JP5244827B2 - ガスタービン - Google Patents

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本発明は、複数の燃料を切り換えて使用するガスタービンに関する。
複数種の燃料を使用するのに燃料の種類毎に適した構成の噴射ノズルを有する燃焼器(デュアル燃料焚き燃焼器)を備えたガスタービンがある。例えば特許文献1(特開平7−247865号公報)には、ガス燃料と油燃料とを共用するデュアル燃料焚き燃焼器が開示されている。同文献では各々の燃料配管の弁開度を制御して燃料を切り換えるが、燃料の充填や弁特性に伴う油燃料噴射量の急激な増大を抑制するために、この燃料切換の過程と切換完了の直前にホールド時間を設けることによってガスタービンの出力変動を抑制している。
特開平7−247865号公報
ところで、デュアル焚き燃焼器を搭載したガスタービンでは、燃料の種類に適合したノズルから燃料を噴射するため、噴射燃料の発熱量比率を徐々に変化させて運転中に燃料を切り換えることを可能としている。しかし、燃料の切換後に運用を停止したノズル内に燃料が残されていると、燃焼器からの伝熱や放射熱による逆火や燃料の炭化によるノズルの閉塞の要因となり得る。そのため、燃料切換後、燃料噴射を終えたノズルの燃料配管をパージしてノズル内の燃料を排出する必要がある。
しかし、燃料パージの際に配管内に残る燃料が噴射されることから、その際に計画値を超える燃料が燃焼室に噴射されことによって一時的に排気温度が上昇してしまう。この現象は体積当たりの発熱が大きい液体燃料をパージするときに特に顕著に現れ、排気温度が許容を超えて上昇した場合には排気温度過大によりガスタービンがトリップする可能性がある。
本発明の目的は、使用燃料を切り換える際の排気温度の過度な上昇によるトリップを抑制することができるガスタービンを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、空気を吸い込み圧縮する圧縮機と、この圧縮機からの圧縮空気とともに燃料を燃焼する燃焼器と、この燃焼器で生成した燃焼ガスで駆動するタービンと、このタービンの排気温度を測定する排気温度測定手段と、前記圧縮機の吸気流量を調整する調整翼と、前記燃焼器に第1の燃料を供給する第1の燃料系統と、前記燃焼器に第2の燃料を供給する第2の燃料系統と、前記調整翼並びに前記第1及び第2の燃料系統を制御し、前記圧縮機の吸気流量を調整するとともに、第1の燃料と第2の燃料とで燃焼する燃料を切り換える制御装置とを備え、前記制御装置は、排気温度が予め設定された上限値を超えないように前記排気温度測定手段からの信号を基に前記第1及び第2の燃料系統への燃料制御信号を演算し出力する燃料弁排気温度制御部と、排気温度が予め設定された上限値を超えないように前記排気温度測定手段からの信号を基に前記調整翼への開度信号を演算し出力する調整翼排気温度制御部と、前記燃焼器で燃焼する燃料の切り換え開始から運用停止した燃料系統をパージするまでの間に排気温度の測定値に設定のバイアス値を付加し、パージ後にバイアス値の付加を解除するバイアス付加制御部とを備えていて、燃料パージによる一時的な排気温度の上昇の際にガスタービントリップが生じる値まで実排気温度が上昇しないように燃料切り換え時の実排気温度を一時的に低下させることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記バイアス付加制御部は、バイアス値を付加する際には0から設定値まで設定の変化率でバイアス値を大きくしていき、バイアス値の付加を解除する際には設定値から0まで設定の変化率でバイアス値を小さくしていくことを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記バイアス付加制御部により排気温度にバイアス値が付加されている間、前記燃料弁排気温度制御部及び前記調整翼排気温度制御部は、前記調整翼の開度を全開に保ったまま前記第1及び第2の燃料系統による燃料供給量を減少させることを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記バイアス付加制御部により排気温度にバイアス値が付加されている間、前記圧縮機の吸気流量を減ずることなく出力を下げることを特徴とする。
