JP3792601B2 - 映像信号の圧縮装置およびその方法ならびに映像信号の復元装置およびその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号を圧縮する圧縮装置、および、映像信号の圧縮方法、ならびに、圧縮された映像信号を復元する復元装置、および、そのような映像信号を復元する復元方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯端末やPDA(Personal Digital Assistant)に対する映像の配信サービスが普及し始めている。このような配信サービスにおける映像の符号化技術としては、MPEG−4(Moving Picture Experts Group-4)が採用されている。このMPEG−4においては、伝送路の帯域に制限のある移動体通信などに適合するように、空間解像度だけでなく、時間方向の周波数を変更することで時間解像度の削減処理も行われ、映像の低フレームレート化が実現されている。
【0003】
このような処理の従来例としては、一定のフレームレートで映像表示する際に、変換先のコマ数に合わせて変換元映像を単純に間引く方法があげられる。例えば、SIF(Source Input Format)であれば30フレーム/秒の映像が作成される。また、特定の参照画像から着目するオブジェクトの動き方向と、動き量を画素ごとの動きベクトルとして検出し、この動きベクトルを利用して変換元と変換先の変換比に合わせて内挿映像を作成するテレビの方式変換装置(例えば、野尻祐司らによる「HDTV方式変換装置」、テレビジョン学会誌、VOL48、No1、pp84−94、1994)がある。
【0004】
ここで、時間解像度を削減してフレームレートを低下させると、映像がぎくしゃくした動きになるジャーキネス劣化や、2重像劣化が発生し易くなる。このようなジャーキネス劣化や2重像劣化を軽減する方法として、フレーム周期で時間軸フィルタをフレーム繰り返し部の前に設ける方法(鎧沢勇、「時間軸フィルタの画質改善効果に関する心理物理実験」、テレビジョン学会技術報告、VVI37−1、pp19−24、1980)がある。そして、MPEG−4の符号化・復号化装置で、発生ビット量がバッファの占有量の規定を超えると、フレームをスキップする処理を行うものがある(MPEG−4 VM ソフトウエア、European ACTS project MoMuSys)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したように変換元映像を単純に間引いて時間方向の映像処理を行う場合に削減されるデータ量は、輝度信号を基準とするフレームレートで実質的に決定されており、一定量以上の圧縮を行うことができなかった。これは、輝度信号に対する視聴者の視覚感度が高いために、輝度信号のフレームレートが一定値以下に下がると、視聴者は映像の劣化を感じてしまうからである。また、動きベクトルを利用して内挿映像を作成する方法は、動きベクトルの検出にブロックマッチング法などを用いた複雑な処理が必要であるために、データ処理に時間がかかったり、コストがかかったりするという問題を有していた。
さらに、前記したジャーキネス劣化や2重像劣化を軽減するために用いられる方法は、時間軸フィルタでフィルタリングするためにフィルタのタップ数に応じたフレームメモリを設ける必要があるので、処理が複雑になり、コストがかかるという問題を有していた。
したがって、本発明が目的とするところは、映像を圧縮したり復元するにあたり、フレームレートを低下させた場合に発生し易い、ジャーキネス劣化や、2重像劣化を抑制し、低コストで映像信号の圧縮率を高めることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための請求項1に係る発明は、映像信号を圧縮する装置であって、映像信号から輝度信号と色信号を分離する手段と、分離した前記色信号の時間解像度を前記輝度信号の時間解像度よりも大きく削減する削減手段と、映像信号の出力時のフレームレートである目標フレームレートの情報および輝度信号ならびに時間解像度を削減した前記色信号を多重する手段とを有し、前記削減手段は、輝度信号の時間解像度を削減する第1時間解像度削減部と、あらかじめ設定されている削減レートに従って、色信号の時間解像度を削減する第2時間解像度削減部と、を備え、前記第1時間解像度削減部は、フレームレートがnフレーム/秒(n:整数)であり、目標フレームレートがrnフレーム/秒(0<r<1)である場合に、1/rフレームごとに一つのフレームに相当する輝度信号を抽出し、前記第2時間解像度削減部は、フレームレートがnフレーム/秒、目標フレームレートがrnフレーム/秒、削減レートがk(k:正の整数)である場合に、k/rフレームごとに一つのフレームに相当する色信号を抽出する構成とした。
