JP3783153B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空調調和機に係り、特に蓄熱熱交換器が設けられ、この蓄熱熱交換器を利用して暖房運転および冷房運転が可能な空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空調調和機においては、冷凍サイクルの信頼性を向上させるために、接続配管長分の冷媒が予め封入される。この場合、必要冷媒量の低減および運転条件の変化によって余剰冷媒が生じるため、この余剰冷媒の貯留が問題となっている。このような問題に対して、特開平6−137690号公報には、室内機の運転範囲の拡大および他機種との共用化を図るために、室内機に電子膨張弁を設けた冷凍サイクルが提案されている。この冷凍サイクルでは、冷房運転時は室外機のキャピラリチューブと室内機の電子膨張弁の二段で減圧し、暖房運転時は室内機の電子膨張弁で減圧し、接続配管を気液二相流状態として、余剰冷媒をアキュームレータに貯留するように構成されている。
【0003】
他方、近年では冷凍サイクルに蓄熱熱交換器が設置された空気調和機が注目されている。蓄熱熱交換器は一般に内部に水を蓄えており、夜間の廉価な電力で水を加熱あるいは冷却して、電力を水の顕熱や潜熱の形で保有し、昼間にそれが熱源として利用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では次のような問題点がある。まず、アキュームレータに冷媒を貯留するように構成された冷凍サイクルでは、運転中の圧縮機の吸入状態は常に少量の液冷媒が含まれ、吸入状態でのエンタルピの上限は飽和蒸気エンタルピである。また、圧縮機から冷媒と共に吐出される冷凍機油の流量が多い場合には、圧縮機へ適正な返油を行うためにアキュームレータ内の油戻し穴径を大きくすることが必要となる。この場合、液冷媒も同時に圧縮機へ吸入される状態となり、吸入冷媒は液冷媒の混入量も増加するため、吸入エンタルピは飽和蒸気エンタルピよりかなり小さくなる。このため、冷凍サイクルの能力を確保するために蒸発器入口冷媒エンタルピを小さくして、蒸発器での冷媒エンタルピ変化量を大きくすることが必要となり、凝縮器での冷媒過冷却度を大きく設定することになる。一定の大きさを有する凝縮器で過冷却度を大きくすることは、凝縮器の一部に伝熱性能が良好でない液冷媒を貯留することになって、冷媒が凝縮する面積が減少する。その結果、冷凍サイクルの高圧圧力が高い運転となるため、圧縮機入力が増加して冷凍サイクルの運転効率が低下する。
【0005】
また、平成7年度日本冷凍協会の学術講演会講演論文集 第13頁〜第16頁の「代替冷媒R407Cを用いたパッケージエアコンの特性」で論じされているように、R22の代替冷媒としてR407Cのような非共沸混合冷媒(HFC32/125/134a:23/25/53wt%)を使用する場合には、アキュームレータのようにかわき度が大きい状態で余剰冷媒を貯留する構成では、封入冷媒の組成と冷凍サイクル内を循環する冷媒の差異が大きくなる問題点がある。すなわち、貯留される冷媒はHFC134aのような低圧冷媒(高沸点冷媒)の比率が大きくなり、冷凍サイクル内を循環する冷媒の組成はHFC32,125の高圧冷媒(低沸点冷媒)の比率が大きくなる。その結果、R22の場合に比べて、冷凍サイクルの高圧圧力が高い運転状態となり、圧縮機入力が上昇し冷凍サイクルの運転効率が低下する。
【0006】
また、非共沸混合冷媒を用いた従来例ではアキュームレータに余剰冷媒すべてを溜めることができないため、受液器が必要となり、冷媒容器の数が増えることによるコストアップの問題や、冷媒は2つの容器に分散して貯留されるので冷凍サイクルの安定性に問題が有る。さらに、冷房運転時は高沸点冷媒が主として冷凍サイクル内を循環するが、暖房運転時には冷媒タンクでガス化する低圧冷媒も循環するので、運転モードによって冷媒組成が大きく変化するという問題点がある。
