JP3794273B2 - 投射型カラー表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各色光を色光毎に電気光学パネルで光変調した後、合成して投射する投射型カラー表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルなどといった電気光学パネルをライトバルブとして用いた投射型カラー表示装置では、赤色光、緑色光、青色光などといった色光を色光毎に液晶パネル(ライトバルブ)で光変調した後、色合成光学系によって合成し、この合成した光を投射光学系によってスクリーンなどに拡大投射する。従って、投射型カラー表示装置では、各色光に対応する3枚の液晶パネルが用いられるが、これらいずれの液晶パネルも基本的には、図2に示すように、第1の透明基板80と第2の透明基板10との間に液晶層50などの電気光学物質の層が保持されている。ここで、第1の透明基板80としては、例えば、50℃における熱膨張係数が約−6×10-7/℃の高耐熱ガラスが使用され、第2の透明基板10としては、例えば、熱膨張係数が約5.8×10-7/℃石英基板が使用されている。
【0003】
ここで、投射型カラー表示装置では、光源からの光を液晶パネル100の液晶層50に焦点がおかれるように集光させている。このため、焦点位置である液晶層50から、例えば、基板厚み分に相当する約1mm以下しか離れていない、第1の透明基板80の外側表面、あるいは第2の透明基板10の外側表面に付いた傷や塵は焦点距離範囲内に位置することになって、フォーカス状態となる。その結果、10μm〜20μm程度の小さな傷や塵も投射画像に映し出され、表示品位が低下してしまう。
【0004】
このような問題を回避することを目的に、液晶パネル100には、光が入射する方の第1の透明基板80の外側表面に、50℃における熱膨張係数が約37×10-7/℃の無アルカリガラスなどからなる透明な第1の保護基板101が貼り付け、光が出射する方の第2の透明基板10の外側表面にも、無アルカリガラスなどからなる透明な第2の保護基板102が貼り付けた構成が案出されている。このような構成によれば、第1の透明基板80の外側表面、および第2の透明基板10の外側表面に傷や塵が付くのを防止することができる。また、第1の保護基板101および第2の保護基板102として厚さが約1mm以上のものを用いれば、第1の保護基板101の外側表面、および第2の保護基板102の外側表面に傷や塵がついても、これらは確実に焦点距離範囲外に位置することになってデフォーカス状態となるので、表示の品位が低下することはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱膨張係数の大きな無アルカリガラスからなる第1の保護基板101および第2の保護基板102を、熱膨張係数の小さな高耐熱ガラスからなる第1の透明基板80、および熱膨張係数の小さな石英基板からなる第2の透明基板10に貼り付けた構成では、投射型カラー表示装置において色むらが発生する。色むらとは、投射型カラー表示装置においてラスター画面をスクリーン1200上に投射表示したときのスクリーン1200上の色差のことである。
【0006】
このような色むらが発生する理由は、以下のとおりである。投射型カラー表示装置では光源からの強い光が液晶パネル100に照射されるため、液晶パネル100はかなり温度上昇するが、このような温度上昇が起こったとき、無アルカリガラスからかる第1の保護基板101と高耐熱ガラスからなる第1の透明基板80との間、および無アルカリガラスからかる第2の保護基板102と石英基板からなる第2の透明基板10との間で熱膨張の度合いに差があり、液晶パネル100に歪みが発生する。その結果、液晶パネル100を通る光において位相差が生じる結果、色むらが発生するのである。
【0007】
また、図7(A)に、投射画像の中央の輝度を「0」とし、その他の領域の輝度が中央に対して80%〜90%の場合に「−1」、70%〜80%の場合に「−2」、70%〜80%の場合に「−3」とする一方、輝度が中央に対して110%〜120%の場合に「+1」、120%〜130%の場合に「+2」、130%〜140%の場合に「+3」とランク付けしたとき、従来の投射型カラー表示装置では、輝度が−3〜+3のランクにまでばらつく。
【0008】
そこで、第1の保護基板101として、第1の透明基板80と同様、高耐熱ガラスを用い、第2の保護基板80として、第2の透明基板10と同様、石英基板を用いる構成が考えられる。このような構成によれば、液晶パネル100が温度上昇しても、第1の保護基板101と第1の透明基板80との間、および第2の保護基板102と第2の透明基板10との間で熱膨張の度合いが等しいため、電気光学パネルに歪みが発生しないので、色むらの発生を防止することができる。また、図7(B)に示すように、輝度のばらつきも−3〜+2に抑えることができる。
【0009】
しかしながら、第1の保護基板101および第2の保護基板102として、高耐熱ガラスや石英基板を用いた場合には、これらの基板が高価であり、かつ、投射型カラー表示装置では、各色に対応する複数枚の電気光学パネルが使用されているので、投射型カラー表示装置のコストが大幅に上昇してしまうという問題点がある。
【0010】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生を防止することのできる投射型カラー表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る投射型カラー表示装置では、複数の色光のそれぞれを光変調して出射する複数枚の電気光学パネルと、該複数枚の電気光学パネルから出射された各変調光を合成して出射する色合成光学系と、該色合成光学系から出射された合成光を投射する投射光学系とを有し、前記複数枚の電気光学パネルのいずれにおいても、第1の透明基板と第2の透明基板との間に電気光学物質が保持されているとともに、光が入射する方の前記第1の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板が貼り付けられ、光が出射する方の第2の透明基板の外側表面には透明な第2の保護基板が貼り付けられた投射型カラー表示装置において、前記複数枚の電気光学パネルの少なくとも1枚は、光入射側に前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に異なる材質の基板を用いた第1のパネル構造を備え、前記複数枚の電気光学パネルの少なくとも1枚は、光出射側に前記第2の透明基板と前記第2の保護基板に同一材質の基板を用いた第2のパネル構造を備えていることを特徴とする。
