JP3780060B2 - 傾斜機能材料、ランプ用封止部材およびその製造方法 - Google Patents

傾斜機能材料、ランプ用封止部材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属成分と絶縁性無機物質成分との焼結体よりなり、一方向に沿って金属成分濃度が傾斜的に変化する傾斜機能材料、並びにこれによるランプ用封止部材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
傾斜機能材料は、例えば金属成分と絶縁性無機物質成分との焼結体により構成され、或る一方向に沿って金属成分濃度(以下「金属濃度」ともいう。)が傾斜的に変化し、それによって金属濃度が高くて金属としての性質を有する部分と、金属濃度が低くて例えば絶縁性材料としての性質を有する部分とを共に有する一体の材料であり、例えばランプ用封止部材として好適に用いられる。
【0003】
従来、このような傾斜機能材料を製造する方法としては、大別して2種の方法が知られている。
(1)湿式法
この湿式法では、金属粉末と絶縁性無機物質粉末とを適宜の液状溶媒と共に混合してスラリーを調製し、このスラリーを例えば鋳込み成形することにより、金属成分の濃度が滑らかに変化する分布を有する成形体を製造し、この成形体を加熱して焼結することにより、傾斜機能材料が製造される。スラリーには、適宜のバインダー成分が含有されてもよい。このような湿式法による傾斜機能材料の製造方法は、例えば特開平8−138555号公報、特開平3−165832号公報、特開平3−274105号公報などに記載されている。
【0004】
この湿式法によれば、鋳込み成形工程において、例えば当該スラリーが重力の作用を受けることにより、得られる成形体は、金属粉末と無機物質粉末との比重の差による沈降速度の差により、下方部分では金属粉末の密度が大きくなって無機物質粉末の密度が小さくなり、上方部分では金属粉末の密度が小さくなって無機物質粉末の密度が大きくなり、しかも下方から上方に向かうに従って金属濃度が連続的に滑らかに漸減する状態のものとなる。従って、このような成形体を焼結することにより、一端部(鋳込み成形工程での下端部)では金属としての特性を有すると共に、他端部(鋳込み成形工程での上端部)では無機物質としての特性を有するものとなり、両者の性質が漸次に変化する傾斜機能材料が得られる。
【0005】
(2)乾式法
この乾式法では、金属粉末と無機物質粉末とを異なる割合で混合することによって金属粉末の含有割合が異なる複数の混合粉末を調製し、これを用いて、例えば金型内に金属濃度の低い混合粉末を層状に充填し加圧して第1の成形層を形成し、この第1の成形層の上に、前回の混合粉末よりも金属濃度が1段階だけ高い他の混合粉末を層状に充填し加圧して第2の成形層を第1の成形層と積層した状態で形成し、あるいは更に同様の工程を繰り返すことにより、各々においては均一な金属濃度を有する成形層の複数が、下から順次に金属濃度が高くなる状態で積層されてなる積層体を製造し、この積層体を加熱して焼結することにより、傾斜機能材料が製造される。このような乾式法による傾斜機能材料の製造方法は、例えば特開平8−138555号公報などに記載されている。
【0006】
この乾式法によって製造される傾斜機能材料は、各成形層によって形成される構成層の各々が、実質上、金属濃度が一定のものであるため、全体として、金属濃度が積層方向において階段状に変化する状態のものとなる。
【0007】
既述の湿式法は、金属濃度の変化の状態が連続的で滑らかな傾斜機能材料が得られる点では非常に有利であるが、金属濃度の連続的な変化を生じさせるために特別な処理、例えば長時間を要し、また複雑な制御を伴う処理を行うことが必要であり、そのためにコストが非常に高いものとなる。しかも、この湿式法では、十分な導電性が得られる程度に金属濃度が大きい傾斜機能材料は、実際上、製造が相当に困難であることが判明した。
【0008】
一方、乾式法は、製造工程が簡単であって、十分に制御された金属濃度の構成層による傾斜機能材料が得られ、また金属濃度が十分に高い構成層を有するものを比較的容易に製造できる点で有利である。
しかしながら、乾式法では、互いに隣接する構成層の金属濃度の変化が階段状であって局部的な変化率が相当に大きくなるため、物性の変化が局部的に大きくて滑らかでなく、その結果、特に金属濃度が低い部分では熱衝撃などにより容易にクラックが発生する問題点がある。そして、隣接する構成層間の金属濃度の変化率が小さい傾斜機能材料を製造するためには、構成層の数を多数とすればよいが、この場合には乾式法の利点が失われるようになる。