JP3784422B2 - 光繊維偏光スクランブラー及びその駆動パラメータ入力方法 - Google Patents

光繊維偏光スクランブラー及びその駆動パラメータ入力方法 Download PDF

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Description

発明の属する技術分野
本発明は偏光スクランブラーに係り、特に少なくとも2個以上の光繊維復屈折変調器を用いて効率的に出力光の偏光度を低める光繊維偏光スクランブラーに関する。
本発明は光繊維偏光スクランブラーの駆動パラメータ入力方法に関し、さらに詳しくは前記光繊維偏光スクランブラーを効率よく駆動させるためにパラメータとしての変調周波数及び変調振幅などを実験によって予め設定した値に入力する、駆動パラメータ入力方法に関する。
従来の技術
偏光スクランブラーは一定の入力光の偏光状態(SOP)を変調させ、出力光のあらゆる偏光状態を経験するようにすることで、出力光を一定時間観察する時に前記出力光がまるで偏光されていないかの如く変換させる装置である。
光の偏光がどれほど行われているかを示す指数を偏光度(DOP)とする。完全に偏光されている光の偏光度は100%であり、全く偏光されていない光の偏光度は0%である。偏光スクランブラーはこのような偏光度を低める役をする。理想的な偏光スクランブラーは100%の偏光度を有する入力光を変換させて出力光の偏光度が0%となるようにするものである。
偏光状態に応じて光出力が変わる素子または光システムでこのような偏光スクランブラーを用いると、安定な光出力を得ることができるので、光繊維素子の測定システム、光繊維センサ、そして長距離光通信で偏光スクランブラーを用いて雑音対信号比を向上させることができる。
一定に偏光されている入力光は、復屈折媒質、特に光繊維に沿って進む場合、復屈折の大きさと復屈折軸の角度によって出力光の偏光状態が決定される。しかし、数メートル以上の長い光繊維を伝播した光は、光繊維に加えられた復屈折の流動のために出力光の偏光状態が一定でなく、その予測や調整も難しい。しかし、復屈折の大きさまたは復屈折軸の角度を変化または変調させることにより、出力光の偏光状態を変化または変調させることもできる。従って、人為的に偏光状態を一定に変調させて出力光の偏光度を0に近づけることにより、出力光の揺動を防止することができる。
もし入力光の偏光方向が復屈折変調器の復屈折軸方向と一致する場合は、復屈折の大きさのみで出力光の偏光状態の変化を誘導することができなくなる。従って、復屈折の振幅変調を用いて入力偏光の状態に関係なく出力光の偏光変調を誘導するためには、少なくとも2つの偏光変調器を互いに復屈折軸が45°を成すようにしなければ、最も大きい偏光変調効果を期待することができない。
従来では直接光学回路、例えばリチウムニオブ酸塩(LiNbO3)光導波路に復屈折変調を誘導して偏光スクランブラーを具現したが、このような偏光スクランブラーは効率が悪く、2つ以上の復屈折変調器を連結し難く、且つ連結時の光損失が大きいという短所があった。
光繊維を用いた偏光スクランブラーに関する技術は、米国特許第4,923,290号にその基本概念が開示されている。しかし、これを実施する装置を具現するに当たって、光繊維に直接圧力を加える方法でスクランブラーを具現するために、復屈折を誘導し得る装置の効率が非常に悪く、スクランブルする周波数も数百Hz以下に低すぎるとともに、復屈折軸が変わり易くて優れた性能の偏光スクランブラーを具現することが相当難しかった。なお、光繊維の捩りによって誘発される円形復屈折に対する影響を防止しようとする如何なる考慮も行われなかった。
一方、韓国特許出願第94−36432号には、中空円筒体圧電素子を用いた光繊維復屈折変調器によって入力光の偏光状態に関係なく出力光の偏光変調を行う技術が開示されている。しかし、ここでも、隣接した光繊維復屈折変調器間の捩り角度を45°と規定していて、光繊維の捩りによって誘発される円形復屈折の影響を補償するための手段が全く考慮されていないことが分かる。また、光繊維偏光スクランブラーを駆動する際、必ず必要な駆動パラメータの調節、例えば前記光繊維復屈折変調器に対する変調周波数及び変調振幅をどのように入力させるべきかに対する具体的な説明がなかったので、効率よく光繊維偏光スクランブラーを駆動することが難しいという問題点がある。