第5の発明は、第1−第4のいずれかの発明において、前記制御装置は、燃料切り換えの際、第1及び第2の燃料の割合を設定の変化率で変えていくことを特徴とする。
本発明によれば、使用燃料を切り換える際の排気温度の過度な上昇によるトリップを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るガスタービンの全体構成を表すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るガスタービンに備えられた制御装置の燃料調整弁制御部の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るガスタービンに備えられた制御装置のIGV制御部の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るガスタービンにおける燃料噴射量とIGV開度の制御線を表した図である。 排気温度が過度に上昇してガスタービントリップが発生する原理を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るガスタービンに備えられた制御装置によるバイアス値の付加制御の手順を表したフローチャートである。 バイアスの適用によりスタービントリップが抑制される原理を説明する図である。
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るガスタービンの全体構成を表すブロック図である。
図1に示したガスタービンは、デュアル燃料燃焼器を搭載し、例えばコンバインドサイクルの一部を構成する。但し、シンプルサイクルや他のサイクルにも本発明のガスタービンは適用可能である。このガスタービンは、空気を吸い込み圧縮する圧縮機2と、この圧縮機2からの圧縮空気とともに燃料を燃焼する燃焼器3と、この燃焼器3で生成した高温の燃焼ガスで駆動するタービン4と、このタービン4からの排気を誘導する排気ダクト5と、圧縮機2の吸気流量を調整する調整翼であるIGV(Inlet Guide Vane)1と、燃焼器3に第1の燃料(本例では燃料油)を供給する第1の燃料系統18と、燃焼器3に第2の燃料(本例では燃料ガス)を供給する第2の燃料系統19と、IGV1並びに第1及び第2の燃料系統18,19を制御する制御装置16とを備えている。
上記タービン4には負荷機器として発電機6が連結されており、タービン4で発電機6が駆動される。本実施形態では、圧縮機2、タービン4及び発電機6の同軸上に連結されていて、これらが一体に回転する。本実施形態では圧縮機2にロータ回転速度を測定する回転速度計11が設けられていて、この回転速度計11による測定値が制御装置16に入力される。
なお、本例では圧縮機2、タービン4及び発電機6が同一回転速度で回転する構成であるため、回転速度計11の設置箇所は圧縮機1に限らずタービン4又は発電機6としても良い。また、本例ではタービン4が一軸式であるが、高圧側と低圧側とで軸分離された二軸式タービンが用いられる場合もある。この場合、圧縮機及び高圧タービンの回転速度が低圧タービン及び負荷機器の回転速度と異なるが、それぞれの回転速度を検出する必要がある場合には、それぞれのロータに回転速度計を設置すれば良い。
また、IGV1は圧縮機2の入口に設けられており、制御装置16からの指令信号に応じて開度が変化することで圧縮機2への空気の流入量が調整される。このIGV1にはその開度を検出するIGV開度計10が設けられている。また、圧縮機2の出口には、圧縮機2から吐出される圧縮空気の圧力及び温度をそれぞれ測定する圧縮機吐出圧力計12及び圧縮機吐出温度計13が取り付けられている。さらに、タービン4の出口(又は排気ダクト5)にはタービン4の排気温度を測定する排気温度計14が、発電機6には発電出力を測定する出力計15がそれぞれ取り付けられている。IGV開度計10、圧縮機吐出圧力計12、圧縮機吐出温度計13、排気温度計14及び出力計15による各測定値も制御装置16に入力される。
