JP3780750B2 - 測色的色表現方法と測色的色表現装置ならびに測色的色表現プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体 - Google Patents

測色的色表現方法と測色的色表現装置ならびに測色的色表現プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間内の特定の位置に配した同一平面上の複数の色票を用いた標準板をデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどのカメラで撮像することによって得られた画像から、その位置を照射する照明光の分光特性を算出し、画像を測色的に得、撮像された空間のシーンと同一の色の見えを画像表示装置に再現する測色的色表現装置に関する。撮像された空間の色情報を測色的に保存し、画像表示装置にその色情報を保存して表示するため、例えば、画像表示装置で表示される色再現は撮像シーンの色の見えにおいて一致されたものであり、印刷やマルチメディアなど、カラーの処理、伝達、出力、などにおける自動色補正など好適に利用可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮像系により撮像した空間の画像データとその表示方法は以下のような方法が一般的である。
(a)撮像系により撮像した空間の画像データをそのまま表示装置の駆動信号として直接表示装置に表示する。
【0003】
(b)撮像系に対する所謂ICC(InternationalColorConsorthiumの略)などのデバイスの色特性記述ファイルを用いて、撮像系固有の画像データを測色値画像データに変換し、さらに、画像表示系に対するICCデバイス色特性記述ファイルを用いて、測色値画像データを画像表示装置駆動信号に基づく画像データへ変換し、画像表示装置に表示する。
【0004】
しかしながら、前記(a)や(b)の方法には、それぞれ以下の問題点を有していた。
【0005】
(a)撮像系により撮像した空間の画像データは撮像系固有の特性によって記述され、また、画像表示装置の駆動信号とそれによって画像表示装置上に再現される色の関係は画像表示装置固有であるため、撮像した画像データをそのまま表示装置で表示したのでは色の再現はまったく保証されなくなる。
【0006】
(b)ICC等のデバイスの色特性記述ファイルでは、撮像される照明毎にそれら特性記述ファイルを必要とし、照明の条件毎に全ての特性記述ファイルを準備する必要があった。また、このような「色の補正」の為には、シーンがどのような種類の照明光下で撮像されていたかが重要な情報である。撮像されてある画像だけからではそのような情報が得られない為に、一般には、画像補正を行う者が必要なその情報(即ち、そのシーンがどのような種類の照明光下で撮像されていたかを示す情報。)を測定機等を用いて撮像条件が変わる都度に得なければならない必要があった。また、光源の分光特性を得る場合には、一般的に、測定機器として高価、重い、大きい、測定に要する時間が長くかかる、測定データを処理する装置との間にインターフェイスを必要とする、といった諸問題があった。また、これらと撮像系との一体化を考慮した場合は、その価格が高くなること、重量が重くなること、サイズが大きくなること、そして需要が乏しい(市場規模が小さい)こと、などの観点から普通は合理的ではなと考慮される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来の技術がもつ問題点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、照明光の専用の分光特性測定機器を必要とせず、撮像系を利用することによって、低コストで簡便・迅速にしかも精度のよく照明光の特性を推定し、撮像された画像データを測色的な画像データである測色値画像データに変換し、さらにこの測色値画像データの測色値を画像表示装置上に表示することを可能とする為の測色的色表現方法、及びそれに好適な測色的色表現装置ならびに測色的色表現プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明が提供する手段は、まず請求項1の発明にあっては、
分光反射率が異なる複数の色票を同一の面上に配した標準板を、分光特性を求めたい照明光が照射する空間内の所望する位置に設置し、該標準板の複数の色票を撮像系により撮像した画像データを用いて、該標準板を照射する照明光の分光特性を推定し、
推定した該分光特性と撮像系の分光感度特性、並びに、画像表示系の駆動信号とそれにより表示される色の関係とを用いて、該空間の照明下で撮像された任意の画像の、撮像された空間での色と同一の色の見えを画像表示系に再現する測色的色表現方法であって、
(イ)前記標準板上の各色票に対応する撮像応答値を前記画像データから抽出し、抽出した全ての撮像応答値r ij を列成分とする目的変数ベクトルrを作成する目的変数ベクトル作成ステップ;
(ロ)前記目的変数ベクトル作成ステップの前後いずれかの順序で行うか、あるいは該目的変数ベクトル作成ステップと並行して行い、前記照明光の分光特性を複数の色票から得られる撮像応答値r ij の数nより小さい次数で表現するための基底関数 (λ)を各列の成分とするd列の基底関数行列Bと、前記標準板上の異なる複数の色票の分光反射率 (λ)および前記撮像系の分光感度特性 (λ)の各波長の成分における積を成分とする行列との積として説明変数行列Tを作成する説明変数行列作成ステップ;
(ハ)前記目的変数ベクトルrを、前記説明変数行列T、照明光分光分布を基底関数の線形結合で表すための重み係数ベクトルwとの積で表し、最適化法を施すことにより最適な重み係数ベクトルwを算出し、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表現する最適解を照明光の基底関数行列Bと、重み係数ベクトルwとの積として求める分析ステップ;
