JP3794851B2 - 太陽電池パネル構造体及びユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パネル本体に複数個の太陽電池モジュールを接着により配置した太陽電池パネル構造体及び太陽電池パネルユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、太陽電池パネル構造体としては、図1(A)〜(C)に示すものが知られている。ここで、図1(A)は同構造体の裏面図、図1(B)は図1(A)のX−X線に沿う拡大断面図、図1(C)は図1(A)のY−Y線に沿う拡大断面図を示す。
【0003】
前記構造体は、例えば透明性のパネル本体1と、このパネル本体1の裏面側に接着剤(EVA)2を介して貼り付けられた4つの太陽電池モジュール3とから構成されている。また、太陽電池モジュール3は、図示しないが、透明性基板上に透明電極,発電膜及び裏面電極を順次積層して構成された太陽電池を有している。なお、この太陽電池は、図1(C)では便宜上基板4としている。この基板4の裏面側には、接着剤5,6を介してPETからなるカバーシート7が被覆されている。
【0004】
また、前記パネル本体1の裏面側には、図1(A)に示すように各太陽電池モジュール3には銅板8が形成されており、この銅板8が特定のひとつの太陽電池モジュール3まで延出している。パネル本体1の裏面側の特定の太陽電池モジュール3には、前記銅板8に接続するリード線9を取出すための環状の端子台10が設けられている。前記端子台10の内側には、端子台10内のリード線9を封止するための充填材11が充填されている。
【0005】
また、従来、図1のような太陽電池パネル構造体12,12´は、図2に示すように、各構造体12,12´の端子台10からリード線9a,9bを取出して接続することにより太陽電池パネル構造体12,12´同士の電気的な接続を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術によれば、以下に述べるような課題を有していた。
(1)図1の構成の太陽電池パネル構造体においては、1モジュール毎銅板8を用いてパネル内部の電極接続を行うので、パネル内部の電極接続作業に多大な時間を要し、コスト高を招くとともに工数が増加するという問題があった。
(2)また、太陽電池パネル構造体12,12´同士の電気的な接続に際しても、図2に示すように各太陽電池パネル構造体12,12´のパネルについて端子台10から取出したリード線9a,9bを用いて接続したので、リード線9a,9bの接続に多大は時間を要し、コスト高を招くとともに工数が増加するという問題があった。更に、太陽電池パネル構造体12,12´間の略中央からリード線を取出すのは、両構造体間にロスが生じる。このことは、多数の太陽電池パネル構造体を配置する場合に顕著となる。
【0007】
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、透明性を有するパネル本体と、このパネル本体に複数個平面的に見て四角形状に接着により配置された太陽電池モジュールとを有する太陽電池パネルの端部に、リード線水平方向取出し用のコネクタ又はリード線下方向取出し用のコネクタを設けた構成とすることにより、従来のように端子台を必要とすることがなく、パネル内部の電極接続の簡便化及びパネル間の接続の容易化を図り、もって低コスト、低工数の太陽電池パネル構造体を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、隣り合う太陽電池パネル同士を接続するパネル間接続用コネクタと、端部に位置する太陽電池パネルに取り付けられたリード線水平方向取出し用のコネクタと、中央部に位置する太陽電池パネルに取り付けられたリード線下方向取出し用のコネクタとを具備した構成とすることにより、従来のように端子台を必要とすることなく、パネル同士の接続がワンッチでなしえ、低コスト、低工数で無駄な領域の少ない太陽電池パネルユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明は、透明性を有するパネル本体と、このパネル本体に複数個平面的に見て四角形状に接着により配置された太陽電池モジュールとを有する太陽電池パネルの端部に、リード線水平方向取出し用のコネクタを設けたことを特徴とする太陽電池パネル構造体である。
【0010】
本願第2の発明は、透明性を有するパネル本体と、このパネル本体に複数個平面的に見て四角形状に接着により配置された太陽電池モジュールとを有する太陽電池パネルの端部に、リード線下方向取出し用のコネクタを設けたことを特徴とする太陽電池パネル構造体である。
【0011】
本願第3の発明は、透明性を有するパネル本体と、このパネル本体に複数個平面的に見て四角形状に接着により配置された太陽電池モジュールとを有する太陽電池パネルを複数個四角形状に配置された太陽電池パネルユニットであり、隣り合う太陽電池パネル同士を接続するパネル間接続用コネクタと、端部に位置する太陽電池パネルに取り付けられたリード線水平方向取出し用のコネクタと、中央部に位置する太陽電池パネルに取り付けられたリード線下方向取出し用のコネクタを具備したことを特徴とする太陽電池パネルユニットである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(実施例1)
