JP3793463B2 - Ofdm用サンプリング誤差検出装置、検出方法、および、ofdm用受信装置 - Google Patents
Ofdm用サンプリング誤差検出装置、検出方法、および、ofdm用受信装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、OFDM地上波デジタルテレビ放送受信機用LSI開発における、日本規格に適したA/D誤差検出アルゴリズムに関する。
【0002】
【発明の背景】
<1.OFDM伝送の概略>
地上波デジタル放送の送信方式として、或る帯域内に、互いに直交する数百〜数千の多数の搬送波(サブキャリア)を多重伝送するOFDM方式が日本や欧州などで採用されている。「サブキャリアが互いに直交する」とは、任意のサブキャリアのスペクトラムのピーク点が常に他のサブキャリアのスペクトラムのゼロ点と一致している状態を意味する。このようなOFDM方式は、周波数利用効率が非常に高く、移動受信時に生じるフェージング妨害に強いという利点をもつ。また、OFDM方式は、電波が高層ビルや山などの障害物で反射し、複数経路から遅延して受信機に到達するというマルチパス現象の影響を受けにくいという利点をもつ。
【0003】
このようなOFDM方式は、地上波デジタル放送のみならず、電話線や電力線を利用した有線通信、無線LAN(Local Area Network)などの無線通信などで採用されつつある。例えば、xDSL(x Digital Subscriber Line)モデムではDMT(Discrete Multi-Tone)と称するOFDM方式が採用されており、無線LANではIEEE802.11a規格にOFDM方式が定められている。
【0004】
図6に示すように、OFDM方式で変調されたシンボル信号は、データや制御信号などを含む有効シンボルと、マルチパスの影響を低減させる目的のガードインターバルとから構成されている。ガードインターバルは各シンボル信号の先頭部分に設定されており、有効シンボルの末尾部分のコピーである。マルチパスによる反射波の遅延時間がガードインターバル期間Tg以内であれば、シンボル間干渉(ISI)の影響の無い完全な1シンボル分のデータを取り出すことができる。尚、通常、ガードインターバル期間Tgは、有効シンボル期間Tuの1/4,1/8,1/16,1/32の何れかに設定される。
【0005】
また、図7に示すように、日本の規格では、6MHz〜8MHzの帯域幅をもつシンボル信号のスペクトラムを複数の階層L1,L2,L3に分割して伝送するという、所謂「階層伝送」が可能である。各階層は、更に、同期変調用もしくは差動変調用の単数または複数のセグメントS1,S2,…,S13から構成されている。また、階層単位またはセグメント単位で、QPSKやDQPSK、多値QAMなどの変調方式、もしくは誤り訂正符号化の符号化率を個別に指定できる。
【0006】
<2.A/D誤差>
このような特徴をもつOFDM伝送において、OFDM伝送の送信データは、送信装置側でIDFT(逆フーリエ変換)されることによりOFDMシンボルとなる。そして、このOFDMシンボルをD/A変換することによりアナログのOFDMシンボルが受信装置側に伝送されるのである。そして、このD/A変換の際のサンプリング周波数(このサンプリング周波数は前述したIDFTのサンプリング速度に等しい)と受信側のA/D変換の際のサンプリング周波数が一致しない(以下、このような不一致をサンプリング誤差もしくはA/D誤差と呼ぶ)と受信障害が発生することとなる。A/D誤差は10-4のオーダーだが、シンボル方向とキャリア方向とともに累積するので、信号に与える影響が大きく、次のような障害が生じることとなる。
【0007】
<3.ICI(Inter-Channel Interference)の発生>
送信データXk(k=0,1,・・・N−1)がIDFT(逆フーリエ変換)により変調されるとOFDMシンボルになる。このOFDMシンボルを数1式に示す。
【0008】
【数1】
【0009】
ここで、x(n)のサンプリング時間間隔(DFTサンプル速度)をTとすると、数2式のように定義できる。
【0010】
【数2】
【0011】
したがって、数1式で示されるOFDMシンボルはD/A変換により、数3式に示すようなアナログのOFDM信号となる。数3式中のfkはサブキャリア周波数を意味する。
【0012】
【数3】
【0013】
一方、受信側でT+ΔT(ΔTはサンプリング誤差)でサンプリングし、DFTで信号を復元しようとすると、復元された受信信号は数4式で示される。
【0014】
【数4】
【0015】
ただし、式中のδは数5式で表される。
【0016】
【数5】
【0017】
δ=0の時には、直交性により、数6式が成立する。つまり送信信号を完全復元することができる。
【0018】
【数6】
【0019】
δ≠0の時には、直交性が崩れるため、ICIが生じ、送信信号を完全復元することができない、つまり、数7式のような関係となる。ここで、ICIは、直交性が崩れることによって発生するキャリア間の干渉である。
【0020】
【数7】
【0021】
この場合、数4式を展開すると数8式のようになる。
【0022】
【数8】
【0023】
式中右辺、第1項目は希望信号、第2項目はICIである。ここで、ΔT<10-6の場合ではICIの影響が無視できるが、サンプリング誤差がそれより大きい場合には、ICIの影響を無視することができない。これらの点については文献”OFDM for Wireless Multimedia Communications”(R.V.Nee & R.Prasad/Artech House Publishers, January2000)に記載されている。
【0024】
<4.FFT窓ずれの発生>
受信したアナログOFDM信号x(t)に対しT+ΔTでサンプリングすると、OFDM信号は数9式で表される。