(ニ)前記最適解を、所望する表現形式の分光特性に変換して、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表す値を算出する変換ステップ;
によって前記照明光の分光特性を算出し、
次いで、
(ホ)前記照明光の分光特性を表す値と前記撮像系の分光特性から第二の説明変数を作成する第二の説明変数作成ステップ;
(ヘ)前記第二の説明変数作成ステップに対してその前後いずれかの順序で、あるいは該第二の説明変数作成ステップと並行して行い、前記照明光の分光特性を表す値と人の視感度特性を用いて第二の目的変数を作成する第二の目的変数作成ステップ;
(ト)前記第二の説明変数と第二の目的変数とを用いて最適化法を施すことにより、撮像応答値を測色値表現する第二の最適解を得る測色値表現分析ステップ;
(チ)前記第二の最適解を用いて前記撮像系により撮像した画像データを測色値画像データへ変換する測色値画像データ変換ステップ;
(リ)表示系の駆動信号とその信号によって表示系に表示される色の関係を用いて、前記測色値画像データを表示系駆動用画像データへ変換する表示系駆動用画像データ変換ステップ;
以上の(イ)〜(リ)の全ステップを具備することを特徴とする測色的色表現方法である。
尚、本発明に係わる最適化法とは、選択のうえ適宜好ましい手法を採用して良いが、具体的には例えば重回帰分析が好適な一例として挙げられる。また、最適化法を適用した際の最適解とは、例えば最適化法として重回帰分析を適用した場合なら、偏回帰係数を求めることに他ならない。
【0009】
それから、標準板の分光反射率が異なる複数の色票を配した前記の面は、好ましくは平面である。但し、本発明の目的にある照明光の分光特性の推定に関わる精度上、特に問題に成らない程度であれば、必ずしも平面でなくても良い。(一部に、又は全部に曲面部が存在しても良い)。
また、前記(リ)の後に、(ヌ)表示系駆動用画像データを表示系で表示する表示ステップを行なってもよい
【0010】
また、その面の一部に又は全部に曲面部が存在したとしても、本発明に関わる推定方法のステップの途中か/又は最後で、または推定装置の撮像手段、解析手段、設定手段、あるいはその他に別途付加する手段で、前記の面が平面ではない為に生じる誤差を補正する為のステップ(又は機能)を備えることにより、本発明を好適に適応可能となる。しかしその場合でも、本発明に関わる照明光の分光特性推定方法あるいは分光特性推定装置を適用して実際に具現化したソフトウェアやハードウェアの開発コスト、開発に要する期間、あるいはソフトウェアやハードウェアの製品としての価格などを考慮すると、前記の標準板の分光反射率が異なる複数の色票を配した前記の面は、やはり平面であることの方が経済性の良さや市場競争力の強さをよりいっそう得やすい等の理由からより好ましい。
【0011】
また、請求項に記載の発明にあっては、特に、前記(ハ)の分析ステップに対してその前後いずれかの順序で、あるいは並行して行い、照明光の種類を判別し、判別された種類の照明光がもつ分光特性を、複数の色票から得られる撮像応答値r ij の数nより小さい次数で表現するための基底関数を選択する選択ステップを行なうとしてもよい。
【0012】
また、請求項2の発明にあっては、
空間内の所望する位置を照射する照明光の分光特性を推定し、該空間の照明下で撮像された任意の画像の、撮像された空間での色と同一の色の見えを画像表示系に再現することが可能な測色的色表現装置であって、
(ヲ)分光反射率が異なる複数の色票を同一の面上に配した標準板を前記所望の位置に設置した場合に、撮像特性データが既知である撮像系によって撮像された該複数の色票の画像データを入力する入力手段;
(ワ)前記標準板上の各色票に対応する撮像応答値を前記画像データから抽出し、抽出した全ての撮像応答値r ij を列成分とする目的変数ベクトルrを作成するとともに、前記照明光の分光特性を複数の色票から得られる撮像応答値r ij の数nより小さい次数で表現するための基底関数 (λ)を各列の成分とするd列の基底関数行列Bと、前記標準板上の異なる複数の色票の分光反射率 (λ)および前記撮像系の分光感度特性 (λ)の各波長の成分における積を成分とする行列との積として説明変数行列Tを作成し、前記目的変数ベクトルrを、前記説明変数行列T、照明光分光分布を基底関数の線形結合で表すための重み係数ベクトルwとの積で表し、最適化法を施すことにより最適な重み係数ベクトルwを算出し、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表現する最適解を照明光の基底関数行列Bと、重み係数ベクトルwとの積として求め、この最適解を所望する表現形式の分光特性に変換して、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表す値を算出する解析手段;
(ヨ)前記照明光の分光特性の推定値、撮像系の入射光に対する分光感度特性、および人の視感度特性を用いて、撮像された撮像系固有の前記画像データを測色値画像データへ変換する測色値画像データ変換処理手段;
(タ)表示系の駆動信号とその信号によって表示系に表示される色との関係を用いて、前記測色値画像データを表示系駆動用画像データへ変換する表示系駆動用画像データ変換処理手段;
以上の(ヲ)、(ワ)、(ヨ)及び(タ)の全手段を具備することを特徴とする測色的色表現装置である。
【0013】
尚、本発明に係わる測色的色表現装置としては、(デジタル)カメラあるいは(デジタル)ビデオカメラ、と所謂コンピュータ(演算処理装置、常識的に必要な情報記憶装置も含む)とを主要な構成要素としても良く、画像モニターを装備すれば測色的に再現した色表現の画像を見ることが出来る。また、所謂コンピュータを装備しなくても、(デジタル)カメラとか(デジタル)ビデオカメラ自体にそのような解析機能や画像データ処理機能、およびその他の必要な情報記憶機能等を備えさせておけば、それら(デジタル)カメラとか(デジタル)ビデオカメラ自体が測色的色表現装置となる(画像モニターについては、モニターを別途用意しても、あるいは、(デジタル)カメラとか(デジタル)ビデオカメラカメラに備付けの画像モニターでも良い。画像モニターとしては、極力、画像品質の高いモニターの方が一般に好ましい。