発明の開示
従って、本発明の目的は、入力光の偏光状態に関係なく出力光の偏光変調が効率よくできるようにする光繊維偏光スクランブラー及びその駆動パラメータ入力方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、数百KHz〜数MHz帯の変調周波数を有する、向上した光繊維復屈折変調器を用いて、損失が少なくて入力偏光に関係なく安定な性能を有する光繊維偏光スクランブラー及びその駆動パラメータ入力方法を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、隣接した復屈折変調器の間にある光繊維の捩りによって誘発される円形復屈折の影響を相殺させることのできる構造をもった光繊維偏光スクランブラーを提供するとともに、これを最も効率的に駆動するための駆動パラメータの入力方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の光繊維偏光スクランブラーは、少なくとも2つ以上の中空円筒体形状の圧電素子と、これらの外壁周りに断絶なくそれぞれ巻き付けられた光繊維からなる光繊維復屈折変調器と、前記光繊維復屈折変調器毎に交流電圧を印加することにより、復屈折変調を誘導する交流電圧源を備えた光繊維偏光スクランブラーにおいて、前記圧電素子の外壁周りに巻き付けられた光繊維部分はその部分における円形復屈折の誘導を防止するように前記光繊維軸方向に対する捩り無しに巻き付けられ、入力光の偏光面が隣接復屈折変調器のうち前のものの主軸方向と並んでいる場合、前記偏光面が後の復屈折変調器の主軸方向に対して45±90n°(nは整数)で入力されるために、隣接した復屈折変調器同士の捩りによって誘導される円形復屈折の影響に対する補償手段が設けられたことを特徴とする。
本発明において、前記光繊維復屈折変調器それぞれの圧電素子の厚さモード共鳴周波数が互いに異なるように前記中空円筒体形状の圧電素子それぞれの内壁と外壁間の厚さを相互異にして構成することができる。
また、前記円形復屈折の影響に対する補償手段は、隣接した前記復屈折変調器の復屈折軸間の角度の8%に該当する角度で隣接した前記復屈折変調器に捩りをさらに与えるもので、隣接した前記復屈折変調器間の捩りは1.08×(45±90n)の角度(nは整数)を成すのが好ましい。
前記光繊維には線形固有復屈折の量が5×10-6以下の単一モード光繊維を用いることが好ましい。
また、前記圧電素子に巻き付ける時の光繊維の張力及び前記圧電素子の外壁曲率半径による光繊維の折曲によって誘導される線形復屈折の量が前記光繊維の固有復屈折の大きさより30倍以上を維持するようにし、前記巻き付けられた光繊維は円形復屈折の影響を取り除くように熱処理することがさらに好ましい。
そして、前記圧電素子の外壁周りに前記光繊維軸方向に対する捩り無しに巻き付けられるようにするために、前記光繊維は断面D型であり、前記光繊維の扁平な面を前記圧電素子の外壁周りに沿って巻き付けることもできる。
一方、本発明の光繊維偏光スクランブラーは、前記復屈折変調器の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段によって感知された温度に該当する変調振幅を決定する手段とをさらに備えることができ、前記復屈折変調器の温度を一定に維持する恒温維持手段を更に備えることもできる。
本発明の光繊維偏光スクランブラーの他の構成は、少なくとも2つ以上の中空円筒体形状の圧電素子と、これらの外壁周りにそれぞれ巻き付けられた光繊維からなる光繊維復屈折変調器と、前記光繊維復屈折変調器毎に交流電圧を印加することにより、復屈折変調を誘導する交流電圧源を備えた光繊維偏光スクランブラーにおいて、前記復屈折変調器の隣接したものの間に偏光調節器を挿入したことを特徴とする。
このような構成においても、前記光繊維復屈折変調器それぞれの圧電素子の厚さモード共鳴周波数が互いに異なるように前記中空円筒体形状の圧電素子それぞれの内壁・外壁間の厚さを相互異にすることができる。
