JP3793600B2 - 光学的パターン読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、光学パターン読取装置、特に、光学的記録媒体に記録された光学的パターン、例えば多段バーコード、二次元コード、更には文字、記号等をも、電子走査形のラインイメージセンサを使用して光学的に読取るための、光学的パターン読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光学的パターン読取装置は、光学的記録媒体に記録された光学的パターンを照明手段で照明し、上記光学的パターンからの散乱反射によってなる光像を電子走査形読取センサ上に結像させ、これを電子走査形読取センサの光電変換機能によって時間軸上の電気的アナログ信号に変換し、この信号を電気的に処理して、上記光学的パターンを読取っていた。
そして、光学的パターンとしては、主としてバーコード類が使用されていた。
しかし、物品情報の登録処理や情報管理等を行う分野がFA(FactoryAutomation)、流通、サービス業等々と拡がるにつれて、取り扱う情報の種類が多岐にわたり、又、情報量が益々増大する傾向にある。
情報量の増大に伴って、光学的パターンとしての一段バーコードは情報密度が低いために、それを補うものとして、多段バーコード、二次元コード、或は文字、記号等の使用・導入が検討されている。
【0003】
多段バーコード、二次元コード、或は文字、記号等を読取る装置としては、従来、例えば、図2に示すようなTV(television)カメラ式情報パターン読取スキャナが知られている。
図2のTVカメラ式情報パターン読取スキャナは、TVカメラ21、画像処理装置22及びTVモニタ23等から構成されている。画像処理装置22は、通信回線(RS−232C回線)を介してホストコンピュータに接続されている。
この種のTVカメラ式情報パターン読取スキャナでは、物品に貼付けられたラベル24の情報パターン印刷面に対向させて、TVカメラ21をセットし、通常の室内照明の下で、TVカメラ21によってラベル24上の情報パターンを撮影し、撮影によって得られた画像データを画像処理装置22により処理してパターン情報に変換し、このパターン情報をホストコンピュータに送信する。
一方、撮影によって得られた画像データは、そのまま接続ケーブルを介して、TVモニタ23上に出力表示される。
【0004】
又、文字、記号等を読取る装置の発明として、照射手段、回動ミラー、ミラー駆動手段、結像レンズ、CCDラインセンサ、A/D変換回路からなる光学的情報読取装置の発明が開示されている(特開平7−230523号公報参照)。
この装置のミラー駆動手段は、回動ミラーの水平2等分線に即して配設された回動軸に直結されておって、回動−停止−回動−停止…という間欠動作を繰り返す。そして、CCDラインセンサは、ミラー駆動手段及び回動ミラーの回動時には動作せず、停止時(セット時)にのみ動作するように構成されている。
【0005】
【従来技術の問題点】
第一に、TVカメラ式情報パターン読取スキャナでは、上述したように、TVカメラ21、画像処理装置22、及びTVモニタ23等の、高価な装置が必要であった。
第二に、TVカメラ式情報パターン読取スキャナでは、室内照明の明るさに応じてTVカメラ21の絞りを調整しなければならないから、情報パターン読取前の、段取りに時間が掛かるという問題があった。
第三に、TVカメラ21の画像を光電変換する二次元的エリアセンサは、どうしても水平方向の有効画素数が限定されるため、情報パターン読取装置の解像度(分解能)の向上には限界があった。ここに、解像度(分解能)とは、読取り可能な情報パターンの最小線幅の寸法をいう。
第四に、ミラーの回動−停止−回動−停止…を繰り返す形式の上記光学的情報読取装置は、読取速度が非常に遅く、その向上は本質的に困難である。
【0006】
【発明の目的】
それ故、この出願の発明の第1の目的は、被読取部材上に記録された光学的パターンが二次元的なものであっても、環境光に影響されることなしに、従って又事前の段取りに時間を取られることなしに、当該光学的パターンを正確にかつ高速で読取ることが出来る、光学的パターン読取装置を提供することにある。
この出願の発明の第2の目的は、被読取部材上に記録された光学的パターンが二次元的なものであっても、テレビカメラを使用した従来の読取装置よりも一段と向上した解像度(分解能)を以って、当該光学的パターンを正確に読取ることが出来る、光学的パターン読取装置を提供することにある。
この出願の発明の第3の目的は、照射手段を含む光学系全体の設計が容易な、光学的パターン読取装置を提供することにある。
この出願の発明の第4の目的は、構造が簡単かつ安価で、しかも上記の諸目的を達成することの出来る、光学的パターン読取装置を提供することにある。
【0007】
【目的を達成するための手段】
前記の諸問題を解消し、かつ前記の諸目的を達成するために、この出願の発明による光学的パターン読取装置は、可動光学ユニットを導入する。
この可動光学ユニットは、可動ユニットケース31と、光学ユニット回動軸33と、可動反射ミラー7と、可動集光光学系9と、可動ラインイメージセンサ10とで構成される。