図3(A),(B)を参照する。但し、図3(A)は本発明の実施例1に係る太陽電池パネル構造体の概略的な断面図であり、図3(B)は図3(A)の概略的な斜視図を示す。
図中の付番21は、透明性を有するパネル本体を示す。このパネル本体21の裏面には、既述したように4枚の太陽電池モジュールが平面的に見て四角形状に接着により配置されている(図1参照)。図3(A)は、前記モジュールのうちの1つの一部を切断して見た状態を示す。
【0013】
前記パネル本体21の裏面には基板22が設けられている。この基板22は、図示しないが、透明性基板上に透明電極,発電膜及び裏面電極を順次積層して構成された太陽電池を構成している。前記基板22の裏面には、リード銅板23が設けられている。このリード銅板23は、パネル本体21の一端まで延出しており、端部でEVAからなる接着剤層24,PETからなるカバーシート層25を介して折り曲げられている。
【0014】
前記パネル本体21の所定の側部には、保護用のシリコン樹脂層26を外周部に介在させるとともに,上部,下部に夫々自己融着テープ27,28を介してリード線水平方向取出し用のコネクタ29が設けられている。ここで、コネクタ29は、断面略コ字型の樹脂製のカバー30と、前記リード銅板23に接続する銅板31と、カバー30と銅板31間に配置された弾力材32と、ケーブル33とから構成されている。前記コネクタ29は、前記パネル本体21の側部に対して取り外し自在である。
【0015】
実施例1に係る太陽電池パネル構造体によれば、パネル本体21の所定の側部に、保護用のシリコン樹脂層26を外周部に介在させるとともに,上部,下部に夫々自己融着テープ27,28を介して取り外し自在なリード線水平方向取出し用のコネクタ29を設けた構成となっているため、従来のように端子台を用いることなく、パネル内部の電極接続の簡便化を図ることができる。
【0016】
(実施例2)
図4(A),(B)を参照する。但し、図4(A)は本発明の実施例2に係る太陽電池パネル構造体の概略的な断面図であり、図4(B)は図4(A)の概略的な斜視図を示す。但し、図3と同部材は同符号を付して説明を省略する。
【0017】
実施例2では、太陽電池パネルの端部に、図3のリード線水平方向取出し用のコネクタの代わりにリード線下方向取出し用のコネクタ41を設けたことを特徴とする。このコネクタ41も、断面略コ字型の樹脂製のカバー30と、前記リード銅板23に接続して一端が下方に折り曲げられた銅板31´と、カバー30と銅板31間に配置された弾力材32と、ケーブル33とから構成されている。前記コネクタ41は、前記パネル本体21の側部に対して取り外し自在である。
【0018】
実施例2によれば、実施例1と同様、従来のように端子台を用いることなく、パネル内部の電極接続の簡便化を図ることができる。また、パネルからのリード銅板からの電気的接続をケーブル33を用いてパネルの下方向からできるので、多数のパネルをつなげるような場合、従来のようにリード線の取出しが混線することなく、整然と行うことができる。
【0019】
(実施例3)
図5(A),(B)を参照する。但し、図5(A)は本発明の実施例3に係る太陽電池パネル構造体の概略的な断面図であり、図5(B)は図5(A)の概略的な斜視図を示す。但し、図3と同部材は同符号を付して説明を省略する。
【0020】
実施例3では、太陽電池パネル42,43の端部間に、断面が文字「H」を横にした形状のパネル間接続コネクタ44を設けたことを特徴とする。このコネクタ44は、断面が文字「H」を横にした形状の樹脂製のカバー45と、各太陽電池パネル42,43の夫々のリード銅板23に接続した銅板46と、カバー45と銅板46間に配置された弾力材32とから構成されている。前記コネクタ44は、各太陽電池パネル42,43の夫々のパネル本体21の側部に対して取り外し自在である。
【0021】
実施例3によれば、パネル42,43間の接続を図6に示すようにパネルの側部でできるので、従来と比べパネルの接続を容易にできる。
【0022】
(実施例4)
図7を参照する。図7において、付番51a,51b,51c…は、夫々格子状に配置された太陽電池パネルを示す。こうした多数の太陽電池パネルから太陽電池パネルユニット52が構成されている。図7では、例えばユニット52の対向する端部に位置する太陽電池パネル51a〜51e,51f〜51jには、前記リード線水平方向取出し用のコネクタ29が取り付けられている。また、ユニット52の隣り合う例えば太陽電池パネル51a,51k同士には、前記パネル間接続コネクタ44が取付けられている。更に、ユニット52の中央部に位置する例えば太陽電池パネル51mには、リード線下方向取出し用のコネクタ41が設けられている。
【0023】
実施例4によれば、太陽電池パネル間の隙間を極力少なくして屋根等に多数の太陽電池パネルを配置できるとともに、接続ケーブルの取出しを整然とできるためパネルの取付け作業性を向上できる。従って、低コスト及び低工数を実現できる。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、透明性を有するパネル本体と、このパネル本体に複数個平面的に見て四角形状に接着により配置された太陽電池モジュールとを有する太陽電池パネルの端部に、リード線水平方向取出し用のコネクタ又はリード線下方向取出し用のコネクタを設けた構成とすることにより、従来のように端子台を必要とすることがなく、パネル内部の電極接続の簡便化及びパネル間の接続の容易化を図り、もって低コスト、低工数の太陽電池パネル構造体を提供できる。
