JP3793259B2 - ポジトロンct装置およびその画像再構成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象物に投入されたRI線源により発生する電子・陽電子対消滅に伴って放出される光子対を検出することにより、その測定対象物内の物質分布を測定するポジトロンCT装置およびその画像再構成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポジトロンCT装置(Positron Emission Computed-Tomography ; 以下、PETと呼ぶ)は、生体や疾病患の研究あるいは臨床検査等に応用され、体内に投入された陽電子放出核種(以下、RI線源と呼ぶ)の分布を画像化し、生体機能を見るための装置である。
【0003】
RI線源は、神経伝達に関与するドーパミンや体内でのグルコース代謝に関係するFDG(18F−フルオロデオキシグルコース)等の生体内物質、或いは、例えば新規開発中の薬剤に、部分的に付加されて用いられる。PETは、このような物質の生体内での分布、消費量あるいは時間的変化の様子を見ることができる。又、PETは、脳血流量や酸素消費量などの生体の基礎代謝を測定することもできる。
【0004】
このようなPETの検出部は、リング状に配置された多数の光子検出器(これをリングと呼ぶ)からなり、そのリング内に、RI線源を注入あるいは吸入された人体などの測定対象物が置かれる。測定対象物内のRI線源から放出された陽電子は、直ちに近くの電子と結合して、それぞれ511keVのエネルギを持つ1対の光子(ガンマ線)が互いに反対方向に放出される。リングによってこの1対の光子を同時計数することにより、電子・陽電子対消滅がどの直線上で発生したかを特定することができる。PETは、このような同時計数情報を蓄積して画像再構成処理を行って、RI線源の分布画像を作成する。
【0005】
しかし、一般にリングを構成する多数の光子検出器間には感度ムラがあるので、以上のように測定対象物から発生する光子対を検出して蓄積された同時計数情報(エミッションデータ)そのままに基づいて画像再構成処理すると正確なRI線源分布画像を得ることができない。そこで、較正用線源を用いて感度補正用データ(ブランクデータ)を取得し、エミッションデータをブランクデータで除算することによって感度補正が行われる。
【0006】
こうした光子検出器の感度が均一でないという問題点の外、光子検出器のサイズが大きい故に空間的な測定分解能が悪く、精細なRI線源の分布画像を得ることができないという問題点や、特にブロック型リングの場合には投影上に欠損部を生じるという問題点もあった。そこで、これらの問題を解決するために、リングを所定の運動をさせながら測定することが行われている。ここで、リングが行う運動としては、中心軸を中心にしてリング面上で一方向に回転させる回転運動、所定角度範囲で往復する往復回転運動、また、リングの方位を維持したままリング面上で小径で円運動を行うウォブリング運動が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
リングがウォブリング動作する場合には、その周期は、1ないし5秒程度であり、往復回転運動する場合には、周期は、5ないし10秒程度である。同方向に回転を続けることができるウォブリング運動に比較して、往復回転運動では、回転方向を周期的に反転する必要があるため周期は長くなる。また、リング径が大きくなりPETが大型化するにつれて、周期は長くなる。リングを運動させるための機構部へ加えられるストレスを考慮すると、周期を短くすることには限界がある。また、PETシステム全体が、特定周期のリング運動に対して充分耐えられる機構に設計されており、計測のタイプによって周期を大きく変更することは、リングの振動や騒音の原因となるので好ましくない。
【0008】
また、PETによる計測には、1回の計測中の全ての同時計数情報を同一の投影データ領域へ収納するスタティック計測と、計測時間を複数のフレームに分割してフレーム毎の同時計数情報をそれぞれ対応する投影データ領域へ収納するダイナミック計測(多フレーム計測)とがある。最近では、例えば脳血流計測のような生体機能の時間的変化を測定する為に、ダイナミック計測が行われることが多い。また、生体の様子をより詳しく観測したり計算誤差を減らしたりするためにフレーム時間を短縮化し、より短い時間間隔で計測を行う傾向にある。
【0009】
しかし、より高い空間的分解能で測定したい場合や投影上の欠損部を生じることなく測定したい場合には、リングをウォブリング運動や往復回転運動させる必要があるが、その運動の周期が自由には変更できないのに対して、ダイナミック計測においてフレーム時間を任意に短縮したり計測毎のフレーム時間を自由に設定したりすることは、感度補正に関して問題がある。すなわち、フレーム時間がウォブリング運動や往復回転運動の周期の整数倍でない場合には、フレーム毎に異なる条件でエミッション計測をすることになるので、フレームそれぞれのエミッションデータを同一のブランクデータで感度補正すると誤差を生じる。
【0010】
例えば、ウォブリング運動周期が5秒で、フレーム時間が1秒である場合では、フレーム時間は運動周期の1/5であり、運動周期中におけるフレーム計測の開始位置と終了位置が、フレーム毎に異なる。ウォブリング運動周期が1秒で、フレーム時間が1.5秒である場合でも、同様である。このような場合であっても、従来では、図13に示すように、測定対象物10中のRI線源から発生した光子対をリング22で検出して得たフレーム毎のエミッションデータEを、同一のブランクデータBで割ることにより感度補正を行い、この感度補正後のデータに基づいて画像再構成を行う。しかし、リングが例えば往復回転運動している場合には、図14に示すように、同時計数回路32によって光子対を検出したと判断された光子検出器対を互いに結ぶ同時計数ラインは、t−θ変換部42によってt−θ平面上の写像位置(t,θ)にフレーム毎に変換され、投影データはフレーム毎にt−θメモリ52a,52b,....それぞれに蓄積されていく。そして、フレーム時間がリング運動周期の整数倍でない場合には、フレームが異なればリング位置も異なるので、同一の同時計数ラインであっても異なるθ値に投影データが蓄積されて、エミッションデータとなる。このような場合、図13で説明した従来の感度補正では、正確な感度補正はできない。
