JP3788487B2 - 放電灯点灯装置および照明装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電ランプへの予熱を適切にした放電灯点灯装置および照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、放電灯点灯装置は、放電ランプを予熱した後、放電ランプを点灯させている。
【0003】
すなわち、放電ランプを点灯させる前に、放電ランプの始動電圧より低い電圧で放電ランプを予熱し、その後、タイマなどにより所定時間を計時し、所定時間の経過後に放電ランプに印加する電圧を上昇させて放電ランプを始動点灯させている。
【0004】
また、放電ランプを予熱するに際しては、始動電圧のばらつきによる瞬時点灯、もしくは予熱不足や、予熱条件などで適性値から外れると、放電ランプが早期に黒化したりする。
【0005】
このため、始動電圧に対して十分に余裕を取って設定したり、予熱電圧を一定に制御する制御回路あるいは電源変動補償回路などを付加している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、放電ランプの予熱が適切でないと、放電ランプが早期に黒化したり、予熱を適切にするための構成が複雑になる問題を有している。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、簡単な構成で放電ランプの予熱を適切にする放電灯点灯装置および照明装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の放電灯点灯装置は、直流電源に接続されるとともに対をなすフィラメントを有する放電ランプのフィラメントの一端間に接続され直流電源の直流を高周波に変換して放電ランプを点灯させるインバータ回路と;このインバータ回路の直流電源の正極に接続されていない側および放電ランプのフィラメントの一端間に接続された直流カット用のコンデンサと;放電ランプのフィラメントの他端間に接続された始動用のコンデンサと;放電ランプのフィラメントの一端および直流カット用のコンデンサの接続点と直流電源の負極との間に接続された抵抗の直列回路、抵抗に対して並列に接続されたコンデンサ、このコンデンサの電圧を基準電圧と比較してこのコンデンサの電圧が基準電圧以上になることを検出する検出手段と;タイマと;検出手段でコンデンサの電圧が基準電圧以上であることが検出されるとインバータ回路の出力を低下させて微放電状態および漏れ電流の少なくともいずれかでフィラメントを予熱させ、この予熱後にタイマによりインバータ回路の出力を増加させて放電ランプを始動、点灯させる制御手段とを具備したものである。そして、放電ランプが点灯していない状態では直流カット用のコンデンサおよび始動用のコンデンサにより直流的には閉路が形成されないため、コンデンサには直流分が印加されずコンデンサは充電されず、放電ランプが放電して点灯すると、放電ランプの放電により抵抗が接続された状態になり放電ランプおよび抵抗の直列回路の直流的な閉路が形成され、コンデンサに直流成分が印加されてコンデンサが充電され、検出手段はコンデンサの電圧を基準電圧と比較してこのコンデンサの電圧が基準電圧より高くなることにより放電ランプの放電を検出し、放電ランプの放電が検出されると、制御手段でインバータ回路の出力を低下させて微放電状態および漏れ電流の少なくともいずれかでフィラメントを予熱し、この予熱後にタイマによりインバータ回路の出力を増加させて放電ランプを始動、点灯させるため、放電ランプが十分に予熱される前に放電して、始動点灯することを防止し、若干の明るさを得た状態で安定した予熱条件で放電ランプの予熱を適切にする。
【0009】
求項記載の放電灯点灯装置は、請求項1記載の放電灯点灯装置において、検出手段は、放電ランプの点灯周波数を除去するフィルタを有するもので、フィルタで放電ランプの点灯周波数を除去することにより、点灯周波数の脈流の影響を除去し、簡単な構成で正確に放電ランプの放電を検出する。
【0010】
請求項記載の照明装置は、請求項1または2記載の放電灯点灯装置と;この放電灯点灯装置が設けられる器具本体とを具備したもので、それぞれの作用を奏する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の照明装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
図2は照明装置を示す分解斜視図で、この図2に示すように、薄円盤状の器具本体1は、アダプタ2により図示しない引っ掛けシーリングに取り付けられ、この器具本体1の下面には放電ランプとしての蛍光ランプFL1,FL2が取り付けられるホルダ体3が取り付けられ、これら蛍光ランプFL1,FL2はホルダ体3とともに、透光性を有するセード4により覆われている。そして、器具本体1には、放電灯点灯装置5が収容される。
【0013】