前記偏光調節器としては電光繊維インライン偏光調節器を使用するのが好ましい。
また、本構成においても、前記復屈折変調器の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段によって感知された温度に該当する変調振幅を決定する手段とをさらに備えることができ、前記復屈折変調器の温度を一定に維持する恒温維持手段をさらに備えることもできる。
本発明の光繊維偏光スクランブラーの駆動パラメータ入力方法は、少なくとも2つ以上の中空円筒体形状の圧電素子と、断切なく円形復屈折の誘導を防止するように前記光繊維軸方向に対する捩り無しに前記圧電素子の外壁周りにそれぞれ巻き付けられた光繊維からなる光繊維復屈折変調器と、前記光繊維復屈折変調器毎に交流電圧を印加することにより、復屈折変調を誘導する交流電圧源を備えた光繊維偏光スクランブラーの駆動パラメータ入力方法において、前記それぞれの復屈折変調器に印加される交流電圧は互いに異なる周波数の正弦波電圧となるようにし、前記交流電圧の振幅は、光源からの光が入力偏光調節器、前記光繊維偏光スクランブラー、出力偏光調節器及び偏光による損失の大きい光学素子を順次経由した後、光検出器で検知された出力光信号から測定される偏光度が最小となる値に設定することを特徴とする。
ここで、前記復屈折変調器の復屈折変調量を効果的に発生させるため、前記偏光度が5%以内の値を示すようにする、前記圧電素子の厚さモード共鳴周波数近くの値を復屈折変調周波数として用いるのが好ましい。
一方、前記光繊維復屈折変調器それぞれの復屈折変調振幅を第1次ベッセル関数の解となる値から選択されたいずれか一つで駆動するようにすることができる。
なお、前記光繊維復屈折変調器中のいずれか一つの復屈折変調振幅を、第1次ベッセル関数の解となる値から選択されたいずれか一つより10%以内に小さく駆動し、前記光繊維復屈折変調器中のもう一つの復屈折変調振幅を、第1次ベッセル関数の解となる値から選択されたいずれか一つより10%以内に大きく駆動するようにすることにより、入力光の波長による偏光度の依存性を大きく減らすこともできる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の偏光スクランブラーの構成に核心的な素子としての光繊維復屈折変調器の基本構成図である。
図2は、本発明の実施例に用いられた中空円筒体形圧電素子の周波数に対するインピーダンス測定結果を示すグラフである。
図3は、一段型偏光スクランブラーの特性を調査するための装置の構成図である。
図4は、一段型偏光スクランブラーの駆動周波数による印加電圧の温度依存性を測定したグラフである。
図5は、一段型偏光スクランブラーの温度による偏光度の変化を示すグラフである。
図6は、他の大きさをもつ中空円筒体形圧電素子の厚さモードに対して共鳴周波数の近くで測定したインピーダンスを示すグラフである。
図7は、共鳴周波数と反共鳴周波数との間の幾つかの周波数に対して偏光スクランブラーで動作させるために必要な電圧を温度に対して測定した結果グラフである。
図8は、2つの復屈折変調器からなる二段型偏光スクランブラーの基本構成図である。
図9は、入射偏光に関係なく偏光スクランブラーで動作するために必要とする復屈折変調器間の角度を測定したグラフである。
発明の実施の形態
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例について説明する。
図1は本発明の偏光スクランブラーの構成に核心的な素子としての光繊維復屈折変調器を示す図である。図1を参照すると、PZT(Piezoelectric transducer)などの中空円筒体形状の圧電素子10の外壁周りに単一モード光繊維30が、円形復屈折の誘導を防止するように、光繊維30の軸方向に対する捩り無しに巻き付けられている。このような捩りを防止するために、光繊維30の断面形状がD型のものを使用し、その扁平な面を圧電素子10の外壁周りに沿って巻き付けてもよい。一方、交流電圧源40から圧電素子30に特定の振幅の電圧信号が正弦波形で印加されると、光繊維30を進行する光に対して位相変調のみならず復屈折変調まで誘導する。この際、円筒の軸に平行の方向21とこれに垂直、即ち円筒面に垂直の方向22が復屈折軸となり、復屈折変調の大きさは次の数式1となる。
