JP3780833B2 - 地下躯体の構築工法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物地下を安全に構築するために必要な山留め工法による地下躯体の構築工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物地下を地盤中で安全に構築するための技術には、大きく分けて、建物地下の周りに山留め壁を構築してこの山留め壁を仮設の水平支保工で順次支えながら地盤に地下構築用の空間を作り、地下を最下部から構築する順打ち工法と、地下躯体を水平支保工として使用すべく最小限の空間を作りながら地下を上部階から下部階へと順次構築していく逆打ち工法とがある。これらの技術は、工事の条件に応じて、組み合わせて、あるいは単独で採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
順打ち工法は、地下躯体を地上の工事と同様の工程で構築するため、止水性等の地下の品質は高いが、地下構築用の全空間の確保が一時的に必要なため、大量の仮設材が必要となる。逆打ち工法は、地下階の構築に必要となる階高より大きめの空間を確保すればよいが、この階高よりも大きめの空間を仮設材を使用しないで確保するためには、順打ち工法に比べて山留め壁の規模が大きくなる。
【0004】
さらに、従来工法で山留め支保工としての機能を確保するには、掘削終了後に、順打ち工法では仮設水平支保工を架設してプレロードを導入したり、逆打ち工法では本体水平構造体が強度を発現することが必要であり、このために掘削終了後から1〜3週間程度の時間がかかっている。山留め壁に発生する変形と応力は、この期間に大きく増加している。
【0005】
本発明は、前述のような問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、地下構築時の支保工に地下本体構造の本設梁と可動の切梁支保工を利用することにより、従来の順打ち工法における大量の仮設材を無くすことができ、また可動の切梁支保工を迅速にスライドダウンさせ掘削底面近くに設置して山留め壁に発生する変形と応力を抑止することにより、山留め壁の規模を小さくすることができ、さらに支保工となる地下躯体の構築と地盤掘削を同時に進行させることも可能で工期短縮効果も期待できる地下躯体の構築工法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の地下躯体の構築工法は、山留め壁の内部を下方へ順次掘削しつつ地下躯体を構築する工法であり、例えば図13〜図16に示すように、初期掘削空間内の下部に、ジャッキ装置を備えた可動(上下スライド式)の切梁支保工を配設してジャッキ装置により山留め壁にプレロードを導入し、この切梁支保工の上に地下階の本設梁(1階の本設梁および地下階の本設梁)を設置し、その上に1階の本設梁を架設して、地下階の可動(上下スライド式)の本設梁を吊り支持装置により1階の本設梁から吊り支持する工程を有し、この初期状態から、切梁支保工により山留め壁を支えた状態で切梁支保工の下部を掘削する工程と、上部の本設梁の床が構築されて支保工として機能する状態から切梁支保工の平面形状をジャッキ装置により縮小する工程と、縮小した切梁支保工を上下スライド装置によりスライドダウンさせる工程と、所定位置にスライドダウンした切梁支保工の平面形状をジャッキ装置により拡大して山留め壁にプレロードを導入する工程と、切梁支保工により山留め壁を支えた状態で地下階の本設梁を上下スライド装置によりスライドダウンさせて所定の設置位置に吊り支持装置により吊り下げて架設する工程と、この架設された本設梁の床の構築を行う工程を順次繰り返して地下躯体を構築することを特徴とする。切梁支保工は、地下躯体の基礎スラブと最下部床を構築した後、解体撤去してもよいし、ジャッキ装置を梁部材に置き換えた後、最下部床に埋設するようにしてもよい。
【0007】
本発明の請求項2の地下躯体の構築工法は、請求項1に記載の構築工法において、ジャッキ装置は、例えば図3に示すように、切梁支保工の腹起しを山留め壁に対して進退移動させるストロークジャッキ(油圧シリンダなど)と、山留め壁にプレロードを導入するプレロードジャッキ(油圧ジャッキなど)を直列に接続して構成されていることを特徴とする。切梁支保工は、例えば、平面視で、中央部に位置する縦横の切梁からなる中央ブロックと、外周部における4辺位置に配置される腹起し火打ちブロック(腹起し・切梁・火打ち梁)から構成され、中央ブロックとX方向・Y方向の腹起し火打ちブロックとをそれぞれX方向とY方向のジャッキ装置で連結する。
【0008】
本発明の請求項3の地下躯体の構築工法は、請求項1または請求項2に記載の構築工法において、上下スライド装置は、例えば図9〜図12に示すように、1階の本設梁に取付けられる昇降装置(電動チェーンブロック等)と、この昇降装置により昇降し、切梁支保工を着脱可能に把持し、かつ、地下階の本設梁を着脱可能に載置する把持装置とから構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4の地下躯体の構築工法は、請求項1〜3に記載の構築工法において、吊り支持装置は、例えば図7,図8に示すように、1階の本設梁に上部が固定されるロッドであることを特徴とする。このロッドには、ねじふし鉄筋などを使用し、ロッドの上部をナットを用いて1階の本設梁に固定し、ロッドの下部をナットを用いて地下階の本設梁に固定する。このロッドは、本設梁のスライドダウンに伴い、カプラーで継ぎ足すことにより、下方へと伸ばしていく。
【0010】
本発明の請求項5の地下躯体の構築工法は、請求項4に記載の構築工法において、ロッドは、地下躯体の柱に埋設される鉄筋であることを特徴とする。即ち、吊り支持装置のねじふし鉄筋などを柱の1部として利用する。
【0011】
本発明の請求項6の地下躯体の構築工法は、請求項1〜5に記載の構築工法において、例えば図4,図5に示すように、切梁支保工の隅角部には、伸縮部材とプレロードジャッキ(油圧ジャッキなど)を直列に接続して構成され、隅角部における腹起し同士を連結するコーナー火打ち切梁架設装置が設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項7の地下躯体の構築工法は、請求項1〜6に記載の構築工法において、例えば図4,図5に示すように、切梁支保工が設置される山留め壁の隅角部に予めコーナー用腹起しブロックを設けておき、切梁支保工の腹起しと前記コーナー用腹起しブロックとの間に楔部材を挿入し、切梁支保工をコーナー用腹起しブロックに固定することを特徴とする。楔部材は、楔押え部材により抜け出ないように固定する。
