JP3790749B2 - 梱包用木材代替材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、梱包用の木材代替材に関するもので、のこぎりで所望の長さに切断したり、必要な箇所に釘打ちすることができるなど、木材と同様にして必要サイズの梱包材を現場で組み立てるとができる木材代替材に関し、しかも一般廃棄物に含まれる繊維のリサイクル有効利用に寄与することができる木材代替材に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、荷物の梱包には、主としてニュージランド松が用いられている。松は他の木材に比べて安価であるという理由からであるが、近年、木材資源の枯渇及び松くい虫の発生の問題から、木材代替材で梱包材を作製することが検討されている。予めサイズが決まっている汎用品の梱包についてはプラスチック成形品のパレットや梱包材を用いることができるが、汎用品以外の梱包については、個々に作業現場で所望のサイズに組み立てる必要がある。このため、木材のように、のこぎり等で所望サイズに裁断したり、裁断片同士を釘等で結合するなど、現場の作業者が容易に組み立てることができるものが求められている。
【0003】
木材代替材としては、原料価格を現在の原料(ニュージーランド松)価格以下に抑えるという点及び近年のリサイクル要求の点から、廃棄物を利用したものが多く提案されている。具体的には、古紙、短繊維くずが多く用いられている。
【0004】
例えば、古紙を利用して木質材を製造するものとしては、特許文献1に、古紙パルプ材とスチロール樹脂の混合物を乾燥成形したものが開示されている。また、特許文献2には、繊維状に離解したセルロース含有材料と粉末状の熱可塑性結合剤および熱硬化性結合剤を混合してなるフリースを熱圧縮してなるマットが開示されている。ここでセルロース材料としては、コスト面において松と同程度又はそれよりも安価な木材代替材を提供するという点から、紙、厚紙、織物、段ボールといった廃棄物が主として用いられる。特許文献3には、古紙を主体とするパルプ系繊維にイソシアネート化合物、オレフィン系繊維を配合したボード材料をホットプレスして所定形状に成形したパルプ系ボードが開示されている。
【0005】
繊維くずを利用したものとしては、例えば、特許文献4には、熱可塑性合成樹脂の繊維状物をウレタンエラストマー等の高分子結合材で処理した綿状の繊維塊と植物繊維とを適宜混合し絡み合わせて所望形状に加熱圧縮成形した繊維質成形体が開示されている。特許文献5には、綿等の種子やマニラ麻等の単子葉植物などの非木部繊維からなるウエブをエマルジョンタイプのフェノール樹脂に浸せきし、ホットプレスにより成形してなる木質材が開示されている。
【0006】
さらに、古紙、短繊維くず、およびその他の廃棄物を利用したものとしては、特許文献6に、排水中のスラジや古紙等からなる繊維含有原料の綿状粉砕物に熱可塑性樹脂バインダーを混合して、振動圧縮・開放を繰り返し、脱気、脱水して乾燥成形した樹脂補強繊維板が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3156127号公報
【特許文献2】
特開昭55−90659号公報
【特許文献3】
特開平11−147213号公報
【特許文献4】
特公昭63−20936号公報
【特許文献5】
特開平11−77623号公報
【特許文献6】
特公平7−57486号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
梱包用木材代替材は、その用途から、のこぎりで自由に切断でき、釘を打ち込むことができ、且つ打ち込んだ釘が抜けないような保持力を有し、さらに梱包材として所定の荷重を支えることができる強度を有する必要がある。
【0009】
古紙や短繊維くずを原料として木材に匹敵するような強度を確保すべく、緻密化、硬質化を図ろうとすると、釘を打ち込むことが困難になる。また、緻密化した製品は、密度が高くなって木材に比して重くなるため、重量が軽視できない梱包用木材代替品としては好まれない。一方、釘を打ち込んでもひび割れなどしないように柔らかさを保とうとすると、荷重に対する強度を満足できない。このように、古紙や短繊維くずを原料として強度、釘打性といった相反する要求を満足させることは困難であり、未だ、安価な廃棄物を原料とした成形品で、ニュージーランド松に匹敵するような代替材は見いだされていないのが実情である。
