JP3792915B2 - ガスタ−ビン制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンプラントのガスタービン制御装置に係り、特にガスタービンプラント高温部品の過温度からの保護を図りつつ、好適なガスタービン制御を行えるようにしたガスタービン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図21は、従来のガスタービンプラントの一例を示す概略構成図である。図21において、入口空気案内翼1を介して取り入れられた空気は、空気圧縮機2にて高圧空気に圧縮される。その圧縮された吐出空気は空気流路3を通り燃焼器4に入り、燃料の燃焼用空気として使用される。燃焼器4は、ガスタービン軸9を中心として環状に複数台設けられているが、ここでは便宜上、そのうち1台だけを図示している。
【0003】
一方、燃料圧力制御弁5により圧力制御された燃料は、その燃料配管の下流の燃料流量制御弁6を介して、その燃料配管の先の燃料ノズル7から燃焼器4に送給され、燃焼器4の器内で燃焼して高温高圧ガスとなる。
【0004】
燃料圧力制御弁5と燃料流量制御弁6の間の燃料配管には燃料流量制御弁6の1次側燃料圧力を検出する第1圧力検出器18が設けられている。燃焼器4の器内の高温高圧の燃焼ガスは、ガスタービン8に送給されてガスタービン軸9を回転させ、同軸に結合されている発電機10より発電機出力を得る。
【0005】
ガスタービン8から排出された排ガスは、煙突にぬけていくか、あるいは、コンバインドサイクル発電プラントの場合は、排熱回収ボイラの熱源としで利用された後煙突に抜けていく。
【0006】
ガスタービン制御装置11は、軸端歯車12に近接して取り付けられた速度検出器13から得たガスタービン速度N、空気圧縮機2の吐出空気流路に設けられた吐出空気圧力検出器15から得る吐出空気圧力PCD、燃焼器4の器内の火炎を検出する火炎検知器14から得る火炎検知信号FLM、燃料圧力制御弁5の弁開度検出器16から得る燃料圧力制御弁開度LP、燃料流量制御弁6の弁開度検出器17から得る燃料流量制御弁開度LF、第1圧力検出器18から得る燃料圧力PF、ガスタービン排ガス温度検出器19から得る排ガス温度TX、発電機出力検出器20から得る発電機出力等の諸信号を入力している。
【0007】
それら諸信号に基づいて、ガスタービン制御装置11は、燃料圧力制御信号PREFおよび燃料流量制御信号FREFを、燃料圧力制御弁5および撚料流量制御弁6に与えて燃料流量を調節する。
【0008】
また、ガスタービン制御装置11は、点火器21に着火指令FLXを与えて燃料ノズル7から噴射された燃料を着火させて燃焼器4の器内に高温高圧の燃焼ガスを発生させる。さらに、ガスタービン制御装置11は、入口空気案内翼制御信号IREFを入口空気案内翼1に与えて、空気圧縮機2の入口空気流量を調節している。
【0009】
図22はガスタービン制御装置11の構成を示すブロック図である。ガスタービン制御装置11はガスタービン速度Nに基づいて決められた燃料圧力設定値に、燃料圧力制御弁5の2次側燃料圧力PF、すなわち燃料流量制御弁6の1次側燃料圧力PFを制御する燃料圧力制御部47と、燃料圧力制御部47の与える燃料圧力制御弁開度指令PRFに燃料圧力制御弁開度LPを制御するために燃料圧力制御弁5に制御信号PREFを与える制御部を備えている。
【0010】
また、ガスタービン8の起動時に起動制御信号SRFを与えて燃料流量を調節し、ガスタービン速度Nを定格速度まで昇速する起動制御部22を備えている。さらに、ガスタービン速度Nと発電機出力MWを制御するための速度負荷制御部23を備えている。また、ガスタービン排ガス温度TXを所定上限値に制御するための排ガス温度制御部24を備えている。
【0011】
また、起動制御部22が与える起動制御信号SRFと、速度負荷制御部23が与える速度負荷制御信号NRFと、排ガス温度制御部24が与える排ガス温度制御信号TRFとのうち小さい方を選択し、燃料流量制御弁開度指令FRFとして出力する燃料流量制御信号選択回路25を備えている。
【0012】
さらに、燃料流量制御弁開度指令FRFに燃料流量制御弁開度LFを制御するために燃料流量制御弁6に制御信号FREFを与える制御部を備えている。ガスタービン8の起動では、図21にて図示を省略している起動モータおよびトルクコンバータによりガスタービン軸9に起動トルクが与えられてガスタービン8が回転する。ガスタービン8を所定パージ時間の間、パージ速度で回転させることにより、燃焼器4より下流の燃焼ガス流路の残留燃料をパージした後、所定ガスタービン速度まで速度降下させる。
【0013】
所定ガスタービン速度にて着火操作に入る時点から燃料供給が開始される。その時点までは燃料圧力制御弁5と燃料流量制御弁6は全閉している。ガスタービン速度Nが起動モータおよびトルクコンバータにより着火速度に達すると、まず燃料圧力制御部47では、ガスタービン速度Nの関数として関数発生器26により得られた燃料圧力設定PRに燃料圧力PFを制御しようとする。
【0014】
関数発生器26の特性は図23に示す。ガスタービン速度Nの上昇に従い燃料圧力設定PRが上昇する特性にしてある。燃料圧力制御偏差PEか減算器27で演算され、制御偏差PEを入力として比例積分制御器28は燃料圧力制御弁開度指令PRFを与える。開度指令PRFと燃料圧力制御弁開度LPの開度制御偏差LPEが減算器29により演算され、開度制御偏差LPEに応じた制御信号PREFが燃料圧力制御弁5を動作させる。このようにして燃料圧力制御弁5が開き、燃料圧力PFは燃料圧力設定PRに制御される。