【0013】
以上のような構成において、地下本体構造の本設梁と可動の切梁支保工を使用して掘削後の山留め壁を支えるため、従来の順打ち工法における大量の仮設材を無くし、仮設材料を最小限の量とすることができる。また、可動の切梁支保工を迅速にスライドダウンさせて掘削底面近くに設置し、掘削終了後の状態で放置する時間もわずかで直ちに山留め支保工の機能が確保できるため、掘削時の主働土圧に対する反力としての掘削側の地盤が負担していた受働土圧によるレオロジカルな変形挙動を抑えること、および土質工学的に確認されている支保工位置に主働土圧を集中させる再配分効果を早期に発揮させて掘削側の地盤が負担していた受働土圧を軽減して、山留め壁に発生する変形・応力を効果的に低減する効果を容易に利用でき、山留め壁の規模を小さくすることができる。図17に示すのは、粘性土地盤での山留め壁の応力低減効果を示す一例であり、従来工法で発生していた応力を本発明では約75%(1/1.3)程度まで低減できることが実験によっても確認できている。さらに、掘削が終了すると、直ちに支保工としての本設梁をスライドダウンさせて床を構築することができるため、支保工となる地下躯体の構築と地盤掘削を同時に進行させることが可能となり、工期の短縮を図ることができる。
【0014】
切梁支保工は、切梁と腹起しがジャッキ装置により一体的に組み立てられているため、また、ジャッキ装置は大きなストロークのストロークジャッキとプレロードジャッキからなるため、ジャッキ装置で腹起しを押し引きするだけの簡単で迅速な作業により、切梁支保工をスライドダウンさせ、切梁支保工を所定位置に設置してプレロードを導入することができ、山留め壁を掘削底面近くで早期に支えて山留め壁に発生する変形と応力を抑止することができ、山留め壁の規模をより小さくすることができ、さらに、支保工作業を迅速に行うことができ、工期の短縮を図ることができる。
【0015】
上下スライド装置は、昇降装置と把持装置から構成されているため、比較的簡易な装置により、切梁支保工と地下階の本設梁の両方を迅速にかつ安全にスライドダウンさせることができる。
【0016】
吊り支持装置は、ロッドを使用しているため、比較的簡易な装置により、地下階の本設梁を吊り下げ支持しておくことができる。また、このロッドを柱の鉄筋の1部として利用することにより、装置コストの低減および作業の迅速化を図ることができる。
【0017】
切梁支保工の隅角部にコーナー火打ち切梁架設装置を設けることにより、山留め壁の隅角部でX方向とY方向にそれぞれ進退移動する腹起し同士を一体化することができ、さらに、山留め壁の隅角部にもプレロードを導入することができる。また、伸縮部材により切梁支保工の拡縮動作に追随できるため、コーナー火打ち切梁架設装置は切梁支保工から取り外す必要がなく、切梁支保工をスライドダウンさせた後、直ちに腹起しの押し出し・プレロードの導入を行うことができる。
【0018】
切梁支保工が設置される山留め壁の隅角部に予めコーナー用腹起しブロックを設けておくことにより、切梁支保工とコーナー用腹起しブロックにより完全な形の山留め支保工を形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する一実施形態に基づいて説明する。この実施形態は地下3階の建物の地下躯体構築に本発明の構築工法を適用した例である。図1〜図12は、本発明の地下躯体の構築工法に使用する各種装置の1例を示したものである。図13〜図16は、本発明の地下躯体の構築工法の1例を工程順に示したものである。
【0020】
本発明の構築工法においては、図1〜図12に示すように、主に、山留め壁Wの変形が小さい時に迅速にスライドダウンさせて山留め壁Wを掘削底面近くで早期に支える可動の切梁支保工1(図1)と、山留め壁Wの上部の支保工として利用する1Fの本設梁2およびB1F・B2Fの可動の本設梁3−1,3−2(図6)と、切梁支保工1と地下階の本設梁3−1,3−2をスライドダウンさせる上下スライド装置4(図9〜図12)と、地下階の本設梁3−1,3−2を吊り支持する吊り支持装置5(図7,図8)を使用する。
【0021】
また、切梁支保工1には、図1に示すように、ジャッキシステム6とコーナー火打ち切梁架設装置7が組み込まれており、このような切梁支保工1と上下スライド装置4等を組み合わせることで、スライド式山留め支保工システムが構成される。
【0022】
切梁支保工1は、例えば図1の平面図に示すものを使用することができる。この切梁支保工1は、地下躯体に対応した例えば平面視長方形状であり、縦横に組まれた切梁10と、長方形の4辺位置に配設される4つの腹起し11と、火打ち梁12と、切梁同士を接合する接合ブロック13などから構成されている。中央に位置する切梁10と接合ブロック13からなる長方形状のメインブロックの接合ブロック部分にX方向とY方向のジャッキシステム6を介して腹起し火打ちブロックを接続し、ジャッキシステム6(後述)を作動させることで、4辺の腹起し11がそれぞれ山留め壁Wに対して進退移動するように構成されている。
【0023】
このような切梁支保工1において、X方向とY方向の腹起し11,11の端部同士の間には空間が設けられ、4辺の腹起し11がそれぞれ進退移動できるように構成されているため、切梁支保工1の4つの隅角部には、後に詳述するコーナー火打ち切梁架設装置7とコーナー腹起し8が配設される。また、上下スライド装置4の下部が、図1のa部分(長円形で示す)に接続される。なお、この切梁支保工1の切梁10およびコーナー火打ち切梁架設装置7は、後述する図6の本設梁の大梁と小梁にそれぞれ対応させて配置している。
【0024】
接合ブロック13は、図2に示すように、上下2枚の接合プレート13a,13aを縦リブ13b等で一体化した構造であり、その4つの接合端部にそれぞれ切梁10あるいはジャッキシステム6の端部が接合される。また、接合プレート13aの中央部には、スライドガイド兼用仮支柱(以下、単に仮支柱と記載)Pが余裕をもって挿通可能な挿通孔13cが形成されており、切梁支保工1を多数の仮支柱Pに沿ってスライドダウンさせることができる。
