JP3787236B2 - 高炉中心部への装入物装入方法 - Google Patents

高炉中心部への装入物装入方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉により生産される銑鉄の品質ならびに生産量の変動に伴う炉内状況の変化に対しても安定な融着帯を形成し、円滑な高炉操業を行うための融着帯形状を形成するのに適した高炉中心部への装入物装入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉における主な制御手段は装入物分布制御と送風制御の二つがある。送風制御によりレースウェイ条件(レースウェイ形状、レースウェイ内温度分布、レースウェイ内ガス組成分布ほか)が決まるが、装入物分布制御は、高炉内の反応伝熱を左右するガス流分布、融着帯の形状を決める唯一の手段であるため、最もよく用いられかつ最も重要な制御手段である。
【0003】
一般に高炉は高炉炉頂部より鉄鉱石、焼結鉱、ペレット(以下、単に鉄鉱石と称す)と、コークスを交互に装入し、炉下部の送風羽口(以下、単に羽口と称す)より熱風を吹き込んで操業を行っている。高炉においては、羽口先端部分でコークスと熱風との反応により生じたCOガスを含む高温の炉内ガスで、前記鉄鉱石を炉内降下中に加熱−還元(間接還元)−溶融する。
さらに、鉄鉱石の溶融物を滴下中に滴下帯部に存在するコークスで還元(直接還元)しつつ湯溜り部に集められ、適時、出銑口より炉外に排出する。この鉄鉱石は溶融滴下する直前に軟化融着状態(以下、単に融着帯と称する)となり、コークスを挟んで炉内に存在している。
【0004】
このように、高炉内においては、装入した鉄鉱石が塊の状態にある塊状帯部、軟化融着した状態にある融着帯、溶融滴下状態にある滴下帯部が存在しており、前記炉内ガスは羽口先端部よりこの滴下帯部、融着帯、塊状帯部を順次通って炉外に流出している。この三者の通気抵抗は融着帯が最も大きく、次いで塊状帯部であり、滴下帯部が最も小さくなっている。したがって、融着帯の形状によって塊状帯部と滴下帯部の形状も異なり、炉内の通気性およびガス利用率が異なったものとなる。
【0005】
例えば、融着帯の頂部が高くなるいわゆる中心流型融着帯(逆V型)においては、塊状帯部が狭くなる反面、滴下帯部が広くなるので通気性は良好となると同時に、炉内ガスが炉心部を常時流れてガス流が安定化するためにガス利用率も高位のレベルに維持できる。
また、融着帯頂部が低くなる、いわゆるフラット型融着帯においては、塊状帯部が広くなる反面、滴下帯部が狭くなるので通気性は悪くなると同時に、炉内ガスが偏流する可能性があり、ガス利用率が低下する場合もある。
この通気性およびガス利用率は生産性および燃料比に深い関係を有するものであり、高炉操業中に該融着帯の位置および形状を検知し、これによって融着帯を最適制御すれば、通気性およびガス利用率を調節することができ、生産性の増大、燃料比の節減を図ることができる。
【0006】
このような高炉内での融着帯の制御方法としては、幾つかの発明が開示されているが、例えば特公昭63−61367号公報に提示されている技術によれば、高炉の炉腹部あるいはそれ以下の部分から炉内に1個または複数個のゾンデを挿通し、該ゾンデから得られるガス体および固体温度、ガス組成の実測値から融着帯の上側および下側の位置を求めるとともに、該融着帯の位置が高炉操業上最適な位置を占めるように、高炉の半径方向の鉄鉱石層厚とコークス層厚の比(O/C)の分布および粒度分布を制御することを特徴としている。
【0007】
すなわち、融着帯の制御として高炉へ装入する鉄鉱石とコークスのO/Cの分布を制御することによって適切な融着帯を得ることができるとされており、その理由として、鉄鉱石層はコークス層に比べて粒子径および層の空間率が小さいので、高炉の半径方向のうちで鉄鉱石層厚が相対的に厚い部分ではガスの通気性は悪く、そのためその部分を流れるガス流速、ガス流量が低下する。ガス流量の低下はいろいろな面に影響を及ぼし、伝熱に関しては単位断面積を流れるガス顕熱量の低下、固体物質への伝熱性の悪化をもたらす。反応に関しては、鉄鉱石を還元するのに充分なガス量が供給されないために還元ガスの濃度が低下し、還元推進力が弱まることから、還元率の相対的低下をもたらす。
