JP3795687B2 - 大電流回路基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、大電流回路基板およびその製造方法に係り、特にその耐電圧の向上や通電容量の増大等を図らんとするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からいわゆるプリント基板が種々の分野で使用されており、特にその電流容量を高めた大電流回路基板もこれらプリント基板の銅箔の厚さを増大させることで対処が可能であるが、通電媒体が銅箔であるという物理的な制約からその電流容量にも自ずと限界があった。
【0003】
これに対し、例えば、実公平7−37206号公報には、その電流容量を増大させるため、厚さ2mm程度のタフピッチ銅を使用し、これを2枚重ね、その層間および表面をポリエステル複合フィルムで覆い、両者を接着剤で接着して一体成形してなる積層母線が紹介されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の大電流回路基板は以上のように構成されているので、板状の導体を使用しており高い通電容量は確保できるが、耐電圧性が劣る。即ち、導板を、その間に接着剤を介在させて絶縁フィルムで覆い一体に固着成形する構造であるため、必然的に導体表面と絶縁フィルム表面との間の空間が多くなり、その製作工程で、導板表面に多数の空気泡、いわゆるボイドが存在し、これらボイドが部分放電の発生など耐電圧特性の低下に結びつく訳である。これは、製品品質の均一性が劣ることをも意味する。
【0005】
また、これらボイドが熱の不良導体でもあることから、その存在密度によっては導電部からの発熱の放散に悪影響を与え、通電容量も低下することになる。
ボイドレスを実現するものとして、いわゆる真空含浸による樹脂注型構造が知られているが、この方式には一般的に極めて高価な注型用の金型が必要となり、その製造設備も大規模化が避けられない。しかも、製品の形状、大きさ毎に金型が必要となることから、最終的な製品価格は極めて高くならざるを得ない。
【0006】
更に、上述した従来のものは、外部への接続部を設ける場合、電流の両極性の端子が平面的にずらした位置に設けられているので、この部分で生じるリアクタンス電圧降下が大きくなると同時に、両端子を流れる電流により外部に発生する磁束量が増大し、その電流の大きさによっては周辺部材の過熱など弊害をもたらす可能性がある。
【0007】
この発明は以上のような問題点を解消するためになされたもので、その目的はボイドレスの高い耐電圧特性を確保するとともに、これを簡単な構造、簡便な製造方法で実現して製品価格の上昇を抑えることである。
また、その他の目的は、簡便安価な構成で製品品質の均一性を実現することである。
また、その他の目的は、外部への接続部を設ける場合、当該部分でのリアクタンス電圧降下を抑制することである。
更に、他の目的は、この種の大電流回路基板にあって、その通電容量の更なる増大を図ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る大電流回路基板は、絶縁スペーサを介して所定の間隔で平行に積層された平板状の複数の絶縁板、および絶縁ボルトを介して上記各絶縁板に支持され上記絶縁板との間に所定の冷却ダクトを確保するよう隣接する絶縁板との間隔のほぼ中央位置に配設された複数の平板状の導電板を備えたものである。
【0009】
また、この発明に係る大電流回路基板は、その複数の導電板の内、外部接続対象の導電板の接続位置に接続用導電ボルトを挿通させる第1の径の穴を形成し、積層された複数の絶縁板の当該接続位置に接続用ナットを挿通させる上記第1の径より大きい第2の径の穴を形成し、上記外部接続対象の導電板以外の導電板の当該接続位置に上記第2の径より大きい第3の径の穴を形成したものである。
【0010】
また、この発明に係る大電流回路基板は、その導電板および絶縁板をその外形が矩形のものとし、上記導電板の一部または全てを上記絶縁板の外形一辺から外方へ突出する形状とし当該突出部分の先端を外部との接続端子としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における大電流回路基板の構造を示す図で、同図(a)はその平面図、同図(b)は(a)のA−A線で切断した断面図、同図(c)は(a)のB−B線で切断した断面図である。図では、3枚の導電板を積層した大電流回路基板1を扱っている。図において、2A、2B、2Cは順に第1層、第2層、第3層導電板で、具体的には、例えば、厚さ1.5mmの銅板で幅600mm、長さ500mmの矩形状のものとしている。