【0010】
また、梱包材は嵩張るので、一般に組み立て前の材料は屋外に放置しておくことが多い。従って、雨天、炎天に曝された後でも、木材なみの強度を維持している必要がある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軽量でしかも梱包用途に必要な強度を有する木材代替材であって、さらに屋外の環境に放置された後も、初期の強度、釘打性、釘保持力を有し、現在使用されているニュージランド松に匹敵する特性を有しながら、松よりも低価格で提供できる梱包用木材代替材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の梱包用木材代替材は、回収繊維100質量部と該回収繊維が劣化する温度よりも低い融点を有する熱可塑性樹脂繊維30〜50質量部が絡み合ってなる繊維塊を、前記熱可塑性樹脂繊維の融点よりも高いが前記回収繊維が劣化しない温度で加熱圧縮してなる木材代替材であって、前記回収繊維同士の接点の一部が前記熱可塑性樹脂で接合固定された、密度が0.4〜0.7g/cmのもので、のこぎりで切断可能で、釘打ができ、打込まれた釘を保持できる。具体的には、打込んだ長さ30mmの釘は引き抜き力10N/mmに対しても引き抜かれない保持力を有している。
【0013】
前記回収繊維としては、一般廃棄物に含まれる布帛の反毛を用いることが好ましく、前記熱可塑性樹脂繊維は、ポリプロピレン繊維であることが好ましい。
前記回収繊維の平均繊維長は20mm以上であることが好ましい。また、前記熱可塑性樹脂繊維の平均繊維長は20mm〜48mmであることが好ましい。
本発明の梱包用木材代替材は、前記回収繊維同士の接点の一部が前記熱可塑性樹脂で接合固定されていることが好ましい。
【0014】
また、本発明の梱包用木材代替材は、回収繊維が絡み合うとともに、該回収繊維同士の接点の一部がバインダーで接合固定された多孔質構造を有し、且つ密度が0.4〜0.7g/cmである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の梱包用木質代替材は、回収繊維と熱可塑性繊維とを絡み合わせてなる繊維塊を加熱圧縮したもので、密度が0.4〜0.7g/cmである。
【0016】
ここで、回収繊維とは、一般家庭で使用済の被服やタオル、風呂敷、カーテン等を構成している織布、編布、不織布等の布帛の繊維二次加工製品の回収品、いわゆるボロをほぐして繊維状にしたものをいう。衣服等の布帛廃棄物(ボロ)は、従来、ウエス、パイルに利用する他は、焼却処分されていたが、織布をほぐして得られる反毛は、元の繊維と比べて汚れていて、切断により繊維長が短くなっているということを除けば、繊維としての特性を残している。よって、リサイクルという観点から、一般廃棄物に含まれる布帛の反毛を再利用することが好ましい。このようなボロは、一般廃棄物に含まれる布帛を反毛機にかけて綿状の繊維塊(反毛)、又はカーディングの繰り返しにより繊維状にほぐした繊維塊の状態で、回収繊維として用いることができる。
【0017】
尚、ボロに限らず、紡績工程、編織工程、不織布製造工程、縫製加工工程で発生する裁断くず、繊維くず(屑繊維)も、回収繊維として用いることができる。
【0018】
回収繊維の繊維の種類は特に限定せず、綿や麻といった天然植物繊維や毛等の天然動物繊維;レーヨン等の再生繊維;ポリエステル、アクリル等の合成繊維;及びこれらの混合物を用いることができる。このような回収繊維は、古紙と比べて耐水性に富み、雨天に曝されても曲げ強度の低下がほとんどない。
【0019】
回収繊維は、平均繊維長20mm以上、好ましくは30mm以上のものを使用する。繊維長20mm未満では、繊維塊の形成工程において、繊維同士の絡み合いが不十分となり、梱包用木材代替材として要求される強度が得られないからである。
【0020】