【0011】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、リングが所定の運動を行いながらダイナミック計測する場合であっても、精度のよい感度補正を行って正確な再構成画像を得ることができるポジトロンCT装置およびその画像再構成方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1ないし請求項3の発明は、ポジトロンCT装置に係るものである。
【0013】
請求項1に係るポジトロンCT装置は、(1) 入射した光子のエネルギに応じた光子検出信号をそれぞれ出力する複数の光子検出器が測定空間を囲んで所定軸の周囲に配列されたリングと、(2) 電子・陽電子対消滅に伴う光子対を発生させる較正用線源を測定空間で所定軸を中心にしてリングに対して相対的に回転運動させる較正用線源回転手段と、(3) 光子検出信号を入力し、測定空間における電子・陽電子対消滅によって発生した光子対を弁別して、光子対のそれぞれの光子を検出した光子検出器対を示す検出器識別信号を出力する同時計数回路と、(4) 較正用線源回転手段によって回転運動している較正用線源から発生した光子対をリングで検出する度に、検出器識別信号が示す光子検出器対ごとに光子対検出事象を計数して光子対検出頻度を求め、光子対検出頻度に基づいて複数の光子検出器に関する全ての光子検出器対それぞれについての感度データを生成する感度データ生成手段と、(5) 測定空間に測定対象物が置かれた状態で同時計数回路から出力された検出器識別信号が示す光子検出器対についての感度データの値に反比例する累積加算データを出力する累積加算データ生成手段と、(6) 検出器識別信号が示す光子検出器対を互いに結ぶ直線について測定空間に設定された極座標で表現した座標値を出力する座標変換手段と、(7) 座標変換手段から出力された座標値に対応する番地に、累積加算データ生成手段から出力された累積加算データを累積加算することによって、投影データを蓄積する投影データ蓄積手段と、(8) 投影データ蓄積手段に蓄積された投影データに基づいて、測定対象物における電子・陽電子対消滅の発生頻度の空間分布を算出し画像再構成を行なう画像再構成手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本装置によれば、先ず、較正用線源回転手段によって回転させられた較正用線源から発生する光子対が検出されて、リングを構成する複数の光子検出器に関する全ての光子検出器対それぞれについて求めた光子対検出頻度に基づいて感度データが感度データ生成手段によって獲得される。続いて、測定対象物の測定に際しては、同時計数回路から出力された光子対を検出した光子検出器対を表す検出器識別信号対に対応する座標値が座標変換手段から出力され、その検出器識別信号対に対応する感度データに反比例する累積加算データが累積加算データ生成手段から出力され、そして、投影データ蓄積手段によって、座標変換手段から出力された座標値に対応する番地に記憶されている投影データに、累積加算データ生成手段から出力された累積加算データが累積加算される。ここで投影データ蓄積手段に蓄積された投影データは、既に感度補正がなされたものであるので、この投影データに基づいて画像再構成を行う。
【0015】
請求項2に係るポジトロンCT装置は、累積加算データ生成手段は、複数の光子検出器に関する全ての光子検出器対それぞれについての累積加算データを予め記憶するとともに、入力した検出器識別信号が示す光子検出器対についての累積加算データを出力する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項3に係るポジトロンCT装置は、リングを測定対象物に対して相対的な運動をさせるリング運動手段と、リングの相対的な運動における位置に応じた位置データを出力する位置検出手段と、を更に備え、座標変換手段は、位置データが示すリングの変位を補償して座標値を出力する、ことを特徴とする。この場合には、位置検出手段によって検出されたリングの変位が座標変換手段によって補償されて、投影データ蓄積手段に累積加算すべき番地に対応する座標値が出力される。
【0017】
請求項4ないし請求項6の発明は、ポジトロンCT装置の画像再構成方法に係るものである。
【0018】
請求項4に係るポジトロンCT装置の画像再構成方法は、測定空間を囲んで所定軸の周囲に配列された複数の光子検出器からなるリングによって、測定空間における電子・陽電子対消滅に伴って発生する光子対を検出し、電子・陽電子対消滅の発生頻度の空間分布を測定するポジトロンCT装置の画像再構成方法であって、(1) 電子・陽電子対消滅に伴う光子対を発生させる較正用線源を測定空間で所定軸を中心にしてリングに対して相対的に回転運動させた状態で、較正用線源から発生した光子対をリングで検出する度に、較正用線源から発生した光子対を検出した光子検出器対ごとに光子対検出事象を計数して光子対検出頻度を求め、光子対検出頻度に基づいて複数の光子検出器に関する全ての光子検出器対それぞれについての感度データを生成する感度データ生成ステップと、(2) 測定空間に較正用線源がない状態で、測定空間に置かれた測定対象物における電子・陽電子対消滅によって発生した光子対をリングで検出する度に、測定対象物における電子・陽電子対消滅によって発生した光子対を検出した光子検出器対を互いに結ぶ直線について測定空間に設定された極座標で表現した座標値に対応する番地に、測定対象物における電子・陽電子対消滅によって発生した光子対を検出した光子検出器対についての感度データの値に反比例する累積加算データを累積加算することによって、投影データを蓄積する投影データ蓄積ステップと、(3) 投影データ蓄積ステップで蓄積された投影データに基づいて、測定対象物における電子・陽電子対消滅の発生頻度の空間分布を算出し画像再構成を行う画像再構成ステップと、を備えることを特徴とする。
【0019】
本方法によれば、感度データ生成ステップで求められた感度データに反比例する累積加算データが、測定対象物から発生する光子対が光子検出器対で検出される度に、その光子検出器対を互いに結ぶ直線について測定空間に設定された極座標で表現した座標値に対応する番地に、投影データ蓄積ステップにおいて累積加算され、これによって、既に感度補正のなされた投影データが蓄積される。画像再構成ステップでは、この投影データに基づいて画像再構成処理を行う。
【0020】
請求項5に係るポジトロンCT装置の画像再構成方法は、感度データ生成ステップと投影データ蓄積ステップとの間に、複数の光子検出器に関する全ての光子検出器対それぞれについての累積加算データを算出し記憶する累積加算データ生成ステップを更に備える、ことを特徴とする。
【0021】