【0015】
この制御動作の開始は、着火速度到達のタイミングで発せられる着火指令により行われるが、起動制御部22では同じ着火指令によりスイッチ30が閉路し、信号発生器31の着火開度設定値がスイッチ30を介して変化率制限器32に送られる。
【0016】
このとき(スイッチ30が閉路した時)は、着火開度設定がそのまま変化率制限器32を通過し起動制御信号SRFとなる。この時点では速度負荷制御信号NRFおよび排ガス温度制御信号TRFよりも起動制御信号SRFの方が小さいので、燃料流量制御信号選択回路25で選択され、その結果、燃料流量制御弁開度指令FRFが着火開度設定となる。
【0017】
減算器33により開度指令FRFと燃料流量制御弁開度LFの開度制御偏差LFEが演算され、開度制御偏差LFEに応じた制御信号FREFが燃料流量制御弁6を動作させる。このようにして、燃料流量制御弁6の開度LFが着火開度設定に制御される。
【0018】
また同時に、同じ着火指令により、図21で図示した点火器21に火花を発生させると燃焼器4内で燃焼が開始する。そして火炎検知器14により火炎が検知されると、燃焼の安定化を図るため数秒の時間経過後に起動制御部22のスイッチ34がガスタービン暖機指令により閉路すると共にスイッチ30が開路し、信号発生器35の暖機開度設定値がスイッチ34を介して変化率制限器32に送られる。この時も暖機開度設定がそのまま変化率制限器32を通過し起動制御信号SRFとなる。このようにして、起動制御信号SRFは、火炎検知とともに、大きな着火開度設定値から小さな暖機開度設定値に切り換わる。
【0019】
そして、着火時と同様にして燃料流量制御弁開度指令FRFが暖機開度設定値となり、燃料流量制御弁開度LFを暖機開度に制御する。所定時間の間、燃料流量制御弁開度LFを暖機開度設定値に保存してガスタービン8を暖機する。暖機が完了すると、起動制御部22のスイッチ36が閉路すると共にスイッチ34が開路し、信号発生器37の起動上限設定値がスイッチ36を介して変化率制限器32に送られる。
【0020】
この時は、変化率制限器32は所定変化率で起動制御信号SRFを起動上限設定値まで増加させていき、ガスタービン8を定格速度に向けて速度上昇させる。
【0021】
この間の起動制御信号SRFの変化を図24に示す。時刻t1で着火指令により着火開度設定値となる。時刻t2で火炎が検知されると、燃焼安定化のため数秒経過後、暖機開度設定値まで燃料流量が絞られる。時刻t3でガスタービン暖機が完了すると所定変化率で起動制御信号SRFは起動上限設定値まで増加していく。
【0022】
この間の燃料流量制御弁の1次側燃料圧力PFは、図23で示すように、ガスタービン速度Nの上昇と共に燃料圧力が上昇するように制御されている。
【0023】
また一方、燃焼器4に空気圧縮機2より送給される燃焼用空気の流量調節は入口空気案内翼1により行われている。図示しない入口空気案内翼制御回路は、ガスタービン速度の上昇に応じて入口空気案内翼角度指令IREFを増加させることにより、燃焼用空気流量を増加させていく。
【0024】
このようにして、燃料と空気流量が増加するに従い、空気圧縮機吐出空気圧力PCDおよび燃焼器器内圧力も上昇してゆき、ガスタービン速度Nが上昇し、やがてガスタービン定格速度近くに達する。
【0025】
図22における速度負荷設定器38には、ガスタービン昇速中はガスタービン定格速度制御のための初期値が設定されている。ガスタービン速度Nが上昇するに従い、減算器39で得られる、速度負荷設定NRとガスタービン速度Nの制御偏差NEが小さくなっていく。この制御偏差NEを比例制御器40に通して得られる信号が速度負荷制御信号NRFとなる。
【0026】
この速度負荷制御信号NRFは、ガスタービン定格速度近くに起動制御信号SRFよリ小さくなるので、燃料流量制御信号選択回路25の選択する燃料流量制御信号FRFは、起動制御信号SRFから速度負荷制御信号NRFに切り換わる。こうして、ガスタービン速度Nは速度負荷制御信号NRFにより定格速度に制御される。すみやかに発電機10は電力系統に併入され、以降ガスタービン速度Nは系統周波数に同期するようになる。
【0027】
次に、負荷指令設定器41の負荷(発電機出力)指令MWDが外部の装置の増加操作により増加していくと、減算器42の与える、負荷指令MWDと負荷(発電機出力)MWの偏差MWEが正の極性となり、上下限制限器43を介して速度負荷設定器38に、この正の偏差信号が与えられる。速度負荷設定器38は積分器として動作するので、この正の入力信号に応じて速度負荷設定NRが上昇する。
【0028】
ガスタービン速度Nは系統周波数に等しいので、速度負荷設定NRの上昇に従い、速度負荷制御信号NRFおよび燃料流量制御信号FRFが増加し、燃焼器4に送給される燃料流量が増加する。燃料流量が増加すると、ガスタービン排ガス温度TXが上昇する。
【0029】
排ガス温度TXが上昇すると、図示しない入口空気案内翼制御回路により入口空気案内翼角度指令IREFは入口空気案内翼を更に開いていく方向に制御して、空気流量を増加させる。
【0030】
このようにして、燃料流量、空気流量が増加すると、空気圧縮機吐出空気圧力PCD、燃焼器器内圧力、燃焼器器内燃焼ガス温度、負荷MWが増加する。
【0031】
ところで、排ガス温度制御部24は、空気圧縮機吐出空気圧力PCDの関数として、関数発生器44により与えられる排ガス温度上限値TRに排ガス温度TXを制御するものである。発電機出力MWをいっぱいまで高くしていくと、入口空気案内翼角度は上限となり、やがて排ガス温度TXは排ガス温度上限値TRに達するので、減算器45で演算された制御偏差TEが負となり、比例積分制御器46の値、すなわち排ガス温度制御信号TRFが減少し、燃料流量制御弁開度指令FRFが速度負荷制御信号NRFから排ガス温度制御信号TRFに切換る。