【0012】
本発明では、投射型カラー表示装置で発生する色むらについて更なる検討を行い、この検討により得られた知見に基づき、各電気光学パネルにおける光入射側での前記第1の透明基板と前記第1の保護基板との材質的な組合わせ、光出射側での前記第2の透明基板と前記第2の保護基板との材質的な組合わせ、および電気光学パネルで変調を行う色光の種類など、色むらの原因となりやすい要素部分では、コストが高くても色むら対策を優先して保護基板として透明基板と同一材質の基板を用い、色むらの原因となりにくい部分では、コストを重視して保護基板として透明基板と異なる材質の基板を用いる。このため、保護基板として透明基板と同一材質の基板を用いることに起因するコストアップを最小限に止めながら、色むらの発生を効果的に防止することができる。
【0013】
本発明において、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板とについては同一材質のものを用いてもよいが、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板についても材質面からコストを抑えるという観点から、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板について異なる材質の基板を用いてもよい。これらいずれの場合でも、透明基板と異なる材質の基板を、前記第1のパネル構造に用いられた前記保護基板として用いることが好ましい。
【0014】
例えば、前記第1の透明基板としては、0℃〜70℃の温度範囲内における熱膨張係数が−10×10-7〜10×10-7/℃の高耐熱ガラスを用い、前記第2の透明基板としては石英基板を用い、前記第1のパネル構造に用いられる前記保護基板としては、安価であるが熱膨張係数の大きい無アルカリガラスを用いてもよい。このような基板の中では、石英基板が最も高価で、次が高耐熱ガラスであり、無アルカリガラスが最も安価である。従って、光入射側において前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に異なる材質の基板を用いた第1のパネル構造とは、前記第1の透明基板に高耐熱ガラスを用い、前記第1の保護基板に無アルカリガラスを用いた低コスト対応の構造といえる。また、光出射側において前記第2の透明基板と前記第2の保護基板に同一材質の基板を用いた第2のパネル構造とは、前記第2の透明基板に石英基板を用い、前記第2の保護基板にも石英基板を用いた色むら対応の構造といえる。
【0015】
本願発明者が行った検討において、まず、各電気光学パネルについて光入射側と光出射側とを比較すると、いずれの電気光学パネルにおいても、光入射側より光出射側での温度上昇が大きく、それによって発生した歪みが色むらを発生させるという知見を得た。このような知見に基づいて、本発明では、前記複数枚の電気光学パネルはいずれも、光出射側に前記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側に前記第1のパネル構造を備えていることが好ましい。
【0016】
本発明において、前記複数の電気光学パネルは、例えば、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルとからなり、これらいずれの電気光学パネルでも、光出射側には、色むら対策を重視した前記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側には、コストを重視した前記第1のパネル構造を備えていることが好ましい。
【0017】
また、本願発明者が行った実験によれば、前記複数の電気光学パネルとして、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルとを用いた場合、これらの電気光学パネルのうち、色差の面では、緑色光用電気光学パネルで大きなずれが発生するという知見を得た。また、人の視覚によれば、赤色光、緑色光、青色光のうち、青色光が最も色むらとして感じやすいという知見を得た。
【0018】
従って、本発明において、前記複数の電気光学パネルとして、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルとを用いた場合には、前記緑色光用電気光学パネルには、光出射側に前記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側でも前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に同一材質の基板が用いられた電気光学パネルを用い、前記赤色光用電気光学パネルおよび前記青色光用電気光学パネルには、光入射側に前記第1のパネル構造を備え、かつ、光出射側でも、前記第2の保護基板として、当該電気光学パネルに用いた前記第1の保護基板と同一材質の基板が用いた電気光学パネルを用いることが好ましい。
【0019】
また、人の視覚による色むらを感じにくくする手段としては、前記青色光用電気光学パネルには光出射側に前記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側でも前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に同一材質の基板が用いられた電気光学パネルを用い、前記赤色光用電気光学パネルおよび前記緑色光用電気光学パネルには、光入射側に前記第1のパネル構造を備え、かつ、光出射側でも、前記第2の保護基板として、当該電気光学パネルに用いた前記第1の保護基板と同一材質の基板が用いた電気光学パネルを用いることが好ましい。
【0020】
