JP3795750B2 - マスキング用ウェブロールおよび物体マスキング方法 - Google Patents

Description

【０００１】
技術分野
本発明は、巻かれた支持体に関する。特に、本発明は、テープロールに関する。
【０００２】
発明の背景
塗装のために表面をマスキングする作業は、自動車、トラックまたはバン等にグラフィックデザインをするため等に、いくつかの異なる幅のマスキングテープを使用することを含むことが多い。これは、様々な幅のテープを探すこと、または、少なくとも、テーピングが行われる区域の近くの便利な場所に必要な幅のテープの在庫を維持することが必要である。使用されていないテープのロールを自分の腰のまわりに携えている労働者もいる。どのようなシステムが使用されているかとは別に、表面をマスキングするのに便利な正しい幅を保つために努力しなければならない。
【０００３】
また、塗装のために表面をマスクするのにマスキングテープを使用しながら、たとえば航空機またはバス等用に、特定の幅のテープを大量に使用する必要があることもある。マスキング処理を完了するのに、数個のロールが使用される。きわめて長い長さの連続テープが必要な適用のためには、均等に巻かれたテープを使用することができる。均等に巻かれたテープは、均等に巻かれたテープの螺旋状に巻き付けられたストランドを収容することができるため、機械化システムには重要である。手でマスクする適用には、コアの縁に対して同一の位置にロールを常に取り外すテープのストランドを備えた、遊星巻きが望ましい。
【０００４】
塗装のために表面をマスクする処理の間に、埃や汚れで覆われていることが多いベンチまたはカートにマスキングテープのロールを降ろす必要があることもある。マスキングテープのセルのスリット縁は、その側部が粘着性であるため、汚れまたは他の汚染物質がテープのロールの側部に接着することがある。これらの汚染物質は、表面に接着されるまでテープにとどまる。汚染物質がテープの縁から除去されない場合、塗装処理の間に塗布され、塗装ラインに沿って瑕疵になる。
【０００５】
また、０．６３５ｃｍ（０．２５インチ）幅までの狭いテープを製造する間に、ロール安定性の問題がある。ウェブがきつすぎると竹のこ巻きが発生し、ウェブがゆるすぎるとピーキングおよび隙間が発生する。
【０００６】
狭い幅のテープを包装する間には、狭いロールを巻き付けるために大量のフィルムが必要である。フィルムラップは、テープのすべてを保護するように、ロールの周縁および側部をカバーする。ロールをカバーする１つの方法は、収縮フィルムを使用することである。加熱処理の間に、テープのロールの半径方向に大きな力が発生する。これらの力は、狭いテープのロールの美観を損なうことがある。
【０００７】
発明の開示
本発明は、ｎ個の周方向スリットによってｎ＋１個の部分に分割されるウェブ全幅を有するウェブのロールである。各部分はウェブ全幅よりも短い幅を有し、この部分の幅の合計はウェブ全幅に等しい。
【０００８】
この部分は一緒に保持される。１つの実施態様においては、コアがこれを達成する。別の実施態様においては、ウェブのもっとも内側の巻付けにおけるウェブの無スリットの部分が使用される。
【０００９】
この部分は、同一のまたは異なる幅を有することができる。この部分のすべてが独立したウェブのロールとして使用されることができるか、または、ウェブのロールの両端にある部分が犠牲的な縁部分を形成できるかのいずれかである。ウェブのロールは、マスキングに使用される接着テープであってもよい。
【００１０】
このウェブのロールを作る方法は、ある長さのウェブを巻いて、ウェブ全幅を有するロールにすることと、ウェブの周方向へスリットを入れて、ウェブ全幅よりも短い幅を有する複数の部分にウェブのロールを分割して、この部分の幅の合計をウェブ全幅に等しくなるようにすることと、を含む。
【００１１】
巻くステップの前に、この方法は、ウェブのジャンボロールにスリットを入れてウェブ全幅を有する複数のウェブにすることを含むことができる。巻くステップは、適切な長さのウェブが巻かれるまで、複数のウェブを遊星式に巻くことを含むことができる。あるいは、巻くステップは、ある長さのテープを巻いてログにし、ログの幅はウェブ全幅よりもかなり大きいことと、旋盤切断を使用することを含むことができる。