【0007】
本発明の課題は、非共沸混合冷媒を用いた場合でも、蓄熱手段を備えた冷凍サイクルの運転効率を向上させることができ、また、蓄冷利用運転後の蓄冷起動時に液冷媒が圧縮機に流入するのを防ぐことができる空気調和機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、圧縮機、熱源側熱交換器、受液器および四方弁を有する室外機と、利用側熱交換器および減圧器を有する室内機とが液側冷媒配管およびガス側冷媒配管で連結され、前記圧縮機、四方弁、利用側熱交換器、減圧器、受液器、熱源側熱交換器および四方弁が順次接続されて冷凍サイクルを形成した空気調和機において、前記冷凍サイクルを循環する冷媒と熱交換し該冷媒から得た熱を蓄える蓄熱手段と、前記液側冷媒配管および前記ガス側冷媒配管の流路切換を行って前記蓄熱手段へ冷媒を通流させる流路切換手段とを設ける一方、前記受液器は、前記冷媒を導入または導出するための導入出管のうち、前記熱源側熱交換器に繋がる導入出管の上部に開口部が形成され、この開口部を介して導入出管の内部と受液器内上部のガス冷媒が存在する空間とが連通していることを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、余剰冷媒は室外機が有する受液器に貯留されるが、このとき、受液器はアキュームレータの場合に比べて冷媒のかわき度を小さくすることができる。そして、上記構成では熱源側熱交換器に繋がる導入出管の上部に開口部を設け、この開口部を介して導入出管の内部と受液器内上部のガス冷媒が存在する空間とが連通されているので、かわき度が小さい状態で受液器内の保有冷媒量を制御することが可能となり、これによって、冷媒として非共沸混合冷媒を用いた場合でも、広い運転範囲で高圧圧力を適正な範囲に制御でき、冷凍サイクルの運転効率を向上させることができる。
【0010】
特に、本発明は、前記ガス側冷媒配管と前記蓄熱手段との間にアキュームレータを設け、蓄冷利用運転後の蓄冷起動後に前記蓄熱手段を通流した冷媒を前記アキュームレータを介して前記ガス側冷媒配管に循環させることを特徴とする。また、この場合において、前記液側冷媒配管のうちで前記室外機と前記蓄熱手段との間に、前記受液器とは別の受液器を設けることができる。また、流路切換手段は、開閉弁または四方弁を用いることができる。なお、前記冷凍サイクル内の冷媒は単一冷媒、または沸点の異なる2種類以上の冷媒を用いることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、参考例及び本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(参考例1)
図1は、参考例1の空気調和機の構成を示している。図1において、Aは室外機、Bは室内機、Cは蓄熱機であり、室外機Aと蓄熱機Cは室外に、室内機Bは室内にそれぞれ設置される。室外機A内には、圧縮機10、四方弁20、熱源側熱交換器30および受液器40が設けられ、室内機B内には、電子膨張弁60、利用側熱交換器70が設けられている。また蓄熱機C内には、電子膨張弁90、蓄熱熱交換器100、開閉弁110,120,130が設けられている。室内機Bと蓄熱機Cとは、液側接続配管50およびガス側接続配管80を介して互いに接続されている。そして、圧縮機10、四方弁20、ガス側接続配管80、利用側熱交換器70、電子膨張弁90、液側接続配管50、受液器40、熱源側熱交換器30および四方弁20は順次接続されており、冷凍サイクルを形成している。なお、ここでは、蓄熱熱交換器は蓄熱手段を、開閉弁110、120、130は流路切換手段をそれぞれ構成している。
【0012】
