JP3784682B2 - 伝送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既存の伝送装置のアーキテクチャを有し、且つ新規のパケット・スイッチ機能を実現する伝送装置に関する。特に、IP(Internet Protocol)、ATM( Asynchronous Transfer Mode)、フレームリレー(Frame Relay)などのパケットをスイッチング(ルーティング)する機能を備える伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで伝送装置は、TDM(Time Division Multiplex)チャンネル信号を伝送する装置として通信運用会社(キャリア:Carrier)に導入されて来た。近年、その伝送されるトラフィックの実態は、IP、ATM、Frame Relay等のパケットの形態を取るものが主流となってきている。
【0003】
そして、現在のネットワークの一形態として、図1に示す様に、IPパケットはISP(Internet Service Provider)200のルータ、アグリゲータ201等によりルーティングされ、キャリア100の伝送装置101により長距離に伝送される。
【0004】
この時、キャリア100の伝送装置101は、STS-n(n=1/3/12/48)多重化単位の信号を、クロスコネクト部(方路振り分け手段)により予め設定されたパス(物理チャネル)上を1対1(ポイント・ツー・ポイント:Point-to-Point)に専用的に接続して長距離伝送している。したがって、パケット・トラフィックはTDMチャンネルとして扱われ、“パケット”という情報単位を認識して処理することは行っていない。
【0005】
このために、かかる伝送形態では、パケット・トラヒックの1対n(ポイント・ツー・マルチポイント:Point-to-Multipoint)接続を実現しようとする場合、必要となるクロスコネクト部本数は膨大となり、伝送装置の構成上不経済となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このためにキャリア(Carrier)100では、図2に示すように、IPトラフィック300を一旦終端し、パケット毎に集線又は分岐するアグリゲータ又はルータ102を導入して、ノード間の1対n(ポイント・ツー・マルチポイント:Point-to-Multipoint)接続本数を削減させている。
【0007】
しかし、この際、キャリア(Carrier)100は新規にルータ又は、アグリゲータ102を導入しなければならず、その設備投資、設置場所の確保、メンテナンスの差異などに対応しなければならなかった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、既にキャリアに設置されている伝送装置にパケット処理機能を付加して、1対n(ポイント・ツー・マルチポイント:Point-to-Multipoint)接続のためのクロスコネクト部の本数を削減可能とすることにある。
【0009】
また、本発明の目的は、新規にルータ、アグリゲータを用意すること無く従前のメンテナンスで効率的なパケット・トラヒック伝送を可能とする伝送装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の本発明の課題を解決する本発明に従う伝送装置の第1の態様は、多重化パケット信号を所定の方路に分岐するクロスコネクト部を有するスイッチ盤と、パス上を伝送される多重化信号を前記クロスコネクト部との間でインタフェースする複数のインタフェース盤とを有し、前記複数のインタフェース盤の少なくとも一つが、前記多重化パケット信号をそれぞれのパケットに分離し、前記分離されたパケットを所定のパスにルーティングするパス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤であることを特徴とする。
【0011】
さらに、上記の本発明の課題を解決する本発明に従う伝送装置の第2の態様は、前記第1の態様において、前記スイッチ盤と、複数のインタフェース盤は、シェルフ筐体のスロットに挿入され、前記シェルフ構成のバックボード接続により相互に接続されていることを特徴とする。
【0012】
