JP3785266B2 - 支承構造及び支承機能補修方法 - Google Patents

支承構造及び支承機能補修方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、支承構造及び支承機能を回復させるための支承機能補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
橋梁などに設けられる支承部は、上部構造(上部工)と下部構造(下部工)の接点にあって、上部構造からの荷重を下部構造に滑らかに伝達する装置である。
これら支承部に使用される材料としては、鋼製、コンクリート製、ゴム製などに分類され、構築される構造物の種類や使用条件によって使い分けられている。
また、これら支承部の支承構造には、ヒンジ構造(ロッカー沓)、回転ピン構造(ローラー沓)、平面滑り構造(PL沓)、回転滑り構造(BP沓)、弾性変形構造(ゴム沓)などが知られており、これらの支承構造の中で、図5に示す鋼板沓(鋼製プレート沓)を用いたものがある。
【0003】
図5に示す支承構造は、上部工側の主桁100の下面100aに設けられた鋼板からなる上沓101(鋼板沓)と、下部工側の桁座110の上面110aに設けられた鋼板からなる下沓111(鋼板沓)とが、当接して設けられた構造となっており、前記上沓101と前記下沓111は水平方向に滑動可能とされている。
前記鋼板沓101、111による支承構造は、10m程度の比較的短スパンの鉄筋コンクリート(RC)桁に多く採用され、高架橋の調整桁に多く見られる。
【0004】
ところで、前記鋼板沓101、111による支承構造は、材料が鋼のため経年や環境の変化に起因して錆が生じ、この錆によって滑動(水平移動)が妨げられ、支承機能に支障が生じる場合がある。このため温度変化や設計荷重載荷時に生じる桁の伸縮や地震時の水平荷重を滑らかに伝達することが出来ず、支承が固定されている下部工の桁座110付近及び主桁100の端部などに設計段階で予期しない局部的な集中荷重が生じてしまって橋梁に予期しない損傷を与えてしまう恐れがあった。
そこで従来は、前記上沓101と下沓111の当接面(ソール面)120の滑りをよくするため、前記ソール面120にグリスなどの潤滑剤を塗布するメンテナンスが行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記鋼板沓101,111による支承構造における前記メンテナンスに用いられるグリスなどの潤滑剤も恒久的な材料ではなく、ある期間が過ぎるとその効力が失われてしまうという欠点があり、定期的なメンテナンスを行う必要があった。
また、このようなメンテナンスを行う場合、橋梁を使用する電車等の運転に支障がないように仮受け支保工の設置や仮支点の設置などが必要となる他、これらの設置にはどうしても営業時間帯を避けなければならず夜間作業を余儀なくされていた。
従って、このようなメンテナンスに多大な費用がかかるとともに、工期も長く必要であり、更に夜間作業時における安全対策にも十分な注意を要するという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点を解決するために為されたものであって、支承機能が劣化し難い支承構造を提供するとともに、支承機能をを容易に回復させそれ以後の補修を半永久的に不要とした支承機能補修方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、
請求項1記載の発明は、上部構造部に設けられた板状の上支承部材と、下部構造部に設けられた板状の下支承部材とが水平方向に滑動可能に当接する支承部を備えた支承構造であって、
前記上支承部材と前記下支承部材との間に、表面或いは裏面のうち少なくとも一方にフッ素樹脂が塗布され所定の耐久性を有する中間部材が設けられており、
前記中間部材の滑動方向の一端部は前記上支承部材及び前記下支承部材の端部よりも延出しており、