【0007】
この圧縮装置は、輝度信号よりも色信号に対する視覚感度が低いことに着目して、感度の低い色信号の時間解像度を大きく削減することにより、映像信号全体としての圧縮率を高める。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の映像信号の圧縮装置であって、輝度信号の時間解像度を目標フレームレートに相当する時間解像度まで削減する手段を有する構成にした。
【0009】
この圧縮装置は、輝度信号の時間解像度を、目標フレームレートに相当する時間解像度まで削減する。送信側であらかじめ輝度信号の時間解像度を削減することで送信時のデータ量を必要最小限に止めるものである。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記請求項1または前記請求項2に記載の圧縮装置で圧縮された映像信号を復元する復元装置であって、異なるフレームレートに相当する時間解像度を有する輝度信号と色信号を含んで構成されている映像信号から輝度信号と色信号を分離すると共に、映像信号の出力時のフレームレートである目標フレームレート、カット点情報および削減レートの情報を取得する分離手段と、色信号の時間解像度と輝度信号の時間解像度とを一致させるべく色信号に対して内挿処理を施す内挿手段と、輝度信号と内挿処理後の色信号をモニタに出力する手段とを有する映像信号の復元装置とした。
【0011】
この復元装置は、感度の低い色信号の時間解像度を大きく削減した映像信号を出力するために用いられる。時間解像度を削減することにより輝度信号よりも低い時間解像度になっている色信号に対して内挿処理を行う。輝度信号と色信号の時間解像度を一致させることにより、映像の出力を可能にする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の映像信号の復元装置において、内挿手段は、隣接するフレームの色信号レベルにフィルタリング処理を施す手段とした。
【0013】
この復元装置は、簡単な処理で色信号のフレームレートを増加させるものである。映像信号の受信から出力までに要する時間を最小限に止めることができる。
【0014】
請求項5に係る発明は、第一のフレームレートの映像信号を取得し、前記第一のフレームレートよりも小さい第二のフレームレートである目標フレームレート映像信号を出力する映像信号の圧縮方法であって、前記第一のフレームレートの映像信号から輝度信号と色信号を分離するステップと、前記輝度信号を目標フレームレートおよびカット点情報に従って、第二のフレームレートになるように、フレームレートがnフレーム/秒(n:整数)であり、目標フレームレートがrnフレーム/秒(0<r<1)である場合に、1/rフレームごとに一つのフレームに相当する輝度信号を抽出し、当該輝度信号の時間解像度を削減し、前記色信号を前記目標フレームレート、カット点情報および設定される削減レートに従って、前記第二のフレームレートよりも小さい第三のフレームレートになるように、フレームレートがnフレーム/秒、目標フレームレートがrnフレーム/秒、削減レートがk(k:正の整数)である場合に、k/rフレームごとに一つのフレームに相当する色信号を抽出し、当該色信号の時間解像度を削減するステップと、前記削減した色信号を前記輝度信号に多重して前記第二のフレームレートの映像信号を作成するステップと、を含むこととした。
【0015】
この圧縮方法は、輝度信号よりも色信号に対する視覚感度が低いことに着目して、感度の低い色信号のフレームレートを削減する。出力時の第二のフレームレートよりも色信号の時間解像度を低くすることで、データ量を大きく圧縮できる。
【0016】
前記請求項6に記載の圧縮方法で圧縮された映像信号を復元する復元方法であって、異なるフレームレートに相当する時間解像度を有する輝度信号と色信号を含んで構成されている前記映像信号から前記輝度信号と前記色信号を分離すると共に、映像信号の出力時のフレームレートである目標フレームレート、カット点情報および削減レートの情報を分離し、前記色信号を内挿してその時間解像度を増加させた後に、前記映像信号および前記色信号を出力することを特徴とする映像信号の復元方法。
