JP3792437B2 - 車載情報装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、利用者の走行する道路の情報を画像表示する車載情報装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から道路地図情報を道路ネットワーク情報として記憶しておき、道路地図を画像表示しながら走行経路案内を行う車載情報装置は広く用いられている。このような車載情報装置の近年の動向として、表示する画像が道路地図やこの道路地図上の自車位置だけでなく、日付,時刻や季節感などを表示する機能を有しているものがある。
【0003】
図16は上記機能を有する従来の車載情報装置として、例えば特開平10−267668号公報に開示された車載情報装置の表示画面を示す図である。図示の例では、特に道路交差点を拡大して立体的に表示している。図において、103,104は道路、105はこれら道路103,104が交差した交差点で、102は道路103,104および交差点105が拡大表示された走行道路拡大図である。106はこの走行道路拡大図102の地平線に相当する部分に表示された背景図、107はこの背景図106の一部に表示された祝祭日イメージアイコン、108は背景図106の一部に表示された季節イメージアイコンである。
【0004】
次に概要について説明する。
走行道路拡大図102は、この車載情報装置に搭載されている方位センサ,角速度センサ,距離センサおよびGPS装置などによって自車位置情報を取得し、これに基づいてCD−ROMなどの記憶手段から道路ネットワーク情報を読み出して、この道路ネットワーク情報にともなって表示が変化してゆく。一方、背景図106は例えば昼と夜などの時間帯によって変化し、その間は一定の表示を続ける。この表示は時間帯に合わせて、さらに細かい時刻変化にともなう背景変化を表示するように設定することも可能であり、また、車両の走行地域が都会地か、田舎地帯か、若しくは山間地帯であるかなどを地図データから判別して、背景図106の静止画像イメージを変えることもできる。
【0005】
また、祝祭日イメージアイコン107および季節イメージアイコン108も自動的表示される。その内容として祝祭日イメージアイコン107では、例えば、「元旦」の日では門松の後ろに初日の出が現れるイメージが、祝祭日イメージアイコン107の表示領域にアイコンとして表示される。季節イメージアイコン108では、四季うち例えば「秋」ならば紅葉の葉が、季節イメージアイコン108の表示領域にアイコンとして表示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車載情報装置は以上のように構成されているので、時刻などに基づいて状態が刻々と変化する車外の外部事象に対応した背景図の画像表示がなされておらず、アイコン表示のみであった。さらに、時刻による背景画像の変化も静止画像が変化するだけで、自車の正確な外部事象に基づいた画像を表示するものでなかった。これにより、従来の車載情報装置の使用者は表示された画像と現実の外部事象とが異なるために表示画像と現実との違和感を与えるという課題があった。また、車両の運転者は表示された画像と現実の外部事象とが一致しているかどうか確信がもてず不安を起こさせるという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、時刻に基づいて状態が刻々と変化する外部事象を、表示した道路地図のその外部事象が存在する位置に表示することにより、より現実に近い外部事象の表示をすることができる車載情報装置を得ることを目的とする。
【0012】
この発明に係る車載情報装置は、外部事象の時刻を設定する外部事象時刻設定手段を備えるものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車載情報装置は、地図データ、外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを記憶した記憶手段と、位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報に対応した設定位置情報を算出する表示位置設定手段と、設定位置情報に基づいて記憶手段から読み出した外部事象データもしくは外部事象予測情報データから外部事象の位置と状態を算出する外部事象算出手段と、この外部事象算出手段の算出した外部事象の位置と状態、表示位置設定手段の算出した設定位置情報、及び上記記憶手段に記憶した地図データに基づいて、地図画像および該地図画像上の外部事象の位置と状態とを算出し、外部事象とともに地図画像を表示する表示手段と、車外の外部事象を認識し、この外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを算出する車外状況認識手段と、車外状況認識手段が認識した外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを蓄積させた装置外部に設けた外部記憶手段から外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを入手する通信手段とを備えるものである。
【0019】
この発明に係る車載情報装置は、外部事象算出手段は車外状況認識手段が認識した外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データが記憶手段の一定容量を超えると、通信手段を介して外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを外部記憶手段へ移動させるものである。
【0020】
この発明に係る車載情報装置は、車外の外部事象を認識し、この外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを算出する車外状況認識手段を備え、車外状況認識手段が、外部事象として地図上の特定の位置及び時間に移動する人物等の移動体を認識してデータを算出すると共に、装置外に設けた外部記憶手段に蓄積しておき、外部事象算出手段が、車外状況認識手段が認識した特定の時間に基づいて通信手段が外部記憶手段から取得したデータから移動体を表示すべき位置を算出し、表示手段が、車外状況認識手段が認識した特定の時間において外部事象算出手段が算出した位置に移動体を地図画像上に表示するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による車載情報装置の構成を示すブロック図である。図において、1は車載情報装置、10は地図データおよび外部事象データを記憶する地図データベース(記憶手段)で、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体が使用される。ここで、この地図データベース10に記憶される地図データとは地図画像を作成するのに用いる道路,建造物名,山や川の名前や位置などの情報であり、外部事象に関するデータとは車外の外部事象の状態と位置を示す情報で、現在時刻に基づいた外部事象データ及び/又は現在時刻以降の時刻に基づいた外部事象予測情報データから構成される。11は地図データベース10から地図データおよびこれに対応した外部事象データを読み込む地図データ入力部(記憶手段)で、CD−ROM/DVD−ROMドライブ装置などが使用される。21はGPS(Global Positioning System)衛星から自車位置に対応した自車位置情報を取得するGPS(位置情報取得手段)、22は車両から車速パルス信号を入力しその走行距離を算出する距離センサ(位置情報取得手段)、23はジャイロからなり車両の方位を算出する方位センサ(位置情報取得手段)であり、20はこれらGPS21,距離センサ22及び方位センサ23の信号を入力し現在の自車の方位や位置などの自車位置情報(位置情報)を算出する自車位置計算部(位置情報取得手段)である。