また、上記の本発明の課題を解決する本発明に従う伝送装置の第3の態様は、前記第1の態様において、前記パケットは、IP(Internet Protocol)、ATM(Asynchronous Transfer Mode)若しくはフレームリレーパケットであることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、上記の本発明の課題を解決する本発明に従う伝送装置の第4の態様は、前記第1の態様において、前記分離されたパケットを所定のパスにルーティングするパス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤を複数個有し、前記複数の特定インタフェース盤は、それぞれ拡張インタフェースを有し、自インタフェース盤が収容するパス宛てのパケットは自インタフェース盤内で所定のパスにルーティングし、自インタフェース盤で収容するパス宛以外のパケットは、前記拡張インタフェースを通して、該当するパスを収容する他の特定インタフェース盤に送ることを特徴とする。
【0014】
さらに、上記の本発明の課題を解決する本発明に従う伝送装置の第5の態様は、前記第1の態様において、前記分離されたパケットを所定のパスにルーティングするパス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤は、現用/予備の冗長構成を成し、前記インタフェース盤から多重化信号を前記パス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤へ送る際に、前記スイッチ盤のクロスコネクト部による1:2接続により、現用側及び及び予備側の特定インタフェース盤へ同じ信号を伝達することを特徴とする。
【0015】
また、上記の本発明の課題を解決する本発明に従う伝送装置の第6の態様は、前記第5の態様において、前記現用/予備の特定インタフェース盤から前記スイッチ盤へのルーティングされたパケットの転送は、前記スイッチ盤のパス・スイッチ機能による2:1セレクタにより、前記現用又は予備の特定インタフェース盤のいずれかからの信号を選択してクロスコネクト部に接続することを特徴とする。
【0016】
本発明の特徴は、以下に図面に従い説明される発明の実施の形態から更に明らかになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。なお、図に示される実施の形態は、本発明の理解のためのものであって、本発明の適用がこれに限定されるものではない。
【0018】
図3は、本発明の概念を説明するSONET(Synchronous Optical Network)/SDH(Synchronous Digital Hierarchy) 伝送装置の概略図である。図において、一般的なSONET/SDH伝送装置1では、光、もしくは電気回線インターフェースを収容するインタフェース盤10,11,12と、クロスコネクト部を収容するSTSスイッチ(STS−SW)盤13を有して構成される。
【0019】
かかる一般的なSONET/SDH伝送装置1の構成においては、STS-n(n=1/3/12/48)多重化信号の単位で、STS−SW盤13のクロスコネクト部により設定されたパスの方路から受信され、あるいは設定されたパスの方路に送り出される。
【0020】
これに対し、本発明の特徴は、伝送装置1において、パケット単位にパスを切り替えるパケット・スイッチ処理機能を有するインタフェース盤(以降、本発明の説明において、サービス・カードという)14を、インタフェース盤用挿入コネクタに既存のインタフェース盤と差し替え、あるいは新規に挿入可能とされていることにある。
【0021】
図4は、かかるサービス・カード14の詳細を説明する図である。図4において、STS−SW盤13により分岐された多重化パケットは、シリアル・パラレル変換部20によりパラレル信号に変換され、多重分離部21で個々のパケットに分離される。
【0022】
ついで、パケットは、パケット・スイッチ部22で所定のパスに乗せられ、多重化部23あるいは、後に説明するようにスイッチ容量を大きくするために図示しない別のサービス・カードとを接続するための拡張インタフェース25に出力される。
【0023】
したがって、図4に示すパケット・スイッチ部22には、拡張インタフェース25を通して、図示しない別のサービス・カードのパケット・スイッチ部22より出力されたパケットも入力可能である。
【0024】
多重分離部21からのパケット及び、拡張インタフェース25を通して送られる別のサービス・カードからのパケットに対し、パケット・スイッチ部22でパスの切り替えが行われ、多重化部23に入力する。多重化部23で多重化されたパケットは、パラレル・シリアル変換部24を通してSTS−SW盤13に入力される。