また、図1は放電灯点灯装置を示す回路図で、この図1に示すように、この放電灯点灯装置5は、直流電源Eに、インバータ回路11が接続され、このインバータ回路11には、直流カット用のコンデンサC1およびインダクタL1を介して蛍光ランプFL1のフィラメントFL1a,FL1bの一端が接続され、これらフィラメントFL1a,FL1bの他端間には、始動用のコンデンサC2が接続されている。なお、インバータ回路11は、不点などにより蛍光ランプFL1の電圧が上昇すると、設定電圧を限度として出力を増加するように構成されている。
【0014】
さらに、直流カット用のコンデンサC1を有する側のインダクタL1と蛍光ランプFLのフィラメントFL1aの一端との接続点に、放電検出手段としての放電検出回路12が接続され、この放電検出回路12は、蛍光ランプFL1の点灯周波数の交流成分を除去するローパスフィルタ14を有し、抵抗R1および抵抗R2の直列回路を有し、抵抗R2に対して並列にコンデンサC3が接続されている。そして、抵抗R1および抵抗R2の接続点は、制御手段としてのコンパレータ15の一方の入力端子が接続され、このコンパレータ15の他方の入力端子には出力電圧可変の基準電源E1が接続され、このコンパレータ15の出力端子は電圧に従いインバータ回路11の発振周波数を変化させるVFO16を介してインバータ回路11に接続されている。
【0015】
なお、蛍光ランプFL2に対しても同様なインバータ回路が別個に設けられている。
【0016】
次に、上記実施の形態の動作について説明する。
【0017】
まず、直流電源Eの直流をインバータ回路11により高周波に変換し、蛍光ランプFL1のフィラメントFL1a,FL1bを予熱する。この状態では、図3の等価回路に示すように、フィラメントFL1a,FL1bの抵抗R1a,R1bを介して始動用のコンデンサC2は接続されるが、コンデンサC1およびコンデンサC2により直流的には閉路が形成されないため、コンデンサC3には直流分が印加されず、コンデンサC3は充電されない。
【0018】
また、蛍光ランプFL1が放電して点灯すると、図4の等価回路に示すように、抵抗RFLが接続された状態になるため、抵抗RFL、抵抗R1および抵抗R2の直列回路が形成され、コンデンサC3に直流成分が印加されて、コンデンサC3の電圧が基準電源E1の電圧より高くなると、蛍光ランプFL1が放電して点灯したことが判別できる。なお、蛍光ランプFL1のフィラメントFL1a,FL1bの予熱状態では、基準電源E1の電圧は低い状態にしておく。
【0019】
そして、フィラメントFL1a,FL1bの予熱が必要な状態で、蛍光ランプFL1の放電が検出されると、負帰還によりインバータ回路11の出力を低下させ、放電しない状態、グロー放電などの微放電状態あるいは蛍光ランプFL1の表面に流れる漏洩電流などにより、再度フィラメントFL1a,FL1bを予熱する状態にする。その後、フィラメントFL1a,FL1bが十分に予熱されると、タイマにより基準電源E1の電圧を上昇させ、インバータ回路11の出力を増加させて、蛍光ランプFL1を始動、点灯させ、点灯後は上昇した電圧の基準電源E1に基づき、蛍光ランプFL1の寿命末期などの検出状態にする。このように、グロー放電などによりフィラメントFL1a,FL1bを十分に予熱することにより、予熱電圧のばらつきなどを考慮する必要がなくなるため、電源変動補償回路あるいはばらつきを補正する回路が不要になるので、回路構成が簡単になるとともに、予熱条件のばらつきをなくすことができ、フィラメントFL1a,FL1bの劣化が小さくなり、蛍光ランプFL1の長寿命化を図れる。また、グロー放電状態などでフィラメントFL1a,FL1bを予熱するので、多少の明るさが得られるため、予熱時間が多少長くても始動が遅いという不快感を感じにくい。
【0020】
一方、蛍光ランプFL1が装着されていない状態では、図5の等価回路に示すように、放電検出回路12は、コンデンサC1およびコンデンサC2により直流的には閉路が形成されないため、コンデンサC3には直流分が印加されず、コンデンサC3は充電されない。この状態が所定時間以上続いた場合には、蛍光ランプFL1が接続されていないとして、インバータ回路11の出力を停止させる。
【0021】
また、蛍光ランプFL1の寿命末期を検出するには、たとえば蛍光ランプFL1のフィラメントFL1aからフィラメントFL1bに向けて半波放電している場合には、同様にコンデンサC3に電荷が蓄積され、このコンデンサC3の電圧が基準電源E1の電圧より高くなると、蛍光ランプFL1の寿命末期として、インバータ回路11の出力を低下あるいは停止する。
【0022】
一方、蛍光ランプFL1のフィラメントFL1bからフィラメントFL1aに向けて半波放電している場合には、コンデンサC3の電圧が逆方向になり、コンデンサC3の電圧が基準電源E1の電圧より高くならないので、コンパレータ15の出力に基づいてはインバータ回路11の出力は低下しないが、蛍光ランプFL1の電圧が上昇することにより、蛍光ランプFL1の寿命末期として、インバータ回路11により出力を低下あるいは停止する。
【0023】
また、他の実施の形態を図6を参照して説明する。
【0024】
図6は他の実施の形態の放電灯点灯装置を示す回路図で、この図6に示す実施の形態は、図1に示す実施の形態において、1つのインバータ回路11で、2本の蛍光ランプFL1,FL2を接続したもので、それぞれの蛍光ランプFL1,FL2に放電検出回路12を接続したものである。
