JP3798192B2 - 電気集じん機および無声放電電流の調整方法 - Google Patents
電気集じん機および無声放電電流の調整方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばトンネル内の空気を浄化する電気集じん機および無声放電電流の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車トンネル内の空気は、自動車から排出される煤煙、自動車の走行に伴って生じるタイヤや道路アスファルトの摩耗粉塵などのサブミクロンオーダの浮遊微粒子で汚染されている。
【0003】
そこで、この汚染空気を清浄化するために、2段式電気集じん機(以下、単に集じん機という)を用いた空気清浄化設備が実用化され、高速道路トンネルなどで稼動している。
【0004】
図18は、従来型の電気集じん機の集じん原理を示す。
【0005】
この集じん機は、帯電部1と集じん部2から構成されている。帯電部1には、上下のプラスの電極板3a,3bと、これら電極間に配置されたマイナスの細い放電線4とが設けられている。集じん部2には、上下のプラスの集じん極板5a,5bと、これら極板間に配置されたマイナスの高圧極6とが設けられている。
【0006】
煤塵は、帯電部1の放電線4によってマイナスに帯電されて集じん部2に入る。集じん部2に入ったマイナスに帯電された煤塵は、静電界によって力を受け、極板方向に移動して集じん極板5a,5b上に捕集される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
帯電部1において細い放電線4が使われているが、この細い放電線4が運転時間の経過に伴って劣化し、断線故障を引き起こすことになるという問題がある。
【0008】
また、集じん部2の風下には、集じん部2で補捉できなかったマイナスイオン(いわゆる、漏れイオン)が漏れ出てくるが、この漏れイオンが原因でトンネル壁面がダストで汚れるという問題がある。
【0009】
すなわち、本坑内の空間粉塵濃度は、集じん機風下の方が風上に比較して、約1桁薄いにもかかわらず、トンネル壁面の汚れは、集じん機風下の方が早く汚れるという問題がある。この1つの原因としては、マイナスまたはプラスに帯電された漏れイオンによって、トンネル壁面近傍に向かう空間電荷電界が生じるためと考えられる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、耐久性に富み、空気中の浮遊粒子、有害ガス並びに漏れイオンによるダストの影響を極力抑えることが可能な電気集じん機および無声放電電流の調整方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、稼動時間が長くなっても、集じん率および有害ガス除去率を低下させることなく一定に保つことが可能な電気集じん機および無声放電電流の調整方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電気集じん機は、空気中に浮遊する粒子に帯電部にて電荷を与え、該電荷が与えられた粒子に集じん部で電界を加えることによって集じんを行う電気集じん機であって、前記帯電部は、無声放電を行う無声放電式帯電部によって構成され、マイナスイオンとプラスイオンの両方の粒子が同時に存在するプラズマ柱を生成することを特徴とする。
【0014】
前記無声放電式帯電部は、誘電体間に金属電極を埋め込んだ電極板を複数枚有し、該複数枚の電極板を空気流れ方向に沿って配置することができる。
【0015】
前記プラズマ柱生成手段により生成された前記両方の粒子を、前記集じん部からの漏れイオンとして用いることができる。
【0016】
本発明に係る無声放電方式による無声放電電流の調整方法は、空気中に浮遊する粒子に帯電部にて電荷を与え、マイナスイオンとプラスイオンの両方の粒子が混在するプラズマ柱を生成する過程に際して、前記帯電部にて生成されるプラズマ柱を一定量に維持するように、該帯電部に供給される電力を調整する放電電流調整工程を具えたことを特徴とする。
【0017】
前記放電電流調整工程は、前記帯電部に印加される電圧を段階的に変化させることによって、該帯電部にて生成されるプラズマ柱を一定量に維持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
[第1の例]
まず、本発明の第1の実施の形態を、図1〜図13に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る電気集じん機における帯電部の構造を示す。なお、本装置は、帯電部と集じん部とから構成されるが、周知の集じん部の説明については後述する。
