JPH09327628A - ピペット装置 - Google Patents

ピペット装置

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JPH09327628A
JPH09327628A JP14937996A JP14937996A JPH09327628A JP H09327628 A JPH09327628 A JP H09327628A JP 14937996 A JP14937996 A JP 14937996A JP 14937996 A JP14937996 A JP 14937996A JP H09327628 A JPH09327628 A JP H09327628A
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piston
switch
cylinder
discharge
force
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Junichi Kawanabe
純一 川那辺
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博 神尾
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/10Devices for transferring samples or any liquids to, in, or from, the analysis apparatus, e.g. suction devices, injection devices
    • G01N2035/1027General features of the devices
    • G01N2035/1034Transferring microquantities of liquid
    • G01N2035/1039Micropipettes, e.g. microcapillary tubes

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  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Devices For Use In Laboratory Experiments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピペット装置において、段階的な吐出力の調
整が困難であり、吐出終了時における微妙な吐出量の制
御が困難である。 【解決手段】 シリンダ2内を移動するピストン4に圧
電素子22を配する。この圧電素子22は電圧を印加さ
れるとピストン4の進退方向に伸張する。吐出の第1段
階ではスイッチレバー50への作用力がコイルバネ58
を介してピストン軸8に伝達され、ピストン4がシリン
ダ内を前進し、その比較的大きなストロークに応じた高
い吐出力が得られる。吐出の終了段階である第2段階で
は、ピストン4の前進が係止されスイッチレバー50が
コイルバネ58を圧縮してピストン軸8内に挿入され、
スイッチ56がオン状態となって圧電素子22は電圧を
印加されて伸張し、ヘッド面12を前進させる。圧電素
子22の正確かつ微細な伸張により、微妙な吐出量の制
御が精度良く行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体の吸引・吐出
を行うピペット装置に関し、特に吐出量の微調整が可能
なピペット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に従来からのピペット装置は、シ
リンダとピストンとで構成される。ピストンをシリンダ
内で移動させることによってシリンダ内の容積が変化
し、これにより液体の吸引・吐出が行われる。このピペ
ット装置としては、従来から手動のもの及び電動のもの
が実用化されており、手動ピペット装置は化学分析など
において所望量の試料の吸引・吐出に利用され、電動ピ
ペット装置は例えば自動分注装置などに組み込まれてい
る。
【0003】ところで、DNAシークエンサでは、DN
A解析を行うため、DNAの分離媒体である薄厚のゲル
板の上部に形成された複数の小溝に微量(例えば1.2