さらに、前記緑色光用電気光学パネルおよび前記青色光用電気光学パネルには、光出射側に前記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側でも前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に同一材質の基板が用いられた電気光学パネルを用い、前記赤色光用電気光学パネルには、光入射側に前記第1のパネル構造を備え、かつ、光出射側でも、前記第2の保護基板として、当該電気光学パネルに用いた前記第1の保護基板と同一材質の基板が用いた電気光学パネルを用いることがより好ましい。
【0021】
本発明において、前記電気光学パネルは、前記電気光学物質として液晶が用いられた液晶パネルである。
【0022】
本発明に係る構成は、以下のように規定することもできる。すなわち、本発明では、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルと、前記各電気光学パネルから出射された各変調光を合成して出射する色合成光学系と、該色合成光学系から出射された合成光を投射する投射光学系とを有し、前記各電気光学パネルは、入射側の第1の透明基板と出射側の第2の透明基板との間に電気光学物質が保持されているとともに、前記第1の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板が設けられ、前記第2の透明基板の外側表面には透明な第2の保護基板が設けられた投射型カラー表示装置においては、前記第2の保護基板は、前記第1の保護基板と比較して温度に対する歪の耐性が高い基板で構成されていることを特徴とする。このように、温度上昇が大きい光出射側の第2の保護基板については、コストより色むら対策を優先して歪に対する耐性の高い基板を用い、温度上昇が比較的小さい光入射側の第1の保護基板については、コストを重視して歪に対する耐性は比較的低いが安価な基板を使用すれば、コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生を確実に防止することができる。
【0023】
また、本発明では、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルと、前記各電気光学パネルから出射された各変調光を合成して出射する色合成光学系と、該色合成光学系から出射された合成光を投射する投射光学系とを有し、前記各電気光学パネルは、入射側の第1の透明基板と出射側の第2の透明基板との間に電気光学物質が保持されているとともに、前記第1の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板が設けられ、前記第2の透明基板の外側表面には透明な第2の保護基板が設けられた投射型カラー表示装置において、前記緑色光用電気光学パネルに用いられている前記第1の保護基板および前記第2の保護基板は、少なくとも前記赤色光用電気光学パネルに用いられている前記第1の保護基板および前記第2の保護基板と比較して温度に対する歪の耐性が高い基板で構成されていることを特徴とする。このように、色むらの原因となりやすい緑色光用電気光学パネルについては第1の保護基板および第2の保護基板として、コストより色むら対策を優先して歪に対する耐性の高い基板を用い、比較的色むらの原因となりにくい赤色光用電気光学パネルについては第1の保護基板および第2の保護基板として、コストを重視して歪に対する耐性は比較的低いが安価な基板を使用すれば、コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生を確実に防止することができる。
【0024】
本発明では、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルと、前記各電気光学パネルから出射された各変調光を合成して出射する色合成光学系と、該色合成光学系から出射された合成光を投射する投射光学系とを有し、前記各電気光学パネルは、入射側の第1の透明基板と出射側の第2の透明基板との間に電気光学物質が保持されているとともに、前記第1の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板が設けられ、前記第2の透明基板の外側表面には透明な第2の保護基板が設けられた投射型カラー表示装置において、前記青色光用電気光学パネルに用いられている前記第1の保護基板および前記第2の保護基板は、少なくとも前記赤色光用電気光学パネルに用いられている前記第1の保護基板および前記第2の保護基板と比較して温度に対する歪の耐性が高い基板で構成されていることを特徴とする。このように、人が色むらと感じやすい青色光用電気光学パネルについては第1の保護基板および第2の保護基板として、コストより色むら対策を優先して歪に対する耐性の高い基板を用い、比較的人が色むらと感じにくい赤色光用電気光学パネルについては第1の保護基板および第2の保護基板として、コストを重視して歪に対する耐性は比較的低いが安価な基板を使用すれば、コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生を確実に防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、各実施形態を説明するにあたって、各実施形態で共通な構成を説明しておく。
【0026】
[全体構成]
図1は、投射型カラー表示装置の光学系の構成を示す説明図である。
【0027】
図1に示すように、投射型カラー表示装置1100は、まず、光源装置920と、均一照明光学系923と、均一照明光学系923から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青(B)の各色光に色分離する色分離光学系924と、青色光束Bを対応するライトバルブ925Bに導く導光系927とを備えている。さらに、色分離光学系924、および導光系927により色分離された各色光束R、G、Bを変調する変調手段としての3つの液晶装置からなるライトバルブ925R、925G、925Bと、変調された後の色光束を再合成する色合成光学系としての色合成プリズム910と、合成された光束をスクリーン1200に拡大投射する投射光学系としての投射レンズユニット906とを備えている。
【0028】