【0025】
この様に、本発明によりサービス・カード14を用いてパケット単位でパスを切り替えることができるので1対n(ポイント・ツー・マルチポイント:Point-to-Multipoint)接続のためのSTS−SW盤13におけるクロスコネクト部の本数が削減可能である。
【0026】
さらに、サービス・カード14は、既存のインタフェース盤と差し替え可能の構成であるので、既設の伝送装置に容易に取り付けて、機能を拡張することが可能である。
【0027】
図5は、既存の伝送装置の実装構成例を示し、本発明のサービス・カード14の取り付けを説明する図である。
【0028】
図5に示す例において、STS−SW盤13−1,13−2は、現用と予備の二重化構成を有し、複数のインタフェース盤(#1〜#10)10,(#11〜#20)12は、それぞれ現用と予備のSTS−SW盤13−1,13−2に選択的に接続される冗長回路構成を有している。
【0029】
二重化されたSTS−SW盤13−1,13−2の構成は共通であり、クロスコネクト部130、SONET/SDH系救済スイッチ131,132及び、BLSR(Bidirectional Line Switched Ring)保護パス経路133を有している。
【0030】
図5の下側に示されるのは、伝送装置を収容するシェルフ構成であり、インタフェース盤用スロット(a)が20個あり、STS−SW盤用スロット(b)が現用/予備構成で2個用意されている。
【0031】
また、伝送装置のバックボード接続において、図示されるインタフェース盤用スロット(a)とSTS−SW盤用スロット(b)が接続されている(ここでは、各2.4G容量単位で接続されている)。
【0032】
インタフェース盤10,12のいずれのチャンネルも、STS−SW盤13−1,13−2のクロスコネクト部130を経由して、他のインタフェース盤のチャンネルへ接続される。
【0033】
かかる伝送装置において、本発明に従いパケット・スイッチ機能を提供するにあたり、留意すべき事項は、パケット・チャンネルもSONET/SDH系救済ドメイン配下でなければならないということである。
【0034】
例えばOC-48 BLSR(Bidirectional Line Switched Ring)を構成している中で、該当のチャンネルがパケット・チャンネルである場合、そのパケット・チャンネルは他のTDMチャンネル同様、BLSRの救済ドメイン配下で救済対象のチャンネルであるということである。
【0035】
パケット・チャンネル間では、パケット・スイッチ部22(図4参照)によりパケット単位のスイッチング/ルーティングが行われる。
【0036】
このことは、既存の伝送装置において、STS-SW盤13−1,13−2内のSONET系救済スイッチを通過した主信号間において、パケット・スイッチ処理が行われなければならないことを意味している。つまり、理想的には、パケット・スイッチ部22は、STS-SW盤13−1,13−2内に搭載すべきであることがわかる。
【0037】
ここで、通常、クロスコネクト部130を収容するSTS−SW盤13−1,13−2は多くの主信号が集中するため、回路集積度の高いユニットとなる。LSI部品数、消費電力、実装面積などにおいて、設計条件が厳しくなっている。
【0038】
図5の伝送装置では、50G容量(STS-1が960チャンネル)を収容している。そのため理想的には、このSTS−SW盤13−1,13−2にパケット・スイッチ機能を搭載できれば良いが、図5下部に示すように伝送装置機能を収容するのに最適な実装構造上の大きさのスロットであるため、新たにパケット・スイッチ機能回路を追加することは、これらの理由により実現が非常に難しい。
【0039】
したがって、本発明では、インタフェース用スロット(a)に図4に説明したサービス・カード(パケット・スイッチ部)14を配置し、パケット・チャンネルとの接続はSTS-SW盤のSONET系救済スイッチ131,132を通過した主信号とクロスコネクト部接続するように構成する。
【0040】
これにより、SONET系ネットワークに重畳(overlay)するパケット・スイッチ機能を提供することが可能である。
【0041】
図6は、サービス・カード14と二重化構成のSTS−SW盤13−1,13−2との接続を説明する図である。
【0042】