【0025】
所定の位置にスライドダウンした切梁支保工1は、ジャッキシステム6による腹起しの押し出し・プレロード導入により山留め壁Wに固定されるが、仮支柱Pに対しても、例えば図2(b) に示すような楔部材14を接合ブロック13と仮支柱Pの隙間に上方から打ち込むことにより、固定する。この楔部材14を用いれば、切梁支保工1の中央部を仮支柱Pに簡単に固定することができると共に、切梁支保工1をスライドダウンさせる場合も、簡単に固定を解除することができる。なお、接合ブロック13は、切梁等の組立を容易に行えるように、4分割し、各分割体を継手板を介してボルト接合できる構造としている。
【0026】
ジャッキシステム6は、例えば図3に示すものを用いることができる。このジャッキシステム6は、ストロークジャッキ20とプレロードジャッキ21を直列に接続して構成されている。ストロークジャッキ20の先端部プレート20bとプレロードジャッキ21の基端部プレート21aがライナー22を介してボルト接合され一体化する。ストロークジャッキ20の基端部プレート20aが接合ブロック13にボルトで着脱可能に接合され、プレロードジャッキ21の先端部プレート21bが腹起し火打ちブロックの切梁10にボルトで着脱可能に接合される(図1参照)。
【0027】
ストロークジャッキ20は、切梁支保工1をスライドダウンできるように、その4辺の腹起し11を大きく押し引きさせる装置であり、プレート20aに固定された外筒23aとプレート20bに固定された外筒23bからなるテレスコープ式伸縮装置23と、この伸縮装置23の内部に配設されシリンダ基端部・ピストンロッド先端部がそれぞれ端部プレート20a,20bに軸着された油圧シリンダ24から構成され、比較的大きなストロークS1 が得られるようにされている。また、内筒23aの外面に全長にわたって形成された雄ねじ25と、この雄ねじ25に螺合するロックナット26により、ストロークジャッキ20を固定できるようにされている。
【0028】
プレロードジャッキ21は山留め壁Wにプレロードを導入する比較的小さなストロークS2 の油圧ジャッキである。このジャッキ21も、プランジャロッド21cの外面に全長にわたって形成された雄ねじ25と、この雄ねじ25に螺合するロックナット26により、固定できるようにされている。
【0029】
切梁支保工1をスライドダウンさせる際には、ストロークジャッキ20を収縮させることで、各辺の腹起し11を大きく引き込み、切梁支保工1の平面形状を縮小させてスライドダウンさせる。所定位置に達すると、ストロークジャッキ20を伸出させ、ロックナット26を外筒23aに対して締め込むことで、ストロークジャッキ20を固定した後、プレロードジャッキ21を伸出させて山留め壁Wにプレロードを導入する。その後、ロックナット26によりプレロードジャッキ21を固定する。
【0030】
従来の切梁支保工(順打ち工法)の場合、掘削後に位置出しをし、保持金物を取付け、腹起しを組み立て、切梁を組み立て、プレロードを導入するという、面倒で時間のかかる作業となっていたが、本発明の切梁支保工1は、切梁10と腹起し11がジャッキ装置6を介して一体的に組み立てられているため、また、ジャッキ装置6は大きなストロークのストロークジャッキ20とプレロードジャッキ21からなるため、ジャッキ装置6で腹起し11を押し引きするだけの簡単で迅速な作業により、切梁支保工1をスライドダウンさせ、切梁支保工1を所定位置に設置してプレロードを導入することができ、支保工作業を迅速に行うことができ、工期の短縮を図ることができる。また、山留め壁Wを掘削底面近くで早期に支えて山留め壁に発生する変形と応力を抑止することができるため、山留め壁Wの規模をより小さくすることができる。
【0031】
コーナー火打ち切梁架設装置7は、例えば図4に示すものを用いることができる。このコーナー火打ち切梁架設装置7は、切梁支保工1の隅角部において、X方向とY方向の腹起し11の進退移動に追随できるようにこれら腹起し11,11同士を連結し、かつ、前述のジャッキシステム6と共にプレロードを導入できるように構成され、主に、テレスコープ式伸縮部材30と、プレロードジャッキ31からなる。
【0032】
テレスコープ式伸縮部材30は、ジャッキシステム6のテレスコープ式伸縮装置23から油圧シリンダを取り除いた構造であり、外筒30a内を内筒30bが進退移動することにより、自由に伸縮することができる。プレロードジャッキ31には、ジャッキシステム6のプレロードジャッキ21と同様のものを用いることができる。
【0033】
テレスコープ式伸縮部材30とプレロードジャッキ31は、端部プレート同士をボルトで接合して一体化する。テレスコープ式伸縮部材30の基端部プレートと腹起し11の側面とをピンヒンジ32・ライナー33を介して接続する。プレロードジャッキ31の先端部と腹起し11の側面もピンヒンジ32・ライナー33を介して接続する。ピンヒンジ32は、一対のヒンジ部材を垂直ピン32aで連結した構造であり、腹起し11の進退移動に伴うテレスコープ式伸縮部材30の水平方向の角度変化を吸収することができる。
【0034】
このようなコーナー火打ち切梁架設装置7は、切梁支保工1をスライドダウンさせるために切梁支保工1の平面形状を縮小させると、テレスコープ式伸縮部材30が収縮し、所定の位置にスライドダウンして切梁支保工1の平面形状が拡大すると、テレスコープ式伸縮部材30が伸出し、腹起し11の進退移動に追随しつつX方向とY方向の腹起し11,11同士を連結することができる。
【0035】
プレロードに際しては、テレスコープ式伸縮部材30の内筒30bの雄ねじ34に螺合したロックナット35を外筒30aに対して締め込むことで、テレスコープ式伸縮部材30を固定した後、プレロードジャッキ31を伸出させて山留め壁Wにプレロードを導入する。その後、プレロードジャッキ31の雄ねじ34に螺合したロックナット35によりプレロードジャッキ31を固定する。
【0036】
図5は、コーナー火打ち切梁架設装置7において、ピンヒンジ32の代わりに球面ヒンジ(ボールヒンジ)36を用いた例である。この場合には、球面ヒンジ36を傾斜取付面を有する取付ピース37を介して腹起し11に取付ける。取付ピース37は隅部ピース38で補強する。
