JP3779274B2 - 血圧測定用カフ自動巻付装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血圧測定の際に被験者の上腕にカフを自動的に巻き付ける血圧測定用カフ自動巻付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
全自動式の血圧測定装置では、円筒状に配置されたカフの中に上腕を挿入してスタートスイッチを操作すると、上腕にカフが自動的に巻き付き、さらにカフに空気が圧送されて上腕を圧迫した後、カフから空気を徐々に抜く過程で最高血圧と最低血圧を測定するようになっている。
【0003】
このような全自動式の血圧測定装置では、カフの一端を取付部に固定し、円筒状に略一周巻いた後、この円筒の略接線方向にカフの他端側をさらに伸ばし、当該カフの他端側を円筒形状のドラムで巻き取るようになっている。ドラムに巻き取ることで、カフを引っ張り、円筒状の部分を縮径させて上腕にカフを巻き付けるようになっている(たとえば特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−107140号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
カフをドラムで巻き上げる場合、以下の▲1▼〜▲4▼に示す要因等から装置の小型化を図ることが難しかった。▲1▼カフを上腕に巻き付けた状態で空気を送り込んで上腕を320mmHg以上に加圧するためにはカフを50kg以上の力で引っ張る必要がある。このためモータが大型化するほか、ドラムや減速系のギアなどにも堅牢性が要求される。▲2▼前記した大きな力を確保しつつ適切な時間内にカフを上腕に巻き付けるためにはドラムの径を太くする必要があり、たとえば40〜50ミリ以上になってしまう。この場合に、上腕を挿入する円筒状部分の下方にドラムを配置すると、上腕を挿入する部分の位置が高くなり、テーブルに血圧自動測定装置を設置した場合に、適切な血圧測定姿勢が得難くなってしまう。
【0006】
▲3▼通常は、ドラムを駆動するモータの軸とドラムの軸方向が一致しているので、装置からモータが出っ張りやすい。すなわち、上腕に巻き付けるカフの円筒状部分の軸方向とドラムの軸方向が通常は一致しているので、血圧自動測定装置の奥行きが大きくなってしまう。▲4▼モータの出っ張りをなくすべく、ドラム径を大きくして、その内部にモータを収納すると、ドラム径が相当大きくなり、装置が大型化してしまう。
【0007】
このほか、巻き上げ完了後、血圧の測定が終了するまで、モータのクラッチによってカフを巻付完了位置に保持する場合には、モータがさらに大型化してしまう。一方、巻付完了位置を保持するためにカフを何らかの部材で挟持すると、カフが強度的に耐え切れないことがある。
【0008】
また従来の血圧測定装置では、上腕にカフを軸方向に径が均一な円筒状に巻き付ける構造になっている。しかし、上腕は各部で太さが異なる(肘に近い方が細くなっている)ので、上記のようにカフを巻き付けると、カフと上腕の間に隙間が生じ、カフを上腕に沿って均一に巻き付けることができず、血圧の測定精度が低下してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、小型化が可能であり、また上腕にカフを均一に巻き付けることのできる血圧測定用カフ自動巻付装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]血圧測定時にカフ(101)を上腕に巻き付ける血圧測定用カフ自動巻付装置(100)において、
一端が取付台(111)に固定され、かつ円筒状に巻かれた後、他端側を前記円筒状部分の外方へ延ばして架設されたカフ(101)と、
棒状部材(130)と、
前記棒状部材(130)の軸方向を前記カフ(101)の幅方向にして前記カフ(101)のうち前記円筒状部分の外方へ延びる箇所に前記棒状部材(130)を引っ掛けた状態で前記棒状部材(130)を移動させて前記円筒状部分が縮径するように前記カフ(101)を引っ張る移動手段(113、120、150、155等)とを有し、
前記移動手段(113、120、150、155等)は、前記棒状部材(130)をその移動方向の前後方向へ自在に傾斜可能に支持した状態で移動させる
ことを特徴とする血圧測定用カフ自動巻付装置(100)。
【0012】
[2]前記棒状部材(130)は、両端に長穴(133)を有し、
前記移動手段(113、120、150、155等)は、前記棒状部材(130)の軸方向と前記棒状部材(130)の移動方向の双方に垂直な回転軸(122)を前記長穴(133)に通して前記棒状部材(130)の両端部をそれぞれ支持するスライドユニット(120、220)と、前記棒状部材(130)の両端のスライドユニット(120、220)をそれぞれ案内する互いに平行配置されたガイドレール(113、211)と、前記スライドユニット(120、220)を前記ガイドレール(113、211)に沿って移動させる動力部(150、151、155)とを有し、両端のスライドユニット(120、220)が独立に移動することで前記棒状部材(130)を移動方向の前後に傾斜可能にした