二重化構成のSTS−SW盤13−1,13−2に対応してパケット・スイッチ機能を有するサービス・カード14においては、カード冗長構成14−1,14−2をとり、一方が障害時にカード切替えが行われ救済されることが求められる。しかし、伝送装置の拡張としては、サービス・カード14に対して冗長構成用セレクタを特に用意する必要はない。図6に示す様に、他のインタフェース盤12と同様に、図5に示すインタフェース用スロット(a)に挿入するのみでよい。
【0043】
図7に、冗長構成のサービス・カード14―1,14−2とSTS−SW盤13−1,13−2との具体的接続例を示す。この図の例では、冗長構成のサービス・カード14―1,14−2はスロット(A1),(A2)に接続し、回線側インタフェース盤12はスロット(X1)、(X2)によりOC48 1+1、スロット(Y1)、(Y2)によりOC48 UPSR、スロット(Z1)、(Z2)によりOC48 2F-BLSRを構成している。
【0044】
パケット・チャンネルのデータの流れにおいて、サービス・カード14−1、4−2からSTS−SW盤13−1、13−2への流れ、STS−SW盤13−1、13−2からインタフェース盤12への流れの2個所で冗長構成が求められる。
【0045】
サービス・カード14−1、14−2からSTS−SW盤13−1、13−2の流れにおける冗長構成のために、クロスコネクト部130を含んで構成されるLSIにおける2つのスロット(A1,A2)がサービス・カード14−1、14−2との接続に使用される。
【0046】
但し、STS−SW盤13−1、13−2からインタフェース盤12への冗長構成は、インタフェース盤12のSONETネットワーク構成(1+1, UPSR,BLSRなど)による回線救済方式がカード障害時にも動作して救済するので、サービス・カード13−1、13−2には依存するものではない。
【0047】
STS−SW盤13−1、13−2からインタフェース盤12への冗長構成のために、(1+1)ネットワーク構成では、現用と予備のインタフェース盤に対してクロスコネクト部130における2つのスロット(X1),(X2)が使用される。また、UPSR及びBLSRネットワーク構成では、EASTとWEST側のインタフェース盤に対してクロスコネクト部130におけるそれぞれ2つのスロット(Y1),(Y2)及び(Z1),(Z2)が使用される。
【0048】
一方、インタフェース盤12の各回線カードからSTS-SW盤の現用/予備への信号は、回線カード内の分岐ブロック26(図7参照)により2分岐され、現用STS-SW盤13−1、予備STS-SW盤13−2にそれぞれスロット(X1、X2)、(Y1、Y2)、(Z1、Z2)により接続される。
【0049】
STS-SW盤13−1,13−2のそれぞれには、現用回線及び予備回線スロット(X1、X2)、(Y1、Y2)、(Z1、Z2)に同一信号が入力され、各SONET救済構成(1+1, UPSR, BLSRなど)に従ったスイッチが構成されている。
【0050】
SONET系救済スイッチを通過したチャンネルのうちパケット・チャンネルは、サービス・カード14−1,14−2に接続する必要があるため、クロスコネクト部130により、サービス・カード14−1,14−2が実装されているスロット(A1),(A2)のチャンネルに接続される。
【0051】
この時、現用/予備のサービス・カード14−1,14−2の両方へ同一信号を渡す必要があるため、クロスコネクト部130において、仮想的にOC48 USPRとみなして、1:2ブリッジ接続が行われる。この1:2ブリッジ接続は、通常のUPSR構成時と同じ接続構成である。
【0052】
さらに、図8により、現用/予備のサービス・カード14−1,14−2から回線側インタフェース盤12へのパケットの流れにおける冗長構成を説明する。
【0053】
現用/予備のサービス・カード14−1,14−2から現用/予備STS-SW盤13−1,13−2のへの信号は、インタフェース盤12からのデータの流れと同様であり、サービス・カード14−1,14−2内の分岐ブロック27(図7参照)により2分岐され、現用STS−SW盤13−1、予備STS-SW盤13−2へ接続される。
【0054】
STS-SW盤13−1,13−2には、現用サービス・カード・スロット(A1)、予備サービス・カード・スロット(A2)から同一信号が入力される。ここでは、仮想的に構成されているUPSRのパス・スイッチ32−1,32−2によっていずれか一方の信号が選択される。
【0055】
サービス・カード14−1,14−2からの信号で、このパス・スイッチ32−1,32−2を通過したチャンネルは全てパケット・チャンネルであるが、これらのチャンネルは、クロスコネクト部130により回線側のチャンネルと接続される。
【0056】
