【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも有機樹脂を含有する絶縁基板を具備する配線基板と、その製造方法に関し、特に、ビアホール内に金属球を埋設した場合において、ビアホール内での保形性、および配線基板の平坦性の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を含む絶縁基板の表面に配線導体層を形成した、いわゆるプリント基板が、回路基板や半導体素子を載したパッケージ等に適用されている。このようなプリント基板において、配線導体層を形成する方法としては、絶縁基板の表面に銅箔を接着した後、これをエッチングして配線回路を形成する方法、または、配線回路に形成された銅箔を絶縁基板に転写する方法、絶縁基板の表面に金属メッキ法によって回路を形成する方法等が用いられている。
【0003】
また、配線の多層化に伴い、異なる層間に形成された配線導体層をビアホール導体により電気的に接続することも行われている。このビアホール導体は、一般に、配線基板の所定の箇所にドリル等でビアホールを開けた後に、ビアホール内の内壁にメッキを施して形成される。
【0004】
ところが、上記のような方法では、化学的なメッキ処理にかかる処理薬品が高価であり、処理時間も長いなど生産性と経済性に難がある。また、多層化した配線基板を作製する場合、技術的にも、ビアホール導体を多層構造における任意の層間に形成することが難しいことから、配線導体層の密度を向上できないという問題がある。
【0005】
そこで、最近では配線導体層を、銀、銅、ハンダなどの導電性粉末を含む導体ペースト等を用い、これをビアホール内に充填することにより任意に場所にビアホール導体を形成した後、それらを積層して多層化する方法が、特許第2603053号公報、特許第2587596号公報、特開平8−204342号公報、特開平8−191184号公報、特開平9−293968号公報等にて提案されている。
【0006】
導体ペーストにおける有機バインダとしては、一般にセルロース系などが用いられるが、充填性の改善のために、最近では配線導体層を、銀、銅、ハンダなどの導電性粉末を含む液状エポキシ系樹脂と硬化剤とを有機バインダーとして含む低粘度の導体ペースト等を用い、これを絶縁基板の表面に塗布したり、ビアホール内に充填し、積層して多層化する方法も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属粉末を含有するペーストでは、金属粉末間の接触が不十分であったり、ペースト中の有機バインダー等が粉末間に介在してペースト自体の導電性を低下させてしまう結果、従来からプリント配線基板に用いられているメッキなどによって形成されたビアホール導体に比較して信頼性が低いという問題があった。
【0008】
そこで、このような問題に対してビアホール内に直径が100〜500μmの大きさの金属球をビアホール内に埋設することが特開平9−293968号にて提案されている。
【0009】
このような金属球のビアホールへの埋設方法として、絶縁シートに形成された多くのビアホール内に個々に微細な金属球を埋設することは時間を要し、量産性に欠ける。
【0010】
そこで、金属球を溶媒中に分散してペーストを作製し、複数のビアホールが形成された絶縁シート表面をスクリーン印刷法によって上記ペーストをスキージ処理して金属球をビアホール内に金属球を埋設することが考えられる。
【0011】
しかしながら、この金属球は、金属粉末に比較してペースト中での分散性が悪く、ペースト中に有機バインダーを全く含まない場合、滑り性が低下するためにビアホール中に金属球を埋設できない部分が発生する。
【0012】
そこで、有機バインダーとして従来から用いられている液状エポキシ系樹脂等を用いるとビアホール内への埋設性はよくなるが、挿入した金属球が絶縁シートのビアホールからその後の工程中に脱落してしまったり、有機バインダーが表面にしみだし外観を損ねる等の問題がある。
【0013】
逆に、導体ペーストの粘度が高い場合には金属球は一旦ビアホール内に埋設されると抜け落ちることはないが、ビアホールへの埋設性に欠けるという問題がある。
【0014】
また、金属球の大きさとしては、通常、絶縁層表面に形成される配線回路層との接続信頼性を高めるために絶縁層1層の厚さよりも大きい直径のものが用いられるが、その場合、金属球は剛性が高いために、金属粉末の導体ペーストに比較して流動性がないために、金属球の形状が配線回路層の表面に現れ、平坦度が損なわれるという問題があった。
【0015】
したがって、本発明は、このような欠点を解消し、金属球のビアホール内への埋設性に優れ、有機バインダーのしみだしによる外観不良などのない高い導電性を有するビアホール導体を具備する配線基板と、それを製造するための方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に対して検討を重ねた結果、ビアホール導体を形成する金属球をビアホール内に埋設するにあたり、金属球の直径を絶縁シートやビアホール径に基づいて特定の条件を満足するように定め、且つ有機バインダとして光硬化性樹脂を用い、埋設後に光照射することにより、ビアホールへの埋設性とともに絶縁シート内に埋設された金属球の脱落を防止できることを見出した。
【0017】
即ち、本発明の配線基板は、少なくとも熱硬化性樹脂を含有する絶縁層を積層してなる絶縁基板と、該絶縁基板の表面および/または内部に形成された複数の配線導体層と、2つの配線導体層間を接続するためのビアホール導体を具備する配線基板において、前記ビアホール導体が、接続される2つの配線導体層間の距離に対して±5μm以内の直径を有する金属球と光硬化性樹脂とからなることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の配線基板の製造方法は、少なくとも熱硬化性樹脂を含有する未硬化あるいは半硬化状態の絶縁シートにビアホールを形成する工程と、直径が前記ビアホール径以下、接続される2つの配線導体層間の距離に対して±5μm以内の直径を有する金属球と光硬化性樹脂成分とを含有するペーストを調製する工程と、前記ペーストを用いて前記ビアホール内に金属球を光硬化性樹脂成分とともに埋設する工程と、該絶縁シートに光照射して、前記ビアホール内の光硬化性樹脂を硬化する工程と、前記光硬化されたビアホール導体形成部を含む前記絶縁シートの表面に配線導体層を被着形成する工程と、配線導体層が形成された絶縁シートを熱硬化する工程と、を具備することを特徴とするものである。