【0023】
30は外部事象計算部50の算出した外部事象の位置と状態、表示位置設定部32の算出した設定位置情報、及び地図データベース10に記憶した地図データに基づいて、地図画像および該地図画像上の外部事象の位置と状態とを算出する表示画像生成部(表示手段)、31は表示画像生成部30の算出した外部事象とともに地図画像を表示する表示部(表示手段)であり、液晶モニタなどからなる。40はユーザの操作命令を入力する操作リモコン(位置情報取得手段)、41は操作リモコン40の入力情報を解読する操作入力部(位置情報取得手段)である。32は自車位置計算部20や操作入力部41から入力された位置情報から表示位置に対応した位置や自車方位などからなる設定位置情報を算出する表示位置設定部(表示位置設定手段)、51は地図データ入力部11から地図データに対応した外部事象に関するデータが記憶される事象記憶メモリ(記憶手段)である。50は事象記憶メモリ51の外部事象データもしくは外部事象予測情報データを基に外部事象の位置と状態を算出する外部事象計算部(外部事象算出手段)である。
【0024】
次に動作について説明する。
先ず、車載情報装置1が動作を開始すると表示位置設定部32は自車位置を表示するように設定される。これにより、GPS21,距離センサ22および方位センサ23などからの信号を入力した自車位置計算部20によって算出された自車位置情報を表示位置設定部32が入力する。この表示位置設定部32は入力された自車位置情報に基づいて、地図データベース10より自車位置周辺の地図データおよびこれに対応した外部事象に関するデータを読み出して地図データ入力部11に入力する。この地図データ入力部11に入力された地図データおよび外部事象に関するデータのうち、地図データが表示画像生成部30に入力され、事象記憶メモリ51に自車位置周辺の地図データに対応した外部事象に関するデータが入力される。表示画像生成部30は入力された地図データから自車位置周辺の地図画像を生成する。
【0025】
表1に事象記憶メモリ51に記憶された外部事象に関するデータの内容の一例を示す。表1では、外部事象データは外部事象種別コード、外部事象種別内コード、外部事象の内容、座標系コード、位置計算式、有効時刻−始端、有効時刻−終端、形状描画データからなり、外部事象の内容は第1項目に太陽、第2項目に月、第3項目に星座1が挙げられている。第1項目の太陽について説明すると、先ず、外部事象種別コードは外部事象の種別を分類するためのもので、表1では大きく天体として分類し、天体を示すコード番号を01として設定している。次に外部事象種別内コードは外部事象の種別内で外部事象を分類するためのもので、太陽を示すコード番号を0001として設定している。座標系コードは位置を決定する座標系を分類するためのもので、ここでは極座標を示すコード番号として1が設定されている。位置計算式(計算式)は太陽の位置を算出するもので、予め定められた基準点Xから時刻tが経過したときの太陽の位置を表すものである。このとき、時刻tに現在時刻を入力したものが外部事象データであり、現在時刻以降を入力したものが外部事象予測情報データである。この位置計算式により算出する太陽の位置変化の有効期限を示したものが、有効時刻−始端ts11、有効時刻−終端te11である。この太陽の有効期限ts11,te11は、例えば2000年01月01日0時0分から2999年01月01日0時0分と設定する。形状描画データは太陽の時刻tに基づいた形状を示すもので、表1のxx11は例えば円形であるとか色が赤いなどのデータから構成されている。このとき、時刻tに現在時刻を入力したものが外部事象データであり、現在時刻以降を入力したものが外部事象予測情報データである。
【表1】
Figure 0003792437
【0026】
次に、上記外部事象データを用いて地図画像上に外部事象を表示する処理について説明する。
図2はこの実施の形態1による車載情報装置が表示した外部事象として太陽を併記した地図画像を示す図であり、鳥瞰図表示している。図において、101は地図画像上の地平線イメージ、111〜113は地図画像上の道路線、200は外部事象としての太陽(天体)、300は地図画像上の自車位置と自車方位とを示す自車アイコン、301は方位アイコンである。
【0027】
外部事象計算部50は事象記憶メモリ51に記憶された自車位置周辺の地図データに対応した外部事象データ(表1参照)に基づいて、外部事象の位置と状態を算出する。ここでは、外部事象としての太陽200について説明する。
外部事象計算部50は事象記憶メモリ51に記憶された自車位置周辺の地図データに対応した外部事象データに基づいて、ある基準点Xから見た現在時刻の太陽の位置を算出する。次に現在の自車位置Y1から見た現在時刻の太陽の位置への変換を行い、現在の自車位置Y1から見た現在時刻の太陽の位置、形状を算出し、表示画像生成部30に出力する。
【0028】
入力された現在の自車位置Y1から見た現在時刻の太陽の位置、形状に基づいて、表示画像生成部30は地図画像である鳥瞰図上での太陽の位置を算出する。
この算出について説明する。
表1より外部事象の位置は極座標で表される。この極座標系での外部事象の3次元位置a(Θ,γ,r)を示したものが図3であり、これを直交座標に変換すると下記のようになる。
z=r・sin(γ)
y=r・cos(γ)・sin(Θ)
x=r・cos(γ)・cos(Θ)
表示部31で表示するには上記直交座標系に変換された外部事象の3次元位置aを2次元で表さなければならないので、これを図3のx−z平面上に投影して表す。このようにして外部事象の位置をx−z平面上に投影したものを図4に示す。表示部31は図4の頂点(XR ,ZU )、(XR ,ZD )、(XL ,ZU )(XL ,ZD )に囲まれた斜線部分を表示するように設定されている。図示の例では外部事象の位置A(x,z)は表示部31の表示範囲内に位置しており、このようにして算出された太陽の位置が表示部31に出力されて、図2に示す太陽200のように鳥瞰図上に表示される。これにより、車両が同じ位置であっても時刻が異なる場合は、鳥瞰図上の太陽200の位置は現実に即した位置に表示されるようになる。