【0037】
以上のようなコーナー火打ち切梁架設装置7を切梁支保工1の4つの隅角部に設けることにより、山留め壁Wの隅角部でX方向とY方向にそれぞれ進退移動する腹起し11,11同士を一体化することができ、さらに、プレロードジャッキ31により山留め壁Wの隅角部にもプレロードを導入することができる。また、テレスコープ式伸縮部材31およびヒンジ30,36により切梁支保工1の拡縮動作に追随できるため、コーナー火打ち切梁架設装置7を切梁支保工1から取り外す必要がなく、切梁支保工1をスライドダウンさせた後、直ちに腹起し11の押し出し・プレロードの導入を行うことができる。
【0038】
コーナー腹起し8は、例えば図4に示すものを用いることができる。このコーナー腹起し8は、腹起し11などと同じ厚みの版状の部材であり、コーナー用腹起しブロック8aと、一対の楔部材8bと、楔押え部材8cなどからなる。
【0039】
先ず、切梁支保工1をスライドダウンさせる前に、コーナー用腹起しブロック8aを切梁支保工1を設置する所定の位置までチェーンブロック等の上下移動装置で吊り下ろし、山留め壁Wの隅角部にボルトで固定する。次いで、平面形状を縮小した切梁支保工1が設置位置にスライドダウンし、腹起し11が押し出しとプレロード導入により山留め壁Wにセットされると、コーナー用腹起しブロック8aと腹起し11の端部との間の隙間に楔部材8bを内側から挿入し、次いで楔押え部材8cをボルト・ナット8dによりコーナー用腹起しブロック8aに固定し、楔部材8bが抜け出ないようにする。
【0040】
以上のようなコーナー腹起し8により切梁支保工1の4つの隅角部が一体的に連結され、完全な形の山留め支保工を形成することができる。
【0041】
以上のような構成の切梁支保工1・ジャッキシステム6・コーナー火打ち切梁架設装置7・コーナー腹起し8を用いて、次のような手順で切梁支保工1のスライドダウンを行う。
【0042】
(i) 後述の上下スライド装置6で支持されている切梁支保工1をスライドダウンさせるに当り、切梁支保工1の上方の山留め壁が本設梁と床で支えられていることを確認した後、ジャッキシステム6とコーナー火打ち切梁架設装置7のプレロードジャッキ21,31によりX方向・Y方向のプレロードを解放後、コーナー用腹起し楔部材8bを押え部材8cのボルト・ナット8dを弛めることで腹起し11から切り離し、ジャッキシステム6のストロークジャッキ20でX方向・Y方向の腹起し11を順次あるいは同時に引き込み、切梁支保工1の平面形状を縮小する。この際、コーナー火打ち切梁架設装置7と腹起し11のジョイント部分は回動可能な機構となっているため、切梁支保工1の縮小動作に追随することができる。
【0043】
(ii)コーナー用腹起しブロック8aを上下移動装置により下降させ、切梁支保工1の設置位置における山留め壁Wの隅角部に固定する。
【0044】
(iii) 平面形状が縮小した切梁支保工1を上下スライド装置4により設置位置までスライドダウンさせる。
【0045】
(iv)切梁支保工1の腹起し側の切梁10は、上下スライド装置4の下部に設けられた水平スライド装置(後述)により移動自在に支持されており、ジャッキシステム6のストロークジャッキ20でX方向・Y方向の腹起し11を押し出し、次いで、ストロークジャッキ20にロックを掛けた後、プレロードジャッキ21で一定のプレロードを導入しておく(最終的な所定のプレロード導入前のプレロード)。
【0046】
(v) コーナー火打ち切梁架設装置7は上下スライド装置4により吊り下げられており、また後述する水平スライド装置により移動自在に支持されており、腹起し11のX方向・Y方向の移動に追随してテレスコープ式伸縮部材30が伸長する。この状態から、テレスコープ式伸縮部材30にロックを掛けた後、プレロードジャッキ31を押し出し(最終的な所定のプレロード導入前のプレロード)、切梁支保工1の平面形状を整える。
【0047】
(vi)切梁支保工1におけるジャッキシステム6のプレロードジャッキ21により最終的なX方向・Y方向の所定のプレロードを導入する。その後、コーナー火打ち切梁架設装置7のプレロードジャッキ31により最終的なコーナー部の所定のプレロードを導入する。
【0048】
(vii) 最後に、楔部材8bを挿入し、コーナー用腹起しブロック8aに固定し、4辺の腹起し11をコーナー腹起し8を介して一体化する。以上により、所定の位置にスライドダウンした切梁支保工1が山留め壁Wに対して支保工として機能する。コーナー火打ち切梁架設装置7は切梁支保工1から取り外す必要がなく、切梁支保工1のスライドダウン後、直ちに切梁支保工を架ける作業に入ることができる。
【0049】
1F・B1F・B2Fの本設梁2,3−1,3−2は、例えば図6の平面図に示すものを用いることができる(図示例はB1F・B2F)。これら本設梁は、切梁支保工1と同様に例えば平面視長方形状であり、縦横に組まれた大梁40と、コーナー部に配設される斜めの小梁41と、中央部で大梁同士を接合する接合プレート42と、外周部の4辺で大梁同士を接合する接合プレート43などから構成されている。なお、大梁40および小梁41は、それぞれ図1の切梁11,コーナー火打ち切梁架設装置7と同じ位置に配置されている。
【0050】
地下階B1F・B2Fの本設梁3−1,3−2は、後述する上下スライド装置4により所定の設置位置へスライドダウンされる。上下スライド装置4は、図6の長円形で示すa部分(切梁支保工1との共用)とb部分(本設梁専用)に接続される。
【0051】
中央部の接合プレート42は、図7に示すように、大梁40の接合端部を上下から挟むように一対で配設され、大梁40の上下フランジが添接されてボルトで接合される。また、接合プレート42の中央部には、仮支柱Pが余裕をもって挿通可能な挿通孔42aが形成されており、地下階の本設梁3−1,3−1を多数の仮支柱Pに沿ってスライドダウンさせることができる。外周部の接合プレート43も、図6に示すように、中央部の接合プレート42と同様の構成である。但し、この接合プレート43部分には仮支柱Pはなく、柱用の貫通孔43aが形成されている。
【0052】
