納される。
【0041】
そして、表示処理部140は、その曲面化モデル136を、指定された視点条件や照明条件などのレンダリング条件に従ってレンダリングし、その結果得られた画像を所定のディスプレイ装置やプリンタに出力する(S24)。
【0042】
このようにして得られる画像出力は、CADモデルのレンダリング結果と同等の画像であり、ユーザはこの画像により、変形後の対象物の面形状を直感的に把握することができる。ユーザは、この画像を見て、最初の設計(CADモデル131)が、変形後の見栄えその他の点から合格か否かを判定し(S26)、不合格の場合はS12に戻ってCADシステムで設計変更を加えたり、場合によってはデザイナーに設計し直してもらったりし、S26で合格判定が得られるまで設計変更、解析の作業を繰り返す。
【0043】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明した。本実施形態によれば、実物の形状に近いCADモデルから生成したポリゴンモデルを、解析モデルの変形に合わせて変形し、曲面化して表示することで、有限要素法等による熱変形その他の変形解析の結果を、見栄えの判定に堪える画像の形で提供することができる。このように本実施形態の装置によれば、変形結果を数値群や解析モデルの形で提示する従来手法よりも、ユーザにとってはるかに直感的に見栄えを判断しやすくなる。
【0044】
また、本実施形態では、図6で例示した問題点も解決することができる。すなわち、図6のように解析モデルのメッシュ450が2つの部品400,410間にまたがって設定され場合、解析モデルのメッシュ450を面に置き換えて面モデルとして表示したのでは両部品間の継ぎ目が消えてしまう。これに対し、本実施形態のようにCADモデルからポリゴンモデルを作成したした場合、各部品の表面ごとにポリゴン化がなされるので、ポリゴンモデルでは部品ごとにポリゴン群ができる。したがって、このようなポリゴンモデルを解析モデルの変形に合わせて変形すれば、部品ごとに区別されたポリゴン群がそれぞれ変形されるので、最終的な変形結果でも部品ごとの区別(継ぎ目)が残る。
【0045】
なお、この実施形態の手法に類似の手法として、パラメトリック曲面で表現されたCADモデルを、解析モデルの変形に合わせて変形し、レンダリングする手法が考えられる。CADモデルを変形する手法では、解析モデルの各節点の変位の情報をCADモデルにどのように反映させるかが問題であるが、妥当の方法として、CADモデルのパラメトリック曲面要素の制御点と解析モデルの節点とを対応付け、節点の変位に合わせてCADモデルの制御点を移動させるという方法が考えられる。これも一つの優れた手法であるが、本実施形態の手法は、このCADモデルを変形する手法に比べて次のような点で優れている。
【0046】
まずCADモデルを変形する手法では、隣接する曲面要素同士の連続性や接続性を考慮して、それら曲面要素間を滑らかに接続するように変形する必要があり、複雑な計算が必要になる。これに対し、本発明の手法では、ポリゴンモデルの各ポリゴンを平行移動するなどの簡単な演算操作でモデルの変形を行うことができる。また本実施形態の手法では、連結した曲面要素群を一体ポリゴンモデルに変換してから変形しているので、各ポリゴンを移動させるだけで隣接するポリゴンにはその影響が伝わり、曲面要素間の連続性等を考慮しなくても妥当なモデル変形が可能になる。
【0047】
また、CADモデルの曲面要素は、ほとんどの場合トリム面として定義されている。このため、CADモデルを変形する手法では、CADモデルの各曲面要素を変形させるだけでなく、トリミング部分の稜線をその変形に反映させる必要があり、隣接曲面要素との関係なども考慮してこれを行うには繁雑な計算が必要になる。これに対し、本実施形態の手法では、ポリゴン化によりトリミング稜線の考慮は不要になり、単にポリゴンを移動する等の簡単な操作でモデルが変形できる(トリミング稜線も、曲面要素自体の辺も、ポリゴン化することにより同じポリゴンの辺となり、特別な取扱が不要になる)。
【0048】
また、解析モデルの節点数が多いほど、モデルの変形の情報は密になり、より詳細な変形状態を表すことができるが、CADモデルを変形する手法の場合、CADモデル側の曲面要素の制御点が少ないままでは、節点数分の変位の情報を表現しきれない。逆に、節点を密に配置した詳細な変形解析結果の情報を十分に表現しようとすれば、CADモデルの曲面要素の制御点数を増やし、曲面要素の曲面定義方程式の次数を上げる必要がある。これは、CADモデルのデータ量の増大を招くと共に、そのモデルの変形等の処理のための計算で、より高次の方程式を取り扱う必要があり、計算が繁雑になる。これに対し、本実施形態の手法では、解析モデルを詳細にすれば、ポリゴンモデルのポリゴン数を増やすことで、変形解析結果を詳細に反映させることができる。ポリゴンモデルの変形では、ポリゴン数が増えたとしてもその数の増加に応じて計算処理の回数が増えるだけであり、個々の計算処理自体の困難性は変化しない。
