JP3787824B2 - 高負荷燃焼器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンや工業炉などに使用される高負荷燃焼器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来のガスタービンの構成図である。図において、圧縮機に取り入れた空気は、連続的に高圧に圧縮されて燃焼器に入る。燃焼器には燃焼噴射ノズルが設けられおり、燃焼噴射ノズルから灯油,軽油,重油などの液体燃料を噴射して空気と混合し、連続して燃焼する。燃焼により得られた高温高圧のガスは、燃焼器から排出され、タービンノズルを通過し、高速ガスとなりタービン翼車を駆動し、ガスは大気に放出される。タービン翼車により得られた動力の一部は、発電機や車両などの駆動に用いられ、残部は圧縮機の駆動に用いられる。
【0003】
図3はガスタービンの筒形燃焼器である。図において、aは燃焼器外筒、bは燃焼器、cは燃料ノズル、dは旋回羽根である。この燃焼器bによれば、一次燃焼領域において、一次流入空気に強い旋回を与え、気流に適度の乱れを起こさせて流入速度の減少と火焔伝播速度の増加をはかり、常に安定した連続燃焼が得られるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した燃焼器において、高負荷希薄燃焼を行うと、余剰の空気があるので、燃焼ガスの温度が下がり、NOx の発生を抑制することはできるが、燃焼性が悪化するなどの問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたもので、高負荷希薄燃焼を行いながら燃料を完全燃焼させてNOx の発生を抑制し、また、燃焼負荷率をより高くすることによって、燃焼器の小型化を図ることができる高負荷燃焼器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、耐熱容器内に、球形の主燃焼器を配設し、主燃焼器の外周に、こぶ状に多数の球形の副燃焼器を設け、主燃焼器には、燃料と空気を混合した主混合気を送入する主供給管を接続し、副燃焼器には、複数の小孔を穿設し、前記耐熱容器内に供給された燃料と空気を混合した副混合気を前記小孔から副燃焼器内に導入し、主燃焼器内および副燃焼器内で混合気のジェット同士または混合気と燃焼ガスのジェット同士が互いに衝突し合うように燃焼させ、主燃焼器には、点火栓および燃焼ガスを外部に排出するガス排出管を接続してなる高負荷燃焼器が提供される。
【0007】
本発明の実施形態によれば、前記耐熱容器は、主燃焼器を収容する球状の空間を有するのが好ましい。
【0008】
本発明の他の実施形態によれば、前記主燃焼器,副燃焼器およびガス排出管は、セラミックスなどの耐火材で構成されているのが好ましい。
【0009】
次に本発明の作用について説明する。
主燃焼器には、主供給管から燃料と空気を混合した主混合気を供給する。副燃焼器には、副供給管から燃料と空気を混合した副混合気を耐熱容器の球状の空間をへて副燃焼器に穿設された複数の小孔から供給する。副燃焼器に導入された副混合気は、副燃焼器内で副混合気のジェット同士が互いに衝突し合うようにして燃焼し、主燃焼器内に排出される。主燃焼器内では、主混合気のジェットと副燃焼器からの燃焼ガスのジェットが互いに衝突し合うようにして燃焼するので、主燃焼器内での燃焼を安定化して高負荷希薄燃焼を行うことができ、NOx の発生を抑制することができる。また、燃焼負荷率を高くするので、燃焼器の小型化を図ることができる。主燃焼器内で燃焼した燃焼ガスは、ガス排出管から外部に排出される。なお、着火は主燃焼器内に突設した点火栓により行われる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の高負荷燃焼器の断面図である。
図1において、1は高負荷燃焼器である。2は高負荷燃焼器1の耐熱容器である。3は耐熱容器2内に配設された球形の主燃焼器であり、4は球状の空間である。5は主燃焼器3の外周に設けた多数の副燃焼器である。この副燃焼器5は、こぶ状に設けられ球形をしている。5aは副燃焼器5に穿設した複数の小孔であり、5bはガス排出口である。6は主燃焼器3に連接したガス排出管である。7は先端を主燃焼器3内に突出するように設けた点火栓である。8は主燃焼器3に連接した主供給管で、灯油などの液体燃料または天然ガスなどの気体燃料と空気を混合した主混合気10を主燃焼器3に供給する。9は耐熱容器2に連接した副供給管で、燃料と空気を混合した副混合気11を副燃焼器5に供給する。11aは副燃焼器5内で燃焼した燃焼ガスであり、12は主燃焼器3から排出される燃焼ガスである。
【0011】
次に実施形態に基づく作用について説明する。