3A、3B、3C、3Dは順に第1層、第2層、第3層、第4層絶縁板で、具体的には、例えば、厚さ1.0mmのガラス基材のエポキシ樹脂成形板が適しており、これを導電板2より大きい、例えば、幅800mm、長さ700mmの矩形状のものに加工している。
【0012】
4A、4B、4Cは順に第1層、第2層、第3層枠板で、具体的には、例えば、導電板2と同じ厚さ1.5mmのガラス基材のエポキシ樹脂成形板を使用し、導電板2外周の絶縁板3が延在する部分を埋めるように、絶縁板3と同じ外形の幅800mm、長さ700mmの矩形額縁状に加工している。
【0013】
これら導電板2を外部の部品、例えば、パワートランジスタやキャパシタ等と接続する場合、その接続位置にあたる部分に必要な穴を設け、図示しない接続用の導電ボルトとナットを用いた接続構造を採用する。以下、この接続部分の構造を、図1(b)のC部を拡大して示す図2に基づき説明する。
【0014】
図2において、矢印が接続位置で、この部分では、第1層導電板2Aがその外部接続対象である。即ち、第1層導電板2Aの接続位置には図示しない導電ボルトを挿通させるための第1の径の穴H1を形成している。そして、絶縁板3A、3B、3Cには、穴H1と同軸上に、図示しないナットを挿通させるための第1の径より大きい第2の径の穴H2を形成している。更に、この部分の外部接続対象とはなっていない導電板、即ち、導電板2B、2Cには、穴H1、H2と同軸上に、第2の径より大きい第3の径の穴H3を形成している。この第3の径(H3)と第2の径(H2)との径差は、導電板2相互間の必要な耐電圧特性を得るためその沿面距離を確保するためのものである。
そして、導電板2B、2Cの穴H3の内周を埋めるように、第2の径を内径とする埋め板5が設けられている。この埋め板5は導電板2と同じ厚さ1.5mmのガラス基材のエポキシ樹脂成形板を使用している。
【0015】
更に、各絶縁板3と導電板2、枠板4、埋め板5との当接面にはこれら当接両面を接着するためのプリプレグ材6を介在させている。このプリプレグ材6には、例えば、0.2mm厚のガラスエポキシプリプレグを採用しているが、その詳細については、後述する製造方法で説明する。
また、図2の絶縁板3間において、互いに対向する導電板2の端面と枠板4の端面との間、および導電板2の端面と埋め板5の端面との間には隙間GAPが設けられている。この隙間GAPには、キュア処理時にプリプレグ材6から流出する樹脂材が侵入しこの隙間GAPを充填してボイドレスの均質な積層基板を実現するが、その詳細は先のプリプレグ材6と合わせ後述する。
【0016】
図3〜図7は、図1、2で説明した大電流回路基板の各構成部品をそれぞれ単体で図示したものである。
先ず、図3は絶縁板3単体を示すそれぞれ平面図(a)、側面図(b)および斜視図(c)で、各接続位置には前述の穴H2が形成されている。
図4は導電板2A、2B、2C単体を示すもので、(1a)(2a)(3a)は各平面図、(1b)(2b)(3b)は各側面図、(1c)(2c)(3c)は各斜視図である。導電板2A、2B、2Cの各接続位置には、前述した小径の穴H1が、また、他の導電板2の接続位置に該当する位置には、前述した大径の穴H3がそれぞれ形成されている。
【0017】
図5は枠板4単体を示すそれぞれ平面図(a)、側面図(b)および斜視図(c)で、組立時は、この枠内に導電板2が嵌め込まれることになる。
図6は埋め板5単体を示すそれぞれ平面図(a)、側面図(b)および斜視図(c)で、絶縁板3の穴H2と同径の穴が設けられ、組立時は各導電板2の穴H3内に嵌め込まれることになる。
図7はプリプレグ材6単体を示すそれぞれ平面図(a)、側面図(b)および斜視図(c)で、絶縁板3と同一外径を有し、各接続位置に相当する部分には絶縁板3の穴H2と同径の穴が設けられている。
【0018】
次に製造方法について説明する。全体としては、図3〜図7で説明した各単体部品を必要数用意し、図1、図2に示す構造に組み立て、真空ヒートプレスを使用して一体の積層基板に仕上げる。ここで重要なことは、図2で説明したプリプレグ材6および隙間GAPの設定である。以下、この点を中心に説明する。
【0019】
先ず、隙間GAPの寸法管理である。発明者等が行った数多くの実験結果から、0.1〜0.3mmの寸法範囲に設定するのが最も望ましいことが判明した。