φm=Vmαsin(ωmt) (1)
数式1において、Vmとωmはそれぞれ圧電素子に印加する電圧信号の振幅と角周波数(angular frequency)に該当し、αは光繊維に対する圧電素子の復屈折変調係数を意味する。この係数は圧電素子の大きさと光繊維の種類のみならず、特に印加電圧信号の周波数にも大きく存在する。
このような復屈折誘導は、前記印加した電圧信号の周波数の自乗に比例すると知られている。しかし、任意の周波数では充分な大きさの復屈折変調が難しいため、本発明の方法では円筒形圧電素子の壁厚に該当する共鳴周波数の近くで復屈折変調を行うことにより、前記復屈折変調器の印加電圧に対する効率を向上させることができた。前記共鳴周波数は概ね圧電素子の物質系によって異なるが、大抵次の数式2のように示される。
f・T=200[kHz・cm] (2)
従って、壁厚1mm×5mmの中空円筒体形状の圧電素子を用いると、400kHz〜2MHzの間の共鳴周波数を復屈折変調周波数で活用することができる。
一方、図1の構成を有する復屈折変調器が偏光スクランブラーで作動するためには、入力偏光が直線偏光でなければならなく、偏光面は復屈折軸21及び22に対して45°の角度で合わせなければならない。数式1のように変調されていいる復屈折変調器の復屈折軸に45°傾いた方向の線形偏光を有する入力光に対して変調周期より充分長い時間の平均である出力光の偏光度が0となるためには次の数式3を満足しなければならない。
0(Vmα)=0 (3)
ここで、J0は第1次ベッセル関数を意味する。従って、復屈折変調振幅Vmαが第1次ベッセル関数の解とならなければならなく、このような解には2.405、4.55、・・・・・などがある。復屈折変調係数の大きい周波数を電圧信号の周波数として設定し、変調振幅はVmαが2.405または4.55などとなるように調整しなければならない。
一方、通常の通信用単一モード光繊維を前記圧電素子に巻き付ける時、なるべく線形性の復屈折が前記光繊維に誘導されるようにすべきが、このために本実施例は光繊維自体の復屈折ができる限り小さい光繊維を用いるために、単一モード光繊維として、スパン光繊維(spun optical fiber)を使用した。そして、線形性の復屈折軸がよく調整されるように引長券線を施した後、約100℃で熱処理を行った。
前記引長券線は、圧電素子に巻き付ける時の光繊維の張力及び前記圧電素子の外壁曲率半径による光繊維の折曲によって誘導される線形復屈折の量が前記光繊維の固有復屈折の大きさより30倍以上を維持するようにする条件で行われた。
図2は本発明の実施例に用いられた中空円筒体形圧電素子(直径:1.8″、厚さ:0.1″、長さ:0.9″)の周波数に対するインピーダンス測定結果を示すグラフである。図2を参照すると、約770kHzの共鳴周波数45付近でインピーダンスが一番低く、約875kHzの反共鳴周波数46付近でインピーダンスが一番高いことが明らかである。
このような周波数に対するインピーダンス特性を圧電素子に光繊維を約40回引長券線を施した一つの復屈折変調器からなる1段型偏光スクランブラーの特性を調べた。
図3はこのような1段型偏光スクランブラーの特性を調べるための装置の構成図である。図3を参照すると、光源1は1.55μm波長の偏光された光出力を有するレーザダイオードである。入力偏光調節器52は入力光の偏光状態を調節するためのもので、復屈折変調器の主軸方向に対して入力光の偏光状態が0°、90°または45°である直線偏光を作るためのものである。復屈折変調器の主軸方向に対してを0°または90°の直線偏光を有する入力光を入射する場合、復屈折変調効果は無くなる。復屈折変調効果を最も大きくするために主軸方向に対して45°の傾きとなるように直線偏光を作って復屈折変調器に入力させる。出力光の偏光度は出力偏光調節器53と偏光器54を通過した光を光検出器55で電気信号に変換させて直流成分をオシロスコープ56で測定する。この時、出力偏光調節器53を調節することにより直流成分の大きさ変化の最大値から偏光度を測定する。従って、出力光の偏光度を最小となるように復屈折変調器に印加する正弦波形の電圧振幅を調節することにより、最適の電圧振幅を決定することができる。このような方法によって、光繊維偏光スクランブラーの最適化された駆動パラメータを入力することができる。