【0019】
特に、前記導体ペースト中における前記金属球と前記光硬化性樹脂との重量比率は85:15〜95:5であることがビアホール内への金属球の埋設性を高める上で好適である。
【0020】
また、前記金属球は、銅を主体とする金属コア球の表面に、少なくともSnを含有する低融点金属からなる外層が形成されてなることがビアホール導体の低抵抗化とともに配線導体層との接続性を高めることができる。
【0021】
前記光硬化性樹脂成分としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂とその光架橋剤とからなることが望ましく、前記光架橋剤がビスアジド化合物からなることが望ましい。
【0022】
さらに、前記配線導体層が金属箔からなり絶縁層あるいは絶縁シートの表面に埋設されてなることが、配線基板の平坦性を高める上で望ましい。
【0023】
本発明の配線基板によれば、ビアホール導体が金属球から形成されることから、従来のような金属粉末の粒界接触部の減少により、ビアホール導体の導電性が高められ、特に金属球として銅からなる金属コア表面に少なくともSnを含有する低融点金属からなる外層を形成することにより、配線導体層との接続性を高めることができる。
【0024】
更に、本発明における前記製造方法によれば、ビアホール導体を形成する導体ペースト中に、有機バインダーとして光硬化性樹脂成分を含有することにより、絶縁シートに形成されたビアホール内に、上記ペーストを埋設した後、光照射することにより、ビアホール内に埋設された金属球の保形性が高まるとともにバインダーのしみだし等を防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の配線基板によれば、配線基板におけるビアホール導体を金属球と、有機バインダとして光硬化性樹脂成分によって構成することが重要である。また、この光硬化性樹脂成分は、光硬化型樹脂と、光架橋剤とから構成されるものである。
【0026】
光硬化性樹脂としては、紫外線硬化型樹脂が望ましく、エポキシ系樹脂、ビニルフェノール系樹脂の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、この中でも樹脂の粘度性やビアホールへの埋設性の観点から、紫外線硬化型液状エポキシ樹脂からなることが望ましい。
【0027】
また、光架橋剤としては、非水系ポリマーの光架橋剤、好適には、芳香族ジアゾニウム塩、具体的には、ビスアジド化合物を含有するものが望ましい。ビスアジド化合物としては、2,6−(4−アジドベンザル)メチルシクロヘキサノン、4,4−ジアジドフェニルメタン、4,4−ジアジドフェニルスルホンの群から選ばれる1種、または2種以上の混合物が使用可能であるが、高い反応性を有する点で2,6−(4−アジドベンザル)メチルシクロヘキサノンを含有することが最適である。なお、光架橋剤は、光硬化性樹脂100重量部に対して、35.0〜50.0重量部の割合で添加することが望ましい。
【0028】
一方、金属球としては、銅、銀の少なくとも1種を主体とするものが用いられるが、絶縁基板へのマイグレーション抑制およびコストの点で銅が、さらにペースト中の粉末の導電性および分散性を高める上で特に電解銅からなる金属球が最適である。
【0029】
さらに、上記銅からなる金属コア球として、その表面に少なくとも錫(Sn)を含有する低融点金属、具体的には錫−鉛、あるいは錫−銀−ビスマスの半田など、融点が250℃以下の低融点金属からなる外層を形成することにより、金属球と配線導体層との接触部を低融点金属で接続させて配線導体層との接続性を高めることもできる。この場合には、金属球と配線導体層との接触界面にCu3 Snを析出させて耐熱性を高めることが望ましい。
【0030】
また、金属球の大きさDは、接続される2つの配線導体層間の距離Tに対して±5μm以内、特に±4μm以内であることが必要である。これは、金属球の直径Dが接続される2つの配線導体層間の距離Tよりも小さい場合であっても、配線導体層の変形によって電気的な導通を図ることができる。ところが、D<T−5μmとなると、配線導体層の変形も限界があり、金属球との接触が難しくなると同時に配線回路層の変形によって配線回路層の表面の平坦度が損なわれてしまう。また、D>T+5μmの場合も、配線回路層の変形が大きくなり配線導体層表面の平坦度が損なわれてしまう。
【0031】
次に、上記配線基板を製造する方法について工程図を示す図1をもとに説明する。まず、図1(a)に示すように未硬化または半硬化状態の軟質の絶縁シート1に対して、レーザー加工やマイクロドリルなどによって所定の大きさのビアホール2を形成する。
【0032】
ここで用いられる絶縁シート1は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁材料から構成され、例えば、熱硬化性PPE(ポリフェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイミドトリアジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂およびそれらの混合物が使用可能であるが、とりわけ誘電特性がよく、吸水率が低い点で熱硬化性PPE(ポリフェニレンエーテル)を含有することが望ましい。
【0033】
さらに、この絶縁シート1中には、熱硬化性樹脂以外に基板全体の強度を高めるために、フィラーを複合化させることもできる。フィラーとしては、SiO2 、Al2 O3 、ZrO2 、TiO2 、AlN、SiC、BaTiO3 、SrTiO3 、ゼオライト、CaTiO3 等の無機質フィラーが好適に使用される。また、ガラスやアラミド樹脂からなる不織布、織布等に上記樹脂を含浸させて用いてもよい。このように熱硬化性樹脂とフィラーと複合化する場合、熱硬化性樹脂とフィラーとは体積比率で30:70〜70:30の比率で複合化することが望ましい。
【0034】
次に、図1(b)に示すように、そのビアホール2内に、前述したようにして金属球3aと光硬化性樹脂3bを含有するペーストをスクリーン印刷法等によってスキージ処理して金属球3aをビアホール2内に埋設してビアホール導体3を形成する。
【0035】
