JP3792924B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アノードとカソードからなる平板型画像形成装置に関し、特に、異常放電に関わる各種ダメージを回避した、新規の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アノードとカソードからなる平板型画像形成装置は広く研究、開発がなされており、使用される電子源としては、例えば、電界放出素子や、表面伝導型電子放出素子などにより構成されたものが挙げられる。前者の電界放出素子を用いた一例としては、アメリカ特許第5142184号が提案されている。また、後者の表面伝導型電子放出素子を用いた一例としては、アメリカ特許第5066883号が提案されている。これらは、電子源の構造ならびに駆動の方法等に違いは見られるものの、共通して見られる特徴は、複数の電子放出素子で構成される電子源よりなるカソードと、それに近接したアノードを有する点である。このカソードとアノードとの距離は、概ね数百μm〜数mm程度である。ここで注意すべき点は、カソードならびに結線等の為の配線と、電子を引き付けるためのアノード電極が近接するために、大きな静電容量を生ずる点である。アノードには、通常電子を引き付ける為に数キロボルト〜数十キロボルトの高い正電位が印加され、そのために、アノードとカソードの両電極間には多大な電荷が蓄積される事になる。尚、本明細書では、アノードの形成された基板のことをアノード基板、アノードの形成された基板と対向して位置するカソードの形成された基板のことをカソード基板と略することにする。このような大きな電位差を狭い電極間に与える場合、即ち強電界の状況下では、アノードとカソード基板間で異常放電が生ずる場合がある。ここでいう異常放電とは、駆動に関わり、電子源から放出される正規の、或いは予想しうる或意味で定常的な放出電流とは区別される、アノードとカソードの短絡を生ずるような大電流を伴う放電を指す。このような異常放電は、カソードとアノード基板間が不十分な真空であったり、或いは、電極形状に異常電場をもたらせるような問題があった場合に生じるものと考えられる。このような異常放電が一度生ずると、電流集中に起因する電極等の損傷や、ひどい場合には、異常放電部と配線を介して接続された素子の破壊を生ずる真空中のアーク放電に至る場合がある。このアーク放電は結果的に大電流をもたらし、電流による多量のジュール熱により、異常放電部の素子の破壊にとどまらず、蒸発した粒子が他の素子や配線の短絡を引き起こす場合がある。また、電流集中により、カソードならびに結線のための配線の電位を不安定化させ、その結果、配線を介して接続された素子に損傷を与えるものと考えられる。
【0003】
従来、このような異常放電として、アーク放電が生じた場合に、アーク放電の間、大電流が外部電圧源からアノードを通り、そしてさらにイオン化した真空を通り、エミッタ(カソード)に電気アークとして流れる電流を制限する目的で、アノードと外部電圧源の間にインダクタを設ける技術が、特開平08−106847号公報に開示されている。尚、本明細書で用いられる異常放電とは、上述のアーク放電を含んだものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、アノードとカソードの間で異常放電を生じさせない事が最も大切であるが、現実的な、大多数の素子により構成される画像形成装置の場合においては、歩留まり良く、完全に防止する事は困難である。そこで、万一異常放電が生じた場合にダメージを緩和する対策を施す事が重要であり、切望されてきた。
【0005】
上述の特開平08−106847号公報に開示された技術を図5に模式的に示す。図5において、21は基板、22はカソード電極、23はエミッタ、24はカソード導体、25は絶縁体、26はゲート、27はアノード、28はインダクタ、29は抵抗、30は電圧ソースである。該技術は、電子放出素子として電界放出素子を用い、アノード27とエミッタ23(カソード)間でアーク放電が生じている間、アノード27とエミッタ23間のアーク放電に関わり電圧ソース30から供給される電流を、インダクタ28を設ける事により、実質的に制限するものである。即ち、アーク放電が生じ、アノードの電位が低下した場合に、外部電源からの電荷の注入を時間的に制限するものである。
【0006】
