JP3785220B2 - 瓶口整形バーナー装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ガラス瓶の成形工程において、成形直後の瓶の瓶口を再加熱して整形するのに用いられる瓶口整形用バーナー装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガラス瓶の成形は、粗型と呼ばれる縦割り型の成形型内にゴブを投入し、このゴブをシリンダ機構により昇降動作するプランジャを用いて加圧処理することによりなされるもので、成形後の瓶は、瓶口の継ぎ目位置に生じた段差を取り除くために、瓶口整形用のバーナー装置へと送られる。
【0003】
上記の瓶口整形用バーナー装置(以下単に「バーナー装置」という)は、多数の口焼きバーナーを、噴出口を下方へ向けて配備し、各バーナーに上方よりガスを供給することにより燃焼炎を発生させるもので、整形後の瓶は、ベルトコンベヤにより、各口焼きバーナーの真下を順次通過しながら加熱処理を受ける。
【0004】
従来のこの種のバーナー装置には、本体内部に燃焼ガスと空気とを別個に導入してバーナーの先端部で混合するタイプのもの(以下「先端混合タイプ」という)と、燃焼ガスと空気とをあらかじめ混合しておき、この混合ガスをバーナー本体へ導入するタイプのもの(以下「元混合タイプ」という)との2種類が存在する。
【0005】
図6は、先端混合タイプの口焼きバーナの構成例を示す。
この口焼きバーナーは、内周がラッパ形状に形成された口金部30に、図示しないガス供給管から供給された燃焼ガスを放出するためのノズル体31を、上方よりはめ込んだ構成のもので、口金部30の外周面の四方には、それぞれ空気導入管32a〜32dが形成される。また下端の噴出口36とノズル体31との間に、ガスの混合室および燃焼室として機能する所定広さの開放空間35が形成される。
【0006】
前記ノズル体31は、燃焼室の真上位置で軸方向に向かって急峻に傾斜して先端部で閉塞する形状のもので、傾斜部分には、燃焼ガス送出用のノズル33が、傾斜方向に対して直交する方向に形成されている。
【0007】
前記各空気導入管32a〜32dは、ブロワー程度の低圧空気の供給を受けて、これを口金部30内部に導入するためのもので、それぞれ前記ノズル体31の傾斜部分近傍で、口金部30の軸方向に対して直交する方向に位置すると共に、図7に示すように、口金部30内部でノズル31をとりまくように連通する。
【0008】
これにより各空気供給管32a〜32dから供給された空気は、ノズル体31の周りを旋回しながら下降するもので、この下降過程で、ノズル33から放出された燃焼ガスと空気とが混じり合い、混合ガスの旋回流が生成される。さらにこの混合ガスの旋回流に着火することにより、噴出口36より旋回炎が噴出する。
【0009】
図8は、元混合タイプの口焼きバーナーの構成例を示す。
バーナー本体となる口金部40は、上方に、混合ガスを取り込むためのガス導入管41を一体形成して成るもので、その内部および下端部には、それぞれ多数のノズルが配設された平板42,43が、所定の距離を隔てて配備されている。
なお各平板42,43の間の環状空間46は、燃焼室として機能する。
【0010】
内部の平板42には径の小さいノズル44(以下「小ノズル44」という)が、また下端の平板43には前記小ノズル44よりも大きな径のノズル45(以下「大ノズル45」という)が、それぞれ配設されている。
なお第1の平板42の上方位置には、ガス導入管41より導入された混合ガスを拡散させるための邪魔板46が配備されており、拡散したガスは、第1の平板42の小ノズル44を通過して高圧化された後、さらに燃焼室46内で着火し、大ノズル45より噴出する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記した先端混合タイプのバーナーは、バーナー本体の内部で燃焼ガスと空気とを混合させる構造であるため、各気体を導入するための2種類の導入孔が必要となる上、内部に空気の旋回通路を形成しなければならず、内部構造が複雑化し、コスト高を招く。