室外機A内の四方弁20は冷暖房運転に応じて冷媒の流れ方向を変えることができ、冷房運転時には実線のように、暖房運転時には破線のように切り替えられる。受液器40には導入出管44,46が設けられ、導入出管44は熱源側熱交換器30に、導入出管46は蓄熱機Cにそれぞれ繋がっている。また、導入出管44の上部には開口部42が形成されており、この開口部42を介して導入出管の内部と受液器42内上部のガス冷媒が存在する空間とが連通している。
【0013】
蓄熱機Cにおいて、蓄熱熱交換器100の一側には電子膨張弁90が設けられ、この電子膨張弁90は配管200を介して液側主配管210に接続されている。液側主配管210は受液器40の導入出管46と液側接続配管50間に設けられ、この液側主配管210には配管200が接続された位置よりも受液器40側寄りの位置に開閉弁130が設けられている。蓄熱熱交換器100の他側は、開閉弁110を有する配管220を介してガス側主配管230に接続されている。ガス側主配管230は四方弁20とガス側接続配管80間に設けられている。また配管220には、蓄熱熱交換器100と開閉弁110間にバイパス配管240が接続され、このバイパス配管240は開閉弁130よりも受液器40側寄りの位置で液側主配管210に接続されている。バイパス配管240の途中には開閉弁120が設けられている。
【0014】
なお、図1において、矢印は冷媒の流れる方向を示しており、実線は冷房運転時、破線は暖房運転時である。矢印に括弧で描かれている記号は、aは蓄熱熱交換器100の蓄冷熱を利用しない通常運転を、bは蓄熱熱交換器100に熱量を溜める蓄冷運転もしくは蓄熱運転を、cは蓄熱熱交換器100の蓄冷熱を利用する運転をそれぞれ示している。
【0015】
次に、通常暖房運転、蓄熱運転、蓄熱利用運転、通常冷房運転、蓄冷運転、蓄冷利用運転の順に説明する。
暖房運転では、室外機Aの四方弁20は流路が図の破線のように切り替えられる。蓄熱熱交換器100の蓄熱を利用しない通常暖房運転では、開閉弁110および120は閉めて、蓄熱熱交換器100に冷媒が流れないようにする。圧縮機100で圧縮された冷媒は、四方弁20、ガス側主配管230、ガス側接続配管80、利用側熱交換器70、電子膨張弁60、液側接続配管50、液側主配管210(開閉弁130)、受液器40、熱源側熱交換器30および四方弁20の順に循環して圧縮機10に戻る。
【0016】
電力を水の顕熱で溜める蓄熱運転では、電子膨張弁60は閉めて、利用側熱交換器70に冷媒が流れないようにし、また開閉弁120は閉めて、冷媒がバイパス配管240に流れないようにする。圧縮機100で圧縮された冷媒は、四方弁20、ガス側主配管230、配管220(開閉弁110)、蓄熱熱交換器100、電子膨張弁90、配管200、液側主配管210(開閉弁130)、受液器40、熱源側熱交換器30、四方弁20の順に循環して圧縮機10に戻る。圧縮機10で圧縮された冷媒は高温高圧の冷媒ガスとなっているので、この冷媒ガスによって、蓄熱熱交換器100内にある水は暖められ、電力を熱量に変換して蓄熱機C内に保有できる。
【0017】
蓄熱機C内に保有した熱量を利用する利用暖房運転では、電子膨張弁60を主膨張装置とし、電子膨張弁90は全開にする。また開閉弁110および130は閉めて、開閉弁120は開けておく。すると、圧縮機100で圧縮された冷媒は、四方弁20、ガス側主配管230、ガス側接続配管80、利用側熱交換器70、電子膨張弁60、液側接続配管50、液側主配管210、配管200、電子膨張弁90、蓄熱熱交換器100、配管220、バイパス配管240(開閉弁120)、液側主配管210、受液器40、熱源側熱交換器30、四方弁20の順に循環して、圧縮機10に戻る。この場合、熱源として、熱源側熱交換器30での熱交換量と蓄熱熱交換器100の蓄熱量の双方が利用できることになり、低圧圧力が上昇し、冷凍サイクルの能力および成績係数(COP)が向上する。
【0018】