【0029】
図5はこの実施の形態1による車載情報装置が表示する夜間の地図画像を示す図である。図5も図2と同様に鳥瞰図で表示されている。図において、201,202は外部事象としての星座(天体)を示している。なお、図1と同一構成要素は同一符号を付し重複する説明を省略する。
【0030】
図に示すように夜間に対応した外部事象を表示することができる。星座201,202の他に月などを表示するようにしてもよい。もちろん、これらの外部事象も時刻によって状態や形状が現実に即して変化するように表示する。
【0031】
また、図示はしないがユーザが操作リモコン40によって地図画像上の視点位置や、空の部分と地面の部分の表示割合を変更できるようにしてもよい。この表示変更はユーザが操作リモコン40によって入力した情報を基に表示画像生成部30が行うようにする。これにより、表示画像がユーザの好みに柔軟に対応することができる。
【0032】
さらに、操作リモコン40および操作入力部41も位置情報取得手段として動作するようにしてもよい。即ち、ユーザによって操作リモコン40から自車位置以外の任意の表示位置と方位などからなる位置情報が入力された場合、これに従った地図画像と太陽とを表示画像生成部30が表示するようにしてもよい。この場合、ユーザの要求した任意の位置に対応する位置情報を表示位置設定部32に入力して上記実施の形態1と同様に処理を行って外部事象とともに地図画像の表示を行う。
【0033】
さらに、ユーザによって操作リモコン40から入力される位置情報に、視野を回転させる情報を加えることで、地図画像を様々な視野から表示することができるようにしてもよい。
【0034】
なお、上記実施の形態1では地図データベース10から外部事象データを読み込んだが、事象記憶メモリ51をROM(Read Only Memory)で構成し、予め外部事象に関するデータを記憶するようにしてもよい。この場合、事象記憶メモリ51は地図データ入力部11から外部事象に関するデータを入力しないようにする。
【0035】
以上のように、この実施の形態1によれば、地図データおよび外部事象に関するデータを記憶した地図データベース10や事象記憶メモリ51などの記憶手段と、位置情報を取得する位置情報取得手段である自車位置計算部20もしくは操作リモコン40および操作入力部41と、位置情報から表示する位置に対応した設定位置情報を算出する表示位置設定部32と、外部事象データもしくは外部事象予測情報データに基づいて設定位置情報から外部事象の位置と状態を算出する外部事象計算部50と、この外部事象計算部50の算出した外部事象の位置と状態、表示位置設定部32の算出した設定位置情報、及び記憶手段10,51に記憶した地図データに基づいて、地図画像および該地図画像上の外部事象の位置と状態とを算出する表示画像生成部30と外部事象とともに地図画像を表示する表示部31とからなる表示手段を備えたので、現実感のある車載情報表示を行うことができ、表示した外部事象の現実との不一致を解消することができる効果が得られる。
【0036】
また、地図画像を鳥瞰図とし外部事象をこの鳥瞰図上に表示したので、より広い視野から外部事象と現実との一致を確認することができ、現実感のある車載情報表示をすることができる。
【0037】
実施の形態2.
上記実施の形態1では現在時刻に対応した車載情報表示について示したが、この実施の形態2はユーザが任意の時刻における車載情報表示を行うことができるものである。
【0038】
図6はこの発明の実施の形態2による車載情報装置の構成を示すブロック図である。図において、52は外部事象の時刻を設定する外部事象時刻設定部(外部事象時刻設定手段)である。なお、図1と同一構成要素は同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0039】
次に動作について説明する。
現在の時刻に対応した地図画像の表示は実施の形態1と同一の動作により行われるので説明を省略する。ここでは、ユーザによる外部事象の時刻変更要求があった場合の時刻変更動作について説明する。
先ず、ユーザが操作リモコン40を使って例えば1時間時刻を進める要求を入力すると、この時間変更情報は操作入力部41で解読された後、外部事象時刻設定部52に入力される。外部事象時刻設定部52は入力された時間変更情報より現在時刻から1時間進めるように外部事象計算部50に通知する。この通知を受けた外部事象計算部50は1時間進めた時刻に基づいて外部事象の位置と状態とを算出する。算出された外部事象の位置と状態とが表示画像生成部30に入力され、地図画像上の外部事象の位置と状態が求められ、これらの表示を表示部31が行う。
【0040】
上記のようにして時刻変更を行った表示画像を示したものが図7である。図7は図5の時刻から1時間進めた場合の表示画像である。図5と比較すると、外部事象である星座201,202は、1時間時刻が進むと図7のような夜空の位置に移動することがわかる。
【0041】
また、例えば1時間の外部事象の変化を5秒単位で表示するようにして、一定時間分(例えば24時間)時刻を連続的に進めて外部事象の経時変化を動的に表示するようにしてもよい。
【0042】
以上のように、この実施の形態2では、外部事象の時刻を設定する外部事象時刻設定部52を備えたので、ユーザの要求した時刻における外部事象や一定時間分を連続的に変化する外部事象を表示することができ、ユーザに多くの情報を与えることができる効果が得られる。
【0043】
実施の形態3.
上記実施の形態2では現在位置における外部事象の時間変化を表示する例を示したが、この実施の形態3は任意の時刻における自車の予想位置からみた外部事象の変化を表示するようにしたものである。構成は実施の形態2と同一である。
【0044】
動作の概要としては、ユーザが自車の走行予想経路を予め設定すると、外部事象時刻設定部52が自車の標準速度などから目的地に到着する予想時刻を求め、この時刻までの任意の時刻における上記走行予想経路中の予想自車位置の地図画像とこの地図画像上の外部事象の位置と状態とを算出し、これらをともに表示する。
【0045】
また、走行シミュレーションモードとして、自車の走行予想経路に従って目的地に到着する予想時刻までの1時間の変化を30秒で表示するように設定して、目的地までの予想自車位置の地図画像とこの地図画像上の外部事象の位置と状態とを連続的に表示してもよい。
【0046】
以上のように、この実施の形態3では、任意の時刻における自車の予想位置からみた外部事象の変化を表示するようにしたので、走行予想経路における外部事象の変化を確認でき、ユーザの経路選択において多くの情報をもたらし、使い勝手の良い車載情報表示をすることができる効果が得られる。
【0047】
実施の形態4.
