JP3798395B2 - 浄水器用連結具 - Google Patents

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Description

本発明は、浄水器の流入口部及び流出口部に原水管及び浄水管を接続する時に用いられる浄水器用連結具の改良に関する。
従来から、小型の浄水器を用いて水道水に含まれる水道管の鉄錆や残留塩素等の不純物を各家庭毎で除去することが行われている。前記した浄水器は、種々の形式のものが従来から提案されているが、ハウジングの内部に、不純成分を除去する活性炭及び/又は中空糸膜等の浄化用部材を設け、前記ハウジングに浄化すべき水道水(以下、原水と称する。)を通す原水管と、浄化後の水(以下、浄水と称する。)を通す浄水管とを接続し、原水管から供給される原水を前記浄化用部材に通して浄化し、浄化後の浄水を浄水管を介して放水用水栓に送る構造の浄水器が一般に広く利用されている。
前記した形式の浄水器は、活性炭や中空糸膜等の浄化用部材を通して原水を浄化するため、長期間使用すると活性炭の吸着力の低下や中空糸膜の目詰まり等が原因で浄化能力が低下するため、適当なサイクルでハウジング内部の浄化用部材、或いは浄水器それ自体を取り替える必要があり、この取り替え作業のために、浄水器と原水管及び浄水管とは着脱可能に構成されている。前記した浄水器の取り替え作業を容易にするために、原水管及び浄水器の流入口部、浄水管及び浄水器の流出口部を各々ワンタッチ継手で接続することが既に提案されている(特許文献1参照)。
これによれば、浄水器を原水管及び浄水管から容易に取り外すことができるので、例えば、ハウジング内部の浄化用部材を取り替える作業が原水管や浄水管に制限されることなく手元で行うことができるという利点があり、また、浄水器自体を取り替える場合にも取り替え作業が非常に容易になるという利点がある。
特開平3−242285号(第2頁右欄、図1)
しかしながら、前記した接続構造は、原水管及び浄水器の流入口部の取り外し作業と、浄水管及び浄水器の流出口部の取り外し作業を別個に行わなければならないという煩わしさが残るため未だ改良の余地がある。
本発明は、前記した従来の問題点に鑑みて、ロック操作手段の構成を簡素化して、浄水器に対する原水管及び浄水管の着脱作業をより一層容易に行うことができる浄水器用連結具を提供することを目的とする。
前記した目的を達成するために、本発明の請求項1に係る浄水器用連結具は、
浄水器の流入口部に着脱可能な原水管接続部材と、浄水器の流出口部に着脱可能な浄水管接続部材とを備えた浄水器用連結具であって、前記両接続部材は該部材を一体に接合する接続部材の径方向外方に伸びる結合部材を備えており、
前記両接続部材の下端には前記流入口部及び流出口部とロックできるロック部材が設けてあり、該ロック部材は、これと一体の前記接続部材の径方向外方に伸びる操作部材を備え、
前記原水管接続部材及び浄水管接続部材を浄水器の流入口部及び流出口部に押し込むことにより前記両接続部材が前記流入口部及び流出口部に接続されてロックされ、
また、前記ロック部材の1回の軸方向摺動操作で前記ロックが解除されて前記連結具が浄水器から分離されることを特徴とするものである。
以上説明したように、本発明の請求項1に係る浄水器用連結具は、前記原水管接続部材及び浄水管接続部材を浄水器の流入口部及び流出口部に押し込むことにより前記両接続部材がその下端のロック部材によって前記流入口部及び流出口部に接続されてロックされ、
また、前記ロック部材の1回の軸方向摺動操作で前記ロックが解除されて前記連結具が浄水器から分離されるので、浄水器の連結具への接続操作、分離操作がし易いので浄水器の交換作業が非常に簡単になるという効果を奏し、さらに、連結具の着脱作業が浄水器の流入口部及び流出口部に対し別々に行うことなく、前記ロック部材の1回の軸方向への摺動操作で済むので、浄水器の交換作業が非常に簡単になるという効果を奏する。
以下、添付図面に示した一実施例を参照して本発明に係る浄水器連結具の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る浄水器用連結具を適用したキッチンユニットにおける流し台の概略縦断面図を示している。