【0012】
またこの種のバーナーでは、燃焼室内におけるガスの混合状態が機体毎に異なるため、燃焼炎の強さにばらつきが生じ、各瓶を均等に加熱処理できないという問題が発生する。この場合、バーナー毎に、空気供給管とガス供給管とに調整弁を設けて供給するガスの量を調節することも可能であるが、装置には多数の口焼きバーナーが配備されているため、その調節作業には多数の労力を要し、係員の作業負担を著しく増大させることになる。
【0013】
またこの種のバーナーでは、燃焼ガスと空気とを内部で混合させる必要があるため、ノズルから噴出口までの距離を長く設定する必要があり、口焼きバーナーが大型化する上、燃焼速度の低下、ひいては燃焼効率の低下を招く虞がある。
しかも燃焼ガスと空気との混合比率の問題によりノズルの直径を必要以上に大きくできない(通常、直径0.8〜1.0mmの範囲をとる)上、ガスの進路方向と空気の旋回方向とが異なるため、燃焼速度が低下して焼きむらが生じる虞がある。また燃焼速度の低下により燃焼領域も狭くなるので、処理対象の瓶が少しでも位置ずれすると、瓶口を均一に焼くことができなくなるという問題も発生する。
【0014】
さらに上記したように、燃焼ガスのノズル径が小さいので、ノズル孔が詰まったり、熱膨張により孔径が変化するなどする可能性が高く、時間変化と共に、燃焼炎にばらつきが生じ、不良品が多発することも考えられる。
【0015】
一方、元混合タイプの口焼きバーナーを用いれば上記の問題は解決できるが、勢いの強い燃焼炎が真下に向かうため、瓶口以外の部分をも加熱してしまい、不良品の発生頻度が増大する虞がある。また口金部に多数のノズルを有する平板を一体形成するため構造が複雑化する上、さらに内部の小ノズルが詰まってバックファイアが発生する危険があり、実用化が難しいという問題がある。
【0016】
この発明は上記問題点に着目してなされたもので、元混合タイプの口焼きバーナーにおいて、ノズル体の外周面に、斜めに傾斜する複数の凹溝を平行に形成して、これを口金部内部に配備してノズルを形成することにより、簡易な構成で安定した燃焼炎を生成する瓶口整形バーナー装置を提供することを技術課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明は、燃焼ガスと空気との混合ガスを導く導管の下端に、複数のガス供給口を有するガス供給管が接続されると共に、前記ガス供給管の各ガス供給口に、口焼きバーナーが噴出口を下方に向けてそれぞれ取り付けられて成る瓶口整形バーナー装置であって、前記口焼きバーナーは、上端に前記ガス供給管のガス供給口に接続されるガス導入口を、下端に前記噴出口を、それぞれ備えた筒形状の口金部と、この口金部の内部であって前記噴出口より手前位置に設けられるノズル体とから成り、前記ノズル体は、前記口金部の内孔に適合する外形を有し、外周面には軸方向に対して斜めに傾斜する複数の凹溝を平行に形成して、各凹溝の溝壁と口金部の内周壁との間に、先端が前記噴出口の上方位置で開口するノズルが形成されている。
【0018】
【作用】
ガス導入口より導入された混合ガスは、ノズル体の外周に形成された凹溝と口金部の内周壁との間に形成されたノズルから放出された後、口金部の下部の内周壁に沿って旋回しながら噴出口へと送出される。これにより混合ガスは、その経路を妨害されることなく勢いよく送出されるので飛び火せず、安定した燃焼炎が得られる。また燃焼炎が真下に下降せずに旋回しながら噴出するので、瓶口以外の部分を加熱する虞がない上、燃焼面積が広くなり、瓶の設置位置が多少ずれていても支障を生じることがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜図5にこの発明の好適な実施例を示す。このバーナー装置は、混合ガスを搬送するガス導管1にガス供給管2を介して多数個の口焼きバーナー10を接続して成るもので、各口焼きバーナ10の本体部を構成する口金部13には、外周面に約45度の角度を有する凹溝20が8本形成されたノズル体17が、下端の噴出口16より手前に位置するように、配備されている。これによりノズル体17と口金部13の内周面との間には、噴出口16の上方位置で開口するノズル23が形成される。