【００１２】
詳細な説明
本発明は、実際に、単一のコア上に複数のウェブのロールを作るために複数の切れ目を有するウェブのロールである。本発明は、材料のいずれの型の巻かれたウェブにも適用することができる。例示された実施態様において、巻かれたウェブは、マスキングテープ等のテープのロールである。
【００１３】
図１を参照すると、テープのロール１０は合計テープ幅Ｗを有する。図示のように、テープはコア１２に巻かれる。少なくとも１本の周方向スリット１４が、テープのロールを第１の部分１６と第２の部分１８とに分割する（図１は、テープを第１の部分１６と第２の部分１８と第３の部分２０と第４の部分２２とに分割する３本のスリット１４を示す）。第１の部分１６は合計テープ幅Ｗよりも短い幅Ｗ₁を有し、第２の部分１８は合計テープ幅Ｗよりも短い幅Ｗ₂を有し、第３の部分２０は合計テープ幅Ｗよりも短い幅Ｗ₃を有し、第４の部分２２は合計テープ幅Ｗよりも短い幅Ｗ₄を有する。第１、第２、第３および第４の部分１６、１８、２０、２２の幅Ｗ₁、Ｗ₂、Ｗ₃およびＷ₄は、同一であってもよく、または互いと異なってもよい。同一または異なる幅のいずれの組み合わせも使用することができる。それにも関わらず、様々な部分の幅の合計は合計テープ幅Ｗに等しい。
【００１４】
図示のように、テープのロールは、コアに対して２つ以上のスリット１４を有することができる。いずれの数ｎの周方向スリット１４を使用して、テープをテープのｎ＋１個の部分に分割することができる。各部分は、個別のテープのロールとして個別に使用することができる。また、最外部分（図１の第１の部分１６および第４の部分２２）は、犠牲的な縁部分として使用することもできる。これらの縁部分は使用されない。接着テープでは、特にマスキングテープでは、汚れおよびゴミがテープの縁に集まる。薄い犠牲的な縁部分を作ることによって、テープの縁に集まる可能性がある汚染物質およびゴミが犠牲的な縁部分に接着する。これらの犠牲的な縁部分は、マスキングには使用されず、したがって、塗装された物体の瑕疵を防ぐ。
【００１５】
様々な部分が一緒に保持される。図１の実施態様において、コア１２がこの目的のために使用される。コアが使用されるときには、周方向スリット１４は、テープのロール１０全体を通ってコア１２まで延びることができるが、コアは機能的には無スリットのままである。（スリット入れ作業によってはコアに切れ目が入ることがあるが、これはスリットではなく、コアには切れ目が入らないことが好ましい。）図２に示されるような代替実施態様において、コアのないテープのロール１０’が、複数の部分を備えて作られる。この実施態様において、テープのもっとも内側の巻付けは無スリットのままになっており、テープの部分を一緒に保持することができる。
【００１６】
任意に、テープのロール１０は、内コア（図示せず）を有してもよく、そのまわりをコア１２上のテープのロール１０が回転することができる。これによって、テープのロール１０をディスペンサーで使用することができる。この実施態様において、最外コア１２は完全にスリットを入れられており、ロール１０上の部分を内コア上で個別に回転することができる。少なくとも２つの異なるストランド幅を有するテープのロールが、内コのまわりに巻かれて、ディスペンサーで使用することができる。
【００１７】
本発明のテープロールは、公知のコアを通ってスリットの入ったテープロールに比べて数多くの利点を有する。これらの公知のテープロールの輸送および保管において、２つ以上のテープの「ロール」が互いに接続され一緒の包装することができるため、必要な包装材料が少ない。より広いロールを包装することは、特に個別のロールを収縮包装するときにまたは袋に入れるときに、より安価で容易である。本発明は、同一のコア上に複数のテープのストランドを有し、個別のロールを保護するのに比較してテープを完全にカバーするのにより少ない保護ラップしか必要とせず、特に、テープのすべてが保護されるように、フィルムラップがロールの周縁およびロールの側部をカバーするときはそうである。直感に反し且つ驚くべきことに、より狭いテープの１本のロールよりも、本発明の広いロールを包装するほうが（複数の横に並んだ巻きで）包装が少ししかかからず、より効率的に生産される。