ことを特徴とする[1]に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置(100)。
【0013】
[3]前記移動手段(113、120、150、155等)は、前記棒状部材(130)の両端部をそれぞれ支持するスライドユニット(120、220)と、前記棒状部材(130)の両端のスライドユニット(120、220)をそれぞれ案内する互いに平行配置されたガイドレール(113、211)と、前記各スライドユニット(120、220)に取り付けられたケーブル(155)と、前記ケーブル(155)を牽引する牽引手段(150、151)とを有し、
前記牽引手段(150、151)によって前記ケーブル(155)を牽引することで前記スライドユニット(120、220)を前記ガイドレール(113、211)に沿って引っ張り、両端が前記スライドユニット(120、220)によって支持された前記棒状部材(130)を移動させる
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置(100)。
【0014】
[4]前記ケーブル(155)を通すチューブ(156)を少なくとも前記ケーブル(155)の曲げ部分に使用する
ことを特徴とする[3]に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置(100)。
【0015】
[5]前記カフ(101)の巻付完了位置で前記棒状部材(130)または前記スライドユニット(120、220)に係合して、前記棒状部材(130)または前記スライドユニット(120、220)を移動不能に固定するロック手段(166、121等) を有することを特徴とする[2]、[3]または[4]に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置(100)。
【0016】
[6]前記ガイドレール(113、211)に沿って設けたラックギア(166)と、
前記ラックギア(166)に歯合可能な係合歯(121)であって前記スライドユニット(120、220)に設けられたものと、
前記ラックギア(166)と前記係合歯(121)のいずれか一方または双方を互いの歯合したロック位置と、歯合しないアンロック位置とに変位させる施錠手段(171〜174等)と を有することを特徴とする[2]、[3]または[4]に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置(100)。
【0017】
[7]前記取付台(111)を、前記カフ(101)の前記円筒状部分の中心軸と直交する回転中心まわりに回動可能に支持した
ことを特徴とする[1]、[2]、[3]、[4]または[5]に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置(100)。
【0018】
[8]前記カフ(101)の巻付完了位置で前記取付台(111)に係合し、前記取付台(111)を回動不能に固定する取付台ロック手段(117、118) を有することを特徴とする[7]に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置(100)。
【0019】
[9]前記棒状部材(130、131)を、その軸(132)を中心に回動自在に構成した ことを特徴とする[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]または[8]に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置(100)。
【0020】
次に、前記各項に記載された発明の作用について説明する。
カフ(101)は、一端が取付台(111)に固定され、かつ円筒状に巻かれた後、他端側を円筒状部分の外方へ延ばして架設されている。移動手段(113、120、150、155等)は、棒状部材(130)の軸方向をカフ(101)の幅方向に向け、かつカフ(101)のうち円筒状部分の外方へ延びる箇所に棒状部材(130)を引っ掛けた状態でこの棒状部材(130)を移動させて、カフ(101)の円筒状部分が縮径するようにカフ(101)を引っ張る機能を果たす。
【0021】
このように、カフ(101)に引っ掛けた棒状部材(130)を移動させることでカフ(101)を引っ張るので、棒状部材(130)の移動機構やモータなどの配置の自由度が高くなり、小型化が可能になる。たとえば、棒状部材(130)の両端をケーブル(155)で牽引すれば、牽引用のモータの配置を適宜の位置に配置することができる。また棒状部材(130)は、これ自身でカフ(101)を巻き取るものではなく、カフ(101)を引っ張る方向に移動するだけでよいので、巻取トルクの発生が不要で、径を細くすることができる。
