JP3783177B2 - 隠蔽ラベルを備えた葉書用シートと隠蔽ラベルの貼着方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は葉書の隠蔽情報記入部を隠蔽することができるようにした葉書用シートに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来から銀行などの金融業者やデパートなどの大規模小売業者、通信販売業者などにおいて新サービスの案内や新商品の案内を顧客向けに行う場合、その新サービスや新商品の案内状とともに顧客側からの申込を受けるための葉書を併せて提供するようにしており、そして、その案内状と葉書とを組み合わせる手間を省くため、案内状自体に切り取り用ミシン目などを入れて葉書を分離可能にしたものが多く利用されるようになってきている。また、一般的に申し込みなどに用いる葉書には各種の個人情報を記載することから、葉書の送付途中などでこの情報が見られないように隠蔽することが望まれている。このような点から、前述した案内状などにおいても隠蔽部材を備え付けるようにしている。
【0003】
図6と図7は葉書に記載した情報が隠蔽されるようにした隠蔽ラベルを備える葉書用シート1を示していて、この葉書用シート1は二枚の紙片2,3が折り部4を介して連接されて折り部4より折り重ね可能に設けられている。前記二枚の紙片2,3の内、一方の紙片2には、片面を隠蔽情報記入部5とした葉書6が切り取り用ミシン目などからなる分離線7を前記折り部4に沿って、また、下辺側の部分で紙片2の幅方向に入れることによって分離可能に設けられている。そして、隠蔽情報記入部5の折り部4側の辺部に沿って隠蔽ラベル8が綴じ合わされている。この隠蔽ラベル8は隠蔽情報記入部5を覆うことのできる大きさに形成されてその隠蔽情報記入部5の側辺部に綴じ合わせることで対応位置しており、裏面に設けた粘着剤からなる貼着手段9の一辺側を表出させて綴じ部10とし、この綴じ部10によって隠蔽情報記入部5の側辺部に綴じ合わせ、他の部分の貼着手段9は剥離紙11で覆っている。前記貼着手段9は、葉書表面に対して剥離可能に貼着するようにその接着力が調整されている。
上記隠蔽情報記入部5に所要の情報を記載した後には、上記剥離紙11を剥ぎ取って隠蔽ラベル8を貼着すればよく、この隠蔽ラベル8の貼着によって隠蔽情報記入部5が覆われる。そして、上記分離線7から葉書6を分離する。この状態で送付されて受取人側では前記隠蔽ラベル8を剥離して隠蔽情報記入部5に記載されている情報を見ることになる。
しかしながら、上記した葉書用シート1では、葉書6の隠蔽情報記入部5の側辺部に隠蔽ラベル8を綴じ合わせるためのスペースを必要とするために、隠蔽情報記入部5を大きくすることができないという問題がある。
そこで本発明は上記事情に鑑み、隠蔽ラベルで隠蔽情報記入部を覆うことができるようにしながら葉書側に隠蔽ラベルを取り付けるためのスペースを設けないようにすることを課題とし、葉書に広い隠蔽情報記入部を設けるようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、複数枚の紙片が折り部を介して連接して折り重ね可能に設けられ、一つの紙片に、片面に隠蔽情報記入部を有する葉書が切り取り用ミシン目などの分離線から分離可能に設けられた葉書用シートにおいて、剥離可能に貼着する貼着手段を備えてこの貼着手段が剥離紙で覆われた隠蔽ラベルを有し、前記隠蔽ラベルの一辺に該隠蔽ラベルを延設して貼着手段が表出してなる綴じ部を設けるとともに、前記葉書を分離可能に有する紙片に隣り合う隣接紙片に前記綴じ部に対応した綴じ部対応部を設けて、前記綴じ部を綴じ部対応部に剥離可能に綴じ合わせ、前記隠蔽ラベルの綴じ部が剥離可能に綴じ合わされる綴じ部対応部に沿った位置を折り元として葉書側に折り返し可能な切り起こし片を前記隣接紙片に設け、前記切り起こし片を前記隠蔽ラベルの綴じ部側に設けた取り付け部に取り付けて、前記切り起こし片の折り返しとともに、前記隣接紙片の綴じ部対応部から前記綴じ部を剥離した隠蔽ラベルを、葉書の隠蔽情報記入部を覆う位置に平行移動可能に設け、前記隠蔽ラベルに、該隠蔽ラベルが平行移動して隠蔽情報記入部を覆うときの前記分離線に対応位置にして切り取り部を設けたことを特徴とする隠蔽ラベルを備えた葉書用シートを提供して、上記課題を解消するものである。