【0015】
また、請求項3に記載の発明にあっては、
分光反射率が異なる複数の色票を同一の面上に配した標準板を、分光特性を求めたい照明光が照射する空間内の所望する位置に設置し、該標準板を撮像系により撮像した画像データを与えられた場合に、
空間内の所望する位置を照射する照明光の分光特性を推定し、該空間の照明下で撮像された任意の画像の、撮像された空間での色と同一の色の見えを画像表示系に再現することを可能に出来る測色的色表現プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体であって、
(ツ)前記画像データを記憶手段に記憶させ、前記標準板上の各色票に対応する撮像応答値を該画像データから抽出し、抽出した全ての撮像応答値r ij を列成分とする目的変数ベクトルrを作成する目的変数行列ベクトル作成ステップ;
(ネ)前記目的変数ベクトル作成ステップに対してその前後いずれかの順序で、あるいは該目的変数ベクトル作成ステップと並行して行い、前記照明光の分光特性を複数の色票から得られる撮像応答値r ij の数nより小さい次数で表現するための基底関数 (λ)を各列の成分とするd列の基底関数行列Bと、前記標準板上の異なる複数の色票の分光反射率 (λ)および前記撮像系の分光感度特性 (λ)の各波長の成分における積を成分とする行列との積として説明変数行列Tを作成する説明変数行列作成ステップ;
(ナ)前記目的変数ベクトルrを、前記説明変数行列T、照明光分光分布を基底関数の線形結合で表すための重み係数ベクトルwとの積で表し、最適化法を施すことにより最適な重み係数ベクトルwを算出し、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表現する最適解を照明光の基底関数行列Bと、重み係数ベクトルwとの積として求める分析ステップ;
(ラ)前記最適解を、所望する表現形式の分光特性に変換して、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表す値を算出する変換ステップ;
(ム)前記照明光の分光特性を表す値と前記撮像系の分光特性から第二の説明変数を作成する第二の説明変数作成ステップ;
(ウ)前記第二の説明変数作成ステップに対してその前後いずれかの順序で、あるいは該第二の説明変数作成ステップと並行して行い、前記照明光の分光特性を表す値と人の視感度特性を用いて第二の目的変数を作成する第二の目的変数作成ステップ;
(エ)前記第二の説明変数と第二の目的変数とを用いて最適化法を施すことにより、撮像応答値を測色値表現する第二の最適解を得る測色値表現分析ステップ;
(ノ)前記第二の最適解を用いて前記撮像系により撮像した画像データを測色値画像データへ変換する測色値画像データ変換ステップ;
(オ)表示系の駆動信号とその信号によって表示系に表示される色の関係を用いて、前記測色値画像データを表示系駆動用画像データへ変換する表示系駆動用画像データ変換ステップ;
以上の(ツ)〜(オ)の全ての処理ステップを具備することを特徴とする測色的色表現プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体である。
【0016】
本発明に係わる測色的色表現プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体は、特に媒体の形態を限定しなければならなものではなく、また記録や読み取りの方式にも関係なく、いわゆるフロッピディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MO、磁気テープ、メモリーカード、スマートメディア、あるいはチップ、等々いずれでも良い。
【0017】
<作用>
本発明によれば、まず請求項1に示す測色的色表現方法、あるいは請求項に示す測色的色表現装置によって、
空間内の測定対象とする位置に標準板を設置し、空間内の測定点とする位置から撮像手段を用いて標準板を撮像することによって得られる画像データを、解析手段において、撮像手段の撮像特性データと標準板の各色票表面の分光反射率データとに基づいて解析することによって、空間内の測定対象とする位置の照明光の分光特性データを得る。尚、前記の解析をより精度良く解析する為には、照明光の分光特性を複数の色票から得られる撮像応答値r ij の数nより小さい次数で表現するための基底関数と撮像手段の撮像特性データと標準板の異なる複数の色票表面の分光反射率データとに基づいて解析することが効果的であり、好ましい。
【0018】
そして、得られたこの照明光の分光特性と撮像系の分光感度特性から撮像系によって得られた画像データを測色データへ変換する変換係数を変換係数算出手段により算出し、この変換係数を用いて撮像系により撮像された画像データを測色値画像データへ画像変換処理手段により変換し、表示系の駆動信号とその信号によって表示系に表示される色の関係から測色値画像データを表示系駆動用画像データへ画像変換処理手段により変換し、画像表示手段により画像を表示することができる。
【0019】
この表示画像は、撮像された空間の色情報を測色的に保存し、画像表示装置にその色情報を保存して表示するため、撮像された空間のシーンと同一の色の見えを画像表示装置に再現することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
<1.構成>
以下では、本発明に関わる装置構成について具体な例示も含めて、図面を参照しつつより詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施形態に係わる測色的色表現装置の構成を示す説明図である。