熱可塑性樹脂繊維は回収繊維のバインダーとして用いられる。従って、回収繊維が劣化しない温度で溶融できる繊維を用いる必要がある。回収繊維が劣化しない温度とは、回収繊維が合成繊維の場合には溶融しない温度であり、回収繊維が綿、麻や羊毛等の天然繊維の場合には焦げたり、ボロボロになったりしない温度をいい、綿繊維の場合は約250℃、ポリエステル繊維の場合は約260℃、羊毛の場合は約210℃、アクリル繊維の場合は約220℃である。このように回収繊維の劣化温度は組成にもよるが、通常200℃超であるという現状から、融点が200℃以下の熱可塑性樹脂繊維を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、低融点ポリエステル繊維、低融点ポリアミド繊維などが挙げられ、これらのうち、剛性が高く長繊維状態での回収量が多いという点から、ポリプロピレン繊維が好ましく用いられる。
【0021】
バインダーとしての熱可塑性繊維を用いることにより、回収繊維と十分に絡み合って、均等に分布させることができ、回収繊維同士を熱可塑性樹脂が溶融してなるバインダーで部分的に接合することが可能となる。回収繊維同士の絡み合いを部分的に固着したマクロな多孔質構造を形成することにより、天然木材に匹敵する軽量さを保持しつつ、高強度化を達成できる。この点、液状バインダーを使用する場合、一様に含浸させることになるので、多孔質構造を形成することは一般に困難である。
【0022】
バインダーとして好ましい熱可塑性樹脂繊維は、平均繊維長20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、さらに好ましくは平均繊維長48mm以下である。このような熱可塑性樹脂繊維は、通常、繊維加工工場から発生する繊維屑として容易に入手することができる。繊維長20mm未満では、短くて、混繊により回収繊維と十分に絡み合わせることが困難になるからである。一方、バインダーとなる熱可塑性樹脂繊維として長すぎるものを用いた場合、バインダーと回収繊維との混合割合との関係から、バインダーが繊維塊内全体に均質に分散されにくくなり、その結果、バインダーリッチ部分が切断性や釘打ち性の低下をもたらすことになる。
【0023】
熱可塑性樹脂繊維は、回収繊維100質量部に対して、30〜50質量部用いる。好ましくは35〜45質量部用いる。30質量部未満では回収繊維同士との接合面積が少なくなり、打ち込んだ釘の保持力が不十分で、曲げ強度が木材に比して劣ってしまうからである。一方、50質量部を超えると、最終的に得られる成形品におけるバインダーの割合すなわちプラスチック部分の割合が大きくなるため、回収繊維間間隙が小さくなりすぎて、釘を打ち込みにくくなる。
【0024】
本発明の梱包用木質代替材は、密度が0.4〜0.7g/cm、好ましくは0.5〜0.65g/cmの範囲にある。バインダーとして繊維を用いて回収繊維同士の接合部分の均質化及び接合面積の増大を図るとともに、密度を上記範囲内とすることにより、木材に匹敵する強度と軽量さを有しつつ、釘打ちが可能な程度のマクロな多孔質構造を有し、且つ打ち込まれた釘を保持するだけの緻密構造を達成できる。また、JIS K7055で測定される曲げ強度を、7MPa以上、好ましくは8MPa以上、より好ましくは10.5MPa以上とすることができ、梱包材の構成材料として必要な強度を確保できる。具体的強度値は、密度、バインダー比率、繊維長によって変動するが、本発明に規定するバインダー比率で、特に密度を0.5g/cm以上とすることにより、曲げ強度を8MPa以上とすることができ、湿潤状態でも乾燥状態と同程度の強度を確保することができる。
【0025】
本発明の梱包用木質代替材は、以下のようにして作製する。
まず、原料となる回収繊維、好ましくは反毛と、バインダーとしての熱可塑性樹脂繊維、好ましくは綿状にした繊維屑とを混繊し、両繊維を十分に絡み合わせてフェルト状繊維塊を形成する。両繊維を絡み合わせる方法は特に限定しないが、ニードルパンチ法、カーディング法などが挙げられる。回収繊維として反毛を使用し、熱可塑性樹脂繊維として綿状の繊維屑を使用した場合には、ニードルパンチ機にかけることにより、両繊維がほぼ均一に絡み合ったフェルト状の繊維塊を容易に得ることができる。
【0026】
