JP3786588B2 - 深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置及び液体二酸化炭素送り込み方法 - Google Patents

深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置及び液体二酸化炭素送り込み方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回収した二酸化炭素を液化して深層海水中へ放出する際に用いられる深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置及び液体二酸化炭素送り込み方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、地球温暖化が大きな社会問題となっている。これに伴い、地球規模での気候変動を引き起こす可能性があると指摘される温室効果をもった二酸化炭素(CO2 )の大気中における濃度の上昇を抑えることが特に重要になってきている。このような背景から、二酸化炭素濃度の上昇を抑制する対策のひとつとして、火力発電所等で排出される燃焼排ガス中の二酸化炭素を回収し、これを液化して液体二酸化炭素とした後、たとえば水深1000m程度あるいはそれ以上の深層海水中へ送り込むことによって、長期にわたって二酸化炭素を大気から隔離するという構想が提案されている。
しかしながら、このような構想を成立させるためには、液体二酸化炭素を送り込む深層海水中において新たな環境影響が引き起こされないようにすることが必要となってくる。
【0003】
液体二酸化炭素を深層海水中へ送り込むことによる海洋環境への影響を小さくするシステムとしては、以下に述べる二種類が提案されている。
第一のシステムは、「貯蓄型」と称されるものであり、液体二酸化炭素を深海底のくぼみのような場所に集中して溜めることにより、影響範囲を特定の場所に限定して局所化しようとする方法である。
第二のシステムは、「溶解拡散型」と称されるものであり、液体二酸化炭素を海水中に溶かし込んで薄く希釈し、広く拡散させて海水中の二酸化炭素濃度の上昇を抑制しようとする方法である。この方法は、本来海水中に溶解している二酸化炭素の濃度が、液体二酸化炭素を希釈拡散させてもある程度上昇するにとどまるという考え方に基づくものである。
【0004】
液体二酸化炭素を高い水圧(水深1000mで100気圧程度)が作用している深層海水中へ送り込むためには、液体二酸化炭素をポンプで圧送し、同ポンプの吐出圧力と液体二酸化炭素自体の重さによるヘッド圧力との加算値が水圧より高くなければならない。
また、上述した二酸化炭素を深層海水中へ送り込んで放出する際には、放出した液体二酸化炭素がすぐに海面まで上昇して大気中に戻るのを防止し、長期間安定して深層海中に溜めておくのに適した流速や粒径がある。
そして、このような液体二酸化炭素の流速や粒径を提供するのに適した液体二酸化炭素の多孔ノズルは、たとえば特願2000−000626号において本願出願人からすでに提案されている。このように液体二酸化炭素を深層海水中へ放射するノズルの性能を所望通り維持するためには、同ノズルに供給する液体二酸化炭素の流量を一定に保つように制御する必要がある。
【0005】
このため、液体二酸化炭素送り込み装置を構成するためには、液体二酸化炭素を収容しておく貯留タンクと、同貯留タンク内の液体二酸化炭素を圧送するポンプと、圧送された液体二酸化炭素を貯留タンクから深層海水中へ導く管路等の流路系統と、液体二酸化炭素を深層海水中へ放出するノズルとが必要になることが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、液体二酸化炭素を多孔ノズルから深層海水中に良好な状態で放出するためには、ノズルに供給される液体二酸化炭素の流量を一定に保つことが極めて重要である。しかしながら、深層海水中へ液体二酸化炭素を送り込む装置については実用化されたものがなく、特に、送り込み時に液体二酸化炭素の流量を一定に保つよう流量制御までを考えた装置の提案はない。
【0007】
さらに、上述した液体二酸化炭素は、図7に示した二酸化炭素の相状態線図からも分かるように、(1)温度上昇によって気化して気体(二酸化炭素ガス)となる、(2)急激な圧力低下によって気化する際に気化熱を奪われることで固体(ドライアイス)になる、(3)海水等と接触することでクラスレートを生成する、というような状態変化をする特性が知られている。
このため、その取扱い(温度管理や圧力管理など)については、困難になることが予想される。特に、上述した流量制御の実施を考慮すると、圧縮性流体の二酸化炭素ガス(気体)よりも非圧縮性流体である液化二酸化炭素(液体)として取り扱う方が容易に制御できるため好ましく、従って、温度の高い海面付近で液相を維持するためには液化二酸化炭素を高圧に加圧しておく必要がある。ちなみに、海面付近の水温を10℃〜20℃程度と仮定すれば、液化二酸化炭素を40〜60気圧程度の高圧まで加圧して液相に保つ必要がある。
【0008】
従って、たとえば液体二酸化炭素の送り込みを開始する時には、上述した高圧の液体二酸化酸素が大気圧程度の低圧管路中に送り込まれることで固体化し、管路を塞いでしまうことが懸念される。
また、液体二酸化炭素の送り込みを停止する時には、ポンプ停止後も液体二酸化炭素の自重が加算されるため、ノズルの吐出圧力は外圧(深層海水の水圧)よりも高い状態がある程度維持される。このため、ポンプ停止後であっても液化二酸化炭素はノズルより深層海水中へ放出されるので、管路内の液化二酸化炭素量が減少し、海面に近い管路内では圧力低下や温度上昇によりガス化してしまうという懸念がある。
さらに、液体二酸化炭素の送り込みを停止して外圧(深層海水の圧力)がノズルの吐出圧力より高くなった場合には、深層海水がノズルから逆流して管路内に入り込むことになる。こうして海水と液体二酸化炭素とが接触すると、管路内にクラスレートが生成され、このクラスレートにより管路が塞がれるという懸念がある。
【0009】