これは、部分的には、より広いロールのほうがより構造的一体性を有するからである。また、本発明のテープロールは、より狭い幅のロールでは一般に関連する竹のこ巻き型関係ロールの不安定性問題を有していない。ロールをカバーする１つの方法は、収縮フィルムを使用することである。加熱処理の間に、テープのロールの半径方向に大きな力が発生する。これらの力は、狭いテープのロールの美観を損なうことがある。本発明は、同一のコア上に複数のテープのストランドを有し、これが隣接するストランドを補強し、ロールにより構造的一体性を与え、したがって、収縮ラップ処理の間にロールがゆがむ機会を最小限にする。
【００１８】
コア１２はプラスチックであってもよいが、本発明は、プラスチックコアを使用する必要はない。プラスチックコアより安価な繊維コアによって強いコアを得ることができる。
【００１９】
さらに、たとえば３つの横に並んだテープの巻きを有する本発明のテープロールでは、３倍多くのテープが単一のロールに保管されることができる。単一のロールでかなり多くのテープがある。ユーザにとっては、従来のテープロールのようにすぐにテープがなくなることはない。置き忘れたりなくなったりするロールはほとんどない（複数の幅部分が、異なる幅のテープを備えた別個のテープロールの必要性を排除するからである）。
【００２０】
本発明は、巻き戻しスリット入れまたは旋盤スリット入れを使用して作ることができる。スリット入れの前に、コーティングまたは加工ラインの最後に、感圧テープおよび他のウェブ材料が、大きなジャンボロールに巻かれることが多い。ジャンボロールは、プラントで大量のウェブ材料を扱う際に便利な形態である。ジャンボロールは、一般に最終テープの幅よりもかなり広く、最終製品よりもかなり長い。エンドユーザは一般に、ジャンボロールの小さな部分のみを必要とする。したがって、大きなジャンボロールは、様々なスリット入れ処理を使用してより小さなロールに転換される。これらの転換方法の２つが、巻き戻しスリット入れおよび旋盤スリット入れである。巻き戻しスリット入れは、１９８４年のＤｏｎａｔａｓ Ｓａｔａｓ編「ウェブ処理および転換技術および設備（Web Processing and Converting Technology and Equipment）」および他の参照文献に検討されている。旋盤スリット入れは、１９６５年２月の「Ｐａｐｅｒ， Ｆｉｌｍ ａｎｄ Ｆｏｉｌ Ｃｏｎｖｅｒｔｅｒ」の記事「巻き戻しのないスリット入れ（Slitting Without Rewinding）」において、巻き戻しスリット入れと比較されている。
【００２１】
巻き戻しスリット入れは、大きなジャンボロールをほどくことと、ウェブにスリットを入れて適切な幅にするナイフのバンクにウェブを通らせることと、狭いウェブをそれぞれのコアに遊星式に巻くことを含む。（狭いロールを巻くコアなし方法において、スリップシートがコアマンドレルに置かれ、テープがスリップシート上に巻かれる。）適切な長さの材料がコアに巻かれるまでこの処理が続く。そのとき、ウェブは、クロスウェブ方向にスリットを入れられ、その上にテープを備えたコアが取り除かれ、新しいコアがコアバーに置かれる。
【００２２】
巻き戻しスリット入れを使用するときに、スリットが入れられるナイフのバンクの後でウェブを分離するように注意され、ウェブに完全にスリットが入れられ、そのため製品の隣接するロールが、ウェブの織りのために、互いに融合しないことを確実にする。これを行う１つの方法が、コアを２つの異なるコアバーに置き、奇数のストランドが一方のバーへ行き、偶数のストランドが他方のバーへ行くようにストランドを分けることである。単一のコアバーのみを使用する場合は、ウェブは、ナイフの後で、クロスウェブ方向に分けられ、製品は別個のコア上に巻かれる。ジャンボロールにスリットを入れて少数のロールにするときに、これは受け入れられる。多くの数のロールが必要なときには、外側のロールによってウェブが曲がり、それによってロールにしわが生じるため、これは適さない。
【００２３】