【0025】
【数9】
【0026】
nの増加(時間が経つ)につれて、オフセットΔTnがどんどん大きくなっていく。結局FFTの窓位置にずれが発生する。つまり、図8に示すように、T’=T+ΔTでサンプリングを行うと、FFT窓位置が累積的にずれていくことになる。
【0027】
例えばΔT=10-4、FFT長N=2048(モード1)の場合では、5シンボルごとに1ポイントのずれが出る。500シンボル(175msec)が経ったら100ポイントのずれが出て、ガードインターバル(1/16)を越えることとなる。
【0028】
このようにA/D誤差が発生している場合には、その累積によりFFT窓位置ずれはΔTがどんなに小さい場合であっても発生するので、常にA/D誤差を検出し、同期させる必要がある。
【0029】
【従来の技術】
OFDM地上波デジタルテレビ放送受信機用LSIにおいて、従来から行われているA/D誤差検出方法には、ガードインターバルを利用した検出方法とパイロットデータを利用した検出方法とがある。
【0030】
<1.ガードインターバルを利用したA/D誤差検出方法>
前節で述べたようにA/D誤差がFFT窓位置にずれを発生させる。したがって、窓位置のずれを検出することにより、A/D誤差検出は可能と考えられる。
【0031】
ガードインターバルは最初にシンボル同期用に使用される。シンボル同期とは信号をキャッチした時点から最初に出現するシンボルの先頭までのポイント数を検出することである。前述の如くガードインターバルはシンボル後部の一部信号と同じ信号であるから、その相関性を利用し、有効シンボルの始点を探し出すことができる。
【0032】
キャッチした信号(A/D変換される前の信号)を数10式に示す。
【0033】
【数10】
【0034】
ここで、θは信号をキャッチした時点から最初に出現するシンボルの頭までの遅延時間である。この信号に対して間隔T+Δ(Tは前述した送信側のFFTサンプリング速度であり、ΔはA/D誤差である。)でサンプリングすると、数11式で表される信号となる。
【0035】
【数11】
【0036】
数11式中、θnは検出遅延(仮の遅延ポイント数)である。そして、相関法によりθnを検出する。ここでは、2シンボル長のデータを1ブロックとして利用しθnを検出する。つまり、キャッチポイントから2シンボル長のデータを取り出せば、その中には、必ず1個の完全なシンボルが含まれている。そして、ガードインターバルを利用した相関をとることにより、遅延θnを出力するのである。ここで、Δ=0の場合、数11式は、数12式のように表される。
【0037】
【数12】
【0038】
つまり、検出遅延θnは時間インデックスnに依存せず、どのブロックで検出した場合も検出遅延θnが同一である。しかし、Δ≠0の場合では、遅延は−Δn+θnとなり、時間インデックスnの関数である。相関器から出力される検出遅延θnは相関器に入力したデータブロックによって異なることとなる。
【0039】
そして、Δ>0なら、相関器の出力が時間の減少関数であり、順次出力される検出遅延θnの差分は“−”出力となる。逆に、Δ<0の場合では、差分は“+”出力となる。従って、相関器の出力状態を常に監視し、相関器の出力が“+”か“−”かによって、A/D変換器のサンプリング周波数をループ制御することが可能である。
【0040】
<2.パイロットCPからの検出方法>
この方法は地上波デジタルテレビ放送のヨーロッパ規格に適用されている。ヨーロッパ規格ではパイロットデータの配置(サブキャリア位置)は固定であり、任意のシンボルにおいても、必ず決まっているサブキャリアからCP(continuous pilot)データを抽出することができる。
【0041】
A/D誤差はパイロットデータの位相に含まれるため、パイロットデータの位相を検出することで、A/D誤差を検出することが可能であると考えられる。ヨーロッパ規格のA/D誤差検出は下記の数13式により行われている。なお、この技術に関しては、文献”Optimum Receiver Design for OFDM-Based Broadband Transmission?Part II:A Case Study”(M.Speth, S.Fethtel, G.Fock & H.Meyer/IEEE transaction on communication vol.49, No.4, April 2001)に記載されている。
【0042】
【数13】
【0043】
ここで、数13式中、「pu,k」は受信したCPパイロットの信号値、「u」はシンボル番号、「k」はキャリア番号、「Δf」は周波数誤差、「δ」はA/D誤差、「GI」はガードインターバル長、「N」は有効シンボル長、「Pk」は振幅である。
【0044】
数13式は、u番目およびu−1番目のシンボルのそれぞれk番目のキャリアに挿入されたパイロットデータを乗算(一方は複素共役)したものである。数式で示すようにこの乗算結果の位相には周波数誤差Δfも含まれている。
【0045】
A/D誤差と周波数誤差を分離して、ともに検出できるようにするのは、ヨーロッパ規格のCP配置の対称性を利用する。ヨーロッパ規格のキャリア番号kは−(N−1)/2,…,(N−1)/2となっている。またk∈[−(N−1)/2,0)とk∈(0,(N−1)/2]のそれぞれの区間に挿入されるパイロットの数は同数である。
【0046】
従って、数13式の位相部分に対するk個の和をとると、A/D誤差の部分が消え、周波数誤差が得る。逆に、数13式の位相に対し、k∈[−(N−1)/2,0)部分の和とk∈(0,(N−1)/2]部分の和の差をとると、周波数誤差が消え、A/D誤差が得られる。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した第1の方法−ガードインターバルを利用したA/D誤差検出方法には、いくつかの欠点がある。その1、検出時間が長い。A/D誤差が小さいので、相関器はポイント単位で出力する必要があり、1ポイントの差が出るまでは数十シンボルに対する処理が必要となり、収束時間が長い。