以上のことから、半径方向でO/Cの高い部分は還元率の低下、ガス体および固体温度の低下をもたらす。
【0008】
したがって、例えば中心部で高い融着帯を実現するためには炉下部の中心部に充分な熱を供給することが必要である。そのためには炉中心部にガスの供給を増加する操作、すなわち中心部のO/Cを小さくすることが必要であり、また周辺部で高い融着帯を実現するためには同様な理由から、周辺部のO/Cを小さくする操作が必要であると述べられている。
【0009】
しかし、従来法における通常の高炉装入物の装入方法に従えば、例えば図4に示すように、コークス(C)と鉄鉱石(O)とを順次層状に装入すると炉中心部においては、鉄鉱石の装入層の厚みが厚くコークス装入層の厚みが薄くなる傾向を避けることはできなかった。
これは鉄鉱石の安息角がコークスの安息角に比べて小さく、かつ鉄鉱石とコークスの嵩密度が大きく異なり、勢い炉中心部において鉄鉱石層が必然的に厚くなる現象を生じるためである。したがって、炉下部から供給されるガスの流れが、炉中心部の鉄鉱石層の厚い部分では通気性が悪くなり、その結果ガスはガス流れが比較的容易な炉周辺部に向かいその部分を流れることになる。
【0010】
このような装入物の分布状態に対して高炉中心部のみにコークスを特別の手段によって装入し、炉中心部にチムニー状のコークス堆積状態を積極的に保持せしめようとする技術が例えば特公平6−37649号に開示されている。
該公報に記載された技術を高炉操業に適用すれば、炉中心部にコークスのチムニーを容易に作ることができるはずであるが、後述するように高炉の実操業においては一旦作られたチムニー状のコークス層では通気性が過大となり、下方向からの上昇ガス流が強すぎてチムニー状に堆積しようとするコークスを吹き上げ、図5に模式的に示すように炉中心部のコークスが周辺部に飛散し、実際には目的とするコークス中心部装入の効果は意外に少ない状態にあるものと思慮される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、融着帯の適切な形状については知られており、例えば図3に示すように、融着帯を中心部が高い逆V型にすることが、現状の高炉操業を行う上で理想的な形状とされている。この形状を得るためには上記したように、炉中心部のO/Cを小さくする必要があり、これは言い換えると炉中心部のコークス量ができるだけ多くなるような装入物の装入方法が好ましいと言うことである。
【0012】
このような状況下で、実際の高炉における装入物(鉄鉱石、コークス等)の装入分布状態、すなわち適切なO/Cを保つための高炉半径方向での分布状態を得るためには、それに適した装入設備が必要となる。しかし、ベルレス高炉においては、上記の調整を実施しようと思えば、旋回シュートの傾動角を広範囲に移動する必要があり、そのため、高出銑比の操業条件下では、装入物を炉内に装入するのに時間が長くかかり過ぎるという問題が生じ、所望のO/C分布を炉半径方向で作り込めない状況に直面することも起こっていた。
【0013】
また前述のように、炉中心部へのコークス装入は炉中心部を上昇するガス流の影響を受けるので、その対応策も考慮したうえで適切な装入方法を採用しなければ、目的とする効果が得られない惧れがあり、これらのことを総括したうえで、従前の装入設備によって簡便容易に上記した如きO/Cの炉半径方向での分布状態を得ることができる装入技術についての開発が強く要望されていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨とするところは、下記手段にある。
(1) ベルレス高炉におけるコークスと鉄鉱石が交互に層状に堆積するように、順次コークスと鉄鉱石を装入する装入物の高炉内装入に際し、旋回シュートを介し装入する前記鉄鉱石の直前に装入される最終コークスは高炉の炉口半径方向の炉中心から炉口半径に対して0.2〜0.8の範囲の炉中間部のみに堰状に装入堆積せしめ、次いで、該旋回シュートにより鉄鉱石を前記最終コークスの堆積部の外側と高炉炉壁間に装入することを特徴とする高炉中心部への装入物装入方法。