請求項6に係るポジトロンCT装置の画像再構成方法では、リングは測定対象物に対して相対的な運動を行うとともに、投影データ蓄積ステップは、リングの相対的な運動における変位を補償して得られる座標値に対応する番地に、累積加算データを累積加算する、ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
実施形態の要部の説明に先立って、実施形態が適用されるPETの構成、動作、画像再構成方法および感度補正方法等について説明する。
【0024】
先ず、2D−PETの構成と動作について説明する。図4は、2D−PETのシステム構成図である。
【0025】
測定空間内にある測定対象物を囲んで中心軸の周囲にn個の光子検出器Dk (k=1,2,3,...,n )がリング状に配置されたリングは、光子検出器Dk (k=1,2,3,...,n )それぞれと同時計数回路30とが信号線で接続されている。リング20の何れかの光子検出器が光子を検出すると、その光子エネルギに応じた信号が信号線を通じて同時計数回路30に送られ、同時計数回路30は、リング20のそれぞれの光子検出器から到達した信号に基づいて、リング20の内の2つの光子検出器がRI線源10から放出された所定の光子エネルギ(511keV)を有する光子対を同時検出したことを認識して、その時のこれら2つの光子検出器それぞれを示す検出器識別信号(I,J)を出力する。
【0026】
これら検出器識別信号(I,J)は、t−θ変換部40に入力され、光子対を検出した2つの光子検出器を結ぶ直線L1をリング20内の測定空間における極座標で表現する場合に用いられる2つの変数(t,θ)それぞれを座標軸とするt−θ平面上の写像位置(T,θ’)に変換される。ここで、Tは、この直線と座標原点との間の距離であり、θ’は、この直線に座標原点から下ろした垂線の座標系主軸に対する角度である。t−θメモリ50は、この(T,θ’)に対応する番地に記憶されている投影データに所定値を累積加算する。このようにして、RI線源10で発生した1対の光子対についての同時計数情報が、t−θメモリ50に蓄積される。
【0027】
このようにしてRI線源10で発生しリング20で検出された多数の光子対の同時計数情報は、t−θメモリ50に投影データとして蓄積される。図5は、リングにおける光子対検出と画像再構成とを説明する図である。リング20内の測定空間に設定した極座標系のθ’方向(図5の直線L1の方向)から見たRI線源10の分布を表す画像は、この蓄積された投影データの内の、極座標系でθ=θ’上の各T点に対応する投影データから画像再構成部60によって再構成され、この再構成画像は画像表示部70で表示される。
【0028】
しかし、測定空間で発生した全ての光子対が検出されるのではない。図6は、リングにおける光子対検出の説明図である。RI線源10からの光子対は、RI線源10が存在するあらゆる位置から放出され、あらゆる方向に向かって飛行するが、その内で、リング20面上で発生しリング20面に沿った方向に飛行した光子対のみが、リング20で検出され得る。例えば、図5で示すように、リング20内に存在するRI線源10から発生する光子対であっても、リング20面に沿った方向以外の方向L2ないしL4に飛行した光子対は検出されない。リング20面に沿った方向L1に飛行した光子対は、何れかの光子検出器I,Jで検出され、t−θ変換部40で(T,θ’)に変換され、t−θメモリ50の対応する番地の投影データに所定値が加算される。
【0029】
又、製作が容易であり安価であることから、光子検出器がブロック型構成とされる。このタイプのリングでは、図7に示すように、複数のブロックBp それぞれは、多数の光子検出器Dpqが並列配置されていて、これらのブロックBp がリング状に配置される(p=1,2,3,... 、q=1,2,3,... )。このブロック型PETは、単なる光子検出器の配置が異なるだけであって、動作原理、投影データの蓄積および画像再構成等は、上述の説明と差異がない。
【0030】
上述のPETでは、RI線源から放出されてあらゆる方向に飛行する光子対の内、リング面に沿った方向に飛行する光子対のみを検出するため、RI線源から放出される光子対を捕捉する確率が小さく、検出感度が低くて統計ノイズが大きいという問題がある。検出感度を向上させるために測定対象物に多量のRI線源を注入することも考えられるが、測定対象物が生体である場合には限界がある。
【0031】
そこで、このような場合には、3次元タイプのPET(3D−PET)が用いられる。図8は、3D−PETのシステム構成図であり、図9は、3D−PETのリングの構成図である。3D−PETの多層リング21は、前述の図5あるいは図6に示したのと同様の光子検出器の一層リングR1 ,R2 ,....,Rm を多層配置したものであり、RI線源10で放出され直線L1の方向に飛行した光子対は、互いに異なる単層リングRp 、Rq (p≠q)それぞれに属する2つの光子検出器によっても同時計数され得る。多層リング21の内の或2つの光子検出器が、RI線源10から放出されたエネルギ511keVの光子対を同時検出すると、同時計数回路31は、その2つの光子検出器それぞれを示す検出器識別信号(I,J)、および、その2つの光子検出器それぞれが属する2つの単層リング間の差信号RD(Ring Difference )を出力する。これら検出器識別信号(I,J)、および、リング間差信号RDは、x−y−θ−ψ変換部41に入力され、光子対を検出した2つの光子検出器を結ぶ直線L1を多層リング21内の測定空間における極座標で表現する場合に用いられる4つの変数(x,y,θ,ψ)それぞれを座標軸とするx−y−θ−ψ空間上の写像位置(x,y,θ,ψ)に変換される。ここで、θとψは、直線L1の方向を表し、xとyは、直線L1に垂直な投射平面(Projection Plane)上の直交座標系による位置を表す。x−y−θ−ψメモリ51は、この(x,y,θ,ψ)に対応する番地に記憶されている投影データに所定値を累積加算する。このようにして、RI線源10で発生した1対の光子対についての同時計数情報が、x−y−θ−ψメモリ51に投影データとして蓄積され、この投影データから画像再構成部61によって再構成され、この再構成画像は画像表示部71で表示される。
【0032】
