JP3796278B2 - 肌色調整用組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は肌色調整用組成物に関し、さらに詳しくは、シミ、そばかす等によって生じた肌の濃色部分を目立たなくさせる肌色調整用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来の化粧料、例えばメークアップ化粧料は、化粧料基剤としてのタルク,酸化チタン,マイカ,カオリン,酸化亜鉛,炭酸マグネシウム等の白色顔料と酸化鉄,カーボンブラック,レーキ顔料等の着色顔料、および染料、油脂類、乳化剤、香料等を適当に配合して、白粉、固形白粉、乳化型ファンデーション、水分散型ファンデーション、油分散型ファンデーション等の化粧料としている。しかし、上述のように配合して得られたこれらの化粧料は、シミ、ソバカス等の肌の濃色部分を自然なかたちでカバーする事は難しい。即ち、これらの肌の濃色部分をカバーするための従来の化粧料は、二酸化チタン、亜鉛華等の陰ぺい力の大きな基剤で被覆することにより肌の濃色部分を隠し、さらに肌色を好みの色にコントロールするため、顔料を配合した化粧料が主として用いられてきた。
【0003】
また、最近では特開平2−304015号公報に記載されているように、アルミニウムのような高隠ぺい性粉体を用いた皮膚トラブル用のメーキャップ化粧料が報告される等、肌の濃色部分をカバーする化粧料に対する市場の要求が高まっているのが実情である。しかし、このような化粧料では、シミ、ソバカス等の肌の濃色部分に対しては、高隠ぺい性の基剤を用いたり、厚塗りをしたり、顔料配合量の多い化粧料を用いる結果、自然で透明感のある肌色を演出することができない等の欠点があった。
【0004】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、肌の濃色部分を基剤の陰ぺい力を利用するのではなく、干渉を有する物質が特定の波長の光に対する干渉効果を有していることに着目し、この干渉効果を利用して肌の濃色部分とその他の部分との色差を小さくするようにした肌色調整用組成物を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、肌の濃色部分を目立たなくさせる肌色調整用組成物であって、黄〜赤色系干渉色を有する物質を配合してなることを特徴とする肌色調整用組成物である。ここで肌の濃色部分とは、シミ、ソバカス等を指すものとする。
【0006】
本発明で用いられる黄〜赤色系干渉色を有する物質(以下、干渉性物質と称する。)は、肌の濃色部分を目立たなくさせるために配合され、一般に、無色あるいは有色で透明な薄い物質あるいはそれを薄膜として担体上に被覆した物質を、その色調や厚さあるいは薄膜厚さを所定の値に調整して使用される。
【0007】
肌の濃色部分は、肌に白色光が入射し、その濃色部分に対応する波長光を散乱反射する結果、認識されるものである。したがって、肌の濃色部分を目立たなくさせるためには、白色光の中から、特に肌の濃色部分に対応し、その他の部分との肌色の差を小さく見せるような干渉色系の光が肌に入射するようにすればよい。
【0008】
本発明において、干渉性物質の配合量は、組成物中の全粉末量に対して2.0重量%以上、好ましくは10.0重量%以上である。干渉性物質としては、例えば二酸化チタン被覆雲母,酸化ジルコニウム被覆雲母,アルミナ被覆雲母,酸化鉄被覆雲母,板状酸化チタン,板状酸化鉄,板状アルミナ,シリカ被覆雲母,板状シリカ,干渉性樹脂粉末,低次酸化チタン被覆雲母,魚燐箔あるいはこれらの物質に有色の有機・無機着色剤を被覆したもの等が挙げられるが、これらの物質に他の有機物質や金属酸化物や金属や粘土鉱物等で被覆あるいは複合化されたものも使用することができる。
【0009】
本発明において黄〜赤色系干渉色を有する物質としては、雲母上に光学的膜厚が190〜270nmおよび/または410〜500nmの二酸化チタンを有するチタン化合物層で被覆した雲母チタンが好ましく、特に、チタン化合物層は、酸化窒化チタンおよび/または低次酸化チタンを含有するものであることが好ましい。
【0010】
ここで酸化窒化チタンとは、低次酸化チタンである一酸化チタン(TiO)に窒素が固溶した化合物(TixNyOz、x=0.2〜0.6,y=0.05〜0.6,z=0.1〜0.9)のものをいう。酸化窒化チタンを含有するチタン化合物層を有する雲母チタンとしては、特開昭60−184570号公報に記載されたものが挙げられる。また、低次酸化チタンとは、一般式TinO2n-1(n=1以上)で表されるチタン酸化物であり、該低次酸化チタンを含有するチタン化合物を有する雲母チタンとしては、特開昭59−126468号公報および特開昭60−60163号公報に記載されたものが挙げられる。