得られた繊維塊を適当枚数重ね合わせ、上記範囲の密度となるように加熱圧縮して目的とする木材代替材を得る。加熱圧縮工程は、加熱工程と圧縮工程を同時に行ってもよいし、加熱した後、圧縮工程を行うという2段階で行ってもよい。また、はじめに大判の繊維塊を熱風で加熱した後、ローラ等を通過させて木材代替平板を得、これを裁断して所定サイズとしてもよいし、予め所定サイズの繊維塊を作製し、これを加熱圧縮して直接所定サイズの木材代替材を製造してもよい。
【0027】
繊維塊を適当枚数重ね合わせる場合、同じ種類の繊維塊同士を積層してもよいし、異なる種類の繊維塊同士を積層してもよい。ここで、同じ種類とは、回収繊維と熱可塑性樹脂繊維との含有割合、繊維の種類、目付量が同じ繊維塊をいい、異なる種類とは、回収繊維と熱可塑性樹脂繊維との含有割合、繊維の種類、目付量の少なくとも一つが異なるものをいう。異なる種類の繊維塊を積層することにより、表面性状と内部性状を変えた木材代替材を得ることができる。例えば、バインダー量を少なくしたり、あるいは目付量の小さい繊維塊で、バインダー量を多めにした、あるいは目付量を大きくした繊維塊を挟持することにより、表面にクッション性を付与した木材代替材を提供することもできる。
【0028】
加熱工程は、バインダーとして使用する熱可塑性樹脂繊維の融点以上で、好ましくは熱可塑性樹脂繊維の融点より20℃〜30℃高い温度で行う。熱可塑性樹脂繊維が溶融する温度であれば十分であり、必要以上に高温にしすぎると、原料となる回収繊維の劣化、溶融をもたらすことになるからである。尚、加熱工程は、当該温度に設定したオーブンに入れて加熱してもよいし、当該温度の熱風を吹き付けることによって行ってもよい。
【0029】
一般に、両繊維を絡み合わせただけで得られるフェルト状繊維塊の密度は0.05〜0.08g/cm程度であるから、最終的に得られる木材代替材の密度が0.4〜0.7g/cmの範囲となるように圧縮する必要がある。密度を0.4g/cm以上にまで圧縮することによって木材代替材として必要な曲げ強度を確保することができるからである。尚、加熱後圧縮する場合には、バインダーとなる熱可塑性樹脂繊維が熱変形できるように、加熱後直ちに行うことが好ましい。
【0030】
このようにして得られる木質代替材は、堅さと柔らかさのバランスを天然の木材に近づけたもので、木材のようにのこぎりで切断することができ、釘を打ち込むことができ、しかも打ち込まれた釘は、JIS Z2101の試験法により10N/mm程度以上の保持力で保持されている。また、梱包用木材代替材として必要な強度を、湿潤状態でも保持することができる。
【0031】
【実施例】
〔評価方法〕
はじめに、以下の実施例で行った測定評価方法について説明する。
【0032】
(1)曲げ強度(MPa)
JIS K7055の3点曲げ試験に準じて、乾燥状態および湿潤状態の曲げ強度を測定した。湿潤状態の曲げ強度は、沸騰水中に2時間、その後常温水道水中に1時間浸せきした後、水中から取り出した試験材について乾燥状態と同様の方法で測定した。
【0033】
(2)切断性
のこぎりで切断してみて、同サイズのニュージーランド松の切断性と比較し、松と同程度に切断できた場合を「○」、松よりも力を要して切断を行った場合を「△」、通常の力では切断できない場合又はのこぎりの刃が欠けたりした場合を「×」とした。
【0034】
(3)釘打ち性
長さ30mmの釘を金槌を用いて打ち込み、通常の力で打ち込めた場合を「○」、多大な力で打つことにより打ち込めた場合を「△」、打ち込めたがボードにひびがはいったり、ひどい場合には割れた場合を「×」とした。
【0035】
(4)釘保持性
打ち込んだ釘を10N/mmの力で引き抜き、引き抜けた場合を「×」、引き抜けなかった場合を「○」とした。
【0036】
(5)密度
サイズ200mm×50mm×10mmのサンプルの質量を測定し、作製した木材代替材の見かけの密度(g/cm)を求めた。
【0037】
〔木材代替材の作製〕
No.1〜5:
回収繊維として、一般家庭から廃棄された衣類のボロを反毛機にかけて得られた回収繊維を用いた。この回収繊維は、綿とポリエステル繊維が3:1(質量比)の割合で混合された混合物で、平均繊維長30mmである。
バインダー用熱可塑性樹脂として平均繊維長は20mmのポリプロピレン繊維の反毛を用いた。
【0038】