また、構成層の界面における金属濃度の大きな変化を緩和するための手段として、例えば成形積層体を形成する工程において振動を加える手段が知られているが、この手段の効果は決して十分なものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、金属濃度が十分に低くて無機物質としての特性を有する部分と、金属濃度が十分に高くて金属物質としての特性を有する部分とを共に有し、優れた耐熱衝撃性を有し、しかも低いコストで有利に製造することのできる傾斜機能材料を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、そのような傾斜機能材料を封止用材料として用いることにより、優れた封止特性が得られるランプ用封止部材を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、当該ランプ用封止部材を容易に製造することのできる方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の傾斜機能材料は、各々金属成分と絶縁性無機物質成分とよりなり、傾斜した金属成分濃度を有する第1の仮焼結体と第2の仮焼結体が濃度傾斜方向が一致するよう、第1の仮焼結体の高濃度側端部に係る端面と第2の仮焼結体の低濃度側端部に係る端面とが互いに対接された状態で焼結されることによって接合されてなる傾斜機能材料であって、 第1の仮焼結体は、金属粉末と絶縁性無機物質粉末とを含有するスラリーから製造された金属成分濃度が一方向において漸次に滑らかに変化するものであり、
第2の仮焼結体は、金属粉末と絶縁性無機物質粉末との混合粉末であって金属粉末の含有割合が異なる複数の混合粉末から製造された、各々実質的に一定の金属成分濃度を有し、互いに金属成分濃度の異なる複数の成形層とよりなる積層体であり、
第1の仮焼結体の高濃度側端部および第2の仮焼結体の低濃度側端部の金属濃度が互いに同等であるかまたは近似しており、第2の仮焼結体と接合される第1の仮焼結体の金属成分の高濃度側端部の金属成分濃度が5.0〜30.0体積%であることを特徴とする。
【0012】
以上において、第1の仮焼結体は、金属粉末と絶縁性無機物質粉末と液状媒体とを含有するスラリーを鋳込み成形する工程を含む方法によって製造されることが好ましく、また、第2の仮焼結体は、金属粉末と絶縁性無機物質粉末とよりなる混合粉末であって金属粉末の含有割合が異なる複数のものを用い、金型内に一の混合粉末を層状に充填し加圧して成形層を形成し、この成形層の上に他の混合粉末を層状に充填し加圧して成形層の積層体を形成する方法によって製造されることが好ましい。
【0013】
また第2の仮焼結体は、その低金属濃度側の端部(以下「低濃度側端部」ともいう。)の金属成分濃度が、第1の仮焼結体の高金属濃度側の端部(以下「高濃度側端部」ともいう。)の金属成分濃度に対し、相対比率で95〜105%の範囲内であることが好ましい。更に、第1の仮焼結体はその低金属濃度側の端部の金属成分濃度が2.0体積%以下であり、第2の仮焼結体はその高濃度側端部の金属成分濃度が16体積%以上であることが好ましい。
第1の仮焼結体は、金属成分濃度の最大勾配が8.5体積%/mm以下であることが好ましく、第2の仮焼結体は、互いに隣接する成形層における金属成分濃度の差が10.0体積%以下であることが好ましい。
【0014】
本発明のランプ用封止部材は、上記のような傾斜機能材料よりなる封止用材料と、この封止用材料における、金属成分濃度が16.0体積%以上の個所において電気的に接続された金属製給電部材とよりなることを特徴とする。
【0015】
本発明のランプ用封止部材の製造方法は、金属成分と絶縁性無機物質成分とよりなり、金属粉末と絶縁性無機物質粉末とを含有するスラリーから製造された金属成分濃度が一方向において漸次に滑らかに変化する、傾斜した金属成分濃度を有する第1の仮焼結体、および、金属成分と絶縁性無機物質成分とよりなり、金属粉末と絶縁性無機物質粉末との混合粉末であって金属粉末の含有割合が異なる複数の混合粉末から製造された、各々実質的に一定の金属成分濃度を有し、互いに金属成分濃度の異なる複数の成形層とよりなる積層体である、傾斜した金属成分濃度を有する第2の仮焼結体であって、当該第1の仮焼結体の高濃度側端部および第2の仮焼結体の低濃度側端部の金属濃度が互いに同等であるかまたは近似しているものを製造する工程と、これらの第1の仮焼結体および第2の仮焼結体の少なくとも一方の形状を加工する工程と、この加工されたものを含む第1の仮焼結体および第2の仮焼結体と金属製給電部材とを組合せ、第1の仮焼結体と第2の仮焼結体が濃度傾斜方向が一致するよう、第1の仮焼結体の高濃度側端部に係る端面と第2の仮焼結体の低濃度側端部に係る端面とを互いに対接させて封止材料組立て体を作製する工程と、この封止材料組立て体を加熱することにより、第1の仮焼結体および第2の仮焼結体を焼結処理すると共に接合し、同時に金属製給電部材を固定する工程とよりなり、上記のランプ用封止部材を得ることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のランプ用封止部材の製造方法は、金属成分と絶縁性無機物質成分とよりなり、金属粉末と絶縁性無機物質粉末とを含有するスラリーから製造された金属成分濃度が一方向において漸次に滑らかに変化する、傾斜した金属成分濃度を有する第1の仮焼結体、および、金属成分と絶縁性無機物質成分とよりなり、金属粉末と