【0011】
TixNyOz含有雲母チタンの製法を例示すれば、市販の雲母チタン系顔料を500℃〜1000℃、好ましくは700℃〜900℃の温度でアンモニアガスによって、あるいはこれとヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスとの混合ガスによって加熱還元する方法が挙げられる。また、低次酸化チタン含有雲母チタンの製法を例示すれば、市販の雲母チタン系顔料を500℃〜1000℃、好ましくは700℃〜900℃の温度で水素ガスなどの還元力を有するガスの一種または二種以上によって、あるいはこれら還元力を有するガスとヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスとの混合ガスによって加熱還元する方法、市販の雲母チタン系顔料に二酸化チタンを混合し、該混合物を上記の方法によって加熱還元する方法、または市販の雲母チタン系顔料に金属チタンを混合し、該混合物を真空下で500℃〜1000℃、好ましくは700℃〜900℃で加熱還元するなどの方法を挙げることができる。
【0012】
通常の黄〜赤色系干渉色を有する雲母チタンを用いると、シミ、ソバカスを目立たなくさせる効果はあるものの、パール剤そのものの光沢が“テカリ”としてあらわれてしまうという欠点があるが、酸化窒化チタン(TixNyOz)および/または低次酸化チタン(TinO2n-1)を含有するチタン化合物層を有する雲母チタンを用いた場合には、この“テカリ”が解消され、干渉色のみを外観色として認めることができ、自然な透明感を保持したままで濃色部分の補正が可能である。また、これは肌の濃色部分だけを選択的に補正することができるため、部分用だけでなく全体用肌色調整組成物に配合することが可能である。
【0013】
本発明による肌色調整用組成物を物理的指標によって表すと次のようである。即ち、下記Aの測定法により求めた隠蔽力が100以下であり、かつ下記Bの測定法により求めた茶色カバー力が1.8以上であるような肌色調整用組成物である。ここでいう茶色カバー力1.8以上では、実際にそのものを肌に塗布した場合、シミ・ソバカスを隠す効果があるが、1.8未満では効果が認められない。
【0014】
A:肌色調整用組成物を濃度80重量%で硝化綿ビヒクルに混合したのち、白色および黒色の下地をもつ隠蔽力試験紙に厚さ30μmになるように塗布し、当該白色下地と黒色下地における測色値の色差ΔEを用いて下記式(1)により求める。
【0015】
【数3】
隠蔽力=(1÷ΔE)×100 …(1)
【0016】
B:肌色調整用組成物を濃度80重量%で硝化綿ビヒクルに混合したのち、茶色透明PETフィルムに厚さ30μmになるように塗布し、入射光角45゜、受光角40゜で測色を行い、下記式(2)により求める。
【0017】
【数4】
茶色カバー力=W/V …(2)
【0018】
(式中、Vは肌色調整用組成物を塗布していない茶色透明PETフィルムの400〜700nmにおける反射率の積分値を示し、Wは肌色調整用組成物を塗布した茶色透明PETフィルムの400〜700nmにおける反射率の積分値を示す。)
ここで、茶色カバー力は2以上であることがさらに好ましい。
【0019】
本発明の肌色調整用組成物は、上記の干渉性物質を配合してなるものであり、主としてメークアップ化粧料として、またその中でもベースメーク料として使用することができる。メークアップ化粧料として使用する場合、その種類や用途に応じて干渉性物質のみからなるものとしてもよく、干渉性物質の他に各種粉体、油剤および水のうちの1種以上を配合してなるようにすることもできる。
【0020】
干渉性物質の他に配合することができる粉体成分としては、タルク,カオリン,雲母,絹雲母(セリサイト),白雲母,金雲母,合成雲母,紅雲母,黒雲母,リチア雲母,パーミキュライト,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム,ケイ酸バリウム,ケイ酸カルシウム,ケイ酸マグネシウム,ケイ酸ストロンチウム,タングステン酸金属塩,マグネシウム,シリカ,アルミナ,ゼオライト,硫酸バリウム,焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ),リン酸カルシウム,弗素アパタイト,ヒドロキシアパタイト,セラミックパウダー,金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛,パルミチン酸カルシウム,ステアリン酸アルミニウム),窒化ホウ素等の無機粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末),ポリエチレン粉末,ポリメタクリル酸メチル粉末,ポリスチレン粉末,スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末,ベンゾグアナミン樹脂粉末,ポリ四弗化エチレン粉末,セルロース粉末等の有機粉末、二酸化チタン,酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ),チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄,黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄,カーボンブラック,低次酸化チタン等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット,コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム,水酸化クロム,チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青,紺青等の無機青色系顔料、酸化チタンコーテッドタルク,着色酸化チタンコーテッドマイカ,オキシ塩化ビスマス等のパール顔料、アルミニウムパウダー,カッパーパウダー等の金属粉末顔料、赤色201号,赤色202号,赤色204号,赤色205号,赤色220号,赤色226号,赤色228号,赤色405号,橙色203号,橙色204号,黄色205号,黄色401号,青色404号などの有機顔料、赤色3号,赤色104号,赤色106号,赤色227号,赤色230号,赤色401号,赤色505号,橙色205号,黄色4号,黄色5号,黄色202号,黄色203号,緑色3号,青色1号などのジルコニウム,バリウムまたはアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル,β−カロチン等の天然色素等が挙げられる。これらは1種を用いてもよいし2種以上を用いてもよい。但し、一般の化粧品に適用できる粉末であれば良く、上記の成分に限定されるものではない。
【0021】
油剤としては、化粧品に適用できる原料油剤であればよく、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、イソプロピルミリステート、ミリスチルオクチルドデカノール、ジ−(2−エチルヘキシル)サクシネート、ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール、モノステアリン酸グリセリン、イソステアリン酸トリグリセライド、ヤシ油脂肪酸トリグリセライド、ヒマシ油、エタノール、オクチルドデカノール、ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラノリン、ミツロウ、オリーブ油のような炭化水素、エステル、グリセライド、低級アルコール、高級アルコール、多価アルコール、高級脂肪酸あるいはオルガノポリシロキサン流体などが例示される。
【0022】
本発明の組成物には必要に応じて、さらに界面活性剤、保湿剤、増粘剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗酸化剤、香料、各種薬剤など化粧料に一般に使用されるものを配合してもよい。
【0023】
【実施例】
次に本発明の肌色調整用組成物を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合割合はすべて重量%である。
【0024】
実施例1〜5、比較例1〜3
表1、2に示す組成の濃色部分補正用油性コンパクトファンデーションを以下の方法で製造し、後述する方法で茶色カバー力及び隠蔽力を測定した。その結果を併せて表1、2に示す。
【0025】
(製法)
(3)〜(6)を加熱溶解後、(7)〜(17)を添加し、ディスパー分散する。このものを特殊機化製TKミル処理し、85℃に加熱する。予め、90℃にて加熱溶融、混合しておいた(1),(2)さらに(18)をこれに添加し、脱気する。所定の中皿に充填し、放冷して濃色部分補正用油性コンパクト状ファンデーションを得た。
ここでTixNyOz含有雲母チタンおよびTinO2n-1含有雲母チタンの製造方法はつぎの通りである。
【0026】
(赤色干渉色系TixNyOz含有雲母チタンの製法)