【0017】
この復元方法は、感度の低い色信号の時間解像度を大きく削減した映像信号を出力するために用いられる。時間解像度を削減することで輝度信号と異なる時間解像度になっている色信号に対して内挿処理を行い、両信号の時間解像度を一致させることで、映像の出力を可能にする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施形態における圧縮装置や復元装置の使用形態の一例を示す図である。図2は圧縮装置の構成を示すブロック図であり、図3は復元装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、圧縮装置1は映像の配信などをする配信局2で用いられる。配信局2は、複数の映像や、テキストなどの各種のコンテンツを配信する機能を有し、図1には本実施形態に特に関連のある構成要素のみを図示してある。
また、復元装置3は受信機5で受信したデータをモニタ4に出力させる携帯端末6の構成要素である。携帯端末6としては、携帯電話装置や、PDAがあげられ、図1には本実施形態に特に関連のある構成要素のみを図示してある。
【0019】
配信局2では、配信する映像の信号(以下、映像信号とする)などを入力する入力装置7を有し、入力されたデータが圧縮装置1および伝送装置8を経て、アンテナ9から配信される構成になっている。ここで、入力装置7としては、映像信号を記録した記録媒体から必要なデータを読み取る装置や、キーボード、マウスなどがあげられる。また、入力装置7は、映像を取得するための撮像手段や、他の記憶装置から映像信号を取り込むための通信手段などであっても良い。伝送装置8は圧縮装置1から受け取ったデータを無線通信用の伝送波に多重するなどする装置である。
【0020】
図2に示すように、圧縮装置1は、映像信号として連続して入力されるフレームから輝度信号と色信号を分離する信号分離部11と、輝度信号の時間解像度を削減する時間解像度削減部12と、色信号の時間解像度を削減する時間解像度削減部13と、時間解像度を削減した色信号などを多重化するデータ多重部14とを含んで構成されている。
【0021】
時間解像度削減部(第1時間解像度削減部)12は、入力装置7から取得した目標フレームレート、カット点情報に従って、輝度信号の時間解像度を削減する。例えば、取得した映像信号のフレームレートがnフレーム/秒(n:整数)であり、目標フレームレートがrnフレーム/秒(0<r<1)である場合には、時間解像度削減部12は、1/rフレームごとに一つのフレームに相当する輝度信号を抽出し、抽出した輝度信号をデータ多重部14に出力する。輝度信号に時間解像度が目標フレームレートに合うように削減されるので、データ量を減少させることが可能になる。なお、目標フレームレートは、配信用の映像信号、つまり、圧縮装置1から出力される映像信号のフレームレートのことである。また、フレームレートの単位は「フレーム/秒」の他に「Hz」と表されることもあるが、本実施形態では「フレーム/秒」の表記を採用する。さらに、カット点情報は、番組のカットごとに送られてくる情報であり、時間解像度削減部12の処理を映像のカットごとにリセットするために用いられる。これは、復元時に異なるカットに属する映像から内挿フレームを作成することを避けるためである。
【0022】
時間解像度削減部(第2時間解像度削減部)13は、入力装置7から取得した目標フレームレート、カット点情報、および、あらかじめ設定されている削減レートに従って、信号分離部11から取得した色信号の時間解像度を削減する。例えば、取得した映像信号のフレームレートがnフレーム/秒、目標フレームレートがrnフレーム/秒、削減レートがk(k:正の整数)である場合に、時間解像度削減部13は、k/rフレームごとに一つのフレームに相当する色信号を抽出し、抽出した色信号をデータ多重部14に出力する。色信号に時間解像度が目標フレームレートよりも小さいフレームレートになるように削減されるので、データ量を減少させることが可能になる。ここでのカット点情報は、時間解像度削減部13の処理を映像のカットごとにリセットするために用いられる。なお、入力装置7から圧縮装置1に入力される映像信号のフレームレートを第一のフレームレート、圧縮装置1から出力する映像信号を第二のフレームレートとすると、時間解像度削減部13により作成される色信号の時間解像度から換算されるフレームレートは、第一および第二のフレームレートよりも小さいレートを有する第三のフレームレートになる。