絶縁性無機物質粉末との混合粉末であって金属粉末の含有割合が異なる複数の混合粉末から製造された、各々実質的に一定の金属成分濃度を有し、互いに金属成分濃度の異なる複数の成形層とよりなる積層体である、傾斜した金属成分濃度を有する第2の仮焼結体であって、当該第1の仮焼結体の高濃度側端部および第2の仮焼結体の低濃度側端部の金属濃度が互いに同等であるかまたは近似しているものを製造する工程と、これらの第1の仮焼結体および第2の仮焼結体の両方の仮焼結体に貫通孔を加工形成する工程と、これら第1の仮焼結体および第2の仮焼結体を組合せ、第1の仮焼結体と第2の仮焼結体が濃度傾斜方向が一致するよう、第1の仮焼結体の高濃度側端部に係る端面と第2の仮焼結体の低濃度側端部に係る端面とを互いに対接させて加熱し焼結処理することにより、各仮焼結体の貫通孔が連続して伸びる状態となるよう両仮焼結体を接合して接合焼結体を得る工程と、この接合焼結体の貫通孔に金属製給電部材を挿通し、ガラス材あるいは金属ろう材を用いて当該金属製給電部材を接合焼結体に固定する工程とよりなり、上記のランプ用封止部材を得ることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の傾斜機能材料について具体的に説明する。
本発明の傾斜機能材料は、基本的に、湿式法により製造された金属濃度が低い範囲で傾斜を有する第1の仮焼結体と、乾式法により製造された金属濃度が高い範囲で傾斜を有する第2の仮焼結体とを、互いに金属濃度の変化する傾斜方向が揃った状態で互いに対接させ、この状態で加熱して焼結する方法により、製造されるものである。
【0018】
(1)湿式法による第1の仮焼結体の製造
この工程においては、湿式法により、全体として金属濃度が低い範囲で傾斜する第1の仮焼結体が製造される。
具体的には、金属粉末と絶縁性無機物質粉末と液状媒体とを適宜の割合で混合してスラリーを調製する。
ここに、金属粉末としては、例えばモリブデン、ニッケル、タングステン、タンタル、クロム、白金、亜鉛などが用いられる。
絶縁性無機物質粉末としては、例えばシリカガラス、石英(SiO2 )、アルミナ(Al2 3 )、ジルコニア(ZrO2 )、マグネシア(MgO)、炭化けい素(SiC)、炭化チタン(TiC)、窒化けい素(Si3 4 )、酸窒化アルミニウム(AlON)などが用いられる。
また、液状媒体としては、例えば水またはアルコールなどの有機溶剤から選ばれた適宜のものが用いられる。
【0019】
以上の金属粉末および無機物質粉末は、いずれも高純度であることが必要であり、例えば99.9%以上のものが好ましく用いられる。また、金属粉末および無機物質粉末の平均粒径は、いずれも、0.01〜10.0μm、特に0.1〜5.0μmであることが好ましい。
スラリーにおける金属粉末、無機物質粉末および液状媒体の含有割合は、目的とする第1の仮焼結体の全体の金属濃度範囲によって異なるが、例えば金属粉末7〜11重量部、無機物質粉末15〜27重量部、水酸基35〜40重量部である。これらを例えばボールミルにより1〜2時間混合処理することにより、スラリーが調製される。
【0020】
以上のようにして得られるスラリーを、例えば下端開口が石膏などの吸水性材料によって塞がれた、垂立するよう配置された円筒状容器内に充填し、加圧した状態で2〜3時間放置することにより鋳込み成形し、その後乾燥処理することにより、下端部で金属濃度が高く、上端部で金属濃度が低く、しかも金属濃度が下から上に向かうに従って漸減する、上下方向での金属濃度変化の滑らかな成形体を製造する。ここで、乾燥処理は例えば35〜60℃、50〜80時間のような条件で行われる。
そして、ここに得られる成形体を、例えば1100〜1250℃の温度に15〜30時間加熱することにより、第1の仮焼結体が得られる。
【0021】
このようにして得られる第1の仮焼結体は、その長さ方向において金属濃度が変化しているものであり、具体的には、鋳込み成形工程で下端に位置された部分の金属濃度が高く、上端に位置された部分の金属濃度が低く、しかもその間の金属濃度の変化は、下端部から上端部まで滑らかに漸減するものとなる。
【0022】
ここに、第1の仮焼結体は、その金属成分の高濃度側端部では金属濃度が5.0〜30.0体積%とされる。第1の仮焼結体の金属成分の低濃度側端部の金属濃度は、特に規定されるものではないが、例えば2.0体積%以下とされ、通常は1.6体積%以下とされる。
そして、鋳込み成形工程における時間、圧力などを調整することにより、得られる第1の仮焼結体は、当該金属濃度の最大勾配が、いずれの個所においても、8.5体積%/mm以下、特に8.3体積%/mm以下とされることが好ましい。
なお、本発明において、第1の仮焼結体を得る方法は、上記の製造方法に限定されるものではない。
【0023】
(2)乾式法による第2の仮焼結体の製造
この工程においては、乾式法により、全体として金属濃度が高い範囲で傾斜する第2の仮焼結体が製造される。
具体的には、金属粉末と絶縁性無機物質粉末とを、金属粉末の含有割合が異なるよう混合し、更に各混合粉末毎にボールミルにより混合処理することにより、互いに金属粉末の含有割合が異なる複数の混合粉末を調製する。