【0048】
その2、検出精度が悪い。ノイズやマルチパスなどの影響で、遅延θnが正しく検出できない場合がある。例えば、相関器の検出精度が±1ポイントとすると、1ポイントの誤差は数十シンボルのA/D誤差の累積結果であり、極微小なA/D誤差は直ちに検出できない。つまり、ガードインターバルによるA/D誤差検出法は高速なデジタル処理には向いていない。
【0049】
また、上述した第2の方法−パイロットCPを利用したA/D誤差検出方法では検出精度は相対的に高く、2シンボルごとに誤差を検出したあと、すぐループをかけられるので、収束時間が短縮できる。
【0050】
しかし、この方法はヨーロッパ規格のOFDM方式でしか利用することができない。なぜならば、ヨーロッパ規格におけるCPのように、日本規格には任意のシンボルにおいては挿入されるキャリア位置が固定されたパイロットデータが存在しないからである。
【0051】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、日本規格に適用可能なA/D誤差検出アルゴリズムを実現することを目的とする。
【0052】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、受信したセグメント方式のOFDM(直交周波数多重分割)信号からサンプリング誤差を検出する装置であって、OFDM信号は、OFDM信号の1シンボルを構成するセグメント配置に依存することなく、挿入されるキャリア位置が固定している制御信号を含んでおり、a)受信したOFDM信号のうち、N番目のシンボルのk番目のキャリアに挿入された制御信号と、N+m番目のシンボルのk番目のキャリアに挿入された制御信号について、一方の信号と他方の信号の複素共役の値とを乗算する第1演算手段と、b)受信したOFDM信号のうち、N番目のシンボルのk+d番目のキャリアに挿入された制御信号と、N+m番目のシンボルのk+d番目のキャリアに挿入された制御信号について、一方の信号と他方の信号の複素共役の値とを乗算する第2演算手段と、c)前記第1演算手段の出力信号と前記第2演算手段の出力信号について、一方の信号と他方の信号の複素共役の値とを乗算することにより、いずれも、周波数誤差成分およびサンプリング誤差成分を含む前記第1演算手段および前記第2演算手段の出力信号から、周波数誤差成分を除去する第3演算手段と、を備えることを特徴とする。
【0053】
また、請求項1記載の発明は、前記制御信号は、前記セグメント方式のOFDM伝送において送信されるAC1信号、を含むことを特徴とする。
【0054】
また、請求項1記載の発明は、前記制御信号は、前記セグメント方式のOFDM伝送において送信されるTMCC信号、を含むことを特徴とする。
【0055】
また、請求項1記載の発明は、前記AC1信号および前記TMCC信号とは、振幅が定数で、ランダムに正負の符号をとる信号であり、このランダム性に起因して、前記第3演算手段による出力信号の位相成分Ψには、+πまたは−πがランダムに付加されるものであり、さらに、d)前記第3演算手段の出力信号から位相成分Ψを取得する第4演算手段と、e)前記第4演算手段から出力された位相成分Ψに対して、ψ=Ψ−π×round(Ψ/π)なる演算(ただし、roundは小数点以下について四捨五入演算を意味する)を行い位相ψを出力する第5演算手段と、を備え、ランダムなπ成分が付加されている位相成分Ψから、ランダムなπ成分を除去した位相ψを取得することにより、ランダム成分の除去されたサンプリング誤差成分を検出することを特徴とする。
【0056】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のOFDM用サンプリング誤差検出装置において、前記第4演算手段から出力された位相ψの符号を取得することにより、OFDM用受信装置におけるサンプリング間隔を正負いずれの方向に補正するかを判定する手段、を含むことを特徴とする。
【0057】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のOFDM用サンプリング誤差検出装置において、前記mは1であり、連続するシンボルにおける前記制御信号を利用することにより、サンプリング誤差成分を抽出することを特徴とする。
【0058】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のOFDM用サンプリング誤差検出装置において、複数の異なるキャリアに挿入された複数の制御信号に対して、並行的に演算処理を実行するための複数の前記第1演算手段と複数の前記第2演算手段と、複数の前記第1演算手段と前記第2演算手段とから出力される複数の出力信号に対して並行的に演算処理を行うための複数の前記第3演算手段と、複数の前記第3演算手段から出力された信号に対して並行的に演算処理を行い位相成分を抽出する複数の前記第4演算手段と、複数の第4演算手段から出力された位相成分に対して並行的に演算処理を行いランダム成分を除去する複数の前記第5演算手段と、複数の前記第5演算手段の出力結果を平均化することにより平均化されたサンプリング誤差成分を出力する第6演算手段と、を備えることを特徴とする。
【0059】
請求項5記載の発明は、セグメント方式のOFDM(直交周波数多重分割)伝送における受信装置であって、請求項2に記載のOFDM用サンプリング誤差検出装置における判定結果に基づいて、サンプリング間隔を正負いずれかの方向に補正する補正手段、を備えることを特徴とする。