吊り支持装置5は、前述のような構成の地下階の本設梁3−1,3−2を所定位置に吊り下げ固定する装置であり、図7に示すように、柱のねじふし鉄筋50(吊りロッド)を用いることができる。このねじふし鉄筋50は、仮支柱Pを取り囲むように中央部の接合プレート42を貫通して配設され、カップラーで下方へ継ぎ足すことで、最終的には基礎スラブまで一体的に伸ばされ、RC柱またはSRC柱Cの鉄筋の一部として利用される。外周部の接合プレート43にも、同様にねじふし鉄筋50が配設される。
【0053】
このねじふし鉄筋50を利用した吊り支持装置5の上部は、図8に示すように、1Fの本設梁2に固定する。即ち、本設梁2の上部接合プレート42(43)の上に、一対のチャンネル材からなるかんざし部材51を配置し、このかんざし部材51の隙間にねじふし鉄筋50の上部を挿通し、ナット52で固定する。ナット52は、例えば図8(c) に示すように、横方向に二つ割りとし、分割体52a,52bをボルト52cで締結する構造とすれば、横方向から容易に固定を行うことができる。図7(b) に示すように、地下階B1F・B2Fの本設梁3−1,3−2も、上下に取付けたナット52でねじふし鉄筋50に固定する。図13の(2)に示すように、B2Fの本設梁3−2のみをねじふし鉄筋50に固定し、このB2Fの本設梁3−2の上に台を介して地下階B1Fの本設梁3−1を載せるようにしてもよい。
【0054】
なお、図7に示す柱C内に配筋されるねじふし鉄筋50のうちの何本かを吊り支持装置5の吊りロッドとして使用する。例えば、図8(a) に示すように、コーナー部における2本の一対として合計8本のねじふし鉄筋50を吊りロッドとして利用する。
【0055】
以上のような吊り支持装置5は、吊りロッド50とかんざし部材51とナット52で構成することができ、比較的簡易な装置により、地下階の本設梁3−1,3−2を吊り下げ支持しておくことができる。また、この吊りロッド50をねじふし鉄筋として地下階の柱の鉄筋の一部として利用することにより、装置コストの低減および作業の迅速化を図ることができる。
【0056】
上下スライド装置4は、切梁支保工1を把持してスライドダウンさせ、かつ地下階B1F・B2Fの本設梁3−1,3−2を積載してスライドダウンさせる装置であり、例えば図9〜図12に示すものを用いることができる。この上下スライド装置4は、図9に示すように、大きく分けて、昇降装置60と、把持装置61から構成されている。
【0057】
昇降装置60は、図9に示すように、電動チェーンブロック62と、チェーン63とからなる。電動チェーンブロック62は、1Fの本設梁2の大梁40(コーナー部では小梁41)の上に束部材64を介して設置された水平吊り材65の一端部にフック等により吊り下げ固定されている。この電動チェーンブロック62から繰り出されたチェーン63が把持装置61の滑車66に巻き掛けられた後、先端部が水平吊り材65の他端部に固定される。従って、電動チェーンブロック62によりチェーン63を巻き上げ、繰り出しすることで、把持装置61を昇降させることができる。
【0058】
把持装置61は、切梁支保工1の切梁10を把持し、かつ本設梁3−1,3−2を積載する部材であり、例えば図9,図10に示すように、水平方向に開閉可能な一対のアーム70aからなるチャック70と、切梁10の下部フランジに取り付けられる固定部材71と、チャック70の水平取付部材72の上に設置される載置板73などからなる。
【0059】
図10に示すように、チャック70の一対のアーム70aの上端部が水平取付部材72の両端部に軸74を介して水平方向に回転可能に取付けられている。前記軸74には、チェーン63の滑車66が回転自在に取付けられている。このようなチャック70の左右一対のアーム70a,70aの下端部がそれぞれ左右一対の固定部材71,71の下部に固定ピン75により着脱可能に取付けられる。なお、軸74にはチャック70のアームを外方に押圧する捩じりコイルバネ76が装着されており、チャック70は開状態を保持できるようにされている。
【0060】
ここで、図9に示すように、切梁支保工1の外周側における腹起し火打ちブロックはジャッキシステム6により進退移動し、その移動する切梁10に上下スライド装置4の固定部材71を固定しておくと、装置が損壊するため、この腹起し火打ちブロックに配設される一対の上下スライド装置4,4は、水平スライド装置80により連結し、切梁10を進退移動可能に案内支持する。
【0061】
この水平スライド装置80は、連結材81と滑り支承82から構成する。連結材81は、図9に示すように、ジャッキシステム6と切梁10の下に配設し、その仮支柱P側の端部を接合ブロック13の下部プレートに固定し、一対の上下スライド装置4,4の固定部材71,71をそれぞれ連結材81の両端部における側面に固定する。滑り支承82は、腹起し側の上下スライド装置4位置において連結材81の上面に固定し、この滑り支承82で腹起し側の切梁10を進退移動可能に支持する。
【0062】
図10(a) は、滑り支承82が位置する腹起し側の上下スライド装置4の詳細であり、連結材81の上にプレート83を固定し、このプレート83上に滑り支承82をねじ止めで固定する。固定部材71には、上部フック71aを有するものを用い、これを連結材81に左右両側から取付け、ボルト・ナット84で固定し、上部フック71aにより切梁10の下部フランジを移動自在に案内支持するようにしている。
【0063】
なお、図9に示すように、仮支柱側の上下スライド装置4の固定部材71には上部フックのないものを用い、これを連結材81の両側面に固定する。さらに、仮支柱Pの内側の本設梁専用b部分(図6参照)に配置される上下スライド装置4は本設梁を載置すればよいため、その固定部材71は切梁10の下面に固定されなくてもよい。
【0064】
図11は、コーナー部におけるコーナー火打ち切梁架設装置7(小梁41)接続される上下スライド装置4の例であり、この場合も、前述と同様の理由で、水平スライド装置90を用いる。この水平スライド装置90には、対向配置した一対のチャンネル材からなるガイドレールを兼ねる連結材91と、この連結材91内を転動するガイドローラ92を用いる。
【0065】
上下スライド装置4は、切梁10に配置されるものと同じであるが、固定部材71を連結材91に固定し、左右一対の上下スライド装置4,4を連結一体化する。ガイドローラ92は、テレスコープ式伸縮部材30とプレロードジャッキ31のライナー33の下部にそれぞれ設け、腹起し11の進退移動に伴いテレスコープ式伸縮部材30とプレロードジャッキ31がそれぞれ進退移動できるように案内支持する。