ここに、金属粉末および無機物質粉末としては、原則として、第1の仮焼結体の製造に用いたものと種類および平均粒径が同一のものが用いられる。しかし、共通の焼結処理において良好な焼結結果が得られる場合には、種類および平均粒径が異なるものであってもよく、また種類が同じで平均粒径の異なるものを用いることもできる。
【0024】
以上のような混合粉末を用い、図1に示すように、円柱状の成形空間を有する金型10の底部材11の上面上に、金属濃度の最も低い混合粉末を層状に充填して加圧体12により加圧して成形して成形層L1を形成し、次いで2番目に低い金属濃度の混合粉末を層状に充填して再び加圧体12により加圧して成形することにより、成形層L1の上に一体に積層された状態の成形層L2を形成し、更に同様の操作を金属濃度の低い方から順に繰り返し、複数の成形層が一体に積層された積層体を形成する。図では、合計6つの成形層よりなる積層体15が示されている。
【0025】
そして、ここに得られる積層体を、温度500℃〜600℃まで比較的小さい昇温速度で加熱し、その後、1200〜1400℃まで比較的大きい昇温速度で加熱し、その温度で適宜の時間加熱処理することにより、第2の仮焼結体が製造される。
【0026】
このようにして得られる第2の仮焼結体は、成形層の各々はその層全体においては実質上一定の金属濃度を有するため、仮焼結体の全体の長さ方向(図1の上下方向)においては、構成層毎に金属濃度が段階的に変化しているものである。図示の例では、金型10内において下端に位置された成形層L1の金属濃度が最も低く、上端に位置された成形層の金属濃度が最も高いものとなる。
【0027】
ここに、第2の仮焼結体は、その一端に位置する低金属濃度の成形層における金属濃度が、第1の仮焼結体の高金属濃度側の一端部の金属濃度と同一または近似した値とされる。第2の仮焼結体の他端における高金属濃度の成形層における金属濃度は特に限定されるものではないが、通常は16体積%以上とされ、好ましくは20体積%以上とされる。
この乾式法においては、最高金属濃度を有する成形層の金属濃度を50体積%以上とすることも容易であり、更に最高金属濃度を80体積%以上とすることも可能ではあるが、用途によってはそのようにすることは必要ではない。
また、第2の仮焼結体において、隣接する成形層間の金属濃度の差は、用いる混合粉末の数(成形層の数)に応じてその各々の金属濃度の差を調整することにより、10.0体積%以下、特に8.5体積%以下とすることが好ましく、これにより、最終的に良好な耐熱衝撃性を有する傾斜機能材料が得られる。
なお、本発明において、第2の仮焼結体を得る方法は、上記の製造方法に限定されるものではない。
【0028】
(3)仮焼結体の焼結処理
この工程では、以上のようにして得られる第1の仮焼結体と第2の仮焼結体とを対接させて加熱し、各仮焼結体を焼結処理(本焼結)すると共に両仮焼結体を接合し、これにより、目的とする傾斜機能材料が製造される。
具体的には、第1の仮焼結体の高濃度側端部に係る端面と第2の仮焼結体の低濃度側端部に係る端面とを互いに対接させ、押圧しながら、例えば圧力が10-4Pa以下である減圧空間において1600〜1800℃程度に加熱する。
【0029】
以上において、互いに接合される第1の仮焼結体および第2の仮焼結体の各端部の金属濃度は互いに同等であるかまたは近似していることが必要である。具体的には、第2の仮焼結体の金属成分の低濃度側端部における金属濃度が、第1の仮焼結体の金属成分の高濃度側端部における金属濃度に対し、相対比率で95〜105%の範囲内、特に97〜103%の範囲内であることが好ましい。当該金属濃度の比率がこの範囲を外れた場合には、両者の接合によって形成される境界面部分における金属濃度の変化が過大となって特性の連続性が失われるため、当該境界面部分に十分に優れた耐熱衝撃性を得ることができない。
【0030】
以上のようにして得られる傾斜機能材料20は、図2(イ)に示すように、第1の仮焼結体による第1焼結体部分21と、第2の仮焼結体による第2焼結体部分22とが境界面部分23において連続的に接合された一体のものとなる。そして、この傾斜機能材料20の金属濃度分布の典型例は、図2(イ)と関連する図2(ロ)に示すように、第1焼結体部分21における低濃度側端部(図の右端)24では金属濃度が実質上0体積%であり、ここから境界面部分23に向かうに従って金属濃度が次第に連続的に漸増して境界面部分23ではa体積%となる。ここに、aは5.0〜30.0体積%の範囲とされる。また、第2焼結体部分22においては、境界面部分23から高濃度側端部(図の左端)25に向かうに従って構成層L1〜L6毎に順次に段階的に金属濃度が高くなり、構成層L6ではb体積%となる。ここにbは、例えば16.0〜95.0体積%の範囲である。
【0031】