【0020】
【実施例】
図1(1)(2)は、この発明の一実施例にかかるバーナー装置の構成例を示す。
このバーナー装置は、吊り下げ用チェーン4aおよび補強チャンネル4bにより平行支持されるガス導管1と、このガス導管1の下端に接続される複数個のガス供給管2と、各ガス供給管2の下端にそれぞれ接続される複数個のバーナーヘッダ3とを主要構成とするもので、図示しないミキシング装置より生成された混合ガスは、ガス導管1より搬送された後、各ガス供給管2に分配され、さらにバーナヘッダ3の各口焼きバーナー10へと供給される。
なお、図中6は、各バーナーヘッダを固定支持するためのアングルを、7はバーナーヘッダ3をアングル6に固定するための取り付け部材を、8は成形処理後の瓶を搬送するためのベルトコンベヤを、それぞれ示す。
【0021】
またこのバーナー装置には、各バーナーヘッダに、後述する冷却用の空気を吹き付けるための空気供給管27が前記アングル6に沿って配備されている。この空気供給管27は、図示しない供給元よりブロワー程度の低圧空気を搬送するためのもので、さらに各バーナーヘッダ3の近傍位置で分岐して空気送出管18(図3に示す)に接続される。
【0022】
前記バーナヘッダ3は、図2に示すごとく、上方に前記ガス供給管2に接続するためのガス導入管9を、下方に6個の口焼きバーナー10を接続するためのガス供給口11を有する中空形状のもので、各口焼きバーナー10が前記アングル6に対し、長さ方向に直交するように固定配備される。
なおこのバーナヘッダの中空室12は、縦方向の断面が円形状になるように形成されており、各口焼きバーナー10に、混合ガスを均等に配分できるように、中央部の断面直径を最大にし、中央から各端部に行くにつれて断面の直径がしだいに小さくなるように設定されている。なお図中26は、導入された混合ガスを拡散するための邪魔板である。
【0023】
この実施例では、ベルトコンベヤ8上に、多数の瓶を、20〜29列に整列させて搬送し、各瓶を各バーナーヘッダ3の6個の口焼きバーナー10,10間を順次通過させながら口焼き処理を行うようにしており、すべてのバーナーヘッダ3下を通過しおわったとき、瓶口が完全に成形された状態になるように、各バーナヘッダ3に対する混合ガスの供給量が調節されている。
なお、これらのバーナーヘッダ3のうち両端部に位置するバーナーヘッダ3a,3bについては、保温効率が他のバーナーヘッダ3よりも悪くなるため、同じ搬送速度で他のバーナヘッダ3と同じ強さの燃焼炎を得られるように、口焼きバーナー10を8個設けている。
【0024】
図3は、前記口焼きバーナー10の内部構造を示す。
ノズル本体となる口金部13は、所定の径を有する筒状体14の上部に前記バーナーヘッダ3のガス供給口11にはめ込むためのガス導入管15を一体形成して成るもので、下端部を噴出口16となしている。また内部には、筒状体14の内径に適合する形状のノズル体17が、前記筒状部14の上端より後方であって前記噴出口16よりも手前に位置するように配備される。
なお図中、18は前記した冷却用空気の送出管を、19は前記空気供給管27の分岐管を、それぞれ示す。
【0025】
前記ノズル体17は、図3および図4に示すように、外周面に、複数個の凹溝20を、それぞれ軸方向に対して所定角度(この実施例では約45度の角度)をもって傾斜するように形成しており、ノズル体17を筒状体14の内部にはめ込んだとき、図5に示すように、各凹溝20と筒状体14の内周壁との間に、ノズル体17の上方の環状空間21から下方の開放空間22(燃焼室として機能する)へと至るノズル23が形成される。
なお、この実施例では各凹溝19を断面が3mm×1.5mmの矩形状に設定することにより、ノズル孔23を従来の装置よりも格段に大きく形成している。
【0026】
