JP3794081B2 - バスライン通信エンコーダの通信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バスライン通信エンコーダの通信方法に関し、特に、内蔵ROMとして書き込み消去型を用いることにより、各エンコーダの識別を行うための識別情報の書き換え又は設定を自在に行うことができるようにするための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種のバスライン通信エンコーダの通信方法としては、一般に図2で示す構成が採用されていた。すなわち、図2において符号1で示されるものは複数のエンコーダ2a〜2nを有するロボット又は工作機等からなる作動体3の制御を行うためのコンピュータ等からなる外部装置であり、この各エンコーダ2a〜2nと外部装置1との間はバスライン4で接続され、このバスライン4を介して外部指令信号4a及びエンコーダ信号4bが相互に伝達されるように構成されている。
前記各エンコーダ2a〜2nは、周知の光学式又は磁気式に構成され、前記バスライン4に接続された通信制御回路5、記憶部制御回路6及び記憶部7とから構成されている。前記記憶部7は、識別情報を予め書き込みした後は読み出し専用の機能で構成されるか、又は、機械的に識別情報を設定できる構成の何れかが用いられていた。従って、各エンコーダ2a〜2nの識別情報を各記憶部7に記憶させ、当該エンコーダ2a〜2nからのエンコーダ信号4bが外部装置1に読み出されて受信され、このエンコーダ信号4bに基づいて作動体3の一部の制御を行うことができ、各エンコーダ2a〜2nに対して前述と同様のバス通信を行うことによって作動体3全体の制御を行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のバスライン通信エンコーダの通信方法は、以上のように構成されていたため次のような課題が存在していた。すなわち、各エンコーダに設けられた識別情報を記憶するための記憶部が、機械的な設定構造か又は電気的に書き込みのみできるROMで構成されていたため、識別情報の自在な設定又は書き換えが容易ではなく、各エンコーダの識別に基づくより高度なバス通信システムとするためのニーズに応えることは不可能であった。従って、機械的な設定の場合は振動等に弱く、電気的に書き込みのみできるROMの場合、消去ができないので、1回しかエンコーダを識別する情報(ENID)の設定ができなかった。
【0004】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、内蔵ROMとして書き込み消去型を用いることにより、各エンコーダの識別を行うための識別情報の書き換え又は設定を自在に行うことができるようにしたバスライン通信エンコーダの通信方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるバスライン通信エンコーダの通信方法は、外部装置と複数のエンコーダとを同一バスラインで接続し、前記各エンコーダを識別する識別情報を前記各エンコーダ内部のメモリに設け、前記識別情報を用いて前記各エンコーダの識別を行うようにしたバスライン通信エンコーダの通信方法において、前記メモリとして電気的に前記識別情報を書き込み及び消去できる書き込み消去型ROMを用い、前記識別情報の読み出しが正常であることを確認した場合のみ、前記エンコーダが前記外部装置にエンコーダ信号を送信する方法であり、また、前記書き込み消去型ROMに対し、外部からの外部指令信号により前記識別情報の書き換え又は設定を行い、前記識別情報の読み出しが正常に行われない場合、前記エンコーダは前記外部指令信号にのみ反応する方法であり、また、前記識別情報の書き換え又は設定の直後に前記識別情報の読み出しを行い、書き込み後の前記識別情報と読み出した後の前記識別情報との整合が取れた場合のみ前記識別情報の書き換え又は設定が正常であるとし、前記整合が取れた正常な場合のみ、前記エンコーダは外部へエンコーダ信号を送信する方法であり、また、前記整合が取れなかった正常でない場合、前記識別情報を書き換える又は設定するための外部指令信号にのみ前記エンコーダが反応する方法であり、また、前記識別情報の書き換え又は設定は、前記外部指令信号を受信した直後に行われる方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明によるバスライン通信エンコーダの通信方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、従来例と同一又は同等部分については同一符号を用いて説明する。
図1において符号1で示されるものは複数のエンコーダ2a〜2nを有するロボット又は工作機等からなる作動体3の制御を行うためのコンピュータ等からなる外部装置であり、この各エンコーダ2a〜2nと外部装置1との間はバスライン4で接続され、このバスライン4を介して外部指令信号4a及びエンコーダ信号4bが相互に伝達されるように構成されている。
前記各エンコーダ2a〜2nは、周知の光学式又は磁気式に構成され、前記バスライン4に接続された通信制御回路5、記憶部制御回路6及び電気的に書き込み及び消去できる周知のEPROMからなる書き込み消去型ROM7とから構成されている。
【0007】
従って、各エンコーダ2a〜2nの識別情報を各書き込み消去型ROM7に記憶させ、当該エンコーダ2a〜2nからのエンコーダ信号4bが外部装置1に読み出されて受信され、このエンコーダ信号4bに基づいて作動体3の一部の制御を行うことができ、各エンコーダ2a〜2nに対して前述と同様のバス通信を行うことによって作動体3全体の制御を行うことができる。
【0008】
なお、前述の各エンコーダ2a〜2nに設けられた識別情報のサーチによるエンコーダ信号4bのバス通信方法は、一例を示したのみであり、前述の方法の他に次のような各種のバス通信方法を得ることができる。
すなわち、前記書き込み消去型ROM内に設けられた周知の複数の番地に前記識別情報を各々保持するか、あるいは、この各番地内のフォーマット中の複数個所に前記識別情報を各々保持することもできる。
また、前記識別情報は、この識別情報及びその論理を反転した反転識別情報とを保持し、これらの各情報を用いて各エンコーダ2a〜2nの識別精度を上げるようにすることができる。