以上の何れのタイプのPETにおいても、光子検出器それぞれのサイズが大きい故に、リングを静止させた状態(これをステイショナリと言う)で測定すると測定分解能が悪い。そこで、多数の光子検出器からなるリングをウォブリング運動をさせることによって、測定分解能の向上を図る。ウォブリング運動は、リングの方位を維持したままリング面上で、通常5mmないし数cm程度の小径で円運動を行う円形ゆすり運動である。この運動によって、光子検出器それぞれを動かして、測定密度を細かくして測定分解能を向上させる。2D−PETの場合には、このウォブリング運動は、上述のt−θ平面上におけるt軸方向の往復運動とみなすことができ、t軸方向についての測定密度が上がるため測定分解能は良くなる。また、3D−PETの場合には、このウォブリング運動は、上述のx−y−θ−ψ空間上におけるx軸方向の往復運動とみなすことができ、x軸方向についての測定密度が上がるため測定分解能は良くなる。また、ブロック型PETの場合には、ウォブリング運動することにより、更に、ブロック間に生じる投影上の欠損部を埋めるという効果に加え、1本の同時計数ライン(同時計数を行う2つの光子検出器同士を結ぶ線)を複数の光子検出器対が測定するので、光子検出器それぞれの検出感度が平均化されるという利点もある。
【0033】
また、中心軸を中心としてリング面上でリングを回転運動させたり、あるいは、光子検出器と同時計数回路との信号線等のコードの破損を防止するため5ないし15゜程度の往復回転運動をさせることもできる。この場合、光子検出器それぞれの感度を平均化する効果はあるが、測定分解能の改善はない。
【0034】
また、光子検出器それぞれの検出感度は一定ではなくムラが多いので、光子検出器の感度補正を以下のようにして行う。すなわち、図10に示すように、リング内にRI線源を投与された測定対象物10aを置いて計測し、同時計数回路32とt−θ変換部42とを介して同時計数情報を蓄積することをエミッション計測と言い、これによってt−θメモリ52に蓄積されたデータをエミッションデータと言い、E(t,θ)で表す。また、これとは別に、図11に示すように、リング内に測定対象物のない状態で、リング内でリング中心軸の周りに較正用のRI線源10bを回転させ、模擬的な平行光を光子検出器それぞれに入射させて計測(ブランク計測)を行う。このようにしてt−θメモリ52に蓄積されたデータ(ブランクデータB(t,θ))は、光子検出器対の検出感度ばらつきを表す。そして、エミッションデータE(t,θ)をブランクデータB(t,θ)で割ることにより、感度補正を行う。
【0035】
さらに、測定対象物の光子吸収を以下のようにして補正する。図12に示すように、リング内にエミッション計測時と同じ位置にRI線源が投与されていない測定対象物10cを置き、ブランク計測と同様にリング内で較正用のRI線源10bを回転させて計測(トランスミッション計測)し、これによってt−θメモリ52に蓄積されたデータ(トランスミッションデータT(t,θ))を獲得する。このトランスミッションデータT(t,θ)をブランクデータB(t,θ)で割れば、同時計数ライン上の吸収係数が求まり、エミッションデータE(t,θ)をこの吸収係数で割ることにより、吸収補正ができる。なお、トランスミッション計測では、弱いRI線源が更に測定対象物による吸収を受け、得られる光子対検出が減少する為、統計精度は著しく劣化する。その対策として、T(t,θ)/B(t,θ)をフィルタ等でスムージングしておく。
【0036】
このようにして感度補正および吸収補正を行った後の真の投影データP(t,θ)は、エミッションデータE(t,θ)、ブランクデータB(t,θ)およびトランスミッションデータT(t,θ)を用いて、
P=(E/B)/<T/B> … (1)
で表される。ここで、記号<>は、スムージングを意味する。
【0037】
本発明は、このようにリングが往復回転運動やウォブリング運動などの運動をしながらダイナミック計測を行う場合であっても、エミッションデータを精度良く感度補正し、これによって正確な再構成画像を得ることができるポジトロンCT装置およびその画像再構成方法を提供するものである。
【0038】
次に、本実施形態の要部について説明する。本実施形態に係るPETは、リングが往復回転運動をする2D−PETである。図1は、本実施形態に係るPETのシステム構成図である。
【0039】
本実施形態に係るPETは、(1) 光子を検出する多数の光子検出器からなるリング121と較正用線源110を回転させる回転手段とを備える検出部120と、(2) リング121が検出した光子が電子・陽電子対消滅に伴って発生した光子対であるか否かを判断するとともに、電子・陽電子対消滅に伴って発生した光子対を検出した光子検出器対を識別して検出器識別信号対を出力する同時計数回路130と、(3) 全ての検出器識別信号対それぞれについての感度データを生成する感度データ生成部180と、(4) 検出器識別信号対を入力して、それに対応する感度データの値に反比例する累積加算データを出力する累積加算データ生成部190と、(5) 同時計数回路130が識別した光子検出器対を互いに結ぶ直線を極座標で表した座標値(t,θ)に変換するt−θ変換部140と、(6) t−θ変換部140から出力された座標値(t,θ)に対応する番地に、累積加算データ生成部190から出力された累積加算データを累積加算して、投影データを蓄積するt−θメモリ150と、(7) t−θメモリ150に蓄積された投影データに基づいて再構成画像データを生成する画像再構成部160と、(8) 再構成画像データに基づいて再構成画像を表示する画像表示部170と、を備える。
【0040】
測定空間128を内部に含む検出部120のリング121は、入射した光子を検出する多数の光子検出器Dk (k=1,2,3,...,n )が中心軸の周囲にリング状に配列されており、これらの光子検出器は、測定空間128の方向に受光面が向けられて、測定空間128から飛来して入射した光子を受光する。光子検出器Dk (k=1,2,3,...,n )それぞれと同時計数回路130との間には信号線が設けられおり、光子を受光した光子検出器から同時計数回路130へ、その光子のエネルギに応じた信号が送られる。
【0041】
また、検出部120は、このリング121を往復回転運動させることができる駆動手段を備え、その運動におけるリング121の位置を検出して位置データを出力する回転センサ123を備えている。更に、検出部120は、ブランク計測等に用いられる較正用線源110およびそれを回転させる回転手段を備えている。
【0042】
光子検出器Dk (k=1,2,3,...,n )それぞれから到達した信号を受け取った同時計数回路130は、リング121内の2つの光子検出器が電子・陽電子対消滅に伴って発生する所定のエネルギ(511keV)を有する光子対を同時検出したことを認識して、その時のこれら2つの光子検出器それぞれを示す検出器識別信号IおよびJを出力する。
【0043】