均一照明光学系923は、2つのレンズ板921、922と反射ミラー931を備えており、反射ミラー931を挟んで2つのレンズ板921、922が直交する状態に配置されている。均一照明光学系923の2つのレンズ板921、922は、それぞれマトリクス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。光源装置920から出射された光束は、第1のレンズ板921の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板922の矩形レンズによって3つのライトバルブ925R、925G、925B付近で重畳される。従って、均一照明光学系923を用いることにより、光源装置920が出射光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合でも、3つのライトバルブ925R、925G、925Bを均一な照明光で照明することが可能となる。
【0029】
各色分離光学系924は、青緑反射ダイクロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー942と、反射ミラー943から構成される。まず、青緑反射ダイクロイックミラー941において、光束Wに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射され、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向かう。赤色光束Rはこのミラー941を通過して、後方の反射ミラー943で直角に反射されて、赤色光束Rの出射部944からプリズムユニット910の側に出射される。
【0030】
次に、緑反射ダイクロイックミラー942において、青緑反射ダイクロイックミラー941において反射された青色、緑色光束B、Gのうち、緑色光束Gのみが直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945から色合成光学系の側に出射される。緑反射ダイクロイックミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束Bの出射部946から導光系927の側に出射される。本例では、均一照明光学素子の光束Wの出射部から、色分離光学系924における各色光束の出射部944、945、946までの距離がほぼ等しくなるように設定されている。
【0031】
色分離光学系924の赤色、緑色光束R、Gの出射部944、945の出射側には、それぞれ集光レンズ951、952が配置されている。したがって、各出射部から出射した赤色、緑色光束R、Gは、これらの集光レンズ951、952に入射して平行化される。
【0032】
このように平行化された赤色、緑色光束R、Gは、ライトバルブ925R、925Gに入射して変調され、各色光に対応した画像情報が付加される。すなわち、これらの液晶装置は、画像情報に応じてスイッチング制御されて、これにより、ここを通過する各色光の変調が行われる。一方、青色光束Bは、導光系927を介して対応するライトバルブ925Bに導かれ、ここにおいて、同様に画像情報に応じて変調が施される。尚、本例のライトバルブ925R、925G、925Bは、それぞれさらに入射側偏光手段960R、960G、960Bと、出射側偏光手段961R、961G、961Bと、これらの間に配置された液晶装置962R、962G、962Bとからなる液晶ライトバルブである。
【0033】
導光系927は、青色光束Bの出射部946の出射側に配置した集光レンズ954と、入射側反射ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの反射ミラーの間に配置した中間レンズ973と、ライトバルブ925Bの手前側に配置した集光レンズ953とから構成されている。集光レンズ946から出射された青色光束Bは、導光系927を介して液晶装置962Bに導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、光束Wの出射部から各液晶装置962R、962G、962Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したがって、青色光束の光量損失が最も多くなる、しかし、導光系927を介在させることにより、光量損失を抑制することができる。
【0034】
各ライトバルブ925R、925G、925Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色合成プリズム910に入射され、ここで合成される。そして、この色合成プリズム910によって合成された光が投射レンズユニット906を介して所定の位置にあるスクリーン1200に拡大投射されるようになっている。
【0035】
(ライトバルブの構成)
図2は、投射型カラー表示装置において、ライトバルブとして使用される液晶パネルの構造を模式的に示す断面図である。
【0036】
投射型カラー表示装置1100において、各ライトバルブ925R、925G、925Bを構成する液晶パネル(電気光学パネル)は、いずれも、図2に示すように、対向基板としての第1の透明基板80と、第1の透明基板80に対向配置されたアクティブマトリクス基板としての第2の透明基板10と、両基板を所定の間隙を介して貼りあわすために基板の周縁部にそって配置されたシール53と、両基板間に挟持された液晶層50(電気光学物質の層)とを備えている。
【0037】
第1の透明基板80は、液晶層50に接する内側表面と、この内側表面とは反対側に位置する外側表面とを有している。第2の透明基板10も、液晶層50に接する内側表面と、この内側表面とは反対側の外側表面とを有する。
【0038】
本形態の液晶パネル100では、第1の透明基板80、および第2の透明基板10のそれぞれ外側表面に対して、透明な第1の保護基板101、および透明な第2の保護基板102が接着などの方法で貼り合わされている。そして、この液晶パネル100は、第1の透明基板80側に光源からの分光が入射されるように、投射型カラー表示装置に配置される。従って、第1の保護基板101および第1の透明基板80が光入射側であり、第2の保護基板102および第2の透明基板10が光出射側である。
【0039】