上述したように、いったん液体二酸化炭素が固体化したり、あるいはクラスレートを生成して管路内が塞がれてしまうと、これらを解かして正常な運転を再開することは極めて困難になる。また、送り込み開始時に液化二酸化炭素がガス化してしまうと、一定流量を保つように流量制御を行う上で大きな障害となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、液体二酸化炭素の送り込みを開始してから停止するまでの運転において、液体二酸化炭素のガス化、固体化及びクラスレート生成といった正常運転の妨げとなるような状態変化を起こすことなく、液体二酸化炭素を安定した流量でノズルへ送り込むことができるようにした、深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置及び液体二酸化炭素送り込み方法の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置は、液体二酸化炭素を収容した貯留タンクと、該貯留タンク内の液体二酸化炭素を圧送するポンプと、前記液体二酸化炭素を前記貯留タンクから深層海水中へ導く流路系統と、該流路系統の出口側に設けられ深層海水中へ液体二酸化炭素を放出するノズルとを具備してなる深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置において、
前記ポンプの後流側となる流路系統に、前記液体二酸化炭素の流量制御手段を設け、前記流量制御手段が、前記ノズルへ圧送する液体二酸化炭素の圧力を設定圧力に保つ減圧弁と、前記ポンプと前記減圧弁との間の流路系統から分岐させた戻し流路に設けられ、液体二酸化炭素の圧力が設定圧力以上になると開いて前記貯留タンクへ戻す液体二酸化炭素の圧力を一定に保つ背圧弁と、を具備してなることを特徴とするものである。
【0011】
このような深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置によれば、ポンプ後流側の流路系統に液体二酸化炭素の流量制御手段を設けたので、ノズルへ供給する液体二酸化炭素の流量(供給圧力)を一定に保ち、長期間安定して深層海水中に溜めておくのに適した流速や粒径で放出することが可能になる。
【0014】
請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置は、液体二酸化炭素を収容した貯留タンクと、該貯留タンク内の液体二酸化炭素を圧送するポンプと、前記液体二酸化炭素を前記貯留タンクから深層海水中へ導く流路系統と、該流路系統の出口側に設けられ深層海水中へ液体二酸化炭素を放出するノズルとを具備してなる深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置において、
前記ノズルの上流側近傍となる流路系統に、同流路系統内が設定圧力まで下がると閉じて一定圧力に保つ保圧手段を設けたことを特徴とするものである。
【0015】
このような深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置によれば、ノズルの上流側近傍となる流路系統に内圧が設定圧力まで下がると閉じて一定圧力に保つ保圧手段を設けたので、ポンプの運転を停止して液体二酸化炭素の送り込みを停止した時、流路系統内の圧力が一定圧力に保たれるので、内部の液体二酸化炭素が内圧の低下によりガス化することを防止できる。
【0016】
請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置は、液体二酸化炭素を収容した貯留タンクと、該貯留タンク内の液体二酸化炭素を圧送するポンプと、前記液体二酸化炭素を前記貯留タンクから深層海水中へ導く流路系統と、該流路系統の出口側に設けられ深層海水中へ液体二酸化炭素を放出するノズルとを具備してなる深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置において、
前記ポンプの後流側となる流路系統に、流路系統内を充填ガスで所定の圧力まで加圧するガス充填手段を設けると共に、前記充填ガスと前記液体二酸化炭素とを置換する際に使用する気液分離送出手段を設けたことを特徴とするものである。
【0017】
このような深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置によれば、ポンプ後流側の流路系統に、内部を充填ガスで所定の圧力まで加圧するガス充填手段と、前記充填ガスと前記液体二酸化炭素とを置換する際に使用する気液分離送出手段とを設けたので、液体二酸化炭素の送り込みを開始する前に、充填ガスで所定圧力まで加圧された状態の流路系統内に、気液分離送出手段を用いて充填ガスと置換しながら液体二酸化炭素を送り込むことができる。このため、高圧の液体二酸化炭素が低圧の流路系統内に送り込まれることがなくなり、液体二酸化炭素が固体化することを防止できる。
【0018】
請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置は、液体二酸化炭素を収容した貯留タンクと、該貯留タンク内の液体二酸化炭素を圧送するポンプと、前記液体二酸化炭素を前記貯留タンクから深層海水中へ導く流路系統と、該流路系統の出口側に設けられ深層海水中へ液体二酸化炭素を放出するノズルとを具備してなる深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置において、
前記流路系統のポンプ後流側に設けた液体二酸化炭素の流量制御手段と、前記流路系統のノズル上流側近傍に設けた海水の逆流防止手段と、前記流路系統のノズル上流側近傍に設けられ流路系統内が設定圧力まで下がると閉じて一定圧力に保つ保圧手段と、前記流路系統のポンプ後流側に設けられ流路系統内を充填ガスで所定の圧力まで加圧するガス充填手段と、前記充填ガスと前記液体二酸化炭素とを置換する際に使用する気液分離送出手段と、を具備して構成したことを特徴とするものである。
【0019】