雲母50部をイオン交換水500部に添加して十分に攪拌し均一に分散させた。得られた分散液に濃度40重量%の硫酸チタニル水溶液172.0部を加えて、攪拌しながら加熱し6時間沸騰させた。放冷後、ろ過水洗し900℃で焼成して、表面が二酸化チタンで被膜された雲母(雲母チタン)76部を得た。次に得られた雲母チタンを流速0.5l/minのアンモニアガスと流速3l/minの窒素ガスとの混合ガス気流下で800℃、1.0時間の還元処理を行い、冷却後、粉末を回収した。得られた粉末は外観色、干渉色ともに鮮やかな赤色の真珠光沢を呈した。この製品である赤色の雲母チタン系顔料のX線回折図によれば、雲母の回折ピークの他に回折角(ブラッグ角2θ)25.3°付近にアナターゼ型二酸化チタンの最強ピーク(101)が、また2θ−43.3°付近にややブロードの酸化窒化チタンの最強ピークが認められ、本実施例で得られた赤色の雲母チタン系顔料は、二酸化チタンと酸化窒化チタンによって雲母粒子表面が被膜されていることが分かる。また、雲母粒子表面に被膜されている二酸化チタンと酸化窒化チタンの量を定量した結果、この製品である赤色の雲母チタン系顔料は雲母62.0重量部、二酸化チタン36.0重量部および酸化窒化チタン2.0重量部が被膜してなる赤色の雲母チタン系顔料であることが判った。
【0027】
(黄色干渉色系TinO2n-1含有雲母チタンの製法)
雲母50部をイオン交換水500部に添加して十分に攪拌し均一に分散させた。得られた分散液に濃度40重量%の硫酸チタニル水容液130部を加えて、攪拌しながら加熱し6時間沸騰させた。放冷後、ろ過水洗し900℃で焼成して、二酸化チタンで被膜された雲母(雲母チタン)70部を得た。次に得られた雲母チタン50部に金属チタン0.5部を混合し、該混合物をオイル拡散ポンプを用いて10-3torr以下の真空度にて、800℃で4時間加熱還元した。冷却後、粉末50.1部を得た。得られた粉末は外観色、干渉色ともに真珠光沢のある鮮やかな黄色の粉末であった。またこの製品である黄色の雲母チタン系顔料において雲母を被膜している二酸化チタンと低次酸化チタンの量を求めると、二酸化チタンが雲母66.9重量部に対して29.3重量部、低次酸化チタンが3.8重量部であることが判った。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
*1:TiO2被覆雲母
(マール社製フラメンコゴールド、TiO2/マイカ=32〜38/62〜68、TiO2の光学的膜厚約210nm)
【0031】
*2:TiO2被覆雲母
(マール社製フラメンコレッド、TiO2/マイカ=37〜43/57〜63、TiO2の光学的膜厚約250nm)
【0032】
*3:Fe2O350%被覆雲母
【0033】
*4:TiO2被覆雲母
(マール社製フラメンコブルー、TiO2/マイカ=43〜49/51〜57、TiO2の光学的膜厚約310nm)
【0034】
☆隠蔽力、茶色カバー力の効果試験
▲1▼隠蔽力効果試験法
(試料)
実施例1〜5および比較例1〜3を試料として用いた。
(方法)
上記各試料を80wt%の濃度で硝化綿ビヒクルに小型攪拌機を用いて均一に混合し、これを白および黒の下地をもつ隠蔽力試験紙にアプリケータによって30μmの厚さで塗布した。次に白および黒の下地に塗布した試料の色調をミノルタCM1000を用いて測色し、得られた白および黒の下地に塗布した試料の色差ΔEを求め、更にこの色差を用いて(1)式によって隠蔽力を求めた。
【0035】
【数5】
隠蔽力=(1÷ΔE)×100 …(1)
【0036】
なお、隠蔽力1000は色差が0.1であり、白黒下地を共に完全に隠蔽する水準、隠蔽力100は色差が1.0であり、白黒下地でほとんど色調に差がない水準、および隠蔽力10は色差が10.0であり、白黒下地がはっきりと見分けられる水準である。
【0037】
▲2▼茶色カバー力効果試験方法
(試料)
隠蔽力効果試験におけるものと同じものを用いた。
(方法)
茶色の透明PETフィルムに隠蔽力効果試験と同様の方法で各試料を塗布し、これを村上色彩科学研究所製の変角測色機GCMS3を用いて入射角45゜、受光角40゜の条件で測色を行った。
対照として測定した茶色の透明PETフィルムの波長400〜700nmにおおける反射率の積分値と、試料を塗布した茶色PETフィルムの波長400〜700nmにおける反射率の積分値との差比を(3)式によって求め、茶色カバー力とした。
【0038】
【数6】
茶色カバー力=Y/X …(3)
【0039】
(式中、Xは肌色調整用組成物を塗布していない茶色透明PETフィルムの400〜700nmにおける反射率の積分値を示し、Yは肌色調整用組成物を塗布した茶色透明PETフィルムの400〜700nmにおける反射率の積分値を示す。)
【0040】
次に、得られた濃色部分補正用油性コンパクトファンデーションのカバー効果、透明感、仕上がりの自然さについて評価を行った。評価方法は、濃色部分保有者10名を対象とし、第三者による視感判定を行って、5(ある、あるいは自然)から1(ない、あるいは不自然)までの5段階評価をし、各評価値の平均値を求めた。さらに肌色の測定(正常部と濃色部)をミノルタ測色計CM−1000により塗布前後で実施し、色差を測定し平均値を算出した。これらの結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