μl)のサンプルDNAを注入する必要がある。その小
溝の厚みは0.25〜0.4mm程度しかなく、またそ
の深さは数mm、例えば7mm程度である。
【0004】このような溝にサンプルDNAを注入する
場合には、一般的には、ノズル先端に極薄のディスポー
ザブルチップ(ノズルチップ)を装着させたマイクロピ
ペットが使用される。
【0005】しかし、上述のように注入対象である小溝
はその形状及び容積が極めて小さく、マイクロピペット
装置から所定量のサンプルDNAを正確かつ確実にその
小溝に注入するのは困難であり、また熟練を要してい
た。
【0006】すなわち、ノズルの内径やノズルチップの
内径が極めて小さいこと、及び上記の小溝にバッファー
液が満たされていることに起因して、流体抵抗が大き
く、このため吐出コントロールが困難であるという問題
があった。すなわち、吸引量と同じ量だけピストン軸を
押し込むと、吐出力が不足気味となってピストン軸を完
全に押し込んでもノズルチップ内などに液が残りやす
く、その一方、吸引量より多くピストン軸を押し込む
と、吐出力が過剰となって上記の小溝から液が溢れた
り、気泡が生じたりするという問題があった。このよう
な問題はDNAシーケンシングの分離パターンに悪影響
を与え、その後の解析が困難になるという問題を引き起
こしていた。
【0007】また、一般的なピペット装置においても、
実際の吐出量をできる限り正確に設定したいとの要望が
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
ピペット装置、特にマイクロピペットにおいては、液体
の吐出開始時と、吐出終了時とで段階的に吐出力を調整
することが困難であり、吐出終了時における微妙な吐出
量の制御が困難であるという問題点があった。
【0009】本発明は、上記従来の問題点を解消するた
めになされたもので、液体の吐出開始時には液体抵抗に
勝って勢いの良い吐出を行わせ、かつ液体の吐出完了時
には吐出力を精度良く制御できるピペット装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るピペット装
置は、シリンダと、このシリンダの先端面に連通したノ
ズルと、前記シリンダ内を移動し、前記シリンダの内容
積を縮小させて前記ノズルから試料を吐出させるピスト
ンと、このピストンの進退方向に向くピストン断面に配
され、印加される電圧に応じて前記進退方向に伸縮する
歪み素子と、この歪み素子に電圧を供給する電源と、こ
の電源から前記歪み素子への電圧の印加を制御するスイ
ッチとを有し、前記電源の前記歪み素子に対する接続
は、前記吐出の終了段階における前記スイッチの操作に
より前記歪み素子を前記進退方向に伸張させる向きであ
り、この伸張により前記ピストンのヘッド面が変位し前
記シリンダの前記内容積が縮小されること、を特徴とす
る。
【0011】上記構成によれば、吐出の第1段階では歪
み素子がピストンの進退方向に縮小された状態にてピス
トンがシリンダ内を前進する。このピストンの前進によ
る試料の吐出は、例えばピストンのヘッド面がシリンダ
の先端面に近づいたり、吐出総量が所望の値に近づくま
で行われる。続く吐出の終了段階である第2段階では、
ピストンの前進に代えて、スイッチが操作され歪み素子
がピストンの進退方向に伸張されてピストンのヘッド面
がシリンダ内を前進する。これにより、シリンダの内容
積が縮小されて吐出が行われる。よって、本発明によれ
ば、第1段階においては、ピストンの比較的大きなスト
ロークに応じた高い吐出力が得られ、すなわち流体抵抗
に打ち勝つ吐出力が得られ試料が勢い良く吐出される。
そして、第2段階においては、微妙な吐出量の制御が、
印加する電圧に応じて定まる歪み素子の伸張を利用して
精度良く行われる。ここで、歪み素子は例えば圧電素子
や磁歪素子である。圧電素子は基本的には圧電材料とこ
れに電圧を印加するための電極とを含んで構成され、磁
歪素子は基本的には磁気歪み材料とこれに磁界を及ぼす
ためのコイルとコイルに電圧を供給する端子とを含んで
構成される。
【0012】本発明を上記のDNAサンプルのゲル板へ
の吐出に利用すれば、上記の2段階の吐出により、流体
抵抗に対して十分な吐出力を確保できると共に、吐出力
を微妙に調整して小溝からの溢れ出しや気泡発生を効果
的に防止できる。
【0013】なお、スイッチのオン/オフ操作と、電源