しかしながら、アノードとカソード基板間の静電容量が大きい大画面画像形成装置においては、アノードならびにカソード基板に蓄積された電荷量が大きく、この電荷が、異常放電の開始時にアノードの電位の低下に応じて放電経路を通して移動するという問題がある。この電荷の移動が瞬時に行われた場合、電流値はかなり大きなものとなる。尚、当然ながらこの電流は、外部電源からアノードに流れ込む電流として観測する事は出来ず、即ち、上述の外部電源からの電荷の注入を制限する方法では抑制する事ができない。これは、異常放電が生じた場合に、低下したアノードの電位を回復させる、言い換えれば、アノードとカソード基板により構成されるコンデンサを充電する電流か、或いはアーク放電の結果アークを持続する電流としてのみ観測されるからである。このアノードの電位の低下に応じた電荷の移動は、異常放電時のアノード電位の時間変化を観測する事により、概ねμ秒程度以下の時間スケールで生じることを、本発明者らは確認している。また、後述の予備的検討の結果、このアノードの電位の低下に対応した電流が放電経路を通して流れる事により、ダメージを引き起こす場合がある事も確認している。故に、このアノードの電位の低下に対応した電流が放電経路を通じて流れることを抑制する事が必要である。
【0007】
[発明の目的]
本発明の目的は、アノードとカソードの間で発生する異常放電を、歩留まり良く防止可能な画像形成装置を実現すると共に、万一異常放電が生じた場合にダメージを緩和できる画像形成装置を実現することにある。
【0008】
又、アノードの電位の低下に対応した電流が放電経路を通じて流れることを抑制することができる画像形成装置を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明の構成について、以下に説明する。本発明は、アノード及びカソードからなる平板型画像形成装置において、異常放電を検知もしくは予測する手段と、高圧を短絡する手段を有することを特徴とする画像形成装置である。具体的には、異常放電を検知する事により、アノードの電位を急速にカソードの電位に近づけるように制御するものであり、このとき、アノードとカソード間に蓄積された電荷を速やかに、放電経路とは別の高圧を短絡する手段により、主に開放するものである。これにより、異常放電の開始時に、アーク放電等の異常放電に必須のアノードとカソードの電位差を低下させられる。これにより、アーク放電に至らしめないか、或いは、その規模を著しく縮小する事が可能となる。
【0010】
尚、上述の異常放電を検知もしくは予測するための手段としては、アノード電位の変化量や、異常放電の前駆現象[瞬間的に生じる放電に先立ち、(該放電よりも相対的に小さい)電流が流れる現象]を検知するものなどがある。又、カソードが複数の電子放出素子からなる電子源により構成され、異常放電を検知する手段が、該電子源の駆動に関わり印加される電圧に重畳されて観測される電圧、或いはそれに対応した電流であっても良い。
【0011】
又、高圧を短絡する手段は、応答性に優れ、且つ瞬間的に大電流を流せるものであればどのようなものであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を適用する画像形成装置について、以下に説明する。図1は、本発明の構成を示す模式図である。図1で1はアノード基板を、2は電子放出素子の形成されたカソード基板を、3は異常放電を検知する手段を、4はアノードとカソードを短絡させるスイッチを、5は高圧電源を、6はスイッチ4の短絡時の抵抗を、7は高圧電源からの電流を制限する抵抗を、8は検知手段3からスイッチ4を制御する為に送られる信号を各々示す。異常放電を検知する手段3及び信号8は、例えば、アノードの電位をモニターし、或るしきい値よりも大きな電位変化が見られた場合にスイッチ4の開閉動作を行う信号を出すものなどが挙げられる。この信号8は、異常放電が検知されたと同時に、一定時間スイッチ4を閉にした後に、再度開にする信号である事が好ましい。このスイッチ4を一定時間閉にする時間は、使用する高圧電源5の特性を考慮して選択する事が好ましい。このような高圧電源5は、通常の、出力の安定性を向上させる目的でインダクタンスとキャパシタンスなどが組み合わされて使用されているものが好適である。更に言及すれば、異常放電時に、事実上高圧電源からの電荷の供給を無視しうる状態に出来るものであればよく、異常放電の瞬間に高圧電源の出力電圧がほとんど低下しない安定化直流電源が良い事になる。即ち、先に述べたスイッチ4を一定時間閉にする時間は、アノード1の電位を正規の電位に回復する過程において、高圧電源の出力電圧がほとんど低下しない時間で、且つ画像形成装置として視覚的に問題の無い時間が選ばれることになる。なお、本発明においては、電流制限抵抗7は特に必須ではないが、アノード1に流れ込む電流値を測定するためのシャント抵抗という意味合いで使用している。
【0013】
次に、動作原理について述べる。画像形成装置として機能させるためには、通常アノード基板1には十分な加速電圧を電子ビームに与えるために、数キロボルト〜数十キロボルトの高い正電位が印加される。このような状況下で、カソード基板2に形成された電子放出素子から制御された電子が放出され、アノード基板1に形成された蛍光体(不図示)を発光させる。この場合の電子の流れは、本発明でいう異常放電とは区別されるものである。また、この画像形成に関わる電流によるアノード電位の低下は、ほとんど無視されうるものである。尚、アノード基板1とカソード基板2は、通常真空に保持され、アノード基板1とカソード基板2の距離は、放出電子の平均自由工程よりも小さくなっている。