このような深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置によれば、流路系統のポンプ後流側に設けた液体二酸化炭素の流量制御手段と、流路系統のノズル上流側近傍に設けた海水の逆流防止手段と、流路系統のノズル上流側近傍に設けられ流路系統内が設定圧力まで下がると閉じて一定圧力に保つ保圧手段と、流路系統のポンプ後流側に設けられ流路系統内を充填ガスで所定の圧力まで加圧するガス充填手段と、充填ガスと液体二酸化炭素とを置換する際に使用する気液分離送出手段とを備えているので、液体二酸化炭素の送り込み開始時から送り込み停止時まで、液体二酸化炭素のガス化や固体化、そしてクラスレート生成といった状態変化を生じることなく、かつ、ノズルへ供給する液体二酸化炭素の流量を一定に保ち、長期間安定して深層海水中に溜めておくのに適した流速や粒径で放出することが可能になる。
【0020】
請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置においては、前記流量制御手段が、前記ノズルへ圧送する液体二酸化炭素の圧力を設定圧力に保つ減圧弁と、前記ポンプと前記減圧弁との間の流路系統から分岐させた戻し流路に設けられ、液体二酸化炭素の圧力が設定圧力以上になると開いて前記貯留タンクへ戻す液体二酸化炭素の圧力を一定に保つ背圧弁と、を具備してなるものが好ましく、これにより、ポンプで圧送される液体二酸化炭素の流量は、減圧弁及び背圧弁の作用によって、〔ノズルへの送り込み流量=ポンプ送り込み流量−背圧弁から貯留タンクに戻る流量〕という関係になるので、一定の流量バランスが保たれる。
この場合の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置は、前記流量制御手段がアキュムレータを備えていることが好ましく、これにより、ポンプの脈動を吸収することができる。
【0021】
請求項からのいずれかに記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置においては、前記気液分離送出手段が、気液分離プラグと、気液分離プラグ発射部と、気液分離プラグ回収部とを具備してなることが好ましく、これにより、充填ガスと液体二酸化炭素との間を気液分離プラグで分離し、液体二酸化炭素の圧力で気液分離プラグを押しながら充填ガスを押し出して、確実にかつ効率よく置換することができる。
この場合の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置は、前記気液分離プラグ回収部が、気液分離プラグ径より大きな断面形状を有し複数の気液分離プラグを収納可能な空間部と、該空間部の出口に設けられた気液分離プラグ径より小さな開口面積の気液分離プラグストッパ部とを具備してなることが好ましく、これにより、保圧手段やノズルのような小径部が存在しても気液分離プラグの使用が可能になる。
【0022】
請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み方法は、貯留タンク内に収納された液体二酸化炭素をポンプで流路系統へ圧送し、前記液体二酸化炭素を深層海水中の流路系統出口側に設けられたノズルへ導いて該ノズルから深層海水中へ放出するようにした深層海水中への液体二酸化炭素送り込み方法において、
前記流路系統内を充填ガスで所定の圧力まで加圧する充填ガス加圧工程と、
前記流路系統内に気液分離送出手段を挿入し、前記充填ガスと液体二酸化炭素との間を分離した状態で前記ポンプを運転して液体二酸化炭素を圧送することで前記充填ガスをノズルから流出させる充填ガス−液体二酸化炭素置換工程と、
前記貯留タンク内の液体二酸化炭素をポンプで圧送して前記ノズルから深層海水中へ放出する液体二酸化炭素放出工程と、を設けたことを特徴とするものである。
【0023】
このような深層海水中への液体二酸化炭素送り込み方法によれば、充填ガス加圧工程と、充填ガス−液体二酸化炭素置換工程と、液体二酸化炭素放出工程とを設けたので、流路系統内を充填ガスで加圧した後、気液分離手段を挿入して液体二酸化炭素を圧送すると、液体二酸化炭素が気液分離手段を押して流路系統内を進み、充填ガスを押し出す。こうして流路系統内の充填ガスを液体二酸化炭素に置換してから液体二酸化炭素放出工程に入ると、送り込み開始時における流路系統内での急激な圧力変化を防止できるので、液体二酸化炭素が固体化して流路系統内を塞ぐようなことはない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る深層海水中の液体二酸化炭素送り込み装置及び液体二酸化炭素送り込み方法の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示す液体二酸化炭素送り込み装置の系統図において、符号の10は海上ユニット、50は流路系統の一部となる管路、60は深海ユニット、SLは海面である。
【0025】
海上ユニット10は、たとえば船舶や海上構造物上などに設置されて液体二酸化炭素を深層海水中へ送り出す側のユニットである。この海上ユニット10において、図中の符号11は貯留タンク(液体CO2 タンク)、12はポンプ、13はアキュムレータ、14は減圧弁、15は安全弁、16は気液分離プラグ発射部、17a,17bは仕切弁、17cはベント開閉弁、18は充填ガスシリンダ、19は気液分離プラグ送出用窒素(N2 )ガスシリンダ、20は背圧弁であり、これらの各機器間は流路系統の一部となる配管等の管路30により接続されている。
【0026】
深海ユニット60は、たとえば1000m程度の深海に設置されて深層海水中へ液体二酸化炭素を放出する側のユニットである。この深海ユニット60は管路50等の流路系統により海上ユニット10と接続され、海上ユニット10側から順に、気液分離プラグ回収部61、保圧弁62、逆止弁63及びノズル64が設置されている。
【0027】
