JP3792079B2 - ピン状ブラケット及びその製造方法 - Google Patents

ピン状ブラケット及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用エンジンマウント及びサスペンション部品等を車体に固定するために使用されるピン状ブラケット及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車用エンジンマウントにおいては、円筒形状のブッシュが車体とエンジンとの間に介在する構造となっている。ブッシュは円筒形状の防振ゴムと、この防振ゴム外周面に取り付けられた車体側ブラケットと、この防振ゴム内周面に取り付けられた円筒形状の鋼製コアとを有し、この鋼製コアにピン状ブラケットのピン部が圧入される。車体の構造部材には車体側ブラケットが固定される一方、エンジンにはエンジン側ブラケットが固定され、ピン状ブラケットをエンジン側ブラケットに固定することでエンジンが車体に搭載される。
【0003】
この場合に、ピン状ブラケットをブッシュに圧入する際の圧入荷重及びブッシュにピン状ブラケットを圧入した後の使用時の耐ブッシュ抜け荷重を制御するために、ブッシュ内周面に機械加工を施して公差内に納めている。また、同様に荷重を制御するために、ピン状ブラケットも機械加工によりその寸法精度を確保している。このように、従来の筒状ブッシュ及びピン状ブラケットは、圧入荷重及び耐ブッシュ抜け荷重を制御するために、機械加工しており、このため、製造コストが高いという難点がある。
【0004】
一方、筒状ブラケットの内径をピン状ブッシュよりも大きくしておき、筒状ブラケット部内にブッシュを挿入配置した後、筒状ブラケット部を電磁成形することにより縮径し、ブッシュの外周部を締め付けることにより筒状ブラケット部とブッシュとを締結する方法が提案されている(特開平10−141326号公報)。この方法では、寸法精度を出すための機械加工は不要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この電磁成形によりブラケットとブッシュとを固定しようとすると、電磁成形というコストが高い成形方法を使用する必要があり、実用的ではないという欠点がある。また、電磁成形の際に熱が発生し、この熱により防振ゴムの特性が劣化するという難点もある。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、寸法精度を確保するための機械加工が不要であり、また電磁成形も不要であって、製造コストが低いと共に、成形時の防振ゴムの劣化も防止することができるピン状ブラケット及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
願第1発明に係るピン状ブラケットは、1対の鋳型を使用して鋳造により製造され円筒体に圧入されるピンを一体に有するピン状ブラケットにおいて、前記ピンは、外面にその軸心方向に平行で且つ前記1対の鋳型の型割面に平行な1対の第1平面部が形成されており、前記軸心方向に直交する断面が、前記第1平面部によるものを含む平坦部と前記円筒体の形状寸法から決まる所定の目標真円形状に整合する円弧部とが交互に現れる形状であることを特徴とする。
【0008】
このピン状ブラケットにおいて、前記第1平面部は、前記ピンの軸心方向と直交する断面における前記鋳型中心をとおり前記鋳型の対向方向に沿う線と前記目標真円形状の外周との交差位置から予め決められた距離sだけ中心側の位置をとおることが好ましい。
【0009】
また、前記距離sは、前記型割面に介在する異物の大きさの予想値をδとするとき、14δ≦s≦36δであることが好ましい。
【0010】
更に、前記ピンの外面には、前記ピンの軸心方向に平行で且つ前記型割面に直交する1対の第2平面部が形成されていることが好ましい。
【0011】