同時計数回路130から出力された検出器識別信号対(I,J)を入力した感度データ生成部180は、その検出器識別信号対(I,J)に対応する番地に一定値(例えば、 "1" )を累積加算する。これを一定時間行うことにより、全ての検出器識別信号対(I,J)すなわち全ての光子検出器対それぞれについて光子対検出頻度を求め、この光子対検出頻度を感度データB(I,J)とする。この感度データ生成部180の上記の機能は、ブランク計測時に動作する。すなわち、測定空間128内で中心軸を中心に回転運動している較正用線源110から発生する光子対をリング121で検出し同時計数回路130から出力された検出器識別信号対(I,J)を入力して感度データB(I,J)を生成する。
【0044】
検出器識別信号対(I,J)を入力した累積加算データ生成部190は、その検出器識別信号対(I,J)に対応する感度データB(I,J)の値に反比例する累積加算データC(I,J)を出力する。すなわち、感度データB(I,J)と累積加算データC(I,J)との間には、全ての(I,J)について、
C(I,J)=a/B(I,J) … (2)
なる関係がある。ここで、aは、任意の定数値である。この累積加算データ生成部190の上記の機能は、エミッション計測時およびトランスミッション計測時に動作する。すなわち、測定空間128内に置かれたRI線源を注入された測定対象物100から発生する光子対をリング121で検出し同時計数回路130から出力された検出器識別信号対(I,J)を入力して、累積加算データC(I,J)を出力する。なお、ブランク計測終了後であってエミッション計測あるいはトランスミッション計測を行う前に全ての(I,J)について(2)式で累積加算データC(I,J)を予め求め記憶しておいてもよいし、また、検出器識別信号対(I,J)が入力する度に累積加算データC(I,J)を(2)式で算出しその結果を出力してもよい。
【0045】
同じく検出器識別信号対(I,J)を入力するt−θ変換部(座標変換手段)140は、回転センサ123から出力されたリング121の位置を表す位置データをも入力して、この位置データに基づいてリング121の変位を補償して、検出器識別信号対(I,J)が示す光子対を検出した2つの光子検出器を互いに結ぶ直線を、測定空間128に設定されたt−θ極座標系で表した座標値(t,θ)に変換し出力する。本実施形態のようにリング121が往復回転運動する場合には、その運動は、測定空間128に設定された極座標系においては、θ方向の往復運動に相当し、t方向については関係がない。したがって、t−θ変換部140は、回転センサ123から出力された位置データに基づいて、リング121のθ方向の変位量Δθを抽出し、これに基づいてリング121の運動における変位を補償する。
【0046】
投影データを蓄積するt−θメモリ(投影データ蓄積手段)150は、光子対をリング121で検出し同時計数回路130から出力された検出器識別信号対(I,J)に応じてt−θ変換部140から出力された座標値(t,θ)と、同じくその検出器識別信号対(I,J)に応じて累積加算データ生成部190から出力された累積加算データC(I,J)とを入力し、座標値(t,θ)に対応する番地に記憶されている投影データに累積加算データC(I,J)を累積加算する。このt−θメモリ150の上記の機能は、エミッション計測時およびトランスミッション計測時に動作する。
【0047】
このように、本発明に係るPETのt−θメモリ150に蓄積される投影データは、一般に整数ではなく小数である。したがって、本発明に係るPETのt−θメモリ150として、例えば32または64bit精度の整数型または浮動小数型のメモリを用いるのが好ましい。従来のPETのt−θメモリに記憶される投影データが16bit精度整数型データであったのに対し、本発明では、より高速かつ高精度の処理能力が要求されることになるが、現在のLSI技術は充分この要求に応えることができる。
【0048】
なお、検出器識別信号対(I,J)に対して座標値(t,θ)は一意的に定まるので、これまで述べたB(I,J)およびC(I,J)それぞれを、以下では、B(t,θ)およびC(t,θ)と表記する。
【0049】
したがって、従来のPETにおけるt−θメモリに一定値 "1" を累積加算して投影データを蓄積することによって得られるエミッションデータE(t,θ)およびトランスミッションデータT(t,θ)に対して、本発明に係るPETにおけるt−θメモリ150に蓄積されるエミッションデータE1(t,θ)およびトランスミッションデータT1(t,θ)それぞれは、
E1(t,θ)=E(t,θ)×C(t,θ)
=a×E(t,θ)/B(t,θ) … (3)
T1(t,θ)=T(t,θ)×C(t,θ)
=a×T(t,θ)/B(t,θ) … (4)
である。すなわち、t−θメモリ150に蓄積されたエミッションデータE1 (t,θ)は、すでにブランクデータB(t,θ)で感度補正されたものである。また、更に吸収補正まで行って求められる真の線和P1(t,θ)は、
P1(t,θ)=E1(t,θ)/T1(t,θ) … (5)
から直ちに求められる。
【0050】
測定対象物100におけるRI線源の分布密度の画像を再構成する画像再構成装置160は、t−θメモリ150に蓄積されたエミッションデータE1(t,θ)あるいは吸収補正処理後の線和データP1(t,θ)から、リング121内の測定空間128に設定した極座標系の所定のθ方向から見た測定対象物100における光子対発生分布を表す再構成画像データを生成し、画像表示部170は、この再構成画像データを入力して再構成画像を表示する。
【0051】
次に、検出部120について詳細に説明する。図2は、本実施形態に係るPETの検出部の構成図であり、図2(a)は断面図であり、図2(b)は正面図である。
【0052】
検出部120は、多数の光子検出器Dからなり往復回転運動することができるリング121と、そのリング121を運動させるモータ122と、リング121の運動における位置を検出する回転センサ123等を備える。
【0053】
測定空間128を内部に有するリング121は、単層リングが多層(この図では5層)に配置された構造であり、それぞれの単層リングには、複数個の光子検出器Dがリング状に配列され、それぞれの光子検出器Dは、測定対象物100が置かれる測定空間128の方向に受光面が向けられている。単層リングそれぞれは互いに遮蔽シールド124で隔てられており、異なる単層リング間で光子対を検出することはなく、したがって実質的には2D−PETである。
【0054】
この検出部120は、リング121を往復回転運動させることができる機構を有している。すなわち、リング121は、リング基盤125上に固定されており、リング基盤125は、リング121の中心軸を中心として回転自在にガントリ基盤126上に接続され、モータ122によりベルト127を介して駆動されて往復回転運動する。その往復回転運動によるリング121の回転位置は、回転センサ123により検出される。回転センサ123から出力されたリング121の回転位置データはt−θ変換部140に取り込まれる。回転センサ123は、モータ122の回転軸の回転を検出してもよいし、ベルト127の動きを検出してもよいし、リング基盤125の回転を検出してもよい。また、回転センサ123は、接触式のセンサであってもよいし、非接触式のセンサであってもよい。