貯留タンク11は、深層海水中へ送り込む液体二酸化炭素を収容しておく圧力容器であり、通常の外気温において液体二酸化炭素の液層を維持するため、内部は気液2相状態で所定の圧力・温度に維持されている。貯留タンク11の底部には、タンク内の液体二酸化炭素をポンプ12の吸入側に導くよう管路31が接続されている。
ここで使用する液体二酸化炭素圧送用のポンプは、液体二酸化炭素を高圧(たとえば40〜60気圧)に加圧して送出するものであり、具体的には、プランジャポンプ等が好適である。ポンプ12の吐出側に接続された管路32は、分岐点Aにおいて、深海ユニット60に接続される放出管路33と、貯留タンク11に戻るリターン管路34とに分岐される。
【0028】
一方の放出管路33には、ポンプ側から順に、アキュムレータ13、減圧弁14、安全弁15、気液分離プラグ発射部16、仕切弁17a,17b及びベント開閉弁17cが設けられている。
アキュムレータ13は、たとえば、圧力容器の内部に二酸化炭素ガスなど不活性ガスを袋状隔膜に入れて封入しておき、液体二酸化炭素の圧力変動を気体層に吸収させる目的で設置したものである。
減圧弁14は、ポンプ12で加圧された液体二酸化炭素が所定圧力以上の高圧で深海ユニット60側へ送り込まれるのを防止する機能を有するものである。すなわち、減圧弁14は、液体二酸化炭素が設定圧力以上の高圧で通過しようとすれば、これを検出して弁開度を自動的に閉方向に変化させて減圧するので、設定圧力以上の流体を通さないように構成された自動弁である。なお、この減圧弁14は、後述する背圧弁20と共に、供給圧力を一定に保つことで、ポンプ12から圧送されてくる液体二酸化炭素が深海ユニット60のノズル64に送り込まれる流量を一定に保つ流量制御手段を構成している。
【0029】
安全弁15は、液体二酸化炭素の圧力が設定圧力以上となった時に開いて装置の破損を防止する目的で設けられたものであり、この場合の設定圧力は装置全体の設計圧力に応じて適宜決められる値である。
気液分離プラグ発射部16は、図示省略の気液分離プラグや仕切弁17a,17b、ベント開閉弁17c、気液分離プラグ送出用窒素ガスシリンダ19及び後述する気液分離プラグ回収部61などと共に気液分離送出手段を構成するものであり、流路系統内に気液分離プラグを挿入して液体二酸化炭素の圧力で押し出すための発射管を備えている。ここで使用する気液分離プラグは、従来より配管中の清掃などに使用されているものであり、また、仕切弁17a,17bにはボールバルブを使用する。
なお、気液分離プラグ送出用窒素ガスシリンダ19は、液体二酸化炭素を送り込む前に、配管内の清掃や水分の除去を行う場合に使用されるものである。この場合にも、気液分離プラグを使用することで、効率よく配管内の異物(ごみや水分等)を除去することができる。
【0030】
ガス充填手段として設けた充填ガスシリンダ18は、液体二酸化炭素を流路系統内に送り込む前段階で、流路系内を所定圧力まで加圧する目的で使用する充填ガスが貯蔵されたものである。ここで使用可能な充填ガスとしては、乾燥空気、窒素ガス及び二酸化炭素ガスなどが好適であり、以下の説明では、窒素ガスを使用するものとして説明する。
【0031】
背圧弁20は、管路32側における液体二酸化炭素の圧力が設定値以上になると開き、ポンプ12側の送り込み圧力を一定に保つ機能を有する自動弁である。すなわち、上述した減圧弁14の開度が小さくなって管路32の圧力が上昇した場合、背圧弁20を開くことでポンプ12から圧送されてくる液体二酸化炭素の一部が管路34を通って貯留タンク11に戻るようにしてある。なお、管路34を与圧のかかっている貯留タンク11と接続することで、背圧弁20出口側の液体二酸化炭素はドライアイス化しない。また、液体二酸化炭素を貯留タンク11に戻し、再び送り出しに使用できる。
【0032】
続いて、深海ユニット60に設けられた気液分離プラグ回収部61は、気液分離プラグ発射部16から挿入されて管路50を通過してきた気液分離プラグを回収するために設けたものである。ここで気液分離プラグを回収する目的は、気液分離プラグ回収部61よりノズル64側の管路50には気液分離プラグが通過できない小径部分を備えた保圧弁62が設けられているためであり、従って、気液分離プラグ回収部61は、保圧弁62を保護するためにも上流側の近傍に設置する必要がある。
【0033】
ここで、気液分離プラグ回収部61の構成例を図5に示して説明する。図5において、符号の611は空間部、612は入口、613は出口、614は気液分離プラグストッパ部、615は接合部である。
気液分離プラグ回収部61は、気液分離プラグ径より大きな断面形状を有し、かつ、複数の気液分離プラグを収容可能な容積とした空間部611を管路50に設け、同空間部611の出口613に気液分離プラグストッパ部614を設置した構成となっている。気液分離プラグストッパ部614は、液体二酸化炭素は通過できるものの気液分離プラグを通さないという機能を有するものであり、たとえば各開口が気液分離プラグ径より小さな格子状部材を使用できる。また、空間部611については、回収した気液分離プラグを取り出すため分割構造とするのが好ましく、たとえばフランジや高圧用継手による接合部615を設けておくとよい。
【0034】
保圧手段として管路50に設けた保圧弁62は、通常リリーフバルブと呼ばれている自動弁のことである。この保圧弁62は、管路50の内圧、すなわち液体二酸化炭素の圧力が設定圧力以下となった時に閉じて、上流側の圧力が設定圧力より低下するのを防止する機能を有している。また、この保圧弁62は、ノズル64から外部へ放出される液体二酸化炭素の流れがある時には、圧力損失となって減圧する減圧弁としても機能する。なお、ノズル64より外部へ放出される液体二酸化炭素の圧力は、外部と略同圧まで減圧する必要がある。
逆流防止手段として管路50の保圧弁62より下流側に設けた逆止弁63は、管路50の流れ方向を規制する機能を有するものである。この場合の逆止弁63は、管路50内の圧力よりも深層海水側の圧力が高くなった時、海水が逆流して管路50内に入り込み、液体二酸化炭素と接触するのを防止する目的で設けられている。
【0035】