第1の燃料系統18は、詳細には図示していないが、燃料油の供給源、この供給源と燃焼器3内のノズル(図示せず)とを接続する配管、この配管に設けたポンプ、配管に設けた燃料油流量調整弁8を備えている。第2の燃料系統19も基本的には同じ構成であり、燃料ガスを送る配管には燃料ガス流量調整弁9が設けられている。これら燃料油燃料調整弁8及び燃料ガス流量調整弁9が制御装置16からの指令信号で駆動し、各開度によって第1及び第2の燃料系統18,19による燃料機4への燃料の供給量が調整される。ここで言う調整には0(ゼロ)も含まれ、燃料油流量調整弁8又は燃料ガス流量調整弁9を全閉した場合には、第1燃料系統18又は第2の燃料系統19による燃料の供給はそれぞれ遮断される。
制御装置16は、IGV開度計10、回転速度計11、圧縮機吐出圧力計12、圧縮機吐出温度計13、排気温度計14及び出力計15による各測定値を入力し、IGV開度、ロータ回転速度、圧縮機吐出圧力、圧縮機吐出温度、排気温度及び発電出力を演算する。また、予め格納されたプログラムに従って、IGV1及び流量調整弁8,9の開度を制御し、圧縮機2の吸気流量を調整するとともに、燃料油と燃料ガスとで燃焼する燃料を切り換える。
図2は制御装置16の燃料調整弁制御部の機能ブロック図である。
図2に示したように、制御装置16には燃料調整弁制御部として、調速制御部20、起動制御部21、加速制御部22、燃料弁排気温度制御部23、低信号選択器24、燃料選択器25、燃料油弁開度指令部26、燃料ガス弁開度指令部27、減算器28、バイアス付加制御部29が備えられている。調速制御部20、起動制御部21、加速制御部22、燃料弁排気温度制御部23はいずれも燃料制御信号を演算出力する部分であり、これらは並列に存在しそれぞれが燃料制御信号を出力する。
調速制御部20は、例えば操作盤(図示せず)で入力された負荷指令17と発電機6の出力計15からの信号(発電出力の実測値)の差分を減算器28から入力し、この差分信号を基に燃料制御信号を演算し出力する。
起動制御部21は、ガスタービンの起動時に用いられる制御ロジックであり、ガスタービン起動用の燃料制御プログラムに従って燃料制御信号を出力する。
加速制御部22は、ガスタービンの昇速時に用いられる制御ロジックであり、ガスタービン昇速用の燃料制御プログラムに従って燃料制御信号を出力する。
燃料弁排気温度制御部23は、圧縮機吐出圧力計12と排気温度計14からの信号から燃焼器3の燃焼ガス温度を推定するとともに、圧縮機吐出圧力計12、排気温度計14及び低信号選択器24の信号を基に燃料制御信号を演算し出力する。燃料弁排気温度制御部23は、燃焼器3及び排気ダクト5を保護するため、各運用可能範囲(許容範囲)を考慮して予め設定された上限値を排気温度が超えないように燃料制御信号を演算する。
低信号選択器24は、調速制御部20、起動制御部21、加速制御部22、燃料弁排気温度制御部23からの信号のうち最小の燃料制御信号を選択し出力する。この出力信号は燃料選択器25及び燃料弁排気温度制御部23に入力される。
燃料弁選択器25は、使用燃料の切り換え状況に応じて燃料油と燃料ガスの燃料比率を演算し、この燃料比率で燃料制御信号を分配して燃料油弁開度指令部26及び燃料ガス弁開度指令部27に出力する。燃料油弁開度指令部26及び燃料ガス弁開度指令部27では、燃料制御信号が必要流量に換算されて、弁特性に合った開度信号としてそれぞれ燃料油流量調整弁8及び燃料ガス流量調整弁9へと出力される。
バイアス付加制御部29は、燃焼器3で燃焼する燃料の切り換え開始から運用停止した方の燃料系統をパージするまでの間に排気温度計14から燃料弁排気温度制御部23に入力される測定値に設定のバイアス値を付加し、パージ後にバイアス値の付加を解除する。
図3は制御装置16のIGV制御部の機能ブロック図である。