(2) ベルレス高炉におけるコークスと鉄鉱石が交互に層状に堆積するように、順次コークスと鉄鉱石を装入する装入物の高炉内装入に際し、高炉直上の炉頂ホッパー内へ下部にコークスを投入後、次いでその上部に鉄鉱石を投入し、該炉頂ホッパー内でコークスと鉄鉱石を層状に貯留後、遮断弁を開放し旋回シュートを介して下部貯留コークスの大半を前記鉄鉱石の直前に装入される最終コークスとして高炉の炉口半径方向の炉中心から炉口半径に対して0.2〜0.8の範囲の炉中間部のみに堰状に装入堆積せしめた後、該旋回シュートを前記最終コークスの堆積部の外側へ移行し上部貯留鉄鉱石の装入を開始することを特徴とする高炉中心部への装入物装入方法。
【0015】
) 前記(1)または(2)において、最終コークスを装入する炉中間部は、高炉炉口半径方向で、炉中心から炉口半径に対して0.2〜0.6の範囲とした高炉中心部への装入物装入方法。
) 前記最終コークス装入後の鉄鉱石の装入は、コークス堆積部外側部から高炉炉壁側へ向け順次装入する(1)ないし()のいずれかに記載の高炉中心部への装入物装入方法。
【0016】
) 前記炉中間部へ装入する最終コークスは、その粒径を大にして高炉内へ装入する(1)ないし()のいずれかに記載の高炉中心部への装入物装入方法。
) 前記炉中間部に装入する最終コークスは、その反応性を低反応性に変更して高炉内へ装入する(1)ないし()のいずれかに記載の高炉中心部への装入物装入方法。
) 前記炉中間部へ装入する最終コークスは、高炉炉頂部の炉内半径方向のガス利用率の値によって、コークス装入割合(1/n)を調整制御する(1)ないし()のいずれかに記載の高炉中心部への装入物装入方法。
なお、上記コークス装入割合(1/n)は、例えば、(C↓O↓)、(C↓C↓O↓O↓)、(C↓C↓C↓O↓O↓)などの装入形態が存在するコークス(C)と鉄鉱石(O)の装入を以て1チャージとする場合に、装入チャージ回数(n)に対するコークス装入回数を意味する。
【0017】
) 前記()において、ガス利用率(ηCO)の値が炉中心部において20%を超えた場合には、高炉中間部へ装入するコークス装入割合(1/n)を増加する高炉中心部への装入物装入方法。
) 前記()において、ガス利用率(ηCO)の値が炉中心部において20%以下を満足し、かつ、炉中間部でのηCOの値が60%以上になった場合には、高炉中間部へ装入するコークス装入割合(1/n)を減ずる高炉中心部への装入物装入方法。
10) 前記ガス利用率(ηCO)の値が()または()に定めた値を逸脱した状態が、少なくとも8時間経過した場合には、高炉中間部へ装入するコークス装入割合(1/n)の増減を行う高炉中心部への装入物装入方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明者らが高炉における装入物の装入状態を考察したところでは、前述したように高炉中心部に装入されるコークスはその比重が軽く、かつ嵩密度が小さいため炉下部からの上昇ガス流によって吹き上げられ飛散するので、その間隙部に比重の重い鉄鉱石が流れ込み(鉄鉱石は安息角が小さいので容易)、炉中心部に所望とするコークスの堆積層を得るには多くの困難性が伴うことが判明した。
【0019】
そこで本発明者らは高炉内融着帯の制御において、高炉装入物中の高炉半径方向でのO/Cを適切な分布状態に調整するために、特別の装入装置を要せず従来の装入物装入装置を用いて行うべく鋭意研究・検討を重ねた結果、ベルレス高炉においては、炉内への装入物中最終コークスの装入範囲を高炉の炉口半径方向において適切な位置に調整することによって、上記問題点の解決を図ることが容易であるとの結論に到達した。
【0020】
さらに、最終コークス装入位置の適正化について種々の実験を行い、多くの試行錯誤を重ねた結果、炉中心部を避け、炉中心から炉壁までの間で炉中心部の上昇ガス流の影響を受けない位置である炉中間部に、最終コークスを装入して堰状のコークスの堆積層を一旦作り、そのコークス堆積層(堰)の外側と炉壁間へ鉄鉱石を装入することによって、一旦堆積せしめたコークスを鉄鉱石の炉心方向への流れ込みを利用し、該堆積コークスを炉中心部へ押し込み、炉中心部にコークスを主体とした通気性の良好なチムニー状の装入物層を形成せしめることができるとの見通しを得たものである。