ノズル64は、深層海水中に放出する液体二酸化炭素の液滴のサイズ(粒径)や放出速度を制御するものである。これは、液体二酸化炭素を長期間安定して深層海水中に溜めておくのに適した流速や粒径があるためであり、放出する液体二酸化炭素の粒径はノズル径により、そして、放出速度はノズル面積及びノズル個数により制御する。ノズル64の放出流量(吐出量)は、ノズル径が一定であれば吐出圧力によって決まり、放出速度、放出流量、ノズル面積及びノズル個数の関係は下記のようになる。
放出速度=放出流量/(ノズル面積×ノズル個数)
なお、流路系統を構成する管路30,50は、配管、パイプラインである。
【0036】
この他にも、流路系統を構成する管路30,50には、運転モードの切り換えやメンテナンスを行う際に使用する開閉弁やドレン弁、そして圧力計などが必要に応じて適宜設けられている。
【0037】
以下では、上述した構成の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置の作用について、図4に示す運転手順(方法)とともに説明する。
さて、液体二酸化炭素送り込み装置を運転する前には、管路30,50内の水分や異物の除去を十分に行っておく。この作業は、深海ユニット60を海中に設置する前に、陸上や海上で実施しておくのが好ましい。この時、気液分離プラグを使用すると作業が効率化できる。
海上ユニット10及び深海ユニット60を所定の位置に設置した後、最初に充填ガス加圧工程S10を実施する。この充填ガス加圧工程S10では、流路系統内を充填ガスで所定の圧力まで加圧する。この工程における各弁類の開閉状態は図2に示されており、図中で黒塗りされた手動の弁類が閉じられている。
【0038】
ここでは、充填ガスとして充填ガスシリンダ18内に貯蔵されている窒素ガスを使用する。各種の準備が完了したら、充填ガスシリンダ18の元弁35を開とし、流路系統内に窒素ガスを供給する。この時、貯留タンク11やポンプ12へ接続された管路32,34については、途中に設けた開閉弁36,37が閉じられているため、窒素ガスが流入してその圧力を受けるようなことはない。
充填ガスシリンダ18から供給される窒素ガスは、管路33を通って深海ユニット60側へ供給される。深海ユニット60側では、この時点で海水の水圧が高いため逆止弁63は閉じられ、保圧弁62も管路50内が設定圧力以下の状態にあるため閉じている。こうして窒素ガスの供給を続けることにより、流路系統内は所定の圧力まで加圧される。なお、加圧圧力の確認は、適所に設けた圧力計などにより確認することができる。
【0039】
充填ガス加圧工程S10が完了すると、続いて充填ガス−液体二酸化炭素置換工程S20を開始する。なお、充填ガス−液体二酸化炭素置換工程S20開始時(すなわちステップS21)における各弁類の開閉状態は図3に示されており、図中で黒塗りされた手動の弁類が閉じられている。
この工程では、最初のステップS21において、仕切弁17a,17bを閉とし、かつ、ベント開閉弁17cを開とする。これは、上述した充填ガス加圧工程で充填された窒素ガスにより配管内が高圧になっているため、仕切弁17a,17b間の圧力をベント開閉弁17cから抜いてから、気液分離プラグのセットを実施するためである。
【0040】
続くステップS22では、図示省略の挿入口より気液分離プラグ発射部16内に気液分離プラグをセットする。これにより、流路系統内の管路33に気液分離プラグが挿入され、仕切弁17a,17bは閉状態が維持され、ベント開閉弁17cは閉じられる。
【0041】
この後、ステップS23で仕切弁17bを開くと、気液分離プラグは管路50側から窒素ガスの押圧を受けて仕切弁17a側に押しやられる。
続くステップS24において、ポンプ12の運転を開始して液体二酸化炭素を圧送すると共に、ステップS25において、液体二酸化炭素の圧力上昇に応じて仕切弁17bを開とする。この結果、各弁類は図1に示す開閉状態、すなわち後述する液体二酸化炭素放出工程と同様になり、気液分離プラグは後端面に液体二酸化炭素の圧力を受けるようになる。なお、仕切弁17bを開とする時には、ポンプ12側の圧力が管路50側よりも高い状態にあることを圧力計などで確認する必要がある。
【0042】
そして、次のステップS26では、液体二酸化炭素の圧力により気液分離プラグを深海ユニット60側へ押し出し、管路30,50内の窒素ガスを液体二酸化炭素に置換する。この時の気液分離プラグは、窒素ガスと液体二酸化炭素との間を分離した状態で管路30,50内を進み、管路30,50内の圧力を上昇させる。
こうして保圧弁62の設定圧力以上になると、閉状態の保圧弁62が開いて窒素ガスの圧力が逆止弁63に作用する。通常保圧弁62の設定圧力は深層海水の水圧よりも高い圧力になるので、保圧弁62のすぐ下流側にある逆止弁63は、窒素ガスの圧力が作用するのとほぼ同時に開く。このため、窒素ガスは気液分離プラグ及び液体二酸化炭素に押し出されるようにして、ノズル64から深層海水中へ放出される。すなわち、気液分離プラグは気体の窒素ガスと液体二酸化炭素との間に設けられた気体と液体を分離する栓として機能するので、窒素ガスが液体二酸化炭素側に漏れ出すようなことはなく、確実で効率のよい置換が可能になる。
【0043】
上述した充填ガス−液体二酸化炭素置換工程S20を設けたことにより、液体二酸化炭素の送り込み開始時においては、高圧の液体二酸化炭素は所定圧力まで加圧された流路系統内に送り込まれるので、充填ガスによる加圧を行わない場合に想定される急激な圧力低下(たとえば40〜60気圧程度の高圧から大気圧程度の低圧まで)を原因とする固体化、すなわち液体二酸化炭素がドライアイスとなって管路30,50内を塞いでしまうことを防止することができる。
充填ガスと液体二酸化炭素とを置換するために使用された気液分離プラグは、気液分離プラグ回収部61まで進んで気液分離プラグストッパ部614にこれ以上の前進を阻止され、空間部611内に回収されて保管される。
なお、気液分離プラグ回収部61内には複数個の気液分離プラグを保管することが可能であり、従って、複数回の運転開始操作を実施して回収された複数個の気液分離プラグは、深海ユニット60を海中から引き上げた時にまとめて空間部611内から取り出すことができる。