本願第2発明に係るピン状ブラケットの製造方法においては、重ね合わされた状態で溶融金属の注入空間が形成される1対の鋳型を使用し、鋳造により、円筒体に圧入されるピンを一体に有するピン状ブラケットを製造する方法において、前記注入空間の前記ピンに相当する部分に、前記ピンの軸心方向に平行で且つ重ね合わせ面に平行な第1平面部が形成され、前記注入空間の前記ピンの軸心方向に直交する断面が、前記第1平面部によるものを含む平坦部と前記円筒体の形状寸法から決まる所定の目標真円形状に整合する円弧部とが交互に現れる形状である鋳型を使用して鋳造することを特徴とする。本発明においては、ピンは圧入される円筒体の形状寸法から決まる所定の目標真円形状に対し、その円周上で正対する位置にピンの中心線に平行な平面部を少なくとも1対有することにより、機械加工することなく所定の寸法公差内に納めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施例に係るアルミニウム合金製ピン状ブラケットを縦型鋳造装置により製造するための鋳型形状を示す図、図2は本発明の実施例方法にて製造されたアルミニウム合金製ピン状ブラケットを示す斜視図である。図3は本発明の実施例方法にて製造されたアルミニウム合金製ピン状ブラケットの取付け状態を示す斜視図である。図4は同じくその側面図、図5は同じくその平面図である。図1に示すように、上型1及び下型2は重ね合わされてほぼ円柱状のキャビティ(溶融金属の注入空間)を形成する。しかし、この上型1及び下型2による溶融金属の注入空間は断面が真円3ではなく、その上下に対向する平坦部(第1平面部)4aと左右に対向する平坦部(第2平面部)4bが平坦な形状4を有する。
【0013】
図1に示す縦型鋳造装置を使用して製造されたアルミニウム合金製ピン状ブラケット6は図2に示すように、基部12とピン部10とからなり、ピン部10は円筒状に成形され、基部12にはボルト・ナットによりエンジン側ブラケット9と接続可能なようにねじ穴13が3個形成されている。このピン部10は、車体側ブラケット7の円筒部20中心部に配置された中空円筒状のインシュレータブッシュ8に圧入される。基部12はエンジン側ブラケット9にボルト・ナットにより接続される。
【0014】
また、ピン部10には圧入されるインシュレータブッシュ8の内周により決定する所定の目標真円形状に対し、円周面上に対向して中心線に平行な平行面部11a、11bが夫々90度角度をずらして2対形成されている。即ち、ピン部10の断面形状は平行面部11a、円弧部、平行面部11b、円弧部、平行面部11a、円弧部、平行面部11b、円弧部が交互に現れるものになる。
【0015】
また、車体側ブラケット7では、インシュレータブッシュ8の外周面と円筒部20の内周面との間には中空円筒状のブッシュ21が配置される。なお、円筒部20の底部にはフランジ22が円筒部20の直径方向に延びるように形成され、このフランジ22にはサイドメンバ31に固定するためのねじ穴23が穿設されている。
【0016】
図3乃至図5に示すように、ピン状ブラケット6はそのピン部10がインシュレータブッシュ8に圧入されることで車体側ブラケット7に固定され、この車体側ブラケット7はねじ穴23を介してボルト・ナットによりサイドメンバ31に固定される。また、エンジン側ブラケット9にはエンジン30本体に固定するためのねじ穴24が3個形成され、ボルト・ナットによりエンジン30本体に固定される。そして、ピン状ブラケット6をエンジン側ブラケット9にボルト・ナットにより固定することで、エンジン30本体が車体に搭載される。
【0017】
本実施例においては、ピン部10が圧入されるインシュレータブッシュ8の内周により決定する所定の目標真円形状に対し、ピン状ブラケット6のピン部10の円周上に対向して中心線に平行な平面部11a、11bを夫々90度角度をずらして2対形成することにより、所定の寸法公差に納めることができるため、インシュレータブッシュ8にピン部10を圧入する場合、寸法精度を確保するための研削等の機械加工が不要になる。また、熱が発生する加工をする必要がないため、インシュレータブッシュ8の劣化を防止することができる。また、エンジン側ブラケット9は、アルミニウム合金の鋳造材により形成することができる。
【0018】
また、本実施例においては、鋳造により製造されるピン部10をその断面が周方向に平坦部と周面部とが現れるような形状にし、図1に示すように、このような形状となるように、鋳型の内面形状を決めたので、鋳型の前ショットで鋳造したピン状ブラケット6のバリ又は離型剤のかたまり等の異物噛み込み等により鋳型キャビティが上下鋳型の対向方向に延びてその分鋳造されるピンの断面寸法がこの方向に延びても、その延びた分に見合う長さだけその方向のキャビティ寸法が小さくなっているので、鋳造後に機械加工して表面を研削しなくても、ピン部10をインシュレータブッシュ8に圧入することができる。
【0019】
なお、車体側ブラケット7はアルミニウム合金の押出材により形成することができ、インシュレータブッシュ8はアルミニウム若しくはアルミニウム合金又は鋼により形成することができ、ブッシュ21は防振ゴム等により形成することができる。