【0023】
データ多重部14は、時間解像度削減部12から取得する輝度信号と、時間解像度削減部13から取得する色信号と、入力装置7から取得する目標フレームレートの情報およびカット点情報とを多重して、配信用の映像信号を作成する。ここで、輝度信号の時間解像度よりも色信号の時間解像度の方が低いので、輝度信号と色信号から作成される映像信号のフレームは、輝度信号のみを含むフレームと、輝度信号および色信号を含むフレームの二種類が作成されることになる。したがって、このデータ多重部14から出力されるのは、少なくとも輝度信号を含むフレームに、目標フレームレートの情報およびカット点情報を含むヘッダを付与したデータになる。ここで、目標フレームレートの情報とは、その値や、受信側で目標フレームレートが確認できるようなデータのことであり、カット点情報は、カット点を示す情報である。
【0024】
なお、カット点情報を取得する代わりに、カット点を自動的に検出しても良い。この場合の処理としては、例えば、映像信号において隣接するフレームの信号レベルの相関を調べ、あらかじめ設定したしきい値よりも相関が低い場合、カット点とすることがあげられる。
【0025】
次に、復元装置3について説明する。
復元装置3は、前記したように、携帯端末6(図1参照)の構成要素の一部である。なお、携帯端末6は、アンテナ10で受信した電波から映像信号のストリームデータを抽出する受信機5と、モニタ4を有し、この他にもメモリや、スピーカ、データ入力用のインターフェイスなどを備えている。
【0026】
図3に構成を示すように、復元装置3は映像信号に含まれるデータを分離するデータ分離部31と、分離した輝度信号と色信号の同期を取るために設けられた遅延部32と、色信号に内挿処理を施す色信号内挿部33と、モニタ4の種類に合わせて信号を出力するために輝度信号を一時的に保持する輝度信号ホールド部34、および、色信号を一時的に保持する色信号ホールド部35を含んで構成されている。
【0027】
データ分離部31は、配信局2で付与されたヘッダのデータと映像信号のフレームのデータとを分離し、ヘッダに含まれるカット点情報を遅延部32、色信号内挿部33、輝度信号ホールド部34および色信号ホールド部35に出力する。このカット点情報は、映像のカットごとに各部32〜35の処理をリセットするために用いられる。また、ヘッダに含まれる目標フレームレートの情報は、輝度信号ホールド部34および色信号ホールド部35に出力され、各部34,35における信号のホールド時間や、モニタ4への出力タイミングなどの制御のために用いられる。さらに、フレームのデータからは輝度信号と色信号を分離し、輝度信号は遅延部32に出力し、色信号は色信号内挿部33に出力する。
【0028】
色信号内挿部33は、遅延器、乗算器および加算器を有し、隣接する二つのフレーム(以下、隣接フレームとする)の対応する画素ブロックの色信号にフィルタリング処理を施して、内挿フレームを作成する。例えば、削減レートが2(k=2)の場合には、隣接フレームの色信号レベルの平均値(係数1/2,1/2のフィルタ)を計算し、内挿フレームを作成する。具体的には、フレームの色信号に乗算器で係数1/2を掛けた値と、遅延器で取得する一つ前のフレームの色信号に乗算器で係数1/2を掛けた値との和を加算器で取得することにより内挿フレームが作成される。
【0029】
また、削減レートが3(k=3)の場合には、図4に模式的に示すように、内挿フレーム43,44は、隣接フレーム41,42のすべての画素の色信号に基づいてフィルタリング処理を行って作成される。例えば、隣接フレーム41,42のうちの先の隣接フレーム41の特定の画素41aの色信号レベルに乗算器45aで係数2/3を乗算し、画素41aに対応する隣接フレーム42の画素42aの色信号レベルに乗算器45bで係数1/3を乗算し、それぞれの乗算器45a,45bで得られた値を加算器46aで加算すると、内挿フレーム43の画素43aが得られる。また、先の隣接フレーム41の特定の画素41aの色信号レベルに乗算器45cで係数1/3を乗算し、画素41aに対応する隣接フレーム42の画素42aの色信号レベルに乗算器45dで係数2/3を乗算し、それぞれの乗算器45c,45dで得られた値を加算器46bで加算すると、内挿フレーム44の画素44aが得られる。この色信号内挿部33は、カット点情報によりカットが切り替わるたびにリセットするものとする。
【0030】