【0055】
また、検出部120には、ブランク計測等に使用される較正用線源110およびそれを回転させる回転機構が備えられている。この回転機構は、例えば、較正用線源110を支持して中心軸を中心に回転可能な支持機構、その支持機構に回転を伝達するベルト、その回転を発生させるモータからなる。較正用線源110は、使用時(ブランク計測時、トランスミッション計測時)には、リング121の中心軸を中心としてリング121面上で回転運動し、それによって較正用線源110から発生する光子対のうちリング121面上で飛行するものが光子検出器対で検出される。一方、使用されない時(エミッション計測時)には、その較正用線源110から発生する光子対が何れの光子検出器にも到達しない位置に待避され、あるいは、本装置から取り去られる。
【0056】
次に、本実施形態に係るPETの作用およびこのPETを用いた計測方法について説明する。図3は、本実施形態に係るPETにおける計測のフローチャートである。
【0057】
先ず、ステップS1で、ブランク計測を行い、感度データB(I,J)を獲得する。すなわち、測定空間128に測定対象物100を置かないで、較正用線源110を中心軸を中心にしてリング121面上で回転運動させて模擬的な平行光を生成する。その状態で、その較正用線源110から発生する光子対は、リング121を構成する多数の光子検出器により検出され、同時計数回路130でエネルギ弁別され、光子対を検出した光子検出器対を示す検出器識別信号対(I,J)が出力される。この検出器識別信号対(I,J)は、感度データ生成部180に入力され、その検出器識別信号対(I,J)に対応する番地に一定値(例えば、 "1" )が累積加算される。これを一定時間行うことにより、全ての検出器識別信号対(I,J)すなわち全ての光子検出器対それぞれについて光子対検出頻度が求められ、これを感度データB(I,J)とする。
【0058】
ブランク計測が終了すると、ステップS2で、(2)式に基づいて、ブランク計測(ステップS1)で得られた感度データB(I,J)から、累積加算データC(I,J)を計算し、累積加算データ生成部190に記憶する。
【0059】
続いて、ステップS3で、エミッション計測を行い、エミッションデータE1(I,J)を獲得する。すなわち、較正用線源110を待避あるいは除去し、RI線源を注入された測定対象物100を測定空間128に置き、リング121を往復回転運動させる。この状態で、測定対象物100から発生する光子対は、リング121を構成する多数の光子検出器により検出され、同時計数回路130でエネルギ弁別され、光子対を検出した光子検出器対を示す検出器識別信号対(I,J)が出力される。この検出器識別信号対(I,J)は、累積加算データ生成部190に入力され、対応する累積加算データC(I,J)が出力される。同時に、検出器識別信号対(I,J)は、回転センサ123から出力されたリング121の回転位置を示す位置データとともに、t−θ変換部140に入力され、リング121の回転による変位量Δθを補償した座標値(t,θ)が出力される。そして、座標値(t,θ)および累積加算データC(I,J)は、t−θメモリ150に入力され、座標値(t,θ)に対応する番地に記憶されている投影データに累積加算データC(I,J)が累積加算される。これを一定時間行って蓄積された投影データが、エミッションデータE1(I,J)となる。
【0060】
このように、t−θメモリ150に投影データを蓄積するに際して、光子を検出した時点における検出器識別信号対(I,J)で表される光子検出器対を互いに結ぶ直線を極座標系で表した座標値(t,θ)に対応する番地に、その光子検出器対についての累積加算データC(I,J)を累積加算する。したがって、t−θメモリ150に投影データが蓄積される段階で、往復回転運度するリング121の動き補償および感度補正が同時になされることになる。
【0061】
更に、吸収補正をも行う場合には、ステップS4で、トランスミッション計測を行い、トランスミッションデータT1(I,J)を獲得する。すなわち、RI線源を注入されていない測定対象物100を測定空間128に置き、リング121を往復回転運動させ、較正用線源110を中心軸を中心にしてリング121面上で回転運動させて模擬的な平行光を生成する。この状態で、エミッション計測と同じ要領でトランスミッションデータT1(t,θ)を獲得する。この場合も、エミッション計測の場合と同様に、t−θメモリ150に投影データが蓄積される段階で、往復回転運度するリング121の動き補償および感度補正が同時になされる。なお、トランスミッション計測では、リング121は静止していても構わない。また、エミッション計測(ステップS3)とトランスミッション計測(ステップS4)とは、何れが先に行われても構わない。
【0062】
以上の計測が終了すると、ステップS5で、エミッション計測で得られたエミッションデータE1(t,θ)に基づいて、或いは、吸収補正をも行う場合には(5)式に従って得られた真の線和P1(t,θ)に基づいて、画像再構成部160によって再構成画像データが生成され、そして、画像表示部170に再構成画像が表示される。
【0063】
本発明は、上述したリングが往復回転運動する2D−PETに限定されるものではなく、他のタイプのPETにも適用可能である。
【0064】
例えば、本発明は、リング運動が一方向のみの回転運動やウォブリング運動等の任意の運動であっても、或いは、リングが静止して逆に測定対象物が運動する場合であっても、同様に適用可能である。更に、リングが静止しているステイショナリの場合であっても、同様に適用可能である。
【0065】
リングがウォブリング運動する2D−PETの場合には、その運動は、測定空間内の極座標系においてはt軸方向の運動に相当するので、t−θ変換部は、リングの回転位置を検出する回転センサから出力された位置データから抽出されるt軸方向の変位Δtを補償して、光子対を検出した光子検出器対を示す検出器識別信号対(I,J)から座標値(t,θ)を求めて出力する。
【0066】
一般に、リングがその面上で運動をする2D−PETの場合には、t−θ変換部は、リングの運動位置を検出する位置センサから出力された位置データから抽出されるt軸方向の変位Δtおよびθ軸方向の変位Δθの双方または何れか一方を補償して、光子対を検出した光子検出器対を示す検出器識別信号対(I,J)から座標値(t,θ)を求めて出力する。