【0032】
関数発生器44の特性を図25に示す。図25において、併記してあるカーブTAは排ガス温度高警報設定値、カーブTTは排ガス温度高トリップ設定値であり、この両者はガスタービンを過温度から保護しようとするものである。
【0033】
図25における排ガス温度上限値TRが、空気圧縮機吐出空気圧力PCDの上昇と共に右下がりになっているのは、ガスタービン効率が高くなっていくからで、燃焼器器内燃焼ガス温度およびガスタービン入口ガス温度を高温部品材料および高温部品冷却性能から決まる所定の計容温度で運転するためには、ガスタービン排ガス温度TXを図示のように制御しなければならないことを示している。
【0034】
次に本発明に関する従来技術の特徴的な内容を補足説明する。着火時には、燃空比が着火条件を満足するように、比較的多い燃料流量が燃焼器4に供給される。そして着火すると排ガス温度TXは相当高温まで上昇する。火炎検知後は燃焼の安定化を図るため、数秒の時間経過後に燃料流量制御弁開度LFを着火開度から暖機開度まで絞る。
【0035】
排ガス温度検出器19は、周囲の金属ダクト等の温度の影響を大きく受けると、共に熱電対そのものの検出遅れがある。そのため実際の排ガス流そのものの温度に比べて着火時の排ガス温度TXは低めになり、且つ時間遅れをもって現れる。
【0036】
ガスタービン保護のための過温度の検出は、図25に示すように排ガス温度TXにより行っているが究極の目的は燃焼器4及びガスタービン8の入口の高温部品を過温度の燃焼ガスから保護しようとするものであるから、保護動作は速やかに且つ正確に行うことが不可欠である。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のガスタービン制御装置では、着火操作時に過大の燃料流量が供給された場合には、ガスタービン排ガス温度の検出遅れがあるので、十分なガスタービンプラン卜保護が困難であるという不適合があった。
【0038】
また、高負荷運転域では、ガスタービン排ガスの温度制御が行われているものの、排ガス温度制御の上限設定値と排ガス温度高警報設定値および排ガス温度高トリップ設定値の間に余裕が少ないため、燃料圧力制御弁の上流側で燃料圧力変動が発生した場合に相当量の燃料流量が供給されると、ガスタービン排ガス温度の検出遅れがあるので、すみやかに燃料流量を絞ってガスタービントリップを回避することおよび十分なガスタービンプラント保護が困難であるという不適合があった。
【0039】
本発明の目的は、ガスタービンプラントにおける高温部品の過温度からの保護を図りつつ、好適なガスタービン制御を行えるガスタービン制御装置を提供することにある。
【0040】
【課題を解決するための手段】
前記目的を実現するため、請求項1に対応する発明は、空気圧縮機と共に同軸上に結合されるガスタービンと、前記空気圧縮機からの吐出空気と燃料配管を経て送給される燃料とを混合燃焼して前記ガスタービンに燃焼ガスを送給する燃焼器と、この燃焼器の入口側燃料配管に配置される燃料流量制御弁および燃料ノズルと、前記燃料流量制御弁の1次側燃料配管に配置された燃料圧力制御弁と、前記燃料流量制御弁の1次側燃料圧力を検出する第1圧力検出器とを備え、前記燃料圧力制御弁により前記燃料流量制御弁の1次側燃料圧力を制御すると共に、前記燃料流量制御弁により前記燃焼器に送給される燃料流量を制御するガスタービン制御装置において、前記燃料流量制御弁の開度に基づいて前記燃料圧力制御弁の開度制限値を与え、前記燃焼器の着火操作中に前記燃料圧力制御弁の開度が前記開度制限値を越えたことによりガスタービントリップとするようにしたガスタービン制御装置である。
【0041】
請求項1に対応する発明によれば、着火操作中の燃料流量制御弁開度が何らかの異常により着火開度設定値を大きく越えた場合には、ガスタービン排ガス温度検出によらずとも、燃料流量過大とみなし燃焼前にすみやかにガスタービントリップとし、ガスタービンプラントを過温度による損傷から保護することができる。逆に、着火操作中の燃料流量制御弁開度が着火開度設定値を越える程度が小さい場合には、ガスタービントリップを回避し、着火操作を続行することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細を説明する。
【0043】
<第1の実施の形態>
図1は本発明によるガスタービン制御装置の第1の実施の形態の要部のみを示すブロック図であり、これは概略、図21に示すガスタービンプラントのガスタービン制御装置11を次のように構成したものである。
【0044】
ガスタービンプラントの構成は、前述したように空気圧縮機2と共に同軸上に結合されるガスタービン8と、空気圧縮機2からの吐出空気と燃料配管を経て送給される燃料とを混合燃焼してガスタービン8に燃焼ガスを送給する燃焼器4と、燃焼器4の入口側燃料配管に配置される燃料流量制御弁6および燃料ノズル7と、燃料流量制御弁6の1次側燃料配管に配置された燃料圧力制御弁5と、燃料流量制御弁6の1次側燃料圧力を検出する第1圧力検出器18とを備え、燃料圧力制御弁5により燃料流量制御弁6の1次側燃料圧力を制御すると共に、燃料流量制御弁6により燃焼器4に送給される燃料流量を制御するガスタービン制御装置11を備えている。
【0045】