次に、映像信号を圧縮装置1で圧縮し、圧縮した映像信号を復元装置3で復元する処理について具体的に説明する。なお、以下においては、フレームごとにデータ処理を行うものとして説明するが、実際にはフレームを構成する各画素ブロックの輝度信号、色信号についてデータ処理が行われる。
【0031】
まず、図1に示す入力装置7から入力された映像信号は、圧縮装置1に取り込まれる。このときの映像信号は、図5に模式的に示す映像信号52のように、輝度信号Yと、色信号Cを有するフレーム51が連続したものである。この映像信号52のフレームレートは60フレーム/秒(n=60)とする。また、目標フレームレートは30フレーム/秒(r=0.5)、削減レートは2(k=2)とする。
【0032】
映像信号52を取り込んだ圧縮装置1は、図2に示す信号分離部11で輝度信号と色信号とを分離し、輝度信号のみを時間解像度削減部12に受け渡す。また、色信号を時間解像度削減部13に受け渡す。このときの輝度信号の時間解像度、色信号の時間解像度は、共に映像信号52のフレームレート(この場合は、60フレーム/秒)に相当する時間解像度である。
【0033】
時間解像度削減部12は、輝度信号Yから2(1/r;r=0.5)フレームごとに一つのフレームに相当する輝度信号Yを抽出することで、データ量を減らして輝度信号Yの時間解像度を削減する。これにより、輝度信号Yの時間解像度に相当するフレームレートは、目標フレームレートと同じ30フレーム/秒となる。
一方、時間解像度削減部13は、色信号Cから4(k/r;k=2,r=0.5)フレームごとに一つのフレームに相当する色信号フレームCを抽出することで、データ量を減らして色信号Cの時間解像度を削減する。これにより、色信号Cの時間解像度に相当するフレームレートは、目標フレームレートよりも小さい値、15フレーム/秒になる。
【0034】
データ多重部14は、時間解像度を削減した輝度信号Yと色信号C、ならびに、目標フレームレートの情報およびカット点情報を多重して、図5に示す映像信号53を作成する。映像信号53は、その先頭にヘッダ54が付与されたパケット形式になっており、このヘッダ54には目標フレームレートおよびカット点情報がフラグ情報として格納されている。ヘッダ54に続くフレーム55は、輝度信号Yおよび色信号Cを有するフレーム55aと、輝度信号Yを有し、色信号Cを有しないフレーム55bとが交互に連続する。なお、フレーム55aとフレーム55bの配列は目標フレームレート(rn)および削減レート(k)に基づいて決まる。例えば、k=3の場合は、3フレームごとにフレーム55aが配列され、残りのフレームはフレーム55bになる。また、フレーム55は、フレーム55cのようにすべてのフレームが輝度信号Yと色信号Cを有するフレーム配列にしても良い。この場合、色信号Cの1/kの情報を各フレームに分配する。
【0035】
このような映像信号53の作成をもって圧縮処理が終了する。作成された映像信号53は、図1の伝送装置8において、必要に応じて符号化処理やスクランブル処理を施した後に、電波に重畳などされ、アンテナ9から送信される。そして、携帯端末6は、この電波を受信し、受信機5において、必要に応じてデスクランブル処理や復号化処理を施し、映像信号53を得る。以下においては、このようにして取得した映像信号53を復元装置3が復元し、モニタ5に出力する処理について説明する。
【0036】
映像信号53を取得した復元装置3は、図3に示すデータ分離部31で、ヘッダ54とフレーム55とを分離し、ヘッダ54からフラグ情報である目標フレームレートの情報とカット点情報を取り出す。また、フレーム55を輝度信号Yからなるストリームデータと、色信号Cからなるストリームデータに分離する。そして、輝度信号Yは、30フレーム/秒のフレームレートに相当する時間解像度で遅延部32に送られ、色信号Cは、15フレーム/秒のフレームレートに相当する時間解像度で色信号内挿部33に送られる。
【0037】
色信号内挿部33では、前記したような内挿フレームを隣接するフレームに相当する色信号Cから作成する。この場合は、削減レートが2であるので、隣接するフレームの間に一つの内挿フレームが作成され、挿入されることになる。以降において内挿フレームを構成する色信号は、受信した色信号Cと同様に取り扱われるので、色信号Cの時間解像度は増加し、目標フレームレートである30フレーム/秒に相当する値まで復元される。
【0038】