同図において、1は標準板であり、空間内の測定対象位置に撮像手段の方向へ前記色票の面を向けて設置する。その表面上には、分光反射率がそれぞれ異なる(例えば)合計24個の色票を配列している。
尚、それぞれの色票の表面の反射特性は、拡散性が高く、同一色票内ではその拡散性及び反射率が実質一様であるように作成してある。
【0022】
また、2はデジタルスチルカメラ(以下、デジタルカメラと呼ぶ)である。ここでは、RGBの3チャンネルの光センサーが検出した電位信号を処理して、各画素のRGB階調値をカラーの画像データとして画像ファイル記録する撮像手段と、撮像手段の露光条件であるシャッタースピードと絞り値を制御して各露光条件を画像データと共に画像ファイルに記録する設定手段とを兼ね備えたデジタルカメラである。
【0023】
また、3は撮像手段で得られた標準板の画像ファイルを入力〜解析して、照明光の分光特性データとして、(例えば)波長域380〜780nmの範囲にわたり5nm間隔で合計81個ぶんの分光分布のデータを出力する解析手段であり、計算機(コンピュータ)が用いられる。
【0024】
また、撮像された画像ファイルは3の計算機によって、撮像系固有の画像データから測色値画像データへ変換される。さらに、計算機(コンピュータ)に接続されたCRTの駆動信号と再現される色の関係から、測色値画像データをCRTに表示させた時に測色的関係を保存するようにCRT駆動信号に基づく画像データに変換し、この画像データをCRT上に表示する。
【0025】
<2.動作>
2−1.全体動作
以下、本発明に関わる測色的色表現方法や測色的色表現装置の一例について、図面を参照しつつ、全体の処理のステップあるいは全体の動作について説明する。
【0026】
図2は、本実施形態に係わる測色的色表現装置を用いた全体の動作フローを示すブロック図である。
【0027】
(ブロック図のs1)
ユーザが、標準板1を測定対象位置に設置し、デジタルカメラ2をデジタルカメラ2の撮像範囲内で標準板1が適切な大きさに撮像されるような測定位置に設置し、標準板1の法線方向とデジタルカメラ2の撮像系の光軸とが一致するように標準板1とデジタルカメラ2の方向を調整する。
【0028】
(ブロック図のs2)
ユーザが、標準板1の表面から反射する光がデジタルカメラ2の適性露光範囲に収まるようにデジタルカメラ2の露光条件であるシャッタースピードと絞り値を設定する。
【0029】
(ブロック図のs3)
ユーザが、デジタルカメラ2のシャッターを切り、デジタルカメラ2が、撮像を行い、画像データと露光条件を画像ファイルに記録する。また、同様の手順により同一照明下で撮像の本来の目的となる空間を撮像し、画像ファイルに記憶する。
【0030】
(ブロック図のs4)
ユーザが、デジタルカメラ2に記録された画像ファイルを計算機3へ入力する。
【0031】
(ブロック図のs5)
ユーザが、計算機3のモニターへ標準板1を含む画像ファイル中の画像データを表示させ、観察して、画像内の標準板1が占めている位置を指定する。
【0032】
(ブロック図のs6)
計算機3は、照明光の分光分布を複数の色票から得られる適正応答範囲内の階調値データより小さい次数で表現するための基底関数と、デジタルカメラ2の撮像特性データ(階調特性、分光感度特性、適正応答範囲)と、標準板1の異なる複数の色票面の分光反射率データとに基づいて、画像ファイル内に記録された標準板の画像データと、画像ファイル内に記録された標準板撮像時のデジタルカメラ2の露光条件とに対応して解析処理を施し、標準板1を照射した照明光の分光分布データを出力する。その後、この照明光の分光分布データと、予め得て計算機内に記憶させておいたデジタルカメラ2の分光感度特性を記述したデータから解析処理を施し、デジタルカメラ2で得た画像データを測色データへ変換する測色変換係数を算出する。
【0033】
(ブロック図のs7)
計算機3が、解析処理で計算された測色変換係数に基づき、s 4で入力したデジタルカメラ2からの画像ファイルの画像データを測色値画像データへ変換する。
【0034】
(ブロック図のs8)
計算機3が、CRTの駆動信号と表示される色の関係を記述したCRT色特性記述データから、測色値画像データをCRTで表示した時にこの測色値が保存されるようにCRT駆動信号に基づく画像データへ変換する。
【0035】
(ブロック図のs9)
CRT駆動信号に基づく画像データをCRTに表示する。
【0036】
尚、上記s1〜s9は、部分的に又は全体的に、ユーザー(人間)の作業によるのではなく、自動で処理することも可能である。省力化や迅速化の為には一般にその方が好ましい。また、s 4では一度に撮像した画像データ全てを計算機3に入力したが、s4では測色変換係数を得るための標準板1を撮像した画像データのみを入力し、s 7の段階で残る撮像した画像データ全てを計算機3に入力してもよい。
【0037】
2−2.解析処理
以下、本発明に関わる測色的色表示方法あるいは測色的色表示装置の一例について、デジタルカメラ2に固有な画像データから測色値画像データへ変換する係数を算出する解析処理について、図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0038】
(フローチャートのs10)
デジタルカメラで標準板を含むシーンを撮像した画像データが記載されたファイルを、通信線で接続されたデジタルカメラから入力し、計算機3へ記録する。
【0039】
(フローチャートのs11)
標準板の画像データをモニターへ表示し、撮像された画像内の標準板の位置をユーザに指定させ、この指定位置より特定される各色票内の中心付近の一定領域の画素について(例えば)3 チャンネル(R,G,B)それぞれの平均値を計算し、(例えば)24個の色票に対応した階調値;
Rj , gGj , gBj (j:色票番号)
から成る(例えば)全72個の階調値データを得る。
尚、チャンネルは前記(R,G,B)の3チャンネルが最も一般的である。
【0040】
(フローチャートのs12)