から歪み素子に印加される電圧の方向との両者は、この
歪み素子が吐出終了段階にてピストンの進退方向に伸張
するように互いに関連して定められる。すなわち、歪み
素子に印加される電圧の向きが歪み素子を進退方向に伸
張させるような向きであれば、スイッチを第1段階でオ
フとし第2段階でオンとする構成が採られ、逆に電圧の
向きが歪み素子を進退方向に縮小させるような向きであ
れば、スイッチを第1段階でオンとして歪み素子を縮小
させておき第2段階でオフとして歪み素子を第1段階に
比べて相対的に伸張させる構成が採られる。
【0014】本発明の好適な態様は、前記吐出の終了段
階でシリンダの前記先端面とピストンの前記ヘッド面と
の間に間隙を残す係止位置にて前記ピストンの前進が抑
止される係止機構を備えている。この態様では、ピスト
ンが係止された後、吐出の終了段階が開始される。すな
わち、終了段階が常にピストンの所定の位置から開始さ
れ、また終了段階の途中でピストンが進退して歪み素子
による微妙な吐出に変動を及ぼすことが抑制されるの
で、終了段階の再現性及び精度の良い吐出制御が可能と
なる。
【0015】本発明の好適な態様では、前記スイッチ
が、前記ピストンを前進させる押し込み力の作用点に配
置されて当該押し込み力を前記ピストンに伝達し、前記
ピストンから前進時に受ける抵抗力より大きな圧縮力を
受けるとスイッチ動作する。この態様では、ピストンの
前進に必要な力はスイッチの動作に必要な力より小さ
い。すなわち、スイッチに押し込み力を印加していく
と、それが上記抵抗力を超えた段階でまずピストンが前
進し、この前進中はスイッチに加わる圧縮力は基本的に
この抵抗力から増加せずスイッチは動作されない。そし
て、ピストンが前記係止位置に達すると、前記押し込み
力とこれに対する前記ピストンからの反力とにより圧縮
力が増大し、これによってスイッチ動作する。この構成
により、ピストンの前進動作とスイッチの動作とを、ス
イッチの押し込みという1つの操作で連続して行うこと
ができる。
【0016】また、本発明の好適な態様では、前記スイ
ッチは、前記ピストンに設けられたスイッチベース端子
と、前記押し込み力の作用点であるスイッチ可動端子
と、このスイッチ可動端子と前記ピストンとの間に設け
られ、前記スイッチ可動端子を前記ピストンの後退方向
に付勢するスイッチ付勢手段と、を含み、前記圧縮力に
よって前記スイッチ付勢手段が縮小して前記スイッチベ
ース端子と前記スイッチ可動端子とが接触し、前記スイ
ッチが導通状態とされる。この態様では、スイッチ付勢
手段は例えば、バネなどの弾性体で構成される。スイッ
チ付勢手段は、例えば弾性体の場合、ピストンの前進時
における抵抗力ではスイッチベース端子とスイッチ可動
端子とが接触するほどにはその弾性体の長さが縮小され
ないような弾性係数を有するように構成される。
【0017】本発明の好適な態様は、前記ピストンをそ
の後退方向に付勢するピストン付勢手段を有する。この
態様によれば、スイッチに加える押し込み力を緩和する
と自然にピストンが後退し、吐出動作開始時の状態に復
元する。
【0018】本発明の好適な態様は、前記圧縮力の大小
を検知する圧力センサと、この圧縮力に応じて前記歪み
素子に印加される電圧を制御する感圧制御回路とを有す
る。この態様によれば、吐出の最終段階にて歪み素子の
伸張量をスイッチに対する圧力によって制御し、吐出量
のより微妙な制御が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を用いて説明する。図1は、本発明に係わる
ピペット装置の主要部の断面図である。このピペット装
置では、シリンダ2内をピストン4が進退する。より正
確には、ピストン4はピストンヘッド6とピストン軸8
とで構成され、ピストンヘッド6がシリンダ2内を進退
する。そしてシリンダの内容積、すなわちシリンダ先端
面10とピストン4のヘッド面12とで仕切られる空間
の容積が変化すると、シリンダ2の先端面10に設けら
れたノズル14の先端開口14Aから試料である液体が
吸引・吐出される。
【0020】本ピペット装置は、DNAシーケンシング
等における微小量の試料の分注を行うものであり、この
用途では試料が微量であることとその吐出を精度良く行
うために、ノズル14の内径は細い。そのため、液体が
ノズル14内を通過する際の抵抗力は大きい。本装置は