そして、もう一つの発明は、上記葉書用シートの葉書における隠蔽情報記入部を上記隠蔽ラベルで隠蔽するにあたり、隠蔽情報記入部に所定情報を記載した後に、隠蔽ラベルの綴じ部を隣接紙片の綴じ部対応部から剥離して上記切り起こし片の折り返しにより隠蔽ラベルを葉書側に平行移動させて隠蔽情報記入部に対応位置させ、前記綴じ部を葉書に貼着した後に、剥離紙を剥ぎ取って隠蔽情報記入部全体に隠蔽ラベルを貼着して隠蔽情報記入部を隠蔽することを特徴とする隠蔽ラベルの貼着方法であり、この隠蔽ラベルの貼着方法を提供して上記課題を解消するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図1から図5に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、図6と図7に示す従来例と構成が重複する部分は同符号を付してその説明を省略する。
図1、図2に示すように本発明の葉書用シート1において、葉書6の隠蔽情報記入部5を覆うために用いられる隠蔽ラベル8にあっては、一辺が隣接紙片3側に延設されていて、その延設部分の貼着手段9を上記剥離紙11で覆うことなく表出させた綴じ部10として設けており、この綴じ部10を、葉書6の側方である隣接紙片3の綴じ部対応部12に剥離可能に貼着させることで隠蔽ラベル8が紙片2から隣接紙片3に亘るようにして配置されている。前記綴じ部対応部12にあっては、例えば、隣接紙片3に剥離紙などを固定してなるものとしたり、剥離剤を塗布してなるものとすることができる。
このように隠蔽ラベル8の綴じ部10を隣接紙片3側に位置させていることから、葉書6の隠蔽情報記入部5は従来のようなラベル綴じ合わせ部分で制限されるということがなくなり、広い隠蔽情報記入部5を形成することができる。
【0006】
上記綴じ部対応部12を備える隣接紙片3においては、その綴じ部対応部12に達するように略コ字状の切り込み13を入れてその綴じ部対応部12側を折り元とする切り起こし片14が切り込み形成されており、その切り起こし片14は折り元の部分から葉書6側へと折り起こすようにして回動可能に設けられているものである。
そして、この切り起こし片14の先端は、図示されているように上記隠蔽ラベル8の綴じ部10に沿って設けられた取り付け部15(取り付け部15は、例えば貼着手段9を有しないラベル本体などから形成されている)に連結されており、隠蔽ラベル8の綴じ部10を綴じ部対応部12から剥離した状態で前記切り起こし片14の回動を伴ってその隠蔽ラベル8を葉書6側に平行移動できるように設けられている。また、前記切り起こし片14とこれに連続する前記隠蔽ラベル8の取り付け部15とのそれぞれの長さ(隠蔽ラベルの平行移動方向に亘る長さ)はその隠蔽ラベル8を葉書側に平行移動させたときに綴じ部10が葉書6の上であって上記分離線7に沿って位置するように設定されており、このように隠蔽ラベル8を平行移動させて上記切り起こし片14が折り倒されたときに隠蔽ラベル8が適正に葉書6の隠蔽情報記入部5を覆うように設けられている。このように構成するには、切り起こし片14の折り元から切り起こし片14と取り付け部15とを経て前記綴じ部10に達する有効長さと、前記切り起こし片14の折り元から分離線7までの距離が同じになるようにすればよい。
【0007】
さらに、上記隠蔽ラベル8にあっては、この隠蔽ラベル8を葉書6の隠蔽情報記入部5を覆うために上述のごとく平行移動させた時に、上記分離線7に対応する位置に切取り用ミシン目などからなる切り取り部16が設けられており、後述するように葉書分離時にこの切り取り部16から隠蔽ラベル8が分離できるようにしている。
【0008】
隠蔽ラベル8を用いて隠蔽情報記入部5を隠蔽するには、まず、上記綴じ部10を隣接紙片3の綴じ部対応部12から剥離し、切り起こし片14を葉書6側に折り倒すように回動させながら隠蔽ラベル8を平行移動させる。この平行移動の距離は上述したように綴じ部10が葉書6側での分離線7に沿う位置となるように規制されているものである。平行移動させた後に前記綴じ部10を葉書6に貼着し、その隠蔽ラベル8を捲り上げるようにしながら貼着手段9を覆っている剥離紙11を剥ぎ取って隠蔽情報記入部5に被せ付けるようにすればよく、図3と図4に示すように隠蔽ラベル8が貼着されて隠蔽情報記入部5が隠蔽される。