可動ユニットケース31は、前方に開口部を有し、前半部が偏平なラッパ状、後半部が角筒状をなし、中間の湾曲点で下向きに湾曲し、くの字形をなす。
可動反射ミラー7は、可動ユニットケース31の湾曲点近傍に、斜め下向きに配設される。
可動ラインイメージセンサ10は、可動ユニットケース31の奥部に配設される。
可動集光光学系9は、可動反射ミラー7と可動ラインイメージセンサ10との間に配設される。可動反射ミラー7から到来する反射光は、可動ラインイメージセンサ10の線状の受光面上に結像される。
光学ユニット回動軸33は、全体の重心位置に対応する可動ユニットケース31の両側壁部に対してそこから横方向に突出するように固設される。
可動光学ユニットの光学ユニット回動軸33は、ベアリングによって、回動自在に支持される。
光学ユニット駆動手段は、可動光学ユニットに対して、垂直面内における周期的な揺動運動を与えるように、結合される。
【0008】
【発明の作用】
この発明による可動光学ユニットは、垂直面内において、光学ユニット回動軸33を中心として、周期的な揺動運動を行う。それに連れて、可動反射ミラー7は、その位置と角度が周期的に変化する。
そのとき、揺動する可動光学ユニットの互いに区別された回動位置には、被読取部材3上の互いに区別された線状エリアが対応する。一つの線状エリアから発した反射光が可動ラインイメージセンサ10に到達した時は、他の線状エリアから同時に発した反射光は可動ラインイメージセンサ10には到達しない。
一方、可動ラインイメージセンサ10においては、上記の揺動運動と同時併行的に、横方向の電子的走査が、周期的ないし間欠的に行われる。
そのとき、可動ラインイメージセンサ10においては、線状の受光面への光入力(光学的パターン4上の線状エリアの結像)が、線状に配列された画素(ピクセル)の列によって空間的にサンプリングされ、サンプル値毎に光電変換−電荷蓄積がなされ、横方向のサンプル値(電荷)の列が得られる。横方向のサンプル値(電荷)の列は、横方向の電子的走査によって、時間軸上のサンプル値(電圧値若しくは電流値)の列、即ち時間軸上の電気的アナログ信号に変換される。
叙上の如き、可動光学ユニットの揺動運動と、可動ラインイメージセンサ10における電子的走査の協働の結果、被読取部材3上には、等価的に平行線群形の走査パターンが生成される。
従って、この出願の発明の光学的パターン読取装置によれば、普通のバーコードは勿論のこと、多段バーコードや、二次元コード、更には文字、記号等の光学的パターンをも、正しくかつ高速で読取ることが出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、以下の形態で実施される。
第1の実施の形態は、
筐体1と、可動光学ユニットUと、信号処理部と、メモリ部及びデコード部と、光学ユニット駆動手段とを含有し、
上記筐体1は、前方に光出入口を有し、前半部が偏平なラッパ状、後半部が角筒状をなすと共に、中間の湾曲点で下向きに湾曲して、くの字形をなし、
上記可動光学ユニットUは、可動ユニットケース31と、光学ユニット回動軸33と、可動照射手段2と、可動反射ミラー7と、可動集光光学系9と、可動ラインイメージセンサ10とを含有し、
上記可動ユニットケース31は、前方に開口部を有し、前半部が偏平なラッパ状、後半部が角筒状をなすと共に、中間の湾曲点で下向きに湾曲して、くの字形をなし、
上記可動照射手段2は、上記可動ユニットケース31の開口部近傍の底壁内面に、横一の字状に配列された複数個の光源からなり、
上記可動反射ミラー7は、上記可動ユニットケース31の内部であって、かつその湾曲点近傍に、斜め下向きに配設され、
上記可動集光光学系9は、上記可動ユニットケース31の内部かつ上記可動反射ミラー7の反射方向に配設されておって、上記可動反射ミラー7から到来する反射光を、上記可動ユニットケース31内の所定の位置即ち奥部において結像させ、
上記可動ラインイメージセンサ10は、上記可動ユニットケース31内の所定の位置即ち奥部に配設されておって、結像された反射光の横方向の強弱分布を時間軸上の電気的強弱信号に瞬時的に光電変換し、
上記光学ユニット回動軸33は、上記可動光学ユニットUの重心位置又はその近傍において、横方向に固設され、
上記光学ユニット駆動手段は、上記可動光学ユニットUに対して、垂直面内における周期的な揺動運動を与えるように、結合され、
上記信号処理部は、上記可動ラインイメージセンサ10の出力端子に電気的に接続され、
これによって、上記可動光学ユニットUには上記垂直面内において上記光学ユニット回動軸33を中心とする周期的な揺動運動が与えられると共に、上記可動ラインイメージセンサ10においては横方向の周期的ないし間欠的な電子的走査が行われることによって、上記被読取部材3上に、等価的に平行線群形の走査パターンが生成される、
光学的パターン読取装置である。
【0010】
第2の実施の形態は、
第1の実施の形態を成す上記光学的パターン読取装置において、
上記可動光学ユニットU中の上記可動照射手段2を取り外し、