前記一端部が係止手段によって前記上支承部材或いは前記下支承部材の側面に係止されて固定されていることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、上部構造部に設けられた板状の上支承部材と、下部構造部に設けられた板状の下支承部材とが水平方向に滑動可能に当接する支承部を備えた支承構造であって、
前記上支承部材と前記下支承部材との間に、表面或いは裏面のうち少なくとも一方にフッ素樹脂が塗布された所定の耐久性を有する中間部材が設けられており、
前記中間部材の滑動方向の両端部は前記上支承部材及び前記下支承部材の端部よりも延出しており、
前記両端部に前記中間部材の前記上支承部材及び前記下支承部材からのずれ落ちを防止するずれ落ち防止手段が設けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項1又は2記載の発明によれば、上部構造部に設けられた板状の上支承部材と、下部構造部に設けられた板状の下支承部材との間に設けられた中間部材は、その表面或いは裏面にうち少なくとも一方にフッ素樹脂が塗布されているので、上支承部材と下支承部材との間の潤滑性を維持させることが出来ることとなって、支承機能を維持させることが出来る。
即ち、従来の支承構造にあっては、例えば、上支承部材と下支承部材に鋼板を用いた場合に、経年や環境によって上支承部材或いは下支承部材に錆などによって支承機能が損なわれる畏れがあったが、上支承部材と下支承部材との間にフッ素樹脂が塗布された中間部材が挿入されたことにより、たとえ上支承部材や下支承部材に錆が生じても中間部材のフッ素樹脂の潤滑作用によって支承部の支承機能が損なわれることがなく、温度変化や設計荷重載荷時に生じる桁の伸縮や地震時の水平荷重を滑らかに下部構造に伝達させることが出来る。
【0009】
また、中間部材として耐久性を有する材料が使用されているので、経年や環境によって中間部材に錆が生じてしまうようなことがなくなることとなって、従来のグリス等の潤滑剤によって支承機能を維持させていたもののように支承機能を維持させるために繰り返して行われていたメンテナンスを半永久的に行う必要がなくなる。
従って、メンテナンスにかかる補修費用を大幅に削減させることが出来るとともに、補修時における橋梁を使用する電車等の運転への支障の問題や作業安全性の問題も生じることがない。
【0010】
ここで、フッ素樹脂は、フッ素を含有する高分子であって、ポリエチレンの水素がフッ素またはトリフルオロメチルで置換された構造を有する。
フッ素樹脂は、耐熱性、耐薬品性、低摩擦抵抗性等の性質を有しており、本発明においてはこれらの性質(特に、低摩擦抵抗性)を利用したものである。
代表的なフッ素樹脂化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン:デュポン社の商品名)があり、この場合、水素全部がフッ素に置換された構造となっている。
なお、フッ素樹脂は、上記ポリテトラフルオロエチレンに限らず他のフッ素樹脂であってもよい。
【0011】
中間部材は、所定の耐久性を有する材料であり、例えば、ステンレス鋼板、メッキ鋼板、繊維強化プラスチック、ポリカーボネート板等を使用するが、これらに限るものではない。
また、中間部材の厚さ及びフッ素樹脂の塗布層の厚みは設計事項であり、例えば、この支承部が用いられる橋梁の大きさや種類によって適宜変更可能である。
【0013】
さらに、請求項記載の発明によれば、中間部材の滑動方向の一端部が、上支承部材及び下支承部材の端部よりも延出し、係止手段によって、前記上支承部材或いは前記下支承部材の側面に係止されて固定されているので、上支承部材と下支承部部材が滑動した場合に、中間部材が上支承部材と下支承部材の間からずれ落ちることがなくなって、支承部の支承機能を確実に維持させることが出来る。
【0015】
また、請求項記載の発明によれば、中間部材の滑動方向の両端部が上支承部材及び下支承部材の端部よりも延出し、この中間部材の滑動方向の両端部に設けられたずれ落ち防止手段によって、前記中間部材の前記上支承部材及び前記下支承部材からのずれ落ちが防止されるので、支承部の支承機能を確実に維持させることが出来る。
