JP3791676B2 - 吸引筒状フィルター装置及びその筒状支持体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体中の固形物を濾過するためのフィルター装置に関するものであって、特に、筒状であって、当該筒の内側から吸引して、外部の流体を濾過する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にフィルター材は、強度や保形性に乏しいものが多く、筒状の吸引フィルター装置とする場合には、筒状のフィルター材の内側に、当該フィルター材を筒状に保持するための筒状支持体を嵌合する必要がある。
【0003】
かかる筒状支持体としては、通常は剛直なプラスチックのパイプに多数の透孔を穿設したものや、筒状の金網などが使用され、これらの外側に筒状のフィルター材を嵌合し、支持体の内側から吸引して濾過する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多数の透孔を穿設したプラスチックパイプを筒状支持体とした場合には、当該プラスチックパイプから剛直であるため、フィルター装置の形状がプラスチックパイプの形状に拘束される。また軟質のパイプでは、吸引により支持体が潰れたり変形したりする可能性がある。
【0005】
また透孔を穿設したプラスチックパイプの外側にフィルター材を嵌合した場合、プラスチックパイプの内側から吸引すると、透孔の箇所のフィルター材のみが濾過に関与し、それ以外の箇所のフィルター材はプラスチックパイプに密着して、濾過に関与することができず、濾過効率が低い。
【0006】
プラスチックパイプの透孔を大きくし、また透孔の数を増すことによって濾過効率を高めることも可能ではあるが、そのようにすると透孔の間の部分が少なくなるため、プラスチックパイプの強度が大幅に低下し、筒状支持体としての機能を果たすことが困難となる。
【0007】
また金網は、それ自体ある程度の保形性があり、また若干の自由度があって屈曲が可能であるが、金網を構成する金属線はばね弾性を有さず、大きな力が加わると容易に塑性変形するため、支持体の内側から吸引して外圧が加わると、金網が押し潰されて座屈しやすい。
【0008】
また金属のつるまきばねを筒状支持体とすることも行われているが、つるまきばねは長さ方向の伸縮に対して抵抗性がなく、その外側に筒状フィルター材を嵌合した状態で引っ張ると、筒状フィルター材に直接張力が作用して破断する恐れがあり、また内側から吸引したときにつるまきばねが収縮するため、寸法及び形状の安定性が損なわれる。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、十分に高度の保形性を有して外圧に耐え、かつ屈曲に対してある程度の自由度を有し、また伸長や収縮に対して十分な抵抗性のある、吸引筒状フィルター装置の筒状支持体及び、当該筒状支持体に筒状フィルター材を嵌合した吸引フィルター装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
而して本発明の筒状支持体は、互いにほゞ平行に環状に配された複数の柔軟なたて糸と、当該たて糸と交差して螺旋状に配された剛直な線材よりなるよこ糸とを織成してなることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の筒状支持体においては、前記よこ糸が前記たて糸に対して連続して浮沈することのない組織で織成された交織部分と、よこ糸がたて糸に対して連続して浮沈する組織で織成された連続浮沈部分とが、周方向に交互に配されたものとすることが好ましい。
【0012】
また本発明の吸引筒状フィルター装置は、前記発明の筒状支持体の外側に、筒状フィルター材を嵌合してなることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1は本発明の吸引筒状フィルター装置1を示すものであって、筒状支持体2の外側に筒状フィルター材3が嵌合されている。
【0014】
筒状支持体2は、図2に示すように、互いにほゞ平行に環状に配された複数のたて糸4と、当該たて糸4と交差して螺旋状に配されたよこ糸5とを織成してなる、筒状の織布構造をしている。