図中、符号1は流し台を示している。この流し台1は、不図示のシンクを備えた天板2を有し、該天板2の下方には食品等を収納する収納庫3が形成されている。前記天板2には、シンク内に温水、常温水、又は浄水を選択的に放水できる混合水栓4が設けられている。また、収納庫3には、不図示の水道管に接続された常温水元栓5と不図示の温水源に接続された温水元栓6とが設けられており、これらの元栓5,6は収納庫3の奥板3aから収納庫3内に突出している。これら常温水元栓5及び温水元栓6は各々常温水管7及び温水管8を介して混合水栓4に接続され、温水及び常温水を混合水栓4に送る。
(浄水器の配置について)
前記した収納庫3内には、浄水器20が収納されている。この浄水器20は、棚板9上に取り付けられた浄水器支持ケース10によって支持されている。前記浄水器支持ケース10は有底円筒形の形状に成形されており、浄水器20が収納庫3の奥板3aから突出している常温水元栓5と温水元栓6との間の空間に位置するように位置決めされ、その位置で、底板(符号なし)がボルト等の適当な固定手段で棚板9に固定されている。
この浄水器20は、原水管11及び浄水管12を介して混合水栓4に接続されている。前記原水管11には常温水管7から混合水栓4に供給される水道水(以下、原水という)がそのまま供給され、浄水器20は、この原水管11を介して供給される原水を浄化し、浄水管12を通して浄化された原水(以下、浄水という)を混合水栓4に送る。
前記原水管11及び浄水管12は、各々混合水栓4から略真っ直ぐに下方に延びる銅管部11a,12aと、一端が銅管部11a,12aの下端に接続され、他端が浄水器20に接続される可撓性部11b,12bとから成る。
原水管11及び浄水管12における各可撓性部11b,12bは各々左右にループを描くように配索されており、これにより、各管11,12内を原水や浄水が通る時に生じる浄水器20の取付部分(即ち、浄水器支持ケース10の取付部分)に係る負荷が一点に集中しないように分散でき、また、浄水器20自体の左右バランスを向上させる。
(浄水器20の構成について)
次に、前記した浄水器20の構成について図2〜図8を参照して説明する。図2は浄水器20の正面図、図3は浄水器20の背面図、図4は浄水器20の右側面図、図5は浄水器20の左側面図、図6は浄水器20の上面図、図7は浄水器20の底面図、及び図8は浄水器20の部分縦断面図を各々示している。
図面に示すように、この浄水器20は、両端が閉鎖された円筒状のハウジング21の内部に第一濾過室Aと第二濾過室Bとを形成し、その上部に設けられた流入口23からハウジング内部に供給される原水を、第一濾過室A、第二濾過室Bの順に通過させて浄化し、浄化後の浄水を流出口25からハウジング外部に排水するように構成されている。
(ハウジングの構成について)
前記ハウジング21は、アッパーハウジング27とロアハウジング29とから成る。アッパーハウジング27の下部外面には雄ねじ31が形成され、また、ロアハウジング29の内面には雌ねじ33が形成されており、これら雄ねじ31と雌ねじ33とによって、アッパーハウジング27とロアハウジング29とは分離可能に結合できるように構成されている。
アッパーハウジング27の外面における前記雄ねじ31より下方の部分には、円筒状の溝35が形成されており、この溝35にはOリング37が装着されている。
前記したOリング37は、その断面の直径が、少なくとも前記溝35の深さより大きいものが利用され、これにより、Oリング37はアッパーハウジング27とロアハウジング29とをねじ結合した時に、アッパーハウジング27の外面とロアハウジング29の内面との間に挟まり、ねじ結合部分からハウジング21内の水が外部に漏れないようにハウジング27,29の連結部分をシールする。
(漏受部について)
ロアハウジング29の前記雌ねじ33の上方には、径方向外方に拡径され、上方に延長する漏受部39が一体に成形されている。この漏受部39は、ロアハウジング29とアッパーハウジング27と結合した時に、アッパーハウジング27の外面と当該漏受部39との内面との間に若干の間隙を形成し、原水管11や浄水管12を浄水器20から取り外した時にハウジング21内に残る残圧によって流入口23や流出口25から漏れてアッパーハウジング27の外面を伝って下方に流れ落ちる漏れ水を受け止める。