ペースト中における上記金属球と有機バインダとは、ビアホールへの埋設性および埋設後のビアホール導体の低抵抗化の観点から、金属球と有機バインダとは、体積比率で85:15〜95:5であることが望ましい。これは、金属球が上記比率よりも多いとペースト化することが難しく、ビアホール内への埋設性が低く、逆に上記比率よりも金属球が少ないとペースト全体の粘度が低下しすぎてしまうとともに、単位体積当たりの金属球の個数が少なくなり、絶縁シートのビアホールの個数によっては、1回のスキージ処理ですべてのビアホール内に埋設できない恐れがある。また、用いる金属球3aは、ビアホール径以下の直径を有することがビアホール2内への金属球3aの埋設性を高める上で必要である。
【0036】
ビアホール導体用の導体ペースト組成物を用いてペーストを調製するには、金属球と光硬化性樹脂からなる有機バインダを混合した組成物に、適宜有機溶剤を添加混合したものを、攪拌脱泡機などで混練することにより、金属球と有機バインダは、その高剪断力によって所定の粘度を有する導体ペーストを作製することができる。
【0037】
そして、図1(c)に示すように、金属球3aが埋設されたビアホール導体3が形成された絶縁シート1に対して、ビアホール導体3中の光硬化性樹脂が硬化するに十分な紫外線4を照射する。紫外線照射量は、100mJ以上であることが望ましい。この紫外線照射によって、ビアホール内に埋設された導体ペーストを半硬化させ、ビアホール導体3における導体ペーストの保形性を高め埋設後のペーストのしみだしの発生を防止することができる。
【0038】
次に、ビアホール導体を光硬化した絶縁シート1の表面に配線導体層5を形成する。この配線導体層5の形成方法としては、a)絶縁シートの表面に金属箔を貼り付けた後、エッチング処理して回路パターンを形成する方法、b)絶縁シート表面にレジストを形成して、メッキにより金属層を形成する方法、c)転写シート表面に金属箔を貼り付けた後、エッチング処理して回路パターンを形成した後、この金属箔の回路パターンを絶縁シート表面に転写させる方法等が挙げられるが、この中でも、絶縁シートをエッチングやメッキ液などに浸漬する必要がなく、ビアホール導体内への薬品の侵入を防止する上では、c)の転写法が最も望ましい。また、上記転写法では、絶縁シートへのビアホール形成や積層化と、配線導体層の形成工程を並列的に行うことができるために、配線基板における製造時間を大幅に短縮することができる点でも有利である。
【0039】
そこで、c)転写法による配線導体層を例にして以下に説明する。転写シート6の表面に、金属箔からなる配線導体層5を形成する。この配線導体層5は、転写シート6の表面に金属箔を接着剤によって接着した後、この金属箔の表面にレジストを回路パターン状に塗布した後、エッチング処理およびレジスト除去を行って形成される。この時、金属箔からなる配線導体層5露出面は、エッチング等により表面粗さ(Ra)0.1〜5μm、特に0.2〜4μm程度に粗化されていることが望ましい。
【0040】
また、配線導体層5を形成する導体成分としては、銅、アルミニウム、金、銀のうちから選ばれる少なくとも1種、または2種以上の合金からなることが望ましく、特に、銅あるいは銅を含む合金からなる厚さ5〜40μmの金属箔によって形成することにより、ビアホール導体3を両端を封止して外気の影響を防止でき、しかも導体ペーストを埋設して形成したビアホール導体3との電気的な接続性に優れることから最も望ましい。
【0041】
次に、図1(e)に示すように、配線導体層5が形成された転写シート6を前記ビアホール導体3が形成された絶縁シート1の表面に位置合わせして加圧積層した後、転写シート6を剥がして配線導体層5を絶縁シート1に転写させることにより絶縁シート1の両面に配線導体層5を形成することができる。このとき、導体ペーストに含まれる光硬化性バインダーの粘着力により配線導体層5とビアホール導体3とを強固に固着する。
【0042】
この上記転写法においては、配線導体層5転写時に絶縁シート1が軟質状態であることから、転写時、あるいは転写後に圧力20kg/cm2 以上、温度60〜140℃で加圧処理することにより、配線導体層5を絶縁シート1の表面に埋設し、実質的に絶縁シート1表面と配線導体層5の表面が同一平面とすることができる。
【0043】
上記のように配線導体層5が絶縁シート1の表面に埋設される場合、金属球3aの直径Dは、絶縁シート1の硬化後の厚さをt1 、配線導体層5の厚さをt2 とした時、配線導体層5間の距離T(=t1 −2t2 )に対して、DがT±5μm以内であり、またD≦t1 を満足する大きさに設定される。
【0044】
また、ビアホール導体3が1個の金属球3aであることから、埋設された導体の飛散等が無く、絶縁シート上に飛散した粒子等により電気絶縁性を損なうこともない。更に導電性の高い銅からなる金属コア球の表面にSnを含有する低融点金属からなる外層を形成することにより配線導体層との接続性を高めることができる。
【0045】
そして、ビアホール導体3とその両面に配線導体層5が形成された絶縁シート1を絶縁シート1中の熱硬化性樹脂が硬化するに十分な温度で加熱することにより、2層の配線導体層5が形成され、それらがビアホール導体3によって電気的に接続された配線基板を作製することができる。
【0046】
なお、この配線基板を多層化する場合には、各絶縁シートに上記と同様にしてビアホール導体と一方の表面または両面に配線導体層を形成したものを、複数層積層圧着し、その後、上記の絶縁シート1中の熱硬化性樹脂が硬化するに十分な温度で加熱するか、またはビアホール導体と一方の表面または両面に配線導体層を形成した絶縁シートをそれぞれ熱硬化させた後に、複数層積層することにより、多層配線基板を作製することができる。
【0047】
また、本発明の配線基板によれば、絶縁基板を貫通するドリルを用いてビアホールを形成し、そのホール内壁に金属メッキ層を形成することもできる。
【0048】
また、上記の製造方法において、絶縁シート1を加熱硬化させる際の加熱温度は、絶縁シート中の熱硬化性樹脂が完全に硬化するに充分な温度であると同時に、ビアホール導体3中の有機バインダが絶縁シート1中の熱硬化樹脂と充分に密着する温度であることが望ましい。
【0049】
