JP3796025B2 - 試料前処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料前処理方法に関するものであり、詳しくは、透過型電子顕微鏡によるプラスチックスの微細構造観察のための試料前処理方法である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、透過型電子顕微鏡を用いた樹脂の形態観察は、樹脂の微細構造観察手法として多方面で幅広く行われている。一般に、透過型電子顕微鏡で樹脂の構造を観察するためには、電子線が透過できる程度の非常に薄い試料切片(薄切片)を作成する必要があり、その厚みは、透過型電子顕微鏡の性能にもよるが、通常50〜300nm程度である。そして、微細構造の観察のためには、微細構造に対応したコントラストが薄切片に付かなければならない。
【0003】
ところが、一般に多くの樹脂は、炭素、水素、酸素、窒素などの元素から構成されているため、電子線に対して透明であり、従って、薄切片にコントラストが付かない。そこで、薄切片にコントラストを付けるため、種々の染色固定法が考案されている。染色固定法とは、樹脂の構造に対応した部分に重元素を反応させるか、または、沈着させ、その部分における電子の散乱寄与を大きくし、結果として、重元素が含まれていない部分とのコントラストを付けて構造観察を可能にする方法である。
【0004】
代表的な染色方法としては、四酸化オスミウム(OsO4)や四酸化ルテニウム(RuO4)を用いる方法がある。OsO4を用いる方法は、加藤(J.Electron.Microsc.14.220(1965))やAndrews(J.R.Microsc.82.221(1964))が行った方法である。この方法によれば、分子構造中に二重結合の様な不飽和基が存在すると選択的な反応により重元素であるオスミウム元素が導入されてコントラストが付き構造観察が可能になる。上記の方法は、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、スチレン−イソプレンブロックコポリマーの構造観察に幅広く用いられている。
【0005】
一方、RuO4を用いる方法は、飽和系樹脂に有効な染色固定方法であり、Trent(Macromolecules.17.2930(1984))や佐野(Polymer.27.1497(1986))により開発、発展された方法である。この方法は、結晶性樹脂の中の非結晶部における選択的反応により重元素であるRu元素が導入されるため、結晶と非結晶間でコントラストが付き構造観察が可能になる。この方法は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の結晶性樹脂の結晶構造(ラメラ構造)の観察に広く応用されている。また、分子運動性の高い樹脂ほど染色され易い特性があり、上記の様な染色方法は、ブレンド系材料にも広く適用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に、微細構造の観察は、染色固定した薄切片の観察により可能であるが、次の様な基本的な問題がある。例えば、結晶性樹脂の観察では、RuO4で染色された非結晶相中に染色されない結晶ラメラ(厚みが10nm程度の板状構造体)が白く観察される。しかしながら、この観察されるラメラは、非常に限定された位置関係にあるものだけである。すなわち、薄切片に対して垂直に位置する板状ラメラのみにコントラストが付いてその観察が可能であり、平行に位置するラメラは勿論のこと、薄切片に対して僅かでも傾斜しているラメラは原理的に観察できない。
【0007】
また、相分離系のポリマーブレンドの場合は、構成している各成分の間での染色性の差を利用してコントラスト付けを行っていることから、ポリ塩化ビニルとポリメチルメタクリレートのブレンド物の様に染色性に差が無い組み合わせではコントラストが薄切片に付かずに構造観察をすることが出来ない。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、従来の前処理では観察できなかった、樹脂の立体的な結晶形態の観察やブレンド樹脂の微細な相分離構造の観察を可能にする試料前処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、染色固定に加えてエッチング処理を併用する方法に関して鋭意検討を行った結果、染色固定した薄切片の表面を酸素プラズマイオンでエッチングすると言う全く新たな前処理方法により、上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得、本発明の完成に到った。
【0010】
すなわち、本発明の要旨は、透過型電子顕微鏡によるプラスチックスの微細構造観察のための試料前処理方法であって、染色固定した試料から透過型電子顕微鏡で観察可能な薄切片を作成し、当該薄切片をイオンエッチングすることを特徴とする試料前処理方法に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の試料前処理方法において、対象となるプラスチックスとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリビニリデンフルオライド、ポリフェニレンサルファイド等の結晶性プラスチックス、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂(ABS)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルポリスルフォン等の非晶性プラスチックス、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。