また、アッパーハウジング27の外面における前記雄ねじ31の上方には環状のシール用突出部41が一体に成形されており、ロアハウジング29とアッパーハウジング27とを結合した時に、前記突出部41がロアハウジング29における漏受部39の下端を画定する段部と係合(好ましくは、液密に係合)して、漏受部39で受け止める漏れ水が、アッパーハウジング27とロアハウジング29とのねじ結合部分に侵入することを防止する。
(中空糸膜ケースについて)
前記ハウジング21の内部には、ハウジング21の内部を第一濾過室Aと第二濾過室Bとに仕切る上端が開放した有底円筒形の中空糸膜ケース43が収納されている。この中空糸膜ケース43は、その内部に多数の中空糸膜Cを収納している。
また、アッパーハウジング27は、その上板27aの内面に下方に延長する前記中空糸膜ケース用の円筒形のガイド部材45が一体に成形されている。このガイド部材45は、ハウジング21と同じ軸線上に位置するように位置決めされ、中空糸膜ケース43を、それがハウジング21と同じ軸線上に位置するようにガイドする。
中空糸膜ケース43は、その上部を前記ガイド部材45に挿入した後、アッパーハウジング27に溶着固定され、これにより、中空糸膜ケース43はハウジング21の略中央に位置し、ハウジング21の中を中空糸膜ケース43の周囲の空間(第一濾過室A)と中空糸膜ケース43の内部の空間(第二濾過室B)とに区画する。
前記中空糸膜ケース43は、その長手方向の長さがハウジング21の内部空間の長手方向の長さより短く成形されている。また、前記中空糸膜ケース43の底板43aは球状の形状に成形され、かつ、多数の連通孔43bが穿設されており、この連通孔43bによって第一濾過室Aと第二濾過室Bとは連通している。
また、ロアハウジング29の底板29aには、前記中空糸膜ケース43の底板43aの曲率と略同じ曲率の球面状部29bが成形されており、ハウジング組立時に中空糸膜ケース43の底板43aと前記球面状部29bとが互いに向き合うように配置される。
このように、互いに向き合う底板43a及び29aを略同じ曲率で球状に成形することにより、中空糸膜ケース43自体の長手方向の長さを必要以上に短くしたり、また、ハウジング21の長手方向の長さを必要以上に長くしたりすることなく、中空糸膜ケース43の底板43aとロアハウジング29の底板29aとの間に十分に広い流路を確保することができるようになる。
(第一濾過室について)
前記第一濾過室A、即ち、ハウジング21の内部空間における中空糸膜ケース43の周囲の空間には粒状活性炭Dが充填されている。前記した粒状活性炭Dは、その上下が不織布で構成された保持フィルタ47,49によって保持されている。
(下側保持フィルタの支持構造について)
前記下側保持フィルタ49は、アッパーハウジング27の内径より若干大きい直径を有する円板状に形成されており、その中心に中空糸膜ケース43の外径と略同じ寸法の直径を有する中央開口49aが穿設されている。この下側保持フィルタ49は、支持部材53を介してハウジング21内に支持されている。
前記支持部材53は、図9(a),(b)に示すように、前記下側保持フィルタ49と略同じ直径を有する円板53aと、該円板53aの下面から下方に伸びるスリット53e付き円筒状の脚部53bとから構成されている。
前記円板53aの中心には、中空糸膜ケース43の外径と略同じ寸法の直径を有する一つの中央開口53cが穿設されており、また、この中央開口53cの周囲には、浄化すべき水が通過し得る多数の連通孔53dが形成されている。
また、アッパーハウジング27の下端内縁には、径方向外方に広がる円周状の段部27bが形成されており、また、ロアハウジング29の前記球面状部分29bの周囲には、支持部材53の脚部53bを受け止める平面状の受座29cが形成されている。
これにより、支持部材53の円板53aの上面に下側保持フィルタ49を載置し、それらを、中央開口49a及び53cの位置で中空糸膜ケース43に装着し、その後、アッパーハウジング27とロアハウジング29とを結合すると、ロアハウジング29の受座29cとアッパーハウジング27の下端内縁の段部27bとによって下側保持フィルタ49及び支持部材53が挾持される。
このように、下側保持フィルタ49を、支持部材53と共に、ロアハウジング29の受座29cとアッパーハウジング27の下端内縁の段部27bとで挾んで支持することにより、従来のように活性炭保持用フィルタを支持部材に溶着する等の作業を必要とせず、単に下側保持フィルタ49を支持部材53の円板53a上に載せてハウジング21を組み立てるだけで下側保持フィルタ49を所定の位置に支持できるようになり、保持フィルタ用の溶着設備及び製造時の溶着行程が必要なくなり、製造効率が上がり、製造コストも低減できる。