全色票に対応した(例えば)3×24個の階調値データから、あらかじめ記録してあるデジタルカメラ2の適正応答範囲内にないデータn0 個を除き、全部でn個〔=(72−n0 )個〕の階調値データを得る。
【0041】
(フローチャートのs13)
デジタルカメラ2への入射光のエネルギー量とデジタルカメラ2が出力する階調値との非線形な関係を関数F(x)としてあらかじめ記録した階調特性データによって、n個の階調値データを、エネルギー量に線形で0〜1に標準化された線形階調値データ;
【0042】
【数1】
Figure 0003780750
【0043】
(ここで i:チャンネル(R,G,B), j:色票番号 )
へ変換する。
【0044】
(フローチャートのs14)
標準板を撮像した際にデジタルカメラで設定した露光条件であるシャッタースピード(t)と絞り値(f)とを、画像データが記録されたファイルから読み込み、n個の線形階調値データをこれらの露光条件によりシャッタースピード1あたり且つ絞り値1あたりの階調値に標準化し、応答値データ
【0045】
【数2】
Figure 0003780750
【0046】
とし、これらをn次元の1列の応答値ベクトル
【0047】
【数3】
Figure 0003780750
【0048】
で表す。
【0049】
(フローチャートのs15)
あらかじめ記録してある、デジタルカメラ2の入射光の分光エネルギー(例えば)波長域380〜780nmの範囲で5nm間隔に対する応答値の関係を記述した3チャンネルそれぞれの分光感度特性データ;
(λ)
と、標準板上の全色票の分光反射率をやはり380〜780nmの範囲で5nm間隔で記述した24個の分光反射率データ;
(λ)
と、照明光の分光分布をd次元で表現するためのd個の基底関数;
(λ)
とから、n行×81列の説明変数行列;
【0050】
【数4】
Figure 0003780750
【0051】
を次のように作成する。
【0052】
【数5】
Figure 0003780750
【0053】
【数6】
Figure 0003780750
【0054】
λ: 波長(λ ,λ ,λ ,‥‥,λ 81
B: 各列が基底関数b (λ)を示す基底関数行列(81行×d列)
【0055】
(フローチャートのs16)
照明の分光分布をd個の基底関数;
bk (λ)
の線形結合で表すためのd個の重み係数から成る重みベクトルを
【0056】
【数7】
Figure 0003780750
【0057】
とすると、応答値ベクトル;
【0058】
【数8】
Figure 0003780750
【0059】
は、
【0060】
【数9】
Figure 0003780750
【0061】
と表わすことができることから、説明変数;
【0062】
【数10】
Figure 0003780750
【0063】
に対して、応答値ベクトル;
【0064】
【数11】
Figure 0003780750
【0065】
を目的変数とした線形最適化法を施し、得られた最適解を重みベクトル
【0066】
【数12】
Figure 0003780750
【0067】
とする。
但し、照明の分光分布を基底関数の線形結合で表すための次数dは、適正応答範囲内の応答値の数nより小さくなければならない。
【0068】
(フローチャートのs17)
d個の基底関数を収めた基底関数行列;
【0069】
【数13】
Figure 0003780750
【0070】
とd次元の重みベクトル
【0071】
【数14】
Figure 0003780750
【0072】
とにより、
【0073】
【数15】
Figure 0003780750
【0074】
を計算し、未知であった照明光の分光分布データを、380〜780nmの範囲の5nm間隔で合計81個の分光分布の推定値を収めたベクトル
【0075】
【数16】
Figure 0003780750
【0076】
として得る。
【0077】
(フローチャートのs18)
波長域380〜780nmの範囲で5nm間隔で記述したCIE1931の2°視野の標準観測者の等色関数;
1x 0(λ)
1y 0(λ)
1z 0(λ)
から等色関数行列;
【0078】
【数17】
Figure 0003780750
【0079】
を次のように作成する。
【0080】
【数18】
Figure 0003780750
【0081】
(フローチャートのs19)
デジタルカメラ2の分光感度特性データ;
i (λ)
からカメラ分光感度行列;
【0082】
【数19】
Figure 0003780750
【0083】
を次のように作成する。
【0084】
【数20】
Figure 0003780750
【0085】
(フローチャートのs20)
また、3×3の重み係数からなる重みベクトルを
【0086】
【数21】
Figure 0003780750
【0087】
とすると、デジタルカメラ2の分光感度特性と推定された照明の分光特性と標準観測者の等色関数の関係は、
【0088】
【数22】
Figure 0003780750
【0089】
と、表わすことができるから、等色関数行列と推定された照明の分光特性を収めた行列から、
【0090】
【数23】
Figure 0003780750
【0091】
を第二の目的変数行列として作成する。
【0092】
(フローチャートのs21)
デジタルカメラ2の分光感度特性を収めた行列と推定された照明の分光特性を収めた行列から第二の説明変数行列である
【0093】
【数24】
Figure 0003780750
【0094】
を作成する。
【0095】
(フローチャートのs22)
線形最適化法を施し、3×3の重み係数からなる重みベクトル
【0096】
【数25】
Figure 0003780750
【0097】
を得る。
【0098】
2−3.画像変換処理
以下、本発明に関わる測色的色表現方法あるいは測色的色表現装置の一例について、解析処理で計算された測色変換係数である3×3の重み係数からなる重みベクトル
【0099】
【数26】
Figure 0003780750
【0100】