【0066】
以上のような構成の上下スライド装置4において、図12に示すように、次のような手順で切梁支保工1および本設梁3−1,3−2のスライドダウンを行う。
【0067】
(i) 図9に示す状態で下部空間が掘削されると、図12(i) に示すように、多数の上下スライド装置4の電動チェーンブロック62を同期して作動させ、切梁支保工1を掘削底面近くまでスライドダウンさせる。
【0068】
(ii)切梁支保工1がそのジャッキシステム6の作動で山留め支保工として機能していることを確認した後、図12(ii)に示すように、固定ピン75を抜き、チャック70を開いて固定部材71から離脱させる。次いで、電動チェーンブロック62でチャック70を上昇させ、チャック上面の載置板73に当接したB2Fの本設梁3−2を載置板73にボルトで固定する。本設梁3−2を吊り支持しているロッド(ねじふし鉄筋)を外しチャック70に預ける。B1Fの本設梁3−1は、B2Fの本設梁3−2の上に台を介して載せられている。
【0069】
(iii) 多数の上下スライド装置4の電動チェーンブロック62を同期して作動させ、図12(iii) に示すように、チャック70の背中に載せられた本設梁3−1,3−2をスライドダウンさせ、本設梁3−1が地下1階に位置するようにする。本設梁3−1,3−2をロッドにより吊り下げ固定する。チャック70は開いた状態で切梁支保工1の上方に位置している。
【0070】
(iv)本設梁3−1,3−2の吊り下げ固定されていることを確認後、チャック70と本設梁3−2の固定を外して分離し、図12(iv)に示すように、電動チェーンブロック62でチャック70を若干下降させ、チャック70を閉じ、そのアーム先端を固定ピン75で切梁支保工1の固定部材71に固定する。次いで、前記工程を繰り返し、切梁支保工1をスライドダウンさせ、本設梁3−2を地下2階にスライドダウンさせる。
【0071】
以上のような上下スライド装置4は、電動チェーンブロック等の昇降装置60と、チャックや載置板等を有する把持装置61から構成されているため、比較的簡易な装置により、切梁支保工1と地下階の本設梁3−1,3−2の両方を迅速にかつ安全にスライドダウンさせることができる。さらに、切梁支保工1の進退移動する腹起し火打ちブロック部分とコーナー火打ち部分に配置される一対の上下スライド装置4に水平スライド装置80,90を設けて進退移動を吸収することにより、切梁支保工1を進退移動する部分でも吊り下げることができ、切梁支保工1を安全にスライドダウンさせることができる。
【0072】
以上のような各種の装置を使用して、地下躯体の構築を行う1例について工程順に説明する(図13〜図16参照)。
[A]スライド施工開始まで
(a-1) 図13の(1)に示すように、建物を構築すべき地盤中に打設した基礎杭の上に仮支柱Pを建て込み、その周囲に山留め壁(ソイルモルタル柱列壁)Wを施工する。
【0073】
(a-2) 山留め壁施工後、図13の(1)に示すように、山留め壁W内を所定の深さまで1次掘削する。必要に応じて、掘削底面に土間コンクリートを打設する。
【0074】
(a-3) 図13の(2)に示すように、1次掘削空間内の掘削底面近くに切梁支保工1を組み立て、ジャッキシステム6とコーナー火打ち切梁架設装置7により腹起しの押し出し・プレロードの導入を行う。
【0075】
(a-4) 図13の(2)に示すように、切梁支保工1の上に、B2Fの本設梁3−2を配設し、デッキプレートを敷き、床の配筋を行い、B2Fの床構造を仮組しておく。次に、このB2Fの本設梁3−2の上に、B1Fの本設梁3−1を配設し、デッキプレートを敷き、床の配筋を行い、B1Fの床構造を仮組しておく。
【0076】
(a-5) 図13の(2)に示すように、1Fの本設梁2を配設し、デッキプレートを敷き、床の配筋を行い、コンクリートを打設して、1Fの床を構築する。なお、この1Fの床はプレキャスト部材を利用することも可能である。
【0077】
(a-6) 図13の(2)に示すように、1Fの本設梁2が架設された状態で、この本設梁2に上下スライド装置4および吊りロッド50の上部を取付け、上下スライド装置4の下部を切梁支保工1の切梁10に接続し、吊りロッド50でB2Fの本設梁3−2を1Fの本設梁2から吊り下げ固定しておく。B1Fの本設梁3−1はB2Fの本設梁3−2の上に台を介して載せ固定しておく。
【0078】
[B]スライド施工(逆打ち工法)
(b-1) 図13の(3)に示すように、山留め壁Wの上部が切梁支保工1および1Fの本設梁2で支持されている状態で、所定の深さまで2次掘削を行う。この2次掘削と1Fの床構築は同時に行うことができる。
【0079】
(b-2) 2次掘削が終了すると、図13の(3)に示すように、1Fの床が支保工として機能できることを確認後、ジャッキシステム6・7により切梁支保工1のプレロードの開放・腹起しの引き込みを行う。その後、上下スライド装置4により切梁支保工1を所定の位置までスライドダウンさせる。
【0080】
(b-3) 図13の(4)に示すように、切梁支保工1が掘削底面近くに位置すると、ジャッキシステム6・7により腹起しの押し出し・プレロードの導入を行う。
【0081】
(b-4) 図13の(4)に示すように、上下スライド装置4を切梁支保工1からB2Fの本設梁3−2へ盛替えた後、B2Fの本設梁3−2と吊りロッド50の固定を解除する。
【0082】
(b-5) 図14の(5)に示すように、上下スライド装置4によりB1F・B2Fの本設梁3−1,3−2をスライドダウンさせ、B1Fの本設梁3−1を地下1階位置に位置させる。
【0083】
(b-6) 図14の(5)に示すように、前述のAの工程で使用した吊りロッド50の下部にカプラーで吊りロッドを継ぎ足し、この吊りロッド50でB2Fの本設梁3−2を吊り下げ固定する。B1Fの本設梁3−1は新規に設けた吊りロッド50で吊り下げ固定する。
【0084】
(b-7) 図14の(5)に示すように、上下スライド装置4をB2Fの本設梁3−2から切梁支保工1に盛替える。
【0085】