STS-SW盤13−1,13−2から回線側インタフェース盤12への信号は、各スロット毎に構成されているSONET救済構成(1+1, UPSR, BLSRなど)に従った信号分岐が行われる。
【0057】
上記の様にサービス・カード14−1,14−2の現用、予備スロット(A1),(A2)からSTS−SW盤13−1,13−2へのデータの流れにおいて、クロスコネクト部130の内部では、該当のサービス・カードが実装されているスロット(A1),(A2)は、あたかも回線側インタフェース盤においてUPSR(Unidirectional Path Switched Ring)が構成されているように仮想する。
【0058】
これにより、既存のハードウエア資産を利用して、現用チャンネルと予備チャンネル間において、パス・スイッチ32−1,32−2を構成し、サービス・カード14−1,14−2のカード障害にも切り替え救済を実現することができる。
【0059】
次に、インタフェース盤12のパケット・チャンネルからサービス・カード14−1,14−2へのデータの流れにおける冗長構成について図9により説明する。
【0060】
図9において、インタフェース盤12からSTS−SW盤13−1、13−2の流れ、STS−SW盤13−1、13−2からサービス・カード14−1,14−2への流れの2個所で冗長構成が必要である。
【0061】
但し、インタフェース盤12からSTS−SW盤13−1、13−2への冗長構成は、インタフェース盤12のSONETネットワーク構成(1+1,USPR, BLSRなど)による回線救済方式がカード障害時にも動作して救済するので、サービス・カード14−1、14−2に依存するものではない。
【0062】
STS−SW盤13−1、13−2からサービス・カード14−1,14−2の現用、予備スロット(A1)、(A2)の流れにおいて、STS−SW盤13−1、13−2の内部では、該当のサービス・カードが実装されているスロットは、あたかも回線側のUPSR(Unidirectional Path Switched Ring)が構成されているように仮想する。
【0063】
これにより、既存のハード資産を利用して、現用チャンネルと予備チャンネルにおいて、1:2のブリッジ接続33をクロスコネクト部130で構成することにより、同一信号を2枚のサービス・カード14−1,14−2に接続することができる。
【0064】
ここで、サービス・カード14−1,14−2が実装される回線インタフェース盤用スロット(a:図5参照)は、予めSTS-SW盤13―1,13−2との接続容量が決められている。
【0065】
図5に示した例では各スロット当たり2.4G容量である。ここで、インタフェース用スロット(a)の上下例えば、IF19,IF9の2つのスロットを連続して用い、2倍の5Gパケット・スイッチング容量を持たすことが可能である。
【0066】
しかし、この手法による容量拡張は、サイズの大きいサービス・カードを用意しなければならないというデメリットがある。ここで、先に図4で説明したサービス・カードの拡張インタフェース25を通して、サービス・カード同士を相互接続することにより、実質のパケット・スイッチ容量を任意に増加することが可能である。
【0067】
図10は、5G容量のサービス・カード2組(14−1/14−2,15−1/15−2)を使用する10Gパケット・スイッチの構成例を示す図である。図11は、5Gサービス・カード3組(14−1/14−2,15−1/15−2,16−1/16−2)を使用する15Gパケット・スイッチの構成を示す図である。
【0068】
現用及び予備側のそれぞれにおいて、図10においては2個のサービス・カードが、図11においては3個のサービス・カードがリング接続されている。
【0069】
かかる構成において、図10,図11において、回線インタフェース盤12側のパケット・チャンネルは、いずれかの現用サービス・カード14,15,16にSTS−SW盤13―1、13−2でクロスコネクト部接続される。
【0070】
同一のサービス・カードに接続されているパケット・チャンネル間では、パケットのスイッチングは同一カード内で処理される。異なるサービス・カードに接続されているパケット・チャンネル間では、パケットは拡張インタフェース25を経由して、直接接続される他方のサービス・カードに渡される。
【0071】
この時、サービス・カードでの判定は、自カードに接続されているチャンネル宛てであるか否かが判定され、そうであれば該当チャンネルにスイッチする。そうでなければ拡張インタフェース25へスイッチし、該当チャンネルを収容するサービス・カードに送られる。