導電板2に使用する銅の線膨張率は約16ppm/℃、枠板4、埋め板5に使用するガラスエポキシ板の線膨張率は約13ppm/℃であり、温度を上げて(室温からの温度上昇約150℃程度)プレスすると、上述したサンプルの場合、隙間GAPが上記寸法範囲の下限未満であると、上記線膨張率の差から導電板2や枠板4、埋め板5が変形する可能性がある。
【0020】
一方、隙間GAPの寸法範囲の上限は、下記の理由により設定される。即ち、図1に示す状態に各部品を積層して真空ヒートプレスを行うが、各板間に介在させたプリプレグ材6はこの処理条件の過程で含浸樹脂である、この事例ではエポキシ樹脂が多少流出し、近接して隙間GAPが存在するとその部分に溜まり、即ち、当該隙間GAPを上記流出樹脂が充填する。ここで、隙間GAPの寸法が上記上限値を越えると、樹脂が不足状態となって、隙間GAPが完全に充填されず、ボイドが生じることになり、意図した高い耐電圧特性が得られなくなる可能性がある。
【0021】
以上説明したように、この発明では、積層される各絶縁板3と導電板2、枠板4、埋め板5とを接着する機能を担うプリプレグ材6が、同時にボイドレスという高耐電圧特性を達成するための重要な役割を担っている訳である。もっとも発明者等が行った実験から、このプリプレグ材6としては、プリント基板にも採用されているガラスエポキシプリプレグが使用可能なことが判っており、具体的な製品としては、例えば、三菱ガス化学製のGEPL−170や松下電工製のR−1661などは問題なく適用可能である。
【0022】
以上のように、この発明に係る大電流回路基板は、同一面に配される導電板2、枠板4および埋め板5はすべて互いに同一の厚さのものを採用し、これらを絶縁板3で挟むようにし、更に層間にプリプレグ材6を介在させそのキュア処理を行って一体の積層品に成形する構成としたので、傾きや変形の無い均質な積層製品が得られるとともに、導電材と絶縁材との線膨張率の差を考慮して両者間には必要な隙間を設けなくてはならないという耐電圧的には不利となり得る条件を、当該隙間の寸法を所定範囲に設定しこの隙間をプリプレグ材6からの樹脂で充填することでそのハンディーを克服して高い耐電圧特性を実現したものである。
【0023】
先に例示した諸元で試作して得られた大電流回路基板の耐電圧試験を実施したところ、層間に15KVまで電圧を増加させても絶縁破壊は発生せず、良好な耐電圧特性が立証された。
また、通電試験を実施したところ、500A通電時でも温度上昇量は10℃以下であり、これまた通電特性も優れていることが確認された。
【0024】
なお、以上の良好な特性を極めて効率よく高歩留まりで実現するには、上述した項目以外にも考慮する必要があり、これらの概略を以下に列挙する。
先ず、ヒートプレス処理における昇温速度がある。この速度が高過ぎると、昇温時にプリプレグ材の樹脂の溶融粘度が急激に低下し、プレス時に樹脂が外部へ流れ出してしまうケースが多くなる。また、この速度が低過ぎると、樹脂の溶融粘度が高いため、樹脂が流れずボイドが残る場合が多くなる。
次はプレスタイミング、プレス圧で、このタイミングが速くプレス圧が大き過ぎると、樹脂が流れ過ぎて樹脂量が不足しボイドが発生し易くなる。一方、プレスタイミングが遅くプレス圧が小さ過ぎると、樹脂の流れが不足しボイドができ易く、また接着力も低下する。
更に、硬化時間については、短か過ぎると、未硬化部分が残り特性が低下する。長過ぎると、特性には問題が出ないが、生産性が低下する。
また、真空度が悪いとボイドが発生し、特性が低下する。
【0025】
なお、上記製造方法の説明では、導電板2の穴H1、H3についてはいずれも予め形成したものを使用して積層一体化するとしたが、導電ボルトが挿入される穴H1については、予め設けておかず、積層一体化した後、研削加工で形成するようにしてもよい。各接続位置の寸法位置精度が向上する利点がある。
また、導電板2は、銅板に限らずアルミニウム板等でもよく、その厚さも通電容量によって任意に選べばよい。金属の表面には接触抵抗を減じる目的で、金、銀等の貴金属をメッキしてもよい。また、防錆のためにすずをメッキしてもよい。また、接着層であるプリプレグ材との密着性を高めるため、導体の表面をサンドブラスト法等によって物理的に粗面化するとか、導体として銅を使用した場合、銅の表面に酸化銅の膜を形成する、いわゆる黒化処理を行ってもよい。
【0026】