【0022】
さらに、上腕を挿入する円筒状部分の下方で略水平に棒状部材(130)を移動させれば、移動機構を薄型に構成して、装置がコンパクトになるとともに、上腕を挿入する部分の位置を低くすることができ、適正な姿勢で血圧を測定することができる。なお、棒状部材(130)の移動方向(移動軌跡)は、上記した水平に限定されるものではない。たとえば、斜め下方あるいは上方に移動させれば、水平成分の移動距離が短くなり、装置の幅を小さくすることができる。このほか円弧やS字を描くように棒状部材(130)を移動させてもよい。
【0023】
さらにまた棒状部材(130)をカフ(101)に引っ掛けて移動させることにより、カフ(101)が棒状部材(130)で折り返すように架設される。その結果、棒状部材(130)の移動量に対して、上腕を挿入する円筒状部分からのカフ(101)の引き出し距離が長くなる。たとえば、カフ(101)が棒状部材(130)の箇所でほぼ平行に折り返す場合には、上腕を挿入する円筒状部分から引き出されるカフ(101)の長さが棒状部材(130)の移動距離の約2倍になる。このため、棒状部材(130)の移動量が少なくなり、装置の小型化に貢献する。なお複数の棒状部材(251〜253)を平行な2列でかつ千鳥状に配置し、これらにカフ(254)をジグザグに架設し、一方の列の棒状部材(251、253)と他方の列の棒状部材(252)とが相対的に離れるように棒状部材を移動させれば、1本の棒状部材の移動距離に対して上腕を挿入する円筒状部分から引き出されるカフの長さをより一層長くすることができる。
【0024】
なお、棒状部材(130)を、カフ(101)の幅よりも長くし、棒状部材(130)をカフ(101)の幅全体に引っ掛けた状態で移動させると、カフ(101)を傷めない。また棒状部材(130)の移動によってカフ(101)が引っ張られたとき、カフ(101)の円筒状に巻いた部分が縮径するように、カフ(101)を案内する案内手段(115)を設けるとよい。ローラなどの案内手段を適宜の箇所に配置し、これによりカフ(101)の経路を規制すれば、棒状部材(130)の移動方向を自由に設定したり、先のように何度も折り返してカフ(101)をジグザグに架設したりすることも可能になる。
【0025】
また棒状部材(130)は、少なくともカフ(101)に接する部分の断面が円弧状または楕円状等に湾曲しているものが好ましい。さらに棒状部材(130、131)を、その軸(132)を中心に回動自在に構成したものでは、棒状部材を移動する際の抵抗が少なくなり、カフ(101)を傷めず滑らかに引っ張ることができる。たとえば、軸(132)とこれに挿入される外筒(132)とからなるローラで棒状部材(130)を構成すると良い。
【0026】
移動手段(113、120、150、155等)が、棒状部材(130)を、その移動方向の前後方向へ自在に傾斜可能に支持するものでは、上腕の形状(肘に向かって細くなる)に対応してカフ(101)が斜めに巻き付く傾向を示したとき、それに追従して棒状部材(130)が傾斜してカフ(101)を斜めに引っ張るようになる。その結果、カフ(101)が上腕に隙間なく巻き付き、高い精度で血圧を測定することが可能になる。
【0027】
たとえば、棒状部材(130)の自在な傾斜は次のような構造で実現される。棒状部材(130)の両端に長穴(133)を設け、スライドユニット(120、220)の有する回転軸(122)をこの長穴(133)に挿入することで、棒状部材(130)の両端にスライドユニット(120、220)を取り付ける。棒状部材(130)の両端のスライドユニット(120、220)は互いに平行配置されたガイドレール(113、211)に案内されて直線に往復移動可能になっている。このとき、スライドユニット(120、220)の回転軸(122)は棒状部材(130)の軸方向と棒状部材(130)の移動方向の双方に垂直になっている。
【0028】
各スライドユニット(120、220)は、動力部(150、151、155)に駆動されてガイドレール(113、211)に沿って移動する。このとき、両端のスライドユニット(120、220)が独立に移動可能なことと、回転軸(122)が長穴(133)に挿入されていることにより、棒状部材(130)は、ガイドレール(113、211)に沿った移動方向の前後方向に、長穴(133)の許容する範囲において自在に傾斜することが可能になる。また棒状部材(130)を両端のスライドユニット(120、220)で支持するので、棒状部材(130)に沿って折り返すカフ(101)の架設経路上でスライドユニット(120、220)が障害物にならず、カフ(101)の架設および棒状部材(130)の支持を容易に行うことができる。
【0029】