本形態において、第2の透明基板10は、厚さ1.2mmの石英基板であり、この石英基板の50℃における熱膨張係数は、約5.8×10-7/℃である。この第2の透明基板10の内側表面には、図示を省略するが、互いに交差して配置される複数の走査線、および複数のデータ線と、交差部毎に配置されたスイッチング素子、および画素電極とが形成されている。
【0040】
一方、第1の透明基板80は、厚さ1.1mmのネオセラム(商品名、日本電気硝子製)であり、このネオセラムは、0℃〜380℃における熱膨張係数が約−6.0×10-7/℃の特性を有する高耐熱ガラスである。また、ライトバルブ925R、925G、925Bの動作保証は通常0℃〜75℃であり、この温度範囲内におけるネオセラムの熱膨張係数は、−10×10-7〜10×10-7/℃の範囲内におさまるほど小さい値である。また、ネオセラムは、約400nm以上の波長光に対する光透過率は約90%であり、約400nm付近からそれ以下の波長に対する光透過率は急激に減少し、波長340nmの付近ではほぼ光透過率は0となる特性を有しているので、光源からの紫外線を液晶層50に照射されるのを防止するのに有効である。本実施形態では、第1の透明基板80に遮光層が設けられることにより、光源からの光が直接スイッチング素子に入射されず、スイッチング素子の誤動作を防止できる。更に、透明基板101により、液晶配向膜50を劣化させる紫外線の入射を制御することができる。
【0041】
このように構成した液晶パネル100において、第1の保護基板101および第2の保護基板102の材質については、各実施形態において後述するとおり、ネオセラムなどといった高耐熱ガラス、石英基板、あるいは無アルカリガラスが使用される。ここで、高耐熱ガラスの50℃における熱膨張係数は、約−6×10-7/℃、石英基板の50℃における熱膨張係数は、約5.8×10-7/℃と小さいが、高価である。これに対して、無アルカリガラスは安価であるが、50℃における熱膨張係数は、約37×10-7/℃と大きい。
【0042】
本形態において使用される第1の保護基板101および第2の保護基板102の厚さは、約1.1mmである。従って、第1の保護基板101および第2の保護基板102は、第1の透明基板80の外側表面、および第2の透明基板10の外側表面に傷が塵が付くのを防止するとともに、第1の保護基板101の外側表面、および第2の保護基板102の外側表面に傷や塵がついても、投射型カラー表示装置1100において、これらの傷や塵は、確実に焦点距離範囲外に位置することになってデフォーカス状態となるので、投射型カラー表示装置1100からの投射画像の品位が低下することはない。
【0043】
[実施の形態1]
図3は、本発明の実施の形態1に係る投射型カラー表示装置1100において、ライトバルブ925R、925G、925Bに使用された液晶パネル100の構造を模式的に示す説明図である。
【0044】
投射型カラー表示装置1100では、3枚の液晶パネル100がそれぞれ、各色光束R、G、Bを変調する赤色光用ライトバルブ925R、緑色光用ライトバルブ925G、および青色光用ライトバルブ925Bとして使用される。
【0045】
このようなライトバルブ925R、925G、925Bを構成するにあたって、本形態では、投射型カラー表示装置1100で発生する色むらについて更なる検討を行い、この検討において、各ライトバルブ925R、925G、925Bに用いた液晶パネル100の光入射側と光出射側とを比較すると、いずれの液晶パネル100においても、光入射側より光出射側での温度上昇が大きく、それによって発生した歪みが色むらを発生させるという知見を得た。
【0046】
このような知見に基づいて、本形態では、図3に示すように、ライトバルブ925R、925G、925Bのいずれに用いた液晶パネル100においても、色むらの原因となりにくい光入射側では、コストを重視して第1の保護基板101として第1の透明基板80と異なる材質の無アルカリガラスを用いた第1のパネル構造100Aを採用し、色むらの原因となりやすい光出射側では、コストが高くても色むら対策を優先して第2の保護基板102として第2の透明基板10と同一材質の石英基板を用いた第2のパネル構造100Bを採用する。
【0047】
すなわち、本形態では、ライトバルブ925R、925G、925Bのいずれに用いた液晶パネル100においても、温度上昇が大きい光出射側の第2の保護基板102については、コストより色むら対策を優先して、熱による歪に対する耐性の高い石英基板を用い、温度上昇が比較的小さい光入射側の第1の保護基板101については、コストを重視して、熱による歪に対する耐性は比較的低いが安価な無アルカリガラス基板を使用する。
【0048】
このように、本形態では、コストが高くても色むら対策を優先して第2のパネル構造100Bと、コストを重視した第1のパネル構造100Aとを効果的に配置したので、コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生を確実に防止することができる。
【0049】
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の形態2に係る投射型カラー表示装置1100において、ライトバルブ925R、925G、925Bに使用された液晶パネル100の構造を模式的に示す説明図である。
【0050】
本願発明者が行った実験によれば、赤色光用、緑色光用、青色光のライトバルブ925R、925G、925Bに用いた液晶パネル100において略同一の歪みがあった時、緑色光用のライトバルブ925Gで特に大きな、画面内での輝度差が発生するという知見を得た。
【0051】
すなわち、液晶パネル100において、第1の透明基板80と第2の透明基板10を変化させた場合の色差Δu′v′を計測したところ、表1に示す結果が得られた。ここでいう色差Δu′v′とは、ラスタ画面をスクリーン1200上に投射し、スクリーン1200上の最も色の異なる2点を選び、この2点のCIE1976USC表色系の色座標(u1、v1)、(u2、v2)を求め、色差Δu′v′=((u1−u2)2+(v1−v2)2)1/2を導き出す。従って、色差Δu′v′が大きいほど、色むらの度合いが大きく、色差Δu′v′が小さいほど、色むらの度合いが小さいといえる。
