JP3793857B2 - 磁気軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転体が制御型磁気軸受により非接触支持される磁気軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気軸受装置として、回転体を3つの制御軸方向(1つのアキシアル方向および2つのラジアル方向)に非接触支持する複数組の制御型磁気軸受(たとえば1組のアキシアル磁気軸受および2組のラジアル磁気軸受)と、回転体の各制御軸方向の変位を検出するための変位センサと、変位センサの出力に基づいて磁気軸受を制御する磁気軸受制御装置とを備えたものが知られている。
【0003】
上記の磁気軸受装置において、磁気軸受および変位センサは横断面円形状のハウジングに取付けられ、ハウジング内の中心に回転体が支持される。各磁気軸受は回転体を各制御軸方向に両側から吸引して所定位置に非接触支持する電磁石を備えており、これらの電磁石はハウジングの内周に取付けられている。アキシアル方向の変位センサは、回転体の端面とのギャップの大きさを検出するものであり、ハウジングの端部に取付けられている。ラジアル方向の変位センサは、回転体の外周面とのギャップの大きさを検出するものであり、ハウジングの内周に取付けられている。回転体は、ハウジングに取付けられた磁気軸受の電磁石の磁気吸引力により支持されているので、各磁気軸受の位置において各制御軸方向のばねによりハウジングに支持されているのと同じことになる。このため、回転による回転体の振動が、各磁気軸受の位置においてばねを介してハウジングに伝えられることになる。従来は、磁気軸受のばね定数(磁気吸引力)すなわち剛性を比較的低くしているため、ハウジングが回転体の振動の影響を受けることは少なかった。しかし、磁気軸受の剛性を高くしようとすると、ハウジングにも、回転体の振動の影響を受けて、振動およびそれによる曲げ変形が生じる。ハウジングに振動が生じると、ラジアル方向の変位センサのラジアル方向の位置が変動し、ラジアル方向の変位センサの出力は、回転体のラジアル方向の変位によるだけでなく、ハウジングの振動によっても変動する。このため、磁気軸受の制御がハウジングの振動により不安定になるというような問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、磁気軸受の剛性を高くしても、ハウジングの振動の影響を受けにくく、磁気軸受の安定した制御が可能な磁気軸受装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明による磁気軸受装置は、ハウジング内に回転体が配置され、前記回転体のアキシアル方向およびラジアル方向の変位を検出するための変位センサと、前記変位センサの出力に基づいて前記回転体を非接触支持する制御型磁気軸受とが前記ハウジングに取付けられている磁気軸受装置において、前記ラジアル方向の変位センサが、前記ハウジングの1次曲げモードの節の部分に取付けられていることを特徴とするものである。
【0006】
ハウジングの1次曲げモードの節の部分にラジアル方向の変位センサが設けられているので、磁気軸受のばね定数を高くした場合に、ハウジングに振動が生じても、ラジアル方向の変位センサの部分のラジアル方向の位置の変動は小さい。このため、磁気軸受の剛性を高くしても、ハウジングの振動によるラジアル方向の変位センサの出力の変動は小さく、磁気軸受の制御が不安定になることはない。したがって、磁気軸受の剛性を高くして、しかも安定性の良い制御を行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
【0008】
図1は、磁気軸受装置の主要部を概略的に示している。
【0009】
磁気軸受装置は縦型のものであり、鉛直筒状のハウジング(1) 内に鉛直に配置された軸状の回転体(2) を備えている。ハウジング(1) 内には、さらに、回転体(2) を非接触支持する制御型磁気軸受である1組のアキシアル磁気軸受(3) および上下2組のラジアル磁気軸受(4)(5)、回転体(2) のアキシアル方向の変位を検出するための1個のアキシアル変位センサ(6) 、上側のラジアル磁気軸受(4) の近傍における回転体(2) のラジアル方向の変位を検出するための2対のラジアル変位センサ(7) 、下側のラジアル磁気軸受(5) の近傍における回転体(2) のラジアル方向の変位を検出するための2対のラジアル変位センサ(8) 、回転体(2) を高速回転させる回転駆動手段としての高周波電動機(9) 、ならびに回転体(2) のアキシアル方向およびラジアル方向の可動範囲を規制して回転体(2) を磁気軸受(4)(5)で支持していないときにこれを機械的に支持する規制手段としての上下2組のタッチダウン軸受(10)(11)が設けられている。
【0010】
ハウジング(1) は横断面円形の段付円筒状をなし、その中心に回転体(2) が支持されるようになっている。
【0011】
アキシアル磁気軸受(3) はアキシアル方向に対をなす1対の電磁石(3a)から、各ラジアル磁気軸受(4)(5)は互いに直交する2つのラジアル方向に対をなす2対の電磁石(4a)(5a)から構成されており、これらの電磁石(3a)(4a)(5a)はハウジング(1) の内周に取付けられている。各対の電磁石(3a)(4a)(5a)は回転体(2) を各制御軸方向に両側から吸引して所定位置に保持するものであり、回転体は(2) は各磁気軸受(3)(4)(5) の位置において各制御軸方向のばねによりハウジング(1) に支持されているのと同じことになる。図2は、ラジアル磁気軸受(4)(5)による回転体(2) の支持をばね(12)(13)を用いて表わしたものであり、上側のばね(12)が上側のラジアル磁気軸受(4) に、下側のばね(13)が下側のラジアル磁気軸受(5) それぞれ相当している。以下の説明において、互いに直交する2つのラジアル方向の制御軸(水平軸)をX軸およびY軸、これらと直交するアキシアル方向の制御軸(鉛直軸)をZ軸とする。図1には、ラジアル磁気軸受(4)(5)の電磁石(4a)(5a)については、X軸方向のものだけが図示されている。なお、これら磁気軸受(3)(4)(5) の構成については、公知のものであるから、詳細な説明は省略する。
【0012】