前記冷却用空気の送出管18は、各口焼きバーナー10の列の両側に平行配備されるもので、適所に、空気噴出用の小孔24が形成されている。これにより各口焼きバーナー10の両側およびその近傍にブロワー冷却用空気が吹き付けられるもので、バーナー部分の異常加熱が防止される。
【0027】
上記の構成によれば、ノズル23が筒状体の内周面に沿って斜め方向に傾斜しているので、ノズル23の開口部から送出されたガスは、筒状体14下方の内周面に沿って勢いよく旋回しながら降下することになる。この場合、ガスはあらかじめ混合されているので、ノズル体17から瓶口までの距離を短くでき、しかもガスの進路上に気体の方向を変更するような部材が存在しないので、燃焼速度が低下せず、安定した燃焼炎を得て瓶口を均一に加熱することができる。
【0028】
また各ノズル23から放出される混合ガスが、噴出口16から旋回しながら勢いよく噴出するので、燃焼領域が広くなり、ベルトコンベヤ8上の瓶が多少位置ずれしていても焼きむらを生じることがない。さらにノズル体17の凹溝20を広く形成することにより、ノズル23を大きく形成できるので、ノズル詰まりが防止される上、燃焼炎の流速が速いため炎が逆流せず、しかも冷却用の空気によりバーナー部分の異常加熱が抑えられるので、バックファイアの発生を防止できる。
【0029】
【発明の効果】
この発明は上記の如く、外周面に軸方向に対して斜めに傾斜する複数の凹溝が平行に形成されたノズル体を、筒状の口金部内において下端の噴出口の手前位置に位置するように配備することにより、前記凹溝と口金部の内周壁との間に、先端が噴出口の上方位置で開口するノズルを形成するように構成した。これにより口金部内に導入された混合ガスは、ノズルより放出した後、口金部の内周壁に沿って旋回しながら勢いよく降下するので、飛び火せず、安定して強い燃焼炎を得ることができる。またあらかじめ混合されたガスを導入するのでノズルから瓶口間での距離を短く設定できる上、混合ガスの進路が妨害されることがないので、燃焼速度が速くなり、瓶口を均一に加熱できる。
【0030】
またノズル体の外周面に凹溝を形成して口金部内に収容するだけでガス噴出用のノズルが形成されるので、構成が簡易化され、製造コストを大幅に削減することができる。
さらに、各ノズルから放出される混合ガスが旋回して勢いよく噴出するので、燃焼領域が広くなり、瓶のピッチが多少位置ずれしても焼きむらが生じることがなく、またノズルを大きくかつ燃焼炎の流速を妨げないように構成できるので、バックファイアの発生を防止できるなど、幾多の顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる瓶口整形用バーナー装置の正面図および側面図である。
【図2】バーナーヘッダの一部を破断した正面図である。
【図3】口焼きバーナーおよび空気送出管の構成を示す断面図である。
【図4】ノズル体の構成を示す斜面図である。
【図5】ノズル体と口金部との関係を示す底面図である。
【図6】従来の先端混合タイプの口焼きバーナーの構成例を示す断面図である。
【図7】図6のバーナーにおいて、空気導入管の構成を示す断面図である。
【図8】従来の元混合タイプの口焼きバーナーの構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガス導管
2 ガス供給管
5 瓶
10 口焼きバーナー
11 ガス供給口
13 口金部
15 ガス導入管
16 噴出口
17 ノズル体
20 凹溝
23 ノズル
【産業上の利用分野】
この発明は、ガラス瓶の成形工程において、成形直後の瓶の瓶口を再加熱して整形するのに用いられる瓶口整形用バーナー装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガラス瓶の成形は、粗型と呼ばれる縦割り型の成形型内にゴブを投入し、このゴブをシリンダ機構により昇降動作するプランジャを用いて加圧処理することによりなされるもので、成形後の瓶は、瓶口の継ぎ目位置に生じた段差を取り除くために、瓶口整形用のバーナー装置へと送られる。