織りのため、および、狭いテープのロールの構造的一体性を維持するのが困難であるため、０．６３ｃｍ（０．２５インチ）幅までの狭いテープのロールに巻き戻しスリット入れを行うことは困難である。個別のストランドを撚り合わせるその織りのため、巻き戻しスリットを使用して、単一のコア上に複数のテープのストランドを互いに隣接させて置くことは困難である。
【００２４】
広い幅を狭い幅に転換する第２の方法は、旋盤スリット入れである。テープの旋盤スリット入れは、コアにテープの環を巻くことから開始され、ログと称される。ログは、適切な長さのテープ、一般に完全なジャンボロールの幅をコアに巻くことによって作られる。ログ用のテープはジャンボロールからであってもよく、または、ログはコーティング処理の最後に巻かれてもよい。テープの実際の転換またはスリット入れは、金属または木材のシリンダの旋盤処理に類似する。ログは軸のまわりにスピンされ、テープおよびコアが完全に切断されるまでナイフが半径方向にログを貫通する。ナイフは逆にされ、最後の切れ目に対して軸方向に適切な量（テープのロールの幅）だけ動き、ログを貫通する。この点で、１つのテープのロールはログからスリットが入れられる。
【００２５】
本発明によってテープのロールを作る例は、旋盤スリット入れを使用する。一定の長さのテープが、所望の長さのテープ用に、コアに巻かれる。コアは、単一テープロールよりもかなり広く、結果的に多くのロールを形成する。長いコアの端に最少量のテープ（接着剤塗布の縁を含む）を足したものが一般に切断され、不要ロールとして捨てられる。次のテープロールのために、ロールを切断する切れ目が次のロールの第１の端を作る。したがって、特別のロール（この例では、１８ｍｍ幅のコア上に３本の６ｍｍ幅のテープの巻きが形成されることと仮定する）のために、オペレータは、テープのすべておよびコアを通って完全に旋盤切断する。刃が６ｍｍ動き、テープは、テープのすべて（または大半）を通って旋盤切断されるが、コアは切断されない。これが、テープの第１の部分を形成する。次いで、刃が６ｍｍ動き、テープは、テープのすべて（または大半）を通って旋盤切断されるが、コアは切断されない。これが、テープの第２の部分および第３の部分を形成する。次いで、刃が６ｍｍ動き、テープは、テープのすべておよびコアを通って旋盤切断され、長いコアの残りの部分からテープのロールを切断する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明のコアのあるテープロールの斜視図である。
【図２】 本発明のコアのないテープロールの断面図である。

Claims (2)

1. ウェブ全幅を有するウェブロールにおいて、
   該ウェブロールをｎ＋１個のロール部分に分割するｎ個の周方向スリットであって、各ロール部分は、該ウェブ全幅よりも短い幅を有して、それらロール部分の該幅の合計が該ウェブ全幅に等しくなるようにする周方向スリットと、
   前記ロール部分を一緒に保持する保持手段とを具備し、
   該ウェブロールは、任意長さのウェブを、前記ウェブ全幅を有するロール形態に巻き、その後、該ウェブに周方向へ切り込みを入れて該ウェブロールを複数の前記ロール部分に分けることにより作製され、
   前記保持手段は、ロール内周端のウェブ巻付け領域におけるウェブの無スリット部分を備え、該無スリット部分を含む該ロール内周端のウェブ巻付け領域が、ウェブの総巻付け数のうちの僅かな領域であること、
   を特徴とするウェブロール。
2. マスキングテープで物体をマスキングする方法において
   粘着テープロールであって、該テープロールをｎ＋１個のロール部分に分割するｎ個の周方向スリットと、それらロール部分を一緒に保持する保持手段とを備え、粘着テープがマスキングテープであり、該テープロールが、汚染物質に曝される第１および第２の最外犠牲部分と、それら最外犠牲部分の間の少なくとも１つのロール部分とを有する粘着テープロールを用意し、
   前記粘着テープロールの前記最外犠牲部分の間の１つの前記ロール部分から、任意長さのテープを引き出し、
   前記任意長さのテープを、マスキングおよび塗装の対象物体に貼り付けること、
   を特徴とする方法。

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