【0015】
而して前記よこ糸5は、鋼線、プラスチックのブリッスルなどの剛直な線材よりなっており、また前記たて糸4は、柔軟な天然繊維又は合成繊維の糸条よりなっている。
【0016】
図2の例においては、たて糸4とよこ糸5とは平織組織で織成されているが、その織成組織は平織に限られるものではなく、綾織や朱子織、その他の適宜の組織で織成することができる。
【0017】
また前記筒状フィルター材3は、吸引筒状フィルター装置1の用途及び目的に応じて、必要な濾過性能を有するフィルター材を筒状に成形したものであって、フィルター材の構造としては、特に限定されるものではないが、織布又は不織布などが適当である。
【0018】
図3は、請求項2の発明の筒状支持体2を示すものである。この筒状支持体2はたて糸4とよこ糸5とを織成したものであるが、その織成組織として、前記よこ糸5が前記たて糸4に対して長く連続して浮沈することのない織成された交織部分6と、よこ糸5がたて糸4に対して長く連続して浮沈する組織で織成された連続浮沈部分7とが、筒状支持体2の周方向に交互に配されている。
【0019】
前記交織部分6の織成組織としては、平織組織が好ましいが、1/2又は2/1綾織組織を使用することもできる。また連続浮沈部分7は、当該連続浮沈部分7の全幅に亙って、よこ糸5がたて糸4に対して浮くか又は沈んだ組織とするのが好ましい。
【0020】
【作用】
本発明の筒状支持体2は、周方向に剛直な線材よりなるよこ糸5が螺旋状に配され、当該よこ糸5が長さ方向に伸びるたて糸4と織成されて織布構造を有しているので、内部が吸引された際の外圧に対しては、よこ糸5が大きな抵抗性を有しており、押し潰されたり座屈したりすることがない。
【0021】
また長さ方向の伸長に対してはたて糸4が張力を支え、また内部の吸引による収縮に対してはたて糸4とよこ糸5との交錯が抵抗となり、極めて高度の保形性を有するものとなる。
【0022】
さらにこの筒状支持体2は、基本的にはたて糸4とよこ糸5とを織成した織布構造を有しており、またたて糸4は柔軟であるため、屈曲に対しては適度の自由度を有すると共に、通気性及び通水性を有している。
【0023】
そしてこの筒状支持体2の外側に筒状フィルター材3を嵌合した吸引筒状フィルター装置1は、筒状フィルター材3は保形性がなくかつ外力に対する抵抗性も小さいものであっても、外圧による押し潰しに対しては前記筒状支持体2が支え、また外力に対しても筒状支持体2が負担するため、筒状フィルター材3が押し潰されたり破壊されたりすることがない。
【0024】
そして筒状支持体2内を吸引することにより、外部の流体が筒状フィルター材3で濾過され、清浄な流体が筒状フィルター材3及び筒状支持体2を通って内部に吸い込まれ、フィルター装置として機能する。
【0025】
請求項2の発明による筒状支持体2は、高度の通気性又は通水性を要求されるような場合において、筒状支持体2の織成組織をことさらに荒くする必要があるときに有効である。
【0026】
図4は請求項2の発明における筒状支持体2の主要部を拡大して示したものである。この筒状支持体2における交織部分6においては、よこ糸5がたて糸4に対して長く浮沈することのない組織、例えば平織組織で織成されているので、よこ糸5の表裏にほゞ均等にたて糸4が配置され、よこ糸5には表裏からほゞ均等にたて糸4で押されることとなる。
【0027】
よこ糸5はプラスチックブリッスルなどの剛直な線材よりなっているので、小さい間隔で両側からたて糸4により押圧されても屈曲することができず、結局筒状支持体2の周方向の円弧に沿って配置されることとなり、図4(b)に示すように全てのよこ糸5がほゞ直線状に並び、そこにたて糸4がジグザグに屈曲して織成された状態となる。
【0028】
これに対し連続浮沈部分7においては、よこ糸5がたて糸4に対して長く連続して浮沈する組織で織成されており、よこ糸5の内側又は外側にたて糸4が偏在しているので、そのたて糸4により一方にのみ押圧され、その押圧された方向に若干撓んだ状態となる。
【0029】