ここで、ずれ落ち防止手段としては、例えば、中間部材の軸方向の両端部に金具などの突起物を設けてずれ落ちを防止させるものである。
【0016】
請求項記載の発明は、上部構造部に設けられた板状の上支承部材と、下部構造部に設けられた板状の下支承部材とが水平方向に滑動可能に当接する支承部の支承機能補修方法であって、
前記上部構造部を前記上支承部材とともに上昇させて前記上支承部材と前記下支承部材との間に隙間を設け、
次いで、前記隙間に表面或いは裏面のうち少なくとも一方にフッ素樹脂が塗布された所定の耐久性を有する中間部材を挿入し、
前記中間部材の滑動方向の一端部を前記上支承部材及び前記下支承部材の端部よりも延出させ、前記一端部を係止手段によって前記上支承部材或いは前記下支承部材の側面に係止して固定し、
次いで、前記上部構造部を下降させて元の位置に戻すことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、上部構造部に設けられた板状の上支承部材と、下部構造部に設けられた板状の下支承部材とが水平方向に滑動可能に当接する支承部の支承機能補修方法であって、
前記上部構造部を前記上支承部材とともに上昇させて前記上支承部材と前記下支承部材との間に隙間を設け、
次いで、前記隙間に、表面或いは裏面のうち少なくとも一方にフッ素樹脂が塗布された所定の耐久性を有する中間部材を挿入し、
前記中間部材の滑動方向の両端部を前記上支承部材及び前記下支承部材の端部よりも延出させ、前記両端部に前記上支承部材及び前記下支承部材からのずれ落ちを防止するずれ落ち防止手段を設け、
次いで、前記上部構造部を下降させて元の位置に戻すことを特徴としている。
【0017】
請求項3又は4記載の発明によれば、上部構造部を上支承部材とともに上昇させることにより上支承部材と下支承部材との間に隙間が設けられ、次いで、この隙間に中間部材が挿入され、次いで、上部構造部が下降されて元の位置に戻される。
従って、潤滑性を有する中間部材の挿入だけで支承部の支承機能を回復させる補修が出来ることとなって、比較的簡単に補修作業を行うことが出来る。
また、従来のグリス等による潤滑剤を塗布する補修方法の場合には、潤滑剤の劣化に応じて補修を繰り返して行う必要があったが、本発明の支承機能補修方法による補修を一度行えば、半永久的に支承機能を維持させることが出来るので、補修をその後に行う必要がなくなることとなって、メンテナンスにかかる補修費用を大幅に削減させることが出来るとともに、補修時における橋梁を使用する電車等の運転への支障の問題や作業の安全対策の問題も生じることがない。
さらに、請求項3記載の発明によれば、中間部材の滑動方向の一端部を、上支承部材及び下支承部材の端部よりも延出させ、係止手段によって上支承部材或いは下支承部材の側面に係止して固定するので、上支承部材と下支承部部材が滑動した場合に、中間部材が上支承部材と下支承部材の間からずれ落ちることがなくなって、支承部の支承機能を確実に維持させることが出来る。
また、請求項4記載の発明によれば、中間部材の滑動方向の両端部を上支承部材及び下支承部材の端部よりも延出させ、この中間部材の滑動方向の両端部に設けられたずれ落ち防止手段によって中間部材の上支承部材及び下支承部材からのずれ落ちを防止するので、支承部の支承機能を確実に維持させることが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明に係る支承構造及び支承機能補修方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明を橋梁に適用した場合の支承部の構造を模式的に示した図である。
図1に示す支承部1は、橋梁に上部構造部としての主桁2に設けられた上支承部材としての上沓3と、橋梁の下部構造部としての桁座4に設けられた下支承部材としての下沓5と、前記上沓3と前記下沓5の間のソール面に当接して設けられた中間部材6などにより構成されている。