【0020】
本願発明者等は自動車エンジンマウント等の固定に使用されるピン状ブラケットの断面形状が、目的とした真円形状ではない理由を解明すべく、種々実験研究した結果、図6に示すように、このピン状ブラケットを縦型鋳造により製造する際に、鋳造後の製品が上鋳型UMと下鋳型LMとの対向方向を長軸とする楕円形状になってしまうことを見出した。このように、ピン状ブラケットの鋳造時に、その断面形状が目標とする形状、即ち、図6に示すように、直径がdの真円形状にならず、その上鋳型UMと下鋳型LMとの対向方向に延びた形状になってしまうことが、ピン状ブラケットの断面形状を不均一なものとし、鋳造後に機械加工を必要としていた理由である。なお、上鋳型UMと下鋳型LMとを重ね合わせた型割線(PL:Partial Line)にて、溶融金属が若干漏れてバリが発生する。このバリも鋳造後の機械加工により除去する必要がある。
【0021】
そして、本発明者等は、上述のように、ピン状ブラケットの断面形状が楕円状になってしまう理由が、主として上鋳型及び下鋳型の重ね合わせ面にバリ及び離型剤の層等の異物が噛み込み、それらの金型により構成されるキャビティが金型の対向方向に延びてしまうことによるものであることを見出した。しかも、通常金型はショット毎にスプレー洗浄されるが、通常1つの金型に複数のキャビティがあり、このキャビティ1つ1つに充分スプレーが行き渡らなかったり、また、吹き飛ばした異物が他のキャビティに引っかかったりする場合がある等、完全には異物を取り払うことができないのが現状である。
【0022】
図7はこの金型の重ね合わせ面に異物が噛み込んだときの金型内面(キャビティ内面)の1/4部分の輪郭形状を示す模式図である。金型の型割線PLがx軸、キャビティ中心をとおり、型割線PLに垂直の方向をy軸とする。ピン状ブラケットとして半径r(d/2)の真円形状(一点鎖線)の鋳造製品を得ようとするのに対し、金型の重ね合わせ面に異物の噛み込みがあって、金型の型割線PLがy軸方向にδだけずれた場合、金型の内面はy軸方向にδだけ平行移動し、実線にて示すようになる。このため、金型のキャビティ形状が、y軸方向の長軸が半径r+δであり、x軸方向の短軸が半径rとなる楕円形状になる。
【0023】
上述の如く、ピン状ブラケットの断面形状が真円にならない理由が、主として、金型間の異物の噛み込みであることに鑑み、本発明は、金型のキャビティ形状を、図1に示すように、その上型1と下型2とが対向する方向の両端部(上型1及び下型2の中央部)において、キャビティ空間が目標とする断面形状(真円3)を円弧状に切り取ったようなものとなるように、平坦部4aを設けた。図7にこの平坦部4aを2点鎖線にて示す。また、割線PLにおけるバリの部分を予め考慮し、このバリが発生してもそのバリが半径rの真円内に収まるように、割線PLにおける鋳型内面にも平坦部4bを設けた。従って、溶融金属の注入前に、上型1及び下型2により構成されるキャビティ空間の断面形状は、図7の2点鎖線及び図1に示すように、上端部の平坦部4a、円弧部、右端部の平坦部4b、円弧部、下端の平坦部4a、円弧部、左端の平坦部4b、円弧部が交互に現れるものとなる。
【0024】
このような異形断面形状のキャビティ空間を有する金型内に溶融金属を注入すると、金型のPLにおける異物の噛み込みにより上型1及び下型2がy軸方向に離反するようにずれた場合でも、得られた鋳造製品の断面形状は、半径rの真円内に収まるようになる。従って、鋳造後に機械加工して、ピン状ブラケットの外面を研削する必要がない。
【0025】
次に、この平坦部4aの大きさについて説明する。このピン状ブラケットが圧入される円筒状ブッシュの内径をd´(mm)とすると、ピン状ブラケットの径d(mm)はブッシュ内径よりも例えば0.15mm大きく、d´+0.15(mm)である。そして、公差は、例えば、ブッシュ内径d´及びピン状ブラケット径dのいずれも0.05mmである。従って、ピン状ブラケットの径dは、d<d´+0.15+0.05であることが必要である。
【0026】
また、図7に示すように、異物の噛み込み及び鋳型変形等がない場合に、目標とする断面形状のピン状ブラケットを得るための鋳型内面の形状(一点鎖線)は、x2+y2=r2により表される。これに対し、異物が噛み込んで鋳型がδだけy軸方向に移動した場合の鋳型内面の形状(実線)は、x2+(y−δ)2=r2により表される。また、図7の座標軸の原点と異物が噛み込んで鋳型がδだけy軸方向に移動した場合の鋳型内面を表す実線との間の距離Rは、R=√{(x2+(y+δ)2}−rで表される。