シリンダ2の内部空間の断面積をノズル14のそれより
はるかに大きくして、ピストン4のわずかな進退動でノ
ズル14の抵抗に打ち勝つ大きな吸引力又は吐出力を得
る。なお、ノズルの先端開口14Aにディスポーザブル
型のノズルチップを装着し、これを介して試料の吸引、
吐出を行わせることもある。
【0021】ピストンヘッド6は、ここでは円盤状に構
成されており、大きくはピストン板20と圧電素子22
とで構成される。ピストン板20の外周にはOリングで
構成されるパッキング24が配置され、これによりピス
トンヘッド6とシリンダ2の内壁との気密が図られる。
【0022】ピストン4は、圧電素子22を有している
ことを特徴とする。試料の吐出時にピストン板20はそ
のヘッド面12とシリンダ先端面10との間にわずかな
距離を残す位置まで挿入され、その段階で圧電素子22
はピストン4の進退方向に伸張するような電圧を印加さ
れ、この圧電素子22の歪みによりヘッド面12がさら
にシリンダ2に挿入される。圧電素子22の歪みによる
ヘッド面12の変位は、ピストン軸8を手又は機械的な
方法で操作することによる変位よりも、微細に制御可能
であり、本装置はこれにより、吐出終了時の吐出量の精
度向上を図るものである。
【0023】ピストン軸8はシリンダ2の上部に形成さ
れた筒状のガイド30を挿通している。ピストン軸8の
シリンダ2の外部にある端部8Aとガイド30の上端部
との間にはコイルバネ32が介装されており、このコイ
ルバネ32によりピストン軸8は上方へ付勢されてい
る。ピストン軸8の途中側面には突起34が設けられて
いる。この突起34はピストン軸の全周にリング状に設
けても良いし、一部の方向に突出するものであってもよ
い。ガイド30の外側上端部30Aはコイルバネ32を
支持した内側上端部より一段高く形成され、突起34を
係止する。これにより、ピストンヘッド6の前進はヘッ
ド面12とシリンダ先端面10との間に所定幅の間隙を
残す係止位置で抑止される。このピストンヘッド6の係
止機構は、上記構成以外のものであってもよい。例え
ば、突起34に代えてピストン軸の端部8Aに設けられ
た突出部を用いてもよいし、ガイドの外側上端部30A
に代えてケース40を用いて係止してもよい。
【0024】圧電素子22はPZTなどの圧電板42の
上下にそれぞれ電極44を設けられたもので、この電極
44はピストン板20及びピストン軸8内を通された配
線46によって外部の直流電源(図示せず)に接続され
る。
【0025】この圧電素子22への電圧供給回路のスイ
ッチは、ピストン軸8内に設けられている。ピストン軸
8内部には空洞48が設けられ、この空洞48には端部
8Aを介して外部からスイッチレバー50が挿通されて
いる。スイッチレバー50の空洞48側の端部にはスイ
ッチ可動端子52が設けられ、一方、ピストン4側には
空洞48の底部に配線46の一部を開路して設けたスイ
ッチベース端子54が設けられている。これらスイッチ
可動端子52とスイッチベース端子54とがスイッチ5
6の主要部を構成する。スイッチレバー50が空洞48
側へ押し込まれると、導電性のスイッチ可動端子52が
スイッチベース端子54に接触し、圧電素子22への電
圧供給回路が閉路し、圧電素子22に電圧が印加され
る。この電圧の向きは、圧電板42がピストン4の進退
方向に伸張するような向きに構成されている。
【0026】スイッチレバー50の上端部50Aとピス
トン軸の端部8Aとの間にはコイルバネ58が介装され
ており、このコイルバネ58によりスイッチレバー50
は上方へ付勢されている。コイルバネ58の付勢力はコ
イルバネ32の付勢力より強く構成されている。
【0027】次にこの装置の動作を説明する。このピペ
ット装置への試料の吸引は、ピストン4をシリンダ2内
に押し下げた状態で、ノズルの先端開口14Aを試料に
差し込み、そしてピストン軸8を引き上げる。これによ
りシリンダの先端面10とピストンのヘッド面12との
間の空間(シリンダヘッド空間)が拡大する。このシリ
ンダ2の断面積はノズル14の内径面積よりはるかに大
きいため、ノズル先端には大きな吸引圧力が作用し、試
料は、ノズル14内面と試料との間に生じる抵抗に打ち
勝って、円滑にノズル14内に吸引される。なお、この
ときスイッチ56はスイッチレバーの上端部50Aに押
圧力を受けておらず、コイルバネ58の付勢力によりオ