上記実施の形態1から実施の形態3までは、装置内の記憶手段に記憶した外部事象に関するデータを読み出して地図画像上に表示するものであったが、この実施の形態4は通信手段を備えて装置の外部に設けた外部事象に関するデータを蓄積させた情報提供センタから当該外部事象に関するデータを入手することができるようにしたものである。
【0048】
図8はこの発明の実施の形態4による車載情報装置の構成を示すブロック図である。図において、60は携帯電話61を使って装置1内と情報提供センタ63との間で情報のやり取りをする通信インタフェース部(通信手段)、61は情報提供センタ63と通信するための通信メディアである携帯電話(通信手段)、63は外部事象データや外部事象予測情報データなどの外部事象に関するデータを蓄積した情報提供センタである。なお、図6と同一構成要素は同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0049】
次に動作について説明する。
現在の時刻に対応した地図画像と外部事象の表示は実施の形態1と同一の動作により行われるので説明を省略する。ここでは、携帯電話61による情報提供センタ63からの外部事象に関するデータの入手動作と、入手された外部事象に関するデータから外部事象の位置と状態とを算出し地図画像上に表示する動作について説明する。
先ず、ユーザが操作リモコン40を使って装置1外の情報提供センタ63から外部事象に関するデータを取得する要求を入力する。この通信要求は操作入力部41により解読され外部事象計算部50に入力される。通信要求が入力された外部事象計算部50は通信インタフェース部60に装置1外から外部事象に関するデータを入手するように指示する。通信インタフェース部60は携帯電話61を制御し情報提供センタ63とアクセスを行う。これにより、情報提供センタ63からの外部事象に関するデータが入手される。ここでは外部事象として例えば気象情報を入手した場合について説明すると、入手した気象情報に関するデータは通信インタフェース部60から事象記憶メモリ51に一時記憶される。この事象記憶メモリ51の記憶内容を表2に示す。
【表2】
Figure 0003792437
【0050】
表2の内容について説明すると、実施の形態1に示した太陽、月、星座等の外部事象種別コード01で示される天体のデータと、上記のようにして入手した外部事象種別コード06で示される気象情報のデータ、および後述する外部事象種別コード02、03でそれぞれ表される航空機および船舶のデータが記憶されている。気象情報のデータの位置は実施の形態1で示した天体のデータと同様に極座標系に基づいた位置計算式により表される。
【0051】
また、表1では気象情報のデータとして雲が挙げられており、外部事象種別内コードにより様々な雲の位置や形状の情報が保持される。この雲の位置や形状の情報は実施の形態1と同様に有効時刻の間の経時変化が算出され地図画像上に表示されるが、有効時刻後はその有効性をなくす。この有効時刻は当該雲の情報が情報提供センタ63に記録された時刻を基準としてその情報の有効性がなくならない程度の時間であり、例えば雲などの情報は情報提供センタ63に記録されてから1時間程度とする。
【0052】
さらに、実施の形態1で示した天体のデータでは、その形状が時間とともに変化するものではないので、その形状描画データは時間tによる関数で表現されていなかったが、上記雲のデータなどは形状が時間とともに変化するので形状描画データは時間tによる関数yy61(t),yy62(t)で表されている。この関数は実際に観察した雲の画像データの経時変化などから導出される。
【0053】
上記の事象記憶メモリ51に記憶されたデータにより、地図画像上に雲を表示する過程について説明する。
通信インタフェース部60から入力された雲のデータが事象記憶メモリ51に記憶されると、外部事象計算部50は雲のデータを事象記憶メモリ51から読み出し、現在時刻における雲の位置と形状とを算出する(ここで、算出される雲の位置は実施の形態1で示した極座標系におけるものである)。算出された雲の位置と形状の情報は表示画像生成部30に送られ、この表示画像生成部30は表示部31に表示させるために入力された雲の位置を直交座標系へ変換し、実施の形態1と同様に2次元平面への投影を行う。このようにして表示部31に表示した画像を図9に示す。
【0054】
図9のように鳥瞰図で表示した地図画像上に雲(気象上の物体)203が現在位置、現在時刻に対応した位置、形状で表示される。当然、現在時刻は刻々と経過するのでそれに応じて雲203の位置、形状が変化する。このとき、表示画像生成部30に天候に応じて空の色や地図表示の明るさを自動的に調節する機能を持たせてもよい。
【0055】
図10はこの実施の形態4による車載情報装置の通信手段が外部事象として航空機や船舶のデータを入手し、これらを表示した地図画像を示す図である。図において、210は鳥瞰図上に表示された航空機で、その位置や機種は現在位置、現在時刻に対応している。211は鳥瞰図上に表示された船舶で、その位置や船種は現在位置、現在時刻に対応している。なお、図2と同一のものは同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0056】
図10の表示は、表2に示した航空機210、船舶211の位置や運行情報などの航空機210、船舶211のデータから位置及び状態が算出される。ここで、航空機210は実際にも3次元空間を任意に移動することができるので、実施の形態1の太陽200と同様にその位置決定は極座標系を用いて行い表示画像生成部30にて直交座標系に変換し2次元平面である鳥瞰図上に投影される。一方、船舶は実際には海などの2次元平面上を移動するので、その位置を予め直交座標系で表現することで余計な変換処理を省略している。当然ながら、航空機210,船舶211の形状は時間変化しないので、その形状描画データは時刻tの関数にはならない。
【0057】
上記実施の形態では、装置1外の情報提供センタ63から通信手段を介して、雲、航空機および船舶の表示を行う例について示したが、これに限らず様々な外部事象に関するデータを情報提供センタ63から入手し表示できる。
例えば、情報提供センタ63に天文に属する流星や、気象情報に属する津波などの位置や状態に関するデータを蓄積させておき、周期的にやって来る流星群の発生や、突発的な津波などを現在位置に即して表示するようにしてもよい。
また、季節の変化に対応して、例えば桜の開花位置情報に即した外部事象に関するデータを情報提供センタ63に蓄積しておく。これにより、例えば現在位置に応じて地図画像上の山などを桜色に表示できるようにしてもよい。このとき桜の開花状態により蕾や五分咲き、全開などの状態を山にデフォルメ表示画像を情報提供センタ63もしくは装置1内の記憶手段から読み出して表示するようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施の形態では携帯電話により情報提供センタ63から外部事象に関するデータを入手したが、これに限らず業務用無線機などの他の通信手段でもよい。また、FMラジオなどの放送受信機を利用してもよい。
【0059】
以上のように、この実施の形態4によれば、装置1外部に設けた情報提供センタ63から外部事象に関するデータを入手する携帯電話61や通信インタフェース60などの通信手段を備え、外部事象計算部50は、通信手段から入手した外部事象に関するデータから外部事象の位置と状態を算出するので、情報提供センタ63から刻々変化する外部事象を入力でき、ユーザに多くの情報を与える車載情報表示をすることができる。
【0060】
実施の形態5.