【0060】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載のOFDM用受信装置において、順次受信するOFDMシンボル信号に対して前記補正手段による補正処理を繰り返し実行することにより、サンプリング誤差を収束させることを特徴とする。
【0061】
請求項7記載の発明は、受信したセグメント方式のOFDM(直交周波数多重分割)信号からサンプリング誤差を検出する方法であって、OFDM信号は、OFDM信号の1シンボルを構成するセグメント配置に依存することなく、挿入されるキャリア位置が固定している制御信号を含むものであって、前記制御信号は、振幅が定数で、ランダムに正負の符号をとる信号であり、a)受信したOFDM信号のうち、N番目のシンボルのk番目のキャリアに挿入された制御信号と、N+m番目のシンボルのk番目のキャリアに挿入された制御信号について、一方の信号と他方の信号の複素共役の値とを乗算するとともに、N番目のシンボルのk+d番目のキャリアに挿入された制御信号と、N+m番目のシンボルのk+d番目のキャリアに挿入された制御信号について、一方の信号と他方の信号の複素共役の値とを乗算する第1の工程と、b)前記第1の工程の2つの乗算結果の出力信号について、一方の出力信号と他方の出力信号の複素共役の値とを乗算することにより、周波数誤差成分が除去された信号を出力する第2の工程と、c)前記第2の工程の出力信号から位相成分Ψを取得する第3の工程と、d)前記第3の工程の出力信号には、前記制御信号のランダム性に起因して、+πまたは−πがランダムに付加されるものであり、前記第3の工程から出力された位相成分Ψに対して、ψ=Ψ−π×round(Ψ/π)なる演算(ただし、roundは小数点第1位について四捨五入演算)を行い位相ψを出力する第4の工程と、を備え、ランダムなπ成分が付加されている位相成分Ψから、ランダムなπ成分を除去した位相ψを取得することにより、ランダム成分の除去されたサンプリング誤差成分を検出することを特徴とする。
【0062】
請求項8記載の発明は、請求項7に記載のOFDM用サンプリング誤差検出方法において、複数のキャリアに挿入された複数の前記制御信号に対して、前記第1ないし第5の工程を同時並行的に実行し、その結果、第5の工程から出力される複数のサンプリング誤差成分を平均化することを特徴とする。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0064】
{1.OFDM用復調装置の全体構成}
図1は、本発明の実施の形態に係るOFDM用復調装置の概略構成図である。OFDM用送信装置(図示せず)から送信されたRF(Radio Frequency)信号1は伝送路を通って受信アンテナ2で受信された後、フロントエンド処理部3において受信される。フロントエンド処理部3は、RF信号1をIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換するチューナー、BPF(バンドパスフィルタ)、搬送波発振器から供給される信号と乗算するミキサー、LPF(ローパスフィルタ)などを含んでいる。フロントエンド処理部3から出力された信号は、A/D変換器4に出力される。
【0065】
A/D変換器4は入力信号を所定のサンプリング周波数でデジタル信号(シンボル信号)に変換する。変換されたOFDM信号はミキサー5、リサンプラー6を経由して直並列変換器7に出力する。
【0066】
具体的には、A/D変換器4から出力された信号は、ミキサー5で広帯域および狭帯域の周波数誤差などの補正を施される。次いで、リサンプラー6で信号レートを調整された後、直並列変換器7に出力される。
【0067】
リサンプラー6は、入力信号に対して補間(interpolation)処理とデシメーション(decimation)処理とを行うポリフェーズフィルター(polyphase filter)である。後述するFFT(高速フーリエ変換)演算器8で使用されるFFTのサンプリング周波数とA/D変換器4におけるA/D変換のサンプリング周波数とは異なるため、リサンプラー6は、A/D変換とFFTの両者のサンプリング周波数の不一致を調整する機能を有している。
【0068】
さらに、本発明においては、リサンプラー6において、送信側のFFTサンプリング周波数と受信側のFFTサンプリング周波数を一致させるための機能、つまり、サンプリング誤差(もしくはA/D誤差)を解消するための機能を有している。
【0069】
一方、シンボル同期回路13は、リサンプラー6からシリアルに入力するシンボル信号の時間的なズレを検出し、その検出信号を直並列変換器7に出力する。
【0070】
直並列変換器7は、入力するシンボル信号をバッファリングしつつ、検出信号を利用してFFT窓に合わせてパラレル信号に変換し、FFT演算器8に出力する。ここで、FFT窓とはFFT演算器8で信号を取り込む時間領域を意味する。
【0071】
FFT演算器8は、入力するN点のシンボル信号に対して高速フーリエ変換を施すことで、周波数領域のN個のOFDM復調信号を並列に出力する。
【0072】
また、広帯域周波数同期回路11は、FFT演算器8から出力されたOFDM復調信号の周波数成分に基づいて、広帯域の周波数誤差を検出する。そして、広帯域周波数誤差の検出信号はミキサー5に出力され、周波数補正が行われる。
【0073】
また、狭帯域周波数同期回路12は、直並列変換器7から出力されたシンボル信号に基づいて、狭帯域の周波数誤差を検出する。そして、狭帯域周波数誤差の検出信号はミキサー5に出力され、周波数補正が行われる。
【0074】
A/D同期回路14は、A/D変換器4におけるA/D変換誤差(つまり、送信側とのサンプリング誤差)を検出する機能を有する。A/D変換誤差の検出信号はリサンプラー6に出力される。そして、前述の如く、リサンプラー6は、A/D同期回路14から入力する検出信号を用いて、A/D変換誤差の補正処理を行う。