このような構成のものにおいて、本実施形態は、燃料流量制御弁6の開度に基づいて燃料圧力制御弁5の開度制限値を与え、燃焼器4の着火操作中に燃料圧力制御弁5の開度が開度制限値を越えたことによりガスタービントリップとするようにしたガスタービン制御装置である。
【0046】
これについて、図1〜図3を参照して説明する。図1において、関数発生器48は燃料流量制御弁開度LFに対応した燃料圧力制御弁開度制限値を与えるもので、その特性を図2に示す。図2におけるLF1は燃料流量制御弁6の着火開度設定値である。LF2は燃料流量制御弁全開値である。
【0047】
図1の燃料圧力制御弁開度制限値と燃料圧力制御弁開度LPが比較器49により比較され、燃料圧力制御弁開度LPが開度制限値を越えると比較器49がON信号(“1”)を出力する。火炎検知信号FLMがOFF信号(未着火:“0”)の時、その否定器50のON信号と比較器49のON信号のAND(論理積回路)51によりガスタービントリップ指令を送出することにより、燃料送給を遮断する。
【0048】
図3は図2の関数発生器48の特性を説明する図である。図3において、燃料流量制御弁開度LFが計画通りの着火開度設定に保持された場合は、燃料圧力制御弁開度LPは燃料圧力制御によりA点で示される開度となる。
【0049】
ところが、何らかの異常により、燃料流量制御弁開度LFが全開値となった場合、燃料流量制御弁の1次側燃料圧力は低下するので、燃料圧力制御は燃料圧力設定値に燃料圧力を制御しようとして燃料圧力制御弁開度を増加させB点で示される開度に制御されるので、過大な燃料流量が燃焼器4に送給されることになる。
【0050】
このようなケースにおいて、燃料流量を適正に維持するためには燃料流量は燃料圧力と燃料流量制御弁開度の積に比例することから、図3の破線で示したように燃料圧力制御弁開度LPをC点まで絞り燃料圧力を下げる必要がある。
【0051】
このような観点から、着火操作中の燃料圧力制御弁開度制限値をD点とE点で結ぶ一点鎖線で与える。図2における傾斜線部(LF1とLF2の間)は図3における一点鎖線に相当する。
【0052】
このようにしたので、着火操作中の燃料流量制御弁開度が何らかの異常により着火開度設定値を大きく越えた場合には、燃料圧力制御弁開度制限値が低くなるので、燃料流量過大としてすみやかに燃焼前にガスタービントリップ指令を出力させることができるので、ガスタービンプラントを過温度による損傷から保護することができる。
【0053】
逆に、着火操作中の燃料流量制御弁開度が着火開度設定値を越える程度が小さい場合には、燃料圧力制御弁開度制限値は比較的に高くなるので、不必要なガスタービントリップを回避し、着火操作を続行することができる。
【0054】
<第2の実施の形態>
図4は本実施の形態によるガスタービン制御装置の第2の実施の形態の要部のみを示すブロック図である。図21および図22と同一部分および相当する部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0055】
図4において、関数発生器52は燃料流量制御弁開度LFに対応した圧力制限値PRLを与えるもので、その特性を図5に示す。図5におけるLF1は燃料流量制御弁の着火開度設定値である。LF2は燃料流量制御弁全開値である。圧力制限値PRLと図21の関数発生器26の出力である燃料圧力設定値PRのうち小さい方の信号が低値選択回路53で選択され、新たな燃料圧力設定値PR1として出力する。なお、圧力設定器を構成している関数発生器26の燃料圧力設定値PRは、図23に示すようにガスタービン速度Nの上昇に従い燃料圧力設定値PRが上昇する特性となっている。
【0056】
スイッチ54は着火操作中は図示のように燃料圧力設定値PR1を選択し、火炎検知後、ガスタービン暖機操作に移ると、燃料圧力設定値PR側を選択し、別の新たな燃料圧力設定値PR2が得られるようにしている。
【0057】
関数発生器52を図5のような形状の特性にしている理由は、第1の実施の形態において図3を使って説明した理由に同等である。着火操作中の燃料流量制御弁開度が着火開度設定値を越えるに応じ、燃料圧力PFを減少させるようにして適止な燃料流量を燃焼器に送給するようにしている。
【0058】
このようにしたので、着火操作中の燃料流量制御弁開度が何らかの異常により着火開度設定値を大きく越えることがあっても、燃料圧力を絞ることにより適正な燃料流量を燃焼器に送給することができる。それゆえ、ガスタービンプラントを過温度による損傷から保護しながら、ガスタービン制御を続行することができる。
【0059】
<第3の実施の形態>
図6はガスタービン制御装置の第3の実施の形態の要部のみを示すブロック図である。図21および図22と同一部分および相当する部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0060】
図6において、関数発生器55は図21の燃料流量制御弁開度LFに対応した燃料圧力制御弁間度制限値PRFLを与えるもので、その特性を図7に示す。図7におけるLF1は燃料流量制御弁の着火開度設定値である。LF2は燃料流量制御弁全開値である。
【0061】
燃料圧力制御弁開度制限値PRFLと燃料圧力制御弁開度指令PRFのうち小さい方の信号が低値選択回路56で選択され、新たな燃料圧力制御弁開度指令PRF1として出力する。
【0062】
スイッチ57は着火操作中は図示のように開度指令PRF1を選択し、火炎検知後、ガスタービン暖機操作に移ると、開度指令PRF側を選択し、別の新たな開度指令PRF2が得られるようにしている。
【0063】