表3から明らかなように、本発明の黄〜赤色の干渉光を持つ粉末を配合した実施例1〜5のファンデーションはシミ、ソバカス等の濃色部のカバー効果(肌色補正効果)に優れているにもかかわらず、透明感があり自然な仕上がりであった。特に、TixNyOz含有雲母チタンを用いた実施例4およびTinO2n-1含有雲母チタンを用いた実施例5はパール剤の光沢による“テカリ”もなく優れた仕上がり感であった。さらにこれらの補正用ファンデーションを塗布したのち、市販のパウダリーファンデーションを塗布すると、雲母チタンの光沢が自然な透明感に変化し、正常部と遜色のない仕上がり感であった。
【0043】
これに対し、従来の二酸化チタンを多量配合した比較例1は、カバー効果はあるものの、透明感のない粉っぽい仕上がりであった。また、アルミニウム粉末を配合した比較例2は優れた隠蔽性を示したが、仕上がりに不自然なギラギラ感があり、不自然な仕上がりであり、使用感触にもガサツキがあった。また、黄〜赤色系干渉色以外の干渉色を有する雲母チタンを配合した比較例3は、カバー効果、透明感はあるものの、仕上がりに不自然なパール感と干渉光が認められ、正常部素肌と塗布後の濃色部の色差も大きかった。
【0044】
【0045】
(製法)
(1)〜(3)を攪拌混合した後、(4)〜(6)を添加し分散させる。その中に、(9)に(7)および(8)を溶解させた水相部を加え乳化させることにより、隠蔽力が10で、茶色カバー力が2.4の濃色部分補正用油中水型乳化ファンデーションを得た。
【0046】
(効果)
このファンデーションをシミ、ソバカスをもつパネルに塗布したところ、透明感のある仕上がりであるにもかかわらず、濃色部分を効果的に補正し、優れた隠蔽効果を示した。正常部と、このファンデーションを塗布した濃色部分の両者の上に市販の固形白粉を塗布したところ、濃色部分の補正ファンデーションによる光沢が抑制され、両部位の差はほとんど認められず、自然な仕上がり感であった。
【0047】
【0048】
(製法)
(1)〜(5)および(14)を90℃に加熱し溶解後、(6)〜(12)を加え、90℃にてホモジナイザーにて分散する。さらに予め95℃に加熱しておいた(13),(15),(16)の混合物を添加し乳化する。その後、所定のスティック容器に充填し室温まで冷却して目的の隠蔽力が10で、茶色カバー力が2.1の濃色部分補正用スティック状油中水型乳化ファンデーションを得た。
【0049】
(効果)
このスティック状油中水型乳化ファンデーションは、透明感のある自然な仕上がりで効果的に濃色部分をカバーするだけでなく、にきび跡、赤ら顔といった軽度の濃色部分の補正にも効果的であった。
【0050】
【0051】
(製法)
(1)〜(9)を攪拌混合したものに、予め加熱溶解しておいた(10)〜(14)を添加し、混合分散する。このものをパルベライザーで粉砕し、中皿に打型して隠蔽力が14で、茶色カバー力が1.9の軽度の濃色部分補正用パウダリーファンデーションを得た。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の肌色調整用組成物は、干渉性物質の有する干渉効果を利用しているので、肌の透明感を損なうことなく、自然なかたちで肌の濃色部分を目立たなくさせることができる。さらに黄〜赤色系干渉色を有する物質としてTixNyOz含有雲母チタンおよび/またはTinO2n-1含有雲母チタンを用いると、パール剤の光沢による“テカリ”がなく、自然な透明感で、濃色部分は正常部と遜色のない仕上がり感を得ることができる。
Claims (4)
- 肌のシミ、ソバカス部分を目立たなくさせる肌色調整用組成物であって、黄〜赤色系干渉色を有する物質を配合してなり、
前記黄〜赤色系干渉色を有する物質が、雲母上に光学的膜厚が190〜270nmおよび/または410〜500nmの酸化窒化チタンおよび/または低次酸化チタンを含有するチタン化合物層で被覆した雲母チタンであることを特徴とするシミ、ソバカス用の肌色調整用組成物。 - 黄〜赤色系干渉色を有する物質の配合量が全粉末量に対して2.0重量%以上である請求項1記載の肌色調整用組成物。
- 下記Aの測定法により求めた隠蔽力が100以下であり、かつ下記Bの測定法により求めた茶色カバー力が1.8以上である請求項1または2に記載の肌色調整用組成物。
A:肌色調整用組成物を濃度80重量%で硝化綿ビヒクルに混合したのち、白色および黒色の下地をもつ隠蔽力試験紙に厚さ30μmになるように塗布し、当該白色下地と黒色下地における測色値の色差ΔEを用いて下記式(1)により求める。
- 茶色カバー力が2以上である請求項3記載の肌色調整用組成物。
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