【0067】
また、本発明は、ブロック型2D−PETにも適用可能であり、この場合には、これまで述べた2D−PETの場合と同様である。
【0068】
また、本発明は、3D−PETにも適用可能である。この場合(リングがステイショナリである場合も運動する場合も共に)、2D−PETの場合と略同じ要領で、感度データおよび累積加算データが生成・出力され、投影データが累積加算される。同時計数回路は、光子対を検出した光子検出器対を示す検出器識別信号対(I,J)、および、これらの光子検出器それぞれが属する単層リングの間隔を示すリング間差信号RDを出力する。感度データ生成部は、ブランク計測を行って全ての検出器識別信号対(I,J)およびリング間差信号RDの組み合わせそれぞれについての感度データB(I,J,RD)を獲得する。累積加算データ生成部は、エミッション計測またはトランスミッション計測を行って同時計数回路から出力される検出器識別信号対(I,J)およびリング間差信号RDを入力し、それに対応する感度データB(I,J,RD)に反比例する累積加算データC(I,J,RD)を出力する。t−θ変換部に替わるx−y−θ−Ψ変換部は、エミッション計測またはトランスミッション計測を行って同時計数回路から出力される検出器識別信号対(I,J)およびリング間差信号RDを入力し、それに対応する座標値(x,y,θ,Ψ)を出力する。t−θメモリに替わるx−y−θ−Ψメモリは、その座標値(x,y,θ,Ψ)に対応する番地に記憶されている投影データに、累積加算データ生成部から出力された累積加算データC (x,y,θ,Ψ)を累積加算し、そして、画像再構成部は、x−y−θ−Ψメモリに蓄積された投影データに基づいて画像再構成処理を行い、その再構成画像は画像表示部に表示される。
【0069】
リングがその面上で運動する3D−PETの場合には、x−y−θ−Ψ変換部は、リングの運動位置を検出する位置センサから出力された位置データから抽出されるx軸方向(リング面内の径方向)の変位Δxおよびθ軸方向(リング面内の角度方向)の変位Δθの双方または何れか一方を補償して、光子対を検出した光子検出器対を示す検出器識別信号対(I,J)およびリング間差信号RDから座標値(x,y,θ,Ψ)を求めて出力する。
【0070】
リングがその中心軸方向に運動する3D−PETの場合には、x−y−θ−Ψ変換部は、リングの運動位置を検出する位置センサから出力された位置データから抽出されるy軸方向(リング中心軸方向)の変位Δyを補償して、光子対を検出した光子検出器対を示す検出器識別信号対(I,J)およびリング間差信号RDから座標値(x,y,θ,Ψ)を求めて出力する。
【0071】
以上述べた何れのタイプのPETであっても、また、リングがステイショナリである場合でも或いは如何なる運動をする場合でも、同じ手順で測定を行う。先ず、較正用線源を測定空間内で回転させてブランク計測を行い、感度データ生成部で感度データを獲得する。続いて、必要に応じてリングを運動させ、RI線源を注入された測定対象物を測定空間に置いてエミッション計測を行って、投影データ蓄積部(t−θメモリまたはx−y−θ−Ψメモリ)は、同時計数回路から出力された検出器識別信号対(I,J)に対応して座標変換部(t−θ変換部またはx−y−θ−Ψ変換部)から出力された座標値に対応する番地に、累積加算データ生成部から出力された累積加算データを累積加算して、これによってエミッションデータを獲得する。また、吸収補正をも行う場合には、トランスミッション計測を行う。以上の計測で得られたエミッションデータ、或いは、更に吸収補正のなされたエミッションデータに基づいて画像再構成して、再構成画像を画像表示部に表示する。
【0072】
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、感度データおよび累積加算データを、検出器識別信号対(I,J)に対応して生成・記憶するのではなく、t−θメモリの番地に対応して生成・記憶してもよい。この場合、ブランク計測を行ってt−θメモリに蓄積された全ての座標値(t,θ)それぞれについての感度データB(t,θ)を獲得し、これに反比例する累積加算データC(t,θ)を累積加算データ生成部に記憶させる。そして、エミッション計測時またはトランスミッション計測時には、累積加算データ生成部は、t−θ変換部から出力された座標値(t,θ)を入力して、それに対応する累積加算データC(t,θ)を出力し、t−θメモリは、この座標値(t,θ)に対応する番地に記憶されて入る投影データに、この累積加算データC(t,θ)を累積加算する。3D−PETの場合も同様である。
【0073】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明に係るポジトロンCT装置(PET)は、先ずブランク計測を行って、較正用線源回転手段によって回転させられた較正用線源から発生する光子対を検出して、リングを構成する多数の光子検出器に関する全ての光子検出器対それぞれについて求めた光子検出頻度に基づいて感度データを感度データ生成手段で獲得する。続いてエミッション計測を行って、同時計数回路から出力された光子対を検出した光子検出器対を表す検出器識別信号対に対応する座標値を座標変換手段から出力し、その検出器識別信号対に対応する感度データに反比例する累積加算データを累積加算データ生成手段から出力し、そして、投影データ蓄積手段は、座標変換手段から出力された座標値に対応する番地に記憶されている投影データに、累積加算データ生成手段から出力された累積加算データを累積加算する。そして、投影データ蓄積手段に蓄積された投影データに基づいて画像再構成を行う。また、リングが運動する場合には、そのリングの位置を位置検出手段によって検出し、座標変換手段は、リング運動を補償して、投影データ蓄積手段に累積加算すべき番地に対応する座標値を出力する。
【0074】
以上のようにすることによって、リングが静止している場合は勿論、リングが運動している場合であっても、投影データ蓄積手段に記憶されている投影データに累積加算データを累積加算する段階で既に感度補正がなされ、投影データ蓄積手段に蓄積された投影データに基づいて直ちに画像再構成処理を行うことにより、感度補正のなされた正確な再構成画像を得ることができる。
【0075】
そして、計測時間におけるリングが如何なる運動を行っても、すなわち、例えば、リングの運動周期とエミッション計測時間とが一致しない場合や、リングの運動が安定せずムラがある場合であっても、投影データ蓄積手段に投影データが蓄積される段階で既に感度補正がなされているので、正確な再構成画像を得ることができる。