【0044】
このようにして充填ガス−液体二酸化炭素置換工程S20が完了すると、ようやく液体二酸化炭素放出工程S30に入る。この工程では、ポンプ12の運転を継続することで、貯留タンク11内の液体二酸化炭素をノズル64から深層海水中へ放出する。なお、液体二酸化炭素放出工程S30における各弁類の開閉状態は図1に示されており、図中で黒塗りされた手動の弁類が閉じられている。
この工程では、ポンプ12よりノズル64へ圧送される液体二酸化炭素の流量を一定に保ち、ノズル64の吐出圧力及び吐出流量を所望の値に維持することが最も重要である。これは、深層海水中へ放出した液体二酸化炭素を長期間にわたって海水中にとどめておくには、ノズル64から放出される液体二酸化炭素の流速や粒径を最適値に保つ必要があるためである。
【0045】
上述したポンプ12にたとえばプランジャポンプのような脈動を生じるタイプを使用した場合、ノズル64へ送り込まれる液体二酸化炭素の流れには、図6(a)に示すように周期的な圧力変動が生じる。このような圧力変動は、ノズル64から放出される液体二酸化炭素の放出流量や粒径をも変動させるという影響を及ぼすため、極力なくすことが望ましい。
そこで、ポンプ12の下流側に位置するように、管路30にアキュムレータ13を設置してある。このようなアキュムレータ13を設置することによって、図6(a)に示した圧力変動は気体層において吸収されるため、図6(b)に示すように、ポンプ12よりノズル64へ一定圧力での安定した送り込みが可能となる。
【0046】
このような液体二酸化炭素の流量制御を行うため、減圧弁14及び背圧弁20が以下に説明する流量制御手段として機能する。
一方の減圧弁14は、ポンプ12で加圧された液体二酸化炭素が所定圧力以上の高圧で深海ユニット60側へ送り込まれるのを防止する機能を有し、他方の背圧弁20は、管路32側における液体二酸化炭素の圧力が設定値以上になると開き、ポンプ12側の送り込み圧力を一定に保つ機能を有する。
【0047】
このため、減圧弁14と背圧弁20との間においては、減圧弁14を通過する液体二酸化炭素の流量(ノズルへの送り込み流量)は、ポンプ12の送り込み流量(ポンプ吐出流量)から背圧弁20を通過して貯留タンク11に戻される流量(タンク戻し流量)を差し引いた値になる、という相関関係がある。
すなわち、
ノズルへの送り込み流量=ポンプ吐出流量−タンク戻し流量
という関係式で示すことができる。
この結果、ポンプ12の吐出流量(吐出圧力)が増大すると減圧弁14が開度を狭めてノズル64へ流れる流量(圧力)を減じ、同時に、減圧弁14の上流側で生じる圧力上昇により、背圧弁20の開度が増して貯留タンク11へ戻す流量を増加させるので、流路系統においては一定の流量バランスが保たれる。
従って、ノズル64へ送り込まれる液体二酸化炭素の流量は一定になり、出口のノズル64においても、深層海水中に長期間溜めておくのに適した所望の吐出圧力及び吐出流量で放出することができる。
【0048】
続いて、ポンプ12の運転を止めて、液体二酸化炭素の送り込みを停止する場合について説明する。
ポンプ12の運転を停止すると、ノズル64の吐出圧力には水深に相当する液体二酸化炭素の自重が作用するため、外圧より圧力の高い状態が継続して液体二酸化炭素が海水中へ放出される。この結果、放出分を補給するポンプ12が停止しているため、管路50内の液体二酸化炭素量が減少して圧力低下をするが、この圧力低下を検出すると保圧弁62が閉じる。
【0049】
このため、液体二酸化炭素がノズル64から放出することは保圧弁62を閉じることによって阻止されるので、管路50の内圧がこれ以上低下するのを防止できる。従って、特に管路50の中でも圧力が低くなる海面に近い領域において、液体二酸化炭素がガス化してしまい、ポンプ12による液体二酸化炭素の再度の送り込み運転時にガス化した二酸化炭素が流量制御の妨げとなるのを防止できるようになる。
【0050】
最後に、液体二酸化炭素の送り込みが終了した後の操作、すなわち深海ユニット60を引き上げる場合の操作について説明する。
この場合、長い管路50内には液体二酸化炭素が残っており、引き上げる前に管路50内の液体二酸化炭素を全て深層海水中に放出する必要がある。この操作はに高圧の窒素ガスが用いられ、たとえば通常15〜20Mpa程度のガス圧力が得られる液体窒素ボンベをポンプ12に代えて管路32と接続し、同窒素ガスの圧力で管路50内の液体二酸化炭素をノズル64から深層海水中へ押し出すようにして放出する。
【0051】
この時、上流側の窒素ガスと液体二酸化炭素との間については、順序は逆になるものの、上述した充填ガス−液体二酸化炭素置換工程のように気液分離プラグを使用することで効率よく放出させることが可能になる。ただし、窒素ガスの自重はほとんどないため、窒素ガスで液体二酸化炭素を押し出すのに必要な圧力は放出終了直前が最大で、深層海水の水圧(ノズル64の出口に作用する水圧)に保圧弁62の設定圧力を加えた値となるが、放出の途中は液体二酸化炭素の自重が作用する分だけ低い圧力でよい。
なお、管路50内の液体二酸化炭素放出を海上ユニット10や陸上などで実施すると、周囲の環境に悪影響を及ぼすだけでなく、ドライアイスの生成による管路閉塞の恐れがあるため好ましくない。
【0052】
さて、上述した実施形態の説明では、(1)流量制御手段となる減圧弁14及び背圧弁20、(2)ポンプ12の脈動を吸収して流量制御手段の機能を向上させるアキュムレータ13、(3)逆流防止手段となる逆止弁63、(4)保圧手段となる保圧弁62、(5)液体二酸化炭素の送り込み開始時に使用するガス充填手段となる充填ガスシリンダ18及び気液分離送出手段を構成する気液分離プラグ、気液分離プラグ発射部16、気液分離プラグ回収部61を全て設けた装置を図示して説明したが、貯留タンク11と、同貯留タンク11内の液体二酸化炭素を圧送するポンプ12と、圧送された液体二酸化炭素を貯留タンクから深層海水中へ導く管路30,50と、液体二酸化炭素を深層海水中へ放出するノズル64を具備してなる液体二酸化炭素送り込み装置は、上記(1)〜(5)のいずれか一つを備えることで、それぞれに対応する顕著な作用効果が得られることはいうまでもない。