【0075】
A/D変換器4におけるサンプリング周波数f1を直接調整することで、A/D同期処理を行うことも可能ではあるが、かかる場合には、回路構成が複雑になり、サンプリング周波数f1が比較的高いためノイズが混入し易く、コストが多大になり易いという問題点がある。これに対し、リサンプラー6は、A/D変換誤差をデジタル信号処理で補正でき、回路構成を簡素化できるという利点をもつ。
【0076】
次いで、OFDM復調信号はフレーム同期回路9に出力される。フレーム同期回路9においては、204シンボル信号を1処理ブロックとするフレームの先頭を探し出した後、等化器10において、このOFDM復調信号は、OFDM復調信号に埋め込まれたパイロット信号に基づいて等化処理を施された後出力される。
【0077】
また、FFT窓調整部15は、フレーム同期回路9から出力されるSP(Scattered Pilot)信号に基づいてFFT窓位置のずれを検出し、検出信号をFFT演算器8に出力する。FFT演算器8では、この検出信号をもとにFFT窓位置を微調整する。
【0078】
{2.本発明におけるA/D誤差検出の理論}
上述したように、日本規格のOFDM伝送フォーマットには、任意のシンボルにおいて固定的に利用できるCPがないが、付加情報を伝送するためのAC1(Auxiliary Channel)と伝送制御用のTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)パイロットが利用可能である。
【0079】
AC1およびTMCC信号はセグメントの構成に左右されなく、常に同じキャリア位置に配置されるという特徴がある。1シンボルには、複数の同期変調セグメントと差動変調セグメントが配置されることになるが、AC1およびTMCC信号は、同期変調セグメントと差動変調セグメントの両方に挿入される信号であり、しかも、同期変調セグメントと差動変調セグメントの配列によらず、一定のサブキャリア位置に挿入されるのである。
【0080】
たとえば、図2に示すように、あるL番目のセグメントにおいては、そのセグメント内のM番目のキャリアにAC1(もしくはTMCC)信号が挿入されるということが決まっているものとする。この場合、L番目のセグメントが同期変調セグメントであっても、差動変調セグメントであっても、そのM番目のキャリアには必ずAC1(もしくはTMCC)信号が挿入されているのである。このことは、結局、1シンボル内に挿入される全AC1およびTMCC信号の挿入位置が決定していることとなる。そこで、本発明においては、このAC1およびTMCC信号を利用して、A/D誤差検出を行う。
【0081】
しかし、AC1信号とTMCC信号はDBSK変調された二値信号であるため、任意のシンボルにおいて、その符号が“+”であるか、“−”であるかは判明しない。そこで、AC1信号とTMCC信号を利用し、数13式で示したヨーロッパ規格と同じ方法でA/D誤差を検出しようとすると、数14式で示されるような結果となる。
【0082】
【数14】
【0083】
式中、pu,kは受信したAC1信号とTMCC信号である。また、Ru,kは{0,1}のランダム数であり、上述したDBSK信号の符号の不確定性を表すものである。つまり、u番目およびu−1番目のシンボルにおけるそれぞれk番目のキャリアに挿入されているAC1信号もしくはTMCC信号の信号値を乗算した場合、Ru,kのランダム性により(+1)もしくは(−1)のいずれの値が係数となるかは不明である。そして、このことは、乗算結果の位相に位相(±π)が付加されないのか、付加されるのかが不明であることを示している。
【0084】
また、日本規格には、ヨーロッパ規格のようなCP配置の対称性がないため、前述したようにCP配置の対称性を利用して数14式から周波数誤差を消去するという方法がとれない。つまり、ヨーロッパ規格で説明したものと同様の方法では、A/D誤差だけを検出することができない。そこで、本アルゴリズムでは、AC1信号,TMCC信号の位相からA/D誤差が検出できるようにする。
【0085】
<2−1.周波数誤差を消してA/D誤差だけを検出>
数14式の位相の中で、A/D誤差を含む成分(δk)はキャリア番号(k)に依存しているが、周波数誤差(Δf)はキャリア番号(k)に依存していない。つまり、すべてのサブキャリアにおいて周波数誤差(Δf)が同じである。従って、異なる2つのサブキャリアの位相差分をとることで、数15式に示すように周波数誤差を消去することができる。
【0086】
【数15】
【0087】
数15式は、結局、
(シンボル番号u,キャリア番号k),
(シンボル番号u−1,キャリア番号k),
(シンボル番号u,キャリア番号k−d),
(シンボル番号u−1,キャリア番号k−d),
の4個のAC1信号(もしくはTMCC信号)の信号値を乗算することにより、周波数誤差成分を消去することを可能としている。
【0088】
そして、数15式の位相にはA/D誤差成分のみが残っているため、A/D誤差の検出は可能である。
【0089】
<2−2.位相のランダム性を消す>
周波数誤差成分を消去したわけであるが、依然、数15式にはランダム数Ru,kが存在するため、そのランダム性が位相に影響を及ぼしている。つまり、数16式で示すように、ランダム係数が(−1)である場合には、(−1)=e± j πより数15式の位相に影響を及ぼしている。
【0090】
【数16】
【0091】
一方、ランダム係数が(+1)である場合には、数15式の位相に影響を及ぼすことはない。したがって、数15式の位相成分よりA/D誤差を検出するためには、このランダム係数によって影響を受けている位相成分を除去する必要がある。
【0092】
ここで、デジタル計算領域において、一般に、位相は−π≦ψ≦πとして出力される。したがって、数15式の位相に(−1)=e± j πが付加される場合を考えると、δ<0である場合には、位相−πを付加すると位相が−πより小さくなるので、数17式で示されるように、位相πが付加されていることになる。