絶縁材3、4、5は、所望の特性が発揮できれば何を使用してもよいが、コスト、性能の点から、ガラスエポキシ、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂等が望ましい。勿論、要求する性能によっては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ナイロン等を使用しても差し支えない。
また、プリプレグ材6も必ずしもガラスエポキシプリプレグに限らず、導電材2と絶縁材3、4、5との組み合わせによっては、他の種類の材料を使用するようにしてもよい。
更に、1個の大電流回路基板を構成する、導電板2、絶縁板3等の枚数や組み合わせは任意に選定でき、例えば、導電板2を層によってその厚さを変えるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0027】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2における大電流回路基板の構造を示す図で、同図(a)はその平面図、同図(b)は(a)のA−A線で切断した断面図、同図(c)は(a)のB−B線で切断した断面図である。ここでは、各導電板2をその一辺が絶縁板3から突出したものとし、その突出部分の先端を外部との接続端子としている。他の実施の形態1と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
【0028】
図9は導電板2A、2B、2C単体の外形を示すもので、(1a)(2a)(3a)は各平面図、(1b)(2b)(3b)は各側面図、(1c)(2c)(3c)は各斜視図である。図に示すように、各導電板2A、2B、2Cは各絶縁板3と積層一体成形される部分から突出した部分を備えており、その突出部分の先端には、図示しない接続用の導電ボルトを挿通させるための穴H4と上記導電ボルトからの絶縁距離を確保するための逃げ穴H5が各接続位置に対応して形成されている。
【0029】
図10は枠板4単体の外形を示すそれぞれ平面図(a)、側面図(b)および斜視図(c)で、導電板2が突出する辺が開放された形状に仕上げられる。
単体の図示は省略するが、実施の形態1と同様の埋め板5、プリプレグ材6が必要となる。
【0030】
製造方法は、実施の形態1の場合と同様であるので省略するが、図8に示すように、導電板2の突出部分をその根元で曲げる必要がある場合は、図9で示す平板状の導電板2を用いヒートプレス処理で各導電板2、絶縁板3等を積層一体に成形した後、上記曲げ加工を施すようにした方が、プレス時の積層方向寸法が小さくその処理が簡便となる利点がある。勿論、曲げ加工を先に施した導電板2を用いてプレス処理を行うようにしてもよい。
【0031】
この実施の形態2による大電流回路基板は、形態1で説明したと同様の効果を奏することは勿論、外部への接続で導電板2を突出させる部分が、短い間隔で互いに平面的に重なり合う形に配置されているので、当該部分におけるリアクタンス電圧降下が極めて小さくなるとともに、この部分に互いに逆向きに電流が流れる場合、その電流により生じる磁束の大部分が互いに相殺され周辺部材の過熱等が発生せず、従来の技術で説明した不具合が解消される。
【0032】
なお、導電板2の絶縁板3および枠板4の外形一辺から外方へ突出させる方向は、必ずしも、すべて同一の方向にする必要はなく、電流が往復で流れる部分毎にその突出の方向を異ならせることもできる。
【0033】
実施の形態3.
図11はこの発明の実施の形態3における大電流回路基板の構造を示す図で、同図(a)はその平面図、同図(b)は側面断面図である。なお、先の図8等より簡略化して図示している。特に実施の形態2と異なるのは、導電板2の絶縁板3から突出させた部分に絶縁を施した点である。即ち、一体積層体を形成するため絶縁板3と導電板2、枠板4および埋め板5との間に介在させるプリプレグ材6を導電板2の突出部分へ延在させ、図11に示すように、当該突出部分を覆うように配設している。
【0034】
他の部分、また各部材の変形可能例等については、先の実施の形態2と同様であるので説明は省略するが、この実施の形態3では、導電板2の突出部分も絶縁物で覆われるので、この外部接続端子に至る部分の絶縁信頼性が向上する。しかも、積層部分に使用するプリプレグ材6をその寸法を拡大するのみで共用する形になるので、作業工程の増大がほとんどない。
もっとも、この突出部分の絶縁性確保という目的からは、必ずしも積層部分に使用するプリプレグ材6を共用しなくてはならないということはなく、別途、適当な絶縁フィルム等を使用してこの突出部分を覆うようにしてもよい。
【0035】
実施の形態4.