【0003】
上記の瓶口整形用バーナー装置(以下単に「バーナー装置」という)は、多数の口焼きバーナーを、噴出口を下方へ向けて配備し、各バーナーに上方よりガスを供給することにより燃焼炎を発生させるもので、整形後の瓶は、ベルトコンベヤにより、各口焼きバーナーの真下を順次通過しながら加熱処理を受ける。
【0004】
従来のこの種のバーナー装置には、本体内部に燃焼ガスと空気とを別個に導入してバーナーの先端部で混合するタイプのもの(以下「先端混合タイプ」という)と、燃焼ガスと空気とをあらかじめ混合しておき、この混合ガスをバーナー本体へ導入するタイプのもの(以下「元混合タイプ」という)との2種類が存在する。
【0005】
図6は、先端混合タイプの口焼きバーナの構成例を示す。
この口焼きバーナーは、内周がラッパ形状に形成された口金部30に、図示しないガス供給管から供給された燃焼ガスを放出するためのノズル体31を、上方よりはめ込んだ構成のもので、口金部30の外周面の四方には、それぞれ空気導入管32a〜32dが形成される。また下端の噴出口36とノズル体31との間に、ガスの混合室および燃焼室として機能する所定広さの開放空間35が形成される。
【0006】
前記ノズル体31は、燃焼室の真上位置で軸方向に向かって急峻に傾斜して先端部で閉塞する形状のもので、傾斜部分には、燃焼ガス送出用のノズル33が、傾斜方向に対して直交する方向に形成されている。
【0007】
前記各空気導入管32a〜32dは、ブロワー程度の低圧空気の供給を受けて、これを口金部30内部に導入するためのもので、それぞれ前記ノズル体31の傾斜部分近傍で、口金部30の軸方向に対して直交する方向に位置すると共に、図7に示すように、口金部30内部でノズル31をとりまくように連通する。
【0008】
これにより各空気供給管32a〜32dから供給された空気は、ノズル体31の周りを旋回しながら下降するもので、この下降過程で、ノズル33から放出された燃焼ガスと空気とが混じり合い、混合ガスの旋回流が生成される。さらにこの混合ガスの旋回流に着火することにより、噴出口36より旋回炎が噴出する。
【0009】
図8は、元混合タイプの口焼きバーナーの構成例を示す。
バーナー本体となる口金部40は、上方に、混合ガスを取り込むためのガス導入管41を一体形成して成るもので、その内部および下端部には、それぞれ多数のノズルが配設された平板42,43が、所定の距離を隔てて配備されている。
なお各平板42,43の間の環状空間46は、燃焼室として機能する。
【0010】
内部の平板42には径の小さいノズル44(以下「小ノズル44」という)が、また下端の平板43には前記小ノズル44よりも大きな径のノズル45(以下「大ノズル45」という)が、それぞれ配設されている。
なお第1の平板42の上方位置には、ガス導入管41より導入された混合ガスを拡散させるための邪魔板46が配備されており、拡散したガスは、第1の平板42の小ノズル44を通過して高圧化された後、さらに燃焼室46内で着火し、大ノズル45より噴出する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記した先端混合タイプのバーナーは、バーナー本体の内部で燃焼ガスと空気とを混合させる構造であるため、各気体を導入するための2種類の導入孔が必要となる上、内部に空気の旋回通路を形成しなければならず、内部構造が複雑化し、コスト高を招く。
【0012】
またこの種のバーナーでは、燃焼室内におけるガスの混合状態が機体毎に異なるため、燃焼炎の強さにばらつきが生じ、各瓶を均等に加熱処理できないという問題が発生する。この場合、バーナー毎に、空気供給管とガス供給管とに調整弁を設けて供給するガスの量を調節することも可能であるが、装置には多数の口焼きバーナーが配備されているため、その調節作業には多数の労力を要し、係員の作業負担を著しく増大させることになる。
【0013】