【0076】
したがって、PETによる計測結果の定量性が向上し、また、エミッション計測のフレーム時間を任意に設定することができ、時間分解能を細かくすることができるので、例えば、脳血流測定などの測定精度が向上する。更に、短フレーム時間で、ウォブリング運動を用いた高画質計測が可能となるので、脳賦活実験などにおいて様々な種類の刺激実験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るPETのシステム構成図である。
【図2】実施形態に係るPETの検出部の構成図である。
【図3】実施形態に係るPETにおける計測のフローチャートである。
【図4】2D−PETのシステム構成図である。
【図5】2D−PETのリングにおける光子対検出と画像再構成の説明図である。
【図6】2D−PETのリングにおける光子対検出の説明図である。
【図7】ブロック型PETのリングの構成図である。
【図8】3D−PETのシステム構成図である。
【図9】3D−PETのリングの構成図である。
【図10】エミッション計測の説明図である。
【図11】ブランク計測の説明図である。
【図12】トランスミッション計測の説明図である。
【図13】従来のPETにおける感度補正のデータフロー図である。
【図14】従来のPETの感度補正における誤差発生の説明図である。
【符号の説明】
100…測定対象物、110…較正用線源、120…検出部、121…リング、122…モータ、123…回転センサ、124…遮蔽シールド、125…リング基盤、126…ガントリ基盤、127…ベルト、128…測定空間、130…同時計数回路、140…t−θ変換部、150…t−θメモリ、160…画像再構成部、170…画像表示部、180…感度データ生成部、190…累積加算データ記憶部。
Claims (6)
- 入射した光子のエネルギに応じた光子検出信号をそれぞれ出力する複数の光子検出器が測定空間を囲んで所定軸の周囲に配列されたリングと、
電子・陽電子対消滅に伴う光子対を発生させる較正用線源を前記測定空間で前記所定軸を中心にして前記リングに対して相対的に回転運動させる較正用線源回転手段と、
前記光子検出信号を入力し、前記測定空間における電子・陽電子対消滅によって発生した光子対を弁別して、前記光子対のそれぞれの光子を検出した光子検出器対を示す検出器識別信号を出力する同時計数回路と、
前記較正用線源回転手段によって回転運動している前記較正用線源から発生した光子対を前記リングで検出する度に、前記検出器識別信号が示す光子検出器対ごとに光子対検出事象を計数して光子対検出頻度を求め、前記光子対検出頻度に基づいて前記複数の光子検出器に関する全ての光子検出器対それぞれについての感度データを生成する感度データ生成手段と、
前記測定空間に測定対象物が置かれた状態で前記同時計数回路から出力された前記検出器識別信号が示す光子検出器対についての前記感度データの値に反比例する累積加算データを出力する累積加算データ生成手段と、
前記検出器識別信号が示す光子検出器対を互いに結ぶ直線について前記測定空間に設定された極座標で表現した座標値を出力する座標変換手段と、
前記座標変換手段から出力された前記座標値に対応する番地に、前記累積加算データ生成手段から出力された前記累積加算データを累積加算することによって、投影データを蓄積する投影データ蓄積手段と、
前記投影データ蓄積手段に蓄積された前記投影データに基づいて、前記測定対象物における電子・陽電子対消滅の発生頻度の空間分布を算出し画像再構成を行なう画像再構成手段と、
を備えることを特徴とするポジトロンCT装置。 - 前記累積加算データ生成手段は、前記複数の光子検出器に関する全ての光子検出器対それぞれについての前記累積加算データを予め記憶するとともに、入力した前記検出器識別信号が示す光子検出器対についての前記累積加算データを出力する、ことを特徴とする請求項1記載のポジトロンCT装置。
- 前記リングを前記測定対象物に対して相対的な運動をさせるリング運動手段と、前記リングの前記相対的な運動における位置に応じた位置データを出力する位置検出手段と、を更に備え、
前記座標変換手段は、前記位置データが示す前記リングの変位を補償して前記座標値を出力する、
ことを特徴とする請求項1記載のポジトロンCT装置。 - 測定空間を囲んで所定軸の周囲に配列された複数の光子検出器からなるリングによって、前記測定空間における電子・陽電子対消滅に伴って発生する光子対を検出し、電子・陽電子対消滅の発生頻度の空間分布を測定するポジトロンCT装置の画像再構成方法であって、
電子・陽電子対消滅に伴う光子対を発生させる較正用線源を前記測定空間で前記所定軸を中心にして前記リングに対して相対的に回転運動させた状態で、前記較正用線源から発生した光子対を前記リングで検出する度に、前記較正用線源から発生した光子対を検出した光子検出器対ごとに光子対検出事象を計数して光子対検出頻度を求め、前記光子対検出頻度に基づいて前記複数の光子検出器に関する全ての光子検出器対それぞれについての感度データを生成する感度データ生成ステップと、
前記測定空間に前記較正用線源がない状態で、前記測定空間に置かれた測定対象物における電子・陽電子対消滅によって発生した光子対を前記リングで検出する度に、前記測定対象物における電子・陽電子対消滅によって発生した光子対を検出した光子検出器対を互いに結ぶ直線について前記測定空間に設定された極座標で表現した座標値に対応する番地に、前記測定対象物における電子・陽電子対消滅によって発生した光子対を検出した光子検出器対についての前記感度データの値に反比例する累積加算データを累積加算することによって、投影データを蓄積する投影データ蓄積ステップと、
前記投影データ蓄積ステップで蓄積された前記投影データに基づいて、前記測定対象物における電子・陽電子対消滅の発生頻度の空間分布を算出し画像再構成を行う画像再構成ステップと、
を備えることを特徴とするポジトロンCT装置の画像再構成方法。 - 前記感度データ生成ステップと前記投影データ蓄積ステップとの間に、前記複数の光子検出器に関する全ての光子検出器対それぞれについての前記累積加算データを算出し記憶する累積加算データ生成ステップを更に備える、ことを特徴とする請求項4記載のポジトロンCT装置の画像再構成方法。
- 前記リングは前記測定対象物に対して相対的な運動を行うとともに、
前記投影データ蓄積ステップは、前記リングの前記相対的な運動における変位を補償して得られる前記座標値に対応する番地に、前記累積加算データを累積加算する、
ことを特徴とする請求項4記載のポジトロンCT装置の画像再構成方法。
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