そして、内挿処理が終了した後の色信号Cは、色信号ホールド部35からモニタ4に出力される。色信号ホールド部35では、色信号Cを、1/30(1/rn)秒ホールドする。一方、輝度信号Yは、色信号内挿部33での処理に同期するように遅延部32で遅延処理が行われた後に輝度信号ホールド部34に出力される。輝度信号ホールド部34では、輝度信号Yを、1/30(1/rn)秒ホールドする。このように目標フレームレートに復元され、かつ、同期してホールドされた輝度信号および色信号をモニタ4で出力することにより、映像を視聴することが可能になる。
【0039】
このような圧縮装置1および復元装置3を用いると、輝度信号よりも視覚に対する感度が低い色信号について、その時間解像度を、輝度信号の時間解像度よりも大きく削減することにより、ジャーキネス劣化や、その他の画質の劣化を防ぎながらも、映像信号の圧縮率を高めることができる。例えば、色信号の解像度が輝度信号の解像度の半分である4:2:2フォーマットでは、色信号の時間解像度を目標フレームレートの1/kにすると、映像信号の圧縮率を100×(k−1)/2k%だけ高めることができる。具体的には、k=2のときは25%、k=3のときは33%圧縮率を高めることが可能になる。さらに、この圧縮装置1や復号装置3と、MPEG―4などの符号化圧縮技術と併用すると、さらに圧縮率を高めることが可能になる。
【0040】
なお、圧縮装置1は、モニタ5に出力する際のフレームレートである目標フレームレートよりも低いフレームレートに相当する時間解像度に輝度信号を圧縮する装置であっても良い。この場合には、圧縮装置1の時間解像度削減部12が輝度信号の時間解像度を目標フレームレート以下となるように削減する。一方、復元装置3は、データ分離部31と輝度信号ホールド部34の間に輝度信号内挿部を設け、輝度信号を目標フレームレートに相当する時間解像度に復元する。配信時のフレームレートをモニタ4への出力時のフレームレートよりも小さくすることで、映像信号の配信を速やかに行うことが可能になる。
また、輝度信号ホールド部34および色信号ホールド部35は、CRT(Cathode Ray Tube)を用いるモニタ4の場合には輝度信号をr回(例えば、r=4のときは4回)繰り返し出力するものとする。
【0041】
また、前記の実施形態では、無線伝送技術を用いた映像配信に圧縮装置1や復元装置3を使用する例について説明したが、インターネットや、LAN(Local Area Network)などを用いた有線通信を行う装置に使用することも可能である。また、地上波や衛星波を用いた放送を行うための装置に使用することもできる。
【0042】
さらに、コンピュータや所定の電気・電子回路からなる装置を圧縮装置1や復元装置3として機能させるようなプログラムを必要に応じて起動させたり、ダウンロードしたりすることで前記の実施形態と同様な作用・効果を得ることも可能である。ここにおいて、圧縮装置1として機能させるプログラムとしては、コンピュータなどを、映像信号から輝度信号と色信号を分離する手段と、輝度信号の時間解像度を目標フレームレートに相当する値まで削減する手段と、色信号の時間解像度を輝度信号の時間解像度よりも大きく削減する手段と、輝度信号ならびに時間解像度の低い色信号を多重する手段として機能させるものがあげられる。また、復元装置3として機能させるプログラムとしては、コンピュータなどを、輝度信号、色信号、目標フレームレートの情報をそれぞれ分離する手段と、色信号に対して内挿処理を施す内挿手段と、輝度信号と内挿処理後の色信号をモニタに出力する手段として機能させるものがあげられる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の請求項1または請求項5によれば、輝度信号より色信号の時間解像度を大きく削減することで、フレームレートの低下に伴い発生し易いジャーキネス劣化や2重像劣化の発生を防止し、低コストで映像信号の圧縮率を高めることが可能になる。
請求項2によれば、さらに映像信号の圧縮率を高めることが可能になる。
請求項3または請求項6によれば、輝度信号より色信号の時間解像度を大きく削減した場合であっても、色信号を復元して、ジャーキネス劣化や2重像劣化の発生を防止することができる。
請求項4によれば、色信号の復元を低コストで速やかに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における圧縮装置や復元装置の使用形態の一例を示す図である。
【図2】圧縮装置の構成を示すブロック図である。
【図3】復元装置の構成を示すブロック図である。