【0009】
また、前記識別情報は、エンコーダ2a〜2nの電源投入時又は電源電圧が低電圧から高電圧へ変化した直後に前記書き込み消去型ROM7から読み出すことにより、エンコーダ2a〜2nの作動時の安定した識別情報を得ることができる。また、前記各識別情報を読み出した場合、予め設定された論理の識別情報と整合が取れた場合のみ、読み出された識別情報が正常であると判断している。また、読み出された各識別情報が正常でない場合は、再度読み出しを行う。
また、前述の識別情報の読み出しにおいては、その読み出し回数に制限を加え、この制限を越えて読み出しても正常な識別情報が得られない場合は読み出しを中止し、エンコーダ2a〜2nの異常点検を行う必要がある。また、前述の読み出しにおいて、読み出しが正常であることを予め設定した識別情報と比較して確認した場合のみ、前記エンコーダ2a〜2nが外部装置1にエンコーダ信号4bを送信することができるように構成されている。
【0010】
また、前記書き込み消去型ROMに対し、外部装置1からの外部指令信号4aにより前記識別情報の書き換え又は設定を自在に行うことができ、この書き換え又は設定は、エンコーダ2a〜2nの状態とは無関係で行うと共に、前記エンコーダ2a〜2nが予め指定した特定の状態(例えばロボット等が休止中、1工程が終了した時、ロボット等が作動中、等)の場合のみ行うことができる。また、この書き換え又は設定は、予め指定した識別情報を有する何れかのエンコーダ2a〜2nのみについて行うこともできる。
【0011】
前記識別情報の読み出しが正常に行われない場合、各エンコーダ2a〜2nは外部指令信号4aのみに反応させ、不適格なエンコーダ信号4bは出力しないように構成されている。また、前記識別情報の書き換え又は設定の直後に前記識別情報の読み出しを行い、書き込み後の前記識別情報と読み出した後の前記識別情報との整合が取れた場合のみ前記識別情報の書き換え又は設定が正常であるとし、この書き込みが正常でない場合、再度前記識別情報の書き込みを行い、この再度の書き込みの場合はその回数に制限を設け、この制限を越えても書き込みが正常に行われない場合は、エンコーダ2a〜2n側の異常として点検を実施する。なお、前記整合が取れた場合のみ、エンコーダ2a〜2nは外部へエンコーダ信号4bを送信することができ、前記整合が取れない正常でない場合には、識別情報を書き換える又は設定するための外部指令信号にのみエンコーダ2a〜2nが反応するだけで、エンコーダ2a〜2n側の点検を行う。
【0012】
また、識別情報の書き換え又は設定は、1回の外部指令信号4aによって開始することもできるが、例えば複数回連続して送信されてきた外部指令信号4aによって行うようにすることにより、送信ミスを除去し、信号の送受信の信頼性を向上させることができる。また、エンコーダ2a〜2nが識別情報の書き換え又は設定を行う場合は、外部指令信号4aを受けた直後に行うことにより、外部からの雑音等による誤動作を防止することができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によるバスライン通信エンコーダの通信方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。すなわち、エンコーダ内に設けた書き込み消去型ROMを用いて、各エンコーダが有する識別情報(ENID)を自在に何回でも書き込み消去又は設定することができ、従来のように装置全体を停止させて組み変える等の必要がなく、各エンコーダに対する自在な識別設定に基づくより高度なバス通信システムの構築を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるバスライン通信エンコーダの通信方法を示す構成図である。
【図2】 従来のバスライン通信エンコーダの通信方法を示す構成図である。
【符号の説明】
1 外部装置
2a〜2n エンコーダ
4 バスライン
4a 外部指令信号
4b エンコーダ信号
7 書き込み消去型ROM
Claims (5)
- 外部装置(1)と複数のエンコーダ(2a〜2n)とを同一バスライン(4)で接続し、前記各エンコーダ(2a〜2n)を識別する識別情報を前記各エンコーダ(2a〜2n)内部のメモリに設け、前記識別情報を用いて前記各エンコーダ(2a〜2n)の識別を行うようにしたバスライン通信エンコーダの通信方法において、前記メモリとして電気的に前記識別情報を書き込み及び消去できる書き込み消去型ROM(7)を用い、前記識別情報の読み出しが正常であることを確認した場合のみ、前記エンコーダ(2a〜2n)が前記外部装置(1)にエンコーダ信号(4b)を送信することを特徴とするバスライン通信エンコーダの通信方法。
- 前記書き込み消去型ROM(7)に対し、外部からの外部指令信号(4a)により前記識別情報の書き換え又は設定を行い、前記識別情報の読み出しが正常に行われない場合、前記エンコーダ(2a〜2n)は前記外部指令信号(4a)にのみ反応することを特徴とする請求項1記載のバスライン通信エンコーダの通信方法。
- 前記識別情報の書き換え又は設定の直後に前記識別情報の読み出しを行い、書き込み後の前記識別情報と読み出した後の前記識別情報との整合が取れた場合のみ前記識別情報の書き換え又は設定が正常であるとし、前記整合が取れた正常な場合のみ、前記エンコーダは外部へエンコーダ信号を送信することを特徴とする請求項1記載のバスライン通信エンコーダの通信方法。
- 前記整合が取れなかった正常でない場合、前記識別情報を書き換える又は設定するための外部指令信号(4a)にのみ前記エンコーダが反応することを特徴とする請求項3記載のバスライン通信エンコーダの通信方法。
- 前記識別情報の書き換え又は設定は、前記外部指令信号(4a)を受信した直後に行われることを特徴とする請求項2記載のバスライン通信エンコーダの通信方法。
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- 1996-12-16 JP JP33606296A patent/JP3794081B2/ja not_active Expired - Fee Related
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