代りに、線状又はループ状に配列した複数個の光源からなる固定照射手段を、上記筐体1の光出入口と上記可動ユニットケース31の開口部との間の適宜の箇所に、配設して成る、
光学的パターン読取装置である。
【0011】
【実施例】
この出願の発明による光学的パターン読取装置の第1の実施例について詳細に説明する。
図1は、この出願の発明による光学的パターン読取装置の第1の実施例の全体構成図であって、同図(a)は、上部を削除して示す平面図、同図(b)は垂直断面図である。
図1において、1は筐体、31は可動ユニットケース、33は光学ユニット回動軸、32は光学ユニット駆動手段、2は可動照射手段、7は可動反射ミラー、9は可動集光光学系、10は電子走査形の可動ラインイメージセンサ(一次元イメージセンサ)、PCBはプリント回路基板、11は位置決め用ガイドである。第1の実施例は、以上の諸要素の外に、信号処理部やメモリ部、そしてデコード部を構成するマイクロコンピュータ(いずれも図示しない)を包含する。
そして、3は被読取部材、4は光学的パターン、12は照射光、13は反射光、14は再反射光である。
【0012】
筐体1は、図1(a)の如く、前半部が扁平なラッパ状、後半部が角筒状をなし、その内部は空洞である。そして、垂直面内において、図1(b)の如く、中間の湾曲点で下向きに湾曲し、略くの字形をなしている。筐体1の先端部には、照射光及び反射光の出入を可能にするため、光出入口が形成される。光出入口には、例えば透光板体が配設される。
可動ユニットケース31は、同じく図1(a)の如く、前半部が扁平なラッパ状、後半部が角筒状をなし、その内部は空洞である。垂直面内においては、図1(b)の如く、中間の湾曲点で下向きに湾曲し、略くの字形をなしている。
可動ユニットケース31の先端部には、反射光の進入を可能にするための、開口部が形成される。
【0013】
照射手段2は、図1(a)の如く、略線状に配列された複数個の光源(例えばLED)から成る。それらの配設位置は、所望の反射光の通路を避けて、例えば可動ユニットケース31の開口部近傍の底壁内面が選択される。
可動反射ミラー7は、可動ユニットケース31の内部であって、かつその湾曲点近傍に斜め下向きに配設される。
可動集光光学系9は、可動ユニットケース31の内部であって、かつ可動反射ミラー7の反射方向に配設される。そして、可動反射ミラー7から到来する再反射光を、可動ユニットケース31内の所定の位置即ち奥部において、結像することが出来るようにする。
【0014】
上記の可動集光光学系9は、例えば、1個の絞りと1個のレンズとから成る。或は、2個のレンズと、それらの中間に配設された1個の絞りとから成る。
可動ラインイメージセンサ10は、可動ユニットケース31内の所定の位置即ち奥部に配設される。
かくして、可動反射ミラー7と、可動集光光学系9と、可動ラインイメージセンサ10とは、図示の如く、一直線上に配置されることとなる。
可動ラインイメージセンサ10は、線状の受光面上に結像した光像の横方向の線上の強弱分布を、時間軸上の電気的強弱信号に、瞬時的に光電変換することが出来る。
【0015】
ラインイメージセンサは、例えば当業者に周知の一次元CCD(ChargeCoupled Device)であって、多数のピクセル(画素)から構成されている。この種のラインイメージセンサのピクセル(画素)数は、典型的には2048個であるが、5000個のものも作られている。これらのピクセルは、横一列に配列されている。(ちなみに、ラインイメージセンサに対して、低雑音化の目的で、フロント増幅回路を付加し、両者を一体化させたものもある。)一次元CCDは、光電変換−蓄積−走査(読出し)の機能を有する。一次元CCDの線状の受光面に到来した光像(光入力信号)は、一次元的に配列(線状に配列)されたピクセル群によって、いわば空間的にサンプリングされることとなる。各ピクセル上の各サンプル値は、信号電荷に変換され、かつ適宜の容量に蓄積され、一定積分時間(電荷蓄積時間)の後、ホトゲートを介してCCDレジスタに、各ピクセル同時に転送される。CCDレジスタ上の信号電荷の列は、電子的に走査され読出されることによって、時間軸上のサンプル値(電圧もしくは電流値)の列、即ち電気的アナログ信号に変換される。
【0016】
一次元CCDを構成する単位ピクセルの横幅としては、現時点では、7μm又は14μmのものが入手可能である。ピクセルの横幅を14μmとすると、ラインイメージセンサ本体の長さは、例えば、14μm×2048(個)≒28mmの程度となる(外形の全長は40mm程度となる)。
これによって得られる解像度は、テレビカメラのエリアセンサによって得られる解像度に比べて、約4倍となる。
この時のピクセルの縦幅(高さ)は、一般向けのものでは、200μm程度である。しかし、二次元コードや、文字、記号等を読取る場合は、縦方向の解像度を上げるために、これよりも小さくしなければならない。この実施例では、ピクセルの高さが14μmの程度のものを使用する。
この場合、可動集光光学系9としては、再反射光14が幅28mm程度の領域に、結像するように設計される。
ラインイメージセンサの1回の走査時間については、現在、例えば100μs(マイクロ秒)程度のものが入手可能であるが、将来的には、50μs程度のものも入手可能になるものと期待される。
