JP3779380B2 - ピペット装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体の吸引・吐出を行うピペット装置に関し、特に吐出量の微調整が可能なピペット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に従来からのピペット装置は、シリンダとピストンとで構成される。ピストンをシリンダ内で移動させることによってシリンダ内の容積が変化し、これにより液体の吸引・吐出が行われる。このピペット装置としては、従来から手動のもの及び電動のものが実用化されており、手動ピペット装置は化学分析などにおいて所望量の試料の吸引・吐出に利用され、電動ピペット装置は例えば自動分注装置などに組み込まれている。
【0003】
ところで、DNAシークエンサでは、DNA解析を行うため、DNAの分離媒体である薄厚のゲル板の上部に形成された複数の小溝に微量(例えば1.2μl)のサンプルDNAを注入する必要がある。その小溝の厚みは0.25〜0.4mm程度しかなく、またその深さは数mm、例えば7mm程度である。
【0004】
このような溝にサンプルDNAを注入する場合には、一般的には、ノズル先端に極薄のディスポーザブルチップ(ノズルチップ)を装着させたマイクロピペットが使用される。
【0005】
しかし、上述のように注入対象である小溝はその形状及び容積が極めて小さく、マイクロピペット装置から所定量のサンプルDNAを正確かつ確実にその小溝に注入するのは困難であり、また熟練を要していた。
【0006】
すなわち、ノズルの内径やノズルチップの内径が極めて小さいこと、及び上記の小溝にバッファー液が満たされていることに起因して、流体抵抗が大きく、このため吐出コントロールが困難であるという問題があった。すなわち、吸引量と同じ量だけピストン軸を押し込むと、吐出力が不足気味となってピストン軸を完全に押し込んでもノズルチップ内などに液が残りやすく、その一方、吸引量より多くピストン軸を押し込むと、吐出力が過剰となって上記の小溝から液が溢れたり、気泡が生じたりするという問題があった。このような問題はDNAシーケンシングの分離パターンに悪影響を与え、その後の解析が困難になるという問題を引き起こしていた。
【0007】
また、一般的なピペット装置においても、実際の吐出量をできる限り正確に設定したいとの要望があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来のピペット装置、特にマイクロピペットにおいては、液体の吐出開始時と、吐出終了時とで段階的に吐出力を調整することが困難であり、吐出終了時における微妙な吐出量の制御が困難であるという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点を解消するためになされたもので、液体の吐出開始時には液体抵抗に勝って勢いの良い吐出を行わせ、かつ液体の吐出完了時には吐出力を精度良く制御できるピペット装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るピペット装置は、シリンダと、このシリンダの先端面に連通したノズルと、前記シリンダ内を移動し、前記シリンダの内容積を縮小させて前記ノズルから試料を吐出させるピストンと、このピストンの進退方向に向くピストン断面に配され、印加される電圧に応じて前記進退方向に伸縮する歪み素子と、この歪み素子に電圧を供給する電源と、この電源から前記歪み素子への電圧の印加を制御するスイッチとを有し、前記電源の前記歪み素子に対する接続は、前記吐出の終了段階における前記スイッチの操作により前記歪み素子を前記進退方向に伸張させる向きであり、この伸張により前記ピストンのヘッド面が変位し前記シリンダの前記内容積が縮小されること、を特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、吐出の第1段階では歪み素子がピストンの進退方向に縮小された状態にてピストンがシリンダ内を前進する。このピストンの前進による試料の吐出は、例えばピストンのヘッド面がシリンダの先端面に近づいたり、吐出総量が所望の値に近づくまで行われる。続く吐出の終了段階である第2段階では、ピストンの前進に代えて、スイッチが操作され歪み素子がピストンの進退方向に伸張されてピストンのヘッド面がシリンダ内を前進する。