回収繊維と熱可塑性樹脂繊維を表1に示す割合で混合し、ニードルパンチ法で絡み合わせて、900mm×100mm×12mmのサイズのフェルト状繊維塊を作製した。このフェルト状繊維塊を重ね合わせ、190℃の熱風乾燥炉に入れて加熱した後、厚み10mmにまで圧縮した。積層枚数を変えることにより、密度を変えて、No.1〜5の木材代替材を作製した。これを200mm×50mm×10mmに裁断した。次いで、上記測定評価方法に従って、曲げ強度、釘打ち性、釘保持性を評価した。結果を表1に示す。また、No.4の断面を顕微鏡(100倍)で観察したところ、図1に示すような内部構造を有していた。
【0039】
No.6:
回収繊維に代えて、古紙(新聞紙)を開繊したもの(繊維長10〜20mm)を用いた以外は、No.4と同様にして木材代替材を得た。作製した木材代替サンプルの重量を測定し、上記測定評価方法に従って、曲げ強度、釘打ち性、釘保持性を評価した。結果を表1に示す。
【0040】
No.7:
バインダー用熱可塑性樹脂繊維に代えて、ポリプロピレンペレット(粒径2mm)を使用し、No.4と同様にして、回収繊維が絡み合った900mm×100mm×12mmのサイズの繊維塊を得た。得られた繊維塊内にペレットが不均一に分散していることが黙視で観察できた。この繊維塊を重ね合わせ、No.4と同様の条件で圧縮することにより厚み10mmの木材代替材を得た。得られた木材代替材は不均質であったため、200mm×50mm×10mmに裁断したところ、軟質で切断付近の形状が変形した部分や、硬質でヒビや割れが生じた部分があり、梱包用木材代替材として使用できないものであった。また、No.7の断面を顕微鏡(25倍)で観察すると、図2に示すような内部構造を有していた。
尚、ペレットに代えて、熱可塑性樹脂粉末を用いたところ、反毛の隙間から粉末が落下してしまい、バインダーと混合させた繊維塊自体を得ることができなかった。
【0041】
No.8,9:
回収繊維のみをカーディングしてウエブを形成し、これに回収繊維100質量部に対して表1に示す量の液状フェノール樹脂を含浸させて、フェノール樹脂含浸フェルト状繊維塊を作製した。このフェルト状繊維塊を30℃でホットプレスして木材代替材を得た。作製した木材代替サンプルの重量を測定し、上記測定評価方法に従って、曲げ強度、釘打ち性、釘保持性を評価した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003790749
【0043】
No.1〜5から、繊維状熱可塑性樹脂と原料となる回収繊維の割合が同じであっても、密度が小さくなるのに従って曲げ強度及び釘保持性が低下し、密度が0.3g/cm以下の場合には、曲げ強度、釘保持力を満足することができなかった。一方、密度が高くなるのに従って曲げ強度が大きくなるが、0.8g/cmでは切断性、釘打ち性を満足することができなかった。従って、実用できる梱包用木材代替材としては、密度を0.4〜0.7g/cm、好ましくは0.5〜0.65g/cmの範囲に加圧圧縮する必要があることがわかる。
【0044】
また、図1に示すように、絡み合った回収繊維1同士の接触部分の一部は、溶融したバインダー繊維2によって固着されていることが認められ、回収繊維間間隙は空孔3となった多孔質構造となっていた。
一方、No.7では、図2に示すように、ペレットの溶融部分4の占有面積が大きく、回収繊維1の絡み合い接触部分の固着にほとんど寄与していないことが認められた。
【0045】
No.6は、原料として古紙を用いた場合であり、密度が同じであっても釘保持性が劣り、湿潤状態では曲げ強度の低下が大きすぎて測定できなかった。
【0046】
バインダーとしてフェノール樹脂を用いた場合には、密度を0.6g/cmに調整しても、フェノール樹脂が少ないと曲げ強度が十分でないばかりか、釘打性、釘保持性も不十分であった(No.8参照)。一方、フェノール樹脂の含浸量を20質量部として密度を0.6g/cmに調整すると、曲げ強度を高めることはできたが、切断性、釘打性が低下し、しかも釘保持性も良くなかった(No.9参照)。フェノール樹脂は回収繊維塊内にほぼ均等に含浸されて薄い接着層を形成するため、釘打ちといったピンポイント的な衝撃に対する抵抗が大きいため、釘打ち性が良くないと考えられる。また釘打ちの際にひびが入ってしまうため、釘保持性も低下したと考えられる。