(上側保持フィルタの支持構造について)
また、前記保持フィルタ47は、アッパーハウジング27の内径と略同じ寸法の直径を有する円板状に形成されており、その中心に中空糸膜ケース43の外径と略同じ寸法の直径を有する中央開口47aが穿設されている。この上側保持フィルタ47は、支持部材51を介してハウジング21内に支持されている。
支持部材51は、前記上側保持フィルタ47と略同じ直径を有する円板から成る。この支持部材51は、前述した下側保持フィルタ用の支持部材53における円板部53aと略同じ構成をしており、前記円板53aと同様に、中空糸膜ケース43が貫通する一つの中央開口51aと、浄化すべき水が通過し得る複数の連通孔51bが穿設されている。
中空糸膜ケース43の外面の上部には、これら支持部材51及び上側保持フィルタ47を支持するための環状の支持リング43cが一体的に突設されており、前記支持部材51の上面に上側保持フィルタ47を載せ、支持部材51が下側に位置するように中空糸膜ケース43の上部に装着した後、中空糸膜ケース43をアッパーハウジング27のガイド部材45に挿入して溶着固定すると、上側保持フィルタ47と支持部材51とが、ガイド部材45の下端と中空糸膜ケース43の支持リング43cとで挾まれて保持される。
このように、上側保持フィルタ47を、支持部材51と共に、ガイド部材45の下端と中空糸膜ケース43の支持リング43cとで挾んで支持することにより、従来のように活性炭保持用フィルタを支持部材に溶着する等の作業を必要とせず、単に上側保持フィルタ47を支持部材51の上に載せてアッパーハウジング27と中空糸膜ケース43とを組み立てるだけで上側保持フィルタ47を所定の位置に支持できるようになり、保持フィルタ用の溶着設備及び製造時の溶着行程が必要なくなり、製造効率が上がり、製造コストも低減できる。
(流入口及び流出口の構成について)
アッパーハウジング27の上板27aには、流入口23及び流出口25を形成する流入口部24及び流出口部26が一体に突設されている。流入口部24はハウジング21の第一濾過室Aと連通し得る位置に、また、流出口部26はハウジング21の第二濾過室Bと連通し得る位置に各々配置されている。また、前記流入口部24及び流出口部26には各々後述する連結具70の係止球体101が係止し得る環状の係止溝24a及び26aが各々形成されている。
(浄水器の作用について)
前記したように構成された浄水器20は、収納庫3の棚板9に固定された浄水器支持ケース10に挿入されて支持される。前記した流入口部24及び流出口部26には、連結具70を介して原水管11及び浄水管12が連結される。
これにより、流入口部24を介してハウジング21内に流入した原水は、上側保持フィルタ47を通過して第一濾過室A内に入り、前記上側保持フィルタ47を通過する時にゴミや鉄錆等が濾過され、また、第一濾過室Aを通過する時に第一濾過室Aに充填された粒状活性炭Dにより残留塩素やトリハトメタン等が取り除かれる。
第一濾過室Aを通過した水は、下側保持フィルタ49を通過して、中空糸膜ケース43の底板43aに形成された連通孔43bから第二濾過室Bへ、即ち、中空糸膜ケース43内に入り、その内部に収納された中空糸膜Cを通過する時に濁り成分や鉄錆等が除去される。第二濾過室Bを通過して浄化が終了した浄水は、流出口部26を通って浄水管12により混合水栓4に供給される。
(連結具の構成について)
次に、浄水器20の流入口部24及び流出口部26と原水管11及び浄水管12とを連結する連結具70の構成について図10〜図14を参照して説明する。図10は連結具70の正面図、図11は図10の連結具70の上面図、図12は図10の連結具70の右側面図、図13は図10の連結具70から締付部材78を取り外した状態での部分縦断面図、及び図14は連結具70に流入口部24、流出口部26、及び浄水器20を装着した状態を示す概略縦断面図である。