隠蔽ラベル8は予め葉書6上から隣接紙片3側にスライドした位置に配置され、かつ貼着時に葉書6側へ平行移動させることで隠蔽情報記入部5に対応するように設けられているため、隠蔽ラベル8の貼着時に改めて位置合わせを行う必要はない。 この後、折り部4に沿った分離線7から葉書6を分離すればよく、隠蔽情報記入部5を覆う隠蔽ラベル8も切り取り部16から分離するものであり、よって、隠蔽ラベル8で覆われた葉書6が得られる。
【0009】
上述した例において綴じ部10の貼着手段9は隣接紙片3の綴じ部対応部12に剥離可能に綴じ合わされているが、その綴じ部対応部12は図5(イ)に示すように、綴じ部10を隠蔽ラベル8の一辺を剥離紙11とともに延設したものとし、綴じ部対応部12では、前記綴じ部10の貼着手段9を覆う部分の剥離紙11を分割形成して隣接紙片3に取り付けるようにしてもよい。即ち、綴じ部10の貼着手段9の表出形態が得られるように予め綴じ部10に対応して剥離紙11側にスリットを入れ、このスリットにより分割形成された剥離紙11を隣接紙片3に固定するようにして綴じ部対応部12を形成する。また、図5(ロ)に示すように、取り付け部15にあっては、剥離紙11に貼着手段9が覆われた前記綴じ部10を剥離紙11とともにさらに延設してこれに取り付け片15′を取着することで形成することができ、このようにして形成された取り付け部15に切り起こし片14を取り付けるようにしてもよい。
【0010】
上記した隠蔽ラベル1は隠蔽層を有するラベル片の裏面に上記貼着手段を設けたものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、隠蔽層を有する上ラベル片と裏面に前記貼着手段が設けられている透明な下ラベル片とが疑似接着された構成のものであてもよく、隠蔽ラベル8を貼着した後、上ラベル片を剥離することで下ラベル片を通して隠蔽情報記入部5に記載されている情報を見ることができるようにすることも可能である。図において17は剥離紙11の剥ぎ取りを容易にするためのカス上げである。
実施例においては葉書用シート1として二片の紙片2,3が連接されたものを示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、三枚以上の紙片が連接されて折り重ねできるもの、例えば、葉書部分が内方となるように折り重ねられて封書を形成する封書用紙に実施することもできる。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数枚の紙片が折り部を介して連接して折り重ね可能に設けられ、一つの紙片に、片面に隠蔽情報記入部を有する葉書が切り取り用ミシン目などの分離線から分離可能に設けられた葉書用シートにおいて、剥離可能に貼着する貼着手段を備えてこの貼着手段が剥離紙で覆われた隠蔽ラベルを有し、前記隠蔽ラベルの一辺に該隠蔽ラベルを延設して貼着手段が表出してなる綴じ部を設けるとともに、前記葉書を分離可能に有する紙片に隣り合う隣接紙片に前記綴じ部に対応した綴じ部対応部を設けて、前記綴じ部を綴じ部対応部に剥離可能に綴じ合わせ、前記隠蔽ラベルの綴じ部が剥離可能に綴じ合わされる綴じ部対応部に沿った位置を折り元として葉書側に折り返し可能な切り起こし片を前記隣接紙片に設け、前記切り起こし片を前記隠蔽ラベルの綴じ部側に設けた取り付け部に取り付けて、前記切り起こし片の折り返しとともに、前記隣接紙片の綴じ部対応部から前記綴じ部を剥離した隠蔽ラベルを、葉書の隠蔽情報記入部を覆う位置に平行移動可能に設け、前記隠蔽ラベルに、該隠蔽ラベルが平行移動して隠蔽情報記入部を覆うときの前記分離線に対応位置にして切り取り部を設けたことを特徴とするものである。