図4(a)の状態においては、よこ糸5は4本のたて糸4の内側に長く浮いており、当該よこ糸5はその外側に偏在したたて糸4の張力により内方に撓み、筒状支持体2の周方向に延びる円弧(鎖線)よりも内方の位置を採る。またこのよこ糸5に隣接するよこ糸5は、逆に複数本のたて糸4の外側に長く浮くので、そのたて糸4の張力により外方に偏倚する。
【0030】
そのため連続浮沈部分7においては、図4(c)に示すようによこ糸5は一本おきに内方と外方に若干偏倚した位置を採り、それに対してたて糸4がやゝ滑らかに屈曲しながら織成された状態となる。
【0031】
かかる状態においては、図4(a)でも理解できるように、交織部分6の端のたて糸4aは、内方に撓んだよこ糸5により交織部分6の中央部に向かって押圧される。また連続浮沈部分7の端のたて糸4bにおいても、よこ糸5が筒状支持体2の接線方向に対して傾斜するので、たて糸4bは連続浮沈部分7の中央部に向かって偏倚する。
【0032】
さらによこ糸5はプラスチックブリッスルや鋼線など剛直な線材よりなり、かかる線材は表面が平滑であるのでたて糸4が滑りやすく、前記たて糸4の偏倚はより強調される。
【0033】
従って交織部分6及び連続浮沈部分7を構成するたて糸4は、それぞれその交織部分6及び連続浮沈部分7の中央部に向かって偏倚し、交織部分6と連続浮沈部分7との間には目ずれが生じてたて糸4の間隔が開き、高度の通気性及び通水性を確保することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の吸引筒状フィルター装置1は、筒状支持体2がその外側に嵌合された筒状フィルター材3を断面円形の筒状に保持し、且つ内側からの吸引に対して押し潰されたり座屈したりすることがなく、また長さ方向にも十分な寸法安定性を有している。
【0035】
また本発明の筒状支持体2は、環状織機で容易に織成することができ、またそれ自体が柔軟であって屈曲に対して十分な自由度を有しており、その外側に筒状フィルター材3を嵌合することにより、優れた吸引筒状フィルター装置1を得ることができる。
【0036】
また請求項2の筒状支持体2によれば、交織部分6と連続浮沈部分7との間にたて糸4の間隔が形成され、全体として均等に高度の通気性及び通水性を確保できるので、特に通気性や通水性を必要とする吸引筒状フィルター装置1の筒状支持体2として、優れた性能を有するものとなる。
【0037】
図2のような全体が平織組織で織成された筒状支持体2において、たて糸4の数を減少させて通気性や通水性を持たせることもできるが、よこ糸5の表面が平滑でたて糸4が滑りやすいため、不規則に目ずれが生じ、全体として均等に通気性を生ぜしめることが困難である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の吸引筒状フィルター装置の斜視図
【図2】 本発明の筒状支持体の一部を拡大して示すものであって、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
【図3】 請求項2の発明の筒状支持体の横断面図
【図4】 図3の筒状支持体の一部を拡大して示すものであって、(a)は横断面図、(b)はB−B断面図、(c)はC−C断面図である。
【符号の説明】
1 吸引筒状フィルター装置
2 筒状支持体
3 筒状フィルター材
4 たて糸
5 よこ糸
6 交織部分
7 連続浮沈部分
Claims (3)
- 互いにほゞ平行に環状に配された複数の柔軟なたて糸(4)と、当該たて糸(4)と交差して螺旋状に配された剛直な線材よりなるよこ糸(5)とを織成してなることを特徴とする、吸引フィルター装置の筒状支持体
- 前記よこ糸(5)が前記たて糸(4)に対して長く連続して浮沈することのない組織で織成された交織部分(6)と、よこ糸(5)がたて糸(4)に対して長く連続して浮沈する組織で織成された連続浮沈部分(7)とが、周方向に交互に配されていることを特徴とする、請求項1に記載の吸引フィルター装置の筒状支持体
- 前記請求項1又は2に記載された筒状支持体(2)の外側に、筒状フィルター材(3)を嵌合してなることを特徴とする、吸引筒状フィルター装置
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