を用い、デジタルカメラ2からの画像ファイルの画像データを測色データへ変換する画像変換処理について図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0101】
(フローチャートのs23)
デジタルカメラ2からの画像ファイルの3チャンネル(R,G,B)の画像データを、
Ro、dGo、dBo
(ここで、o:画素番号)
とすると、入射光のエネルギー量とデジタルカメラ2の出力階調値の関係を記述した関数F(x)を用い、画像データを、エネルギー量に線形で0〜1に標準化された線形画像データ;
【0102】
【数27】
Figure 0003780750
【0103】
(ここで i:チャンネル(R,G,B), o:画素番号 )
へ変換する。
【0104】
(フローチャートのs24)
測色変換係数を記述した測色変換ベクトル
【0105】
【数28】
Figure 0003780750
【0106】
を用いて、線形画像データを測色データ;
【0107】
【数29】
Figure 0003780750
【0108】
を、得る。
【0109】
2−4.画像表示のための画像変換処理
以下、本発明に関わる測色的色表現方法あるいは測色的色表現装置の一例について、測色値画像データへ変換されたデータを、CRTで表示した時にそれらの測色値を保存して、CRT上に表示する処理について図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0110】
(フローチャートのs25)
計算機3において、あらかじめ記録したCRTの駆動信号とその駆動信号によってCRT上に再現される色との関係を記述したCRT色特性記述データ、例えば、ICCプロファイルを読み込む。この色特性記述データの関係に従い、測色値画像データをCRT駆動信号に基づく画像データへ変換する。
【0111】
(フローチャートのs26)
CRT駆動信号に基づく画像データをCRT上に表示する。
【0112】
<3.変形例>
以上本発明に関わる推定方法及び推定装置について例を挙げてその実施形態を説明したが、それ以外にも例えば次のような変形例も考えられる。
【0113】
(a)解析手段が出力する照明光の分光特性データとしては、分光分布データである必要はなく、分光特性に対応するその他の値もしくは分光分布データから計算される値でも好ましい。
(b)解析手段において、標準板を撮像した際の露光条件を使用しなくても、照明光の相対的な分光特性を解析し、出力することも好ましい。
【0114】
(c)色票によっては撮像応答値が撮像系の適正な応答範囲にない場合があるが、同一の撮像手段によって異なる露光条件で撮像した異なる撮像応答値を解析手段で適切に利用することも好ましい。
(d)標準板上の色票の数、照明の分光分布を基底関数で表すための次数、扱う全ての分光データの波長範囲、扱う全ての分光データの波長間隔などは固定ではなく、適正な推定精度を得られる範囲内であれば、必要に応じて選択することも好ましい。
(e)標準板上の色票の分光反射率の組み合わせは、用途や目的に応じて推定精度を高めるために最適化することも好ましい。
【0115】
(f)固定した露光条件により撮像する場合には、解析手段において露光条件による標準化の補正を、敢えて施さないことも好ましい。
【0116】
(g)解析手段において、露光条件による標準化の補正は、撮像応答値ではなく説明変数の方に施すことも好ましい。
(h)解析手段において、CIE1931の2°視野標準観測者の等色関数の代わりに、CIE1964の10°視野補助標準観測者の等色関数を用いることも好ましい。
(i)標準板の画像データには撮像系のノイズ成分が含まれている。その為、解析手段の中に、色票部をサンプリングした後の各種分析値から又は画像データから、ノイズ成分を除去(若しくは低減)する処理を組み込んでおくことも好ましい。
【0117】
(j)解析手段において、入力する露光条件は、画像データを含むファイルから入力するのではなく、デジタルカメラから露光条件を直接入力するとか、あるいはユーザが入力する、という事も好ましい。
(k)解析手段において、使用する標準板の指定位置の情報をユーザが入力する事を必要とせず、画像データを自動的に分析し標準板の指定位置を検出する処理を行なうよう機能を解析手段の中へ組み込むことも好ましい。
(l)解析手段は、必ずしも電子計算機(コンピュータ)を用意しなくても、独立した専用の装置を設けたり、あるいはマイコンをデジタルカメラの中に撮像系と一体で組み込んでおくことも好ましい。
【0118】
(m)画像変換手段は、必ずしも解析手段に用いた電子計算機(コンピュータ)によって行なう必要はなく、この画像変換は別の計算機によって行なっても良いし、これら変換機能を独立した専用の装置を設けたり、デジタルカメラの中に撮像系と一体で組み込んでおくことも好ましい。
【0119】
(n)撮像系は、必ずしもデジタルスチルカメラではなくてもよく、例えばデジタルビデオカメラか又はフィルム撮像用カメラと、イメージスキャナとを組み合わせて利用するなど、画像データを取得できる技術であるならばデジタルスチルカメラ以外の機器を利用することも好ましい。
【0120】
(o)設定手段として挙げた前記の例は、撮像手段と一体となったデジタルカメラであるが、必ずしも設定手段が撮像手段と一体に組み立てられている必要はなく、撮像手段以外の部分、例えば電子計算機に装備されていることも好ましい。
【0121】
(p)前記の例では、回帰分析としては線形な最適化法を挙げているが、例えば、照明光の分光特性が基底ベクトルと非線形な関係にある場合や、解析手段において画像のデータに線形化をほどこさない場合などには、適宜、非線形な回帰分析を行うことが好ましい場合もある。
(q)本実施例において行う回帰分析では、標準板上の各色票に対する撮像系の各チャンネルの応答値の重みを一様に扱っているが、例えば、撮像系の特定の応答値が照明光の分光特性と相関が低いような場合には、標準板上の色票や撮像系のチャンネルによって異なる重みを置いた回帰分析を行うことも好ましい。