これにより、シリンダの内容積が縮小されて吐出が行われる。よって、本発明によれば、第1段階においては、ピストンの比較的大きなストロークに応じた高い吐出力が得られ、すなわち流体抵抗に打ち勝つ吐出力が得られ試料が勢い良く吐出される。そして、第2段階においては、微妙な吐出量の制御が、印加する電圧に応じて定まる歪み素子の伸張を利用して精度良く行われる。ここで、歪み素子は例えば圧電素子や磁歪素子である。圧電素子は基本的には圧電材料とこれに電圧を印加するための電極とを含んで構成され、磁歪素子は基本的には磁気歪み材料とこれに磁界を及ぼすためのコイルとコイルに電圧を供給する端子とを含んで構成される。
【0012】
本発明を上記のDNAサンプルのゲル板への吐出に利用すれば、上記の2段階の吐出により、流体抵抗に対して十分な吐出力を確保できると共に、吐出力を微妙に調整して小溝からの溢れ出しや気泡発生を効果的に防止できる。
【0013】
なお、スイッチのオン/オフ操作と、電源から歪み素子に印加される電圧の方向との両者は、この歪み素子が吐出終了段階にてピストンの進退方向に伸張するように互いに関連して定められる。すなわち、歪み素子に印加される電圧の向きが歪み素子を進退方向に伸張させるような向きであれば、スイッチを第1段階でオフとし第2段階でオンとする構成が採られ、逆に電圧の向きが歪み素子を進退方向に縮小させるような向きであれば、スイッチを第1段階でオンとして歪み素子を縮小させておき第2段階でオフとして歪み素子を第1段階に比べて相対的に伸張させる構成が採られる。
【0014】
本発明の好適な態様は、前記吐出の終了段階でシリンダの前記先端面とピストンの前記ヘッド面との間に間隙を残す係止位置にて前記ピストンの前進が抑止される係止機構を備えている。この態様では、ピストンが係止された後、吐出の終了段階が開始される。すなわち、終了段階が常にピストンの所定の位置から開始され、また終了段階の途中でピストンが進退して歪み素子による微妙な吐出に変動を及ぼすことが抑制されるので、終了段階の再現性及び精度の良い吐出制御が可能となる。
【0015】
本発明の好適な態様では、前記スイッチが、前記ピストンを前進させる押し込み力の作用点に配置されて当該押し込み力を前記ピストンに伝達し、前記ピストンから前進時に受ける抵抗力より大きな圧縮力を受けるとスイッチ動作する。この態様では、ピストンの前進に必要な力はスイッチの動作に必要な力より小さい。すなわち、スイッチに押し込み力を印加していくと、それが上記抵抗力を超えた段階でまずピストンが前進し、この前進中はスイッチに加わる圧縮力は基本的にこの抵抗力から増加せずスイッチは動作されない。そして、ピストンが前記係止位置に達すると、前記押し込み力とこれに対する前記ピストンからの反力とにより圧縮力が増大し、これによってスイッチ動作する。この構成により、ピストンの前進動作とスイッチの動作とを、スイッチの押し込みという1つの操作で連続して行うことができる。
【0016】
また、本発明の好適な態様では、前記スイッチは、前記ピストンに設けられたスイッチベース端子と、前記押し込み力の作用点であるスイッチ可動端子と、このスイッチ可動端子と前記ピストンとの間に設けられ、前記スイッチ可動端子を前記ピストンの後退方向に付勢するスイッチ付勢手段と、を含み、前記圧縮力によって前記スイッチ付勢手段が縮小して前記スイッチベース端子と前記スイッチ可動端子とが接触し、前記スイッチが導通状態とされる。この態様では、スイッチ付勢手段は例えば、バネなどの弾性体で構成される。スイッチ付勢手段は、例えば弾性体の場合、ピストンの前進時における抵抗力ではスイッチベース端子とスイッチ可動端子とが接触するほどにはその弾性体の長さが縮小されないような弾性係数を有するように構成される。
【0017】
本発明の好適な態様は、前記ピストンをその後退方向に付勢するピストン付勢手段を有する。この態様によれば、スイッチに加える押し込み力を緩和すると自然にピストンが後退し、吐出動作開始時の状態に復元する。
【0018】