【0012】
また、任意の割合でプラスチックスを混ぜ合わせたブレンド物が挙げられる。具体的には、ポリアミドとポリオレフィン、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン、ポリカーボネートとABS、ポリエステルとポリカーボネート等の他、エチレンプロピレンランダム共重合体、エチレンブテンランダム共重合体、スチレンブタジエンランダム共重合体、スチレンブタジエンブロック共重合体などのゴム成分のブレンド物など2成分以上のブレンド物が挙げられる。なお、プラスチックスの形態は、パウダー、ペレット、フィルム、シート、成形品などの何れであってもよい。
【0013】
本発明における染色固定法としては、広く一般に用いられている方法を採用することが出来る。その中でも、RuO4染色固定法とOsO4染色固定法が応用範囲の広さから有利である。
【0014】
RuO4染色固定法としては、一般的な方法(Polymer.27.1497(1986)記載)を用いることが出来る。具体的には、(1)シール出来るガラス容器中に樹脂とRuO4結晶またはRuO4水溶液を共存させて気化したRuO4ガスにより染色する方法、(2)RuO4水溶液中に樹脂を浸漬する方法が挙げられる。
【0015】
染色時間は、樹脂の種類により調整されるが、通常10分から24時間の範囲である。10分より短い時間では染色が不十分であり、24時間を超える時間では染色過多になり薄切片の採取が困難となる。また、染色温度は、RuO4結晶の融点である26℃以上とするのが効率的である。26℃未満の温度では染色反応が遅く十分に染色固定されないことがある。
【0016】
本発明においては、RuO4結晶を用いない方法として、(1)RuO2とNaIO4との反応でRuO4を生成させながら染色する方法(Macromolecules.17.2930(1984))、(2)RuCl3とNaOClとを反応させる方法(J.Polym.Sci.Polym.lett.Edn.23.421(1985))を利用することも出来る。なお、前記のOsO4染色法は、RuO4染色法と全く同様な方法で行うことが出来る。
【0017】
染色固定した樹脂から薄切片を作成する方法としては、一般的な方法を用いることが出来る。薄切片の作成装置(ウルトラミクロトーム)には、市販品、例えば、ライカ社製の「ウルトラカット」を用いることが出来る。薄切片の厚みは、特に限定されないが、通常50〜300nmの範囲である。上記範囲より薄いと均一な厚みの薄切片が作成が困難であり、上記範囲より厚いと汎用の電子顕微鏡(加速電圧が100kVまたは200kV)で観察するときの電子線透過量が少なくて構造観察が困難となる。
【0018】
本発明において、薄切片のイオンエッチングは、低真空下で交流の高電圧を印加して残留酸素をイオン化し、イオン化された酸素粒子を試料に照射することにより行われる。図11は、イオンエッチング装置の一例の概略説明図である。真空排気可能な円柱状の真空容器(1)(直径:15cm,高さ:15cm)の内部に、直径5cmの電極(2)、(2)を対向させ、その一方に銅メッシュに積載した薄切片(8)を載せる。
【0019】
そして、油回転ポンプ(図示せず)により、排気バルブ(5)から真空排気しながらニードルバルブ(6)により新鮮な空気を導入して真空度を0.01〜0.1toorに保ち、電極(2)、(2)間に1kV程度の電圧をかけて放電させる。印加する高電圧には6kV容量のネオントランス(3)の二次側電圧を用いる。一次側電圧はスライダック(4)を用いて調整する。放電により真空容器(1)の内部の酸素がイオン化し、イオン化された酸素粒子が試料表面をたたくことによってエッチングが進行する。なお、図11中の符号(7)はリークバルブを表す。
【0020】
エッチング機構の詳細は不明であるが、次の様に推定される。すなわち、イオン化した(励起した或いはプラズマ化した)酸素が試料と相互作用を繰り返す結果、局部的な分子鎖切断が起こり、ある分子鎖以下になった分子が真空中に揮散する。この揮散速度が染色されたプラスチックスの種類や結晶と非結晶の構造に依存することから、結晶ラメラの立体的な観察やブレンド物の微細構造の観察が可能になる。
【0021】
RuO4やOsO4により染色された局所部分は、RuやOs元素を介して架橋構造が導入されていると考えられる。そして、そのために上記の染色された局所部分の耐エッチング性は染色されていない部分に比べて高くなっている。従って、結晶性樹脂であれば非結晶部分が染色されるため、結晶部分がイオンにより浸食され、電子顕微鏡観察では染色処理のみの場合に比べてより白く観察され、また、立体的な構造観察が可能になる。
【0022】
エッチングが酸素ガスに起因するため、エッチングするときのガス種には、5体積%以上の酸素ガスが必要である。酸素濃度が5体積%未満ではエッチングが遅くなる。酸素ガス濃度の調整には純粋な酸素ガスを利用してもよいが、操作の簡便さや安全性から通常は空気を用いるのが好ましい。
【0023】
エッチング時間は、試料や観察目的により異なるが、通常10秒から30分の範囲である。10秒より短い時間ではエッチングが不十分であり、30分より長い時間では薄切片がエッチングにより消失する場合がある。
【0024】
本発明の試料前処理方法を用いた電子顕微鏡観察によれば、立体的に試料を観察することが出来、また、従来の染色固定法では識別が不可能であったブレンド材料の微細構造の観察が可能である。