【0021】
本装置の帯電部は、無声放電式帯電部10により構成される。ここでいう無声放電とは、オゾナイザ放電のことをいう。
【0022】
図1の無声放電式帯電部10において、11は、放電極板である。複数枚(この例では、4枚)の放電極板11は、連結棒12によって4ヶ所において位置決めされている。このように放電極板11を組み立てることにより、互いに並列配置された平行平板型の構造体として構成することができる。なお、連結棒12は、絶縁材料や金属材料を用いて構成できるものであり、特に限定されるものではない。
【0023】
また、隣接する放電極板11の間は、交流高電圧を印加するための連結リード14によって接続されている。この連結リード14には、その交流高電圧を供給するための交流高圧電源13が接続されている。
【0024】
このような無声放電式帯電部10の放電極板11の間に矢印A方向から煤塵を含んだ空気を流すと、放電極板11間においてプラスとマイナスの両極性の電荷が作成され、この両極性の電荷をもった煤塵空気が矢印B方向へ流れ出る。
【0025】
図2は、無声放電式帯電部10の放電極板11の構成例を示す。放電極板11は、金属電極(箔でもよい)11cを2枚の誘電体板11a,11bにより挟んで一体にして構成されている。金属電極11cには、電位を与えるための電位リード11dが引き出されている。
【0026】
(集じんの原理)
次に、本装置の集じん原理を、図3に基づいて説明する。
【0027】
本装置は、無声放電を行う前述した無声放電式帯電部10と、集じん部20とから構成される。集じん部20は、両側に配置されたプラスの集じん極板21および接地集じん極板22と、これら極板21,22の間に配置されたマイナスの高圧極板23とからなっている。
【0028】
今、無声放電式帯電部10において、交流高圧電源13を印加することによって、いわゆる平行平板を構成する各放電極板11間の空間部には、マイナスイオンとプラスイオンとが同時に存在するプラズマ柱30が多数並列に発生・消滅を繰り返す状況となる。
【0029】
このようなプラズマ柱30が存在する帯電部空間に、煤塵粒子40を含んだ空気を流入させる。これにより、煤塵粒子40は、プラズマ柱30内を通過する間に、プラス、もしくは、マイナスの電荷を帯びた荷電粒子50の状態で帯電部空間から抜け出てくる。
【0030】
この帯電部空間で生成されたプラズマ柱30を用いて、浮遊粒子40のみならず、有害ガスを含むガス成分を除去することができる。このとき、帯電によって浮遊粒子40を除去でき、放電化学反応によって有害ガスを含むガス成分を除去することができる。また、付随的な効果として、脱臭、殺菌も行うことができる。
【0031】
そして、それらプラス、マイナスの荷電粒子50は、集じん部20に導かれる。このとき、集じん部20では、マイナスの荷電粒子50は、集じん部20の静電界の作用によって接地集じん極板22の方へ移動して大部分が捕集され、残りの一部分が集じん部20から漏れ出ていく。一方、プラスの荷電粒子50は、集じん部20の静電界の作用によって空間内に配置された高圧極板23の方へ移動して大部分が捕集され、残りの一部分が集じん部20から漏れ出ていく。
【0032】
このような捕集により、集じん部20において荷電粒子50のうちの約80%が取り除かれ、残りの約20%が漏れイオンとして外部の風下へ流れ出る。
【0033】
このように電気集じん機の集じん部20の風下には、漏れイオンを含む空気が排出される。しかし、この空気中の漏れイオンには、マイナスとプラスの両方のイオンが混在した状態なので、この種の荷電粒子によって例えばトンネル壁面に向けて移動するための物理的な力となる空間電界が小さくなる。その結果、トンネル壁面に付着する漏れイオンの量を従来の方式に比べて極力減らすことができるため、トンネル壁面の汚れる速度を従来よりも遅くすることが可能となる。
【0034】
また、本例の無声放電式帯電部10は、平行平板型により構成したので、従来の細い放電線4のように運転時間の経過とともに劣化して断線を起こすといった、劣化の頻度を早めるというような事態も解消することが可能となる。
【0035】
(変形例)
次に、本発明の変形例を、図4および図5に基づいて説明する。
【0036】
図4は、帯電部の変形例を示す。帯電部は、放電極板11と金属板15とを交互に複数枚配置することによって構成される。なお、その他の連結棒12、交流高圧電源13、連結リード14の接続方法は前述した図1の構成と同様であり、その説明は省略する。
【0037】