本発明の好適な態様は、前記圧縮力の大小を検知する圧力センサと、この圧縮力に応じて前記歪み素子に印加される電圧を制御する感圧制御回路とを有する。この態様によれば、吐出の最終段階にて歪み素子の伸張量をスイッチに対する圧力によって制御し、吐出量のより微妙な制御が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明に係わるピペット装置の主要部の断面図である。このピペット装置では、シリンダ2内をピストン4が進退する。より正確には、ピストン4はピストンヘッド6とピストン軸8とで構成され、ピストンヘッド6がシリンダ2内を進退する。そしてシリンダの内容積、すなわちシリンダ先端面10とピストン4のヘッド面12とで仕切られる空間の容積が変化すると、シリンダ2の先端面10に設けられたノズル14の先端開口14Aから試料である液体が吸引・吐出される。
【0020】
本ピペット装置は、DNAシーケンシング等における微小量の試料の分注を行うものであり、この用途では試料が微量であることとその吐出を精度良く行うために、ノズル14の内径は細い。そのため、液体がノズル14内を通過する際の抵抗力は大きい。本装置はシリンダ2の内部空間の断面積をノズル14のそれよりはるかに大きくして、ピストン4のわずかな進退動でノズル14の抵抗に打ち勝つ大きな吸引力又は吐出力を得る。なお、ノズルの先端開口14Aにディスポーザブル型のノズルチップを装着し、これを介して試料の吸引、吐出を行わせることもある。
【0021】
ピストンヘッド6は、ここでは円盤状に構成されており、大きくはピストン板20と圧電素子22とで構成される。ピストン板20の外周にはOリングで構成されるパッキング24が配置され、これによりピストンヘッド6とシリンダ2の内壁との気密が図られる。
【0022】
ピストン4は、圧電素子22を有していることを特徴とする。試料の吐出時にピストン板20はそのヘッド面12とシリンダ先端面10との間にわずかな距離を残す位置まで挿入され、その段階で圧電素子22はピストン4の進退方向に伸張するような電圧を印加され、この圧電素子22の歪みによりヘッド面12がさらにシリンダ2に挿入される。圧電素子22の歪みによるヘッド面12の変位は、ピストン軸8を手又は機械的な方法で操作することによる変位よりも、微細に制御可能であり、本装置はこれにより、吐出終了時の吐出量の精度向上を図るものである。
【0023】
ピストン軸8はシリンダ2の上部に形成された筒状のガイド30を挿通している。ピストン軸8のシリンダ2の外部にある端部8Aとガイド30の上端部との間にはコイルバネ32が介装されており、このコイルバネ32によりピストン軸8は上方へ付勢されている。ピストン軸8の途中側面には突起34が設けられている。この突起34はピストン軸の全周にリング状に設けても良いし、一部の方向に突出するものであってもよい。ガイド30の外側上端部30Aはコイルバネ32を支持した内側上端部より一段高く形成され、突起34を係止する。これにより、ピストンヘッド6の前進はヘッド面12とシリンダ先端面10との間に所定幅の間隙を残す係止位置で抑止される。このピストンヘッド6の係止機構は、上記構成以外のものであってもよい。例えば、突起34に代えてピストン軸の端部8Aに設けられた突出部を用いてもよいし、ガイドの外側上端部30Aに代えてケース40を用いて係止してもよい。
【0024】
圧電素子22はPZTなどの圧電板42の上下にそれぞれ電極44を設けられたもので、この電極44はピストン板20及びピストン軸8内を通された配線46によって外部の直流電源(図示せず)に接続される。
【0025】
この圧電素子22への電圧供給回路のスイッチは、ピストン軸8内に設けられている。ピストン軸8内部には空洞48が設けられ、この空洞48には端部8Aを介して外部からスイッチレバー50が挿通されている。スイッチレバー50の空洞48側の端部にはスイッチ可動端子52が設けられ、一方、ピストン4側には空洞48の底部に配線46の一部を開路して設けたスイッチベース端子54が設けられている。これらスイッチ可動端子52とスイッチベース端子54とがスイッチ56の主要部を構成する。スイッチレバー50が空洞48側へ押し込まれると、導電性のスイッチ可動端子52がスイッチベース端子54に接触し、圧電素子22への電圧供給回路が閉路し、圧電素子22に電圧が印加される。この電圧の向きは、圧電板42がピストン4の進退方向に伸張するような向きに構成されている。
【0026】