また、制御装置16には、図3に示したようにIGV制御部として、修正速度IGV制御部30、IGV中間開度設定部31、IGV排気温度制御部32、高信号選択器33、低信号選択器34、IGV開度指令部35、バイアス付加制御部36が備えられている。修正速度IGV制御部30、IGV中間開度設定部31、IGV排気温度制御部32は、いずれもIGV開度制御信号を演算出力する部分であり、これらは並列に存在しそれぞれが燃料制御信号を出力する。
修正速度IGV制御部30は、大気条件を考慮してロータ回転速度に対して予め用意された関数を格納しており、速度計11からのロータ回転速度の測定値、及び圧縮機吐出温度計13からの圧縮空気の測定温度を入力し、上記関数に従ってIGV開度制御信号を演算し出力する。この制御はガスタービンの起動時に適用される。
IGV中間開度設定部31は、IGV1の開度を抑制するものであり、IGV開度を抑制し圧縮機吸気流量を制限することによって排気温度を高めるようにIGV開度制御信号を演算し出力する。
IGV排気温度制御32は、ガスタービン保護のため、排気温度計14からの信号を基に排気温度が予め設定された上限値を超えないようにIGV開度指令信号を演算し出力するものである。
高信号選択器33は、IGV中間開度設定部31、IGV排気温度制御部32からの信号のうち値の高い方を選択し出力する。低信号選択器34は、修正速度IGV制御30、高信号選択器33からの信号のうち値の低い方を選択し出力する。IGV開度指令部35では、高信号選択器33からの信号を基にIGV開度指令信号が演算され、IGV1に出力される。
バイアス付加制御部36は、燃焼器3で燃焼する燃料の切り換え開始から運用停止した方の燃料系統をパージするまでの間に排気温度計14からIGV排気温度制御32に入力される測定値に設定のバイアス値を付加し、パージ後にバイアス値の付加を解除する。
ここで、図4は燃料噴射量とIGV開度の制御線を表した図である。
図4に示したように、IGVモジュレーション機能を備えた本実施形態のガスタービンにおいて、無負荷から低負荷時にかけては、燃料調整弁制御部では調速制御部20から出力された信号が選択され、IGV制御部ではIGV中間開度設定31から出力される信号(設定値)が選択される。この間はIGV開度が一定となるので、負荷上昇に伴って(調速制御部20+IGV中間開度設定部31)の制御線に沿って排気温度が上昇する。その後、排気温度が(燃料弁排気温度制御部23+IGV排気温度制御部32)の制御線に到達すると、燃料調整弁制御部では排気温度制御23から出力された信号が選択され、IGV制御部ではIGV排気温度制御32から出力される信号が選択される。したがって、入力される排気温度によって燃料噴射量は制限されるが、排気温度が許容値を超えないようにIGV開度は徐々に大きくなり、排気温度が低下する。すると燃料弁排気温度制御部23が燃料噴射量を増加させるため、結果としてIGV開度が大きくなるにつれて燃料噴射量も増大する。燃料噴射量及び出力はIGV開度が全開になる点で最大となり、ここがベース負荷点となる。
上記のような制御態様であるため、本実施形態において、実排気温度を基礎にしてガスタービンの運転が制御されている間は、出力を低下させても、図5に破線で示したような実際の排気温度の低下は生じず、IGVモジュレーション機能によって排気温度が高く維持される(実線参照)。そのため、実排気温度を基礎にしてガスタービンが運転制御されている状況下で燃料切り換えに伴う燃料パージが実行されると、同図に実線で示したように排気温度が運転危険領域に達し、ガスタービンがトリップする恐れがある。ここで言う「運転危険領域」とは、燃焼器3や排気ダクト5等の高温部材の耐熱性を考慮し、機器保護の観点で定めた許容値を超える排気温度領域を意味する。
そこで、本実施形態の制御装置16には、燃料切り替えの際に燃料弁排気温度制御部23及びIGV排気温度制御部32に入力される排気温度計14の測定値にバイアス値を付加するバイアス付加制御部29,36が備えられている。
図6は燃料切り換え時における制御装置16によるバイアス値の付加制御の手順を表したフローチャートである。このフローチャートでは、燃料油から燃料ガスに使用燃料を切り換える場合を例に挙げて説明する。