図5は、放電極板11は、母材となる誘電体板11aの片面に金属電極11cを貼り付けることによって構成される。誘電体板11aとしては、例えばセラミック材を用いることができる。金属電極11cは、周知のスパッタリング法(Cuメッキ等)や高温焼付けの手法によって取り付けることができる。なお、金属11cには、電位リード11dが接続されている。
【0038】
このように放電極板11と金属電極11cを有する誘電体板11aとが交互に配置された帯電部に矢印A方向から煤塵を含んだ空気を流すと、放電極板11と金属電極11cとの間においてプラスとマイナスの両極性の電荷が作成され、この両極性の電荷をもった煤塵空気が矢印B方向へ流れ出ることになる。
【0039】
(実験例)
以下、本発明に係るプラズマ柱生成手段を用いて得られる各種の実験例を、図6〜図13に基づいて説明する。
【0040】
(集じん率の時間特性の比較例)
本発明に係る無声放電型の電気集じん機の集じん率を、コロナ放電型の集じん率と比較する。
【0041】
図6は、コロナ放電型の電気集じん機の集じん率の時間特性を示す。図7は、本発明に係る無声放電型の電気集じん機の集じん率の時間特性を示す。
【0042】
図6に示すコロナ放電型では、電気集じん機の稼動時間の経過に対して、粒径5μm以上の集じん率は著しく低下する。
【0043】
これに対して、図7に示す無声放電型では、電気集じん機の稼動時間の経過に対し、集じん率はほぼ一定である。これは、コロナ放電に比べ、無声放電型では注入電力を大きくできることが原因であると考えられる。
【0044】
(集じん率の粒径特性)
図8は、無声放電型の電気集じん機の集じん率の粒径特性を示す。いずれの粒径においても、集じん率は高く、微粒子に対して、高集じん率化が可能であることがわかる。
【0045】
(NOx除去率の放電電力特性)
有害ガスは、励起および解離などによって生成されたラジカルとの間の反応によって、酸化または還元されて無害となる。また、放電空間の拡大等によって、有害ガスの直接解離による還元反応も増加する。
【0046】
図9は、無声放電型の電気集じん機における有害ガス除去率の放電電力特性を示す。
【0047】
この場合、処理対象ガスは、自動車排気ガス中、自動車道路および自動車道路トンネル内において代表的な有害ガス成分であるNOxとした。NOx除去率は、放電電力の増加に対して向上し、無声放電型の電気集じん機によって、NO,NO2共にほとんど除去することができる。
【0048】
(オゾン濃度の放電電力特性)
図10は、無声放電型式帯電部10の下流側におけるオゾン(O3)濃度の放電電力特性を示す。
【0049】
無声放電は、その放電形態のため、O3を生成する。無声放電電力が増加するに従い、O3濃度が増加している。O3には、殺菌および脱臭効果があることは良く知られている。このため、処理ガス中に細菌や臭いの成分が含まれている場合、浮遊粒子および有害ガスと同時に、これらも除去することが可能である。
【0050】
以上の実験結果から、無声放電が浮遊粒子、有害ガスおよび殺菌、脱臭の同時処理に有効であることが明らかである。
【0051】
(集じん率の流速特性)
図11は、無声放電型の電気集じん機における集じん率の流速特性を示す。
【0052】
流速の増加に対して、集じん率は低下するが、流速9m/sの高流速条件においても、集じん率は70%である。ただし、対象粒径は、0.3〜0.5μmである。この測定結果より、高流速条件下における無声放電型の電気集じん機の有効性が明らかである。
【0053】
(NOx除去率の流速特性)
図12は、NO、および、NO2除去率の流速特性を示す。
【0054】
NO除去率は、流速に対して一定であり、ほぼ100%である。NO2除去率は、流速の増加に対して低下している。この測定結果より、NO除去率に対して、NO2除去率は低いものの、無声放電型の電気集じん機を用いることによって、数m/sの高流速においてもNOとNO2が除去されることが明らかである。
【0055】
図13は、電気集じん機の下流におけるNOx濃度の流速特性を示す。
【0056】
流速に対して、NO濃度は、ほぼ0ppmである。NO2濃度は、流速が大きくなるに従って増加する。しかし、流速の低下に対して、0.05ppm以下で飽和する。この結果は、無声放電型の電気集じん機を用いることによって、NOx濃度を環境基準値の0.06ppm以下にすることが可能である。
【0057】
[第2の例]
次に、本発明の第2の実施の形態を、図14〜図17に基づいて説明する。なお、前述した第1の例と同一部分については、その説明を省略し、同一符号を付す。
【0058】
(無声放電電流の調整方法)