フ状態にある。ピストン板20がシリンダの上端面で係
止されるまでピストン4を目一杯引き上げることによ
り、吸引量の再現性を確保することができる。また、コ
イルバネ32の付勢力をノズル14での液体の粘性抵抗
より大きく設定すれば、ピストン軸8への押し下げ力の
解除のみで上記ピストン4の引き上げが自動的に行われ
る構成となる。
【0028】吸引された試料を吐出するには、ノズルの
先端開口14Aを吐出先である、例えばDNAシークエ
ンサの小溝に挿入し、ピストンのヘッド面12を前進さ
せればよい。このヘッド面12の前進動作は、スイッチ
レバーの端部50Aを押すことにより行われる。吐出時
にピストン4の押し下げに必要な力の大きさは、コイル
バネ32の付勢力と試料の粘性抵抗との和と同程度であ
る。この和の程度の力ではコイルバネ58はほとんど縮
まらないように、コイルバネ58の弾性係数は選択され
ている。すなわち、スイッチレバーの端部50Aを押し
下げると、コイルバネ58はほとんど圧縮されず、コイ
ルバネ58からピストン軸の端部8Aに力が作用し、ま
ずコイルバネ32が圧縮される。よって、スイッチ56
はオフ状態のまま、ピストン4が下降する。このときの
ピストン4のストロークは比較的大きく、ノズル14に
保持された試料には強い吐出力が与えられ、試料はノズ
ルの先端開口14Aから円滑に吐出される。スイッチレ
バーの端部50Aをさらに押していくと、突起34がガ
イドの外側上端部30Aに係止され、所定容積のシリン
ダヘッド空間を残して、ピストン4の前進が停止され
る。
【0029】さらに端部50Aを押すと今度はコイルバ
ネ58が圧縮されてスイッチレバー50が空洞48に挿
入され、スイッチ可動端子52がスイッチベース端子5
4に接触し、スイッチ56がオン状態となる。スイッチ
56がオン状態になると、圧電素子22には電圧が印加
され、圧電素子22はピストン4の進退方向に伸張す
る。圧電素子22の上側はスイッチレバー50への押圧
力により固定されているので、圧電素子22の伸張分だ
け、ピストンのヘッド面12が下方に移動してシリンダ
ヘッド空間が縮小する。これで吐出が終了し、ノズルを
小溝から抜いた後、スイッチレバー50に加えている押
圧力を解除する。
【0030】この圧電素子22の伸張量は、ピストン軸
8によるピストン4のストロークに比べて小さく、かつ
印加される電圧に応じ正確に定まる。そのため、本装置
では、吐出の第1段階で、ピストン4の前進による強い
吐出力でほぼ目的とする吐出量を達成し、吐出の終了段
階である第2段階で、圧電素子22により吐出力を微妙
に調整し、DNAシーケンサの小溝からの試料の溢れ出
しや気泡発生を防止した精度のよい吐出が行われる。
【0031】本ピペット装置の主要部はケース40内に
収納されており、またピストン軸8もスイッチレバー5
0もピストン4の後退方向に付勢されているので、操作
者は、このケース40を4本の指で握り、残りの親指で
スイッチレバーの端部50Aを操作することが可能であ
る。すなわち、端部50Aに対する押圧力を加減するだ
けで本装置のピストン4の移動を伴う第1段階、及び圧
電素子による第2段階制御を操作することが可能であ
る。よって押したり引いたりといった動作方向の転換が
不要で微妙な吐出の制御が可能であり、第1段階と第2
段階とで操作部位を変える手間が不要で連続的に操作で
き、極めて操作性がよい。なお、コイルバネ32、58
の弾性力の強さは、上述したこれら相対的な強さの条件
の他、操作者が指で操作する場合にはそれが可能な程度
の強さであるという条件も満たすように設定される。
【0032】図1に示す実施形態において、シリンダ2
の内径、ピストン4の直径は例えば1cmであり、ピス
トン4のストローク量は例えば1cm、ピストン板20
の係止時のシリンダヘッド空間の間隙は例えば1mmに
設定される。この間隙は、圧電素子22の伸張量に応じ
て設定される。その伸張量は圧電板42の材質、厚さ、
印加される電圧に依存する。例えば数Vの電圧で数μm
程度の伸張量が得られる。圧電素子22の表面にはその
伸縮を妨げないような被膜70が設けられ、圧電素子2
2を試料から絶縁している。
【0033】なお、圧電素子22への印加電圧を、スイ
ッチレバーの端部50Aへの押圧力に応じて可変とする
構成も可能である。この構成では、例えばスイッチベー
ス端子54の位置に圧力センサを配置する。この位置に