【0019】
前記上沓3と下沓5は、例えば、一般構造用の鋼板から出来ている。
前記中間部材6は、例えば、約1mm程度の厚さのステンレス鋼板61と、このステンレス鋼板61の表面に約0.5mm程度塗布されたフッ素樹脂としてのポリテトラフルオロエチレン(テフロン:デュポン社の商品名)からなるフッ素樹脂塗布層62とから形成されている。前記フッ素樹脂塗布層62は、摩擦抵抗が小さく潤滑性に優れるとともに、耐熱性、耐薬品性にも優れている。
従って、前記上沓3と前記下沓5の間に挿入された中間部材6により、たとえ上沓3や下沓5に錆が生じても中間部材6のフッ素樹脂層62の潤滑作用によって支承部1の支承機能が損なわれることがなく、温度変化や設計荷重載荷時に生じる上部構造の伸縮や地震時の水平荷重を前記支承部1を介して滑らかに下部構造に伝達させることが出来る。
【0020】
また、図2の支承部1の拡大図に示すように、前記中間部材6の滑動方向の一端部は、前記上沓3及び前記下沓5の端部よりも延出されて設けられ、前記中間部材6の一端部は前記上沓3の側面にボルト31或いはネジなどの係止手段によって固定されている。
従って、前記上沓3と前記下沓5が滑動した場合に、前記中間部材6が前記上沓3と前記下沓5の間からずれ落ちることがなく支承部1の支承機能を確実に維持させることが出来る。
【0021】
また、前記中間部材6が前記上沓3と前記下沓5の間からずれ落ちしないように防止するずれ落ち防止手段として図3に示すずれ落ち防止金具を用いてもよい。
図3に示すずれ落ち防止手段としてのずれ落ち防止金具7は、滑動方向側に前記上沓3及び前記下沓5よりも延出された前記中間部材6の端部6a、6bに設けられている。
前記ずれ落ち防止金具7は、例えば、ボルト71とナット72からなり、前記中間部材の端部6a,6bに設けられた孔に取り付けられている。
従って、前記上沓3と前記下沓5が滑動した場合に、前記中間部材6が前記上沓3と前記下沓5の間からずれ落ちることがなくなって支承部1の支承機能を確実に維持させることが出来る。
【0022】
次に、本発明に係る支承機能補修方法について図5を用いて説明する。
まず、前記主桁2を前記上沓3とともにジャッキ(図示省略)によって持ち上げて前記上沓3と前記下沓5との間に前記中間部材6の厚みよりも大きい数mm程度の隙間aを設ける。このとき、ソール面3a,5aに付着した汚れや錆などがひどい場合には、前記隙間aに薄い鋼材や木材を挿入してソール面3a、5aの清掃を行う。
【0023】
次いで、前記隙間aに前記中間部材6を挿入し、その後前記中間部材6が前記隙間aからずれ落ちないように、前記中間部材6の端部を前記上沓3の側面にボルト31等によって固定する。
次いで、前記ジャッキ(図示省略)によって前記主桁2を元の位置に戻す。このとき、前記中間部材6の厚みが1mm〜2mm程度であれば、上部構造の軌道レベルさほど影響を与えず補修することが出来る。
【0024】
以上説明した支承部1の支承機能補修方法によれば、前記中間部材6を前記上沓3と前記下沓5の間に挿入することによって、比較的容易に且つ確実に支承部の支承機能を回復させることが出来る。
また、本発明の支承機能補修方法による補修を1回行えば、半永久的に支承機能を維持させることが出来るので、従来のグリス等による潤滑剤を支承部1のソール面に塗布する補修方法の場合のように、潤滑剤の劣化に応じて補修を繰り返して行う必要がなく、補修にかかる費用を大幅に削減させることが出来るとともに、夜間作業に起因した補修時における作業の安全性の問題や橋梁を使用する電車等の運転への支障の問題なども生じることがない。
【0025】
なお、上記実施の形態においては、橋梁における支承構造を例示したが、本発明は、これに限らず、上部構造部と下部構造部とが支承される支承部を有する構造物に適用可能である。
上支承部材と下支承部材として鋼板を使用したが、これに限るものではなく、経年や環境の変化によってソール面での潤滑性が劣化する材料に適用可能である。