図面に示すように、この連結具70は、原水管接続部材71と、浄水管接続部材73と、二つの接続部材71及び73を結合する結合プレート(結合部材)75と、二つの接続部材71及び73に共通のロック部材77とから成る。始めに各接続部材71及び73について説明する。尚、原水管接続部材71と浄水管接続部材73とは同じ構成であるので、ここでは、浄水管接続部材73の構成のみを説明し、原水管接続部材71については浄水管接続部材73と同じ符号を付して重複する説明は省略する。
浄水管接続部材73は、二つの筒状部材79,81を備えている。これら二つの筒状部材79,81は図13に示すように直列に連結され、内部に一本の浄水流路85を画定する。上側の筒状部材79は、その上部に浄水管12を装着する細径の装着部79aが一体に成形されている。
この装着部79aは、その外周面に環状の係止つめ79bが複数段成形されており、浄水管12を装着部79aに装着した後、締付部材78を、さらに上側筒状部材79に装着して、締付部材78で浄水管12の装着部分を径方向内方に押し付けることにより、浄水管12の内面が前記係止つめ79bにしっかり係止して、浄水管12が確実に装着部79aに保持されるように構成されている(図13,14参照)。
下側の筒状部材81は、その内面の略中間部分に幾つかの段部が形成されており、上方からシールリング86及び弁装置87を順に挿入し、最後に前記上側筒状部材79を圧入すると、前記シールリング86及び弁装置87が、下側筒状部材81の内面の段部と上側筒状部材79の下端との間に挾まれて保持される。前記弁装置87は、弁座93と、弁体95bを備えた開閉部材95と、開閉部材用の案内筒97と、スプリング99とから成る。
弁座93及び案内筒97は前記したように上側筒状部材79の下端と下側筒状部材81の内面の段部とにより挾持されている。また、開閉部材95は円筒状の本体を備え、この円筒状本体の上端縁に上方に伸びる幾つかのつめ体95aが一体に成形され、かつ、前記つめ体95aの上端に弁体95bが一体に成形されている。
開閉部材95は、弁体95bが弁座93の上方に位置するように、その円筒状本体部分が案内筒97の内側に上下に摺動可能に支持されており、弁体95bが弁座93の開口93aを塞ぐようにスプリング99によって常時下方に付勢されている。
前記した弁装置87は、図14に示すように連結具70を浄水器20に接続する時に、流出口部26がスプリング99の力に抗して開閉部材95、即ち、弁体95bを上方に押し上げ、弁座93に形成された開口93aを開放して浄水管接続部材73の内部の浄水流路85を連通させる。また、前記下側筒状部材81は、その下部の周壁に径方向に貫通する複数の貫通孔100が同一円周上に並ぶように穿設されている。各貫通孔100は径方向内方に向けて縮径するように形成されており、内部で係止球体101を保持している。また、この下側筒状部材81の下部にはロック部材77が上下に摺動可能に装着されている。
このロック部材77は、各接続部材71,73毎に設けられる筒状の上側部材110と、二つの接続部材71,73共通の操作プレート(操作部材)111とから成る。上側部材110と下側筒状部材81との間にはスプリング103が介装されており、このスプリング103によってロック部材77は常時下方に向けて付勢されている。また、この上側部材110は、その下端に径方向内方に伸びる複数のフランジ部110aが一体に成形されている。
これらのフランジ部110aは下側筒状部材81の貫通孔100の位置と合致し、貫通孔100の内部に入り込み、係止球体101を常時内方に押している。前記操作プレート111は、各接続部材71,73の下側筒状部材81及び上側部材110を挿入し得る二つの貫通孔111aを備え、また、各貫通孔111aの下端縁には、その径方向外方に広がる複数の切欠き111bが形成されている。この切欠き111bは下側筒状部材81の下部に穿設された貫通孔100に対応する位置に、貫通孔100と同じ数だけ形成されている。
従って、操作プレート111を、前記切欠きが貫通孔100と合致する位置まで、スプリング103の力に抗して引き上げると、貫通孔100内に保持されている係止球体101が前記切欠き111b側に移動可能になり、この状態で連結具70を浄水器20に装着すると、浄水器20の流出口部26が(原水管接続部材71の場合は流入口部24が)、係止球体101を径方向外方に押出しながら浄水管接続部材73内の浄水流路85(原水管接続部材71の場合は原水流路85’)に入り込み、前記したように弁装置87の弁体95bを押し上げて、浄水流路85(原水流路85’)を連通させる。