このような傾斜機能材料においては、金属濃度が16.0体積%未満の部分では実用的な電気伝導率が得られないために絶縁性材料として有用に用いることができ、一方、金属濃度が16.0体積%以上の部分、特に20.0体積%以上の部分では実用的に十分な大きさの電気伝導性が得られるので、これを導電用部分として利用することができる。
従って、この傾斜機能材料は、例えば一端部が絶縁性で他端部が導電性のものであり、しかも全体が大きい耐熱衝撃性を有するものであるため、例えばランプ用封止部材として、ランプのバルブにおける封止構造の構成にきわめて有用である。
【0032】
図3は、本発明のランプ用封止部材の一例を示す説明用断面図である。この図において、封止部材30は円柱状の傾斜機能材料よりなる封止用材料31により構成されており、その低金属濃度側の一端部32は金属濃度が実質上0体積%であり、高金属濃度側の他端部33は金属濃度が例えば50体積%である。
この封止用材料31には、その一端部32の端面から軸方向に孔が形成されており、この孔内に、先端にタングステン製の陽極体35が設けられたタングステン製の内部リード棒36の基部が挿入されて固定されており、また、当該封止用材料31の他端部33においてその外端面から軸方向に孔が形成された孔内に、外方に伸びる外部リード棒37が挿入されて固定されており、これにより封止部材30が構成されている。
【0033】
ここで、内部リード棒36の孔内の先端部が位置する部分は、封止用材料31の金属濃度が16.0体積%以上の領域(図では破線で区画された左半領域)の個所、例えば金属濃度が27体積%の個所であり、これにより、当該内部リード棒36は、封止用材料31の導電性部分を介して外部リード棒37と電気的に接続された状態であり、これにより給電路が形成される。
【0034】
このような封止部材30は、上述の方法によって製造された傾斜機能材料を加工して作製することもできるが、例えば図4に示すように、円柱状の第1の仮焼結体26に貫通孔27を形成すると共に、同じく円柱状の第2の仮焼結体28に有底孔29A,29Bを形成しておくことにより、両仮焼結体が接合されたときに貫通孔27と有底孔29Aによって内部リード棒挿入用の孔が形成されるようにしてこの貫通孔27および有底孔29A内に内部リード棒を挿入すると共に、外端側の有底孔29B内に外部リード棒を挿入して封止材料組立て体を作製し、この封止材料組立て体を本焼結処理することにより、内部リード棒が一体に固定された傾斜機能材料よりなる封止部材30を製造するのが好ましい。
【0035】
このような封止部材30によれば、例えば図5に示すバルブ材料40を用いて放電ランプが構成される。このバルブ材料40は、細長い球状の発光空間包囲部41と、これより両側に突出するスリーブ42,42とを有してなる、例えばシリカガラス製である。図6に示すように、このバルブ材料40の両スリーブ42を介して、上記のようにして製造された陰極体35を有する内部リード棒36が固定された封止部材30を挿入してスリーブ42内に封止用材料31を位置させた後、スリーブ42を加熱により溶融させて封止用材料31の外周面に気密に融着させる。50はこのようにして得られるランプのバルブである。
ここに、スリーブ42が融着される封止用材料31の個所は、金属濃度が低い個所、具体的には金属濃度が1.6体積%未満の個所であり、これにより、両者の十分な気密融着が達成される。また、反対側のスリーブ42には、同様にして、陽極体38に係る内部リード棒36が固定された封止用材料31が気密に融着される。
【0036】
図7は、図6の例とは異なる態様でスリーブ42と封止用材料31とを気密融着させた場合の構成を示す。この例では、スリーブ42の外端面部と、封止用材料31の低金属濃度側の端部32とが突き合わせ溶接により互いに融着されている。
【0037】
また、第1の仮焼結体26および第2の仮焼結体28の両方の仮焼結体に軸方向に伸びる貫通孔を形成し、第1の仮焼結体26の金属成分の高濃度側端面と第2の仮焼結体28の金属成分の低濃度側端面とを突き合わせて加熱することにより、各仮焼結体の貫通孔が連続して伸びる状態となるように両方の仮焼結体26および28を接合して接合焼結体とし、この接合焼結体の貫通孔に、一端に電極体を設けた1本の金属ロッドよりなる貫通リード棒を、その他端を先頭にして接合焼結体の金属成分の低濃度側端部から挿通し、ガラス材あるいは金属ろう材を用いて当該貫通リード棒を接合焼結体に固定することにより、貫通リード棒が全体を貫通した状態で固定された傾斜機能材料よりなる封止部材を製造することができる。この封止部材は上記と同様にしてランプの製造に用いられる。
【0038】
以上のようにして得られるランプの封止構造では、封止用材料31が傾斜機能材料から形成されているため、通常のランプの封止構造で必要な金属とガラスを密着させて気密シールを実現することが不要であり、単に封止用材料の絶縁性部分にバルブ材料を融着すればよく、しかも確実に給電路を確保することができ、結局、非常に容易にランプを製造することができる。
しかも、当該封止用材料が優れた耐熱衝撃性を有するため、これを用いることにより、ランプの製造において当該封止用材料にクラックが生ずることがなく、また十分に気密性の高い封止構造が形成されるため、当該ランプはその作動の信頼性が大きくて使用寿命が長いものとなる。