【0093】
【数17】
【0094】
逆に、δ>0である場合には、位相−πが付加されていることになる。
【0095】
【数18】
【0096】
いずれにしても、Ru,kのランダム性により、位相に±πが付加されている場合と、付加されていない場合があり、普通のモジュラス演算ではランダムに付加されている±πを消去することができない。
【0097】
そこで、A/D誤差δがごく小さい数値であることを利用して、数19式で示すようなモジュラス演算で、π成分を取り除くことができる。
【0098】
【数19】
【0099】
式中の“round”は少数点以下を四捨五入演算することを意味する。数19式を用いる利点について説明する。A/D誤差δは非常に小さい数値(10-4)であるので、数15式の位相成分中、Ψ0=2π(1+GI/N)δdも非常に小さい数値となる。そうすると、Ψ0にランダム成分が付加された位相Ψは、π成分が付加されていなければ、やはり非常に小さな位相である。この場合、数19式は、
ψ=Ψ
となり、一致する。
【0100】
これに対して、位相Ψ0にπ成分(+πもしくは−π)が付加されている場合には、位相Ψは、+πもしくは−πに近い値となるため、数19式は、
ψ=Ψ−π、もしくは、ψ=Ψ+π
となり、π成分が消去される。このようにして、Ru,kのランダム性を排除してA/D誤差を検出することが可能となるのである。
【0101】
{3.A/D同期回路の構成}
以上説明した本発明におけるA/D誤差の検出理論を実現する回路構成について説明する。図3は、図1に示すA/D同期回路14のブロック図である。A/D同期回路14は、A/D誤差検出回路21、ループフィルター22、係数ROM23とから構成される。
【0102】
FFT回路8からの出力されたOFDM復調信号は、1シンボルごとにパラレルにA/D誤差検出回路21にとりこまれる。図4は、A/D誤差検出回路21のブロック図である。A/D誤差検出回路21は、複素データをその共役複素データに変換する第1および第2変換器211,213と、第1および第2乗算器212,214と、位相算出器215と、モジュラス演算器216と、加算器217、および、スケール調整器218とを備えている。
【0103】
そして、それら各構成回路がFFT回路8から入力するパラレルのOFDM復調信号をパラレルに演算するために、それぞれ複数並列配置されている。図中、(xu,1,xu,2,…,xu,p)はu番目のシンボルから取り出したAC1信号もしくはTMCC信号であり、(xu-1,1,xu-1,2,…,xu-1,p)はu−1番目のシンボルから取り出したAC1信号とTMCC信号である。なお、図中、xの2番目の添え字(1,2,・・・,p)は、キャリア番号の若い順にAC1信号もしくはTMCC信号に付された連番である。つまり、OFDM信号に挿入されるAC1信号とTMCC信号のキャリア位置は、とびとびのキャリア番号であるが、ここでは、便宜的に連番(以下、この連番をパイロット番号と呼ぶ)を付して取り扱うこととする。
【0104】
まず、並列的に、u−1番目のシンボルの各信号を第1変換器211,211・・・で処理し、その複素共役信号を出力する。次に、出力された各複素共役信号と、u番目のシンボルの同一のパイロット番号の信号とを、並列的に、第1乗算器212,212・・・で乗算処理する。この第1乗算器212,212・・・からの出力された信号は、数14式で示される信号であり、周波数誤差成分およびランダム成分を含んでいる。
【0105】
次に、第1乗算器212の出力信号を分岐出力し、一方は、第2変換器213,213・・・で処理し、その複素共役信号を出力する。そして、あるパイロット番号の第1乗算器212からの出力と、隣り合うパイロット番号の第2変換器213からの出力とを、並列的に、第2乗算器214,214・・・で乗算処理する。この第2乗算器214,214・・・から出力された信号は、数15式で示される信号であり、周波数誤差成分は消去されているが、ランダム成分が含まれている。
【0106】
次に、各第2乗算器214,214・・・からの出力は、位相算出器215で処理され、並列的に、各信号の位相成分が出力される。この位相成分は数19式におけるΨに該当する。つまり、Ψには、π成分が付加されているか、付加されていないか不明である。
【0107】
次に、位相算出器215の出力は、モジュラス演算器216に出力され、並列的に、π成分の除去処理が行われる。ここで、モジュラス演算器216は、数19式で示される演算を行う処理部である。このようにして、各モジュラス演算器216,216・・・からは、並列的に、周波数誤差成分およびランダム成分が除去され、A/D誤差成分(サンプリング誤差成分)が含まれた位相成分が出力される。この位相成分は、数15式における2π(1+GI/N)δdに対応する。
【0108】
そして、これら各モジュラス演算器216,216・・・からの出力を加算器217で加算した後、スケール調整器218においてスケール調整処理され出力される。ここでは、数15式に対応させて、π(1+GI/N)で除算することにより、スケール調整するようにしている。この結果、A/D誤差検出器21からの出力は、A/D誤差δそのものではないが、A/D誤差δの符合を判別することが可能な出力である。
【0109】
図3に戻り、次に、ループフィルター22は、A/D誤差検出器21からの出力をもとに、フィルタ処理を行い、A/D誤差δの符号を判別するとともに、所定の閾値との比較によりA/D誤差δのスケールを判別する。そして、ループフィルター22は、係数ROM23に対して、A/D誤差δの符号およびスケールに関する情報信号を送出する。
【0110】