そして、もう一つの発明は、載の葉書用シートの葉書における隠蔽情報記入部を上記隠蔽ラベルで隠蔽するにあたり、隠蔽情報記入部に所定情報を記載した後に、隠蔽ラベルの綴じ部を隣接紙片の綴じ部対応部から剥離して上記切り起こし片の折り返しにより隠蔽ラベルを葉書側に平行移動させて隠蔽情報記入部に対応位置させ、前記綴じ部を葉書に貼着した後に、剥離紙を剥ぎ取って隠蔽情報記入部全体に隠蔽ラベルを貼着して隠蔽情報記入部を隠蔽することを特徴とする隠蔽ラベルの貼着方法である。このように予め葉書の隠蔽情報記入部に対応して覆うことができるように所要位置に隠蔽ラベルが配置されているので、位置決めを行うことなく貼着が行え、さらに、隠蔽情報記入部に所要の情報を記載した後に、隠蔽ラベルを葉書側に平行移動させ、綴じ部を葉書に貼着さてから全ての貼着手段を表出させて貼着するという簡単な操作により隠蔽が行える。
また、葉書側に隠蔽ラベルが綴じ合わされていないため、隠蔽情報記入部を大きく取ることができ、より多くの情報を記載できるようにその隠蔽情報記入部の拡大化が図り易くなるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る葉書用シートの実施の例を示すもので、(イ)は隠蔽情報記入部がある片面を貼着前の状態で示す説明図、(ロ)は貼着前の状態を断面で示す説明図である。
【図2】実施の例のもう一方の片面を示す説明図である。
【図3】隠蔽ラベルを貼着した状態を示す説明図である。
【図4】隠蔽ラベルを貼着した状態を断面で示す説明図である。
【図5】他の例を示す説明図である。
【図6】従来例を示すもので、(イ)は隠蔽ラベルの貼着前の状態を示す説明図、
(ロ)は同じく貼着前の状態を断面で示す説明図である。
【図7】従来例において隠蔽ラベルを貼着した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…葉書用シート
2…紙片
3…隣接紙片
5…隠蔽情報記入部
6…葉書
7…分離線
8…隠蔽ラベル
9…貼着手段
10…綴じ部
11…剥離紙
12…綴じ部対応部
14…切り起こし片
16…切り取り部
Claims (4)
- 複数枚の紙片が折り部を介して連接して折り重ね可能に設けられ、一つの紙片に、片面に隠蔽情報記入部を有する葉書が切り取り用ミシン目などの分離線から分離可能に設けられた葉書用シートにおいて、
剥離可能に貼着する貼着手段を備えてこの貼着手段が剥離紙で覆われた隠蔽ラベルを有し、前記隠蔽ラベルの一辺に該隠蔽ラベルを延設して貼着手段が表出してなる綴じ部を設けるとともに、前記葉書を分離可能に有する紙片に隣り合う隣接紙片に前記綴じ部に対応した綴じ部対応部を設けて、前記綴じ部を綴じ部対応部に剥離可能に綴じ合わせ、
前記隠蔽ラベルの綴じ部が剥離可能に綴じ合わされる綴じ部対応部に沿った位置を折り元として葉書側に折り返し可能な切り起こし片を前記隣接紙片に設け、
前記切り起こし片を前記隠蔽ラベルの綴じ部側に設けた取り付け部に取り付けて、前記切り起こし片の折り返しとともに、前記隣接紙片の綴じ部対応部から前記綴じ部を剥離した隠蔽ラベルを、葉書の隠蔽情報記入部を覆う位置に平行移動可能に設け、
前記隠蔽ラベルに、該隠蔽ラベルが平行移動して隠蔽情報記入部を覆うときの前記分離線に対応位置にして切り取り部を設けたことを特徴とする隠蔽ラベルを備えた葉書用シート。 - 上記綴じ部は隠蔽ラベルの一辺を剥離紙とともに延設してなり、上記綴じ部対応部は、前記綴じ部の貼着手段を覆う部分の剥離紙を分割形成して上記隣接紙片に取り付けたものである請求項1に記載の隠蔽ラベルを備えた葉書用シート。
- 上記取り付け部は剥離紙に貼着手段が覆われた綴じ部を延設してこれに取り付け片を取着してなるものである請求項2に記載の隠蔽ラベルを備えた葉書用シート。
- 請求項1から3の何れか一項に記載の葉書用シートの葉書における隠蔽情報記入部を上記隠蔽ラベルで隠蔽するにあたり、
隠蔽情報記入部に所定情報を記載した後に、隠蔽ラベルの綴じ部を隣接紙片の綴じ部対応部から剥離して上記切り起こし片の折り返しにより隠蔽ラベルを葉書側に平行移動させて隠蔽情報記入部に対応位置させ、前記綴じ部を葉書に貼着した後に、剥離紙を剥ぎ取って隠蔽情報記入部全体に隠蔽ラベルを貼着して隠蔽情報記入部を隠蔽することを特徴とする隠蔽ラベルの貼着方法。
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