【0039】
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明においては、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、金属濃度が漸次に変化する第1の仮焼結体を製造するためには、スラリーにおける金属粉末と無機物質粉末の比重、粒径などの物理的性質の差による沈降速度または拡散速度の差を利用する方法や、スラリーにおける金属粉末、無機物質粉末および液状媒体の含有割合を漸次変更する方法などを利用することができる。
また、金属濃度が段階的に変化する第2の仮焼結体を製造するためには、混合粉末によって金属粉末の含有割合が異なる複数の層状体を適宜の手段によって個々に形成し、これらを積層して積層体を得る方法を利用することも可能である。また、仮焼結体を得るための加熱および本焼結の加熱の工程における温度や具体的な加熱条件は、用いる材料の種類、寸法、使用目的などに応じて適宜選定することができる。
【0040】
更に、本発明の傾斜機能材料によるランプ用封止部材は、その導電性部分が給電部材と電気的に接続され、かつその絶縁性部分がバルブ材料と気密に融着される態様で用いられるのであれば、その具体的な構成が限定されるものではない。また、このランプ用封止部材によって製造されるランプも放電ランプに限られるものではなく、白熱電球、その他のランプの封止構造に利用することができる。また、傾斜機能材料よりなる封止用材料と組合せられて封止材料組立て体を構成する金属製給電部材も内部リード棒などのリード棒に限定されるものではなく、種々の金属製給電部材を用いることができ、更に封止材料組立て体の構成、用いるバルブ材料の形態なども、目的に応じて任意のものとすることができる。
【0041】
【実施例】
以下、本発明の傾斜機能材料を封止部材として用いて、放電ランプの封止構造を形成する場合の実施例について説明する。
〔実施例1〕
純度99.99%、平均粒径1.0μmのモリブデン粉末11.0gと、純度99.99%、平均粒径1.5μmのシリカガラス粉末26.0gを水40.0gと共にボールミルに入れて2時間混合処理しスラリーを調製した。
このスラリーを、下端開口が石膏により塞がれた内径が8.0mmのアクリル樹脂よりなる円筒状容器内に充填し、圧力を作用させた状態で3時間放置して鋳込み成形を行い、上澄み水を除去した後、40℃で70時間乾燥させ、これにより、直径約8.0mm、長さ17.0mmの円柱状の成形体を得た。次いで、この成形体を加熱炉において温度約1100℃に加熱して20時間維持することにより、第1の仮焼結体を製造した。
この第1の仮焼結体は、その一端部の金属濃度が15.7体積%、他端部の金属濃度が実質上0体積%であり、金属濃度の最大勾配は3.8体積%/mmであった。
【0042】
一方、第1の仮焼結体の製造に供されたものと同一のモリブデン粉末およびシリカガラス粉末を用い、両者をボールミルで混合することにより、金属粉末の含有割合が異なる合計15種の混合粉末を調製した。そして、直径が8mmの円柱状成形空間を有する金型を用い、金属濃度の最も低い混合粉末を金型の底壁上に層状に充填した上で加圧体により約500kg/cm2 の圧力で加圧し成形層を形成し、この成形層の上に2番目に金属濃度の低い混合粉末を同様に層状に充填して加圧することにより、最初の成形層に積層された状態で第2の成形層を形成し、順次に金属濃度の高い混合粉末を用いるほかは同様の操作を繰り返して、合計15層の成形層よりなる、直径約8.0mm、長さ約11.0mmの円柱状の形層積層体を製造した。
【0043】
このようにして得られた成形層積層体を600℃まで加熱した後、比較的大きな速度で1300℃に昇温し、この温度で2時間維持することにより、第2の仮焼結体を製造した。
この第2の仮焼結体の各成形層の金属濃度は、用いられた混合粉末の金属濃度に対応しており、一端部側の第1層の金属濃度は15.5体積%、また他端部側の第15層の金属濃度は40.0体積%であり、隣接する層間の金属濃度の増加分は、最大で4.0体積%、最小で1.1体積%であった。
【0044】
上記第1の仮焼結体の中央に軸方向に伸びるよう直径1.7mmの貫通孔を形成すると共に、第2の仮焼結体の中央に軸方向に伸びるよう直径1.7mmの孔を、その一端部側から3.8mmの深さまで形成すると共に、金属成分濃度の高い他端部側から直径1.7mmの孔を3.5mmの深さまで形成した。
そして、先端に直径2.5mmの陽極体が設けられた直径1.5mmの内部リード棒の基部側部分を、第1の仮焼結体の貫通孔に挿通させて更に第2の仮焼結体の孔内に挿入すると共に、直径1.5mmの外部リード棒を第2の仮焼結体の他端側の孔内に挿入して封止材料組立て体を作製し、これを加熱炉により10-4Pa以下の圧力の減圧雰囲気内において1700℃に加熱して5分間維持し、その後冷却することにより、ランプ用封止部材を作製した。