関数発生器55を図7のような形状の特性にしている理由は、第1の実施の形態において、図3を使って説明した理由と同等である。着火操作中の燃料流量制御弁開度が着火開度設定値を越えるに応じ、燃料圧力制御弁開度指令を減少させるようにして適正な燃料流量を燃焼器に送給するようにしている。
【0064】
このようにしたので、着火操作中の燃料流量制御弁開度が何らかの異常により着火開度設定値を大きく越えることがあっても、燃料圧力制御弁開度を絞ることにより適正な燃料流量を燃焼器に送給することができる。それゆえ、ガスタービンプラントを過温度による損傷から保護しながら、ガスタービン制御を続行することができる。
【0065】
<第4の実施の形態>
図8は本発明によるガスタービン制御装置の第4の実施の形態を示すブロック図である。図21および図22と同一部分および相当する部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0066】
図8における関数発生器58は図22における信号発生器31に代えて新たに設けたもので、関数発生器58の入力は燃料圧力制御偏差PEと接続される。図8において関数発生器58は燃料圧力制御偏差PEに対応した着火開度設定値LFXを与えるもので、その特性を図9に示す。
【0067】
着火指令によりスイッチ30が閉路すると、着火開度設定値LFXが燃料流量制御弁開度指令FRFとなって、燃料流量制御弁開度LFを制御する。燃料圧力制御が不調で燃料圧力PFが圧力設定値を大きくオーバーシュートした場合、圧力制御偏差PEは負極性となり、図9の関数発生器58により燃料流量制御弁着火開度設定値は圧力制御偏差PEの大きさに応じて減少するようにしている。
【0068】
このようにしたので、着火操作中の燃料圧力制御が不調となつて燃料流量制御弁6の1次側燃料圧力が圧力設定値を大きく越えることがあっても、燃料流量制御弁着火開度を修正することにより、適正な燃料流量を燃焼器4に送給することができる。それゆえ、ガスタービンプラントを過温度による損傷から保護しながら、ガスタービン制御を続行することができる。
【0069】
<第5の実施の形態>
図10は本発明にガスタービン制御装置の第5の実施の形態を示すブロック図である。図21および図22と同一部分および相当する部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0070】
ガスタービンパージ速度にて所定時間の間、燃焼器4より下流の燃焼ガス流路の残留燃料をパージするとパージ完了となリ、トルクコンバータによりガスタービン着火速度までガスタービン速度を降下させる。この時点では、燃料圧力制御弁5、燃料流量制御弁6ともに全閉している。
【0071】
ガスタービン8が着火速度に到達し、図10におけるAND(論理積回路)59の論理積が成立すると、まず、着火指令として図22におけるスイッチ30が閉路し、燃料流量制御弁開度指令FRFが着火開度設定値となり、燃料流量制御弁開度LFは着火開度に制御される。そして、ガスタービントリップ後の停止過程における途中起動のケースのように、燃料圧力制御弁5と燃料流量制御弁6の間に高圧の燃料が残留している場合は、その残留燃料は着火開度の燃料流量制御弁6の下流に放出される。
【0072】
そして、残留燃料が放出されたとみなし得る所定時間がタイマ−60により経過した時点から燃料圧力制御弁5による燃料圧力制御を開始すると共に図21における信号FLXをオンし、点火器21に火花を発生させて燃焼を開始させる。
【0073】
前述のように、残留燃料を放出した後に燃料圧力制御を開始するのは次の理由による。
【0074】
図22における燃料圧力制御部47の制御器は比例槓分制御器28であり、一般には、燃料圧力制御を開始するまでは図示しない回路により比例積分制御器28の出力信号は強制的に零としており、燃料圧力制御弁5も全閉している。
【0075】
また、比例積分制御器28の入力側も、常時、ガスタービン速度Nおよび燃料圧力PFを入力して、燃料圧力制御開始時点の前後の制御の連続性を図るようにしている。
【0076】
ところが、燃料圧力制御開始時点におけるガスタービン速度Nから決まる燃料圧力設定値PRに比べ残留燃料の燃料圧力が大きい場合には、圧力制御偏差PEが負極性となるので、燃料圧力制御開始前は比例積分制御器28の比例要素は負極性の値となる。
【0077】
一方、比例積分制御器28の積分要素は、燃料圧力制御開始前は、比例要素と積分要素の和が零になるように動作しているので、積分要素は正極性の値となる。
【0078】
従って、特に残留燃料の燃料圧力が高い場合には、燃料圧力制御開始時点の積分要素は大きな正極性の値となる。この状態から、従来のように、同時に燃料圧力制御弁5と燃料流量制御弁6の制御を開始すると、両弁5,6の間の燃料配管の燃料圧力PFは、まず残留燃料が放出されて燃料圧力PFが急速に降下する現象が現れるので、燃料圧力PFが急速に降下する現象が現れるので、燃料圧力PFの圧力降下分だけ圧力制御偏差PEが増加し、比例要索の値を急増させる。
【0079】
その結果、比例要素と積分要素の和である燃料圧力制御弁開度指令PRFは相当に大きな値となって燃料圧力制御弁5は大きく急開し、燃料流量制御弁6の1次側燃料圧力を急上昇させて、燃焼器4に過大な燃料流量を送給することになる。前述のように残留燃料を燃料圧力制御開始前に放出しておけば、この現象を回避することができる。
【0080】
以上述べた第5の実施形態によれば、過大な燃料流量を燃焼器4に送給することなく、好適な着火操作とガスタービン制御を行うことができる。
【0081】
<第6の実施の形態>