【0072】
図11のように3組以上のサービス・カードがリング形態に接続されている場合、エラー・パケット等がサービス・カード間をループする可能性があるため、装置内にTTL(Time To Live)によるループ回避処理が行われる。
【0073】
図12に、各回線カード内のチャンネル単位のクロスコネクト部接続例を示す。図において、実線はパケット・チャネルであり、破線はTDMチャネルである。この例では、OC-48 1+1構成されている(X)スロットのx1チャンネル、OC-48 UPSR構成されている(Y)スロットのy2チャンネル、OC-482F-BLSR構成されている(Z)スロットのz3チャンネルがパケット・チャンネルとしてサービス・カード30が実装されている(A)スロットのa1、a2、a3チャンネルにそれぞれクロスコネクト部接続されている。
【0074】
これにより、既存の伝送装置のハード構成を踏襲しつつ、既存のSTS-SW盤を利用しつつ、新たな回線インタフェース・カードの一種類としてサービス・カードを用いることにより、TDMクロスコネクト部とパケット・スイッチ機能を同時に提供できる。
【0075】
(付記1)多重化パケット信号を所定の方路に分岐するクロスコネクト部を有するスイッチ盤と、
パス上を伝送される多重化信号を前記クロスコネクト部との間でインタフェースする複数のインタフェース盤とを有し、
前記複数のインタフェース盤の少なくとも一つが、前記多重化パケット信号をそれぞれのパケットに分離し、前記分離されたパケットを所定のパスにルーティングするパス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤である
ことを特徴とする伝送装置。
【0076】
(付記2)付記1において、
前記スイッチ盤と、複数のインタフェース盤は、シェルフ筐体のスロットに挿入され、前記シェルフ構成のバックボード接続により相互に接続されている
ことを特徴とする伝送装置。
【0077】
(付記3)付記1において、
前記パケットは、IP(Internet Protocol)、ATM(Asynchronous Transfer Mode)若しくはフレームリレーパケットであることを特徴とする伝送装置。
【0078】
(付記4)付記1において、
前記分離されたパケットを所定のパスにルーティングするパス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤を複数個有し、
前記複数の特定インタフェース盤は、それぞれ拡張インタフェースを有し、自インタフェース盤が収容するパス宛てのパケットは自インタフェース盤内で所定のパスにルーティングし、自インタフェース盤で収容するパス宛以外のパケットは、前記拡張インタフェースを通して、該当するパスを収容する他の特定インタフェース盤に送る
ことを特徴とする伝送装置。
【0079】
(付記5)付記1において、
前記分離されたパケットを所定のパスにルーティングするパス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤は、現用/予備の冗長構成を成し、前記インタフェース盤から多重化信号を前記パス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤へ送る際に、前記スイッチ盤のクロスコネクト部による1:2接続により、現用側及び及び予備側の特定インタフェース盤へ同じ信号を伝達する
ことを特徴とする伝送装置。
【0080】
(付記6)付記5において、
前記現用/予備の特定インタフェース盤から前記スイッチ盤へのルーティングされたパケットの転送は、前記スイッチ盤のパス・スイッチ機能による2:1セレクタにより、前記現用又は予備の特定インタフェース盤のいずれかからの信号を選択してクロスコネクト部に接続する
ことを特徴とする伝送装置。
【0081】
【発明の効果】
上記に図面に従い、本発明の実施の形態を説明したように、本発明は、チャンネル単位にパケット終端設定を行うことができるため、一つの伝送装置内において、TDMクロスコネクト部によるチャンネル接続と、パケット・チャンネル間におけるパケット・スイッチング処理を同時に提供できる。
【0082】
さらに、既にサービスインされている伝送装置において、本発明に従うサービス・カードの追加、ソフトウエアのアップグレードにより、パケット・スイッチ機能を提供することできる。
【0083】