【0122】
(r)照明光の分光特性を複数の色票から得られる撮像応答値r ij の数nより小さい次数で表現するための基底関数については、解析手段が、異なる複数の光源の種類毎にそれぞれ異なる基底関数を保持しておき、推定誤差などを利用して光源の種類を適切に選択する機能も備えておくことによって、その選択結果に対応した、より適切な基底関数を用いて照明光の分光特性を推定できるようにすることも好ましい。
【0123】
(s)上記変形例(r)に示した「光源の種類を適切に選択する機能」を備えておく場合、解析手段が出力する照明光の分光特性データとしては、「光源の種類を適切に選択する機能」が同定する光源の種類であってもよい。
【0124】
(t)前記の実施例では、画像表示手段としてCRTを用いたが、カラーLCDや、他のプリンタなどの色再現に用いられるカラー表示装置ならいずれを用いてもよい。
【0125】
(u)前記実施例のs25では、画像表示手段の駆動信号とその信号によって画像表示装置上に再現される色との関係を記述した画像表示装置色特性記述データとしてICCプロファイルを用いたが、特にこれに限定される必要はなく、駆動信号とその信号によって画像表示装置上に再現される色との関係を記述してあるのであれば、例えば、非線形マスキング方程式等の多項式近似による記述や、Neugebauer式などの色再現モデルを用いて記述、または、これらの方法に従って、測色値画像データを画像表示装置駆動信号へ変換してもよい。
【0126】
(v)前記実施例のs24からs25へ受け渡されるデータの形態は測色値画像データとしたが、撮像時の照明環境と、画像表示装置上で再現される画像を観察する照明環境が異なるような場合、CIECAM97sのようなカラーアピアランスモデルなどによる処理をs24とs25の間に用いて、それら観察照明環境の違いの補正を行ない、撮像時の色の見えと画像表示装置上における色の見えの差を吸収するような変換を加えた測色値画像データをs25の入力されるデータとしてもよい。
【0127】
【発明の効果】
以上に説明してきたように、本発明によれば、専用の光源の分光特性測定機器を必要とせず、撮像系を利用することによって、低コストで簡便・迅速にしかも精度のよく光源の特性を推定し、撮像された画像データを測色的な画像データである測色値画像データに変換し、さらにこの測色値画像データの測色値を画像表示装置上に表示することを可能とする為の測色的色表現方法、及びそれに好適な測色的色表現装置ならびに測色的色表現プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる測色的色表現装置の一例について、その概略構成を模式的に示す説明図。
【図2】本発明に関わる測色的色表現装置の一例について、その全体の動作を説明するフローチャート。
【図3】本発明に関わる測色的色表現装置の一例について、解析手段が行う処理を説明するフローチャート。
【図4】本発明に関わる測色的色表現装置の一例について、画像変換処理手段が行う処理を説明するフローチャート。
【図5】本発明に関わる測色的色表現装置の一例について、画像表示のための画像変換処理手段が行う処理を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1・・・標準板
2・・・撮像手段(デジタルカメラ)
3・・・解析手段(電子計算機)

Claims (3)

  1. 分光反射率が異なる複数の色票を同一の面上に配した標準板を、分光特性を求めたい照明光が照射する空間内の所望する位置に設置し、該標準板の複数の色票を撮像系により撮像した画像データを用いて、該標準板を照射する照明光の分光特性を推定し、
    推定した該分光特性と撮像系の分光感度特性、並びに、画像表示系の駆動信号とそれにより表示される色の関係とを用いて、該空間の照明下で撮像された任意の画像の、撮像された空間での色と同一の色の見えを画像表示系に再現する測色的色表現方法であって、
    (イ)前記標準板上の各色票に対応する撮像応答値を前記画像データから抽出し、抽出した全ての撮像応答値r ij を列成分とする目的変数ベクトルrを作成する目的変数ベクトル作成ステップ;
    (ロ)前記目的変数ベクトル作成ステップの前後いずれかの順序で行うか、あるいは該目的変数ベクトル作成ステップと並行して行い、前記照明光の分光特性を複数の色票から得られる撮像応答値r ij の数nより小さい次数で表現するための基底関数 (λ)を各列の成分とするd列の基底関数行列Bと、前記標準板上の異なる複数の色票の分光反射率 (λ)および前記撮像系の分光感度特性 (λ)の各波長の成分における積を成分とする行列との積として説明変数行列Tを作成する説明変数行列作成ステップ;
    (ハ)前記目的変数ベクトルrを、前記説明変数行列T、照明光分光分布を基底関数の線形結合で表すための重み係数ベクトルwとの積で表し、最適化法を施すことにより最適な重み係数ベクトルwを算出し、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表現する最適解を照明光の基底関数行列Bと、重み係数ベクトルwとの積として求める分析ステップ;
    (ニ)前記最適解を、所望する表現形式の分光特性に変換して、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表す値を算出する変換ステップ;
    によって前記照明光の分光特性を算出し、
    次いで、
    (ホ)前記照明光の分光特性を表す値と前記撮像系の分光特性から第二の説明変数を作成する第二の説明変数作成ステップ;
    (ヘ)前記第二の説明変数作成ステップに対してその前後いずれかの順序で、あるいは該第二の説明変数作成ステップと並行して行い、前記照明光の分光特性を表す値と人の視感度特性を用いて第二の目的変数を作成する第二の目的変数作成ステップ;
    (ト)前記第二の説明変数と第二の目的変数とを用いて最適化法を施すことにより、撮像応答値を測色値表現する第二の最適解を得る測色値表現分析ステップ;