【0021】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および2は高炉炉頂より装入された装入物を模式的に示したもので、図1において、先に装入したコークス層の上部に、例えば1ホッパー(1ダンプ)に貯留された最終コークス(C)を高炉中心部からずらし、炉中間部に装入して堰状に堆積せしめる(この場合、コークスの堆積層は通常装入する層厚より厚目に堆積した方がより効果的である)。
しかる後、鉄鉱石(O)を先に装入した炉中間部に存在する最終コークス(C)堆積部の外側へ装入を行う。かくの如き装入を行うことにより、一旦堆積されていたコークス(C)は鉄鉱石(O)の炉中心部方向への流れ込みにより、炉中間部より炉中心方向へ押し込まれ、図2に示したようなコークスを主体とする装入物の分布状態が得られる。
【0022】
すなわち、炉中心部には装入コークス層の流動化コークス(前記したように炉中心部に存在するコークスは、絶えず炉中心を上昇するガス流によって舞い上がり、上昇・降下を繰り返すので流動化された状態となっている)と炉中間部堆積コークスとの混合したコークスが堆積された状態となり、その外周部に一部炉中間部装入コークスが残存し、その上部に鉄鉱石が積層された状態となる。
このような装入物層を確保できるので、炉中心部に所望のコークスを主体とするチムニーが形成され、目的とする融着帯を容易に得ることができる。
【0023】
なお、本発明においては本発明者らが先に発明し、特願平9−341970号にて既に出願している「高炉への装入物装入方法」を本発明に適用することも本発明の主旨から言って当然可能である。すなわち該発明の要旨は、「ベルレス高炉における装入物の高炉内装入に際し、高炉直上の炉頂ホッパー内へ下部にコークスを投入後、次いでその上部に鉄鉱石を投入し、該炉頂ホッパー内でコークスと鉄鉱石を層状に貯留後、遮断弁を開放し旋回シュートを介して装入物を高炉内へ装入することを特徴とする高炉への装入物装入方法」にあるので、図6に示すように、炉頂ホッパーに貯留された下部コークスを高炉の炉口半径方向において炉中間部に装入堆積後、残りの鉄鉱石を主体とする貯留物を旋回シュートを操作し、堆積コークス層の外側へ移行して装入を続行することにより、鉄鉱石による炉中間部へ堆積されたコークスを炉中心部への押し込みを行うことができるので、前記同様の目的を達成することができる。
【0024】
通常の高炉におけるコークスと鉄鉱石の装入については、全装入量中での鉄鉱石(O)とコークス(C)の比(O/C)を高炉操業状況に応じて予め決めておき、その比に合わせてコークスと鉄鉱石が交互に層状に堆積するように、順次コークスと鉄鉱石の装入を行っている。
【0025】
この堆積層を作り込むための上記装入物の装入操作方法としては、高炉での装入設備上での特性、高炉操業状況の変動などにより種々の形態が採用される。通常の装入ではコークス(C)と鉄鉱石(O)の装入を以て1チャージと称しているが、その装入の仕方は、例えば、(C↓O↓),(C↓C↓O↓O↓),(C↓C↓C↓O↓O↓)など多くの装入形態が存在する。
【0026】
このような装入形態において、本発明で称している高炉の炉口半径方向の炉中間部に装入堆積する最終装入コークスとは図1にも示したように、本発明の目的から明らかなように鉄鉱石(O)が装入される直前のコークス(C)を指すことは、言うまでもないことである。
【0027】
従って、1チャージ内で2回以上のコークスが装入される場合は、最後に装入されるコークスがこれに該当するが、コークスの装入が1回のみで済まされるような場合には、予め炉中間部に装入するコークスを確保できる装入パターンを設定しておく必要がある。
なお、前述のように(O/C)比は高炉全体での装入量から決められるので、(O/C)分布を配慮して最終コークス量を定めるべきである。
【0028】