冷房運転では、室外機Aの四方弁20は流路が図の実線のように切り換えられる。蓄熱熱交換器100の蓄冷を利用しない通常冷房運転時では、開閉弁110および120は閉めておいて、蓄熱熱交換器100に冷媒が流れないようにする。圧縮機10で圧縮された冷媒は、四方弁20、熱源側熱交換器30、受液器40、液側主配管(開閉弁130)、液側接続配管50、電子膨張弁60、利用側熱交換器70、ガス側接続配管80、ガス側主配管230、四方弁20の順に循環して、圧縮機10に戻る。
【0019】
低温水や氷を作成する蓄冷運転では、電子膨張弁60は閉めておいて、利用側熱交換器70には冷媒が流れないようにし、また開閉弁120は閉めておいて、冷媒がバイパス配管240に流れないようにする。圧縮機10で圧縮された冷媒は、四方弁20、熱源側熱交換器30、受液器40、液側主配管210(開閉弁130)、配管200、電子膨張弁90、蓄熱熱交換器100、配管220(開閉弁110)、ガス側主配管230、四方弁20の順に循環して、圧縮機10に戻る。圧縮機10で圧縮された冷媒は高温高圧の冷媒ガスであるが、熱源側熱交換器30で冷却されて凝縮し、さらに電子膨張弁90で膨張して低温となり、これで蓄熱熱交換器100内の水は冷やされ氷となり、電力を水の顕熱および潜熱量に変換して蓄熱機C内に保有できる。
【0020】
蓄熱機C内に保有した蓄冷量を利用する利用冷房運転では、電子膨張弁60を主膨張装置とし、電子膨張弁90は全開とする。また開閉弁110および130は閉めておく。圧縮機10で圧縮された冷媒は、四方弁20、熱源側熱交換器30、受液器40、液側主配管210、バイパス配管240(開閉弁120)、配管220、蓄熱熱交換器100、電子膨張弁90、配管200、液側主配管210、液側接続配管50、電子膨張弁60、利用側熱交換器70、ガス側接続配管80、ガス側主配管230、四方弁20の順に循環して、圧縮機10に戻る。この場合は、熱源として熱源側熱交換器30での熱交換量と蓄熱熱交換器100の蓄冷量の双方が利用できることになり、高圧圧力が低下し、冷凍サイクルの成績係数(COP)が向上する。
【0021】
また、本実施の形態では、受液器40の導入出管44の上部に開口部42が形成されているので、液側接続配管50および液側主配管210の内部は二相状態で冷媒を保有することになり、配管内の冷媒保有量が減少して必要冷媒量を低減できる。受液器40は二相状態で余剰冷媒を保有することになるが、かわき度が小さいためR22の代替冷媒として知られている非共沸混合冷媒R407Cを用いた場合でも、循環する冷媒組成と封入された冷媒組成とはほぼ同じとなり、高圧圧力が異常に上昇することはない。また、アキュームレータに余剰冷媒を保有する冷凍サイクルに較べて、圧縮機の入口部(蒸発器出口部)の冷媒エンタルピを大きくできるので、利用側熱交換器70で冷媒過冷却度を大きく取る必要がないため、高圧圧力を低くでき、圧縮機入力の低減が図れ、冷凍サイクルの成績係数(COP)が向上する。また、通常暖房運転あるいは利用暖房運転時に熱源側熱交換器に霜が付いた場合、蓄冷運転サイクルとすることにより、室内機に冷媒を流し室内空気を冷やすことなしに、蓄熱槽内の高温の水を熱源として霜を溶かす。
【0022】
以上のように、冷房運転の場合も、暖房運転時の説明で述べたようにアキュームレータに冷媒を貯留する冷凍サイクルに比べて、圧縮機入口部(蒸発器出口)の冷媒エンタルピを大きくできるため、熱源側熱交換器30での冷媒過冷却度を小さくでき、冷凍サイクルの高圧圧力が低下し冷凍サイクルの成績係数(COP)が向上する効果がある。また、熱源側熱交換器の過冷却度が小さいため、熱源側熱交換器保有冷媒量を少なくできる。
【0023】
また、冷房運転および暖房運転とも夜間蓄冷熱運転をし、昼間その蓄冷熱量を熱源に利用することにより電力負荷率の平準化が行える。
【0024】
(参考例2)
図2は、参考例2の空気調和機の構成を示している。参考例2では、参考例1に比べて、蓄熱熱交換器100および電子膨張弁90と開閉弁120との位置が逆になっている。すなわち、電子膨張弁90は、配管200を介して、開閉弁130と受液器40間で液側主配管210に接続され、開閉弁120を有するバイパス配管240は、開閉弁130と液側接続配管50間で液側主配管210に接続されている。他の構成は参考例1の場合と同様である。