図11は本発明によるガスタービン制御装置の第6の実施の形態の一部を示すブロック図である。ここでは、図21、図22および図10と同一部分および相当する部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0082】
図11において、燃料圧力PFは信号発生器61の与える無圧に相当する設定値と比較器62で比較され、燃料圧力PFがこの設定値以下になると比較器62は残留燃料放出完了とみなしてON信号を出力する。AND59の出力および比較器62の出力がともに成立するとAND(論理積回路)63により燃料圧力制御を開始すると共に点火器21にスパーク指令を出して燃焼を開始する。
【0083】
第5の実施の形態では、残留燃料放出完了に必要な放出時間を図10のタイマ−60で設定していたのに対し、この第6の実施の形態では、直接燃料圧力を見ることにより残留燃料放出完了を判定するようにしている。その作用、効果は前述した第5の実施の形態と同等であるが、本実施形態はタイマー60による遅延を使用しないので、残留燃料がない場合にはガスタービン着火速度に到達後、直ちに燃焼に移行することができる。
【0084】
以上述べた第6の実施形態によれば、過大な燃料流量を燃焼器に送給することなく、好適な着火操作とガスタービン制御を行うことができる。
【0085】
<第7の実施の形態>
図12は本発明によるガスタービン制御装置の第7の実施の形態を示すブロック図である。図21および図22と同一部分および相当する部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0086】
図12において、関数発生器64の入力側は、図22の圧力制御偏差PEに接続される。関数発生器64は燃料圧力制御部47の圧力制御偏差PEに対応した積分入力加算信号PEAを与えるもので、その特性を図13に示す。
【0087】
この積分入力加算信号PEAは比例積分制御器46の積分要累46aの入力として温度制御偏差TEと共に加算器46bにて加算される。温度制御偏差TEを比例要素46cに通して得られた信号と積分要素46aの出力信号が加算器46dにて加算されて、比例積分制御器46の出力信号としてガスタービン排ガス温度制御信号TRFが得られる。
【0088】
排ガス温度制御信号TRFが低値として燃料流量制御信号選択回路25にて選択されているときには、燃料流量制御弁6は排ガス温度TXを、排ガス温度上限値TRを目標として制御中である。
【0089】
このような高負荷運転域で運転中に燃料圧力制御弁5の1次側の燃料圧力が何らかの上流側の異常により燃料圧力高方向に大きく変動した場合、燃料流量制御弁6の1次側の燃料圧力も高い方向に変動する。
【0090】
そして、燃料圧力制御弁5は圧力制御偏差PEが負極性方向に大きくなるに応じて燃料流量を絞るように動作するが十分に絞りきれないので、図13に示すように圧力制御偏差PEが負極性方向にデッドバンドを越えて大きくなった場合には積分入力加算信号PEAに所定の負極性の値を与えて図12に示すように比例積分制御器46の積分要素46aの値を減少させる。
【0091】
それにより、検出遅れのある排ガス温度TXが上昇する前に燃料流量制御弁開度を絞るように制御して燃料流量を減少させることができるので、ガスタービンプラントの過温度による損傷を回避しつつ、好適なガスタービン制御を続行することができる。
【0092】
<第8の実施の形態>
図14は本発明によるガスタービン制御装置の第8の実施の形態を示すブロック図である。図21、図22および図12と同一部分および相当する部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0093】
図14において、変化率演算器65は排ガス温度TXを入力として排ガス温度変化率d(TX)/dtを出力する。
【0094】
そして関数発生器66は図15に示すように、入力の排ガス温度変化率が正極性のときのみ、そのまま出力として通過させ、負極性のときには零を出力する。関数発生器66で得られた排ガス温度高方向の排ガス温度変化率d(TX)/dtは、信号発生器67の与える係数と乗算器68にて乗算され、そのあと現在の排ガス温度TXと加算器69にて加算し、予測排ガス温度TXPを得る。
【0095】
この予測排ガス温度TXPは、空気圧縮機吐出空気圧力PCDを入力として関数発生器70により与えられる図25の排ガス温度高警報設定値TAあるいは排ガス温度高トリップ設定値TTと比較器71にて比較される。
【0096】
ここで、関数発生器70の出力信号は、排ガス温度高警報設定値TAあるいは排ガス温度高トリップ設定値TTのいずれかであってもよく、いずれか一方の設定値が適用される。比較器71での比較の結果、予測排ガス温度TXPが設定値より大きいときには、比較器71は図14において点線で示すようにスイッチ72を閉路し、信号発生器73の与える負極性の所定の積分入力加算信号TXAを比例積分制御器46の積分要素46aの入力信号として、温度制御偏差TEとともに加算し、排ガス温度制御信号TRFを減少させて燃料流量を減少させる。
【0097】
このように第8の実施の形態によれば、高負荷域におけるガスタービン排ガス温度制御中に、排ガス温度が高方向の高い温度変化率を示して、排ガス温度高警報設定値あるいは排ガス温度高トリップ設定値を越えると予測できる場合には、事前に燃料流量を減少させることができるので、ガスタービンプラントの過温度
による損傷を回避しつつ、好適なガスタービン制御を続行することができる。
【0098】
<第9の実施の形態>