特に、充分な密着性を得る上で、有機バインダ中の光硬化性樹脂成分と、絶縁シート1中の熱硬化性樹脂とが反応することが望ましい。例えば、有機バインダ中の熱硬化性樹脂成分として、紫外線硬化型エポキシ樹脂を用い、光架橋剤としてビスアジド化合物(2,6−(4−アジドベンザル)メチルシクロヘキサノン)を用い、かつ絶縁シート中の熱硬化性樹脂として、PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂を用いた場合、200℃程度の温度で20kg/cm2 程度の圧力で加圧することにより、一旦紫外線硬化したビアホール導体ペーストが、200℃での硬化プレスによりガラス転移点以上に加熱されるために、導体ペースト中の光硬化した樹脂が低粘度化するために樹脂の流動化が生じ導電性粒子と配線導体の結合を高めることができる。
【0050】
それと同時に、ビスアジド化合物が絶縁シート1側へ拡散、移動するとともに、絶縁シート1中の熱硬化性PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂とビスアジド化合物との間でジアゾ基を介して反応が生じ、ビアホール導体3の周囲部にビスアジド化合物とPPE樹脂との反応物が形成される結果、ビアホール導体と絶縁シートとの強固に密着することができる。また、上記反応物は、耐熱性および絶縁性、誘電特性に優れたものであることから、絶縁シートの特性を劣化させることがない。
【0051】
【実施例】
本発明における導体ペースト組成物の特性を評価するために、以下のようにして単層(1層の絶縁基板の両面に配線導体層が形成されたもの)の配線基板を作製した。
【0052】
まず、錫銀被覆銅球(平均粒径50μm、錫銀含有量15重量%)88〜94重量%と、光硬化性樹脂成分として、紫外線硬化型液状エポキシ樹脂100重量部に対して2,6−(4−アジドベンザル)メチルシクロヘキサノンの光架橋剤を30重量部の割合で添加混合した有機バインダを8〜12重量%の割合で調合し、さらに上記金属球と有機バインダとの合量100重量部に対して、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを3重量部の割合で添加混合した。そしてこの混合物を3本ロールで混練して導体ペーストを調製した。
【0053】
調製した導体ペーストを直径20mmのコーン型粘度計を用いて、せん断速度100s-1における粘度を測定し、表1に示した。
【0054】
一方、熱硬化性ポリフェニレンエーテル40体積%と、シリカを60体積%からなるBステージの絶縁シート(硬化後の厚さ=70μm)に対して、絶縁シートのマイクロドリルによって直径が50μmのビアホールをビアホールの中心間の間隔500μmで20個形成し、スクリーン印刷法によって上記ペーストをスキージ処理してビアホール内に金属球を光硬化性樹脂とともに埋設した。その後、このビアホール導体に対して、紫外線照射量が600mJの紫外線を照射してビアホール導体を硬化させた。
【0055】
そして、導体ペーストの硬化処理を行ったBステージの絶縁シートの両面に、厚さ12μmの銅箔からなる配線導体層を転写法により前記ビアホール導体の両端を挟持するように貼り合わせた後、200℃で、20kg/cm2 の圧力で、60分間硬化処理を行い、単層の配線基板を作製した。
【0056】
また、比較例として、有機バインダとして熱硬化型液状エポキシ樹脂(熱硬化温度150℃)を用いる以外は全く上記と同様にして配線基板を作製した。
【0057】
得られた配線基板における配線導体層−ビアホール導体−配線導体層間の体積固有抵抗値を測定した。また、ビアホール導体形成部の断面観察し、導体ペーストの絶縁基板のビアホール導体周囲の表面へのしみだしの有無と、ビアホール内へのペーストの埋設性について評価した。結果は、表1に示した。また、同時に配線基板の表面の平坦度を測定し表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
表1の結果に示される通り、ビアホール内に金属球とともに光硬化性樹脂を埋設した場合、いずれも埋設後において金属球が脱落したり、有機バインダーがしみだすことがなく低抵抗で且つ配線導体層と接続抵抗の小さいビアホール導体を形成することができた。
【0060】
特に、金属球の表面に低融点の外層を形成した場合、外層を形成しない場合に比較してビアホール導体と配線導体層との接触抵抗をさらに低減することができた。また、金属球の直径Dと配線導体層間の距離Tの差が5μm以下の場合において、配線基板表面の平坦度を7μm以下に小さくできることがわかった。
【0061】
これに対して、熱硬化性液状エポキシ樹脂を含有したペーストを用いた試料No.8では、金属球の脱落や有機バインダーのしみだしが観察され、またアクリル系樹脂を用いた試料No.9では、ペーストの粘度が高く、金属球の埋設不良が発生した。
【0062】
また、金属球の大きさが配線回路層間距離に対して、±5μmよりも大きい試料No.10、12では、いずれも平坦度が7μmよりも大きくなった。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、金属球とともに光硬化型樹脂成分をビアホール内に埋設し、埋設後に光硬化させることにより、金属球の脱落や有機ダインダーのしみだしを防止し、低抵抗で、且つ配線導体層との接触抵抗の小さいビアホール導体を形成することができ、それによりビアホール導体および配線導体層からなる回路の信頼性の高い配線基板を歩留りよく作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における配線基板の製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1 絶縁シート
2 ビアホール
3a 金属球
3b 光硬化性樹脂
3 ビアホール導体
4 紫外線
5 配線導体層
6 転写シート[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a wiring board including an insulating substrate containing at least an organic resin, and a method for manufacturing the wiring board. In particular, when a metal ball is embedded in a via hole, the shape retention in the via hole and the flatness of the wiring board are described. It is about improvement of sex.