(b-8) 図14の(5)に示すように、B1Fの外周梁部の配筋を行い、この外周梁部と床(デッキプレートと配筋がなされている)にコンクリートを打設し、B1Fの床を構築する。なお、上下スライド装置4によりB2Fの本設梁3−2を吊った状態でB1Fの床を構築する場合もある。
【0086】
(b-9) 図14の(5)に示すように、B1Fのコンクリートを打設すると共に、3次掘削を開始する。
【0087】
(b-10)図14の(5)に示すように、3次掘削が終了すると、B1Fの床が支保工として機能できることを確認後、ジャッキシステム6・7により切梁支保工1のプレロードの開放・腹起しの引き込みを行う。
【0088】
(b-11)その後、図14の(6)に示すように、上下スライド装置4により切梁支保工1を所定の位置までスライドダウンさせ、ジャッキシステム6・7により腹起しの押し出し・プレロードの導入を行う。
【0089】
(b-12)図14の(6)に示すように、上下スライド装置4を切梁支保工1からB2Fの本設梁3−2へ盛替えた後、B2Fの本設梁3−2と吊りロッド50の固定を解除する。
【0090】
(b-13)図15の(7)に示すように、上下スライド装置4によりB2Fの本設梁3−2をスライドダウンさせ、B2Fの本設梁3−2を地下2階位置に位置させる。
【0091】
(b-14)図15の(7)に示すように、前工程でB2Fの本設梁3−2を吊っていた吊りロッド50の下部にカプラーで吊りロッドを継ぎ足し、この吊りロッド50でB2Fの本設梁3−2を吊り下げ固定する。
【0092】
(b-15)図15の(7)に示すように、上下スライド装置4をB2Fの本設梁3−2から切梁支保工1に盛替える。
【0093】
(b-16)図15の(7)に示すように、B2Fの外周梁部の配筋を行い、この外周梁部と床(デッキプレートと配筋がなされている)にコンクリートを打設し、B2Fの床を構築する。なお、上下スライド装置4によりB2Fの本設梁3−2を吊った状態でB2Fの床を構築する場合もある。
【0094】
(b-17)図15の(7)に示すように、B2Fのコンクリートを打設すると共に、4次掘削を開始する。
【0095】
(b-18)4次掘削が終了すると、図15の(7)に示すように、B2Fの床が支保工として機能できることを確認後、ジャッキシステム6・7により切梁支保工1のプレロードの開放・腹起しの引き込みを行う。
【0096】
(b-19)その後、図15の(8)に示すように、上下スライド装置4により切梁支保工1を所定の位置までスライドダウンさせ、ジャッキシステム6・7により腹起しの押し出し・プレロードの導入を行う。
【0097】
(b-20)次に、図16の(9)に示すように、5次掘削を行う。
【0098】
[C]順打ち工法に準じた地下躯体構築
(c-1) 図16の(9)に示す状態から、基礎スラブとB3Fの床(RC造)を構築する。
【0099】
(c-2) 基礎スラブとB3Fの床(RC造)が支保工として機能できることを確認後、切梁支保工1を解体撤去する。
【0100】
(c-3) B3Fの立ち上がり壁・柱を構築する。
(c-4) B2Fの立ち上がり壁・柱を構築する。
【0101】
(c-5) B1Fの立ち上がり壁・柱を構築する。
前記柱には、吊りロッド(ねじふし鉄筋)50が鉄筋の一部として利用される。以上により、地下躯体の構築が終了する。
【0102】
なお、基礎スラブに関して、大きな土圧に抵抗させるために、切梁支保工を基礎スラブ位置に架けたり、基礎スラブ間近に架ける場合には、基礎スラブの構築が困難となるが、この場合には、基礎スラブの2段打ちで対処する。また、切梁支保工1は、ジャッキシステム6やコーナー火打ち切梁架設装置7等を梁部材に置き換え、B3Fの本設梁として利用することも可能である。
【0103】
なお、本発明の地下躯体の構築工法に使用する各種装置は、図示例に限定されることはなく、同様の機能を果たすその他の装置を使用できることはいうまでもない。図18は、コーナー腹起しの別の例であり、平面視四角形の補助ピース100と2台のジャッキ101を用い、一方の腹起し11の端部にジャッキ101を取付けておき、腹起し11の張出し後に補助ピース100とジャッキ101をセットする。
【0104】
【発明の効果】
本発明の地下躯体の構築工法は、以上のような構成からなるので、次のような効果を得ることができる。
【0105】
(1) 支保工に本設梁と可動切梁支保工を用いるため、使用する仮設材料を最小限の量とすることができ、工数および工費を大幅に低減することができる。
【0106】
(2) 可動切梁支保工により、掘削終了後、掘削底面近くにおいて直ちに山留め支保工の機能を確保することができ、掘削後の自然放置期間における山留め壁の変形と応力の増加がほとんど無いため、山留め壁に発生する変形・応力が従来工法よりも低減し、山留め壁の規模を小さくすることができる。
【0107】
(3) 地上建物と地下室を同時に施工することができて工事期間の短縮が可能な逆打ち工法において、掘削が終了すると、直ちに地下階の本設梁をスライドダウンさせて床を構築することができるため、支保工となる地下躯体の構築と地盤掘削を同時に進行させることができ、工期の大幅な短縮を図ることができる。
【0108】
(4) 切梁支保工は、切梁と腹起しがジャッキ装置により一体的に組み立てられているため、また、ジャッキ装置は大きなストロークのストロークジャッキとプレロードジャッキからなるため、ジャッキ装置で腹起しを押し引きするだけの簡単で迅速な作業により、切梁支保工をスライドダウンさせ、切梁支保工を所定位置に設置してプレロードを導入することができ、山留め壁を掘削底面近くで早期に支えて山留め壁に発生する変形と応力を抑止することができ、山留め壁の規模をより小さくすることができ、さらに、支保工作業を迅速に行うことができ、工期の短縮を図ることができる。
【0109】
(5) 比較的簡易な上下スライド装置により、切梁支保工と地下階の本設梁の両方を迅速にかつ安全にスライドダウンさせることができる。
【0110】
(6) 比較的簡易な吊り支持装置により、地下階の本設梁を吊り下げ支持しておくことができる。
【0111】
(7) 吊り支持装置のロッドを柱の鉄筋の1部として利用することにより、装置コストの低減および作業の迅速化を図ることができる。
【0112】