【0025】
このように構成すれば、蓄冷熱を利用する利用運転時に電子膨張弁90の開度を変えることで、蓄熱熱交換器100内の冷媒圧力を変化させることができる。その結果、蓄熱熱交換器100内で冷媒温度を制御することが可能となり、蓄冷熱の利用量を制御することができ、さらには蓄冷熱の利用時間を任意に制御することができる。なお、通常運転や蓄冷熱運転では、実施の形態1の場合に比べて大きな差はない。
【0026】
(参考例3)
図3は、参考例3の空気調和機の構成を示している。参考例3では、蓄熱熱交換器100をバイパスしてキャピラリ140が設けられている。すなわち、配管200とバイパス配管240との間を繋ぐようにキャピラリ140が設けられている。他の構成は参考例1の場合と同様である。
【0027】
上記実施の形態2では蓄熱熱交換器100内の冷媒温度を変化させているのに対し、本実施の形態では、キャピラリ140によって、蓄熱熱交換器100に流れる冷媒流量を変化させ、これにより、蓄冷熱の利用量を制御することができる。なお、キャピラリ140を流れる冷媒のバイパス量は電子膨張弁90の開度で調整できる。
【0028】
(実施の形態)
図4は本発明の実施の形態による空気調和機の構成を示している。本実施の形態では、蓄熱熱交換器100とガス側主配管230との間に、アキュームレータ150と開閉弁160を有する配管250が設けられている。具体的には、アキュームレータ150と開閉弁160を有する配管250の一端は、開閉弁120よりも蓄熱熱交換器100側寄りの位置でバイパス配管240に接続され、端端はガス側主配管230に接続されている。他の構成は実施の形態1の場合と同様である。
【0029】
蓄冷利用運転後、蓄熱熱交換器100の伝熱管内には液冷媒が充満しており、そのままの状態で蓄冷運転を行うと、液冷媒は、図中(b)の実線の矢印で示すように流れて圧縮機10に流入し、圧縮機10が液圧縮を起こし壊れてしまう恐れある。
【0030】
しかし、上記構成の本実施の形態では、蓄冷利用運転後の蓄冷運転起動時に、開閉弁110を閉じ、開閉弁160を開くことにより、蓄熱熱交換器100の伝熱管内に充満した液冷媒を、図中(b)の実線の矢印で示すように流してアキュームレータ150に一時溜めておくことができるので、液冷媒が圧縮機10に流入するのを防ぐことが可能となる。そして一定時間後、蓄熱熱交換器100の伝熱管内に液冷媒が存在しなくなったら、開閉弁160を閉じ、開閉弁110を開いて、アキュームレータなしの通常の冷凍サイクルとして運転する。
【0031】
(参考例4)
図5は、参考例4の空気調和機の構成を示している。参考例4では、蓄熱槽Cと室外機Aの間に第2の受液器170が設けられている。すなわち、液側主配管210には、バイパス配管240との接続点よりも受液器40側寄りの位置に受液器170が設けられている。既存の蓄冷熱を行わない室外機Aと室内機Bで構成される冷凍サイクルに、蓄冷熱機能を持たせるため蓄熱機Cを付加する場合を考える。蓄冷利用運転時には蓄熱熱交換器100内の伝熱管は液冷媒が充満するのに対し、その他の運転では過熱ガスあるいは二相状態で冷媒が充満する。そのため、必要冷媒の格差が大きく、蓄熱熱交換器を考えていない既存の受液器40だけでは、余剰冷媒を制御できなくなる。
【0032】
そこで、新たに受液器170を設けることにより、さらに余剰冷媒を溜めることができる。ただし、暖房運転時は受液器40に設けられた開口部42のために受液器が二相状態となるため、受液器170の導入出管172は上部まで液面が来るように冷媒取出し口を上部に位置させ、また暖房時は余剰冷媒が多いため、液冷媒を上部にまで溜めるよう構成されている。
【0033】
(参考例5)