[0002]
[Prior art]
In recent years, a so-called printed circuit board in which a wiring conductor layer is formed on the surface of an insulating substrate containing a thermosetting resin such as an epoxy resin or a phenol resin is applied to a package or the like on which a circuit board or a semiconductor element is mounted. In such a printed circuit board, a wiring conductor layer is formed by bonding a copper foil to the surface of the insulating substrate and then etching the copper foil to form a wiring circuit, or copper formed on the wiring circuit. A method of transferring a foil to an insulating substrate, a method of forming a circuit on the surface of the insulating substrate by a metal plating method, and the like are used.
[0003]
Further, with the increase in the number of wiring layers, wiring conductor layers formed between different layers are electrically connected by via-hole conductors. The via-hole conductor is generally formed by opening a via hole at a predetermined location on the wiring board with a drill or the like and then plating the inner wall in the via hole.
[0004]
However, in the method as described above, the chemicals for chemical plating are expensive and the processing time is long, so that productivity and economy are difficult. Further, when a multilayered wiring board is manufactured, there is a problem that the density of the wiring conductor layer cannot be improved because it is difficult technically to form a via-hole conductor between arbitrary layers in the multilayer structure.
[0005]
Therefore, recently, a conductive paste containing conductive powder such as silver, copper, solder, etc. is used for the wiring conductor layer, and this is filled into the via hole to form a via hole conductor at any location, and then laminated. A method of multi-layering has been proposed in Japanese Patent No. 2603053, Japanese Patent No. 2587596, Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-204342, Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-191184, Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-293968, and the like. .
[0006]
Cellulose is generally used as the organic binder in the conductive paste, but recently, the wiring conductor layer has been hardened with a liquid epoxy resin containing conductive powder such as silver, copper, and solder to improve the filling properties. A method has also been proposed in which a low-viscosity conductor paste or the like containing an agent as an organic binder is applied to the surface of an insulating substrate or filled into a via hole and laminated to form a multilayer.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in pastes containing metal powder, the contact between the metal powders is insufficient, or the organic binder in the paste intervenes between the powders, reducing the conductivity of the paste itself. There is a problem that reliability is low as compared with a via-hole conductor formed by plating or the like used for a wiring board.
[0008]
In order to solve this problem, Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-293968 proposes to embed a metal ball having a diameter of 100 to 500 μm in a via hole.
[0009]
As a method of embedding such metal spheres in via holes, it takes time to embed fine metal spheres individually in many via holes formed in an insulating sheet, and lacks mass productivity.
[0010]
Therefore, a metal sphere is dispersed in a solvent to prepare a paste, and the insulating sheet surface on which a plurality of via holes are formed is squeezed with the paste by a screen printing method to embed the metal sphere in the via hole. Can be considered.
[0011]
However, this metal sphere has poor dispersibility in the paste compared to the metal powder, and when the paste does not contain any organic binder, there is a portion where the metal sphere cannot be embedded in the via hole because the slipping property is reduced. appear.
[0012]
Therefore, when using a liquid epoxy resin or the like conventionally used as an organic binder, the embedding property in the via hole is improved, but the inserted metal sphere is dropped from the via hole of the insulating sheet during the subsequent process, There is a problem that the organic binder oozes on the surface and impairs the appearance.
[0013]
On the contrary, when the viscosity of the conductor paste is high, the metal sphere does not fall out once embedded in the via hole, but there is a problem that the embedding property in the via hole is lacking.
[0014]
Also, the size of the metal sphere is usually larger than the thickness of one insulating layer in order to increase the connection reliability with the wiring circuit layer formed on the surface of the insulating layer. Since the metal sphere has high rigidity and is not fluid as compared with the conductive paste of metal powder, the shape of the metal sphere appears on the surface of the wiring circuit layer, and the flatness is impaired.
[0015]
Therefore, the present invention eliminates such drawbacks, is excellent in embedding of metal spheres in via holes, and has a wiring board having a via hole conductor having high conductivity without appearance defects due to bleeding of organic binders. The object is to provide a method for producing it.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
As a result of studying the above problems, the present inventor has satisfied the specific condition of the diameter of the metal sphere based on the insulating sheet and the diameter of the via hole when the metal sphere forming the via hole conductor is embedded in the via hole. It was found that by using a photocurable resin as an organic binder and irradiating light after embedding, the metal balls embedded in the insulating sheet can be prevented from falling off as well as being embedded in the via holes.
[0017]
That is, the wiring board of the present invention includes an insulating substrate formed by laminating an insulating layer containing at least a thermosetting resin, a plurality of wiring conductor layers formed on and / or inside the insulating substrate, A wiring board having a via-hole conductor for connecting between wiring conductor layers, wherein the via-hole conductor has a metal sphere having a diameter within ± 5 μm with respect to a distance between two wiring conductor layers to be connected, and a photocurable resin; It is characterized by comprising.
[0018]
The method for manufacturing a wiring board according to the present invention includes a step of forming a via hole in an uncured or semi-cured insulating sheet containing at least a thermosetting resin, and two wirings having a diameter equal to or smaller than the via hole diameter. A step of preparing a paste containing a metal sphere having a diameter within ± 5 μm with respect to a distance between conductor layers and a photocurable resin component; and using the paste, the metal sphere is photocured in the via hole. And a step of irradiating the insulating sheet with light to cure the photocurable resin in the via hole, and a wiring conductor layer on the surface of the insulating sheet including the photocured via hole conductor forming portion. And a step of thermally depositing the insulating sheet on which the wiring conductor layer is formed.
[0019]
In particular, the weight ratio of the metal spheres to the photocurable resin in the conductor paste is preferably 85:15 to 95: 5 from the viewpoint of enhancing the embedding property of the metal spheres in the via holes.
[0020]
In addition, the metal sphere is formed by forming an outer layer made of a low melting point metal containing at least Sn on the surface of a metal core sphere mainly composed of copper. Can increase the sex.
[0021]
The photocurable resin component is preferably composed of an ultraviolet curable epoxy resin and a photocrosslinking agent thereof, and the photocrosslinking agent is preferably composed of a bisazide compound.