ここに、内部リード棒の先端部が位置する個所は、封止部材を構成する傾斜機能材料の金属濃度が35体積%の個所であった。なお、第1の仮焼結体の高濃度側端部の金属濃度(15.7体積%)に対し、第2の仮焼結体の低濃度側端部の金属濃度(15.5体積%)は約98.7%である。
【0045】
このようにして得られたランプ用封止部材を用い、シリカガラスよりなるバルブ材料の一方のスリーブ内に封止部材を挿入し、スリーブをその外周から酸水素炎で加熱することにより封止部材の外周面に融着させた。また、同様にして陽極体を先端に有する内部リード棒と封止部材とによる封止部材組立て体を用いてバルブ材料の他方のスリーブと融着させた。
ここに、スリーブが融着された封止部材の領域は、金属濃度が1.6体積%から0体積%に至る領域であった。
そして、バルブ材料の発光空間包囲部に設けられたガラス管を介してキセノンガスを室温で10気圧の圧力で封入し、当該ガラス管を封じることにより、消費電力300Wの直流放電ランプを製作した。
このようにして合計10本の放電ランプを製作したが、いずれのランプも封止構造に異常は見られず、またこれらの放電ランプを点灯させたところ、いずれも1000時間以上にわたって安定な点灯状態が得られた。
【0046】
〔比較例〕
金属粉末の割合を小さくしたほかは上記実施例と同様にして第1の仮焼結体を製造した。この第1の仮焼結体は、その高濃度側端部の金属濃度が4.5体積%であった。
一方、上記実施例の第2の仮焼結体の製造方法に準じて、合計14層の成形層による第2の仮焼結体を製造した。この第2の仮焼結体の低濃度側端部の金属濃度は6.0体積%であり、順次に続く成形層の金属濃度は2.5体積%づつ増加して他端部の金属濃度は41.0体積%であった。
【0047】
以上の第1の仮焼結体および第2の仮焼結体を用いたほかは上記実施例と全く同様にして封止部材および封止部材組立て体を作製する方法により、合計10本の放電ランプを作製したところ、そのうち8本については、バルブ材料のスリーブとの融着工程において、封止用材料の第2の仮焼結体による一端部側においてクラックが生じた。
クラックが生じなかった2本の放電ランプを点灯させたところ、約25時間が経過した時点において第2の仮焼結体の接合部に近い成形層間にクラックが生じてリークが発生した。
以上の原因は、第2の仮焼結体の接合部に近い部分では、金属濃度が低い範囲であるにもかかわらず、隣接する成形層間の金属濃度の変化が大きいことであると考えられる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、金属濃度が十分に低くて無機物質としての特性を有する部分と、金属濃度が十分に高くて金属物質としての特性を有する部分とを共に有し、優れた耐熱衝撃性を有し、しかも低いコストで有利に製造することのできる傾斜機能材料を提供することができる。
また、そのような傾斜機能材料よりなる封止用材料を用いることにより、優れた封止特性が得られるランプ用封止部材を提供することができる。
更に、本発明の方法によれば、簡単な工程によってランプ用封止部材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】傾斜機能材料を製造するための乾式法における、成形層積層体を製造する工程の説明用断面図である。
【図2】(イ)は、本発明の傾斜機能材料の一例における構成を示す説明用正面図であり、(ロ)は、(イ)と関連して示す金属濃度分布を示す曲線図である。
【図3】本発明のランプ用封止部材の一例の構成を示す説明用断面図である。
【図4】封止材料組立て体を構成する、加工された第1の仮焼結体と第2の仮焼結体を示す説明用断面図である。
【図5】バルブ材料の一例を示す説明用断面図である。
【図6】図3のランプ用封止部材と図4のバルブ材料を用いて製造された放電ランプの説明用正面図である。
【図7】放電ランプの他の例における構成を示す説明用正面図である。
【符号の説明】
10 金型
11 底部材
12 加圧体
L1〜L6 成形層
15 成形層積層体
20 傾斜機能材料
21 第1焼結体部分
22 第2焼結体部分
23 境界面部分
24 低金属濃度側の外端部
25 高金属濃度側の外端部
26 第1の仮焼結体
27 貫通孔
28 第2の仮焼結体
29A 有底孔
29B 有底孔
30 ランプ用封止部材
31 封止用材料
32 低金属濃度側の一端部
33 高金属濃度側の他端部
35 陽極体
36 内部リード棒
37 外部リード棒
38 陰極体
40 バルブ材料
41 発光空間包囲部
42 スリーブ
50 バルブ

Claims (8)

  1. 各々金属成分と絶縁性無機物質成分とよりなり、傾斜した金属成分濃度を有する第1の仮焼結体と第2の仮焼結体が濃度傾斜方向が一致するよう、第1の仮焼結体の高濃度側端部に係る端面と第2の仮焼結体の低濃度側端部に係る端面とが互いに対接された状態で焼結されることによって接合されてなる傾斜機能材料であって、
    第1の仮焼結体は、金属粉末と絶縁性無機物質粉末とを含有するスラリーから製造された金属成分濃度が一方向において漸次に滑らかに変化するものであり、