さらに、既にキャリア(Carrier)に設置された伝送装置のエンハンス対応により、パケット処理機能が提供され、ノード間の1対n(ポイント・ツー・マルチポイント:Point-to-Multipoint)のためのクロスコネクト部本数を削減し、新規にルータ、アグリゲータを導入することなく、又設置場所を新たに確保する必要もなく、従前のメンテナンスにより効率的なパケット・トラフィックの伝送を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャリアネットワークの一形態を示す図である。
【図2】キャリアネットワークの他の形態を示す図である。
【図3】本発明の概念を説明するSONET(Synchronous Optical Network)/SDH(Synchronous Digital Hierarchy) 伝送装置の概略図である。
【図4】サービス・カードの詳細を説明する図である。
【図5】既存の伝送装置の実装構成例を示し、本発明のサービス・カードの取り付けを説明する図である。
【図6】サービス・カードと二重化構成のSTS−SW盤13−1,13−2との接続を説明する図である。
【図7】冗長構成のサービス・カード14―1,14−2とSTS−SW盤13−1,13−2との具体的接続例を示す図である。
【図8】現用/予備のサービス・カード14−1,14−2から回線側インタフェース盤12へのパケットの流れにおける冗長構成を説明する図である。
【図9】インタフェース盤12のパケット・チャンネルからサービス・カード14−1,14−2へのデータの流れにおける冗長構成について説明する図である。
【図10】5G容量のサービス・カード2組を使用する10Gパケット・スイッチの構成例を示す図である。
【図11】5Gサービス・カード3組を使用する15Gパケット・スイッチの構成を示す図である。
【図12】各回線カード内のチャンネル単位のクロスコネクト部接続例を示す。
【符号の説明】
1 伝送装置
10〜12 インタフェース盤
13 STS−SW盤
14 サービス・カード
13−1,13−2 現用/予備STS−SW盤
14−1,14−2 現用/予備サービス・カード
25 拡張インタフェース

Claims (5)

  1. 多重化パケット信号を所定の方路に分岐するクロスコネクト部を有するスイッチ盤と、
    パス上を伝送される多重化信号を前記クロスコネクト部との間でインタフェースする複数のインタフェース盤とを有し、
    前記複数のインタフェース盤の少なくとも一つが、前記多重化パケット信号をそれぞれのパケットに分離し、前記分離されたパケットを所定のパスにルーティングするパス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤である
    ことを特徴とする伝送装置。
  2. 請求項1において、
    前記スイッチ盤と、複数のインタフェース盤は、シェルフ筐体のスロットに挿入され、前記シェルフ構成のバックボード接続により相互に接続されている
    ことを特徴とする伝送装置。
  3. 請求項1において、
    前記パケットは、IP(Internet Protocol)、ATM(Asynchronous Transfer Mode)若しくはフレームリレーパケットであることを特徴とする伝送装置。
  4. 請求項1において、
    前記分離されたパケットを所定のパスにルーティングするパス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤を複数個有し、
    前記複数の特定インタフェース盤は、それぞれ拡張インタフェースを有し、自インタフェース盤が収容するパス宛てのパケットは自インタフェース盤内で所定のパスにルーティングし、自インタフェース盤で収容するパス宛以外のパケットは、前記拡張インタフェースを通して、該当するパスを収容する他の特定インタフェース盤に送る
    ことを特徴とする伝送装置。
  5. 請求項1において、
    前記分離されたパケットを所定のパスにルーティングするパス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤は、現用/予備の冗長構成を成し、前記インタフェース盤から多重化信号を前記パス・スイッチ機能を有する特定インタフェース盤へ送る際に、前記スイッチ盤のクロスコネクト部による1:2接続により、現用側及び及び予備側の特定インタフェース盤へ同じ信号を伝達する
    ことを特徴とする伝送装置。
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