図12および図13はこの発明の実施の形態4における大電流回路基板の構造を示す図で、図12はその平面図、図13(a)は図12のA−A線で切断した断面図、図13(b)は同じくB−B線で切断した断面図、図13(c)は同じくC−C線で切断した断面図、図13(d)は同じくD−D線で切断した断面図である。この実施の形態4は、特に通電容量の増大を図ったものである。図において、12A、12B、12Cは順に第1層、第2層、第3層導電板で、具体的には、例えば、厚さ1.5mmの銅板で、幅600mm、長さ500mmの矩形状のものとしている。
13A、13B、13C、13Dは、順に第1層、第2層、第3層、第4層絶縁板で、具体的には、例えば、厚さ1.0mmのガラス基材のエポキシ樹脂成形板を使用し、これを、導電板12より大きい例えば幅800mm、長さ700mmの矩形状のものとしている。そして、各絶縁板13は、その外周近傍において、絶縁スペーサ14を介して絶縁ボルト15と絶縁ナット16とにより締め付け固定されている。
【0036】
そして、上述の各導電板12A、12B、12Cは、隣接する絶縁板13の間隔のほぼ中央位置となるよう、絶縁ボルト17を介して各絶縁板13A、13B、13Cに取り付けられている。
なお、これら支持絶縁材14、15、16、17には、繊維強化プラスチック材を使用している。
【0037】
図14は絶縁板13A、13B、13C単体の外形を示す、それぞれ平面図(a)、側面図(b)および斜視図(c)で、各接続位置の導電ボルトを挿通させるための穴H2、各絶縁板13相互を固定する絶縁ボルト15を挿通させるための穴H6、および各導電板12を各絶縁板13に支持する絶縁ボルト17を固定するための有底の穴H7が形成されている。
【0038】
図15は最上層の絶縁板13D単体の外形を示す、それぞれ平面図(a)、側面図(b)および斜視図(c)である。
図16は導電板12A、12B、12C単体の外形を示すもので、(1a)(2a)(3a)は各平面図、(1b)(2b)(3b)は各側面図、(1c)(2c)(3c)は各斜視図である。導電板12A、12B、12Cの各接続位置には、導電ボルトを挿通させるための穴H1が、また、他の導電板12の接続位置に該当する位置には、大径の穴H3がそれぞれ形成されている。
【0039】
以上のようにこの実施の形態4では、発熱対象である導電板12を、隣接する絶縁板13のほぼ中央位置に配設するようにしたので、絶縁板13との間に冷却ダクトが確保され、特にその冷却性能が向上する。
【0040】
先に例示した諸元で試作して得られた大電流回路基板の通電試験では、600A通電時でも温度上昇量は5℃以下と、良好な通電特性が得られた。勿論、層間耐電圧15KVはクリアし、既述形態例のものと同等の耐電圧特性を有していることを確認している。
【0041】
なお、各部品の外形や材質など種々異なるものを採用し得る点は既述形態例で説明したと同様であり、再録は省略する。更に、導電板12を絶縁板13の一辺から外方へ突出させ当該突出部分の先端を外部との接続端子とする構成も、既述形態例と同様採用することができることは言うまでもない。
【0042】
実施の形態5.