本発明において炉中間部の範囲を高炉の半径方向で0.2〜0.8に限定したが、これは0.2未満では炉中心部のガス上昇流の影響を受けコークスが飛散する惧れが大きいためである。また、0.8を超えた場合は鉄鉱石による炉中心方向へのコークスの押し込み力が不足するからである。さらにまた、0.2〜0.6に限定したのは、下限の0.2については上記と同様の理由によるものであるが、上限が0.6を超えるとコークスの堆積層(堰)が相対的に低くなり、次いで装入される鉄鉱石がコークスの堰を乗り越えて炉中心部へ流れ込み、本発明の効果を減殺する惧れがあるためである。これらのことを考慮すれば最も好ましいのは0.3超〜0.5程度の範囲となる。
【0029】
また、炉中間部へ装入堆積せしめる最終コークスは、高炉炉周全域に亙って均一に装入するのが好ましい。しかし、旋回シュートによる装入においては、ホッパーから流出する際に装入物の粒度のバラツキ、貯留量の変動等により、ときによっては装入量に偏りが発生することがある。この様な事態が起こると装入量の大小にもよるが、コークスを装入すべき炉周の長さが長いときには、炉周方向において全長を満たさないことも起こり得る。この様な状態が発生しても、装入堆積された最終コークスは、堆積部分においてはその効果を発現するので、不充分とは云えそれなりの目的は達し得る。
【0030】
さらに、炉中間部へ装入した最終コークス装入後の鉄鉱石の装入に当たっては、最終コークスの堆積層(堰)の外側と高炉炉壁間であればどこから装入を始めてもよいが、旋回シュートの連続可動を考慮した場合は、最終コークスの堆積層(堰)の外側近傍から開始し、初期の鉄鉱石で堆積コークスを炉中心部へ押し込み、順次炉壁側へ装入を続行する装入形態を採ることが考えられる。
また、前記とは逆に高炉炉壁側から鉄鉱石の装入を開始し、順次炉中心方向へ装入を進めコークスの堆積層近傍で装入を終了するような装入形態を採用してもよい。
【0031】
さらにまた、炉中間部へ装入堆積せしめる最終コークスは、鉄鉱石との兼ね合いからその粒度を通常のコークスより大径のものを選択し、最適な粒度を保持し炉中心部でコークスが相当量残留するよう調整する必要がある。
また、上記コークスはその反応性からみて高反応性コークスを必要とせず、低反応性コークスであっても充分である。
【0032】
本発明において炉中間部へ装入堆積せしめる最終コークスは、高炉装入毎全てのチャージに対して行う場合もあるが、数チャージに対して1回の割合で実施するのみでよい場合も多く、あくまでも高炉操業状況に合わせて調整するのが好ましい。
【0033】
すなわち、高炉の操業状況は種々の要因によって変動するため、時によっては炉中心部のガスの流れが過大となる状態を生じる場合がある。このような場合にはこの流れを抑制し、炉中心部以外の箇所にも適当量のガスが流れるように調整してやらねばならない。従って、炉内でのガス流れが適切に行われているか否かで判断し、その回数を定める必要がある。
【0034】
ここで、炉内でのガス流れ状況を表す指標としてガス利用率がある。これは普通ηCOが用いられ、ηCO=(CO2 /(CO+CO2 ))で示される。従来のベルレス高炉におけるηCOの高炉半径方向での分布状況の例を示すと図7のようになる(高炉中心部を0とし、高炉炉壁を1として示している)。同図は通常のベルレス高炉での平均的な値を示したもので、ηCOの分布は点線で示されるように炉中心部で30%前後、高炉半径方向0.5〜0.7(以下中間部と称す)で50%前後、高炉炉壁部で45%前後の値となっている。
【0035】
このような状況下で本発明による高炉中心部への装入物の装入方法を実施したときの炉内ガス流分布(ηCO)は、実線で示されるように炉中心部で5%前後、中間部で52%前後、高炉炉壁部で45%前後の値となっており、炉中心部のηCO値が改善され、炉内ガス流の分布としてはほぼ理想に近い状態を保持することができることは明らかである。
【0036】
しかし、これは飽くまで前記した高炉操業条件の変動がなく、コークスの装入も理想的に行われたときのことであって、実操業においては何等かの要因によって図7の実線で示されるようなガス流分布を絶えず維持できるとは限らず、ガス流分布状態に異常な事態を生ずることが時には起こる。このような場合に本発明においては、ηCOの炉内分布を尺度としてガス流分布に異常が発生したとの判断を行い、高炉炉口半径方向において炉中間部へ装入堆積せしめる最終コークスのコークスの装入割合(1/n)を調整制御するものである。