【0052】
【表1】
【0053】
この検討では、表1に示すように、ライトバルブ925R、925G、925Bの液晶パネル100において、第1の透明基板80と第2の透明基板10との間隔をそれぞれ3.08μm、3.04μm、3.10μmを標準状態とし、ライトバルブ925Rの液晶パネル100において、第1の透明基板80と第2の透明基板10との間隔を3.11μm、3.17μm(フラット状態)、2.53μm、2.49μm(中央が薄い状態)、3.29μm、3.22μm(中央が厚い状態)としても、色差Δu′v′は0.003〜0.010である。
【0054】
ライトバルブ925R、925G、925Bの液晶パネル100において、第1の透明基板80と第2の透明基板10との間隔をそれぞれ3.08μm、3.04μm、3.10μmを標準状態とし、ライトバルブ925Gの液晶パネル100において、第1の透明基板80と第2の透明基板10との間隔を3.14μm、3.18μm(フラット状態)、2.47μm、2.55μm(中央が薄い状態)、3.38μm、3.40μm(中央が厚い状態)とした場合には、色差Δu′v′は0.002〜0.043である。
【0055】
ライトバルブ925R、925G、925Bの液晶パネル100において、第1の透明基板80と第2の透明基板10との間隔をそれぞれ3.10μm、3.04μm、3.08μmを標準状態とし、ライトバルブ925Bの液晶パネル100において、第1の透明基板80と第2の透明基板10との間隔を3.11μm、3.17μm(フラット状態)、2.53μm、2.49μm(中央が薄い状態)、3.29μm、3.22μm(中央が厚い状態)とした場合には、色差Δu′v′は0.009〜0.049である。
【0056】
さらに、同様な実験を繰り返した結果、歪みが画面内での輝度差に及ぼす影響は、影響が大きいものから並べると、緑色光用のライトバルブ925G、青色光用のライトバルブ925B、赤色光用のライトバルブ925Rの順であった。
【0057】
そこで、本形態では、図4に示すように、緑色光用のライトバルブ925Gに用いた液晶パネル100では、光出射側に対して、コストが高くても色むら対策を優先して第2の保護基板102として第2の透明基板10と同一材質の石英基板を用いた第2のパネル構造100Bを採用し、かつ、光入射側でも、コストが高くても色むら対策を優先して第1の保護基板101として第1の透明基板80と同一材質の高耐熱ガラスを用いる。
【0058】
これに対して、赤色光用、青色光用のライトバルブ925R、925Bでは、光入射側に対してはコストを重視して第1の保護基板101として第1の透明基板80と異なる無アルカリガラスを用いた第1のパネル構造100Aを採用し、かつ、光出射側でも、コストを重視して第2の保護基板102として第2の透明基板10と異なる材質の無アルカリガラスを用る。
【0059】
すなわち、最も色むらの原因となりやすい緑色光用のライトバルブ925Gについては第1の保護基板101および第2の保護基板102として、コストより色むら対策を優先して、熱による歪に対する耐性の高い高耐熱ガラス基板や石英基板を用い、比較的色むらの原因となりにくい赤色光用、青色光用のライトバルブ925R、925Bについては第1の保護基板101および第2の保護基板102として、コストを重視して、熱による歪に対する耐性は比較的低いが安価な無アルカリガラス基板を使用する。
【0060】
このように、本形態では、特定の色光に対応する液晶パネル100では、色むら対策を優先して行い、他の液晶パネル100ではコスト低減を積極的に図るなど、各種材質の保護基板を効果的に配置したため、コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生を確実に防止することができる。
【0061】
また、本形態によれば、色むらに加えて、輝度のばらつきも抑えることができる。すなわち、投射画像の中央の輝度を「0」とし、その他の領域の輝度が中央に対して80%〜90%の場合に「−1」、70%〜80%の場合に「−2」、70%〜80%の場合に「−3」とする一方、輝度が中央に対して110%〜120%の場合に「+1」、120%〜130%の場合に「+2」、130%〜140%の場合に「+3」とランク付けしたとき、本形態によれば、図7(C)に示すように、輝度のばらつきを−3〜+1に抑えることができる。
【0062】
[実施の形態3]
図5は、本発明の実施の形態3に係る投射型カラー表示装置1100において、ライトバルブ925R、925G、925Bに使用された液晶パネル100の構造を模式的に示す説明図である。
【0063】
本願発明者が行った実験によれば、赤色光用、緑色光用、青色光のうち、青色光が色むらとして視認されやすいという知見から、本形態では、図5に示すように、青色光用のライトバルブ925Bに用いた液晶パネル100では、光出射側に対して、コストが高くても色むら対策を優先して第2の保護基板102として第2の透明基板10と同一材質の石英基板を用いた第2のパネル構造100Bを採用し、かつ、光入射側でも、コストが高くても色むら対策を優先して第1の保護基板101として第1の透明基板80と同一材質の高耐熱ガラスを用いる。
【0064】
これに対して、赤色光用、緑色光用のライトバルブ925R、925Gでは、光入射側に対してはコストを重視して第1の保護基板101として第1の透明基板80と異なる無アルカリガラスを用いた第1のパネル構造100Aを採用し、かつ、光出射側でも、コストを重視して第2の保護基板102として第2の透明基板10と異なる材質の無アルカリガラスを用いる。
【0065】
すなわち、人が色むらといちばん感じやすい青色光用のライトバルブ925Bについては第1の保護基板101および第2の保護基板102として、コストより色むら対策を優先して、熱による歪に対する耐性の高い高耐熱ガラス基板や石英基板を用い、人が色むらと比較的感じにくい赤色光用、緑色光用のライトバルブ925R、925Gについては第1の保護基板101および第2の保護基板102として、コストを重視して、熱による歪に対する耐性は比較的低いが安価な無アルカリガラス基板を使用する。
【0066】