なお、ラインイメージセンサとしては、CCDの他に、MOS形のものも当然使用可能である。
【0017】
以上要するに、前方に光出入口、内部に空洞を有し、前半部が扁平ラッパ状、後半部が角筒状をなすと共に、中間の湾曲点で下向きに湾曲してくの字形をなす可動ユニットケース31の内部に、可動照射手段2、可動反射ミラー7、可動集光光学系9、可動ラインイメージセンサ10からなる光学系全体を収納固設し、かつそれら全体の重心位置(又はその近傍)に対応する可動ユニットケース31の両側壁部に対してそこから横方向に突出する光学ユニット回動軸33を固設することによって、可動光学ユニットUが構成されるのである。
そして、可動光学ユニットUの光学ユニット回動軸33は、ベアリング(図示しない)によって、揺動自在に支持される。
光学ユニット駆動手段32は、駆動軸(図示しない)が揺動運動を行う電気・機械変換系(例えばガルバニックモータ)から成り、負荷に対して揺動運動を与えることが出来る。その駆動軸は、光学ユニット回動軸33に結合される。
又、可動ユニットケース31と筐体1の底壁との間及び/又は可動ユニットケース31と筐体1の頂壁との間には、可動光学ユニットUの揺動運動を容易にするために、弾性的に圧縮・伸長可能な弾性部材(例えば圧縮・引張コイルばね)が設けられる。その際、可動ユニットケース31上の被取付部位は、光学ユニット回動軸33から前方又は後方へ適宜離隔していなければならない。
これによって、可動光学ユニットUは、光学ユニット回動軸33と直交する垂直面内において、周期的な揺動運動を容易に行うことが出来るのである。
【0018】
プリント回路基板PCBは、例えば、図示の如く、筐体1の底壁内面に配設される。
信号処理部(図示しない)は、対数増幅回路や、リニア増幅回路や、スライス回路その他を含有する。
信号処理部の全部又は一部は、プリント回路基板PCB上に配設される。その入力端子は、可動ラインイメージセンサ10の出力端子と電気的に結合される。そのときの電気的結合方法としては、例えば、可撓性の導線による結合、又は磁気的結合、若しくは静電結合等が使用される。
信号処理部の出力は、メモリ部(図示しない)に引き渡される。メモリ部は、好ましくは、m行×n行のフレームメモリ領域を包含する。ここに、mは走査線数によって規定され、例えば50であり、nはピクセル数によって規定され、例えば2048である。
デコード部(図示しない)は、例えば、一段バーコード、多段バーコード、二次元コード、文字又は記号等の公知の認識アルゴリズム、文字又は記号等の公知の抽出アルゴリズム等を内蔵するマイクロコンピュータを含有し、プリント回路基板PCB上に配設される。(但し、その全部若しくは一部を筐体1の外部に移設することを妨げない。)
位置決め用ガイド11は、板状体ないし叉状体からなる。そして、筐体1の最先端部に設けられ、そこから図示の如く斜め下方に突出する。位置決め用ガイド11の先端部を、図示の如く、被読取部材3上の所望の位置に当接し、かつ保持することによって、筐体1を、所望の位置に所望の姿勢で、正確かつ安定的に保持することが出来る。
【0019】
第1の実施例の操作方法と動作内容について説明する。
初めに、電源スイッチ(図示しない)を投入する。光学ユニット駆動手段32及び可動光学ユニットUが、正方向から逆方向へそして逆方向から正方向へと、反復的に揺動する。
同時に、可動照射手段2が動作を開始し、照射光12を発する。照射光12の光軸は、可動光学ユニットUの揺動につれて、上下に揺動することとなる。
次に、筐体1の後部(即ち把持部)を把持して、位置決めガイド11の先端部を、これから読取ろうとする光学的パターン4の下端近傍に、図示の如く当接する。当接状態を保持しつつ、筐体1の後部(把持部)を上下させることによって、光学的パターン4の全体が照明されるように、又、照度分布が一様化されるように、その姿勢を調節する。調節が終了した時は、筐体1の姿勢をそのまま保持し続けると共に、読取指令を与える。
【0020】
図1(b)においては、可動光学ユニットUの前端が下側に最も大きく回動した時の回動位置は、実線で示され、上側に最も大きく回動した時の回動位置は、点線で示されている。
今、可動光学ユニットUが、実線で示された位置(以下「最下限の回動位置」という。)にあるものとする。
この時、可動照射手段2は、光学的パターン4の最下端を横切る線状エリア(この線状エリアは図1(b)では光学的パターン4の下方に実線を以って表示してある。)を、中心光によって照射する。この時の中心光は、照射光12として表示してある。(同時に、外乱光(環境光)もこれを照射する。)
上記の照射光12は、光学的パターン4における上記線状エリア(実線参照)において反射散乱される。反射光の一部は、筐体1の光出入口を通過してから、筐体1の内部及び可動ユニットケース31の内部を進行して、可動反射ミラー7の所定領域に到達する。この時の反射光は、図1(b)では、反射光13として表示してある。
反射光13は、可動反射ミラー7の所定領域において反射偏向されて、再反射光14となる。再反射光14は、可動集光光学系9を経て、可動ラインイメージセンサ10の線状の受光面上に結像する。