その後、図3による実験装置で出力光の偏光度が最小となるように復屈折変調器に印加すべき正弦波形電圧信号の振幅を知るために温度を変化させながら、共鳴周波数(約770kHz)と反共鳴周波数(約875kHz)付近の幾つかの周波数800.8、808.6、835.9、855.5、871.1、890.6kHzに対して測定した結果を図4に示した。図4は1段型偏光スクランブラーの駆動周波数による印加電圧の温度依存性を測定したグラフである。図4を参照すると、共鳴周波数の近くに近付けるほど電圧信号の振幅が最小となり、反共鳴周波数に近接するほど振幅は増加しなければならないことを示す。そして、このような範囲の周波数の外では復屈折変調量が小さくて出力偏光度5%未満に維持することが難しかった。また、復屈折変調器の外部温度が増加すれば、電圧信号の振幅は減少させなければならないことが分かった。
したがって、図4に示した結果から明らかなように、光繊維偏光スクランブラーの駆動パラメータを入力するに当たって、圧電素子の厚さモード共鳴周波数を復屈折変調周波数として用いることが好ましい。しかし、復屈折変調周波数が必ず一つの共鳴周波数値に限られず、共鳴周波数付近の値を選択するが、出力偏光度が5%以内の値を維持する範囲の値を用いてもよい。
図5は1段型偏光スクランブラーの温度による偏光度の変化を示すグラフである。図5の結果を得るために、常温で偏光度が最小となるようにそれぞれの周波数で電圧信号の振幅を調整した後、復屈折変調器の温度を変化させながら偏光度を測定した。図4から分かるように、印加電圧が一定の場合、温度が増加するほど復屈折変調量が2.405より大きくなって偏光度が増加した。0℃〜60℃の範囲で偏光度を10%未満に維持するには、前記印加電圧信号の振幅を温度に対して補償する必要がある。これを線形に近似させて温度に対して補償することにより、広い温度範囲で低い偏光度を維持することができた。
一方、駆動電圧を温度に対して補償を行わない場合には、共鳴周波数における駆動が反共鳴周波数における駆動よりさらに広い温度で偏光度を低く維持することができる。このような温度の補償は、前記復屈折変調器の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段によって感知された温度に該当する変調振幅を決定する手段とから具現することができる。
このような温度補償の他にも、前記復屈折変調器の温度を一定に維持する恒温維持手段を用いて温度変化による偏光度の劣化を防止することができる。
図6は異なる大きさの中空円筒体型圧電素子(直径:1”、厚さ:0.06”、長さ:0.5”)の厚さモードに対して共鳴周波数の近くで測定したインピーダンス結果を示すグラフである。
図7は共鳴周波数と反共鳴周波数との間の幾つかの周波数1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.55、1.6MHzに対して偏光スワランブラーで動作させるために必要な電圧を温度に対して測定した結果である。ここからも明らかなように、共鳴周波数1.25MHzで偏光スクランブラーによって動作させる時が温度に対する性能の低下を防止することができる。共鳴周波数は円筒形圧電素子の厚さによって決定され、このような特性を用いて温度補償がなくても温度に対して安定し、電気的効率の高い偏光スクランブラーを製作することができる。
一方、1段型偏光スクランブラーは、入力偏光の状態に応じてその性能が大きく劣化するという短所があるので、入力偏光状態に関係ない偏光スクランブラーを製作するためには復屈折変調器を2つ以上用いる必要がある。それぞれの復屈折変調器の復屈折軸は互いに45°の角度を成すべきである。即ち、1次復屈折変調器の復屈折軸と並んでいる方向の直線偏光を有する入力光が入ってくる場合、前記1次復屈折変調器は前記入力光に何の効果も与えないので、前記直線偏光に対して復屈折軸が45°の角度を成す2次復屈折変調器を通過しながら、偏光スクランブリングの効果を有する。