このように、本形態では、特定の色光に対応する液晶パネル100では、色むら対策を優先して行い、他の液晶パネル100ではコスト低減を積極的に図るなど、各種材質の保護基板を効果的に配置したため、コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生を確実に防止することができる。
【0067】
[実施の形態4]
実施の形態2、3に係る構成を組み合わせて、図6に示すように構成してもよい。
【0068】
図6は、本発明の実施の形態4に係る投射型カラー表示装置1100において、ライトバルブ925R、925G、925Bに使用された液晶パネル100の構造を模式的に示す説明図である。
【0069】
本形態では、図6に示すように、緑色光用、青色光用のライトバルブ925G、925Bに用いた液晶パネル100では、光出射側に対して、コストが高くても色むら対策を優先して第2の保護基板102として第2の透明基板10と同一材質の石英基板を用いた第2のパネル構造100Bを採用し、かつ、光入射側でも、コストが高くても色むら対策を優先して第1の保護基板101として第1の透明基板80と同一材質の高耐熱ガラスを用いる。
【0070】
これに対して、赤色光用のライトバルブ925Rでは、光入射側に対してはコストを重視して第1の保護基板101として第1の透明基板80と異なる無アルカリガラスを用いた第1のパネル構造100Aを採用し、かつ、光出射側でも、コストを重視して第2の保護基板102として第2の透明基板10と異なる材質の無アルカリガラスを用いる。
【0071】
すなわち、色むらの原因となりやすい緑色光用、青色光用のライトバルブ925G、925Bについては第1の保護基板101および第2の保護基板102として、コストより色むら対策を優先して、熱による歪に対する耐性の高い高耐熱ガラス基板や石英基板を用い、比較的色むらの原因となりにくい赤色光用のライトバルブ925Rについては第1の保護基板101および第2の保護基板102として、コストを重視して、熱による歪に対する耐性は比較的低いが安価な無アルカリガラス基板を使用する。
【0072】
このように、本形態では、特定の色光に対応する液晶パネル100では、色むら対策を優先して行い、他の液晶パネル100ではコスト低減を積極的に図るなど、各種材質の保護基板を効果的に配置したため、コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生を確実に防止することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る投射型カラー表示装置では、コストが高くても色むら対策を優先した構造と、コストを重視した構造とを効果的に配置したので、コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】投射型カラー表示装置の光学系の構成を示す説明図である。
【図2】投射型カラー表示装置において、ライトバルブとして使用される液晶パネルの構造を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る投射型カラー表示装置において、ライトバルブに使用された液晶パネルの構造を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る投射型カラー表示装置において、ライトバルブに使用された液晶パネルの構造を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る投射型カラー表示装置において、ライトバルブに使用された液晶パネルの構造を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る投射型カラー表示装置において、ライトバルブに使用された液晶パネルの構造を模式的に示す説明図である。
【図7】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、従来の投射型カラー表示装置、別の従来の投射型カラー表示装置、および本発明を適用した投射型カラー表示装置での輝度むらを示す説明図である。
【符号の説明】
10 第2の透明基板
50 液晶層(電気光学物質の層)
80 第1の透明基板
100 液晶パネル(電気光学パネル)
100A 第1のパネル構造
100B 第2のパネル構造
101 第1の保護基板
102 第2の保護基板
925R、925G、925B ライトバルブ
Claims (12)
- 複数の色光のそれぞれを光変調して出射する複数枚の電気光学パネルと、該複数枚の電気光学パネルから出射された各変調光を合成して出射する色合成光学系と、該色合成光学系から出射された合成光を投射する投射光学系とを有し、前記複数枚の電気光学パネルのいずれにおいても、第1の透明基板と第2の透明基板との間に電気光学物質が保持されているとともに、光が入射する方の前記第1の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板が貼り付けられ、光が出射する方の第2の透明基板の外側表面には透明な第2の保護基板が貼り付けられた投射型カラー表示装置において、
前記複数枚の電気光学パネルの少なくとも1枚は、光入射側に前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に異なる材質の基板を用いた第1のパネル構造を備え、
前記複数枚の電気光学パネルの少なくとも1枚は、光出射側に前記第2の透明基板と前記第2の保護基板に同一材質の基板を用いた第2のパネル構造を備えていることを特徴とする投射型カラー表示装置。 - 請求項1において、前記第1の透明基板、前記第2の透明基板、および前記第1のパネル構造に用いられた前記第1の保護基板は、互いに材質が異なることを特徴とする投射型カラー表示装置。
- 請求項2において、前記第1の透明基板は、0℃〜70℃の温度範囲内における熱膨張係数が−10×10-7〜10×10-7/℃の高耐熱ガラスからなり、前記第2の透明基板は石英基板からなり、前記第1のパネル構造に用いられた前記第1の保護基板は無アルカリガラスであることを特徴とする投射型カラー表示装置。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記複数枚の電気光学パネルはいずれも、光出射側に前記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側に前記第1のパネル構造を備えていることを特徴とする投射型カラー表示装置。