また、中間材も、上述したステンレス鋼板に限るものではなく所定の耐久性を有する材料であればどのようなものであってもよい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1又は2記載の発明によれば、上部構造部に設けられた板状の上支承部材と、下部構造部に設けられた板状の下支承部材との間に設けられた中間部材は、その表面或いは裏面にうち少なくとも一方にフッ素樹脂が塗布されているので、上支承部材と下支承部材との間の潤滑性を維持させることが出来ることとなって、支承機能を維持させることが出来る。
即ち、従来の支承構造にあっては、例えば、上支承部材と下支承部材に鋼板を用いた場合に、経年や環境によって上支承部材或いは下支承部材に錆などによって支承機能が損なわれる畏れがあったが、上支承部材と下支承部材との間にフッ素樹脂が塗布された中間部材が挿入されたことにより、たとえ上支承部材や下支承部材に錆が生じても中間部材のフッ素樹脂の潤滑作用によって支承部の支承機能が損なわれることがなく、温度変化や設計荷重載荷時に生じる桁の伸縮や地震時の水平荷重を滑らかに下部構造に伝達させることが出来る。
また、中間部材として耐久性を有する材料が使用されているので、経年や環境によって中間部材に錆が生じてしまうようなことがなくなることとなって、従来のグリス等の潤滑剤によって支承機能を維持させていたもののように支承機能を維持させるために繰り返して行われていたメンテナンスを半永久的に行う必要がなくなる。
従って、メンテナンスにかかる補修費用を大幅に削減させることが出来るとともに、補修時における橋梁を使用する電車等の運転への支障の問題や作業安全性の問題も生じることがない。
【0027】
さらに、請求項記載の発明によれば、中間部材の滑動方向の一端部が、上支承部材及び下支承部材の端部よりも延出し、係止手段によって、前記上支承部材或いは前記下支承部材の側面に係止されて固定されているので、上支承部材と下支承部部材が滑動した場合に、中間部材が上支承部材と下支承部材の間からずれ落ちることがなくなって、支承部の支承機能を確実に維持させることが出来る。
【0028】
また、請求項記載の発明によれば、中間部材の滑動方向の両端部が上支承部材及び下支承部材の端部よりも延出し、この中間部材の滑動方向の両端部に設けられたずれ落ち防止手段によって、前記中間部材の前記上支承部材及び前記下支承部材からのずれ落ちが防止されるので、支承部の支承機能を確実に維持させることが出来る。
【0029】
請求項3又は4記載の発明によれば、上部構造部を上支承部材とともに上昇させることにより上支承部材と下支承部材との間に隙間が設けられ、次いで、この隙間に中間部材が挿入され、次いで、上部構造部が下降されて元の位置に戻される。
従って、潤滑性を有する中間部材の挿入だけで支承部の支承機能を回復させる補修が出来ることとなって、比較的簡単に補修作業を行うことが出来る。
また、従来のグリス等による潤滑剤を塗布する補修方法の場合には、潤滑剤の劣化に応じて補修を繰り返して行う必要があったが、本発明の支承機能補修方法による補修を一度行えば、半永久的に支承機能を維持させることが出来るので、補修をその御に行う必要がなくなることとなって、メンテナンスにかかる補修費用を大幅に削減させることが出来るとともに、補修時における橋梁を使用する電車等の運転への支障の問題や作業の安全対策の問題も生じることがない。
さらに、請求項3記載の発明によれば、中間部材の滑動方向の一端部を、上支承部材及び下支承部材の端部よりも延出させ、係止手段によって上支承部材或いは下支承部材の側面に係止して固定するので、上支承部材と下支承部部材が滑動した場合に、中間部材が上支承部材と下支承部材の間からずれ落ちることがなくなって、支承部の支承機能を確実に維持させることが出来る。