またこの種のバーナーでは、燃焼ガスと空気とを内部で混合させる必要があるため、ノズルから噴出口までの距離を長く設定する必要があり、口焼きバーナーが大型化する上、燃焼速度の低下、ひいては燃焼効率の低下を招く虞がある。
しかも燃焼ガスと空気との混合比率の問題によりノズルの直径を必要以上に大きくできない(通常、直径0.8〜1.0mmの範囲をとる)上、ガスの進路方向と空気の旋回方向とが異なるため、燃焼速度が低下して焼きむらが生じる虞がある。また燃焼速度の低下により燃焼領域も狭くなるので、処理対象の瓶が少しでも位置ずれすると、瓶口を均一に焼くことができなくなるという問題も発生する。
【0014】
さらに上記したように、燃焼ガスのノズル径が小さいので、ノズル孔が詰まったり、熱膨張により孔径が変化するなどする可能性が高く、時間変化と共に、燃焼炎にばらつきが生じ、不良品が多発することも考えられる。
【0015】
一方、元混合タイプの口焼きバーナーを用いれば上記の問題は解決できるが、勢いの強い燃焼炎が真下に向かうため、瓶口以外の部分をも加熱してしまい、不良品の発生頻度が増大する虞がある。また口金部に多数のノズルを有する平板を一体形成するため構造が複雑化する上、さらに内部の小ノズルが詰まってバックファイアが発生する危険があり、実用化が難しいという問題がある。
【0016】
この発明は上記問題点に着目してなされたもので、元混合タイプの口焼きバーナーにおいて、ノズル体の外周面に、斜めに傾斜する複数の凹溝を平行に形成して、これを口金部内部に配備してノズルを形成することにより、簡易な構成で安定した燃焼炎を生成する瓶口整形バーナー装置を提供することを技術課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明は、燃焼ガスと空気との混合ガスを導く導管の下端に、複数のガス供給口を有するガス供給管が接続されると共に、前記ガス供給管の各ガス供給口に、口焼きバーナーが噴出口を下方に向けてそれぞれ取り付けられて成る瓶口整形バーナー装置であって、前記口焼きバーナーは、上端に前記ガス供給管のガス供給口に接続されるガス導入口を、下端に前記噴出口を、それぞれ備えた筒形状の口金部と、この口金部の内部であって前記噴出口より手前位置に設けられるノズル体とから成り、前記ノズル体は、前記口金部の内孔に適合する外形を有し、外周面には軸方向に対して斜めに傾斜する複数の凹溝を平行に形成して、各凹溝の溝壁と口金部の内周壁との間に、先端が前記噴出口の上方位置で開口するノズルが形成されている。
【0018】
【作用】
ガス導入口より導入された混合ガスは、ノズル体の外周に形成された凹溝と口金部の内周壁との間に形成されたノズルから放出された後、口金部の下部の内周壁に沿って旋回しながら噴出口へと送出される。これにより混合ガスは、その経路を妨害されることなく勢いよく送出されるので飛び火せず、安定した燃焼炎が得られる。また燃焼炎が真下に下降せずに旋回しながら噴出するので、瓶口以外の部分を加熱する虞がない上、燃焼面積が広くなり、瓶の設置位置が多少ずれていても支障を生じることがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜図5にこの発明の好適な実施例を示す。このバーナー装置は、混合ガスを搬送するガス導管1にガス供給管2を介して多数個の口焼きバーナー10を接続して成るもので、各口焼きバーナ10の本体部を構成する口金部13には、外周面に約45度の角度を有する凹溝20が8本形成されたノズル体17が、下端の噴出口16より手前に位置するように、配備されている。これによりノズル体17と口金部13の内周面との間には、噴出口16の上方位置で開口するノズル23が形成される。
【0020】
【実施例】
図1(1)(2)は、この発明の一実施例にかかるバーナー装置の構成例を示す。
このバーナー装置は、吊り下げ用チェーン4aおよび補強チャンネル4bにより平行支持されるガス導管1と、このガス導管1の下端に接続される複数個のガス供給管2と、各ガス供給管2の下端にそれぞれ接続される複数個のバーナーヘッダ3とを主要構成とするもので、図示しないミキシング装置より生成された混合ガスは、ガス導管1より搬送された後、各ガス供給管2に分配され、さらにバーナヘッダ3の各口焼きバーナー10へと供給される。