上記実施の形態では装置内の記憶手段もしくは装置外の情報提供センタから既存の外部事象に関するデータを入手してそれらを地図画像上に表示するものであったが、この実施の形態5は車外の外部事象を認識して外部事象に関するデータとする車外状況認識手段を備えたものである。
【0061】
図11はこの発明の実施の形態5による車載情報装置の構成を示すブロック図である。図において、70はCCDカメラ71の撮影した外部事象のカラー画像を基に外部事象を認識する画像処理部(車外状況認識手段)、71は車外の外部事象を撮影するCCDカメラ(車外状況認識手段)である。なお、図6と同一の構成要素は同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0062】
次に動作について説明する。
現在の時刻に対応した地図画像と外部事象の表示は実施の形態1と同一の動作により行われるので説明を省略する。ここでは、CCDカメラ71による自車周辺の外部事象の画像取り込みと、その画像に基づいて画像処理部70が外部事象に関するデータを算出し、この外部事象に関するデータから外部事象の位置と状態とを算出し地図画像上に表示する動作について説明する。
先ず、ユーザが操作リモコン40を使って車外の外部事象に関するデータを取得する要求を入力する。ここでは説明の簡単のためにこの取得要求を、例えば一定以上の大きさの街路樹(車外の特定種類の物体)とする。次にこのユーザによる取得要求は操作入力部41により解読され外部事象計算部50に入力され、この取得要求を受けて外部事象計算部50は画像処理部70に上記ユーザ要求に基づいた外部事象に関するデータを取得するように指示する。
【0063】
画像処理部70はCCDカメラ71を制御して、これに自車周辺の外部事象を撮影させる。撮影された車外の外部事象の画像は、画像処理部70に入力されて、カラー3要素である赤,緑,青の成分から樹木の葉の色である緑の成分とエッジ画像などから樹木を認識し、樹木の形状、位置情報などのデータを算出して、これを事象記憶メモリ51に記憶する。事象記憶メモリ51に記憶された内容を表3に示す。
【表3】
Figure 0003792437
【0064】
表3の内容について説明すると、実施の形態1に示した太陽、月、星座等の外部事象種別コード01で示される天体のデータと、上記のようにして算出され外部事象種別コード05で示される樹木のデータと、外部事象種別コード04で示され車外の他の外部事象として後述する子供のデータとが記憶されている。これらのコード番号は、画像処理部70が外部事象に関するデータを算出する際に画像処理部70によって付される。
また、樹木のデータの位置は2次元平面上に固定されているので、極座標系でなく直交座標系に基づいた位置計算式により表される(子供のデータも同様に、人間は2次元平面上を移動するので直交座標系に基づいた位置計算式により表される)。また、このデータの有効時刻は例えば情報入手から1年間として有効時刻経過後は新たに撮影することで更新する。この有効時刻中は樹木の形状が徐々に成長するように形状描画データは時間tの関数xx51(t),xx52(t)で表している。
【0065】
動作の続きを説明すると、外部事象計算部50は設定位置情報に応じた樹木のデータを事象記憶メモリ51に記憶された樹木のデータから読み出し、表示画像生成部30に送る。表示画像生成部30は地図画像上に現実の位置、形状に対応した樹木の画像を算出する。算出された樹木のデータは表示部31に入力されて地図画像上に樹木を表示する。
【0066】
上記のようにして地図画像上に樹木を表示したものを図12に示す。図において、220が表示された樹木の画像(車外の特定種類の物体)であり、この樹木の画像は時間によって徐々に成長しリアルな表示がなされる。
【0067】
また、上記実施の形態では外部事象を街路樹に設定したが、このような植物に限らず、特定の建物を入力してもよい。さらに、幼稚園児や学童などを入力してもよい。この場合、上記CCDカメラ71の替わりに赤外線カメラを用いると人間の正確な位置や形状を容易に認識することができる。また、幼稚園児や学童などの人間は常に動いているので、特定の曜日、時間帯に、どこどこに学童などが通行しているという情報を視認できるように図12のように人間221の画像(車外の特定種類の物体)を表示するようにしてもよい。このとき、運転速度が安全上超過している場合は警告音を出す警報手段(図11中の記載省略)を設けてもよい。
【0068】
さらに、上記実施の形態では外部事象の入力にCCDカメラ71を用いたが、カメラに限らず、超音波、電磁波、光などによる3次元画像を基に外部事象を認識してもよい。また、外部事象として不可視の状態を扱っても構わない。例えば、電波状態や磁気状態、紫外線状況や花粉状況などを各種センサなどを使って入力し、地図画像上に示してもよい。
【0069】
以上のように、この実施の形態5によれば、車外の外部事象を認識し、外部事象の外部事象に関するデータを算出するCCDカメラ71などの車両センサや画像処理部70などの車外状況認識手段を備え、外部事象計算部50は、外部事象の外部事象に関するデータから、外部事象の位置と状態を算出するので、車両センサによって外部事象を認識して、この外部事象に関するデータを装置1内に蓄積し、これを適時地図画像上に表示することができ、ユーザに多くの情報を与えることができる車載情報表示を実現することができる効果が得られる。
【0070】
さらに、車外状況認識手段は算出した外部事象に関するデータにコード番号を付してデータベースとして事象記憶メモリ51などの記憶手段に記憶し、外部事象計算部50はこのコード番号に対応する外部事象に関するデータから外部事象の位置と状態を算出するので、効率よく表示画像を生成することができる。
さらに、車外状況認識手段は外部事象として、車外の特定種類の物体を認識するので、ユーザの要求に基づいた多くの情報を与える車載情報表示を実現することができる。
【0071】
実施の形態6.