【0014】
さて、このような状況下においても、突発的に異常放電が観測される場合がある。そのきっかけは、はっきりと限定する事は出来ないが、例えば、カソード基板2に形成された電極形状に異常電場をもたらせるような問題があった場合などが考えられうる。異常放電の開始を特定するには、例えば、アノード基板1に近接して設けられた電位計により、アノード電位の変化を測定する事により可能である。この場合、或るしきい値よりも大きな電位変化が見られた場合にスイッチ4の閉開動作を行う信号を出すものなどが挙げられる。異常放電が生じ、アノード基板1とカソード基板2の真空を介した空間に電流が流れはじめた瞬間に、スイッチ4を閉じてアノードに蓄えられていた電荷をスイッチ4を介して開放する。この場合、異常放電を観測し、スイッチ4を閉じるのに要する時間が十分に短ければ、アノード基板1とカソード基板2の真空を介した空間に流れる電流を遮断、或いは絞る事が可能であり、結果的に、カソード基板2上に本来生ずるはずのダメージを大幅に緩和できることになる。尚、スイッチ4の短絡時の抵抗6は、スイッチ4を保護する目的で使用されるが、可能な限り小さい値である事が好ましい。続いてスイッチ4を再び開ける。この時、アノード基板1とカソード基板2の真空を介した空間に電流が流れていなければ、高圧電源5から制限電流抵抗7を介した電流が、アノードの電位を再度規定の値にまで復活させる充電電流として流れる。これらの制御を視覚的に問題にならない短時間で行う事により、異常放電によるダメージを抑制することが可能となる。
【0015】
[予備的検討]
異常放電時のアノード電位の時間変化及び、ダメージがどの過程で生ずるのかを明らかにする目的で、図2に模式的に示した系で実験を行った。図2において、9は高圧電源5とアノード基板1を切り離すためのスイッチであり、10は電位計である。また、図1に示した部位と共通するものについては、同じ番号を示してある。なお、アノード基板1とカソード基板2間の静電容量は約200pFである。
【0016】
まず、アノード基板1に6kV程度の高圧を印加し、カソード基板2から電子をパルス状にアノード基板1に到達するように、駆動する。この時、カソード基板2には、電子源の配置及び結線がマトリクス構造をしたものを用い、任意の1行だけを選択して10Hzで駆動した。この際に、カソード基板1から電子を放出させる直前に、毎回スイッチ9を開くようにし、電子の放出が終了した後再び閉じるようにした。尚、スイッチ9にはパルスの印加により開閉の可能な真空スイッチを使用した。このような状況で駆動していると、電子放出毎にスイッチ9で高圧電源5と切断されるので、放出電子によるアノード電位の低下を電位計10で観測する事が出来る。この電位の低下量は放出電子の量により決まるものである。本実験では、一回のパルスで3%未満の電位降下となるように、放出電子量を設定した。このような状況下で、異常放電が生ずるまで駆動を行った。異常放電が観測されたときの電位計10の指示電圧の時間変化を測定したところ、図3に示すグラフを得た。グラフで横軸は時間を、左縦軸は電位を、右縦軸は電位の時間微分から求めた、アノード基板1からカソード基板2に流れる電流を示している。異常放電によりアノード基板1からカソード基板2に流れる電流は、電位の時間微分と静電容量の積で求める事が出来る。図3より、本実験においては最大約11A程度の電流が、アノードの電位降下の開始から約200ナノ秒後に流れている事が理解される。尚、図3で横軸の時間が0の時間は、駆動に関わる電子放出の開始時刻である。
【0017】
次に、異常放電が観測された後、駆動に関わり選択されていた素子に欠陥が生じていないか検査した。すると、3画素分に相当する素子に大きなダメージを受けていることが判明した。これらの結果、アノードの電位の低下に対応した電流が放電経路を通して流れる事により、ダメージを引き起こす場合がある事が理解された。
【0018】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0019】
[実施例1]