    第2の仮焼結体は、金属粉末と絶縁性無機物質粉末との混合粉末であって金属粉末の含有割合が異なる複数の混合粉末から製造された、各々実質的に一定の金属成分濃度を有し、互いに金属成分濃度の異なる複数の成形層とよりなる積層体であり、
    第1の仮焼結体の高濃度側端部および第2の仮焼結体の低濃度側端部の金属濃度が互いに同等であるかまたは近似しており、第2の仮焼結体と接合される第1の仮焼結体の金属成分の高濃度側端部の金属成分濃度が5.0〜30.0体積%であることを特徴とする傾斜機能材料。
  2. 第2の仮焼結体は、その金属成分の低濃度側端部の金属成分濃度が、第1の仮焼結体の金属成分の高濃度側端部の金属成分濃度に対し、相対比率で95〜105%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の傾斜機能材料。
  3. 第1の仮焼結体は金属成分の低濃度側端部の金属成分濃度が2.0体積%以下であり、第2の仮焼結体は金属成分の高濃度側端部の金属成分濃度が16体積%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の傾斜機能材料。
  4. 第1の仮焼結体は、金属成分濃度の最大勾配が8.5体積%/mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の傾斜機能材料。
  5. 第2の仮焼結体は、互いに隣接する成形層における金属成分濃度の差が10.0体積%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の傾斜機能材料。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一に記載の傾斜機能材料よりなる封止用材料と、この封止用材料における、金属成分濃度が16.0体積%以上の個所において電気的に接続された金属製給電部材とよりなることを特徴とするランプ用封止部材。
  7. 金属成分と絶縁性無機物質成分とよりなり、金属粉末と絶縁性無機物質粉末とを含有するスラリーから製造された金属成分濃度が一方向において漸次に滑らかに変化する、傾斜した金属成分濃度を有する第1の仮焼結体、および、金属成分と絶縁性無機物質成分とよりなり、金属粉末と絶縁性無機物質粉末との混合粉末であって金属粉末の含有割合が異なる複数の混合粉末から製造された、各々実質的に一定の金属成分濃度を有し、互いに金属成分濃度の異なる複数の成形層とよりなる積層体である、傾斜した金属成分濃度を有する第2の仮焼結体であって、当該第1の仮焼結体の高濃度側端部および第2の仮焼結体の低濃度側端部の金属濃度が互いに同等であるかまたは近似しているものを製造する工程と、
    これらの第1の仮焼結体および第2の仮焼結体の少なくとも一方の形状を加工する工程と、
    この加工されたものを含む第1の仮焼結体および第2の仮焼結体と金属製給電部材とを組合せ、第1の仮焼結体と第2の仮焼結体が濃度傾斜方向が一致するよう、第1の仮焼結体の高濃度側端部に係る端面と第2の仮焼結体の低濃度側端部に係る端面とを互いに対接させて封止材料組立て体を作製する工程と、
    この封止材料組立て体を加熱することにより、第1の仮焼結体および第2の仮焼結体を焼結処理すると共に接合し、同時に金属製給電部材を固定する工程と
    よりなり、請求項6に記載のランプ用封止部材を得ることを特徴とするランプ用封止部材の製造方法。
  8. 金属成分と絶縁性無機物質成分とよりなり、金属粉末と絶縁性無機物質粉末とを含有するスラリーから製造された金属成分濃度が一方向において漸次に滑らかに変化する、傾斜した金属成分濃度を有する第1の仮焼結体、および、金属成分と絶縁性 無機物質成分とよりなり、金属粉末と絶縁性無機物質粉末との混合粉末であって金属粉末の含有割合が異なる複数の混合粉末から製造された、各々実質的に一定の金属成分濃度を有し、互いに金属成分濃度の異なる複数の成形層とよりなる積層体である、傾斜した金属成分濃度を有する第2の仮焼結体であって、当該第1の仮焼結体の高濃度側端部および第2の仮焼結体の低濃度側端部の金属濃度が互いに同等であるかまたは近似しているものを製造する工程と、
    これらの第1の仮焼結体および第2の仮焼結体の両方の仮焼結体に貫通孔を加工形成する工程と、
    これら第1の仮焼結体および第2の仮焼結体を組合せ、第1の仮焼結体と第2の仮焼結体が濃度傾斜方向が一致するよう、第1の仮焼結体の高濃度側端部に係る端面と第2の仮焼結体の低濃度側端部に係る端面とを互いに対接させて加熱し焼結処理することにより、各仮焼結体の貫通孔が連続して伸びる状態となるよう両仮焼結体を接合して接合焼結体を得る工程と、
    この接合焼結体の貫通孔に金属製給電部材を挿通し、ガラス材あるいは金属ろう材を用いて当該金属製給電部材を接合焼結体に固定する工程と
    よりなり、請求項6に記載のランプ用封止部材を得ることを特徴とするランプ用封止部材の製造方法。
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