正弦波形の電圧信号で復屈折変調を生じさせると、入力偏光の状態に関係なく出力光の偏光度を0に維持するためには、それぞれの復屈折変調振幅は次の数式4を満足しなければならない。
0(Vm1α1)=J0(Vm2α2)=0 (4)
ここで、J0は第1次ベッセル関数であり、復屈折変調振幅Vm1α1とVm2α2は第1次ベッセル関数の解とならなければならなく、このような解は2.405、4.55、………等がある。復屈折変調係数の大きい厚さモードの共鳴周波数を電圧信号の周波数として設定するが、2つの周波数の差異は出力信号の帯域幅より充分小さくなるべきであり、振幅はVmαが第1次ベッセル関数の解、例えば2.405または4.55の値を有するように調整しなければならない。
図8は2つの復屈折変調器からなる2段型偏光スクランブラーの基本構成図を示す。2つの復屈折変調器を結ぶ光繊維は断絶なく一体となるように構成し、それらの間の角度は光繊維を捩ることにより角度を調整した。一方、光繊維を捩った場合には光繊維に円形復屈折が誘導され、偏光面は捩れた角度(22°〜24°の間の角度)の約8%程度を回転する。勿論、このような回転度が成立するためには、それぞれの復屈折変調器に巻き付けられた光繊維部分は、光繊維軸方向に対する自体の捩りがあればいけない。
従って、隣接した2つの復屈折変調器に断絶なくそれぞれ巻き付けられた光繊維からなる偏光スクランブラーにおいて、入力光の偏光面が1次復屈折変調器の主軸方向と並んでいる場合、2次復屈折変調器の主軸方向に対して45°で入力されるためには、2つの復屈折変調器間の捩りは、45°の角度に円形復屈折の誘導による偏光面の回転効果を補償するための角度を加えて行われるべきである。
即ち、1次復屈折変調器の復屈折軸に並んでいる偏光面が2次復屈折変調器に45°で入力するためには、2つの復屈折変調器が約49°の角度(45+45×0.08)を成すべきである。
図9はこのような条件を検査した結果として、入射偏光に関係なく偏光スクランブラーで動作するために必要とする復屈折変調器間の角度(図8の22°〜24°の角度)を測定したものである。この結果を線形関数で表すと、次の数式5となる。
Y=X+0.08X=1.08X (5)
ここで、Xは45±90nを意味し、これは2次復屈折変調器に入射される直線偏光の前記条件を示す。Yは隣接した2つの復屈折変調器間の実際角度、即ち捩れた光繊維の角度を示す。従って、±49、±146、±243、±340……などの角度を用いることができる。特に、±340の角度を用いると、捩れた状態にある2つの復屈折変調器の高さが減ってしまうので、全体的に小型化された偏光スクランブラーを具現することができる。
そして、円形復屈折の他に別途の偏光調節器を隣接した2つの復屈折変調器の間に置くことにより、復屈折変調器の角度を任意的に設定することもできる。ここに用いられる偏光調節器としては、韓国特許出願第97−20056号に開示された、電光繊維インライン偏光調節器を使用することが好ましい。
以上説明したように、本発明の光繊維偏光スクランブラーは円筒形圧電素子の厚さに対する振動モード共鳴周波数を用いて復屈折変調を効率よく印加することができる。
本発明によれば、光繊維偏光スクランブラーを構成する隣接復屈折変調器の間にある光繊維の捩りによって誘発される円形復屈折の影響を補償することのできる構造をもった光繊維偏光スクランブラーが提供されると共に、これを最も効率的に駆動するための駆動パラメータの入力方法が提供される。

Claims (11)

  1. 少なくとも2つの中空円筒体形状の圧電素子と、これらの外壁周りに巻き付けられた光繊維とを有する光繊維複屈折変調器と、
    前記光繊維複屈折変調器毎に交流電圧を印加することにより、複屈折変調を誘導する交流電圧源と、を備えた光繊維偏光スクランブラーにおいて、
    前記圧電素子の外壁周りに巻き付けられた光繊維部分は、その部分における円形複屈折の誘導を防止するように前記光繊維軸方向に対する捩り無しに巻き付けられ、