[0022]
Further, it is desirable for improving the flatness of the wiring board that the wiring conductor layer is made of a metal foil and embedded in the surface of the insulating layer or insulating sheet.
[0023]
According to the wiring board of the present invention, since the via-hole conductor is formed from a metal sphere, the conductivity of the via-hole conductor is improved by reducing the grain boundary contact portion of the metal powder as in the prior art. By forming an outer layer made of a low melting point metal containing at least Sn on the surface of the metal core made of, the connectivity with the wiring conductor layer can be enhanced.
[0024]
Furthermore, according to the manufacturing method of the present invention, the paste is embedded in the via hole formed in the insulating sheet by containing a photocurable resin component as an organic binder in the conductor paste forming the via hole conductor. Then, by irradiating with light, the shape retention of the metal sphere embedded in the via hole can be enhanced and the bleeding of the binder can be prevented.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
According to the wiring board of the present invention, it is important that the via-hole conductor in the wiring board is composed of a metal sphere and a photocurable resin component as an organic binder. Moreover, this photocurable resin component is comprised from a photocurable resin and a photocrosslinking agent.
[0026]
As the photocurable resin, an ultraviolet curable resin is desirable, and examples thereof include at least one selected from the group of epoxy resins and vinylphenol resins. Among these, from the viewpoint of resin viscosity and embedding property in via holes, It is desirable to consist of an ultraviolet curable liquid epoxy resin.
[0027]
The photocrosslinking agent is preferably a non-aqueous polymer photocrosslinking agent, preferably an aromatic diazonium salt, specifically, a bisazide compound. As the bisazide compound, one or a mixture of two or more selected from the group of 2,6- (4-azidobenzal) methylcyclohexanone, 4,4-diazidophenylmethane, and 4,4-diazidophenylsulfone is used. Although possible, it is optimal to contain 2,6- (4-azidobenzal) methylcyclohexanone in terms of high reactivity. The photocrosslinking agent is preferably added in a proportion of 35.0 to 50.0 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the photocurable resin.
[0028]
On the other hand, as the metal spheres, those mainly composed of at least one of copper and silver are used, but copper is more effective in suppressing the migration to the insulating substrate and in terms of cost, and further improves the conductivity and dispersibility of the powder in the paste. A metal sphere made of electrolytic copper is most suitable for increasing the thickness.
[0029]
Further, as the metal core sphere made of copper, a low melting point metal containing at least tin (Sn) on its surface, specifically, tin-lead or tin-silver-bismuth solder, etc. By forming the outer layer made of a low melting point metal, the contact portion between the metal sphere and the wiring conductor layer can be connected with the low melting point metal to improve the connectivity with the wiring conductor layer. In this case, it is desirable to increase the heat resistance by precipitating Cu 3 Sn at the contact interface between the metal sphere and the wiring conductor layer.
[0030]
The size D of the metal sphere needs to be within ± 5 μm, particularly within ± 4 μm with respect to the distance T between the two wiring conductor layers to be connected. Even when the diameter D of the metal sphere is smaller than the distance T between the two wiring conductor layers to be connected, electrical conduction can be achieved by deformation of the wiring conductor layer. However, when D <T−5 μm, there is a limit to the deformation of the wiring conductor layer, and it becomes difficult to contact the metal sphere, and at the same time, the flatness of the surface of the wiring circuit layer is impaired due to the deformation of the wiring circuit layer. Further, when D> T + 5 μm, the deformation of the wiring circuit layer is increased, and the flatness of the surface of the wiring conductor layer is impaired.
[0031]
Next, a method for manufacturing the wiring board will be described with reference to FIG. First, as shown in FIG. 1A, a via hole 2 having a predetermined size is formed on an uncured or semi-cured soft insulating sheet 1 by laser processing, micro drilling, or the like.
[0032]
The insulating sheet 1 used here is composed of an insulating material containing at least a thermosetting resin. For example, thermosetting PPE (polyphenylene ether), BT resin (bismaleimide triazine), epoxy resin, polyimide resin, fluororesin, Synthetic resins such as phenol resins and mixtures thereof can be used, but it is desirable to contain thermosetting PPE (polyphenylene ether) in terms of particularly good dielectric properties and low water absorption.
[0033]
Further, in addition to the thermosetting resin, a filler may be combined in the insulating sheet 1 in order to increase the strength of the entire substrate. As the filler, inorganic fillers such as SiO 2 , Al 2 O 3 , ZrO 2 , TiO 2 , AlN, SiC, BaTiO 3 , SrTiO 3 , zeolite, and CaTiO 3 are preferably used. Moreover, you may use the said resin to impregnate the nonwoven fabric, woven fabric, etc. which consist of glass or an aramid resin. As described above, when the thermosetting resin and the filler are combined, it is preferable that the thermosetting resin and the filler are combined at a volume ratio of 30:70 to 70:30.
[0034]
Next, as shown in FIG. 1B, the paste containing the metal sphere 3a and the photocurable resin 3b is squeezed into the via hole 2 by the screen printing method or the like as described above, and the metal sphere 3a. Is buried in the via hole 2 to form a via hole conductor 3.
[0035]
The metal sphere and the organic binder in the paste are 85:15 to 95: 5 in volume ratio of the metal sphere and the organic binder from the viewpoint of embedding in the via hole and lowering the resistance of the via hole conductor after the embedding. It is desirable to be. This is difficult to paste if there are more metal spheres than the above ratio, the embedding in the via hole is low, and conversely if there are fewer metal spheres than the above ratio, the viscosity of the entire paste will be too low The number of metal spheres per unit volume decreases, and depending on the number of via holes in the insulating sheet, there is a possibility that it cannot be embedded in all the via holes by one squeegee process. In addition, the metal sphere 3a to be used needs to have a diameter equal to or smaller than the diameter of the via hole in order to improve the embedding property of the metal sphere 3a in the via hole 2.