流出口部26が所定の位置まで達した時に、操作プレート111を解放すると、スプリング103の力で上側部材110が、そのフランジ部110aで係止球体101を径方向内方に押し戻しながら下方に摺動して前記フランジ部110aが貫通孔100と合致する位置まで下方に下がり、フランジ部110aが貫通孔100の内部に入り込んで再び係止球体101を径方向内方に付勢する。
この状態において、係止球体101は、その一部が下側筒状部材81の内面から内方に突出して、流出口部26の外面に形成された係止溝26a(流入口部24の場合は係止溝24a)内に入り込み、流出口部26(及び流入口部24)をロックする。これにより、流出口部26(及び流入口部24)と連結具70とは、ロック部材77の操作プレート111を引き上げない限り外れなくなる。
原水管接続部材71も前記した浄水管接続部材73と全く同じ構成であり、これら原水管接続部材71と浄水管接続部材73とは、その中間部分が結合プレート75により結合され、また、その下側部分が前記したようにロック部材77の操作プレート111によって結合されている。
尚、好ましくは、前記結合プレート75及び操作プレート111は、原水管接続部材71及び浄水管接続部材73に対して爪等で係止するように構成され得、これにより、結合プレート75及び操作プレート111に対して各接続部材71及び73が、それらの軸線周りに回転できるようになり、各接続部材71及び73に接続された原水管11及び浄水管12のねじれを防止することが可能になる。
このように、原水管接続部材71と浄水管接続部材73とを結合し、かつ、それらのロック部材77の操作プレート111を一体にすることにより、一回の動作で連結具70を浄水器20に連結することが可能になり、浄水器20の着脱が非常に容易になる。
また、前記結合プレート75及びロック部材77の操作プレート111には、誤接続防止用孔75a及び111cが穿設されており、浄水器20のアッパーハウジング27の上面には誤接続防止用棒27cが立設されている。これら誤接続防止用孔75a,111c及び誤接続防止用棒27cは連結具70が浄水器20に正確に取り付けられる時のみ合致するように位置決めされており、これにより浄水器20に対する連結具70の誤接続は確実に防止される。
(別の適用例)
本発明に係る浄水器用連結具は、本実施例に限定されることなく、任意の形式の浄水器に適用することができる。本実施例に示した浄水器用連結具は、結合プレート(結合部材)75及び操作プレート(操作部材)111に形成した誤接続防止用孔75a、111cで誤接続防止手段を構成しているが、誤接続防止手段の構成は本実施例に限定されることなく、浄水器用連結具が正常な接続状態の時のみ浄水器に接続できるように構成されていれば任意の構成でよく、例えば、前記した誤接続防止用孔を単に切欠きで構成してもよく、また、結合プレート75又は操作プレート111の何れか一方だけに誤接続防止用孔を設けてもよく、また、接続時に浄水器用連結具と浄水器とが接触する部分に相互に嵌合し得る突起と、孔又は凹み等を形成して誤接続防止手段を構成してもよく、さらに、原水管接続部材及び流入口部の接続部分の形状や寸法等を、浄水管接続部材及び流出口部の形状や寸法等と変えることにより誤接続防止手段を構成してもよい。
そして、原水管用接続部材及び浄水管用接続部材の構成は本実施例に限定されることなく、浄水器の流入口部及び流出口部に対して液密に、かつ、着脱可能に接続できる構成であれば任意の構成でよく、例えば、内部にシールリングを備え、該シールリングで装着時に接続部分をシールし、かつ流入口部及び流出口部を保持できるように構成してもよい。
また、浄水器用連結具のロック部材のロック機構は本実施例に限定されることなく、既存の任意の形式のロック機構が適用され得る。また、本実施例では、ロック部材に一つの操作プレートを設け、該操作プレートで各接続部材のロック及びロック解除操作ができるように構成されているが、この構成は本実施例に限定されることなく、例えば、各々ロック及びロック解除操作を独立して行える操作手段を備えた接続部材の各操作手段を適当な結合手段で結合して構成してもよい。