【0037】
すなわち、前記した炉中間部へ装入堆積せしめる最終コークスのコークスの装入割合(1/n)を増減することによって、ηCO分布の異常を解消せしめんとするにある。なお、ここでnはコークスの装入回数(チャージ数)を表す。
具体的には炉中心部のガスの流れが過大となった場合はnを大きくし、逆に炉中心部のガスの流れが過小となった場合はnを小さくする処置を採る。この外にも炉中心部以外の箇所でηCO分布値に異常が発生した場合、例えば炉中間部でηCOが60%以上の値まで上昇するようなガス流分布となったときには、それに応じn数を増すような対処を実施し、高炉半径方向でηCO分布値が適切な値を回復維持するような調整を行う。
【0038】
このn数を調整するには、高炉によってはηCO分布値に特有の変動を有する場合があり、一率にきめることは困難を伴うものであり、高炉の特性に応じ、さらには高炉操業条件の変動を考慮し、実施すべき高炉において多くの試行錯誤を繰り返したうえ、経験上から適切な値を求めて置くことが望ましい。
【0039】
一般的には、ガス利用率(ηCO)の値が炉中心部において20%を超えた場合は、高炉中間部に装入するコークスの装入割合(1/n)を増加する処置をとり、また、ガス利用率(ηCO)の値が炉中心部において20%以下を満足し、かつ、中間部でのηCOの値が60%以上になるような事態が生じた場合には、高炉中間部に装入するコークスの装入割合(1/n)を減らし、図7に実線で示されるようなηCO分布に近付ける必要がある。
【0040】
上述のコークスの装入割合(1/n)変更の操作を行うに当たっては、ガス利用率(ηCO)の値が上記値を逸脱した状態が、少なくとも8時間経過しても同様な状態を継続していることが確認された時点で実施するもので、炉内ガス利用率を測定するためのサンプリング誤差、分析誤差等、またはその他の要因の一時的な変動を考慮し、ηCO値が上記範囲外になったとしても、直ちにアクションを採ることは好ましくない。逆に前記時間を経過した後でもなんらのアクションも採らないことは、高炉操業に悪影響を及ぼすことに繋がるので、これもまた好ましいものではない。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実際の高炉に適用した実施例について説明する。
操業を行った高炉は内容積3280m3 を有する微粉炭吹き込み実施中の高炉である。表1に高炉で本発明による装入物の装入パターンと全装入物でのO/Cを示した。
また、本発明の実施による結果はシャフト上部ゾンデ中心部のガス利用率を尺度としてその効果を示した。これらはいずれも7日間同一装入方法を継続したものであり、表1中の数値はその間での平均値を表している。
【0042】
【表1】
Figure 0003787236
【0043】
実施番号1〜7は装入パターン▲1▼、▲2▼について実施したものであり、実施番号8〜11についてはコークスの粒度および低反応性コークスの使用等について実施した。なお、実施番号12については比較のために従来例を挙げた。
表1から明らかなように、本発明によれば良好な融着帯が従来例に比して安定して得られた結果、高炉操業が安定し、かつ高出銑比を確保することができた。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明装入方法を実施することにより、コークスを炉半径方向でその分布を適正かつ確実に形成させることができ、適切な高炉内融着帯形状を安定して得ることが可能となり、適正な高炉中心ガス流を確保すると共に、炉円周方向にも安定した周辺ガス流を形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高炉への装入物の装入初期の状態を示した図。
【図2】本発明の装入方法によって得られた装入物の装入層の状態を示した図。
【図3】高炉内での逆V型融着帯の例を示した図。