【図4】色信号の内挿処理を説明する模式図である。
【図5】本実施形態における映像信号の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 圧縮装置
3 復号装置
11 信号分離部
12 時間解像度削減部
13 時間解像度削減部
14 データ多重部
31 データ分離部
33 色信号内挿部
34 輝度信号ホールド部
35 色信号ホールド部
Claims (6)
- 映像信号を圧縮する装置であって、映像信号から輝度信号と色信号を分離する手段と、分離した前記色信号の時間解像度を前記輝度信号の時間解像度よりも大きく削減する削減手段と、映像信号の出力時のフレームレートである目標フレームレートの情報および輝度信号ならびに時間解像度を削減した前記色信号を多重する手段とを有し、
前記削減手段は、前記目標フレームレートおよびカット点情報に従って、輝度信号の時間解像度を削減する第1時間解像度削減部と、前記目標フレームレート、カット点情報および設定される削減レートに従って、色信号の時間解像度を削減する第2時間解像度削減部と、を備え、
前記第1時間解像度削減部は、フレームレートがnフレーム/秒(n:整数)であり、目標フレームレートがrnフレーム/秒(0<r<1)である場合に、1/rフレームごとに一つのフレームに相当する輝度信号を抽出し、
前記第2時間解像度削減部は、フレームレートがnフレーム/秒、目標フレームレートがrnフレーム/秒、削減レートがk(k:正の整数)である場合に、k/rフレームごとに一つのフレームに相当する色信号を抽出することを特徴とする映像信号の圧縮装置。 - 輝度信号の時間解像度を前記目標フレームレートに相当する時間解像度まで削減する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の映像信号の圧縮装置。
- 前記請求項1または前記請求項2に記載の圧縮装置で圧縮された映像信号を復元する復元装置であって、異なるフレームレートに相当する時間解像度を有する輝度信号と色信号を含んで構成されている前記映像信号から輝度信号と色信号とを分離すると共に、映像信号の出力時のフレームレートである目標フレームレート、カット点情報および削減レートの情報を取得する分離手段と、前記色信号の時間解像度と前記輝度信号の時間解像度とを一致させるべく前記色信号に対して内挿処理を施す内挿手段と、前記輝度信号と内挿処理後の前記色信号をモニタに出力する手段とを有することを特徴とする映像信号の復元装置。
- 前記内挿手段は、隣接するフレームの色信号レベルにフィルタリング処理を施す手段であることを特徴とする請求項3に記載の復元装置。
- 第一のフレームレートの映像信号を取得し、前記第一のフレームレートよりも小さい第二のフレームレートである目標フレームレート映像信号を出力する映像信号の圧縮方法であって、
前記第一のフレームレートの映像信号から輝度信号と色信号とを分離するステップと、
前記輝度信号を目標フレームレートおよびカット点情報に従って、第二のフレームレートになるように、フレームレートがnフレーム/秒(n:整数)であり、目標フレームレートがrnフレーム/秒(0<r<1)である場合に、1/rフレームごとに一つのフレームに相当する輝度信号を抽出し、当該輝度信号の時間解像度を削減し、前記色信号を前記目標フレームレート、カット点情報および設定される削減レートに従って、前記第二のフレームレートよりも小さい第三のフレームレートになるように、フレームレートがnフレーム/秒、目標フレームレートがrnフレーム/秒、削減レートがk(k:正の整数)である場合に、k/rフレームごとに一つのフレームに相当する色信号を抽出し、当該色信号の時間解像度を削減するステップと、
前記削減した色信号を前記輝度信号に多重して前記第二のフレームレートの映像信号を作成するステップと、を含むことを特徴とする映像信号の圧縮方法。 - 前記請求項5に記載の圧縮方法で圧縮された映像信号を復元する復元方法であって、異なるフレームレートに相当する時間解像度を有する輝度信号と色信号を含んで構成されている前記映像信号から前記輝度信号と前記色信号とを分離すると共に、映像信号の出力時のフレームレートである目標フレームレート、カット点情報および削減レートを分離し、前記色信号を内挿してその時間解像度を増加させた後に、前記映像信号および前記色信号を出力することを特徴とする映像信号の復元方法。
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