    (チ)前記第二の最適解を用いて前記撮像系により撮像した画像データを測色値画像データへ変換する測色値画像データ変換ステップ;
    (リ)表示系の駆動信号とその信号によって表示系に表示される色の関係を用いて、前記測色値画像データを表示系駆動用画像データへ変換する表示系駆動用画像データ変換ステップ;
    以上の(イ)〜(リ)の全ステップを具備することを特徴とする測色的色表現方法。
  2. 空間内の所望する位置を照射する照明光の分光特性を推定し、該空間の照明下で撮像された任意の画像の、撮像された空間での色と同一の色の見えを画像表示系に再現することが可能な測色的色表現装置であって、
    (ヲ)分光反射率が異なる複数の色票を同一の面上に配した標準板を前記所望の位置に設置した場合に、撮像特性データが既知である撮像系によって撮像された該複数の色票の画像データを入力する入力手段;
    (ワ)前記標準板上の各色票に対応する撮像応答値を前記画像データから抽出し、抽出した全ての撮像応答値r ij を列成分とする目的変数ベクトルrを作成するとともに、前記照明光の分光特性を複数の色票から得られる撮像応答値r ij の数nより小さい次数で表現するための基底関数 (λ)を各列の成分とするd列の基底関数行列Bと、前記標準板上の異なる複数の色票の分光反射率 (λ)および前記撮像系の分光感度特性 (λ)の各波長の成分における積を成分とする行列との積として説明変数行列Tを作成し、前記目的変数ベクトルrを、前記説明変数行列T、照明光分光分布を基底関数の線形結合で表すための重み係数ベクトルwとの積で表し、最適化法を施すことにより最適な重み係数ベクトルwを算出し、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表現する最適解を照明光の基底関数行列Bと、重み係数ベクトルwとの積として求め、この最適解を所望する表現形式の分光特性に変換して、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表す値を算出する解析手段;
    (ヨ)前記照明光の分光特性の推定値、撮像系の入射光に対する分光感度特性、および人の視感度特性を用いて、撮像された撮像系固有の前記画像データを測色値画像データへ変換する測色値画像データ変換処理手段;
    (タ)表示系の駆動信号とその信号によって表示系に表示される色との関係を用いて、前記測色値画像データを表示系駆動用画像データへ変換する表示系駆動用画像データ変換処理手段;
    以上の(ヲ)、(ワ)、(ヨ)及び(タ)の全手段を具備することを特徴とする測色的色表現装置。
  3. 分光反射率が異なる複数の色票を同一の面上に配した標準板を、分光特性を求めたい照明光が照射する空間内の所望する位置に設置し、該標準板を撮像系により撮像した画像データを与えられた場合に、
    空間内の所望する位置を照射する照明光の分光特性を推定し、該空間の照明下で撮像された任意の画像の、撮像された空間での色と同一の色の見えを画像表示系に再現することを可能に出来る測色的色表現プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体であって、
    (ツ)前記画像データを記憶手段に記憶させ、前記標準板上の各色票に対応する撮像応答値を該画像データから抽出し、抽出した全ての撮像応答値r ij を列成分とする目的変数ベクトルrを作成する目的変数行列ベクトル作成ステップ;
    (ネ)前記目的変数ベクトル作成ステップに対してその前後いずれかの順序で、あるいは該目的変数ベクトル作成ステップと並行して行い、前記照明光の分光特性を複数の色票から得られる撮像応答値r ij の数nより小さい次数で表現するための基底関数 (λ)を各列の成分とするd列の基底関数行列Bと、前記標準板上の異なる複数の色票の分光反射率 (λ)および前記撮像系の分光感度特性 (λ)の各波長の成分における積を成分とする行列との積として説明変数行列Tを作成する説明変数行列作成ステップ;
    (ナ)前記目的変数ベクトルrを、前記説明変数行列T、照明光分光分布を基底関数の線形結合で表すための重み係数ベクトルwとの積で表し、最適化法を施すことにより最適な重み係数ベクトルwを算出し、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表現する最適解を照明光の基底関数行列Bと、重み係数ベクトルwとの積として求める分析ステップ;
    (ラ)前記最適解を、所望する表現形式の分光特性に変換して、前記標準板を照射する照明光の分光特性を表す値を算出する変換ステップ;
    (ム)前記照明光の分光特性を表す値と前記撮像系の分光特性から第二の説明変数を作成する第二の説明変数作成ステップ;
    (ウ)前記第二の説明変数作成ステップに対してその前後いずれかの順序で、あるいは該第二の説明変数作成ステップと並行して行い、前記照明光の分光特性を表す値と人の視感度特性を用いて第二の目的変数を作成する第二の目的変数作成ステップ;
    (エ)前記第二の説明変数と第二の目的変数とを用いて最適化法を施すことにより、撮像応答値を測色値表現する第二の最適解を得る測色値表現分析ステップ;
    (ノ)前記第二の最適解を用いて前記撮像系により撮像した画像データを測色値画像データへ変換する測色値画像データ変換ステップ;
    (オ)表示系の駆動信号とその信号によって表示系に表示される色の関係を用いて、前記測色値画像データを表示系駆動用画像データへ変換する表示系駆動用画像データ変換ステップ;
    以上の(ツ)〜(オ)の全ての処理ステップを具備することを特徴とする測色的色表現プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体
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