【0053】
特に、上述した(1)〜(5)の全てを備えた装置は、液体二酸化炭素の送り込み開始時から送り込み停止時まで、各運転モードにおいて液体二酸化炭素のガス化、固体化及びクラスレート生成といった無用の状態変化を生じることなく、ポンプ12で圧送される液体二酸化炭素の安定した流量制御を実施して、長期間深層海水中に溜めておくのに適した流速及び粒径でノズル64から放出させることができる。
なお、本発明の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明による深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置及び液体二酸化炭素送り込み方法によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置は、ポンプ後流側の流路系統に液体二酸化炭素の流量制御手段を設けたので、ノズルへ供給する液体二酸化炭素の流量(吐出圧力)を一定に保ち、所望の流速や粒径で深層海水中に放出することができるようになり、液体二酸化炭素を所定の液滴サイズ・放出速度に制御して放出することができるという顕著な効果を奏する。
【0055】
請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置は、ノズルの上流側近傍となる流路系統に内圧が設定圧力まで下がると閉じて一定圧力に保つ保圧手段を設けたので、ポンプの運転を停止して液体二酸化炭素の送り込みを停止しても、流路系統内の圧力を一定圧力に保つことができる。このため、流路系統内部の液体二酸化炭素が内圧の低下によりガス化するようなことはなく、ポンプの運転再開時においても安定した流量制御が可能になるという顕著な効果を奏する。
請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置は、ポンプ後流側の流路系統に、内部を充填ガスで所定の圧力まで加圧するガス充填手段と、前記充填ガスと前記液体二酸化炭素とを置換する際に使用する気液分離送出手段とを設けたので、液体二酸化炭素の送り込みを開始する前に、充填ガスで所定圧力まで加圧された状態の流路系統内に、気液分離送出手段を用いて充填ガスと置換しながら液体二酸化炭素を送り込むことができる。このため、高圧の液体二酸化炭素が低圧の流路系統内に送り込まれるようなことはなくなり、液体二酸化炭素が固体化して管路を塞ぐの防止できるという顕著な効果を奏する。
【0056】
請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置は、流路系統のポンプ後流側に設けた液体二酸化炭素の流量制御手段と、流路系統のノズル上流側近傍に設けた海水の逆流防止手段と、流路系統のノズル上流側近傍に設けられ流路系統内が設定圧力まで下がると閉じて一定圧力に保つ保圧手段と、流路系統のポンプ後流側に設けられ流路系統内を充填ガスで所定の圧力まで加圧するガス充填手段と、充填ガスと液体二酸化炭素とを置換する際に使用する気液分離送出手段とを備えているので、液体二酸化炭素の送り込み開始時から送り込み停止時まで、液体二酸化炭素のガス化や固体化、そしてクラスレート生成といった運転を阻害するような状態変化を生じることなく、かつ、ノズルへ供給する液体二酸化炭素の流量を一定に保ち、所望の流速や粒径で深層海水中へ安定した放出をすることができ、液体二酸化炭素を長期間安定して深層海水中に溜めておくことができる実用的な装置を提供できるという顕著な効果を奏する。
【0057】
請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み方法は、充填ガス加圧工程と、充填ガス−液体二酸化炭素置換工程と、液体二酸化炭素放出工程とを設けたので、流路系統内を充填ガスで加圧した後、気液分離手段を挿入して液体二酸化炭素を圧送すると、液体二酸化炭素が気液分離手段を押して流路系統内を進み、充填ガスをノズルから押し出すことができる。こうして流路系統内の充填ガスを液体二酸化炭素に置換してから液体二酸化炭素放出工程に入ると、送り込み開始時における流路系統内での急激な圧力変化を防止できるので、液体二酸化炭素が固体化して流路系統内を塞ぐのを防止することができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置及び液体二酸化炭素送り込み方法の一実施形態を示す系統図で、液体二酸化炭素放出工程の状態を示している。
【図2】 本発明に係る深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置及び液体二酸化炭素送り込み方法の一実施形態を示す系統図で、液体二酸化炭素充填ガス加圧工程の状態を示している。
【図3】 本発明に係る深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置及び液体二酸化炭素送り込み方法の一実施形態を示す系統図で、充填ガス−液体二酸化炭素置換工程開始時(ステップS21)の状態を示している。
【図4】 本発明に係る深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置及び液体二酸化炭素送り込み方法の一実施形態を示す図で、装置の運転手順及び方法を説明するフローチャートである。
【図5】 気液分離プラグ回収部の構成例を示す図であり、(a)は内部構成を示す断面図、(b)は(a)におけるA−A線に沿う断面図である。
【図6】 アキュムレータ設置の作用効果を説明するため液体二酸化炭素の圧力Pが時間とともに変化する様子を示した図で、(a)はアキュムレータがない場合、(b)はアキュムレータを設けた場合である。
【図7】 二酸化炭素の相状態を示す線図である。
【符号の説明】
10 海上ユニット
11 貯留タンク
12 ポンプ
13 アキュムレータ
14 減圧弁
16 気液分離プラグ発射部