なお、図中6は、各バーナーヘッダを固定支持するためのアングルを、7はバーナーヘッダ3をアングル6に固定するための取り付け部材を、8は成形処理後の瓶を搬送するためのベルトコンベヤを、それぞれ示す。
【0021】
またこのバーナー装置には、各バーナーヘッダに、後述する冷却用の空気を吹き付けるための空気供給管27が前記アングル6に沿って配備されている。この空気供給管27は、図示しない供給元よりブロワー程度の低圧空気を搬送するためのもので、さらに各バーナーヘッダ3の近傍位置で分岐して空気送出管18(図3に示す)に接続される。
【0022】
前記バーナヘッダ3は、図2に示すごとく、上方に前記ガス供給管2に接続するためのガス導入管9を、下方に6個の口焼きバーナー10を接続するためのガス供給口11を有する中空形状のもので、各口焼きバーナー10が前記アングル6に対し、長さ方向に直交するように固定配備される。
なおこのバーナヘッダの中空室12は、縦方向の断面が円形状になるように形成されており、各口焼きバーナー10に、混合ガスを均等に配分できるように、中央部の断面直径を最大にし、中央から各端部に行くにつれて断面の直径がしだいに小さくなるように設定されている。なお図中26は、導入された混合ガスを拡散するための邪魔板である。
【0023】
この実施例では、ベルトコンベヤ8上に、多数の瓶を、20〜29列に整列させて搬送し、各瓶を各バーナーヘッダ3の6個の口焼きバーナー10,10間を順次通過させながら口焼き処理を行うようにしており、すべてのバーナーヘッダ3下を通過しおわったとき、瓶口が完全に成形された状態になるように、各バーナヘッダ3に対する混合ガスの供給量が調節されている。
なお、これらのバーナーヘッダ3のうち両端部に位置するバーナーヘッダ3a,3bについては、保温効率が他のバーナーヘッダ3よりも悪くなるため、同じ搬送速度で他のバーナヘッダ3と同じ強さの燃焼炎を得られるように、口焼きバーナー10を8個設けている。
【0024】
図3は、前記口焼きバーナー10の内部構造を示す。
ノズル本体となる口金部13は、所定の径を有する筒状体14の上部に前記バーナーヘッダ3のガス供給口11にはめ込むためのガス導入管15を一体形成して成るもので、下端部を噴出口16となしている。また内部には、筒状体14の内径に適合する形状のノズル体17が、前記筒状部14の上端より後方であって前記噴出口16よりも手前に位置するように配備される。
なお図中、18は前記した冷却用空気の送出管を、19は前記空気供給管27の分岐管を、それぞれ示す。
【0025】
前記ノズル体17は、図3および図4に示すように、外周面に、複数個の凹溝20を、それぞれ軸方向に対して所定角度(この実施例では約45度の角度)をもって傾斜するように形成しており、ノズル体17を筒状体14の内部にはめ込んだとき、図5に示すように、各凹溝20と筒状体14の内周壁との間に、ノズル体17の上方の環状空間21から下方の開放空間22(燃焼室として機能する)へと至るノズル23が形成される。
なお、この実施例では各凹溝19を断面が3mm×1.5mmの矩形状に設定することにより、ノズル孔23を従来の装置よりも格段に大きく形成している。
【0026】
前記冷却用空気の送出管18は、各口焼きバーナー10の列の両側に平行配備されるもので、適所に、空気噴出用の小孔24が形成されている。これにより各口焼きバーナー10の両側およびその近傍にブロワー冷却用空気が吹き付けられるもので、バーナー部分の異常加熱が防止される。
【0027】
上記の構成によれば、ノズル23が筒状体の内周面に沿って斜め方向に傾斜しているので、ノズル23の開口部から送出されたガスは、筒状体14下方の内周面に沿って勢いよく旋回しながら降下することになる。この場合、ガスはあらかじめ混合されているので、ノズル体17から瓶口までの距離を短くでき、しかもガスの進路上に気体の方向を変更するような部材が存在しないので、燃焼速度が低下せず、安定した燃焼炎を得て瓶口を均一に加熱することができる。