主燃焼器3には、主供給管8から燃料と空気を混合した主混合気10を供給する。副燃焼器5には、副供給管9から燃料と空気を混合した副混合気11を耐熱容器2の球状の空間4をへて副燃焼器5に穿設された複数の小孔5bから供給する。副燃焼器5に導入された副混合気11は、副燃焼器5内で副混合気11のジェット同士が互いに衝突し合うようにして燃焼し、主燃焼器3内に排出される。主燃焼器3内では、副燃焼器5から排出された燃焼ガス11aのジェットと主供給管8からの主混合気10のジェットが互いに衝突し合うようにして燃焼するので、燃焼を安定化して高負荷希薄燃焼を行うことができ、NOx の発生を抑制することができる。また、燃焼負荷率を高くするので、燃焼器の小型化を図ることができる。なお、主混合気10は、点火栓7により着火されて燃焼し、副燃焼器5内の混合気11は、主燃焼器3内で燃焼した燃焼ガスによって着火して燃焼する。燃焼ガス12は、ガス排出管6から外部に排出される。主燃焼器3,副燃焼器5およびガス排出管6は、セラミックスなどの耐火材で構成されているので、高温にも耐えることができる。
【0012】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、主混合気および副混合気は、灯油,軽油,重油などの液体燃料と空気を混合したものであっても、天然ガスなどの気体燃料と空気を混合したものであってもよいなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0013】
【発明の効果】
上述した本発明の高負荷燃焼器によれば、主燃焼器内で主混合気のジェットと副燃焼器からの燃焼ガスのジェットとを互いに衝突させて燃焼させるとともに、副燃焼器内でも副混合気のジェット同士を互いに衝突し合うにして燃焼させるので、高負荷希薄燃焼を行うことができ、NOx の発生を抑制することができる。また、燃焼負荷率を高くするので、燃焼器の小型化を図ることができるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高負荷燃焼器の断面図である。
【図2】ガスタービンの構成図である。
【図3】ガスタービンの筒形燃焼器である。
【符号の説明】
1 高負荷燃焼器
2 耐熱容器
3 主燃焼器
4 空間
5 副燃焼器
5a 小孔
5b 燃焼ガス排出口
6 ガス排出管
7 点火栓
8 主供給管
9 副供給管
10 主混合気
11 副混合気
12 燃焼ガス
Claims (3)
- 耐熱容器内に、球形の主燃焼器を配設し、主燃焼器の外周に、こぶ状に多数の球形の副燃焼器を設け、主燃焼器には、燃料と空気を混合した主混合気を送入する主供給管を接続し、副燃焼器には、複数の小孔を穿設し、前記耐熱容器内に供給された燃料と空気を混合した副混合気を前記小孔から副燃焼器内に導入し、主燃焼器内および副燃焼器内で混合気のジェット同士または混合気と燃焼ガスのジェット同士が互いに衝突し合うように燃焼させ、主燃焼器には、点火栓および燃焼ガスを外部に排出するガス排出管を接続してなることを特徴とする高負荷燃焼器。
- 前記耐熱容器は、主燃焼器を収容する球状の空間を有している請求項1記載の高負荷燃焼器。
- 前記主燃焼器,副燃焼器およびガス排出管は、セラミックスなどの耐火材で構成されている請求項1または請求項2記載の高負荷燃焼器。
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JP22478997A JP3787824B2 (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 高負荷燃焼器 |
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JPH1163501A JPH1163501A (ja) | 1999-03-05 |
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Family Applications (1)
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JP22478997A Expired - Fee Related JP3787824B2 (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 高負荷燃焼器 |
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JP (1) | JP3787824B2 (ja) |
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1997
- 1997-08-21 JP JP22478997A patent/JP3787824B2/ja not_active Expired - Fee Related
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