また両端のスライドユニット(120、220)をケーブル(155)で引っ張って移動させるものでは、ケーブル(155)を引き回すことで、ケーブル(155)の巻取部やモータの配置箇所を適宜に選択することが可能になる。これにより、装置の小型化を促進できる。ケーブル(155)の牽引手段(150、151)は、たとえば、ケーブル(155)を巻き取る糸巻き部と、糸巻き部を回転駆動する駆動部(モータ)とで構成することができる。
【0030】
少なくともケーブル(155)の曲げ部分でケーブル(155)をチューブ(156)に通すものでは、ケーブル(155)を自在に曲げて張り渡すことができ、糸巻き部やこれを駆動するモータの設置箇所をより一層自由に選択することができる。なお、チューブ(156)に変えて、ケーブル(155)の曲げ部分にローラや滑車を配置したり、摩擦を低減するシートなどの部材を貼り付けてもよい。
【0031】
カフ(101)の巻付完了位置で棒状部材(130)またはスライドユニット(120、220)に係合して、棒状部材(130)またはスライドユニット(120、220)を移動不能に固定するロック手段(166、121等)を有するものでは、小さな力でカフ(101)を巻付完了に保持することができる。たとえば、スライドユニット(120、220)に係合させる係合ピン等をスライドユニット(120、220)の移動方向と略直角に往復移動可能に構成しておけば、スライドユニット(120、220)の移動を阻止するための力の大きさにかかわらず、係合ピンを移動させるだけでスライドユニット(120、220)を移動不能に固定することができる。
【0032】
スライドユニット(120、220)を固定するに際しては、ガイドレール(113、211)に沿ってラックギア(166)を設けるとともに、スライドユニット(120、220)側に、このラックギア(166)と歯合可能な係合歯(121)を設ける。そしてラックギア(166)と係合歯(121)のいずれか一方または双方を互いの歯合したロック位置と、歯合しないアンロック位置とに施錠手段(171〜174等)によって変位させる構成にする。ガイドレール(113、211)に沿ったラックギア(166)を用いることで、スライドユニット(120、220)の移動位置にかかわらず、ラックギア(166)と係合歯(121)のいずれか一方または双方を一定の態様で移動させることでロック、アンロックを切り換えることができ、施錠手段(171〜174等)の構成が簡略化される。
【0033】
取付台(111)を、カフ(101)の円筒状部分の中心軸と直交する回転中心まわりに回動可能に支持したものでは、棒状部材(130)に加えてカフ(101)の円筒状部分も向きを変えるので、隙間なく上腕にカフ(101)を巻き付けることができる。すなわち、円筒状部分と棒状部材(130)の双方が自在に向きを変えることで、上腕にカフ(101)が円錐台状に斜めに巻き付いた場合でも、カフ(101)を弛みなく引っ張ることができる。なお架設されたカフ(101)の他端(取付台(111)に固定された側と反対の端部)をナックル(たとえば、カフ(101)の端部に設けた穴に支持軸を通して関節のように回動可能にしたもの)で固定すれば、カフ(101)が斜めに引っ張られた場合でも当該他端近傍におけるカフ(101)の弛みやねじれを防ぐことができる。
【0034】
カフ(101)の巻付完了位置で取付台(111)に取付台ロック手段(117、118)が係合して取付台(111)を回動不能に固定するものでは、血圧測定中に取付台(111)の向きが変位して、カフ(101)の巻付状態が変動してしまうことを防止し、より正確な血圧の測定が可能になる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の各種実施の形態を説明する。
本発明の第1の実施の形態にかかる血圧測定用カフ自動巻付装置100は、血圧を測定する際に被験者の上腕にカフを自動的に巻き付ける機能を果たすものである。血圧測定用カフ自動巻付装置100に、カフに空気を送り込む装置、カフの空気を徐々に抜き取る機構、血圧を判定する回路、測定した血圧の表示や印刷を行う装置、本体カバー等を付加することにより全自動式の血圧測定装置が構成される。
【0036】
図1は血圧測定用カフ自動巻付装置100の斜視図、図2は血圧測定用カフ自動巻付装置100の右側面図、図3は血圧測定用カフ自動巻付装置100の上面図、図4は血圧測定用カフ自動巻付装置100の正面図、図5は図2、図3におけるA−A断面図を示している。なお各図において詳細箇所は一部簡略示されている。血圧測定用カフ自動巻付装置100は、底面が略正方形の薄型直方体形状を成したベース部110を有している。ベース部110は、金属板で形成されている。また右側面は開放されている。ベース部110の天板の上には、カフ101の取付台としての機能を果たすカフ取付板111が取り付けられている。カフ取付板111は、長方形の板状部材をその断面が略30度の円弧を成すように湾曲させた形状を成している。カフ取付板111は、その長手方向の略中央であって一方の長辺に片寄せた箇所において、ベース部110の天板から垂直に延びたカフユニット軸112によって回動自在に支持されている(図5参照)。