スイッチレバー50の上端部50Aとピストン軸の端部8Aとの間にはコイルバネ58が介装されており、このコイルバネ58によりスイッチレバー50は上方へ付勢されている。コイルバネ58の付勢力はコイルバネ32の付勢力より強く構成されている。
【0027】
次にこの装置の動作を説明する。このピペット装置への試料の吸引は、ピストン4をシリンダ2内に押し下げた状態で、ノズルの先端開口14Aを試料に差し込み、そしてピストン軸8を引き上げる。これによりシリンダの先端面10とピストンのヘッド面12との間の空間(シリンダヘッド空間)が拡大する。このシリンダ2の断面積はノズル14の内径面積よりはるかに大きいため、ノズル先端には大きな吸引圧力が作用し、試料は、ノズル14内面と試料との間に生じる抵抗に打ち勝って、円滑にノズル14内に吸引される。なお、このときスイッチ56はスイッチレバーの上端部50Aに押圧力を受けておらず、コイルバネ58の付勢力によりオフ状態にある。ピストン板20がシリンダの上端面で係止されるまでピストン4を目一杯引き上げることにより、吸引量の再現性を確保することができる。また、コイルバネ32の付勢力をノズル14での液体の粘性抵抗より大きく設定すれば、ピストン軸8への押し下げ力の解除のみで上記ピストン4の引き上げが自動的に行われる構成となる。
【0028】
吸引された試料を吐出するには、ノズルの先端開口14Aを吐出先である、例えばDNAシークエンサの小溝に挿入し、ピストンのヘッド面12を前進させればよい。このヘッド面12の前進動作は、スイッチレバーの端部50Aを押すことにより行われる。吐出時にピストン4の押し下げに必要な力の大きさは、コイルバネ32の付勢力と試料の粘性抵抗との和と同程度である。この和の程度の力ではコイルバネ58はほとんど縮まらないように、コイルバネ58の弾性係数は選択されている。すなわち、スイッチレバーの端部50Aを押し下げると、コイルバネ58はほとんど圧縮されず、コイルバネ58からピストン軸の端部8Aに力が作用し、まずコイルバネ32が圧縮される。よって、スイッチ56はオフ状態のまま、ピストン4が下降する。このときのピストン4のストロークは比較的大きく、ノズル14に保持された試料には強い吐出力が与えられ、試料はノズルの先端開口14Aから円滑に吐出される。スイッチレバーの端部50Aをさらに押していくと、突起34がガイドの外側上端部30Aに係止され、所定容積のシリンダヘッド空間を残して、ピストン4の前進が停止される。
【0029】
さらに端部50Aを押すと今度はコイルバネ58が圧縮されてスイッチレバー50が空洞48に挿入され、スイッチ可動端子52がスイッチベース端子54に接触し、スイッチ56がオン状態となる。スイッチ56がオン状態になると、圧電素子22には電圧が印加され、圧電素子22はピストン4の進退方向に伸張する。圧電素子22の上側はスイッチレバー50への押圧力により固定されているので、圧電素子22の伸張分だけ、ピストンのヘッド面12が下方に移動してシリンダヘッド空間が縮小する。これで吐出が終了し、ノズルを小溝から抜いた後、スイッチレバー50に加えている押圧力を解除する。
【0030】
この圧電素子22の伸張量は、ピストン軸8によるピストン4のストロークに比べて小さく、かつ印加される電圧に応じ正確に定まる。そのため、本装置では、吐出の第1段階で、ピストン4の前進による強い吐出力でほぼ目的とする吐出量を達成し、吐出の終了段階である第2段階で、圧電素子22により吐出力を微妙に調整し、DNAシーケンサの小溝からの試料の溢れ出しや気泡発生を防止した精度のよい吐出が行われる。
【0031】
本ピペット装置の主要部はケース40内に収納されており、またピストン軸8もスイッチレバー50もピストン4の後退方向に付勢されているので、操作者は、このケース40を4本の指で握り、残りの親指でスイッチレバーの端部50Aを操作することが可能である。すなわち、端部50Aに対する押圧力を加減するだけで本装置のピストン4の移動を伴う第1段階、及び圧電素子による第2段階制御を操作することが可能である。よって押したり引いたりといった動作方向の転換が不要で微妙な吐出の制御が可能であり、第1段階と第2段階とで操作部位を変える手間が不要で連続的に操作でき、極めて操作性がよい。なお、コイルバネ32、58の弾性力の強さは、上述したこれら相対的な強さの条件の他、操作者が指で操作する場合にはそれが可能な程度の強さであるという条件も満たすように設定される。
【0032】