本発明に係る浄水器用連結具を適用したキッチンユニットにおける流し台の概略縦断面図である。 図1の浄水器20の正面図である。 図2の浄水器20の背面図である。 図2の浄水器20の右側面図である。 図2の浄水器20の左側面図である。 図2の浄水器20の上面図である。 図2の浄水器20の底面図である。 図2の浄水器20の部分縦断面図である。 (a)は下側保持フィルタ用の支持部材の下面図であり、(b)は図9(a)におけるA−A断面図である。 連結具70の正面図である。 図10の連結具70の上面図である。 図10の連結具70の右側面図である。 図10の連結具70から締付部材78を取り外した状態での部分縦断面図である。 連結具70に流入口部24、流出口部26、及び浄水器20を装着した状態を示す概略縦断面図である。
符号の説明
1・・・流し台
2・・・天板
3・・・収納庫
3a・・・奥板
4・・・混合水栓
5・・・常温水元栓
6・・・温水元栓
7・・・常温水管
8・・・温水管
9・・・棚板
10・・・浄水器支持ケース
11・・・原水管
11a・・・銅管部
11b・・・可撓性部
12・・・浄水管
12a・・・銅管部
12b・・・可撓性部
−−浄水器−−−
20・・・浄水器
21・・・ハウジング
23・・・流入口
24・・・流入口部
24a・・・係止溝
25・・・流出口
26・・・流出口部
26a・・・係止溝
27・・・アッパーハウジング
27a・・・上板
27b・・・段部
27c・・・誤接続防止用棒
29・・・ロアハウジング
29a・・・底板
29b・・・球面状部分
29c・・・受座
31・・・雄ねじ(アッパーハウジング側)
33・・・雌ねじ(ロアハウジング側)
35・・・溝(Oリング装着用)
37・・・Oリング
39・・・漏受部
41・・・シール用突出部
43・・・中空糸膜ケース
43a・・・底板
43b・・・連通孔
43c・・・支持リング
45・・・円筒形ガイド部材
47・・・保持フィルタ(上側)
47a・・・中央開口
49・・・保持フィルタ(下側)
49a・・・中央開口
51・・・支持部材(上側)
51a・・・中央開口
51b・・・連通孔
53・・・支持部材(下側)
53a・・・円板
53b・・・脚部
53c・・・中央開口
53d・・・連通孔
−−連結具−−−
70・・・連結具
71・・・原水管接続部材
73・・・浄水管接続部材
75・・・結合プレート(結合部材)
75a・・・誤接続防止用孔
77・・・ロック部材
78・・・締付部材
79・・・筒状部材(上側)
79a・・・装着部
79b・・・係止つめ
81・・・筒状部材(下側)
85・・・浄水流路
86・・・シールリング
87・・・弁装置
93・・・弁座
93a・・・開口
95・・・開閉部材
95a・・・つめ体
95b・・・弁体
97・・・案内筒
99・・・スプリング
100・・・貫通孔
101・・・係止球体
103・・・スプリング
110・・・上側部材
110a・・・フランジ部
111・・・操作プレート(操作部材)
111a・・・貫通孔
111b・・・切欠き
111c・・・誤接続防止用孔

Claims (2)

  1. 浄水器の流入口部に着脱可能な原水管接続部材と、浄水器の流出口部に着脱可能な浄水管接続部材とを備えた浄水器用連結具であって、前記両接続部材は該部材を一体に接合する接続部材の径方向外方に伸びる結合部材を備えており、
    前記両接続部材の下端には前記流入口部及び流出口部とロックできるロック部材を設けてあり、該ロック部材は、これと一体の前記接続部材の径方向外方に伸びる操作部材を備え、
    前記原水管接続部材及び浄水管接続部材を浄水器の流入口部及び流出口部に押し込むことにより前記両接続部材が前記流入口部及び流出口部に接続されてロックされ、
    また、前記ロック部材の1回の軸方向摺動操作で前記ロックが解除されて前記連結具が浄水器から分離されることを特徴とする浄水器用連結具。
  2. 前記ロック部材は、前記接続部材に設けた下側筒状部材と、該筒状部材に対して摺動自在の上側部材とを備え、前記下側筒状部材の浄水器側には貫通孔が形成され、該貫通孔には上側部材と下側筒状部材間に配設したスプリングにより貫通孔の径方向内方に一部が突出した係止球体が設けられ、ロック解除時に、前記操作部材を押上げることにより、前記上側部材がスプリング力に抗して下側筒状部材上を摺動し、前記係止球体が半径方向外方に移動可能となるように構成した請求項1に記載の浄水器用連結具。
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