デュアル燃料焚き燃焼器において、プログラム起動後、定格運転に移行する過程で、制御装置16は所定の手順で燃料油(液体燃料)から燃料ガス(気体燃料)に燃料を切り換える。その際の燃料切り換え指令をトリガとして図6の制御手順を開始する。
制御装置16は、ステップS101で燃料切り換え指令があった場合、ステップS102に手順を移し、タービン出力が切り換え許可出力(設定値)を超えたかどうかの判定を繰り返す。タービン出力が切り換え許可出力を超えたら、制御装置16は、ステップS103に手順を移し、バイアス付加制御部29,36によって、燃料弁排気温度制御部23及びIGV排気温度制御部32に入力される排気温度計14による測定値にバイアス値を付加し始める。ここで排気温度に付加するバイアス値は、一定時間後に設定値に達するように0(ゼロ)から設定変化率で増大していく。続くステップS104では、排気温度に付加するバイアス値が設定値に達したかどうかを繰り返し判定し、バイアス値が設定値に達したら手順をステップS105に移す。
ステップS105では、燃料選択器25によって、燃料油流量調整弁8を全閉(開度0%)に向けて徐々に閉じていく一方で、燃料ガス流量調整弁9を全閉(開度0%)から徐々に開けていき、燃焼器3への燃料の分配比率を(燃料油100%:燃料ガス0%)から(燃料油0%:燃料ガス100%)へと変えていく。この分配比率の変動に際し、流量制御弁8,9の開度は、燃料器3に噴射される燃料油と燃料ガスの時間当たりの総発熱量が変化しないよう制御される。
ステップS106では燃料ガスの比率が100%に達したかどうかを繰り返し判定する。燃料ガスの比率が100%に達したらステップS107に移行し、燃料ガス比率100%に達してからパージ実行時間(事前の設定値)が経過するのを待ってステップS108に移り、運用を停止した第1の燃料系統18の配管及びノズルから非燃性ガスを噴出し、第1の燃料系統18の配管及びノズルをパージする。
続くステップS109では、第1の燃料系統18のパージを実行からパージ解除時間(事前の設定値)が経過するのを待ってステップS110に移り、バイアス付加制御部29,36によって、燃料弁排気温度制御部23及びIGV排気温度制御部32に入力される排気温度計14による測定値へのバイアス値の付加を解除し始める。その際のバイアス値は、バイアス値が一定時間後に0(ゼロ)になるように設定値から設定変化率で減少していく。続くステップS111では、バイアス値が0(ゼロ)になったかどうかを繰り返し判定し、バイアス値の付加が解除されたら、図6の燃料切り換え制御の手順を完了する。
以上のように、本実施形態によれば、燃焼器3で燃焼する燃料の切り換え開始から運用停止した方の燃料系統をパージするまでの間(このタイミングは上記の「パージ実行時間」の設定による)に排気温度計14から燃料弁排気温度制御部23及びIGV排気温度制御32に入力される排気温度の測定値に設定のバイアス値を付加し、パージ後にバイアス値の付加を解除する。バイアス値の付加及び解除のタイミングは、図6で説明した「切り換え許可出力」「(バイアス値の増大及び減少の)変化率」「パージ実行時間」「パージ解除時間」等の設定による。
すなわち、パージ実行時には制御装置16の排気温度制御部23,32には実際の排気温度よりもバイアス値分だけ大きな値が入力される。結果として燃料弁排気温度制御部23によって燃料噴射量が抑制され、バイアス値の増加に伴って燃料噴射量は減少しガスタービン出力も低下していく。一方、実際の排気温度が徐々に低下するところ、これに加算されるバイアス値が徐々に増大するため、IGV排気温度制御部32に入力される見かけ上の排気温度(図7に破線で図示)は維持され、IGV排気温度制御32によるIGV開度指令が全開又はそれに近い開度に維持される。その結果として、吸気流量が保たれたまま燃料量のみが減少するので、実際の排気温度(図7に実線で図示)は減少する。つまり、排気温度制御部23,32が維持する排気温度はバイアス値が上乗せされた見かけ上の値であるため、実際の排気温度はそれよりもバイアス値分だけ低い値になる。このように燃料切り換え時に実排気温度を一時的に低下させることができるので、実際の排気温度と運転危険領域との差を十分に確保することができ、燃料パージの際の一時的な排気温度の上昇を吸収することができる。