    入力光を、その偏光面が隣接した複屈折変調器のうちの前側の変調器の主軸に平行な場合に後側の複屈折変調器の主軸方向に対して45±90n°(nは整数)の角度を形成するように入力するために、隣接した複屈折変調器同士の間の捩りによって生じる円形複屈折の影響を補償する手段を設け、
    前記円形複屈折の影響を補償する手段は、45±90n°(nは整数)の角度の8%に相当する角度で、隣接した前記複屈折変調器に捩りをさらに与えることを特徴とする光繊維偏光スクランブラー。
  2. 前記光繊維複屈折変調器それぞれの圧電素子の厚さモード共鳴周波数が互いに異なるように前記中空円筒体形状の圧電素子それぞれの内壁と外壁間の厚さが互いに異なることを特徴とする請求項1記載の光繊維偏光スクランブラー。
  3. 前記光繊維複屈折変調器を構成する光繊維は、前記2個の光繊維複屈折変調器の間にいずれの接続点(splicing point)も有さないことを特徴とする請求項1記載の光繊維偏光スクランブラー。
  4. 前記光繊維は線形固有複屈折の量が5×10-6未満の単一モード光繊維であることを特徴とする請求項1記載の光繊維偏光スクランブラー。
  5. 前記圧電素子の外壁の曲率半径によって生じた、前記光繊維を張力巻き取り(tension−winding)することで誘導された線形複屈折の量が、前記光繊維の固有複屈折の30倍以上に維持され、前記巻き付けられた光繊維は擬似複屈折を取り除くように熱処理されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光繊維偏光スクランブラー。
  6. 前記光繊維の断面はD型であり、前記光繊維が軸方向に捻られることを防止するために、前記光繊維は、その扁平な面が前記圧電素子の外壁に当接するように巻かれることを特徴とする請求項1記載の光繊維偏光スクランブラー。
  7. 前記複屈折変調器の温度を測定する温度測定手段と、
    前記温度測定手段によって感知された温度に相当する変調振幅を、あらかじめ測定された前記複屈折変調器の温度と変調振幅との関係に基づいて検出する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の光繊維偏光スクランブラー。
  8. 前記複屈折変調器の温度を一定に維持する恒温維持手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の光繊維偏光スクランブラー。
  9. 少なくとも2つの中空円筒体形状の圧電素子と、前記圧電素子の外壁の各々に巻き付けられた継続的な光繊維と、を有する光繊維複屈折変調器と、
    前記光繊維複屈折変調器ごとに交流電圧を印加することにより、複屈折変調を誘導する交流電圧源と、を備えた光繊維偏光スクランブラー用の駆動パラメータ入力方法において、
    前記複屈折変調器の各々に印加される交流電圧は互いに異なる周波数の正弦波電圧となるようにし
    前記交流電圧の振幅は、光源からの光が入力偏光調節器、前記光繊維偏光スクランブラー、出力偏光調節器及び偏光による損失が大きい光学素子を順次経由した後で、光検出器で検知された出力光信号から測定される偏光度が最小となる値に設定され、
    前記入力偏光調節器は、前記光源からの光の偏光状態を調節し、
    前記出力偏光調節器は、出力光の偏光状態を調節し、
    前記圧電素子の厚さモード共鳴周波数をそれぞれ複屈折変調周波数として用いることを特徴とする、光繊維偏光スクランブラー用の駆動パラメータ入力方法。
  10. 前記光繊維複屈折変調器それぞれの複屈折変調振幅を、光繊維複屈折スクランブラーを動作させるための第1次ベッセル関数の解となる値から選択されるいずれか1つで駆動することを特徴とする請求項9記載の光繊維偏光スクランブラー用の駆動パラメータ入力方法。
  11. 前記交流電圧の周波数を、前記圧電素子の厚さモード共鳴周波数の近似値になるように調整することを特徴とする請求項1記載の光繊維偏光スクランブラー。
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