【0049】
以上説明した本実施形態の変形解析装置は、典型的には、上記の各機能/処理内容を記述したプログラムをコンピュータシステムに実行させることにより構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 本発明に係る装置を用いた設計・解析作業の手順を示すフローチャートである。
【図3】 変形前後の節点の変位を説明するための図である。
【図4】 CADモデルと、解析モデル及びその変形結果の例を示す図である。
【図5】 本実施形態において、見栄え評価のためのモデルができるまでのモデルの変遷を説明するための図である。
【図6】 解析モデルのメッシュが部品間にまたがって設定された例を示す図である。
【符号の説明】
100 プリ・ポストプロセッサ部、110 解析モデル生成処理部、120ポリゴン変形処理部、130 記憶部、131 CADモデル、132 解析モデル(変形前)、133 解析モデル(変形後)、134 ポリゴンモデル(変形前)、135 ポリゴンモデル(変形後)、136 曲面化モデル、140表示処理部、150 ソルバ部、160 ポリゴンモデラー部。
Claims (5)
- 対象物の変形解析のための数値計算結果に基づき、その対象物の変形後の形状を求める装置であって、
前記対象物の形状を表す形状モデルをポリゴンモデルに変換するポリゴン化手段と、
前記対象物の解析モデルと、このモデルに前記変形解析のための数値計算を施した結果の変形後の解析モデルとに基づき、前記解析モデルの各節点の変形前と変形後の間の変位を求める変位算出手段と、
前記ポリゴンモデルを前記各節点の変位の情報に基づいて変形するポリゴン変形手段と、
前記ポリゴン変形手段の変形処理により得られた変形後のポリゴンモデルを曲面化することで、前記対象物の変形後の形状を算出する曲面化手段と、
を備え、前記各手段の動作をコンピュータが実行する変形形状算出装置。 - 前記ポリゴン変形手段は、前記ポリゴンモデルの各ポリゴンを、当該ポリゴンに最も近い前記節点の変位に応じて移動させることで、前記ポリゴンモデルを変形することを特徴とする請求項1記載の変形形状算出装置。
- 前記ポリゴン化手段は、前記形状モデル内の隣接する面要素群を一体として取り扱ってポリゴン化することを特徴とする請求項1記載の変形形状算出装置。
- コンピュータシステム上で対象物の変形解析の数値演算結果を画像化する方法であって、
前記コンピュータシステムが、前記対象物の変形前の形状を表す形状モデルをポリゴンモデルに変換し、
前記コンピュータシステムが、前記対象物の解析モデルと、このモデルに前記変形解析のための数値計算を施した結果の変形後の解析モデルとに基づき、前記解析モデルの各節点の変形前と変形後の間の変位を求め、
前記コンピュータシステムが、前記ポリゴンモデルを前記各節点の変位の情報に基づいて変形し、
前記コンピュータシステムが、前記ポリゴン変形手段の変形処理により得られた変形後ポリゴンモデルを曲面化することで、前記対象物の変形後の形状を算出する、
変形形状算出方法。 - コンピュータシステムに、
ポリゴン化処理プログラムに対象物の形状モデルを渡し、該ポリゴン化処理プログラムの処理結果であるポリゴンモデルを取得する手順、
前記対象物の解析モデルと、このモデルに変形解析のための数値計算を施した結果の変形後の解析モデルとに基づき、前記解析モデルの各節点の変形前と変形後の間の変位を求める手順、
前記ポリゴンモデルを、前記各節点の変位の情報に基づいて変形する手順、
ポリゴンモデルを曲面化する曲面化プログラムに変形後のポリゴンモデルを渡し、該曲面化プログラムの処理結果の曲面形状情報を受け取って表示する手順、
を実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001325031A JP3798672B2 (ja) | 2001-10-23 | 2001-10-23 | 変形形状算出装置及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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