図17はこの発明の実施の形態5における大電流回路基板の構造を示す図で、同図(a)はその平面図、同図(b)は(a)のA−A線で切断した断面図、同図(c)は(a)のB−B線で切断した断面図、同図(d)は(b)のC部を拡大して示す図である。この実施の形態5は、構成および製法の簡便化を図ったものである。特に、実施の形態1で説明したものと異なるのは、導電板2と絶縁板3との当接面には、プリプレグ材6に替わって両面テープ材18を採用している。これによって、単なる加圧処理のみで導電板2と絶縁板3との接着を可能としている。
【0043】
このように、接着加工の簡便化を図るとともに、加熱工程がなくなるので加熱による樹脂の流動化やその固化時のボイドの発生の懸念がなくなるので、実施の形態1の大電流回路基板では採用した枠板4および埋め板5を採用していない。
従って、図18にその単体の外形を示すように、両面テープ材18は挿入される層に応じて、それに形成される穴H2、H3の配置が異なったものとなる。
なお、この両面テープ材18としては、例えば、日東電工製HJ−0240は好適な材料の一つである。
【0044】
以上のように、この実施の形態5では、両面テープ材18の採用で、加熱不要の加圧処理のみでの接着積層一体化が可能となるので、構造が簡便化され均一な品質が得られることは勿論、製法が簡便となりコストの大幅低減が実現する。
実施の形態1による大電流回路基板に比較し、耐候性は多少劣るが、同様の諸元で試作したものの試験では、15KVの層間電圧試験に耐え、また、通電試験では、500A通電で温度上昇量が10℃以下と、製作時点においては、実施の形態1によるものとほぼ同等の良好な特性が得られている。
【0045】
なお、この実施の形態5においても、既述形態例で説明したと同様、各部品の外形や材質など、種々異なるものを採用し得ること、また、導電板2を絶縁板3の一辺から外方へ突出させ当該突出部分の先端を外部との接続端子とする構成を採用し得ることは言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る大電流回路基板は、絶縁スペーサを介して所定の間隔で平行に積層された平板状の複数の絶縁板、および絶縁ボルトを介して上記各絶縁板に支持され上記絶縁板との間に所定の冷却ダクトを確保するよう隣接する絶縁板との間隔のほぼ中央位置に配設された複数の平板状の導電板を備えたので、簡便な構成で大きな通電容量を有する大電流回路基板が得られる。
【0047】
また、この発明に係る大電流回路基板は、その複数の導電板の内、外部接続対象の導電板の接続位置に接続用導電ボルトを挿通させる第1の径の穴を形成し、積層された複数の絶縁板の当該接続位置に接続用ナットを挿通させる上記第1の径より大きい第2の径の穴を形成し、上記外部接続対象の導電板以外の導電板の当該接続位置に上記第2の径より大きい第3の径の穴を形成したので、任意の個所からの、導電ボルトを介した外部との接続が可能となる。
【0048】
また、この発明に係る大電流回路基板は、その導電板および絶縁板をその外形が矩形のものとし、上記導電板の一部または全てを上記絶縁板の外形一辺から外方へ突出する形状とし当該突出部分の先端を外部との接続端子としたので、リアクタンス電圧降下の小さい接続端子の取り出しが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における大電流回路基板の構造を示す図である。
【図2】 図1(b)のC部の拡大図である。
【図3】 図1の絶縁板3単体の外形を示す図である。
【図4】 図1の導電板2単体の外形を示す図である。
【図5】 図1の枠板4単体の外形を示す図である。
【図6】 図1の埋め板5単体の外形を示す図である。
【図7】 図1のプリプレグ材6単体の外形を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態2における大電流回路基板の構造を示す図である。
【図9】 図8の導電板2単体の外形を示す図である。
【図10】 図8の枠板4単体の外形を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態3における大電流回路基板の構造を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態4における大電流回路基板の構造を示す平面図である。
【図13】 図12の各断面を示す断面図である。
【図14】 図12の絶縁板13A(13B、13C)単体の外形を示す図である。
【図15】 図12の絶縁板13D単体の外形を示す図である。
【図16】 図12の導電板12単体の外形を示す図である。
【図17】 この発明の実施の形態5における大電流回路基板の構造を示す図である。
【図18】 図17の両面テープ材18単体の外形を示す図である。
【符号の説明】
1 大電流回路基板、2,12 導電板、3,13 絶縁板、4 枠板、5 埋め板、
6 プリプレグ材、14 絶縁スペーサ、15 絶縁ボルト、17 絶縁ボルト、
18 両面テープ材。

Claims (3)

  1. 絶縁スペーサを介して所定の間隔で平行に積層された平板状の複数の絶縁板、および絶縁ボルトを介して上記各絶縁板に支持され上記絶縁板との間に所定の冷却ダクトを確保するよう隣接する絶縁板との間隔のほぼ中央位置に配設された複数の平板状の導電板を備えた大電流回路基板。
  2. 複数の導電板の内、外部接続対象の導電板の接続位置に接続用導電ボルトを挿通させる第1の径の穴を形成し、積層された複数の絶縁板の当該接続位置に接続用ナットを挿通させる上記第1の径より大きい第2の径の穴を形成し、上記外部接続対象の導電板以外の導電板の当該接続位置に上記第2の径より大きい第3の径の穴を形成したことを特徴とする請求項1に記載の大電流回路基板。
  3. 導電板および絶縁板をその外形が矩形のものとし、上記導電板の一部または全てを上記絶縁板の外形一辺から外方へ突出する形状とし当該突出部分の先端を外部との接続端子としたことを特徴とする請求項1または2に記載の大電流回路基板。
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