配置された圧力センサにはピストン4の係止後にスイッ
チレバー50が当たるので、ピストン4の係止後のスイ
ッチレバー50への押圧力を検知することができる。圧
力センサの出力を信号処理し押圧力に応じた電圧を圧電
素子に供給する感圧制御回路が設けられる。このように
圧力に応じた制御を行うことにより、吐出量のより微妙
な制御が可能となる。
【0034】
【発明の効果】本発明のピペット装置によれば、吐出の
第1段階ではピストンがシリンダ内を前進し流体抵抗に
打ち勝つ高い吐出力が得られ、吐出の終了段階である第
2段階では、ピストンの前進に代えて歪み素子によりピ
ストンのヘッド面が変位し吐出を行う。これにより液体
の吐出開始時と、吐出終了時とで吐出力を段階的に調整
でき、吐出終了時における微妙な吐出量の制御が可能で
あるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるピペット装置の主要部の断面
図。
【符号の説明】
2 シリンダ、4 ピストン、8 ピストン軸、14
ノズル、20 ピストン板、22 圧電素子、32,5
8 コイルバネ、34 突起、42 圧電板、44 電
極、50 スイッチレバー、52 スイッチ可動端子、
54 スイッチベース端子、56 スイッチ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、 このシリンダの先端面に連通したノズルと、 前記シリンダ内を移動し、前記シリンダの内容積を縮小
    させて前記ノズルから試料を吐出させるピストンと、 このピストンの進退方向に向くピストン断面に配され、
    印加される電圧に応じて前記進退方向に伸縮する歪み素
    子と、 この歪み素子に電圧を供給する電源と、 この電源から前記歪み素子への電圧の印加を制御するス
    イッチと、を有し、 前記電源の前記歪み素子に対する接続は、前記吐出の終
    了段階における前記スイッチの操作により前記歪み素子
    を前記進退方向に伸張させる向きであり、この伸張によ
    り前記ピストンのヘッド面が変位し前記シリンダの前記
    内容積が縮小されること、を特徴とするピペット装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のピペット装置において、 前記吐出の終了段階でシリンダの前記先端面とピストン
    の前記ヘッド面との間に間隙を残す係止位置にて前記ピ
    ストンの前進が抑止される係止機構を備えていることを
    特徴とするピペット装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のピペット装置において、 前記スイッチは、前記ピストンを前進させる押し込み力
    の作用点に配置されて当該押し込み力を前記ピストンに
    伝達し、前記ピストンから前進時に受ける抵抗力より大
    きな圧縮力を受けるとスイッチ動作すること、を特徴と
    するピペット装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のピペット装置において、 前記スイッチは、 前記ピストンに設けられたスイッチベース端子と、 前記押し込み力の作用点であるスイッチ可動端子と、 このスイッチ可動端子と前記ピストンとの間に設けら
    れ、前記スイッチ可動端子を前記ピストンの後退方向に
    付勢するスイッチ付勢手段と、を含み、 前記圧縮力によって前記スイッチ付勢手段が縮小して前
    記スイッチベース端子と前記スイッチ可動端子とが接触
    し、前記スイッチが導通状態とされること、を特徴とす
    るピペット装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のピペット装置において、 前記ピストンをその後退方向に付勢するピストン付勢手
    段を有することを特徴とするピペット装置。
  6. 【請求項6】 請求項3から請求項5のいずれかに記載
    のピペット装置において、 前記圧縮力の大小を検知する圧力センサと、 この圧縮力に応じて前記歪み素子に印加される電圧を制
    御する感圧制御回路と、を有することを特徴とするピペ
    ット装置。
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