この時、上記の線状エリア(実線参照)以外のエリアからの反射光は、可動反射ミラー7に到達することはあっても、可動ラインイメージセンサ10の線状の受光面に到達することはない。
【0021】
光学的パターン4の最下端を横切る線状エリア(実線参照)は、ありのままで観測出来る訳ではない。しかしながら、可動ラインイメージセンサ10の受光面上に複数個の微小光源を置くならば、それらの発する光の要部は、可動集光光学系9と可動反射ミラー7を逆向きに経由して、上記の線状エリア(実線参照)に到達して光の点列を生じる。これによって、最下端の線状エリアを認識することが出来る。上記複数個の微小光源からの光は、可動集光光学系9中に絞りがあるため、最下端の線状エリア以外のエリアには到達しない。
これによれば、可動光学ユニットUの最下限の回動位置には光学的パターン4の最下端の線状エリア(実線参照)のみが対応していることを、可視化し得るのである。
【0022】
可動ラインイメージセンサ10の線状の受光面上に結像した光像は、光電変換されて、電気的アナログ信号となる。
上記の電気的アナログ信号は、例えば、対数増幅回路に与えられる。対数増幅回路は、与えられた電気的アナログ信号が小振幅の時は、対数特性に従ってその振幅を伸長し、そうでない時はその振幅を圧縮する。
スライス回路は、与えられた電気的アナログ信号をスライスして、これを2値信号に変換する。即ち、黒色パターン信号に由来するアナログ信号の振幅は、例えば “論理1”レベルに変換し、白色パターン信号に由来するアナログ信号の振幅は、例えば“論理0”レベルに変換するのである。
【0023】
次に、可動光学ユニットUが点線で示された位置(以下「最上限の回動位置」又は「第1の回動位置」という。)にあるものとする。
この時、可動照射手段2は、光学的パターン4の最上端を横切る線状エリア(この線状エリアは図1(b)では光学的パターン4の上方に点線を以って表示してある。以下、これを「最上端の線状エリア」又は「第1の線状エリア」という。)を、中心光によって照射する。(同時に、外乱光(環境光)もこれを照射する。)
上記の中心光(照射光)は、光学的パターン4における上記最上端の線状エリア(点線参照)において反射散乱される。反射光の一部は、筐体1の光出入口を通過してから、筐体1の内部及び可動ユニットケース31の内部を進行して、可動反射ミラー7の別の所定領域に到達する。(この時の反射光は、図面の錯雑化を回避するため、図示しない。)
【0024】
上記の反射光は、可動反射ミラー7の別の所定領域において反射偏向されて、再反射光となる。この再反射光は、図1(b)に示した再反射光14と同一の光路を経由して、可動ラインイメージセンサ10の線状の受光面上に結像する。
この時、上記最上端の線状エリア(点線参照)以外のエリアからの反射光は、可動反射ミラー7に到達することはあっても、可動ラインイメージセンサ10の線状の受光面に到達することはない。従って、可動光学ユニットUの最上限の回動位置には、光学的パターン4の最上端の線状エリアが対応することとなる。
可動光学ユニットUが図1(b)の点線位置にある時の可動ラインイメージセンサ10以下の動作は、可動光学ユニットUが実線位置にある時のそれらの動作と同様である。
【0025】
進んで、可動光学ユニットUの回動位置が、図1(b)の点線位置(即ち第1の回動位置)の直近下位の位置(図示しない。以下これを「第2の回動位置」という。)にあるものとする。
この時、可動照射手段2は、光学的パターン4の最上端の線状エリア(即ち第1の線状エリア)(点線参照)の直近下位を横切る別の線状エリア(図示しない)(以下「第2の線状エリア」という。)を、中心光によって照射することとなる。(同時に、外乱光(環境光)もこれを照射する。)
上記の中心光(照射光)は、光学的パターン4における上記第2の線状エリアにおいて反射散乱され、反射光の一部は、筐体1の光出入口を通過してから、筐体1の内部及び可動ユニットケース31の内部を進行して、可動反射ミラー7の別の所定領域に到達し、そこで反射偏向されて、再反射光となる。
この時の再反射光は、図1(b)に示した再反射光14と同一の光路を経由して、可動ラインイメージセンサ10の線状の受光面上に結像する。
この時、上記第2の線状エリア以外のエリアからの反射光は、可動反射ミラー7に到達することはあっても、可動ラインイメージセンサ10の線状の受光面に到達することはない。従って、可動光学ユニットUの上記第2の回動位置には、上記第2の線状エリアが対応することとなる。
可動光学ユニットUが上記第2の回動位置にある時の可動ラインイメージセンサ10以下の動作は、可動光学ユニットUが最下限の回動位置にある時のそれらの動作と同様である。
【0026】
ここで、以上のことを概括しておく。
可動光学ユニットUの回動位置を順序数「第i」(i=1,2,…)で表す。可動光学ユニットUの第iの回動位置には、光学的パターン4上の第iの線状エリアが、1対1で、対応することとなる。
即ち、可動光学ユニットUの互いに異なる回動位置にはそれぞれ、互いに異なる線状エリアが対応することとなる。約めて言えば、可動光学ユニットUの各回動位置と、光学的パターン4上の各線状エリアとは、常に1対1対応の関係にあるのである。