また、請求項4記載の発明によれば、中間部材の滑動方向の両端部を上支承部材及び下支承部材の端部よりも延出させ、この中間部材の滑動方向の両端部に設けられたずれ落ち防止手段によって中間部材の上支承部材及び下支承部材からのずれ落ちを防止するので、支承部の支承機能を確実に維持させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る橋梁の支承構造を有する支承部を模式的に示した図である。
【図2】中間部材が上沓に固定された支承部を模式的に示した図である。
【図3】中間部材の滑動方向の両端部にずれ落ち防止金具が設けられた支承部を模式的に示した図である。
【図4】本発明に係る支承機能補修方法を説明するための支承部を模式的に示した図である。
【図5】従来の橋梁の支承構造を有する支承部を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 支承部
2 主桁(上部構造部)
3 上沓(上支承部材)
4 桁座(下部構造部)
5 下沓(下支承部材)
6 中間部材
7 ずれ落ち防止金具(ずれ落ち防止手段)
31 ボルト(係止手段)
61 ステンレス板
62 フッ素樹脂塗布層

Claims (4)

  1. 上部構造部に設けられた板状の上支承部材と、下部構造部に設けられた板状の下支承部材とが水平方向に滑動可能に当接する支承部を備えた支承構造であって、
    前記上支承部材と前記下支承部材との間に、表面或いは裏面のうち少なくとも一方にフッ素樹脂が塗布され所定の耐久性を有する中間部材が設けられており、
    前記中間部材の滑動方向の一端部は前記上支承部材及び前記下支承部材の端部よりも延出しており、
    前記一端部が係止手段によって前記上支承部材或いは前記下支承部材の側面に係止されて固定されていることを特徴とする支承構造。
  2. 上部構造部に設けられた板状の上支承部材と、下部構造部に設けられた板状の下支承部材とが水平方向に滑動可能に当接する支承部を備えた支承構造であって、
    前記上支承部材と前記下支承部材との間に、表面或いは裏面のうち少なくとも一方にフッ素樹脂が塗布された所定の耐久性を有する中間部材が設けられており、
    前記中間部材の滑動方向の両端部は前記上支承部材及び前記下支承部材の端部よりも延出しており、
    前記両端部に前記中間部材の前記上支承部材及び前記下支承部材からのずれ落ちを防止するずれ落ち防止手段が設けられていることを特徴とする支承構造。
  3. 上部構造部に設けられた板状の上支承部材と、下部構造部に設けられた板状の下支承部材とが水平方向に滑動可能に当接する支承部の支承機能補修方法であって、
    前記上部構造部を前記上支承部材とともに上昇させて前記上支承部材と前記下支承部材との間に隙間を設け、
    次いで、前記隙間に、表面或いは裏面のうち少なくとも一方にフッ素樹脂が塗布された所定の耐久性を有する中間部材を挿入し、
    前記中間部材の滑動方向の一端部を前記上支承部材及び前記下支承部材の端部よりも延出させ、前記一端部を係止手段によって前記上支承部材或いは前記下支承部材の側面に係止して固定し、
    次いで、前記上部構造部を下降させて元の位置に戻すことを特徴とする支承機能補修方法
  4. 上部構造部に設けられた板状の上支承部材と、下部構造部に設けられた板状の下支承部材とが水平方向に滑動可能に当接する支承部の支承機能補修方法であって、
    前記上部構造部を前記上支承部材とともに上昇させて前記上支承部材と前記下支承部材との間に隙間を設け、
    次いで、前記隙間に表面或いは裏面のうち少なくとも一方にフッ素樹脂が塗布され所定の耐久性を有する中間部材を挿入し、
    前記中間部材の滑動方向の両端部を前記上支承部材及び前記下支承部材の端部よりも延出させ、前記両端部に前記上支承部材及び前記下支承部材からのずれ落ちを防止するずれ落ち防止手段を設け、
    次いで、前記上部構造部を下降させて元の位置に戻すことを特徴とする支承機能補修方法。
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