【0037】
カフ取付板111は、図示省略のリミット部材により、回転可能な範囲が制限されている。ここではカフ取付板111の長手方向をベース部110の前後方向とした状態から右回りに約20度の範囲が回転可能な範囲になっている。また図3に示すように、カフ取付板111の下部には、約25度の扇形を成したセクタギア117が形成されている。このセクタギア117に歯合する歯が先端に形成された軸を出し入れするソレノイド118が、セクタギア117の近傍であって、カフ取付板111の回転可能な範囲のいずれの角度においてもセクタギア117と歯合可能な位置に配置されている。ソレノイド118をオンすると、その軸が突出して先端の歯がセクタギア117と歯合し、カフ取付板111を回動不能に固定する。さらにカフ取付板111は、ばね119によって右回りに向くように付勢されている。
【0038】
ベース部110の正面および背面の側壁には、当該側壁より一回り小さい矩形の穴が開設してあり、これらの側壁は、後述するスライドユニット120を案内するガイドレール113の機能を果すようになっている。正面および背面の側壁に形成されたガイドレール113は、互いに平行に配置されており、それぞれにスライドユニット120が摺動可能に取り付けられている。これらスライドユニット120の間には、棒状部材として機能する略円柱形状のローラ130がガイドレール113と略垂直に掛け渡してある。ローラ130は、円筒状のローラ部131と、ローラ部131の軸心を成す穴に挿入されたローラ軸132とから構成される。ローラ部131はローラ軸132を軸として自在に回動する。またローラ130から少し左に離れてカフ戻し固定軸135が両スライドユニット120の間に掛け渡してある。
【0039】
ベース部110の天板は、カフ取付板111の取付箇所の右脇にカフ101が充分通る大きさの開口(カフ進入口114)を有している。被験者の上腕に巻き付けるカフ101は、一端がカフ取付板111に固定され、右回りに略円筒状に一周した後、カフ進入口114からベース部110の内側へ入っている。さらに、カフ戻し固定軸135とローラ130との間を通ってローラ130に左回りに引っ掛けた後、他端がベース部110の右端下部にナックルユニット140を介して固定されている。カフ取付板111の右端部には、カフ進入口114へ進入するカフを案内するカフ案内ローラ115が設けてある。
【0040】
ベース部110の天板の左端には、スライドユニット120を牽引するためのケーブル155(ワイヤ)を巻き取るための糸巻き150と、この糸巻き150を回転駆動する糸巻きモータ151が取り付けてある。糸巻き150は、ベース部110の天板に立設された糸巻きホルダ152により、その軸がガイドレール113と垂直になるように支持されている。
【0041】
ケーブル155は、糸巻き150に右回りに巻かれたものと、左回りに巻かれたものがある。右回りに巻かれたケーブル155aは、ベース部110の左側壁中央に設けた穴からベース部110の内側に入り、スライドユニット120を左側から牽引するように接続されている。ケーブル155aの曲げ箇所には、チューブ156が設けてあり、当該箇所においてケーブル155aはチューブ156aの中を通っている。
【0042】
糸巻き150に左回りに巻かれたケーブル155bは、ベース部110の左側壁の中央下部に設けた穴からベース部110の内部に入り、ベース部110の底面に沿ってローラ130の下方を通り、ベース部110の右端で折り返し、スライドユニット120を右側から牽引するように接続されている。ケーブル155bは、最初の曲げ箇所から右端で折り返すまでチューブ156bの中を通っている(図5参照)。
【0043】
図4に示すように、各ガイドレール113の外側下部には、矩形の細長棒形状を成したガイドピン下部固定板161が、ガイドレール113に沿って設けてある。ガイドピン下部固定板161の左右端部には、鉛直にガイドピン162が立設されている。各ガイドピン162には、コイルばね164が嵌めてある。さらに矩形の細長棒形状であって下面にラックギア166が形成され、かつ両端にガイドピン162を通す穴の設けられたスライドストッパ165が、コイルばね164の上からガイドピン162に嵌めこまれている。
【0044】
ガイドピン162の上端は、ガイドレール113の外側上部両端に設けたガイドピン上部固定板163で固定されている。スライドストッパ165は、コイルばね164によって上方へ付勢され、通常はガイドピン上部固定板163に当接している。スライドユニット120の上面には、スライドストッパ165のラックギアに歯合する係合歯121が形成されている。係合歯121はスライドユニット120の上面の左右全長に渡るラックギアとして形成されている。