[0036]
In order to prepare a paste using a conductor paste composition for a via-hole conductor, a mixture obtained by mixing an organic binder made of a metal sphere and a photocurable resin and appropriately mixing an organic solvent is mixed with a stirring deaerator. By kneading with such a method, the metal sphere and the organic binder can produce a conductor paste having a predetermined viscosity by the high shearing force.
[0037]
And as shown in FIG.1 (c), sufficient ultraviolet-ray 4 for the photocurable resin in the via-hole conductor 3 to harden | cure with respect to the insulating sheet 1 in which the via-hole conductor 3 with which the metal ball 3a was embed | buried was formed. Irradiate. The amount of ultraviolet irradiation is desirably 100 mJ or more. By this ultraviolet irradiation, the conductive paste embedded in the via hole can be semi-cured, the shape retention of the conductive paste in the via hole conductor 3 can be improved, and the occurrence of oozing of the paste after embedded can be prevented.
[0038]
Next, the wiring conductor layer 5 is formed on the surface of the insulating sheet 1 obtained by photocuring the via-hole conductor. As a method for forming the wiring conductor layer 5, a) a method of forming a circuit pattern by attaching a metal foil to the surface of the insulating sheet and then etching, b) forming a resist on the surface of the insulating sheet, and plating C) a method of forming a metal layer, c) a method of attaching a metal foil to the surface of a transfer sheet, etching to form a circuit pattern, and then transferring the circuit pattern of the metal foil to the surface of the insulating sheet. However, among these, it is not necessary to immerse the insulating sheet in an etching or plating solution, and the transfer method of c) is most desirable for preventing chemicals from entering the via-hole conductor. In addition, in the above transfer method, via hole formation and lamination on the insulating sheet and the formation process of the wiring conductor layer can be performed in parallel, so that the manufacturing time in the wiring board can be greatly shortened. It is advantageous.
[0039]
Therefore, the following description will be made with c) a wiring conductor layer formed by the transfer method as an example. A wiring conductor layer 5 made of a metal foil is formed on the surface of the transfer sheet 6. The wiring conductor layer 5 is formed by adhering a metal foil to the surface of the transfer sheet 6 with an adhesive, applying a resist to the surface of the metal foil in a circuit pattern, and then performing etching and resist removal. . At this time, it is desirable that the exposed surface of the wiring conductor layer 5 made of metal foil is roughened by etching or the like to a surface roughness (Ra) of 0.1 to 5 μm, particularly about 0.2 to 4 μm.
[0040]
Moreover, as a conductor component which forms the wiring conductor layer 5, it is desirable to consist of at least 1 sort (s) chosen from copper, aluminum, gold | metal | money, silver, or 2 or more types of alloys, and especially the alloy containing copper or copper The via-hole conductor 3 is formed of a metal foil having a thickness of 5 to 40 μm so that both ends of the via-hole conductor 3 can be sealed to prevent the influence of outside air, and the via-hole conductor 3 formed by embedding a conductor paste is electrically connected. Most desirable due to excellent connectivity.
[0041]
Next, as shown in FIG. 1 (e), the transfer sheet 6 on which the wiring conductor layer 5 is formed is aligned with the surface of the insulating sheet 1 on which the via-hole conductor 3 is formed, and is pressed and laminated. The wiring conductor layer 5 can be formed on both surfaces of the insulating sheet 1 by peeling the sheet 6 and transferring the wiring conductor layer 5 to the insulating sheet 1. At this time, the wiring conductor layer 5 and the via-hole conductor 3 are firmly fixed by the adhesive force of the photocurable binder contained in the conductor paste.
[0042]
In this transfer method, since the insulating sheet 1 is in a soft state at the time of transferring the wiring conductor layer 5, by performing pressure treatment at a pressure of 20 kg / cm 2 or more and a temperature of 60 to 140 ° C. at the time of transfer or after transfer, The wiring conductor layer 5 is embedded in the surface of the insulating sheet 1, and the surface of the insulating sheet 1 and the surface of the wiring conductor layer 5 can be substantially flush with each other.
[0043]
If wiring conductor layer 5 as described above is embedded in the surface of the insulating sheet 1, the diameter D of the metal ball. 3a, t 1 the thickness after curing of the insulating sheet 1, the thickness of the wiring conductor layer 5 t 2 is set such that D is within T ± 5 μm and D ≦ t 1 with respect to the distance T (= t 1 −2t 2 ) between the wiring conductor layers 5.
[0044]
Further, since the via-hole conductor 3 is a single metal ball 3a, there is no scattering of the embedded conductor, and the electrical insulation is not impaired by particles scattered on the insulating sheet. Further, by forming an outer layer made of a low melting point metal containing Sn on the surface of a metal core sphere made of copper having high conductivity, the connectivity with the wiring conductor layer can be improved.
[0045]
Then, by heating the insulating sheet 1 having the via-hole conductor 3 and the wiring conductor layer 5 formed on both sides thereof at a temperature sufficient to cure the thermosetting resin in the insulating sheet 1, two wiring conductor layers 5 are formed. And a wiring board in which these are electrically connected by the via-hole conductor 3 can be manufactured.
[0046]
In the case of multilayering this wiring board, a plurality of via-hole conductors and a wiring conductor layer formed on one surface or both sides are formed on each insulating sheet in the same manner as described above. After the thermosetting resin in the insulating sheet 1 is heated at a temperature sufficient to be cured, or the insulating sheet in which the wiring conductor layer is formed on one surface or both surfaces of the via-hole conductor is thermally cured, a plurality of layers are laminated. By doing so, a multilayer wiring board can be manufactured.
[0047]
In addition, according to the wiring board of the present invention, a via hole can be formed using a drill penetrating the insulating substrate, and a metal plating layer can be formed on the inner wall of the hole.
[0048]
In the above manufacturing method, the heating temperature when the insulating sheet 1 is heat-cured is a temperature sufficient to completely cure the thermosetting resin in the insulating sheet, and at the same time, the organic binder in the via-hole conductor 3. It is desirable that the temperature be sufficiently close to the thermosetting resin in the insulating sheet 1.