この実施の形態6では、その構成は実施の形態2と同一であるが、地図データベース10に記憶される地図データとして建造物の形状、位置などの建造物データや山の形状なども扱われ、これらと外部事象(例えば太陽)とを地図画像上に表示した場合に、現実の車外環境により近い表示をするために太陽の位置や天候などにより影などの外部事象(太陽)の影響による地図画像の変化分を表示画像生成部30が算出するものである。
【0072】
図13はこの発明の実施の形態6による車載情報装置が表示する表示画像を示す図である。図において、120は地図データベース10に記憶された建造物の形状などを含んだデータから算出された建造物の画像、121は地図データベース10に記憶された山の形状などを含んだデータから算出された山の画像で、222は建造物の画像120による影響で地図画像上に生じた変化分である影の画像で、223は山の画像121による影響で地図画像上に生じた変化分である影の画像である。なお、図2と同一構成要素は同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0073】
次に動作について説明する。
現在の時刻に対応した地図画像と外部事象の表示は実施の形態1と同一の動作により行われるので説明を省略する。ここでは、地図データベース10に記憶された建造物の形状、位置や山の形状などを含んだ地図データから表示画像生成部30が建造物や山の位置や形状および外部事象として太陽の建造物や山へ与える影響による地図画像の変化分を算出し地図画像上に表示する動作について説明する。
建造物の画像120や山の画像121の表示は実施の形態1と同様に地図データベース10から上記建造物の形状、位置や山の形状などの情報を含んだ地図データを読み出し、地図画像上に表示する。この後、表示画像生成部30は外部事象である太陽200によって建造物の画像120及び山の画像121などの地図画像上に与える変化分である影の画像222,223を算出する。この計算は予め装置1内の記憶手段に記憶させた外部事象の存在によって地図画像上に与えるであろう変化分のデータと対象となる外部事象の形状と対象となる外部事象の地図画像上の位置とを用いて行われる。
【0074】
また、図13中に記載を省略したが、灯台やサーチライトなどを地図データベース10に記憶しておき、これらの光によって生成する地図画像の変化分である影の画像を表示するようにしてもよい。
【0075】
以上のように、この実施の形態6によれば、表示画像生成部30などの表示手段が、外部事象計算部50が算出した外部事象の位置と状態、および地図データベース10などの記憶手段に記憶した地図データから、外部事象の影響による地図画像の変化分(例えば、影など)を算出し、地図画像とともに外部事象および外部事象の影響による地図画像の変化分を表示するので、より現実に即した車載情報の表示をすることができる効果が得られる。
【0076】
実施の形態7.
上記実施の形態では一定縮尺の地図画像を表示するものであったが、この実施の形態7は、適時拡大した地図画像とし、経路誘導を表示するものである。
【0077】
図14はこの発明の実施の形態7による車載情報装置が表示する表示画像を示す図であり、図13の建造物120の周辺を拡大している。図において、120は建造物の画像、222は建造物120と太陽200とによって生じた影の画像、310は自車の進行方向を誘導する経路誘導アイコン(経路誘導)である。なお、図13と同一物は同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0078】
次に動作について説明する。
実施の形態1と同様に地図データベース10から読み出した地図データから表示画像生成部30が地図画像を生成する。この表示画像生成部30による拡大地図画像の表示は、適時行われる。これはユーザによる指示によってもよいし、予め自車が交差点などの走行経路における要部に達すると自動的に表示するように地図データなどにこのタイミングデータを付加してもよい。このように経路誘導アイコン310を表示することによって安全で且つ正確な経路の誘導をすることができる。
【0079】
以上のように、この実施の形態7によれば、表示画像生成部30などの表示手段が、適時地図画像を拡大地図画像に変更し経路誘導表示を行うので、現実味のある誘導画面が表示でき、安全で且つ正確な経路の誘導をすることができる効果が得られる。
【0080】
実施の形態8.
上記実施の形態1では、鳥瞰図上への外部事象の表示位置を所定の位置計算式により算出したが、この実施の形態8は外部事象を鳥瞰図上に確実に表示させるために上記位置計算式により求めた外部事象の位置に対して所定の位置変換処理を施すものである。
【0081】
次に概要について説明する。
ここでは、この実施の形態8による車載情報装置の表示処理を、上記実施の形態1で示した鳥瞰図への太陽画像の表示処理に基づいて説明する。
上記実施の形態1において、外部事象計算部50は水平角Θ(t)、仰角γ(t)として極座標系で太陽の画像200の3次元位置( Θ(t),γ(t),r(t) )を算出する。この3次元位置が入力された表示画像生成部30は、この3次元位置を以下のように直交座標系に変換する。
z=r(t)・sin{γ(t)}
y=r(t)・cos{γ(t)}・sin{Θ(t)}
x=r(t)・cos{γ(t)}・cos{Θ(t)}
但し、時間tが現在時刻ならば現在の太陽200の位置を表し、時間tが現在時刻以降であれば太陽200の予測位置を表す。
【0082】
このとき、例えば昼間で太陽200の仰角γ(t)が大きくなった場合、鳥瞰図の表示範囲から太陽200がはみ出てしまい、表示できなくなることがある。そこで、この実施の形態8では鳥瞰図上に確実に表示させるための位置変換処理として、表示画像生成部30が仰角γ(t)に定数α(α<1)をかけたγ2(t)=α・γ(t)を上記zに代入する処理を施す。これにより、太陽200の位置をx−z平面に投影したときに図4に示した表示範囲内にその座標位置が含まれるようになり、太陽200を確実に鳥瞰図上に表示することが可能となる。
【0083】
また、上記は仰角γ(t)に定数α(α<1)をかけた線形の変換処理を施したが例えば仰角γ(t)が高くなると補正量も多くするような非線形の変換処理を行ってもよい。さらに、αを定数とせずに時間tの関数などで表してもよい。
【0084】
さらに、上記では変換する対象を仰角としたが、これに限らず外部事象の種別によっては水平角Θ(t)などでもよく、形状描画データに変換処理を施してもよい。
【0085】
以上のように、この実施の形態8によれば、表示画像生成部30などの表示手段が外部事象計算部50の算出した外部事象の位置に対して所定の位置変換処理を施して外部事象を鳥瞰図上に表示するので、外部事象を確実に鳥瞰図上に表示することができ、より多くの外部事象を表示することができる効果が得られる。
【0086】
実施の形態9.