【0045】
各スライドストッパ165は、左右分けて2本のロック用ワイヤ171が固定されている。ガイドピン下部固定板161には、スライドストッパ165にロック用ワイヤ171が固定されている位置の真下に相当する位置に穴が開設されている。また図2、図3に示すように、ベース部110の天板の右端奥には、ロック用ワイヤ171を巻き取るための糸巻き172と、この糸巻き172を回転駆動する糸巻きモータ173が取り付けてある。糸巻き172は、ベース部110の天板に立設された糸巻きホルダ174により、その軸がガイドレール113と垂直になるように支持されている。ガイドピン下部固定板161に開設された穴を通ったロック用ワイヤ171は、チューブ175を通じて糸巻き172へ案内される。
【0046】
次に、スライドユニット120へのローラ130およびカフ戻し固定軸135の取付方について説明する。
【0047】
図6および図7に示すようにローラ130のローラ軸132の端部には、長穴133が形成してある。スライドユニット120は、ローラ軸132の軸方向とローラ130の移動方向(スライドユニット120がガイドレール113に案内されて移動する方向)の双方に垂直な回転軸122を有し、先の長穴133に回転軸122を通してローラ130をスライドユニット120に取り付けるようになっている。
【0048】
スライドユニット120は、ガイドレール113と係合するスライド溝125が上下に形成されている。スライドユニット120は、略矩形板状の外ユニット123と、ガイドレール113を構成する穴の縦幅に合わせて一側壁側を上下に幅狭にした断面凸状の内ユニット124に分割される。幅狭側の側壁を外側に向けてガイドレール113の内側に配置した内ユニット124とガイドレール113の外側に配置した外ユニット123とを幅狭の部分をガイドレール113の穴に通して組み合わせることでスライド溝125が形成される。
【0049】
内ユニット124には、ローラ130のローラ軸132を挿入する軸受穴126が開設されている。軸受穴126は、図8に示すように、ガイドレール113に沿う方向に横長矩形に形成されている。軸受穴126にローラ軸132を挿入した後、回転軸122を垂直に差し込むことでローラ軸132がスライドユニット120に固定される。なおローラ軸132が回転軸122を中心に所定の角度範囲(たとえば、スライドユニット120とローラ130が直交する状態に対して前後に30度の範囲)に渡って自在に回動するように、軸受穴126の横幅はローラ軸132の幅に対して充分大きくなっている。なお、カフ戻し固定軸135は、ローラ130と同様の方法で所定の角度範囲で回動自在にスライドユニット120に取り付けてある。
【0050】
次にスライドユニット120のスライド移動をロック・アンロックする機構について説明する。図7および図9に示すように、外ユニット123の上面には係合歯121が形成され、これに対向してスライドストッパ165の下面にラックギア166が形成されている。糸巻き172でロック用ワイヤ171を巻き取ることによってスライドストッパ165が下方へ移動し、係合歯121とラックギア166が歯合するロック位置になると、スライドユニット120が移動不能に固定される。ロック用ワイヤ171を緩めるとコイルばね164に付勢されてスライドストッパ165が上方へ移動し、係合歯121とラックギア166とが充分離れて歯合しないアンロック位置になると、スライドユニット120が移動可能となるようになっている。
【0051】
次に、カフ101のうちカフ取付板111に固定された側と反対の端部のベース部110への取付方法について説明する。カフ101のうち、カフ取付板111に固定された側と反対の端部は、図10および図11に示すようにナックルユニット140によってベース部110の右端下部に固定されている。ナックルユニット140は、断面コの字型を成した本体部141と、コの字の腕部分を縦に貫通した第1縦軸142と、本体部141の胴体部分を縦に貫通した第2縦軸143とを有している。カフ101は、端部に形成された穴に第1縦軸142を通して水平方向に回動自在にナックルユニット140に固定される。またナックルユニット140は第2縦軸143を軸としてベース部110の下部に回動自在に取り付けられている。これにより、カフ101のナックルユニット140側の端部は水平面内で所定の角度範囲(たとえば90度)において自在に向きを変えることが可能になっている。
【0052】
次にスライドユニット120のケーブル155による牽引方法について説明する。図8に示すようにローラ130の両端のスライドユニット120は、それぞれの左端面に端部を取り付けたリンクケーブル181aで結んである。リンクケーブル181aは両端近傍を除く中央付近がV字型チューブ182aに挿入されている。V字型チューブ182aの頂点部には全体としてY字型となるように突出した接続部183aが設けてあり、ここに設けた連結穴184aにケーブル155aが接続されている。同様に、スライドユニット120の右端面同士は、リンクケーブル181bで結んである。リンクケーブル181bは両端近傍を除く中央付近がV字型チューブ182bに挿入されている。またV字型チューブ182bの中央に設けた接続部183bの連結穴184bにケーブル155bが接続されている。