【0027】
可動光学ユニットUは、前述の如く、揺動を続けている。
可動ラインイメージセンサ10は、前述の如く、横方向の電子的走査を周期的ないし間欠的に行っている。
その結果、平行線群形の走査パターンが、光学的パターン4上に、等価的に生成される。その理由は、凡そ以下の通りである。
可動光学ユニットUの回動位置が最上限位置にある時、即ち第1の回動位置にある時は、光学的パターン4の最上端の線状エリア(点線参照)即ち第1の線状エリアからの反射光のみが、可動反射ミラー7を経て、可動ラインイメージセンサ10の線状の受光面に到達する。この時、可動ラインイメージセンサ10における変換−蓄積−走査(読み出し)のサイクルをスタートさせれば、到達した反射光の横方向の強弱分布は、時間軸上の電気的強弱信号に変換される。故に、上記第1の線状エリアを、等価的に第1の走査線と解することが出来る。
【0028】
可動光学ユニットUの回動位置が最上限位置の直近下位にある時、即ち第2の回動位置にある時は、光学的パターン4の最上端の線状エリア(点線参照)の直近下位にある線状エリア(図示しない)即ち第2の線状エリアからの反射光のみが、可動反射ミラー7を経て、可動ラインイメージセンサ10に到達する。この時、可動ラインイメージセンサ10における変換−蓄積−走査(読み出し)のサイクルをスタートさせれば、到達した反射光の横方向の強弱分布は、時間軸上の電気的強弱信号に変換される。故に、上記第2の線状エリアを、等価的に第2の走査線と解することが出来る。
【0029】
以下同様にして、互いに平行な第3の走査線、第4の走査線、…、最下端の走査線が、等価的に生成される。このようにして、例えば50本、或は200本の走査線が等価的に生成される。
そして、可動ラインイメージセンサ10の走査速度を更に高めるならば、可動光学ユニットUの揺動速度を落すことなしにも、各走査線間の間隔を更に小さくして、縦方向の解像度を高くすることが出来る。
又、ラインイメージセンサの画素数を更に増大させるならば、横方向の解像度を更に高めることが出来るし、画素の縦幅(高さ)を更に小さくするならば、縦方向の解像度を更に高めることが出来る。
この出願の発明によれば、最上端の走査線と最下端の走査線との間隔は、十分に大きく取る事が出来る。
それ故、この出願の発明による光学的パターン読取装置は、一段バーコードについては勿論のこと、多段バーコード、二次元コード、或は文字、記号等の二次元情報パターンについても容易に読取ることが出来る。
【0030】
信号処理部からの出力信号は、前述の如く、2値信号(2元信号)である。この2値信号は、一旦後続のフレームメモリに蓄積される。その際、第iの線状エリアを電子的に走査して得られたn個(例えば2048個)の2値信号の列は、フレームメモリ領域の第i行の領域に蓄積するのが望ましい。
走査は任意の線状エリアから、始めることが出来るが、どの線状エリアから始めたかを明確にしておく必要がある。
デコード部では、所定の認識アルゴリズムや、抽出アルゴリズム等を内蔵するマイクロコンピュータによって、1段バーコード、多段バーコード、二次元コード、或は文字又は記号等が解読され、認識される。
万一、初回の読取動作による読取に成功しなかったときは、成功するまで読取動作を繰り返す。
1回の読取動作の所要時間は、第1の実施例では、200ms程度であるが、将来的には、ラインイメージセンサ(CCD)や、マイクロコンピュータの性能向上に伴って、例えば40ms程度になし得るものと期待出来る。
【0031】
この出願の発明による光学的パターン読取装置の第2の実施例について説明する。
前記第1の実施例では、光学ユニット駆動手段として、回転形電気・機械変換系を使用したが、第2の実施例では、直線型(リニア形)電気・機械変換系を使用する。
直線型(リニア形)電気・機械変換系としては、可動鉄心と固定線輪からなる可動鉄心形電気・機械変換器や、固定鉄心と可動線輪からなる可動線輪形電気・機械変換器等が知られている。
第2の実施例では、直線型(リニア形)電気・機械変換系は、可動ユニットケース31上の適宜の部位と、筐体1の底壁若しくは頂壁の適宜の部位との間に設けられる。但し、それらの部位は、光学ユニット回動軸33から前方若しくは後方に適宜離隔していなければならない。
又、可動ユニットケース31と筐体1の底壁との間及び/又は可動ユニットケース31と筐体1の頂壁との間には、可動光学ユニットUの揺動運動を容易にするために、弾性的に圧縮・伸長可能な弾性部材(例えば圧縮・引張コイルばね)が設けられる。但し、可動ユニットケース31上の被取付部位は、光学ユニット回動軸33から前方又は後方に適宜離隔していなければならない。
第2の実施例では、光学ユニット駆動手段が簡単化される。
第2の実施例のその余の事項は、第1の実施例と同様である。
【0032】
この出願の発明による光学的パターン読取装置の第3、第4の実施例について説明する。
この出願の発明による光学的パターン読取装置の第3、第4の実施例は、同第1、第2の実施例における、可動光学ユニットU中の可動照射手段2を取り外し、代りに、複数個の光源からなる固定照射手段を筐体1の光出入口と可動ユニットケース31の開口部との間の適宜の箇所に配設して成る、光学的パターン読取装置である。