【0027】
そこで、本発明においては、R−rが公差以内に入るように鋳型内面の形状を決める。このR−rが公差を超えると、鋳造されたピン状ブラケットの径が目標とする半径rの真円の線分を公差を超えて外部にはみ出してしまい、そのままではピン状ブラケットを円筒状ブッシュ内に圧入することができない。
【0028】
このR−rは下記数式1にて表される。
【0029】
【数1】
f(x)=R−r=√{x2+(y+δ)2}−r
【0030】
公差を±0.25mmとすると、ピン径はd±0.25mmとなる。この公差の内訳は、そのうちの80%の0.2mmが型の熱変形及び圧力変動による変形であり、残りの0.05mmが安全を見込んだ分である。このピン径に対し、バリ及び離型剤等の異物の噛み込みによる分、δが加わる。このδは通常0.05乃至0.1mmであり、例えば、0.08mmである。従って、ピン径は0.2+0.08mm=0.28mmだけ大きくなる。これは、公差0.25mmよりも0.03mmだけ大きい。
【0031】
そこで、図8に示すように、ピン径dのずれを、公差0.25mm以内にするために、上型と下型との対向方向の両端部、即ち、y軸方向の両端部で、キャビティ空間を夫々y軸に沿う長さでsだけ削り取る。前記数式1において、δ=0.28(このうち、異物噛み込み分は0.08、金型変形分は0.2)とし、ピン半径rを10mmとし、f(x)=0.25mmとすれば、x=4.5mmとなる。このときのsは、幾何学的な関係から約1.10mmと求まる。即ち、r=10mmであるから、x=4.5mmの場合は、y=8.90mmとなり、10−8.90mmでs=1.10mmとなる。従って、s≧1.10mmであれば、異物噛み込みの誤差を吸収して、金型の変形を考慮しても公差±0.25mm以内に収まる。このように、0.08mmの異物が存在したときに、公差を±0.25mm以内に納めるためには、s=1.10mm削る必要があるので、1.10/0.08=13.75であるから、予想される異物の大きさδに合わせて、削り取る長さsを下記数式2のように設定する。
【0032】
【数2】
s≧13.75δ
又は数字を丸めて、s≧14δ
【0033】
図9は横軸にxの値をとり、縦軸に誤差を取って数式1の関係を図示したグラフ図である。この図に示すように、誤差が0.25mmの場合のxの値は、前述の如く、4.5mmである。そして、誤差が02mmの場合のxの値は7mmである。寸法精度(公差)のうち、80%を示す0.2mmは型の熱又は応力による変形分であるので、これを吸収するように削り取ることは意味がない。この誤差が0.2mmの場合のxの値は7mmであり、このときの削り取る量sは幾何学的な関係からs=2.9mmとなる。即ち、r=10mmであるから、x=7mmの場合は、y=7.1mmとなり、10−7.1mmでs=2.9mmとなる。従って、s≦2.9mmであれば、異物噛み込みの誤差を吸収して、金型の変形を考慮しても公差±0.25mm以内に収まる。この図9は異物の大きさδを0.08mmとしたものであるから、2.9/0.08=36となり、結局、削り取る長さsの最大値は下記数式3にて表される。
【0034】
【数3】
s≦36δ
【0035】
従って、削り取る長さs、即ち、半径rの真円3におけるy軸上の点と、平坦部4aとの間のy軸に沿う長さsは、下記数式4を満たすものとする。
【0036】
【数4】
14δ≦s≦36δ
【0037】
このように、平坦部4aの位置を決めることにより、ピンを円筒体に圧入するための摩擦力は確保しつつ、誤差を超えて突出する部分を削除することができ、鋳造後に機械加工することなく、ピンを円筒体に圧入することができる。
【0038】
また、型割線PLにおける平坦部4bについては、単に、バリがピンの円筒体への圧入を阻止するように、真円の外側に突出しないように、その削り取る量を決めればよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ピンは圧入される円筒体の形状寸法から決まる所定の目標真円形状に対し、その円周上で正対する位置にピンの中心線に平行な平面部を少なくとも1対有することにより、機械加工することなく所定の寸法公差内に納めることができる。
【0040】