【0053】
次に作用について説明する。
血圧測定前の初期状態では、図5に示すように、ローラ130をナックルユニット140の側へ最も近づけた位置にある。初期状態では、カフ101のうちカフ取付板111の上部に形成される円筒状部分が上腕を挿入するために充分拡径している。また、図1および図3に示すように、ばね119に付勢されてカフ取付板111は右回りに少し向きを変えている。被験者が上腕をカフ101の筒状部分に挿入した後、血圧測定のスタートスイッチを操作すると、糸巻きモータ151が糸巻き150を右回転させてケーブル155aを巻き取り始める。すると、ケーブル155a、V字型チューブ182a、リンクケーブル181aを通じてスライドユニット120が右方向に牽引され、ローラ130が右方向へ移動する。
【0054】
図5に示すように、ローラ130は、カフ101を引っ掛けた状態で右へ移動するので、円筒状部分からカフ101が引き出され、当該円筒状部分を縮径させ、カフ101を被験者の上腕に巻き付ける。このとき、ローラ軸131を中心にローラ部131が回動するので、カフ101とローラ部131との摩擦が低減し、円滑にカフ101を引っ張ることができ、カフを傷めることがない。また、カフ取付板111がカフユニット軸112を中心に自在に回転すること、スライドユニット120が左右独立に移動可能に構成されており、ローラ130がスライドユニット120のスライド方向の前後に傾斜可能であること、ナックルユニット140によってカフ101の他端部が回動可能に取り付けられていることから、上腕にその形に合わせてカフ101を均一に巻き付けることができる。その結果、血圧を高い精度で測定することが可能になっている。図12は、カフ取付板111とローラ130がそれぞれ傾斜した状態の一例を示している。
【0055】
図13(a)、(b)は、カフを、その向きを変えないで上腕に巻き付けた状態の一例を示している。円筒状部分からのカフ201の引き出し方向が固定されているので、カフ201は直円筒状に上腕202に巻き付いている。上腕は、各部の太さが均一でなく、肘に向かって細くなっているので、直円筒状にカフ201を巻き付けるとカフ201と上腕202の間に部分的に隙間203が生じてしまう。一方、図14(a)、(b)に示すように、カフ201の向きが上腕202の形に合わせて変化する場合には、カフ201を上腕202に隙間なく巻き付けることができる。
【0056】
なお、V字型チューブ182aを介してスライドユニット120を牽引することにより、上腕の形に添って巻きつこうとするカフ101の動きに対応したローラ130の傾斜を円滑にしている。すなわち、ローラ130の両端のスライドユニット120がリンクケーブル181aの両端をそれぞれ引っ張る力と、ケーブル155aの牽引力とがバランスするようにV字型チューブ182aが左右に適宜移動するので、カフ101の傾斜に無理なくローラ130が対応して傾斜することができる。
【0057】
糸巻きモータ151に所定のトルクが加わることによってカフ101の上腕への巻付完了を検出すると、スライドユニット120が移動不能に固定され、巻付完了状態が保持される。詳細には、図示省略の制御部が糸巻きモータ173を駆動し、ロック用ワイヤ171を糸巻き172で巻き取る。これによりスライドストッパ165がアンロック位置からロック位置へ変位(下降)し、ラックギア166と係合歯121が歯合して、スライドユニット120が移動不能に固定される。
【0058】
このようにスライドストッパ165を下降させることでスライドユニット120が移動不能に固定されるので、スライドユニット120の固定に大きな動力を必要としない。さらにガイドレール113に沿ったラックギア166を用いることで、スライドユニット120の移動位置にかかわらず、ラックギア166を下降させることで、スライドユニット120の係合歯121と歯合してスライドユニット120を移動不能にロックすることができ、施錠手段の構成が簡略化される。
【0059】
カフ101の上腕へ巻付完了が検出されたとき、上記のほかにソレノイド118がオンにされる。これによりソレノイド118の軸先端の歯とカフ取付板111のセクタギア117とが係合し、カフ取付板111が回動不能に固定される。これにより、被験者が姿勢を変えようとする動きを規制したり、多少姿勢を変えてもカフ101の上腕への巻付状態が緩むことが防止される。
【0060】