従って、第3、第4の実施例における可動光学ユニットは、可動ユニットケース31と、可動反射ミラー7と、可動集光光学系9と、可動ラインイメージセンサ10とからなり、可動照射手段2を具備しない。
そのため、第3、第4の実施例における瞬時の照明エリアは、単位の読取エリアを含む広いエリアをカバーする必要があるから、第1、第2の実施例におけるが如き顕著なる照明効率の改善効果は得られない。
第3、第4の実施例のその余の事項は、第1、第2の実施例と同様である。
【0033】
【発明の効果】
この出願の発明は、
可動ユニットケース31の内部に可動反射ミラー7と可動集光光学系9と可動ラインイメージセンサ10とをこの順で収納固設し、かつそれら全体の重心位置に対応する可動ユニットケース31の両側壁部に対してそこから横方向に突出する光学ユニット回動軸33,33を固設して成る可動光学ユニットUを導入し、
これを光学ユニット回動軸33の回りに周期的に揺動させると共に、
上記可動ラインイメージセンサ10において周期的ないし間欠的な横方向の電子走査を行うようにしたから、
下記の通り、顕著な効果を奏することが出来る。
(1)ラインイメージセンサを含む可動光学ユニットを周期的に揺動させることによって、光学的パターンを、二次元的にしかも高速で読取ることが出来る。
(2)普通のバーコードは勿論のこと、多段バーコード、二次元コード、更に文字、記号等をも、極々短時間で正確に読取ることが出来る。
(3)これから読み取ろうとする光学的パターン4に対して、読取装置の位置と姿勢を、簡単かつ正確に設定し、又保持することが出来る。
(4)画素数の大きなラインイメージセンサの使用を可能にしたので、テレビカメラを使用した従来の光学的パターン読取方式を以ってしては到底望むことの出来なかった、高解像度(高分解能)の光学的パターン読取が可能となる。
【0034】
(5)光学系が一体として駆動されるため、その部品精度が易しくなり、かつ組立が容易になる。
(6)可動光学ユニットの回動軸をその重心位置に設けることが出来るようにしたから、その対振性、対衝撃性が向上する。
(7)可動光学ユニットの回動軸をその重心位置に設けることが出来るようにしたから、光学ユニット駆動手段が簡単化される。
(8)瞬時の照明エリアは、略線状とすることが出来るようになり、従って単位の読取エリアを含む広い面をカバーする必要がなくなる。そのため、照明効率が改善される。
(9)可動反射ミラー7を含む可動光学ユニットは、単位の読取動作中、停止することなく連続的に回動するようにしたから、ミラーの回動−停止を繰り返す前記従来の光学的情報読取装置に比べて、読取時間を、大幅に短縮することが出来る。
(10)同様の理由で、ミラーの回動−停止を繰り返す前記従来の光学的情報読取装置に比べて、光学ユニット駆動手段を簡単化し、又、省力化することが出来る。
(11)光学的パターン読取装置を、小型軽量且つ安価に構成出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の光学的パターン読取装置の第1の実施例の説明図である。
【図2】従来の二次元コードスキャナの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 可動照射手段
3 被読取部材
4 光学的パターン
7 可動反射ミラー
9 可動集光光学系
10 可動ラインイメージセンサ
11 位置決め用ガイド
12 照射光
13 反射光
14 再反射光
21 TVカメラ
22 画像処理装置
23 TVモニタ
24 ラベル
31 可動ユニットケース
32 光学ユニット駆動手段
33 光学ユニット回動軸
PCB プリント回路基板
U 可動光学ユニット

Claims (7)

  1. 筐体(1)と、可動光学ユニット(U)と、信号処理部と、フレームメモリ部及びデコード部と、光学ユニット駆動手段とを含有し、
    上記筐体(1)は、前方に光出入口を有し、前半部が偏平なラッパ状、後半部が角筒状をなすと共に、中間の湾曲点で下向きに湾曲して、くの字形をなし、
    上記可動光学ユニット(U)は、可動ユニットケース(31)と、光学ユニット回動軸(33)と、可動照射手段(2)と、可動反射ミラー(7)と、可動集光光学系(9)と、可動ラインイメージセンサ(10)とを含有し、
    上記可動ユニットケース(31)は、前方に開口部を有し、前半部が偏平なラッパ状、後半部が角筒状をなすと共に、中間の湾曲点で下向きに湾曲して、くの字形をなし、
    上記可動照射手段(2)は、上記可動ユニットケース(31)の開口部近傍の底壁内面に、横一の字状に配列された複数個の光源からなり、
    上記可動反射ミラー(7)は、上記可動ユニットケース(31)の内部であって、かつその湾曲点近傍に、斜め下向きに配設され、
    上記可動集光光学系(9)は、上記可動ユニットケース(31)の内部かつ上記可動反射ミラー(7)の反射方向に配設されておって、上記可動反射ミラー(7)から到来する反射光を、上記可動ユニットケース(31)内の所定の位置即ち奥部において結像させ、