- 請求項4において、前記複数の電気光学パネルは、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルとからなることを特徴とする投射型カラー表示装置。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記複数の電気光学パネルは、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルとからなり、
前記緑色光用電気光学パネルは、光出射側に前記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側でも前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に同一材質の基板が用いられ、
前記赤色光用電気光学パネルおよび前記青色光用電気光学パネルは、光入射側に前記第1のパネル構造を備え、かつ、光出射側でも、前記第2の保護基板として、当該電気光学パネルに用いた前記第1の保護基板と同一材質の基板が用いられていることを特徴とする投射型カラー表示装置。 - 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記複数の電気光学パネルは、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルとからなり、
前記青色光用電気光学パネルは、光出射側に前記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側でも前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に同一材質の基板が用いられ、
前記赤色光用電気光学パネルおよび前記緑色光用電気光学パネルは、光入射側に前記第1のパネル構造を備え、かつ、光出射側でも、前記第2の保護基板として、当該電気光学パネルに用いた前記第1の保護基板と同一材質の基板が用いられていることを特徴とする投射型カラー表示装置。 - 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記複数の電気光学パネルは、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルとからなり、
前記緑色光用電気光学パネルおよび前記青色光用光学パネルは、いずれも光出射側に前記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側でも前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に同一材質の基板が用いられ、
前記赤色光用電気光学パネルは、光入射側に前記第1のパネル構造を備え、かつ、光出射側でも、前記第2の保護基板として、当該電気光学パネルに用いた前記第1の保護基板と同一材質の基板が用いられていることを特徴とする投射型カラー表示装置。 - 赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルと、前記各電気光学パネルから出射された各変調光を合成して出射する色合成光学系と、該色合成光学系から出射された合成光を投射する投射光学系とを有し、前記各電気光学パネルは、入射側の第1の透明基板と出射側の第2の透明基板との間に電気光学物質が保持されているとともに、前記第1の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板が設けられ、前記第2の透明基板の外側表面には透明な第2の保護基板が設けられた投射型カラー表示装置において、
前記第2の保護基板は、前記第1の保護基板と比較して温度に対する歪の耐性が高い基板で構成されていることを特徴とする投射型カラー表示装置。 - 赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルと、前記各電気光学パネルから出射された各変調光を合成して出射する色合成光学系と、該色合成光学系から出射された合成光を投射する投射光学系とを有し、前記各電気光学パネルは、入射側の第1の透明基板と出射側の第2の透明基板との間に電気光学物質が保持されているとともに、前記第1の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板が設けられ、前記第2の透明基板の外側表面には透明な第2の保護基板が設けられた投射型カラー表示装置において、
前記緑色光用電気光学パネルに用いられている前記第1の保護基板および前記第2の保護基板は、少なくとも前記赤色光用電気光学パネルに用いられている前記第1の保護基板および前記第2の保護基板と比較して温度に対する歪の耐性が高い基板で構成されていることを特徴とする投射型カラー表示装置。 - 赤色光を変調する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルと、前記各電気光学パネルから出射された各変調光を合成して出射する色合成光学系と、該色合成光学系から出射された合成光を投射する投射光学系とを有し、前記各電気光学パネルは、入射側の第1の透明基板と出射側の第2の透明基板との間に電気光学物質が保持されているとともに、前記第1の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板が設けられ、前記第2の透明基板の外側表面には透明な第2の保護基板が設けられた投射型カラー表示装置において、
前記青色光用電気光学パネルに用いられている前記第1の保護基板および前記第2の保護基板は、少なくとも前記赤色光用電気光学パネルに用いられている前記第1の保護基板および前記第2の保護基板と比較して温度に対する歪の耐性が高い基板で構成されていることを特徴とする投射型カラー表示装置。 - 請求項1ないし11のいずれかにおいて、前記電気光学物質は、液晶であることを特徴とする投射型カラー表示装置。
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