図1に模式的に示したアノード基板1、カソード基板2、異常放電検知手段3、アノードとカソードを短絡させるスイッチ4、高圧電源5、抵抗6、及び7を配置した画像形成装置を作成した。尚、8は制御信号を示している。アノード基板1とカソード基板2により構成される画像形成部の概略図を図4に示す。尚、本実施例では、電子放出素子として表面伝導型電子放出素子を用い、マトリクス配置された電子源よりなるカソード基板2と、カラー表示を行うための蛍光体及び、Al製のメタルバックが形成されたアノード基板1を用いた。尚、本発明の画像形成装置は、電子源として特に限定されるものではない事は、これまでの説明から理解されよう。図4において、図1に示した部位と同じものについては、同じ記号を示してある。12はx方向配線、13はy方向配線、15は表面伝導型電子放出素子、16はカソード基板2を支えるリアプレート、17はガラス基体、18は蛍光体、19はメタルバック、20はアノード基板1とカソード基板2を固定する支持枠である。尚、表面伝導型電子放出素子15には対向する素子電極が設けられており、該素子電極間に15V程度の電圧を印加する事により、該電極間に素子電流Ifが流れ、同時に電子放出が行われる。本実施例においては、y方向720素子(n=720)、x方向240素子(m=240)からなるものを使用した。図1において、異常放電検知手段3は、アノード基板1の近くに設けられた電位計及び電位の変動が20V以上観測された場合にパルス幅10μ秒のトリガーシグナルをスイッチ4に送るシステムにより構成されており、制御回数を調べるためにカウンターも具備している。又、抵抗6は100Ω、抵抗7は3kΩとした。尚、アノード基板1とカソード基板2が作る静電容量は、約200pFであった。
【0020】
さて、アノードに10kVの高電圧を印加し、カソード基板2のx方向配線12、具体的にはDox1,Dox2,…Dox(m−1),Doxm及び、y方向配線13、具体的にはDoy1,Doy2,…Doy(n−1),Doynに接続された不図示のドライバーユニットを駆動する事により、画像を表示させた。
【0021】
この状態で、様々な画像を表示させながら、700時間の耐久試験を行ったところ、異常放電検知手段3のカウンターで4回の異常放電を検知し、本発明に関わる制御が4回行われた。また、700時間後も異常放電による画素欠陥等は見られず、良好な画像を保持していた。このことから、本発明の画像形成装置が、異常放電によるダメージ緩和に有効である事が示された。
【0022】
[実施例2]
実施例1の異常放電検知手段3を光検出手段とし、カソード基板2に形成された電子源のマトリクス駆動における帰遷期間内に、異常放電の有無を検出してスイッチ4を閉開した以外は、実施例1と同様の評価を行った。光検出は、帰遷期間内にカソード基板2から駆動に関わらずに放出された電子が、蛍光体に照射する事により発する光を検知するものである。この駆動に関わらずに放出された電子と異常放電との相関については、不明な点が多いものの、上述の駆動に関わらない電子放出量が多くなると、異常放電にいたる場合がある。そこでバックグランドを含めた平均的なシグナルを予め測定し、その値と比較して2倍以上のシグナルを検知したときに、帰遷期間内にスイッチ4を閉じて10μ秒後に再度スイッチ4を開くようにした。また、実施例1と同様に、カウンターを用いて、スイッチ4の閉開動作の数を測定した。
【0023】
700時間の耐久試験を行ったところ、カウンターで7回の異常放電を検知し、本発明に関わる制御が7回行われた。続いて、画素欠陥の有無を調査したところ、700時間駆動した事による欠陥は見られず、良好な画像を保持していた。このことから、本発明の画像形成装置が、異常放電によるダメージ緩和に有効である事が示された。
【0024】
[実施例3]
実施例1の異常放電検知手段3を、駆動のために印加される電圧に重畳して観測される電圧とした。それ以外は実施例1と同様の構成で評価を行った。駆動のために印加される電圧とは、具体的には、マトリクス配線のx方向配線の1本を選択して印加する電圧であり、本実施例では、選択素子の電極間に15Vの電位差を生じるように印加した。異常放電が生じた場合に、アノード基板1からカソード基板2に電流が流れ、同時に駆動のために印加している電圧に乱れを生ずる。本実施例では、駆動パルスが入ってから立ち下がるまでに、0.5V以上の乱れを生じた場合にスイッチ4の閉開を行うようにした。スイッチ4の閉から開になる時間は10μ秒とした。また、実施例1と同様に、カウンターを用いて、スイッチ4の閉開動作の数を測定した。
【0025】
700時間の耐久試験を行ったところ、カウンターで3回の異常放電を検知し、本発明に関わる制御が3回行われた。続いて、画素欠陥の有無を調査したところ、700時間駆動した事による欠陥は見られず、良好な画像を保持していた。このことから、本発明の画像形成装置が、異常放電によるダメージ緩和に有効である事が示された。
【0026】
尚、上述の実施例1〜3に用いた異常放電検知手段3は、数種類を組み合わせて使用してもまったく問題はなく、また、異常放電検知手段はこれらに限られるものではない。
【0027】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明の画像形成装置によれば、異常放電による画素欠陥等の各種ダメージを効果的に抑制する事が可能である。