【図4】通常の高炉装入における鉄鉱石層とコークス層の形状を示した図。
【図5】炉中心部の上昇ガス流が大きい場合の炉中心部の装入コークスの状態を模式的に示した図。
【図6】炉頂ホッパーでの装入物の貯留状態を示した図。
【図7】ベルレス高炉における高炉半径方向でのガス利用率(ηCO)の分布状態を示した図。

Claims (10)

  1. ベルレス高炉におけるコークスと鉄鉱石が交互に層状に堆積するように、順次コークスと鉄鉱石を装入する装入物の高炉内装入に際し、旋回シュートを介し装入する前記鉄鉱石の直前に装入される最終コークスは高炉の炉口半径方向の炉中心から炉口半径に対して0.2〜0.8の範囲の炉中間部のみに堰状に装入堆積せしめ、次いで、該旋回シュートにより鉄鉱石を前記最終コークスの堆積部の外側と高炉炉壁間に装入することを特徴とする高炉中心部への装入物装入方法。
  2. ベルレス高炉におけるコークスと鉄鉱石が交互に層状に堆積するように、順次コークスと鉄鉱石を装入する装入物の高炉内装入に際し、高炉直上の炉頂ホッパー内へ下部にコークスを投入後、次いでその上部に鉄鉱石を投入し、該炉頂ホッパー内でコークスと鉄鉱石を層状に貯留後、遮断弁を開放し旋回シュートを介して下部貯留コークスの大半を前記鉄鉱石の直前に装入される最終コークスとして高炉の炉口半径方向の炉中心から炉口半径に対して0.2〜0.8の範囲の炉中間部のみに堰状に装入堆積せしめた後、該旋回シュートを前記最終コークスの堆積部の外側へ移行し上部貯留鉄鉱石の装入を開始することを特徴とする高炉中心部への装入物装入方法。
  3. 前記請求項1または請求項2において、最終コークスを装入する炉中間部は、高炉炉口半径方向で、炉中心から炉口半径に対して0.2〜0.6の範囲としたことを特徴とする高炉中心部への装入物装入方法。
  4. 前記最終コークス装入後の鉄鉱石の装入は、コークス堆積部外側部から高炉炉壁側へ向け順次装入することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の高炉中心部への装入物装入方法。
  5. 前記炉中間部へ装入する最終コークスは、その粒径を大にして高炉内へ装入することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の高炉中心部への装入物装入方法。
  6. 前記炉中間部に装入する最終コークスは、その反応性を低反応性に変更して高炉内へ装入することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の高炉中心部への装入物装入方法。
  7. 前記炉中間部へ装入する最終コークスは、高炉炉頂部の炉内半径方向のガス利用率の値によって、コークス装入割合(1/n)を調整制御することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の高炉中心部への装入物装入方法。
    なお、上記コークス装入割合(1/n)は、例えば、(C↓O↓)、(C↓C↓O↓O↓)、(C↓C↓C↓O↓O↓)などの装入形態が存在するコークス(C)と鉄鉱石(O)の装入を以て1チャージとする場合に、装入チャージ回数(n)に対するコークス装入回数を意味する。
  8. 前記請求項において、ガス利用率(ηCO)の値が炉中心部において20%を超えた場合には、高炉中間部へ装入するコークス装入割合(1/n)を増加することを特徴とする高炉中心部への装入物装入方法。
  9. 前記請求項において、ガス利用率(ηCO)の値が炉中心部において20%以下を満足し、かつ、炉中間部でのηCOの値が60%以上になった場合には、高炉中間部へ装入するコークス装入割合(1/n)を減ずることを特徴とする高炉中心部への装入物装入方法。
  10. 前記ガス利用率(ηCO)の値が請求項または請求項に定めた値を逸脱した状態が、少なくとも8時間経過した場合には、高炉中間部へ装入するコークス装入割合(1/n)の増減を行うことを特徴とする高炉中心部への装入物装入方法。
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