    上記可動ラインイメージセンサ(10)は、上記可動ユニットケース(31)内の所定の位置即ち奥部に配設されておって、結像された反射光の横方向の強弱分布を電気的強弱信号に光電変換してライン信号を生成し
    上記光学ユニット回動軸(33)は、上記可動光学ユニット(U)の重心位置又はその近傍において、横方向に固設され、
    上記光学ユニット駆動手段は、上記可動光学ユニット(U)に揺動運動を与えるように、結合され、
    上記信号処理部は、上記可動ラインイメージセンサ(10)の出力端子に電気的に接続され、
    これによって、上記可動光学ユニット(U)に上記光学ユニット回動軸(33)を中心とする揺動運動与えると共に、上記可動ラインイメージセンサ(10)により電子的走査い、上記電子的走査により得られたライン信号を上記可動光学ユニット(U)の回動
    位置に対応したフレームメモリの行に順次記憶することにより、被読取部材(3)上の光学的パターン(4)に対応した二次元パターンをフレームメモリに記憶することを特徴とする、
    光学的パターン読取装置。
  2. 筐体(1)と、固定照射手段と、可動光学ユニットと、信号処理部と、フレームメモリ部及びデコード部と、光学ユニット駆動手段とを含有し、
    上記筐体(1)は、前方に光出入口を有し、前半部が偏平なラッパ状、後半部が角筒状をなすと共に、中間の湾曲点で下向きに湾曲して、くの字形をなし、
    上記可動光学ユニットは、可動ユニットケース(31)と、光学ユニット回動軸(33)と、可動反射ミラー(7)と、可動集光光学系(9)と、可動ラインイメージセンサ(10)とを含有し、
    上記可動ユニットケース(31)は、前方に開口部を有し、前半部が偏平なラッパ状、後半部が角筒状をなすと共に、中間の湾曲点で下向きに湾曲して、くの字形をなし、
    上記固定照射手段は、上記筐体(1)の光出入口と上記可動ユニットケース(31)の開口部との間に配列された複数個の光源からなり、
    上記可動反射ミラー(7)は、上記可動ユニットケース(31)の内部であって、かつその湾曲点近傍に、斜め下向きに配設され、
    上記可動集光光学系(9)は、上記可動ユニットケース(31)の内部かつ上記可動反射ミラー(7)の反射方向に配設されておって、上記可動反射ミラー(7)から到来する反射光を、上記可動ユニットケース(31)内の所定の位置即ち奥部において結像させ、
    上記可動ラインイメージセンサ(10)は、上記可動ユニットケース(31)内の所定の位置即ち奥部に配設されておって、結像された反射光の横方向の強弱分布を電気的強弱信号に光電変換してライン信号を生成し
    上記光学ユニット回動軸(33)は、上記可動光学ユニットの重心位置又はその近傍において、横方向に固設され、
    上記光学ユニット駆動手段は、上記可動光学ユニットに揺動運動を与えるように、結合され、
    上記信号処理部は、上記可動ラインイメージセンサ(10)の出力端子に電気的に接続され、
    これによって、上記可動光学ユニット(U)に上記光学ユニット回動軸(33)を中心とする揺動運動与えると共に、上記可動ラインイメージセンサ(10)により電子的走査を行ない、上記電子的走査により得られたライン信号を上記可動光学ユニット(U)の回動位置に対応したフレームメモリの行に順次記憶することにより、被読取部材(3)上の光学的パターン(4)に対応した二次元パターンをフレームメモリに記憶することを特徴とする、光学的パターン読取装置。
  3. 請求項1又は2に記載の光学的パターン読取装置において、筐体(1)の後部が把持部をなしている、光学的パターン読取装置。
  4. 請求項1又は2に記載の光学的パターン読取装置において、筐体(1)の最先端部に、読み取ろうとする光学的パターン(4)の全部又は一部に対して照射光を正確かつ安定的に照射することが出来るようにするための、かつ、上記被読取部材(3)上に等価的に生成される平行線群形の走査パターンを安定化することが出来るようにするための、位置決め用ガイド(11)が配設されている、
    光学的パターン読取装置。
  5. 請求項2記載の光学的パターン読取装置において、
    上記複数個の光源は、上記可動ラインイメージセンサ(10)のライン状の受光面に到達する反射光の通路を避けてその回りに略ループ状に配列されている、光学的パターン読取装置。
  6. 請求項1又は2に記載の光学的パターン読取装置において、
    上記光学ユニット駆動手段は、駆動軸が揺動運動を行う回転形電気・機械変換系からなり、その駆動軸は上記光学ユニット回動軸(33)に結合されている、光学的パターン読取装置。
  7. 請求項1又は2に記載の光学的パターン読取装置において、
    上記光学ユニット駆動手段は、駆動部が直線運動を行う直線形電気・機械変換系からなり、その駆動部は上記ユニットケース(31)上の光学ユニット回動軸(33)から離隔した部位に結合されている、光学的パターン読取装置。
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