係数ROM23は、ループフィルター22からの情報信号に基づいて、リサンプラー6に送出すべきパラメータを決定し、当該パラメータをリサンプラー6に送出する。このパラメータは、リサンプラー6がA/D誤差を補正する際に、サンプリング間隔をいずれの方向(+の方向or−の方向)に、どんな大きさで変化させるかを規定する情報である。これにより、リサンプラー6は、A/D誤差を補正するのである。そして、OFDM受信装置は、このようなA/D誤差検出、A/D誤差補正の処理を繰り返し行うことにより、順次、A/D誤差(サンプリング誤差)を0に近づけるようにするのである。
【0111】
図5は、コンピューターを用いたシミュレーション結果を示している。初期A/D誤差1.3×10-3から、75回のループ演算(150シンボル相当)で、A/D誤差がゼロに近づいている。このシミュレーションでは、1番目と2番目のシンボルでA/D誤差を検出した後は、3番目と4番目のシンボルで検出、順次、5番目と6番目・・・という手順で繰り返し処理をしている。ただし、1番目と2番目のシンボルでA/D誤差検出をした後、2番目と3番目のシンボルで検出し、順次、3番目と4番目というような手順で繰り返し処理を行うようにしてもよい。
【0112】
A/D誤差を検出するために利用するAC1信号とTMCC信号の数は、特に限定されるものではない。この数は、図4におけるパイロット番号pに対応するものであるが、この数が多いほど検出精度が高くなる。ただし、そのための回路の構成要素が増加するため、検出精度、コスト、回路構成をコンパクトにするという目的などを考慮して最適な数を採用すればよい。たとえば、3セグメント部分受信の場合であれば、取得可能なAC1信号とTMCC信号の数は9本であり、これらを9本のパイロットを利用することにより、その平均処理によってノイズなどの影響を低減することが可能である。
【0113】
以上、本発明の実施の形態においては、数15式で示した計算式を利用して、A/D誤差成分(サンプリング誤差成分)を抽出するようにしている。これは、言い換えると、
(シンボル番号u,キャリア番号k),
(シンボル番号u−1,キャリア番号k),
(シンボル番号u,キャリア番号k−d),
(シンボル番号u−1,キャリア番号k−d),
からなる4点の制御信号(AC1信号もしくはTMCC信号)を乗算することによって、周波数成分を除去する方法である。ただし、本実施の形態のように、連続するシンボル(u番目とu−1番目)間で乗算する方法に限られず、2シンボル以上の間隔を空けたシンボル間で上記処理を行っても良い。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明では、時間方向およびキャリア方向にそれぞれずらした4点の制御信号の乗算処理を行うことにより、容易に周波数誤差成分を除去することが可能である。
【0115】
また、請求項1記載の発明では、制御信号としてAC1信号、TMCC信号をそれぞれ利用するので、挿入されるサブキャリア位置が固定されており、サンプリング誤差検出が可能となる。
【0116】
また、請求項1記載の発明では、四捨五入を利用したモジュラス演算を利用することにより、AC1信号もしくはTMCC信号の符号のランダム性を除去することが可能となる。これにより、周波数誤差成分およびランダム成分が除去され、サンプリング誤差成分が残された信号を出力することが可能となる。
【0117】
請求項2記載の発明では、サンプリング誤差成分を含む位相の符号からサンプリング間隔の補正方向(符号)を決定するので、サンプリング誤差の大きさについて厳密な検出をすることなく、サンプリング補正が可能となる。
【0118】
請求項3記載の発明では、連続するシンボルを利用してサンプリング誤差を検出するので、短時間でサンプリング誤差を解消することが可能となる。
【0119】
請求項4記載の発明では、複数のキャリアに挿入された複数の制御信号を利用してサンプリング誤差を検出するので、誤差検出精度が向上する。
【0120】
請求項5、請求項6記載の発明は、受信装置の発明であり、サンプリング誤差を補正して、受信信号を正しく復元することが可能である。
【0121】
請求項7、請求項8記載の発明は、サンプリング誤差の検出方法に関するものであり、4点の制御信号を利用することにより周波数誤差を除去するとともに、モジュラス演算によりランダム成分を除去可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかるOFDM用受信装置のブロック構成図である。
【図2】セグメント方式のシンボルの構成を示す図である。
【図3】A/D同期回路のブロック構成図である。
【図4】A/D誤差検出回路のブロック構成図である。
【図5】シミュレーション結果を示す図である。
【図6】ガードインターバルと有効シンボルの関係を示す図である。
【図7】OFDMシンボルを示す図である。
【図8】FFT窓ずれが発生する状態を示す図である。
【符号の説明】
6 リサンプラー
8 FFT変換回路
14 A/D同期回路
21 A/D誤差検出回路
211 第1変換器(複素共役変換器)
212 第1乗算器
213 第2変換器(複素共役変換器)
214 第2乗算器
215 位相算出器
216 モジュラス演算器
217 加算器
218 スケール調整器
Claims (8)
- 受信したセグメント方式のOFDM(直交周波数多重分割)信号からサンプリング誤差を検出する装置であって、
OFDM信号は、OFDM信号の1シンボルを構成するセグメント配置に依存することなく、挿入されるキャリア位置が固定している制御信号を含んでおり、
a)受信したOFDM信号のうち、N番目のシンボルのk番目のキャリアに挿入された制御信号と、N+m番目のシンボルのk番目のキャリアに挿入された制御信号について、一方の信号と他方の信号の複素共役の値とを乗算する第1演算手段と、