本例は、前述した第1の例で説明した電気集じん機の無声放電式帯電部10における無声放電電流の調整方法に関するものである。
【0059】
(背景)
まず、無声放電電流を調整する理由を、図14および図15に基づいて説明する。
【0060】
無声放電型の電気集じん機では、あらゆる環境の変化に対して、その性能は高く維持されなければならない。特に、放電電流が稼動時間に対して一定であることは、最も基本であり、重要なことでもある。
【0061】
図14は、無声放電電極の表面が清潔な状態において、電気集じん機を稼動させたときの無声放電電流の時間特性を示す。
【0062】
放電電流は、稼動初期においては最大値I1を示し、T0→T1の時間経過に従って、I2→I3と低下していき、定常値となる。
【0063】
図15(a)〜(c)は、図14中の(I)〜(III)の放電状態に対する放電電流の影響をモデルとして示したものである。
【0064】
図15(a)は、図14の(I)に対応するものであり、電気集じん機の稼動開始直後の状態を示すものであり、放電電流は十分に流れている。この放電電流は、視覚的には発光又はプラズマ柱30として観測され、その量は多い。
【0065】
図15(b)は、図14の(II)に対応するものであり、稼動時間の経過に対して、放電電流は低下する。このため、放電発光およびプラズマ柱30の量も低下する。
【0066】
図15(c)は、図14の(III)に対応するものであり、さらに時間が経過すると、放電電流値は低下すると共に、一定となる。このことは、発光およびプラズマ柱30の量がさらに低下し、微弱な放電を持続することを示している。また、この領域では、放電電圧などの初期設定にも依存するが、放電が停止する場合もある。
【0067】
無声放電型の電気集じん機において、浮遊粒子は帯電によって除去され、有害ガスは解離などの放電化学反応によって除去される。このことから、浮遊粒子および有害ガスの除去には、放電空間中の電子やイオン、すなわち電流値に大きく依存する。
【0068】
図14に示したように、放電電流が稼動時間に対して低下するということは、無声放電型の電気集じん機の性能が著しく低下することを意味している。これにより、放電電流値を維持する有効な手段が必要となる。
【0069】
言い替えると、無声放電電流は、時間の経過に従って低下し、飽和する。このため、電気集じん機の稼動時間の経過に従い、放電電力(注入電力)が低下し、集じん率およびNOx除去率が低下する。従って、適当な手段によって、任意の放電電流を維持する手法が必要となる。
【0070】
この放電電流を維持する手法の1つとして、初期電圧と電流を高く設定し、任意の電流値に安定させる手法がある。しかし、この手法では、初期電圧と電流が非常に大きくなるため、電極表面に設置された誘電体の絶縁強度を大きくしなければならない。
【0071】
そこで、本例では、放電電流を稼動時間に対して一定に保つ手法として、印加電圧を段階的に昇圧する調整方法を提案するものである。
【0072】
(具体的な調整方法)
次に、印加電圧を段階的に昇圧する調整方法を、図16および図17に基づいて説明する。
【0073】
図16は、無声放電電流を調整する測定回路を示す。
【0074】
無声放電型帯電部10を構成する一方の放電極板11は交流高圧電源13に接続され、他方の放電極板11はコンデンサ100に接続されている。コンデンサ100および交流高圧電源13の他端は、アースされている。
【0075】
交流高圧電源13には分圧抵抗R1,R2が接続され、分圧抵抗R1,R2間の接続点Pと、コンデンサ100の両端の接続点Q,Rには、オシロスコープ101が接続されている。
【0076】
放電電流(すなわち、無声放電電流)は、分圧抵抗R1,R2およびコンデンサ100を用いたリサジュー図形により、オシロスコープ101で観察することによって、時間平均値として測定することができる。
【0077】
図17は、上記図16の測定回路を用い、印加電圧を段階的に昇圧して測定した場合における、電圧および放電電流の時間特性を示す。
【0078】
印加電圧の初期値がV1であるとき、放電電流はほぼ最大のI1となる。そして、印加電圧を稼動時間の経過に対して除々に昇圧し、約Vsで一定に保つ。このように印加電圧を段階的に昇圧させた場合、放電電流は、稼動時間の経過に対して、I3まで著しく低下することなく、目標値であるIsに収束する。
【0079】
放電電流は、任意の電流設定が可能であり、1例として、設定電流値Isを0.4mAとした場合、印加電圧を時間の経過に対して昇圧することによって、放電電流は0.4mAの値に収束する。
【0080】