【0028】
また各ノズル23から放出される混合ガスが、噴出口16から旋回しながら勢いよく噴出するので、燃焼領域が広くなり、ベルトコンベヤ8上の瓶が多少位置ずれしていても焼きむらを生じることがない。さらにノズル体17の凹溝20を広く形成することにより、ノズル23を大きく形成できるので、ノズル詰まりが防止される上、燃焼炎の流速が速いため炎が逆流せず、しかも冷却用の空気によりバーナー部分の異常加熱が抑えられるので、バックファイアの発生を防止できる。
【0029】
【発明の効果】
この発明は上記の如く、外周面に軸方向に対して斜めに傾斜する複数の凹溝が平行に形成されたノズル体を、筒状の口金部内において下端の噴出口の手前位置に位置するように配備することにより、前記凹溝と口金部の内周壁との間に、先端が噴出口の上方位置で開口するノズルを形成するように構成した。これにより口金部内に導入された混合ガスは、ノズルより放出した後、口金部の内周壁に沿って旋回しながら勢いよく降下するので、飛び火せず、安定して強い燃焼炎を得ることができる。またあらかじめ混合されたガスを導入するのでノズルから瓶口間での距離を短く設定できる上、混合ガスの進路が妨害されることがないので、燃焼速度が速くなり、瓶口を均一に加熱できる。
【0030】
またノズル体の外周面に凹溝を形成して口金部内に収容するだけでガス噴出用のノズルが形成されるので、構成が簡易化され、製造コストを大幅に削減することができる。
さらに、各ノズルから放出される混合ガスが旋回して勢いよく噴出するので、燃焼領域が広くなり、瓶のピッチが多少位置ずれしても焼きむらが生じることがなく、またノズルを大きくかつ燃焼炎の流速を妨げないように構成できるので、バックファイアの発生を防止できるなど、幾多の顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる瓶口整形用バーナー装置の正面図および側面図である。
【図2】バーナーヘッダの一部を破断した正面図である。
【図3】口焼きバーナーおよび空気送出管の構成を示す断面図である。
【図4】ノズル体の構成を示す斜面図である。
【図5】ノズル体と口金部との関係を示す底面図である。
【図6】従来の先端混合タイプの口焼きバーナーの構成例を示す断面図である。
【図7】図6のバーナーにおいて、空気導入管の構成を示す断面図である。
【図8】従来の元混合タイプの口焼きバーナーの構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガス導管
2 ガス供給管
5 瓶
10 口焼きバーナー
11 ガス供給口
13 口金部
15 ガス導入管
16 噴出口
17 ノズル体
20 凹溝
23 ノズル
Claims (1)
- 燃焼ガスと空気との混合ガスを導く導管の下端に、複数のガス供給口を有するガス供給管が接続されると共に、前記ガス供給管の各ガス供給口に、口焼きバーナーが噴出口を下方に向けてそれぞれ取り付けられており、
前記口焼きバーナーは、
上端に前記ガス供給管のガス供給口に接続されるガス導入口を、下端に前記噴出口を、それぞれ備えた筒形状の口金部と、この口金部の内部であって前記噴出口より手前位置に設けられるノズル体とから成り、
前記ノズル体は、前記口金部の内孔に適合する外形を有し、外周面には軸方向に対して斜めに傾斜する複数の凹溝を平行に形成して、各凹溝の溝壁と口金部の内周壁との間に、先端が前記噴出口の上方位置で開口するノズルが形成されて成る瓶口整形バーナー装置。
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- 1996-03-29 JP JP10435296A patent/JP3785220B2/ja not_active Expired - Fee Related
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