【0047】
〔回収繊維と熱可塑性樹脂繊維の混合割合及びこれらの繊維長と特性の関係〕
No.10,11:
回収繊維100質量部に対するポリプロピレン繊維(PP繊維)の混合量を20質量部又は55質量部とした混合物を用いて繊維塊を形成し、この繊維塊を用いて、密度0.5g/cmの材代替材を作製した。得られた木材代替材について、上記測定評価方法に従って、曲げ強度、釘打ち性、釘保持性を評価した。測定結果を表2に示す。
【0048】
No.12〜14:
回収繊維の平均繊維長が異なること(No.12)、PP繊維の平均繊維長が異なること(No.13、14)以外はNo.3と同様にして、No.3と等しい密度を有する木材代替材を作製し、得られた木材代替材について、上記測定評価方法に従って、曲げ強度、釘打ち性、釘保持性を評価した。結果を表2に示す。尚、参考のために、No.3の結果を併せて表2に示す。
【0049】
【表2】
Figure 0003790749
【0050】
No.3とNo.10、11の比較から、密度が同じであっても、回収繊維100質量部に対してバインダー繊維が20質量部の場合(No.10)には釘保持性が劣り、バインダー繊維が55質量部の場合(No.11)には切断性及び釘打性が劣っていた。従って、梱包用木材代替材として、切断性、釘打ち性と釘保持性の双方を満足するためには、回収繊維とバインダーとなる熱可塑性樹脂繊維の混合割合と密度の双方を所定範囲とする必要があることがわかる。
【0051】
No.3とNo.12の比較から、たとえ回収繊維とバインダー繊維の混合割合及び密度を調整しても、使用する回収繊維の繊維長が短すぎると曲げ強度が弱くなることがわかる。また、回収繊維の繊維長が十分であっても、バインダー繊維が短すぎると曲げ強度が低下して、釘保持性に劣り(No.13)、逆に長すぎると切断性に劣っていた(No.14)。
【0052】
【発明の効果】
本発明の木材代替材は、繊維同士を絡み合わせてマクロな多孔質構造を保持しつつ、繊維同士の結合を強固にして所定密度に調整したもので、乾燥状態だけでなく、湿潤状態においても所定強度を維持し、しかも所定長さに切断したり、釘を打ち込んだりすることができ、打ち込まれた釘は所定荷重に耐えることができる。従って、天然の木材と同様に取り扱うことができ、梱包用木材として最適である。また、原料として回収繊維や繊維屑を用いているので安価で、従来の梱包材料であるニュージーランド松の代替品としてのコストアップを招かずに済み、しかも松くい虫の殺菌といった面倒な作業を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例No.4の切断面構造を示す概略模式図である。
【図2】 実施例No.7の切断面構造を示す概略模式図である。
【符号の説明】
1 回収繊維
2 バインダー
3 空孔

Claims (7)

  1. 回収繊維100質量部と該回収繊維が劣化する温度よりも低い融点を有する熱可塑性樹脂繊維30〜50質量部が絡み合ってなる繊維塊を、前記熱可塑性樹脂繊維の融点よりも高いが前記回収繊維が劣化しない温度で加熱圧縮してなる木材代替材であって、密度が0.4〜0.7g/cmである、のこぎりで切断可能で、釘打ができ、打込まれた釘を保持できる梱包用木材代替材。
  2. 前記回収繊維は、一般廃棄物に含まれる布帛の反毛である請求項1に記載の木材代替材。
  3. 前記熱可塑性樹脂繊維は、ポリプロピレン繊維である請求項1又は2に記載の木材代替材。
  4. 前記回収繊維の平均繊維長は20mm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の木材代替材。
  5. 前記熱可塑性樹脂繊維の平均繊維長は20mm〜48mmである請求項1〜4のいずれかに記載の木材代替材。
  6. 前記回収繊維同士の接点の一部が前記熱可塑性樹脂で接合固定されている請求項1〜5のいずれかに記載の木材代替材。
  7. 回収繊維が絡み合うとともに、該回収繊維同士の接点の一部がバインダーで接合固定された多孔質構造を有し、且つ密度が0.4〜0.7g/cmである梱包用木材代替材。
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