図1に示す実施形態において、シリンダ2の内径、ピストン4の直径は例えば1cmであり、ピストン4のストローク量は例えば1cm、ピストン板20の係止時のシリンダヘッド空間の間隙は例えば1mmに設定される。この間隙は、圧電素子22の伸張量に応じて設定される。その伸張量は圧電板42の材質、厚さ、印加される電圧に依存する。例えば数Vの電圧で数μm程度の伸張量が得られる。圧電素子22の表面にはその伸縮を妨げないような被膜70が設けられ、圧電素子22を試料から絶縁している。
【0033】
なお、圧電素子22への印加電圧を、スイッチレバーの端部50Aへの押圧力に応じて可変とする構成も可能である。この構成では、例えばスイッチベース端子54の位置に圧力センサを配置する。この位置に配置された圧力センサにはピストン4の係止後にスイッチレバー50が当たるので、ピストン4の係止後のスイッチレバー50への押圧力を検知することができる。圧力センサの出力を信号処理し押圧力に応じた電圧を圧電素子に供給する感圧制御回路が設けられる。このように圧力に応じた制御を行うことにより、吐出量のより微妙な制御が可能となる。
【0034】
【発明の効果】
本発明のピペット装置によれば、吐出の第1段階ではピストンがシリンダ内を前進し流体抵抗に打ち勝つ高い吐出力が得られ、吐出の終了段階である第2段階では、ピストンの前進に代えて歪み素子によりピストンのヘッド面が変位し吐出を行う。これにより液体の吐出開始時と、吐出終了時とで吐出力を段階的に調整でき、吐出終了時における微妙な吐出量の制御が可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるピペット装置の主要部の断面図。
【符号の説明】
2 シリンダ、4 ピストン、8 ピストン軸、14 ノズル、20 ピストン板、22 圧電素子、32,58 コイルバネ、34 突起、42 圧電板、44 電極、50 スイッチレバー、52 スイッチ可動端子、54 スイッチベース端子、56 スイッチ。
Claims (6)
- シリンダと、
このシリンダの先端面に連通したノズルと、
前記シリンダ内を移動し、前記シリンダの内容積を縮小させて前記ノズルから試料を吐出させるピストンと、
このピストンの進退方向に向くピストン断面に配され、印加される電圧に応じて前記進退方向に伸縮する歪み素子と、
この歪み素子に電圧を供給する電源と、
この電源から前記歪み素子への電圧の印加を制御するスイッチと、を有し、
前記電源の前記歪み素子に対する接続は、前記吐出の終了段階における前記スイッチの操作により前記歪み素子を前記進退方向に伸張させる向きであり、この伸張により前記ピストンのヘッド面が変位し前記シリンダの前記内容積が縮小されること、を特徴とするピペット装置。 - 請求項1記載のピペット装置において、
前記吐出の終了段階でシリンダの前記先端面とピストンの前記ヘッド面との間に間隙を残す係止位置にて前記ピストンの前進が抑止される係止機構を備えていることを特徴とするピペット装置。 - 請求項2記載のピペット装置において、
前記スイッチは、前記ピストンを前進させる押し込み力の作用点に配置されて当該押し込み力を前記ピストンに伝達し、前記ピストンから前進時に受ける抵抗力より大きな圧縮力を受けるとスイッチ動作すること、を特徴とするピペット装置。 - 請求項3記載のピペット装置において、
前記スイッチは、
前記ピストンに設けられたスイッチベース端子と、
前記押し込み力の作用点であるスイッチ可動端子と、
このスイッチ可動端子と前記ピストンとの間に設けられ、前記スイッチ可動端子を前記ピストンの後退方向に付勢するスイッチ付勢手段と、を含み、
前記圧縮力によって前記スイッチ付勢手段が縮小して前記スイッチベース端子と前記スイッチ可動端子とが接触し、前記スイッチが導通状態とされること、を特徴とするピペット装置。 - 請求項3記載のピペット装置において、
前記ピストンをその後退方向に付勢するピストン付勢手段を有することを特徴とするピペット装置。 - 請求項3から請求項5のいずれかに記載のピペット装置において、
前記圧縮力の大小を検知する圧力センサと、
この圧縮力に応じて前記歪み素子に印加される電圧を制御する感圧制御回路と、を有することを特徴とするピペット装置。
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