上記実施の形態4では通信手段を用いて装置外の情報提供センタより外部事象に関するデータを入手しこれを表示するものについて示したが、この実施の形態9は車外状況認識手段が認識した外部事象に関するデータを、通信手段を用いて装置外のデータ蓄積センタに蓄積し適時これを入手して地図画像上に表示することができるものである。
【0087】
図15はこの発明の実施の形態9による車載情報装置の構成を示すブロック図である。図において、51は事象記憶メモリ(記憶手段)で、図示は省略したが車外から取り込んだ外部事象に関するデータを記憶する部分とデータ蓄積センタ64から取り込んだ外部事象に関するデータを記憶する部分とから構成される。64は携帯電話61などの通信手段を介して画像処理部70の算出した外部事象に関するデータが蓄積されるデータ蓄積センタ(外部記憶手段)である。なお、図8及び図11と同一構成要素は同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0088】
次に動作について説明する。
CCDカメラ71によって取り込んだ外部事象の画像を基に画像処理部70がそれを認識し外部事象に関するデータを算出するまでの動作は、上記実施の形態5に示したものと同様であるので説明を省略する。このようにして算出された外部事象に関するデータは事象記憶メモリ51に記憶される。
ここで、外部事象計算部50は事象記憶メモリ51の車外から取り込んだ外部事象に関するデータを記憶する部分に一定量のデータが記憶されたことを検知すると、通信インタフェース部60にこの外部事象に関するデータをデータ蓄積センタ64に送信するように指示する。指示を受けた通信インタフェース部60は携帯電話61を介して上記外部事象に関するデータをデータ蓄積センタ64に送信する。この送信が完了すると通信インタフェース部60は事象記憶メモリ51の車外から取り込んだ外部事象に関するデータを記憶する部分の内容を消去し、CCDカメラ71や画像処理部70などの車外状況認識手段が取り込んだ外部事象に関するデータを再び記憶する。この動作を繰り返すことによってデータ蓄積センタ64に車外から取り込んだ外部事象に関するデータが次々に蓄積されていく。
【0089】
一方、反対にデータ蓄積センタ64に蓄積されている外部事象に関するデータのうち、表示した地図範囲における自車位置周辺の外部事象に関するデータを取り込む場合は、上記実施の形態4と同様にユーザなどの指示による取り込み要求を受けた通信インタフェース部60が携帯電話61を介してデータ蓄積センタ64より入手する。この後の表示動作は上記実施の形態と同様である。
【0090】
また、上記実施の形態では携帯電話により情報提供センタ63から外部事象に関するデータを入手したが、これに限らず業務用無線機などの他の通信手段でもよい。また、FMラジオなどの放送受信機を利用してもよい。
【0091】
さらに、上記実施の形態では外部事象の入力にCCDカメラ71を用いたが、カメラに限らず、超音波、電磁波、光などによる3次元画像を基に外部事象を認識してもよい。
【0092】
以上のように、この実施の形態9によれば、装置外部に設け、CCDカメラ71や画像処理部70による車外状況認識手段が認識した外部事象の外部事象データを記憶する外部記憶手段であるデータ蓄積センタ64と、このデータ蓄積センタ64から外部事象の外部事象に関するデータを入手する通信手段としての通信インタフェース部60や携帯電話61などを備えたので、車外状況認識手段が認識した外部事象の外部事象データをデータ蓄積センタ64のメモリ容量が許す限り蓄積してゆくことができ、現在と過去の様々な外部事象を表示することができる。これにより、ユーザに多くの情報を与えることができる車載情報表示を実現することができる。
【0093】
また、自車に限らず、他車の収集した外部事象に関するデータを共有することができるので、ユーザにより多くの情報を与えることができる車載情報表示を実現することができる。
【0094】
さらに、この実施の形態9によれば、外部事象計算部50はCCDカメラ71や画像処理部70による車外状況認識手段が認識した外部事象の外部事象に関するデータが事象記憶メモリ51の一定容量を超えると、通信手段を介して外部事象の外部事象に関するデータを外部記憶手段としてのデータ蓄積センタ64へ移動させるので、データ蓄積センタ64に効率よくデータを蓄積させることができる効果が得られる。
【0095】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、地図データ、外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データとを記憶した記憶手段と、位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報に対応した設定位置情報を算出する表示位置設定手段と、外部事象データもしくは外部事象予測情報データに基づいて、設定位置情報から外部事象の位置と状態を算出する外部事象算出手段と、この外部事象算出手段が算出した外部事象の位置と状態、表示位置設定手段の算出した設定位置情報、及び記憶手段に記憶した地図データに基づいて、地図画像および該地図画像上の外部事象の位置と状態とを算出し、外部事象とともに地図画像を表示する表示手段とを備えたので、現実感のある車載情報表示を行うことができ、表示した外部事象の現実との不一致を解消することができる効果がある。
【0096】
この発明によれば、表示手段が地図画像を鳥瞰図とし、外部事象を鳥瞰図上に表示するので、より広い視野から外部事象と現実との一致を確認することができ、現実感のある車載情報表示をすることができる効果がある。
【0097】
この発明によれば、表示手段は外部事象算出手段が算出した外部事象の位置に対して所定の位置変換処理を施して、外部事象を鳥瞰図上に表示するので、鳥瞰図上に確実に外部事象を表示することができ、より多くの外部事象を表示することができる効果がある。
【0098】
この発明によれば、外部事象算出手段が外部事象として天体または気象上の物体の位置と状態を算出するので、現実感のある車載情報表示を行うことができ、表示した外部事象の現実との不一致を解消することができる効果がある。
【0099】
この発明によれば、外部事象の時刻を設定する外部事象時刻設定手段を備えるので、ユーザの要求した時刻における外部事象や一定時間分を連続的に変化する外部事象を表示することができ、ユーザに多くの情報を与えることができる効果がある。
【0100】
この発明によれば、外部事象算出手段は記憶手段に予め記憶した計算式により、設定位置情報に基づいて記憶手段から読み出した外部事象データもしくは外部事象予測情報データから外部事象の位置と状態を算出するので、現実感のある車載情報表示を行うことができ、表示した外部事象の現実との不一致を解消することができる効果がある。
【0101】
この発明によれば、装置外部から外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを入手する通信手段を備え、外部事象算出手段は、通信手段から入手した外部事象データもしくは外部事象予測情報データから外部事象の位置と状態を算出するので、装置外から刻々変化する外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを入力でき、ユーザに多くの情報を与える車載情報表示をすることができる効果がある。
【0102】
この発明によれば、車外の外部事象を認識し、外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを算出する車外状況認識手段を備え、外部事象算出手段は、車外状況認識手段の算出した外部事象データもしくは外部事象予測情報データから、外部事象の位置と状態を算出するので、車外の外部事象を適時地図画像上に表示できるので、ユーザに多くの情報を与えることができる車載情報表示を実現することができる効果がある。
【0103】
この発明によれば、車外状況認識手段は、外部事象として、車外の特定種類の物体を認識するので、ユーザの要求に基づいた多くの情報を与えることができる車載情報表示を実現することができる効果がある。
【0104】