上述したように、印加電圧を段階的に昇圧することによって、稼動時間の経過に伴う放電電流値の低下を防止することができると共に、誘電体の絶対強度に関わらず、任意の電流値に設定することが可能となる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、電気集じん機の無声放電式帯電部によってマイナスとプラスの両イオンを混在するプラズマ柱を生成するようにしたので、電気集じん機の風下に漏れ出た空気中の漏れイオンも、マイナスとプラスの両イオンが混在することになり、これにより、周囲壁面等への空間電荷電界を小さくすることができ、トンネル壁面の汚れを防止することができる。
【0082】
また、本発明によれば、電気集じん機の帯電方式を無声放電としたので、放電プラズマ空間の拡大により放電化学反応が促進され、空気中の浮遊粒子と有害ガスを同時に除去することが可能となり、加えて、脱臭、殺菌効果も期待することができる。
【0083】
さらに、本発明によれば、無声放電式帯電部を平行平板型として構成したので、耐久性に優れた装置を作成することができる。
【0084】
さらにまた、本発明によれば、帯電部に印加される電圧を段階的に変化させ、帯電部にて生成されるプラズマ柱を一定量に維持するようにしたので、放電電流を任意の値に設定することができ、これにより、集じん率および有害ガス除去率を安定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電気集じん機の無声放電式帯電部の構成を示す斜視図である。
【図2】無声放電式帯電部の放電極板の構成を示す斜視図である。
【図3】電気集じん機の集じん原理を示す説明図である。
【図4】放電極板と金属板とが交互に配置された帯電部の変形例を示す斜視図である。
【図5】図4の放電極板の構成を示す斜視図である。
【図6】コロナ放電型の電気集じん機における集じん率の時間特性を示す特性図である。
【図7】無声放電型の電気集じん機における集じん率の時間特性を示す特性図である。
【図8】集じん率の粒径特性を示す特性図である。
【図9】有害ガス除去率の放電電力特性を示す特性図である。
【図10】オゾン濃度に対する無声放電電力特性を示す特性図である。
【図11】集じん率の流速特性を示す特性図である。
【図12】有害ガス除去率の流速特性を示す特性図である。
【図13】電気集じん機の下流におけるNOx濃度の流速特性を示す特性図である。
【図14】放電電流の時間特性を示す特性図である。
【図15】図6に対応した放電状態に対する放電電流の影響を示す説明図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態である無声放電電流の調整を行うための測定回路を示す回路図である。
【図17】印加電圧に対する無声放電電流の調整方法を示す特性図である。
【図18】従来における電気集じん機の集じん原理を示す説明図である。
【符号の説明】
10 無声放電式帯電部
11 放電極板
12 連結棒
13 交流高圧電源
14 連結リード
15 金属板
20 集じん部
30 プラズマ柱
40 煤塵粒子
50 荷電粒子
100 コンデンサ
101 オシロスコープ
Claims (5)
- 空気中に浮遊する粒子に帯電部にて電荷を与え、該電荷が与えられた粒子に集じん部で電界を加えることによって集じんを行う電気集じん機であって、
前記帯電部は、無声放電を行う無声放電式帯電部によって構成され、マイナスイオンとプラスイオンの両方の粒子が同時に存在するプラズマ柱を生成することを特徴とする電気集じん機。 - 前記無声放電式帯電部は、誘電体間に金属電極を埋め込んだ電極板を複数枚有し、該複数枚の電極板を空気流れ方向に沿って配置したことを特徴とする請求項1記載の電気集じん機。
- 前記プラズマ柱生成手段により生成された前記両方の粒子を、前記集じん部からの漏れイオンとして用いることを特徴とする請求項1又は2記載の電気集じん機。
- 無声放電方式による無声放電電流の調整方法であって、
空気中に浮遊する粒子に帯電部にて電荷を与え、マイナスイオンとプラスイオンの両方の粒子が混在するプラズマ柱を生成する過程に際して、
前記帯電部にて生成されるプラズマ柱を一定量に維持するように、該帯電部に供給される電力を調整する放電電流調整工程
を具えたことを特徴とする無声放電電流の調整方法。 - 前記放電電流調整工程は、前記帯電部に印加される電圧を段階的に変化させることによって、該帯電部にて生成されるプラズマ柱を一定量に維持することを特徴とする請求項4記載の無声放電電流の調整方法。
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