(8) 切梁支保工の隅角部にコーナー火打ち切梁架設装置を設けることにより、山留め壁の隅角部で分離され、進退移動するX方向とY方向の腹起し同士を一体化することができ、さらに、山留め壁の隅角部にもプレロードを導入することができ、山留め壁を確実に支えることができる。また、伸縮部材により切梁支保工の拡縮動作に追随できるため、コーナー火打ち切梁架設装置は切梁支保工から取り外す必要がなく、切梁支保工をスライドダウンさせた後、直ちに腹起しの押し出し・プレロードの導入を行うことができ、より迅速な支保工作業が可能となる。
【0113】
(9) 切梁支保工が設置される山留め壁の隅角部に予めコーナー用腹起しブロックを設けておくことにより、切梁支保工とコーナー用腹起しブロックにより完全な形の山留め支保工を形成することができ、山留め壁を確実に支えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスライド式山留め支保工システムに用いる切梁支保工の1例を示す平面図である。
【図2】 図1の切梁支保工の接合ブロックの1例であり、(a) は平面図、(b) は斜視図である。
【図3】図1の切梁支保工のジャッキシステムの1例であり、(a) は収縮状態の側面図、(b) は左から見た図、(c) は右から見た図、(d) は伸長状態の側面図である。
【図4】図1の切梁支保工のコーナー火打ち切梁架設装置とコーナー腹起しの1例であり、(a) は全体の平面図、(b) ジョイント部分の側面図である。
【図5】図4のコーナー火打ち切梁架設装置のジョイント部分が異なる例を示す平面図である。
【図6】本発明の地下躯体の構築工法で用いる本設梁の1例を示す平面図である。
【図7】図6の本設梁の接合プレート(地下階)と吊り支持装置の1例であり、(a) は平面図、(b) は正面図である。
【図8】図6の本設梁の接合プレート(1階)と吊り支持装置の1例であり、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) はナットの横断面図、(d) はナットの縦断面図である。
【図9】本発明の地下躯体の構築工法で用いる上下スライド装置の1例であり、(a) は側面図、(b) は正面図である。
【図10】図9の上下スライド装置の吊り下げ装置と水平スライド装置の1例であり、(a) は正面図、(b) は側面図である。
【図11】図4のコーナー火打ち切梁架設装置における上下スライド装置の吊り下げ装置と水平スライド装置の1例であり、(a) は正面図、(b) は側面図である。
【図12】図9の上下スライド装置による切梁支保工と本設梁(地下階)のスライドダウンを工程順に示す側面図である。
【図13】本発明の地下躯体の構築工法の工程(1) (4)を示す断面図である。
【図14】本発明の地下躯体の構築工法の工程(5) (6)を示す断面図である。
【図15】本発明の地下躯体の構築工法の工程(7) (8)を示す断面図である。
【図16】本発明の地下躯体の構築工法の工程(9)を示す断面図である。
【図17】山留め壁の応力を従来工法と本発明工法とで比較したグラフである。
【図18】本発明のコーナー腹起しの別の例を示す平面図である。

Claims (7)

  1. 山留め壁の内部を下方へと順次掘削しつつ地下躯体を構築する工法であり、初期掘削空間内の下部に、ジャッキ装置を備えた可動の切梁支保工を配設してジャッキ装置により山留め壁にプレロードを導入し、この切梁支保工の上に地下階の本設梁を設置し、その上に1階の本設梁を架設して、地下階の可動の本設梁を吊り支持装置により1階の本設梁から吊り支持する工程を有し、この初期状態から、上部の本設梁と切梁支保工により山留め壁を支えた状態で切梁支保工の下部を掘削する工程と、上部の本設梁の床が構築されて支保工として機能する状態から切梁支保工の平面形状をジャッキ装置により縮小する工程と、縮小した切梁支保工を上下スライド装置によりスライドダウンさせる工程と、所定位置にスライドダウンした切梁支保工の平面形状をジャッキ装置により拡大して山留め壁にプレロードを導入する工程と、切梁支保工により山留め壁を支えた状態で地下階の本設梁を上下スライド装置によりスライドダウンさせて所定の設置位置に吊り支持装置により吊り下げて架設する工程と、この架設された本設梁の床の構築を行う工程を順次繰り返して地下躯体を構築することを特徴とする地下躯体の構築工法。
  2. 請求項1に記載の構築工法において、ジャッキ装置は、切梁支保工の腹起しを山留め壁に対して進退移動させるストロークジャッキと、山留め壁にプレロードを導入するプレロードジャッキを直列に接続して構成されていることを特徴とする地下躯体の構築方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の構築工法において、上下スライド装置は、1階の本設梁に取付けられる昇降装置と、この昇降装置により昇降し、切梁支保工を着脱可能に把持し、かつ、地下階の本設梁を着脱可能に載置する把持装置とから構成されていることを特徴とする地下躯体の構築方法。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3に記載の構築工法において、吊り支持装置は、1階の本設梁に上部が固定されるロッドであることを特徴とする地下躯体の構築方法。
  5. 請求項4に記載の構築工法において、ロッドは、地下躯体の柱に埋設される鉄筋であることを特徴とする地下躯体の構築方法。
  6. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の構築工法において、切梁支保工の隅角部には、伸縮部材とプレロードジャッキを直列に接続して構成され、隅角部における腹起し同士を連結するコーナー火打ち切梁架設装置が設けられていることを特徴とする地下躯体の構築方法。
  7. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載の構築工法において、切梁支保工が設置される山留め壁の隅角部に予めコーナー用腹起しブロックを設けておき、切梁支保工の腹起しと前記コーナー用腹起しブロックとの間に楔部材を挿入し、切梁支保工をコーナー用腹起しブロックに固定することを特徴とする地下躯体の構築方法。
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