この発明によれば、車外状況認識手段は認識した外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データにコード番号を付してデータベースとして記憶手段に記憶し、外部事象算出手段は、コード番号に対応する外部事象の外部事象データもしくは外部事象予測情報データから、外部事象の位置と状態を算出するので、効率よく表示画像を生成することができる効果がある。
【0105】
この発明によれば、装置外部に設け、車外状況認識手段が認識した外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを記憶する外部記憶手段と、この外部記憶手段から外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを入手する通信手段とを備えるので、車外状況認識手段が認識した外部事象の外部事象データを外部記憶手段のメモリ容量が許す限り蓄積してゆくことができ、現在と過去の様々な外部事象を表示することができる。これにより、ユーザに多くの情報を与えることができる車載情報表示を実現することができる効果がある。また、自車に限らず、他車の収集した外部事象に関するデータを共有することができるので、ユーザにより多くの情報を与えることができる車載情報表示を実現することができる効果がある。
【0106】
この発明によれば、外部事象算出手段は車外状況認識手段が認識した外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データが記憶手段の一定容量を超えると、通信手段を介して外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを外部記憶手段へ移動させるので、外部記憶手段に効率よくデータを蓄積させることができる効果がある。
【0107】
この発明によれば、表示手段は外部事象算出手段が算出した外部事象の位置と状態、および記憶手段に記憶した地図データから、外部事象の影響による地図画像の変化分を算出し、地図画像とともに外部事象および外部事象の影響による地図画像の変化分を表示するので、より現実に即した車載情報の表示をすることができる効果がある。
【0108】
この発明によれば、表示手段は適時、地図画像を拡大地図画像に変更し、経路誘導表示を行うので、現実味のある誘導画面が表示でき、安全で且つ正確な経路の誘導をすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による車載情報装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この実施の形態1による車載情報装置が表示した外部事象として太陽を併記した地図画像を示す図である。
【図3】 外部事象の位置を極座標系で表示した図である。
【図4】 外部事象の位置を2次元平面上に投影した図である。
【図5】 この実施の形態1による車載情報装置が表示する夜間の地図画像を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による車載情報装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 図5の時刻から1時間時刻を進めた場合の表示画像を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態4による車載情報装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態4による車載情報装置の表示する表示画像を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態4による車載情報装置の表示する他の表示画像を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態5による車載情報装置の構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態5による車載情報装置の表示する表示画像を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態6による車載情報装置が表示する表示画像を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態7による車載情報装置が表示する表示画像を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態9による車載情報装置の構成を示すブロック図である。
【図16】 従来の車載情報装置の表示画面を示す図である。
【符号の説明】
1 車載情報装置、10 地図データベース(記憶手段)、11 地図データ入力部(記憶手段)、20 自車位置計算部(位置情報取得手段)、21 GPS(位置情報取得手段)、22 距離センサ(位置情報取得手段)、23 方位センサ(位置情報取得手段)、30 表示画像生成部(表示手段)、31 表示部(表示手段)、32 表示位置設定部(表示位置設定手段)、40 操作リモコン(位置情報取得手段)、41 操作入力部(位置情報取得手段)、50 外部事象計算部(外部事象算出手段)、51 事象記憶メモリ(記憶手段)、52外部事象時刻設定部(外部事象時刻設定手段)、60 通信インタフェース部(通信手段)、61 携帯電話(通信手段)、64 データ蓄積センタ(外部記憶手段)、70 画像処理部(車外状況認識手段)、71 CCDカメラ(車外状況認識手段)、200 太陽(天体)、201,202 星座(天体)、203 雲(気象上の物体)、220 街路樹(車外の特定種類の物体)、221 人間(車外の特定種類の物体)、222,223 影(変化分)、310 経路誘導アイコン(経路誘導)。

Claims (3)

  1. 地図データ、外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを記憶した記憶手段と、
    位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    上記位置情報に対応した設定位置情報を算出する表示位置設定手段と、
    上記設定位置情報に基づいて上記記憶手段から読み出した外部事象データもしくは外部事象予測情報データから外部事象の位置と状態を算出する外部事象算出手段と、
    この外部事象算出手段の算出した上記外部事象の位置と状態、上記表示位置設定手段の算出した設定位置情報、及び上記記憶手段に記憶した地図データに基づいて、地図画像および該地図画像上の外部事象の位置と状態とを算出し、上記外部事象とともに上記地図画像を表示する表示手段と、
    車外の外部事象を認識し、この外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを算出する車外状況認識手段と、
    上記車外状況認識手段が認識した外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを蓄積させた装置外部に設けた外部記憶手段から上記外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを入手する通信手段とを備えた車載情報装置。
  2. 外部事象算出手段は、車外状況認識手段が認識した外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データが記憶手段の一定容量を超えると、通信手段を介して上記外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを外部記憶手段へ移動させることを特徴とする請求項1記載の車載情報装置。
  3. 外状況認識手段は、外部事象として地図上の特定の位置及び時間に移動する人物等の移動体を認識して、外部事象の外部事象データ及び/又は外部事象予測情報データを算出すると共に、装置外に設けた外部記憶手段に蓄積しておき、
    外部事象算出手段は、上記車外状況認識手段が認識した上記特定の時間に基づいて上記通信手段が上記外部記憶手段から取得した上記データから上記移動体を表示すべき位置を算出し、
    表示手段は、上記車外状況認識手段が認識した上記特定の時間において、上記外部事象算出手段が算出した位置上記移動体を地図画像上に表示することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車載情報装置。
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