【0025】
そして、インバータ回路11の制御の方法としては、予熱については2つの蛍光ランプFL1,FL2に対応して同時に制御すれば良いが、いずれかの蛍光ランプFL1,FL2に寿命末期などの状態が発生した場合には、対応する蛍光ランプFL1,FL2のみについて、出力を停止させる制御を行なえば良い。なお、予熱に対しても、それぞれの蛍光ランプFL1,FL2に対応させて時間設定を異ならせても良い。
【0026】
なお、いずれの実施の形態の場合にも、放電を検出する方法として、フィラメント予熱電流をトランスなどによりキャンセルしたり、フィラメント予熱電流の流れない部分で検出したりして検出しても良い。なお、この場合、検出値が放電量となるので、ピーク検出などにより検出すれば効果的である。
【0027】
また、インバータ回路11の出力を低減する方法としては、周波数を変化させるものに限らず、デューティ比を変換して出力を制御しても良い。
【0028】
【発明の効果】
請求項1記載の放電灯点灯装置によれば、放電ランプが点灯していない状態では直流カット用のコンデンサおよび始動用のコンデンサにより直流的には閉路が形成されないため、コンデンサには直流分が印加されずコンデンサは充電されず、放電ランプが放電して点灯すると、放電ランプの放電により抵抗が接続された状態になり放電ランプおよび抵抗の直列回路の直流的な閉路が形成され、コンデンサに直流成分が印加されて、コンデンサが充電され、検出手段はコンデンサの電圧を基準電圧と比較してこのコンデンサの電圧が基準電圧より高くなることにより放電ランプの放電を検出し、放電ランプの放電が検出されると、制御手段でインバータ回路の出力を低下させて微放電状態および漏れ電流の少なくともいずれかでフィラメントを予熱し、この予熱後にタイマによりインバータ回路の出力を増加させて放電ランプを始動、点灯させるため、放電ランプが十分に予熱される前に放電して、始動点灯することを防止し、若干の明るさを得た状態で安定した予熱条件で放電ランプの予熱を適切にでき、蛍光ランプを長寿命化できる。
【0029】
求項記載の放電灯点灯装置によれば、請求項1記載の放電灯点灯装置に加え、放電検出手段は放電ランプの点灯周波数を除去するフィルタを有するので、フィルタで放電ランプの点灯周波数を除去することにより、点灯周波数の脈流の影響を除去し、簡単な構成で正確に放電ランプの放電を検出できる。
【0030】
請求項記載の照明装置によれば、請求項1または2記載の放電灯点灯装置が設けられる器具本体とを具備したので、それぞれの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の放電灯点灯装置の一実施の形態を示す回路図である。
【図2】 同上照明装置を示す分解斜視図である。
【図3】 同上蛍光ランプが放電していない状態を示す等価回路図である。
【図4】 同上蛍光ランプが放電した状態を示す等価回路図である。
【図5】 同上蛍光ランプが装着されていない状態を示す等価回路図である。
【図6】 同上他の実施の形態の放電灯点灯装置を示す回路図である。
【符号の説明】
1 器具本体
5 放電灯点灯装置
11 ンバータ回路
12 出手段としての放電検出回路
14 ローパスフィルタ
15 制御手段としてのコンパレータ
C1 直流カット用のコンデンサ
C2 始動用のコンデンサ
C3 コンデンサ
FL1,FL2 放電ランプとしての蛍光ランプ
FL1a,FL1b フィラメント
R1,R2 抵抗

Claims (3)

  1. 直流電源に接続されるとともに対をなすフィラメントを有する放電ランプのフィラメントの一端間に接続され直流電源の直流を高周波に変換して放電ランプを点灯させるインバータ回路と;
    このインバータ回路の直流電源の正極に接続されていない側および放電ランプのフィラメントの一端間に接続された直流カット用のコンデンサと;
    放電ランプのフィラメントの他端間に接続された始動用のコンデンサと;
    放電ランプのフィラメントの一端および直流カット用のコンデンサの接続点と直流電源の負極との間に接続された抵抗の直列回路、抵抗に対して並列に接続されたコンデンサ、このコンデンサの電圧を基準電圧と比較してこのコンデンサの電圧が基準電圧以上になることを検出する検出手段と;
    タイマと
    出手段でコンデンサの電圧が基準電圧以上であることが検出されるとインバータ回路の出力を低下させて微放電状態および漏れ電流の少なくともいずれかでフィラメントを予熱させ、この予熱後にタイマによりインバータ回路の出力を増加させて放電ランプを始動、点灯させる制御手段と;
    を具備したことを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 出手段は、放電ランプの点灯周波数を除去するフィルタを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 請求項1または2記載の放電灯点灯装置と;
    この放電灯点灯装置が設けられる器具本体と;
    を具備したことを特徴とする照明装置。
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