アキシアル変位センサ(6) は、回転体(2) の端面とのギャップの大きさを検出するものであり、ハウジング(1) の端部に取付けられている。ラジアル変位センサ(7)(8)は、回転体(2) の外周面とのギャップの大きさを検出するものであり、ハウジング(1) の内周に取付けられている。上下各位置の2対のラジアル変位センサ(7)(8)のうち、1対は回転体(2) をX軸方向に両側から挟むように配置され、他の1対は回転体(2) をY軸方向に両側から挟むように配置されている。図1には、ラジアル変位センサ(7)(8)については、X軸方向のものだけが図示されている。なお、変位センサ(6)(7)(8) の構成についても、公知のものであるから、詳細な説明は省略する。
【0013】
磁気軸受装置には、また、変位センサ(6)(7)(8) の出力に基づいて磁気軸受(3)(4)(5) を制御する制御手段としての磁気軸受制御装置(14)が設けられている。制御装置(14)は、ディジタル信号処理プロセッサ(Digital Signal Processor)を備えている。ディジタル信号処理プロセッサとは、ディジタル信号を入力してディジタル信号を出力し、ソフトウェアプログラムが可能で、高速実時間処理が可能な専用ハードウェアを指す。以下、これを「DSP」と略すことにする。制御装置(14)のDSPに、磁気軸受(3)(4)(5) を制御するためのプログラムなどが格納されている。制御装置(14)は、アキシアル変位センサ(6) の出力から回転体(2) のZ軸方向の変位を、上下各位置のX軸方向の各対のラジアル変位センサ(7)(8)の出力から上下のラジアル磁気軸受(4)(5)の近傍における回転体(2) のX軸方向の変位を、上下各位置のY軸方向の各対のラジアル変位センサ(7)(8)の出力から上下のラジアル磁気軸受(4)(5)の近傍における回転体(2) のY軸軸方向の変位をそれぞれ検出し、それに基づいて、各磁気軸受(3)(4)(5) の電磁石(3a)(4a)(5a)に励磁電流を供給する。その結果、回転体(2) が電磁石(3a)(4a)(5a)により吸引されてアキシアル方向およびラジアル方向の所定位置に非接触支持される。各磁気軸受(3)(4)(5) における各制御軸方向の1対の電磁石(3a)(4a)(5a)に供給される励磁電流は、互いに等しい一定の定常電流に回転体(2) の変位によって制御される制御電流が加わったものである。電磁石(3a)(4a)(5a)に供給する定常電流を大きくすると、電磁石(3a)(4a)(5a)による磁気吸引力が大きくなって、ばね定数が大きくなったのと同じことになり、磁気軸受(3)(4)(5) の剛性が高くなる。なお、磁気軸受制御装置(14)についても、公知のものであるから、詳細な説明は省略する。
【0014】
とくにラジアル磁気軸受(4)(5)の剛性が高い場合、回転により回転体(2) に振動(ふれまわり)が生じると、これがばね(12)(13)と同等の磁気軸受(4)(5)を介してハウジング(1) に伝えられ、ハウジング(1) に振動(ふれまわり)およびそれによる曲げ変形が生じる。図2において、(A) は回転体(2) の軸線、(B) は曲げ変形が生じていないときのハウジング(1) の軸線、(C) は曲げ変形が生じたときのハウジング(1) の軸線を示し、(D)(E)はハウジング(1) の1次曲げモードの節を示している。
【0015】
上記の磁気軸受装置では、上側のラジアル変位センサ(7) がハウジング(1) の上側の節(D) の位置に、下側のラジアル変位センサ(8) がハウジング(1) の下側の節(E) の位置に配置され、上下のラジアル磁気軸受(4)(5)が対応するラジアル変位センサ(7)(8)の近傍に配置されている。ハウジング(1) に上記のような振動および曲げ変形が生じても、ラジアル変位センサ(7)(8)が取付けられたハウジング(1) の節(D)(E)の部分のラジアル方向の位置の変動は小さい。このため、磁気軸受(4)(5)の剛性を高くしても、ハウジング(1) の振動によるラジアル変位センサ(7)(8)の出力の変動が小さく、磁気軸受(4)(5)の制御が不安定になることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の実施形態を示す磁気軸受装置の概略構成図である。
【図2】図2は、ラジアル磁気軸受による回転体の支持およびハウジングに対するラジアル変位センサの取付け位置を示した説明図である。
【符号の説明】
(1) ハウジング
(2) 回転体
(3) アキシアル磁気軸受
(4)(5) ラジアル磁気軸受
(6) アキシアル変位センサ
(7)(8) ラジアル変位センサ
Claims (1)
- ハウジング内に回転体が配置され、前記回転体のアキシアル方向およびラジアル方向の変位を検出するための変位センサと、前記変位センサの出力に基づいて前記回転体を非接触支持する制御型磁気軸受とが前記ハウジングに取付けられている磁気軸受装置において、
前記ラジアル方向の変位センサが、前記ハウジングの1次曲げモードの節の部分に取付けられていることを特徴とする磁気軸受装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP20331496A JP3793857B2 (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 磁気軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20331496A JP3793857B2 (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 磁気軸受装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1047347A JPH1047347A (ja) | 1998-02-17 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20331496A Expired - Fee Related JP3793857B2 (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | 磁気軸受装置 |
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JP (1) | JP3793857B2 (ja) |
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1996
- 1996-08-01 JP JP20331496A patent/JP3793857B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1047347A (ja) | 1998-02-17 |
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