図6は、参考例5の空気調和機の構成を示している。上記各参考例1〜4及び実施の形態では蓄熱熱交換器100への冷媒の流れを切り替えるために開閉弁110、120が設けられていたが、本実施の形態で開閉弁110、120の代わりに四方弁180が設けられている。すなわち、四方弁180には、四方弁20に接続されたガス側主配管230Aと、ガス側接続配管80に接続された230Bと、蓄熱熱交換器100に接続された配管220Aと、開閉弁130よりも受液器40側寄りの位置で液側主配管に接続されたバイパス配管240Aがそれぞれ接続されている。
【0034】
蓄冷熱を利用しない通常運転時は四方弁180を図の破線に切り替え、電子膨張弁90を閉じ、開閉弁130を開く。蓄冷熱運転時は四方弁180を図の実線に切り替えて、電子膨張弁60を閉じ、開閉弁130を開く。蓄冷熱利用運転時は四方弁180を図の破線に切り替え、開閉弁130を閉じる。
【0035】
このサイクルでは、開閉弁2つでの切り替えを四方弁1つに置き換えたことにより、信頼性が向上し、また、圧力損失が低減され、冷凍サイクルの能力がおよびCOPが向上する。この際、四方弁180は冷媒圧力差によらずモータ等の駆動による形式とする。
【0036】
以上の実施の形態1〜6では冷媒の種類については言及しなかったが、従来の技術の項で述べたように、余剰冷媒は冷媒かわき度の小さい受液器に貯留されるので、非共沸混合冷媒を用いた場合でも封入組成と循環組成とがほぼ同一となり冷凍サイクルの運転安定化が図れる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、室内機に電子膨張弁を有する蓄熱冷凍サイクル構成において、冷媒かわき度が小さい状態で冷凍サイクル内の余剰冷媒を受液器に保有するように構成したので、冷媒として非共沸混合冷媒を用いた場合でも広い運転範囲で高圧圧力を適正な範囲に制御でき、冷凍サイクルの運転効率を向上させることができる。
【0038】
また、凝縮器での過冷却度を小さくでき、暖房運転時の液側接続管内の冷媒状態を二相流とできるため、大幅に必要冷媒量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の空気調和機の構成図である。
【図2】 参考例2の空気調和機の構成図である。
【図3】 参考例3の空気調和機の構成図である。
【図4】 本発明の実施の形態による空気調和機の構成図である。
【図5】 参考例4の空気調和機の構成図である。
【図6】 参考例5の空気調和機の構成図である。
Claims (3)
- 圧縮機、熱源側熱交換器、受液器および四方弁を有する室外機と、利用側熱交換器および減圧器を有する室内機とが液側冷媒配管およびガス側冷媒配管で連結され、前記圧縮機、四方弁、利用側熱交換器、減圧器、受液器、熱源側熱交換器および四方弁が順次接続されて冷凍サイクルを形成した空気調和機において、前記冷凍サイクルを循環する冷媒と熱交換し該冷媒から得た熱を蓄える蓄熱手段と、前記液側冷媒配管および前記ガス側冷媒配管の流路切換を行って前記蓄熱手段へ冷媒を通流させる流路切換手段とを設ける一方、前記受液器は、前記冷媒を導入または導出するための導入出管のうち、前記熱源側熱交換器に繋がる導入出管の上部に開口部が形成され、この開口部を介して導入出管の内部と受液器内上部のガス冷媒が存在する空間とが連通して形成され、前記ガス側冷媒配管と前記蓄熱手段との間にアキュームレータを設け、蓄冷利用運転後の蓄冷起動後に前記蓄熱手段を通流した冷媒を前記アキュームレータを介して前記ガス側冷媒配管に循環させることを特徴とする空気調和機。
- 請求項1に記載の空気調和機において、前記液側冷媒配管のうちで前記室外機と前記蓄熱手段との間に、前記受液器とは別の受液器を設けたことを特徴とする空気調和機。
- 請求項1に記載の空気調和機において、流路切換手段は、開閉弁または四方弁であることを特徴とする空気調和機。
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