これにより、燃料切換用に複雑な制御ロジックを追加することなく、排気温度制御線近傍の高負荷運転中の燃料切り換えの際の燃料パージに起因するトリップを抑止することができ、ガスタービンの運用性や安全性を向上させることができる。
なお、以上においては、二種類の燃料を使用する場合に本発明を適用する場合を例に挙げて説明したが、三種類以上の燃料を使用する場合の一の燃料から他の燃料への燃料切り換え時にも本発明は適用可能である。また、液体燃料から気体燃料に燃料を切り換える場合に限らず、液体燃料から別の液体燃料に切り換える場合、気体燃料から液体燃料に切り換える場合、気体燃料から別の気体燃料に切り換える場合にもそれぞれ適用可能である。
1 IGV(調整翼)
2 圧縮機
3 燃焼器
4 タービン
5 排気ダクト
6 発電機
8 燃料油流量調整弁
9 燃料ガス流量調整弁
14 排気温度計
16 制御装置
18 第1の燃料系統
19 第2の燃料系統
23 燃料弁排気温度制御部
29 バイアス付加制御部
32 IGV排気温度制御部(調整翼排気温度制御部)
36 バイアス付加制御部

Claims (5)

  1. 空気を吸い込み圧縮する圧縮機と、
    この圧縮機からの圧縮空気とともに燃料を燃焼する燃焼器と、
    この燃焼器で生成した燃焼ガスで駆動するタービンと、
    このタービンの排気温度を測定する排気温度測定手段と、
    前記圧縮機の吸気流量を調整する調整翼と、
    前記燃焼器に第1の燃料を供給する第1の燃料系統と、
    前記燃焼器に第2の燃料を供給する第2の燃料系統と、
    前記調整翼並びに前記第1及び第2の燃料系統を制御し、前記圧縮機の吸気流量を調整するとともに、第1の燃料と第2の燃料とで燃焼する燃料を切り換える制御装置とを備え、
    前記制御装置は
    気温度が予め設定された上限値を超えないように前記排気温度測定手段からの信号を基に前記第1及び第2の燃料系統への燃料制御信号を演算し出力する燃料弁排気温度制御部と
    気温度が予め設定された上限値を超えないように前記排気温度測定手段からの信号を基に前記調整翼への開度信号を演算し出力する調整翼排気温度制御部と、
    前記燃焼器で燃焼する燃料の切り換え開始から運用停止した燃料系統をパージするまでの間に排気温度の測定値に設定のバイアス値を付加し、パージ後にバイアス値の付加を解除するバイアス付加制御部とを備えていて、
    燃料パージによる一時的な排気温度の上昇の際にガスタービントリップが生じる値まで実排気温度が上昇しないように燃料切り換え時の実排気温度を一時的に低下させることを特徴とするガスタービン。
  2. 請求項1のガスタービンにおいて、前記バイアス付加制御部は、バイアス値を付加する際には0から設定値まで設定の変化率でバイアス値を大きくしていき、バイアス値の付加を解除する際には設定値から0まで設定の変化率でバイアス値を小さくしていくことを特徴とするガスタービン。
  3. 請求項1又は2のガスタービンにおいて、前記バイアス付加制御部により排気温度にバイアス値が付加されている間、前記燃料弁排気温度制御部及び前記調整翼排気温度制御部は、前記調整翼の開度を全開に保ったまま前記第1及び第2の燃料系統による燃料供給量を減少させることを特徴とするガスタービン。
  4. 請求項3のガスタービンにおいて、前記バイアス付加制御部により排気温度にバイアス値が付加されている間、前記圧縮機の吸気流量を減ずることなく出力を下げることを特徴とするガスタービン。
  5. 請求項1−4のいずれかのガスタービンにおいて、前記制御装置は、燃料切り換えの際、第1及び第2の燃料の割合を設定の変化率で変えていくことを特徴とするガスタービン。
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