【0025】
近年、プラスチックス材料へ要求される性能は益々高くなっており、その要求を満たすための材料開発も高度化している。材料開発において重要なことは、プラスチックスの構造や形態の制御である。
【0026】
従って、本発明の試料前処理方法は、材料開発の方向を明確化するための手法として、その意義が極めて大きい。例えば、結晶性樹脂では、材料や製品中の結晶ラメラの三方向の大きさやその三次元空間的配列状態が機械的特性や光学的特性などの性能と密接に関係している。本発明の試料前処理を用いた電子顕微鏡観察によれば上記の全ての情報を知ることが出来る。
【0027】
次に、本発明の試料前処理を用いた電子顕微鏡観察の応用例について説明する。以下の応用例においては、ポリエチレンのインフレーションフィルムの透明性解析としとて、透明性(JIS K−7105に準拠した霞度で測定)の異なるフィルム1(霞度:18)とフィルム2(霞度:3)の構造観察を行った。
【0028】
図9は、本発明の試料前処理を適用したフィルム1の電子顕微鏡写真(倍率5万倍)、図10は、本発明の試料前処理を適用したフィルム2の電子顕微鏡写真(倍率5万倍)である。
【0029】
従来手法で観察できる結晶ラメラ厚みはフィルム1及び2とも6.7nmであり差がない。しかしながら、図9及び10から明らかな様に、三次元空間的配列状の観察に関しては顕著な違いがある。
【0030】
すなわち、フィルム1中に生成している結晶ラメラは放射状に配列して球晶構造を形成しており、その半径はサブミクロンであり光を散乱するのに十分な大きさの集合体となっている。一方、フィルム2では、一枚のラメラ長は、フィルム1より長く、フィルム成形時のずり流動の影響を受けて湾曲しているが、その空間配置はランダムであり光を散乱するに匹敵する大きさの凝集構造が存在していない。これが両試料の透明性の違いである。要するに、ポリエチレンの分子量、分子量分布、短鎖分岐や長鎖分岐の有無、規則性分布などの一次構造の制御による透明性は、本発明手法により明らかになる結晶構造を介して制御することが出来る。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例を用いた樹脂の内容は、次の(1)〜(3)に示す通りである。
【0032】
(1)LLDPE;三菱化学株式会社製のLLDPE(UF421)のペレットを190℃で熱プレスして2mm厚みのシートを作成して試料とした。
(2)PP;三菱化学株式会社製のPP(MFR:2.5)のペレットを230℃で熱プレスして2mm厚みのシートを作成して試料とした。
(3)PVC;三菱樹脂株式会社製のヒシプレート(#7000)をそのまま試料とした。
【0033】
実施例1〜3
LLDPE試料から、2mm×2mm×20mm(高さ)のサイズの小片を切り出し、スクリューキャップ付きのガラス容器(容積2cc)の中に、RuO4結晶約10mgと共に入れてガスが逃げない様に密封をした。その後、温度制御が出来るホットドライバス(井内製「SHD−3」)に上記のガラス容器を挿入して40℃で1時間染色固定した。
【0034】
次いで、ダイヤモンドナイフを装着したウルトラミクロトーム(ライヘルト社製「ウルトラカットN」)を用い、厚み150nmの薄切片を作成し、銅製メッシュに当該薄切片を積載した。
【0035】
次いで、図11に示したイオンエッチング装置の下方の電極の上に銅製メッシュ上に積載した薄切片を置いた。そして、油回転ポンプで排気を行うと共にニードルバルブで微量の空気を導入して系内の真空度を0.07toorに調整しながら電極間に1200Vの交流電圧を印加して放電させ、イオンエッチング処理を行った。所定の時間処理した後、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JEM2010」)観察を行った。その結果を図1〜3に示す。
【0036】
図1は、実施例1(エッチング時間:1分)で得られた透過型電子顕微鏡、図2は、実施例2(エッチング時間:3分)で得られた透過型電子顕微鏡、図3は、実施例3(エッチング時間:10分)で得られた透過型電子顕微鏡である。写真の倍率は何れも5万倍である。
【0037】
比較例1
実施例1において、イオンエッチング処理を省略した以外は、実施例1と同様に透過型電子顕微鏡による観察を行った。図4は、比較例1(いわゆる従来法)で得られた透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)である。
【0038】
実施例1〜3と比較例1より次のことが分かる。すなわち、図12は、ポリエチレンの結晶ラメラ模式図であるが、同図に示す様に、ポリエチレンの結晶は、板状のラメラ組織が積層した集合体で形成されており、結晶のb軸方向にねじれながら矢示Aの方向に成長している。この板状ラメラ一枚の結晶c軸方向の長さがラメラの厚み(t)、結晶a軸方向の長さがラメラの幅(w)、b軸方向の長さがラメラの長さ(L)になる。
【0039】
比較例1(従来法)で得られた図4において、白く観察される筋状の構造は薄切片に垂直に位置する板状結晶ラメラの厚みに相当する。その厚みは約8nmであることが分かるがそれ以上の情報は得られない。また、ラメラが立体的にねじれているイメージを得ることは全く不可能である。
【0040】
一方、実施例1〜3で得られた図1〜3は、図4と比較すると、薄切片に垂直に位置する板状ラメラ以外に傾斜しているラメラや湾曲しているラメラの側面までも観察可能であり、ラメラの厚みは勿論のことラメラの幅や長さも知ることが出来る。さらに、エッチング時間の増大に伴い、よりラメラのねじれについても、立体的に観察することが出来る。