17a,17b 仕切弁
17c ベント開閉弁
18 充填ガスシリンダ
20 背圧弁
30,50 管路(流路系統)
60 深海ユニット
61 気液分離プラグ回収部
62 保圧弁
63 逆止弁
64 ノズル

Claims (9)

  1. 液体二酸化炭素を収容した貯留タンクと、該貯留タンク内の液体二酸化炭素を圧送するポンプと、前記液体二酸化炭素を前記貯留タンクから深層海水中へ導く流路系統と、該流路系統の出口側に設けられ深層海水中へ液体二酸化炭素を放出するノズルとを具備してなる深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置において、
    前記ポンプの後流側となる流路系統に、前記液体二酸化炭素の流量制御手段を設け、
    前記流量制御手段が、前記ノズルへ圧送する液体二酸化炭素の圧力を設定圧力に保つ減圧弁と、前記ポンプと前記減圧弁との間の流路系統から分岐させた戻し流路に設けられ、液体二酸化炭素の圧力が設定圧力以上になると開いて前記貯留タンクへ戻す液体二酸化炭素の圧力を一定に保つ背圧弁と、を具備してなることを特徴とする深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置。
  2. 液体二酸化炭素を収容した貯留タンクと、該貯留タンク内の液体二酸化炭素を圧送するポンプと、前記液体二酸化炭素を前記貯留タンクから深層海水中へ導く流路系統と、該流路系統の出口側に設けられ深層海水中へ液体二酸化炭素を放出するノズルとを具備してなる深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置において、
    前記ノズルの上流側近傍となる流路系統に、同流路系統内が設定圧力まで下がると閉じて一定圧力に保つ保圧手段を設けたことを特徴とする深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置。
  3. 液体二酸化炭素を収容した貯留タンクと、該貯留タンク内の液体二酸化炭素を圧送するポンプと、前記液体二酸化炭素を前記貯留タンクから深層海水中へ導く流路系統と、該流路系統の出口側に設けられ深層海水中へ液体二酸化炭素を放出するノズルとを具備してなる深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置において、
    前記ポンプの後流側となる流路系統に、流路系統内を充填ガスで所定の圧力まで加圧するガス充填手段を設けると共に、前記充填ガスと前記液体二酸化炭素とを置換する際に使用する気液分離送出手段を設けたことを特徴とする深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置。
  4. 液体二酸化炭素を収容した貯留タンクと、該貯留タンク内の液体二酸化炭素を圧送するポンプと、前記液体二酸化炭素を前記貯留タンクから深層海水中へ導く流路系統と、該流路系統の出口側に設けられ深層海水中へ液体二酸化炭素を放出するノズルとを具備してなる深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置において、
    前記流路系統のポンプ後流側に設けた液体二酸化炭素の流量制御手段と、前記流路系統のノズル上流側近傍に設けた海水の逆流防止手段と、前記流路系統のノズル上流側近傍に設けられ流路系統内が設定圧力まで下がると閉じて一定圧力に保つ保圧手段と、前記流路系統のポンプ後流側に設けられ流路系統内を充填ガスで所定の圧力まで加圧するガス充填手段と、前記充填ガスと前記液体二酸化炭素とを置換する際に使用する気液分離送出手段と、を具備して構成したことを特徴とする深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置。
  5. 前記流量制御手段が、前記ノズルへ圧送する液体二酸化炭素の圧力を設定圧力に保つ減圧弁と、前記ポンプと前記減圧弁との間の流路系統から分岐させた戻し流路に設けられ、液体二酸化炭素の圧力が設定圧力以上になると開いて前記貯留タンクへ戻す液体二酸化炭素の圧力を一定に保つ背圧弁と、を具備してなることを特徴とする請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置。
  6. 前記流量制御手段が、アキュムレータを備えていることを特徴とする請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置。
  7. 前記気液分離送出手段が、気液分離プラグと、気液分離プラグ発射部と、気液分離プラグ回収部とを具備してなることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置。
  8. 前記気液分離プラグ回収部が、気液分離プラグ径より大きな断面形状を有し複数の気液分離プラグを収納可能な空間部と、該空間部の出口に設けられた気液分離プラグ径より小さな開口面積の気液分離プラグストッパ部とを具備してなることを特徴とする請求項に記載の深層海水中への液体二酸化炭素送り込み装置。
  9. 貯留タンク内に収納された液体二酸化炭素をポンプで流路系統へ圧送し、前記液体二酸化炭素を深層海水中の流路系統出口側に設けられたノズルへ導いて該ノズルから深層海水中へ放出するようにした深層海水中への液体二酸化炭素送り込み方法において、
    前記流路系統内を充填ガスで所定の圧力まで加圧する充填ガス加圧工程と、
    前記流路系統内に気液分離送出手段を挿入し、前記充填ガスと液体二酸化炭素との間を分離した状態で前記ポンプを運転して液体二酸化炭素を圧送することで前記充填ガスをノズルから流出させる充填ガス−液体二酸化炭素置換工程と、
    前記貯留タンク内の液体二酸化炭素をポンプで圧送して前記ノズルから深層海水中へ放出する液体二酸化炭素放出工程と、を設けたことを特徴とする深層海水中への液体二酸化炭素送り込み方法。
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