また、鋳造により製造されるピンをその面が周方向に平坦部と周面部とが現れるような形状にし、このような形状となるように、鋳型の内面形状を決めたので、鋳型の異物噛み込み等により鋳型キャビティが上下鋳型の対向方向に延びてその分鋳造されるピンの断面寸法がこの方向に延びても、その延びた分に見合う長さだけその方向のキャビティ寸法が小さくなっているので、鋳造後に機械加工して表面を研削しなくても、ピンを円筒体に圧入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例方法にて使用する金型を示す図である。
【図2】本発明の実施例方法にて製造されたアルミニウム合金製ピン状ブラケットを示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例方法にて製造されたアルミニウム合金製ピン状ブラケットの取付け状態を示す斜視図である。
【図4】同じくその側面図である。
【図5】同じくその平面図である。
【図6】従来の問題点を示す模式図である。
【図7】本発明における平坦部位置の設定方法を説明する模式図である。
【図8】同じく平坦部位置の設定方法を説明する模式図である。
【図9】同じく誤差とx軸との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1、UM;上鋳型
2、LM;下鋳型
3;真円
4;形状
4a;平坦部
4b;平坦部
6;ピン状ブラケット
7;車体側ブラケット
8;インシュレータブッシュ
9;エンジン側ブラケット
10;ピン部
11a、11b;平坦部
12;基部
13、23、24;ねじ穴
20;円筒部
21;ブッシュ
22;フランジ
30;エンジン
31;サイドメンバ
PL;型割線

Claims (8)

  1. 1対の鋳型を使用して鋳造により製造され円筒体に圧入されるピンを一体に有するピン状ブラケットにおいて、前記ピンは、外面にその軸心方向に平行で且つ前記1対の鋳型の型割面に平行な1対の第1平面部が形成されており、前記軸心方向に直交する断面が、前記第1平面部によるものを含む平坦部と前記円筒体の形状寸法から決まる所定の目標真円形状に整合する円弧部とが交互に現れる形状であることを特徴とするピン状ブラケット。
  2. 前記第1平面部は、前記ピンの軸心方向と直交する断面における前記鋳型中心をとおり前記鋳型の対向方向に沿う線と前記目標真円形状の外周との交差位置から予め決められた距離sだけ中心側の位置をとおることを特徴とする請求項1に記載のピン状ブラケット。
  3. 前記距離sは、前記型割面に介在する異物の大きさの予想値をδとするとき、14δ≦s≦36δであることを特徴とする請求項2に記載のピン状ブラケット。
  4. 更に、前記ピンの外面には、前記ピンの軸心方向に平行で且つ前記型割面に直交する1対の第2平面部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のピン状ブラケット。
  5. 重ね合わされた状態で溶融金属の注入空間が形成される1対の鋳型を使用し、鋳造により、円筒体に圧入されるピンを一体に有するピン状ブラケットを製造する方法において、前記注入空間の前記ピンに相当する部分に、前記ピンの軸心方向に平行で且つ重ね合わせ面に平行な第1平面部が形成され、前記注入空間の前記ピンの軸心方向に直交する断面が、前記第1平面部によるものを含む平坦部と前記円筒体の形状寸法から決まる所定の目標真円形状に整合する円弧部とが交互に現れる形状である鋳型を使用して鋳造することを特徴とするピン状ブラケットの製造方法。
  6. 前記注入空間の前記第1平面部は、前記ピンの軸心方向と直交する断面における前記鋳型中心をとおり前記鋳型の対向方向に沿う線と前記目標真円形状の外周との交差位置から予め決められた距離sだけ中心側の位置をとおることを特徴とする請求項5に記載のピン状ブラケットの製造方法。
  7. 前記距離sは、前記鋳型の型割面に介在する異物の大きさの予想値をδとするとき、14δ≦s≦36δであることを特徴とする請求項6に記載のピン状ブラケットの製造方法。
  8. 更に、前記1対の鋳型には、前記注入空間の前記ピンに相当する部分に、前記ピンの軸心方向に平行で且つ前記鋳型の型割面に直交する1対の第2平面部が形成されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のピン状ブラケットの製造方法。
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