【0041】
実施例4
実施例1において、LLDPE試料をPP試料に、また、エッチング時間を2分間に変更した以外は、実施例1と同様に透過型電子顕微鏡による観察を行った。図5は、実施例4で得られた透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)である。LLDPEの場合と同様に薄切片に垂直に位置する結晶ラメラは勿論、傾斜しているラメラの側面も観察可能であり、結晶ラメラの立体的な構造が分かる。
【0042】
比較例2
実施例1において、LLDPE試料をPP試料に変更し、また、イオンエッチング処理を省略した以外は、実施例1と同様に透過型電子顕微鏡による観察を行った。図6は、比較例2で得られた透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)である。薄切片に垂直に位置するラメラのみが観察されるだけであり、図5と比較すると情報量は圧倒的に少ない。
【0043】
実施例5
実施例1において、LLDPE試料をPVC試料に、また、エッチング時間を2分間に変更した以外は、実施例1と同様に透過型電子顕微鏡による観察を行った。図7は、実施例5で得られた透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)である。
【0044】
比較例3
実施例1において、LLDPE試料をPVC試料に変更し、また、イオンエッチング処理を省略した以外は、実施例1と同様に透過型電子顕微鏡による観察を行った。図8は、比較例3で得られた透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)である。
【0045】
実施例5(図7)と比較例3(図8)より次のことが分かる。すなわち、PVC試料中には、主成分であるPVC以外に、成形性を改良する目的でアクリル系樹脂、また、衝撃特性を改良する目的でアクリル系ゴム等が配合されている。図7及び8で黒く見える、径が100〜200nmの粒子は、配合されているゴムであり、試料の前処理方法の種類を問わずに観察することが出来る。
【0046】
しかしながら、PVCとアクリル系樹脂の混合物より成るマトリックス相の構造に関しては、試料の前処理方法で顕著な違いがある。すなわち、比較例3(図8)では均一構造と判定されるが、実施例5(図7)によれば、PVCとアクリル系樹脂の相構造やPVCの架橋構造に対応したナノスケールのネットワーク状の微細構造が観察可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明の透過型電子顕微鏡観察のための試料前処理方法は、従来の方法では観察できなかった新たな構造を観察できる全く新規な方法として、多方面のプラスチックス観察に極めて有効である。さらに、本発明手法を用いる形態観察は、種々のプラスチックス材料の高性能化研究へ絶大なる指針を与えるものであり、工業的な有効性も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたLLDPE試料薄切片の透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)
【図2】実施例2で得られたLLDPE試料薄切片の透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)
【図3】実施例3で得られたLLDPE試料薄切片の透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)
【図4】比較例1で得られたLLDPE試料薄切片の透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)
【図5】実施例4で得られたPP試料薄切片の透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)
【図6】比較例2で得られたPP試料薄切片の透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)
【図7】実施例5で得られたPVC試料薄切片の透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)
【図8】比較例3で得られたPVC試料薄切片の透過型電子顕微鏡(倍率5万倍)
【図9】本発明の試料前処理を適用したPEインフレーションフィルム1(霞度:18)の電子顕微鏡写真(倍率5万倍)
【図10】本発明の試料前処理を適用したPEインフレーションフィルム2(霞度:3)の電子顕微鏡写真(倍率5万倍)
【図11】イオンエッチング装置の一例の概略説明図
【図12】ポリエチレンの結晶ラメラ模式図
【符号の説明】
1:真空容器
2:電極
3:ネオントランス
4:スライダック
5:排気バルブ
6:ニードルバルブ
7:リークバルブ
8:試料の薄切片

Claims (2)

  1. 透過型電子顕微鏡によるプラスチックスの微細構造観察のための試料前処理方法であって、染色固定した試料から透過型電子顕微鏡で観察可能な薄切片を作成し、当該薄切片をイオンエッチングすることを特徴とする試料前処理方法。
  2. イオンエッチングを酸素プラズマイオンで行う請求項1に記載の試料前処理方法。
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