図16は本発明のガスタービン制御装置の第9の実施の形態を示すブロック図である。図21、図22および図14と同一部分および相当する部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0099】
図16において、関数発生器70が与える排ガス温度高警報設定値TA、あるいは排ガス温度高トリップ設定値TTと、予測排ガス温度TXPとの温度差が減算器74にて演算される。
【0100】
そして、図17で図示された関数発生器75により正極性の信号が、上記温度差に対応して得られ、その信号を比例積分制御器46の積分要素46aの入力信号として加算される。従つて、予測排ガス温度が排ガス温度高警報設定値TAあるいは排ガス温度高トリップ設定値TTを越えると、該越えた温度分の大きさに応じて排ガス温度制御信号TRFを減少させることができるので、より温度上昇抑制効果が大きい。
【0101】
以上述べた第9の実施の形態によれば、高負荷域におけるガスタービン排ガス温度制御中に、排ガス温度が高方向の高い温度変化率を示して、排ガス温度高警報設定値あるいは排ガス温度高トリップ設定値を越えると予測できる場合には、事前に燃料流量を減少させることができるので、ガスタービンプラントの過温度による損傷を回避しつつ、好適なガスタービン制御を続行することができる。
【0102】
<第10の実施の形態>
図18および図19は本発明によるガスタービン制御装置の第10の実施の形態の概略構成を示す図である。図21と同一部分および相当する部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0103】
図18と図21の相違点は、燃料流量制御弁6と燃料ノズル7の間の燃料配管に第2圧力検出器76を設け燃料圧力PFBを得るようにした点である。
【0104】
図19において、燃料流量制御弁の2次側燃料の燃料圧力PFBが、信号発生器77の所定設定値を越えると比較器78がON信号を出力する。そして、火炎検知信号FLMの否定器79がONすなわち未着火のときAND(論理積回路)80が成立し、タービントリップ指令を出力して燃料送給を遮断するようにしている。
【0105】
一般に燃料ノズルを通過する燃料流量Qは
Q=C×A×(P一PCD×K)1/2
で与えられる。
【0106】
ここで、Cは流量係数、Aは燃料ノズル開口部面積、Pは燃料ノズル入口側燃料圧力、PCDは空気圧縮機吐出空気圧力、Kは係数であり、PCD×Kは燃料ノズル出口側燃料圧力である。
【0107】
従って、着火操作時の空気圧縮機吐出空気圧力PCDが一定とみなすことができれば、燃料流量Qの制限流量が与えられると、燃料圧力Pの制限値が決まる。
【0108】
図19では、その燃料圧力制限値を信号発生器73が圧力設定値として与え、燃料圧力PFBが圧力設定値を越えると燃料流量過大としてガスタービントリップとするようにしている。
【0109】
尚、図19では火炎検知されると直ちに燃料圧力PFBの監視を停止するようにしているが、少なくとも着火操作中は監視を必要とし、火炎検知後も、通常運転中における燃料圧力PFBが圧力設定値を越えない負荷域までなら監視を続行してもよい。
【0110】
以上述べた第10の実施の形態によれば、燃料圧力制御弁開度の機械的変位が小さくて精度よく着火時の開度制限値を設定することが困難な場合においても、燃料流量制御弁の2次側の燃料圧力により燃料流量過大を検出することができるので、ガスタービンプラントを過温度による損傷から保護することができると共に、不必要なガスタービントリップを回避することができる。
【0111】
<第11の実施の形態>
図18は本発明によるガスタービン制御装置の第11の実施の形態の概略構成を示す図であり、図20は本発明によるガスタービン制御装置の第11の実施の形態を示すブロック図である。
【0112】
図21および図19と同一部分および相当する部分には同一符号を付し,てその説明を劣略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。図20において、空気圧縮機吐出空気圧力PCDと信号発生器81の係数Kが乗算器82にて乗算され、その結果PCD×Kを得る。減算器83にて燃料圧力PFBとPCD×Kの圧力差を得る。この圧力差と信号発生器84の所定設定値DPが比較器85にて比較され、未着火の条件のもとで、圧力差が設定値DPを越えると燃料流量過大としてガスタービントリップ指令を出力し燃料送給を遮断する。前述の燃料流量Qの関係式は次のように変形できる。
【0113】
P−PCD×K=[Q/(C×A)]2
着火操作時の着火タイミンダが一定せず空気圧縮機吐出空気圧力PCDを変数として燃料流量過大の監視をする必要のあるケースにおいては、図20の実施の形態を適用できる。設定値DPは前述の式の[Q/(C×A)]2 に相当する。
【0114】
従って、燃料圧力制御弁開度の機械的変位が小さくて精度よく着火時の開度制限値を設定することが困難な場合においても、また、ガスタービン着火タイミングが変更される場合においでも、燃料流量制御弁の2次側の燃料圧力と空気圧縮機吐出空気圧力に基づいて燃料流量過大を検出することができるので、ガスタービンプラントを過温度による損傷から保護することができると共に、不必要なガスタービントリップを回避することができる。
【0115】
【発明の効果】