【0028】
本発明によれば、異常放電を検知する事により、アノードの電位を急速にカソードの電位に近づけるように制御し、このとき、アノードとカソード間に蓄積された電荷を速やかに、放電経路とは別の、高電圧を短絡する手段により、主に開放することにより、異常放電の開始時に、アーク放電等の異常放電に必須のアノードとカソードの電位差を低下させられる。これにより、アーク放電に至らしめないか、或いは、その規模を著しく縮小する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する画像形成装置の構成を示す模式図。
【図2】予備的検討に使用した画像形成装置の構成を示す模式図。
【図3】予備的検討により測定されたアノード電位及びアノードからカソードに流れる電流の時間変化を示すグラフ。
【図4】本発明の画像形成装置に使用可能な電子放出素子の一例である、表面伝導型電子放出素子により構成された電子源、及びアノード基板からなる画像表示部の模式図。
【図5】従来のアーク電流を制限する技術を示す模式図。
【符号の説明】
1 アノード基板
2 カソード基板
3 異常放電検知手段
4 アノードとカソードを短絡させるスイッチ
5 高圧電源
6 抵抗
7 抵抗
8 制御信号
9 アノードと高圧電源を遮断するためのスイッチ
10 電位計
12 x方向配線
13 y方向配線
15 表面伝導型電子放出素子
16 カソード基板2を支えるリアプレート
17 ガラス基体
18 蛍光体
19 メタルバック
20 アノード基板1とカソード基板2を固定する支持枠
21 基板
22 カソード電極
23 エミッタ
24 カソード導体
25 絶縁体
26 ゲート
27 アノード
28 インダクタ
29 抵抗
30 電圧ソース

Claims (6)

  1. アノード及びカソード電極を有する平板型画像形成装置において、
    前記アノードに電圧を印加するための高圧電源と、
    該高圧電源と前記アノードとの間に直列に設けられており、前記高圧電源から前記アノードに流れる電流を制限する電流制限抵抗と、
    前記アノードとカソード電極間の異常放電を検知もしくは予測する手段と、
    該異常放電を検知もしくは予測した場合に該アノードとカソード間の電位差を小さくする手段と、
    を有しており、
    前記異常放電を検知もしくは予測した場合に、前記アノードとグランドとの間を前記電流制限抵抗を介さずに接続するためのスイッチ、を前記電位差を小さくする手段が有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記異常放電を検知もしくは予測する手段が、前記アノード電位の変化量に基づいて該異常放電を検知もしくは予測する手段であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. アノード及びカソード電極を有する平板型画像形成装置において、
    前記アノードに電圧を印加するための高圧電源と、
    該高圧電源と前記アノードとの間に直列に設けられており、前記高圧電源から前記アノードに流れる電流を制限する電流制限抵抗と、
    前記アノードとカソード電極間の異常放電の前駆現象を検知する手段と、
    該前駆現象を検知した場合に該アノードとカソード間の電位差を小さくする手段と、
    を有しており、
    前記前駆現象を検知した場合に、前記アノードとグランドの間を前記電流制限抵抗を介さずに接続するためのスイッチ、を前記電位差を小さくする手段が有することを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記カソードが、複数の電子放出素子からなる電子源により構成され、前記異常放電を検知もしくは予測する手段が、該電子源の駆動に関わり印加される電圧に重畳されて観測される電圧、或いはそれに対応した電流の変化に基づいて該異常放電を検知もしくは予測する手段であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記電子源が、表面伝導型電子放出素子により構成されていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記カソードが、複数の電子放出素子からなる電子源により構成され、前記異常放電を検知もしくは予測する手段が、該電子源から放出される電子により発光する蛍光体からの光を検出することにより該異常放電を検知もしくは予測する手段であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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