b)受信したOFDM信号のうち、N番目のシンボルのk+d番目のキャリアに挿入された制御信号と、N+m番目のシンボルのk+d番目のキャリアに挿入された制御信号について、一方の信号と他方の信号の複素共役の値とを乗算する第2演算手段と、
c)前記第1演算手段の出力信号と前記第2演算手段の出力信号について、一方の信号と他方の信号の複素共役の値とを乗算することにより、いずれも、周波数誤差成分およびサンプリング誤差成分を含む前記第1演算手段および前記第2演算手段の出力信号から、周波数誤差成分を除去する第3演算手段と、
を備え、
前記制御信号は、
前記セグメント方式のOFDM伝送において送信されるAC1信号と、
前記セグメント方式のOFDM伝送において送信されるTMCC信号と、
を含み、
前記AC1信号および前記TMCC信号とは、振幅が定数で、ランダムに正負の符号をとる信号であり、このランダム性に起因して、前記第3演算手段による出力信号の位相成分Ψには、+πまたは−πがランダムに付加されるものであり、さらに、
d) 前記第3演算手段の出力信号から位相成分Ψを取得する第4演算手段と、
e) 前記第4演算手段から出力された位相成分Ψに対して、ψ=Ψ−π×round(Ψ/π)なる演算(ただし、roundは小数点以下について四捨五入演算を意味する)を行い位相ψを出力する第5演算手段と、
を備え、
ランダムなπ成分が付加されている位相成分Ψから、ランダムなπ成分を除去した位相ψを取得することにより、ランダム成分の除去されたサンプリング誤差成分を検出することを特徴とするOFDM用サンプリング誤差検出装置。 - 請求項1に記載のOFDM用サンプリング誤差検出装置において、
前記第4演算手段から出力された位相ψの符号を取得することにより、OFDM用受信装置におけるサンプリング間隔を正負いずれの方向に補正するかを判定する手段、
を含むことを特徴とするOFDM用サンプリング誤差検出装置。 - 請求項1または請求項2に記載のOFDM用サンプリング誤差検出装置において、
前記mは1であり、連続するシンボルにおける前記制御信号を利用することにより、サンプリング誤差成分を抽出することを特徴とするOFDM用サンプリング誤差検出装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のOFDM用サンプリング誤差検出装置において、
複数の異なるキャリアに挿入された複数の制御信号に対して、並行的に演算処理を実行するための複数の前記第1演算手段と複数の前記第2演算手段と、
複数の前記第1演算手段と前記第2演算手段とから出力される複数の出力信号に対して並行的に演算処理を行うための複数の前記第3演算手段と、
複数の前記第3演算手段から出力された信号に対して並行的に演算処理を行い位相成分を抽出する複数の前記第4演算手段と、
複数の第4演算手段から出力された位相成分に対して並行的に演算処理を行いランダム成分を除去する複数の前記第5演算手段と、
複数の前記第5演算手段の出力結果を平均化することにより平均化されたサンプリング 誤差成分を出力する第6演算手段と、
を備えることを特徴とするOFDM用サンプリング誤差検出装置。 - セグメント方式のOFDM(直交周波数多重分割)伝送における受信装置であって、
請求項2に記載のOFDM用サンプリング誤差検出装置における判定結果に基づいて、サンプリング間隔を正負いずれかの方向に補正する補正手段、
を備えることを特徴とするOFDM用受信装置。 - 請求項5に記載のOFDM用受信装置において、
順次受信するOFDMシンボル信号に対して前記補正手段による補正処理を繰り返し実行することにより、サンプリング誤差を収束させることを特徴とするOFDM用受信装置。 - 受信したセグメント方式のOFDM(直交周波数多重分割)信号からサンプリング誤差を検出する方法であって、
OFDM信号は、OFDM信号の1シンボルを構成するセグメント配置に依存することなく、挿入されるキャリア位置が固定している制御信号を含むものであって、前記制御信号は、振幅が定数で、ランダムに正負の符号をとる信号であり、
a) 受信したOFDM信号のうち、N番目のシンボルのk番目のキャリアに挿入された制御信号と、N+m番目のシンボルのk番目のキャリアに挿入された制御信号について、一方の信号と他方の信号の複素共役の値とを乗算するとともに、N番目のシンボルのk+d番目のキャリアに挿入された制御信号と、N+m番目のシンボルのk+d番目のキャリアに挿入された制御信号について、一方の信号と他方の信号の複素共役の値とを乗算する第1の工程と、
b) 前記第1の工程の2つの乗算結果の出力信号について、一方の出力信号と他方の出力信号の複素共役の値とを乗算することにより、周波数誤差成分が除去された信号を出力する第2の工程と、
c) 前記第2の工程の出力信号から位相成分Ψを取得する第3の工程と、
d) 前記第3の工程の出力信号には、前記制御信号のランダム性に起因して、+πまたは−πがランダムに付加されるものであり、前記第3の工程から出力された位相成分Ψに対して、ψ=Ψ−π×round(Ψ/π)なる演算(ただし、roundは小数点第1位について四捨五入演算)を行い位相ψを出力する第4の工程と、
を備え、
ランダムなπ成分が付加されている位相成分Ψから、ランダムなπ成分を除去した位相ψを取得することにより、ランダム成分の除去されたサンプリング誤差成分を検出することを特徴とするOFDM用サンプリング誤差検出方法。 - 請求項7に記載のOFDM用サンプリング誤差検出方法において、
複数のキャリアに挿入された複数の前記制御信号に対して、前記第1ないし第5の工程を同時並行的に実行し、その結果、第5の工程から出力される複数のサンプリング誤差成分を平均化することを特徴とするOFDM用サンプリング誤差検出方法。
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