【0025】
また、本発明によれば、隣り合う太陽電池パネル同士を接続するパネル間接続用コネクタと、端部に位置する太陽電池パネルに取り付けられたリード線水平方向取出し用のコネクタと、中央部に位置する太陽電池パネルに取り付けられたリード線下方向取出し用のコネクタとを具備した構成とすることにより、従来のように端子台を必要とすることなく、パネル同士の接続がワンッチでなしえ、低コスト、低工数の太陽電池パネルユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の太陽電池パネル構造体の説明図。
【図2】図1の太陽電池パネル構造体同士の接続状況を示す説明図。
【図3】本発明の実施例1に係る太陽電池パネル構造体の説明図。
【図4】本発明の実施例2に係る太陽電池パネル構造体の説明図。
【図5】本発明の実施例3に係る太陽電池パネル構造体の説明図。
【図6】図5の太陽電池パネル構造体同士の接続状況を示す説明図。
【図7】本発明の実施例3に係る太陽電池パネルユニットの説明図。
【符号の説明】
21…パネル本体、
22…基板、
23…リード銅板、
42、43、51a〜51j、51m…太陽電池パネル、
29、41、44…コネクタ、
30、45…カバー、
31、31’…銅板、
33…ケーブル、
52…太陽電池パネルユニット。
Claims (4)
- 透明部材上に、透明電極、発電膜、及び裏面電極が順次積層して構成された太陽電池と、前記太陽電池の裏面電極側に設けられ、前記太陽電池の裏面電極側に設けられた接着剤層と、前記接着剤層の上に設けられたカバーシート層と、前記接着剤層と前記裏面電極との間に設けられ、前記裏面電極に電気的に接続されたリード銅板と、を備える太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルの前記端部に着脱自在に装着され、断面がコの字を含む形のカバーと前記カバーに保持され且つ前記カバーの前記コの字の内側に突出して前記リード銅板と接続する銅板とを備えるコネクタと、
を具備し、
前記リード銅板は、前記太陽電池パネルの端部まで延出し、
前記リード銅板は、前記端部にて、前記カバーシート層及び前記接着剤層の端部を挟むように折り曲げられ、
前記コネクタが前記太陽電池パネルの端部に装着された時に、前記銅板において前記カバーの内側に突出した部分が、前記リード銅板において折り曲げられた部分の上に押しつけられて電気的に接続され、
前記コネクタには、前記カバーと前記銅板との間に弾力材が配置されている
太陽電池パネル構造体。 - 請求項1に記載された太陽電池パネル構造体であって、
更に、
前記太陽電池パネルの前記端部の側部には、保護部材が介在するように配置されている
太陽電池パネル構造体。 - 請求項1又は2に記載された太陽電池パネル構造体であって、
前記コネクタは、前記太陽電池パネルの端部の上側と下側に夫々設けられた非粘着性の自己融着テープを介して前記太陽電池パネルの端部に弾性的に固定されている
太陽電池パネル構造体。 - 複数の太陽電池パネルが格子状に配置された太陽電池パネルユニットであって、
透明部材上に、透明電極、発電膜、及び裏面電極が順次積層して構成された太陽電池と、前記太陽電池の裏面電極側に設けられ、前記太陽電池の裏面電極側に設けられた接着剤層と、前記接着剤層の上に設けられたカバーシート層と、前記接着剤層と前記裏面電極との間に設けられ、前記裏面電極に電気的に接続されたリード銅板と、を備える複数の太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルユニットの端に位置する前記太陽電池パネルに装着され、水平方向へ延びる銅板により、装着された前記太陽電池パネルの前記リード板に接続する第1コネクタと、
隣り合う前記太陽電池パネルの夫々の前記リード銅板に接続し、断面が「H」を横にした形状である第2コネクタと、
前記太陽電池パネルユニットの中央に位置する前記太陽電池パネルに装着され、前記リード銅板と接続する銅板が前記リード銅板と接続する反対側にて下方向へ延びる第3コネクタと、
を具備し、
前記リード銅板は、前記太陽電池パネルの端部まで延出し、
前記リード銅板は、前記太陽電池パネルの端部において、前記カバーシート層及び前記接着剤層の端部を挟むように折り曲げられ、
前記第1コネクタ、前記第2コネクタ、及び前記第3コネクタは、前記太陽電池パネルの前記端部に着脱自在に装着され、
前記第1コネクタ、前記第2コネクタ、及び前記第3コネクタは、断面がコの字を含む形のカバーと、前記カバーに保持され且つ前記カバーの前記コの字の内側に突出して前記リード銅板と接続する銅板と、を備え、
前記第1コネクタ、前記第2コネクタ、及び前記第3コネクタが前記太陽電池パネルの端部に装着されたときに、前記銅板で前記カバーの内側に突出した部分が、前記リード銅板において折り曲げられた部分の上に押しつけられて電気的に接続される
太陽電池パネルユニット。
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