以上述べた本発明によれば、ガスタービンプラントにおける高温部品の過温度からの保護を図りつつ、好適なガスタービン制御を行えるガスタービン制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガスタービン制御装置の第1の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図2】 図1の実施の形態における燃料流量制御弁開度と燃料圧力制御弁開度制限値の特性を示す関係図。
【図3】 図1の実施の形態における関数発生器の特性を示す関係図。
【図4】 本発明のガスタービン制御装置の第2の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図5】 本発明のガスタービン制御装置の第2の実施の形態に関する圧力制限値と燃料流量制御弁開度の特性を示す関係図。
【図6】 本発明のガスタービン制御装置の第3の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図7】 本発明のガスタービン制御装置の第3の実施の形態に関する燃料圧力制御弁開度制限値と燃料流量制御弁開度の特性を示す関係図。
【図8】 本発明のガスタービン制御装置の第4の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図9】 本発明のガスタービン制御装置の第4の実施の形態に関する燃料圧力制御偏差と着火開度設定値の特性を示す関係図。
【図10】 本発明のガスタービン制御装置の第5の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図11】 本発明のガスタービン制御装置の第6の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図12】 本発明のガスタービン制御装置の第7の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図13】 本発明のガスタービン制御装置の第7の実施の形態に関する圧力制御偏差と積分入力加算信号の特性を示す関係図。
【図14】 本発明のガスタービン制御装置の第8の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図15】 本発明のガスタービン制御装置の第8の実施の形態に関する関数発生器の特性を示す関係図。
【図16】 本発明のガスタービン制御装置の第9の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図17】 本発明のガスタービン制御装置の第9の実施の形態に関する関数発生器の特性を示す関係図。
【図18】 本発明のガスタービン制御装置の第10の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図19】 本発明のガスタービン制御装置の第11の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図20】 本発明のガスタービン制御装置の第11の実施の形態の要部のみを示すブロック図。
【図21】 従来のガスタービンプラントの第1の例を示す概略構成図。
【図22】 図21のガスタービン制御装置の第1の例を示すブロック図。
【図23】 図21のガスタービン制御装置に関する関数発生器の特性を示す関係図。
【図24】 図21のガスタービン制御装置に関する起動制御信号の変化を示す関係図。
【図25】 図21のガスタービン制御装置に関する関数発生器の特性を示す関係図。
【符号の説明】
1…入口空気案内翼、2…空気圧縮機、3…空気流路、4…燃焼器、5…燃料圧力制御弁、6…燃料流路、7…燃料ノズル、8…ガスタービン、9…ガスタービン軸、10…発電機、11…ガスタービン制御装置、12…軸端歯車、13…速度検出器、14…火炎検知器、15…吐出空気圧力検出器、16…弁開度検出器、17…弁開度検出器、18…第1圧力検出器、19…ガスタービン排ガス温度検出器、20…発電機出力検出器、21…点火器、22…起動制御部、23…速度負荷制御部、24…排ガス温度制御部、25…燃料流量制御信号選択回路、26…関数発生器、27…減算器、28…比例積分制御器、29…減算器、30…スイッチ、31…信号発生器、32…変化率制限器、33…減算器、34…スイッチ、35…信号発生器、36…スイッチ、37…信号発生器、38…速度負荷設定器、39…減算器、40…比例制御器、41…負荷指令設定器、42…減算器、43…上下制限器、44…関数発生器、45…減算器、46…比例積分制御器、47…燃料圧力制御部。

Claims (1)

  1. 空気圧縮機と共に同軸上に結合されるガスタービンと、
    前記空気圧縮機からの吐出空気と燃料配管を経て送給される燃料とを混合燃焼して前記ガスタービンに燃焼ガスを送給する燃焼器と、
    この燃焼器の入口側燃料配管に配置される燃料流量制御弁および燃料ノズルと、
    前記燃料流量制御弁の1次側燃料配管に配置された燃料圧力制御弁と、
    前記燃料流量制御弁の1次側燃料圧力を検出する第1圧力検出器とを備え、
    前記燃料圧力制御弁により前記燃料流量制御弁の1次側燃料圧力を制御すると共に、前記燃料流量制御弁により前記燃焼器に送給される燃料流量を制御するガスタービン制御装置において、
    前記燃料流量制御弁の開度に基づいて前記燃料圧力制御弁の開度制限値を与え、前記燃焼器の着火操作中に前記燃料圧力制御弁の開度が前記開度制限値を越えたことによりガスタービントリップとするようにしたことを特徴とするガスタービン制御装置。
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