[0049]
In particular, in order to obtain sufficient adhesion, it is desirable that the photocurable resin component in the organic binder and the thermosetting resin in the insulating sheet 1 react. For example, an ultraviolet curable epoxy resin is used as a thermosetting resin component in an organic binder, a bisazide compound (2,6- (4-azidobenzal) methylcyclohexanone) is used as a photocrosslinking agent, and thermosetting in an insulating sheet When a PPE (polyphenylene ether) resin is used as the conductive resin, a via-hole conductor paste that has been UV-cured once at a temperature of about 200 ° C. and a pressure of about 20 kg / cm 2 is obtained by a curing press at 200 ° C. Since the photocured resin in the conductor paste has a low viscosity because it is heated to a temperature higher than the glass transition point, the fluidization of the resin occurs and the bonding between the conductive particles and the wiring conductor can be enhanced.
[0050]
At the same time, the bisazide compound diffuses and moves to the insulating sheet 1 side, and a reaction occurs between the thermosetting PPE (polyphenylene ether) resin in the insulating sheet 1 and the bisazide compound via a diazo group, and the via-hole conductor 3 As a result of formation of a reaction product of the bisazide compound and the PPE resin in the periphery of the via hole conductor, the via-hole conductor and the insulating sheet can be firmly adhered. In addition, since the reactant is excellent in heat resistance, insulation, and dielectric properties, the properties of the insulating sheet are not deteriorated.
[0051]
【Example】
In order to evaluate the characteristics of the conductor paste composition of the present invention, a single-layer wiring board (in which a wiring conductor layer was formed on both surfaces of a single insulating board) was produced as follows.
[0052]
First, tin-silver-coated copper spheres (average particle size 50 μm, tin-silver content 15% by weight) 88 to 94% by weight, and as a photocurable resin component, 2,6 to 100 parts by weight of an ultraviolet curable liquid epoxy resin. -The organic binder which added and mixed the photocrosslinking agent of-(4-azidobenzal) methylcyclohexanone in the ratio of 30 weight part was prepared in the ratio of 8-12 weight%, and also the total amount of the said metal sphere and organic binder 100 weight part In contrast, 3 parts by weight of propylene glycol monomethyl ether acetate as a solvent was added and mixed. The mixture was kneaded with three rolls to prepare a conductor paste.
[0053]
The viscosity of the prepared conductor paste at a shear rate of 100 s −1 was measured using a cone-type viscometer having a diameter of 20 mm, and is shown in Table 1.
[0054]
On the other hand, a via hole having a diameter of 50 μm is formed on a B-stage insulating sheet (thickness after curing = 70 μm) composed of 40% by volume of thermosetting polyphenylene ether and 60% by volume of silica by a micro drill of the insulating sheet. Twenty pieces were formed at an interval of 500 μm between the centers of the above, and the paste was squeegeeed by a screen printing method to embed metal balls together with a photocurable resin in the via holes. Thereafter, the via-hole conductor was cured by irradiating the via-hole conductor with ultraviolet rays having an ultraviolet irradiation amount of 600 mJ.
[0055]
Then, after bonding the wiring conductor layer made of copper foil having a thickness of 12 μm to both sides of the insulating sheet of the B stage subjected to the curing treatment of the conductor paste by the transfer method so as to sandwich both ends of the via-hole conductor, 200 A curing process was performed for 60 minutes at 20 ° C. and a pressure of 20 kg / cm 2 to produce a single-layer wiring board.
[0056]
Further, as a comparative example, a wiring board was produced in the same manner as described above except that a thermosetting liquid epoxy resin (thermosetting temperature 150 ° C.) was used as the organic binder.
[0057]
The volume specific resistance value between the wiring conductor layer-via hole conductor-wiring conductor layer in the obtained wiring board was measured. In addition, the cross-section of the via-hole conductor forming portion was observed, and the presence or absence of the conductive paste on the surface around the via-hole conductor of the insulating substrate and the embedding property of the paste in the via hole were evaluated. The results are shown in Table 1. At the same time, the flatness of the surface of the wiring board was measured and shown in Table 1.
[0058]
[Table 1]
[0059]
As shown in the results in Table 1, when a photocurable resin is embedded in a via hole together with a metal sphere, the metal sphere does not fall off after embedment or the organic binder does not bleed out, and the wiring conductor has low resistance. A via-hole conductor with a small layer and connection resistance could be formed.
[0060]
In particular, when the outer layer having a low melting point is formed on the surface of the metal sphere, the contact resistance between the via-hole conductor and the wiring conductor layer can be further reduced as compared with the case where the outer layer is not formed. Further, it was found that when the difference between the diameter D of the metal sphere and the distance T between the wiring conductor layers is 5 μm or less, the flatness of the wiring board surface can be reduced to 7 μm or less.
[0061]
On the other hand, in sample No. 8 using a paste containing a thermosetting liquid epoxy resin, dropping of metal spheres and oozing out of an organic binder was observed, and in sample No. 9 using an acrylic resin. The viscosity of the paste was high, resulting in poor embedding of metal spheres.
[0062]
Further, in the samples No. 10 and 12, in which the size of the metal sphere is larger than ± 5 μm with respect to the wiring circuit interlayer distance, the flatness is larger than 7 μm.
[0063]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the present invention, the photocurable resin component is embedded in the via hole together with the metal sphere, and by photocuring after the embedment, the metal sphere is prevented from falling off and the organic dinder oozes, A via-hole conductor having a low resistance and a small contact resistance with the wiring conductor layer can be formed, whereby a wiring board having a high reliability of a circuit including the via-hole conductor and the wiring conductor layer can be manufactured with a high yield.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a process diagram for explaining a method of manufacturing a wiring board in the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Insulation sheet 2 Via hole 3a Metal sphere 3b Photocurable resin 3 Via hole conductor 4 Ultraviolet ray 5 Wiring conductor layer 6 Transfer sheet