血圧測定が終了してカフ101を弛める場合には、まず、カフ101内のエアを除去してから糸巻きモータ173を逆回転させるとともにソレノイド118をオフにして、カフ101のロック状態を解除する。その後、糸巻きモータ151を逆方向(左回り)に駆動する。これにより、図5および図8に示すように、糸巻き150からケーブル155aが送り出されるとともに、ケーブル155bを巻き取って、スライドユニット120を右方向に牽引する。このとき、カフ戻し固定軸135がカフ101を右方向へ押すことにより、カフ101がベース部110の内部で弛むことなく、カフ進入口114を通じて排出され、円筒状部分が拡径する。
【0061】
上述したようにカフ101に引っ掛けたローラ130を移動させることでカフ101を引っ張るので、ローラ130の移動機構やモータなどの配置の自由度が高くなり、小型化が可能になる。特に、ローラ130の両端に設けたスライドユニットをケーブル155で牽引したり、曲げ箇所ではチューブ156にケーブル155を通しているので、糸巻き150や糸巻きモータ151の配置を適宜の位置に配置することができ、装置の小型化に貢献している。またローラ130は、自身でカフ101を巻き取るのではなく、カフ101を引っ張る方向に移動するだけなので、トルクの発生が不要となり、比較的細い径のものを採用でき、小型化の一助となっている。
【0062】
さらに、ローラ130を上腕を挿入する円筒状部分の下方で略水平に移動させるので、装置の設置面積が低減する。またスライド機構は薄型に構成することができるので、上腕を挿入する部分の下方に配置しても、上腕挿入部分の位置を低くすることができ、適正な姿勢で血圧を測定することができる。
【0063】
さらにカフ101がローラ130で折り返すように架設されているので、ローラ130の移動量に対して、上腕を挿入する円筒状部分からのカフの引き出し距離が長くなる。このためスライドユニット120の必要移動量が少なくなって装置の小型化に貢献する。上記の血圧測定用カフ自動巻付装置100では、カフがローラ130によってほぼ平行に折り返しているので、上腕を挿入する円筒状部分から引き出されるカフ101の長さがローラ130の移動距離の約2倍になっている。
【0064】
またローラ130のローラ部131の部分における長さがカフ101の幅より長く、ローラ部131をカフ101の幅全体に引っ掛けた状態でローラ130が移動するので、カフを傷め難い。またローラ130の移動によってカフ101が引っ張られたとき、これに伴ってローラ部131が回転するので、摩擦が少なく、カフ101を傷めず、またローラ130を円滑に移動させることができる。
【0065】
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、スライドユニットおよびそのロック機構の構成が相違するほかは第1の実施の形態と同様であり同一部分についての説明は省略する。図15は、第2の実施の形態にかかわるスライドユニット220およびロック機構にかかわる部分を示している。スライドユニット220は、平行に掛け渡された2本のガイドレール211に案内されて摺動する。スライドユニット220の上方には、ガイドレール211と平行に押圧バー212が配置してある。
【0066】
押圧バー212は一端部はヒンジ213により支持され、垂直平面内で回動可能になっている。押圧バー212の他端にはケーブル214が取り付けてある。ケーブル214は、第1の実施の形態におけるロック用ワイヤ171に相当し、糸巻き172および糸巻きモータ173によって牽引される。ケーブル214を引っ張ると、スライドユニット220の上面に突出しているストッパー入子221を押圧バー212が下方に押し下げるようになっている。ケーブル214を弛めると押圧バー212は自重によってストッパー入子221の上面に接触した状態になる。
【0067】
図16は、スライドユニット220の左側面を示し、図17は、図16におけるB−B断面を示している。2本のうち上方に配置されたガイドレール211aの上面にはラックギア215が形成されている。ストッパー入子221は、それに形成された2つの縦の長穴222のそれぞれにピン223を通してスライドユニット220に上下移動可能に取り付けられている。またストッパー入子221は、ばね224によって上方に付勢されている。ストッパー入子221の下面にはラックギア215に対応する係止歯225(ラックギア)が形成されている。
【0068】
ケーブル214を弛めた状態ではばね224によって付勢されてストッパー入子221は縦の長穴222の許す範囲で上方に位置し、ストッパー入子221の係止歯225がガイドレール211aのラックギア215から離れてかみ合わない状態になっている。糸巻き172および糸巻きモータ173によってケーブル214を引っ張ると、ストッパー入子221を押圧バー212が下方に押し下げ、ストッパー入子221の下面の係止歯225がガイドレール211aの上面のラックギア215と歯合して、スライドユニット220は移動不能に固定される。
【0069】
スライドユニット220には、第1の実施の形態に示したスライドユニット120の軸受穴126に相当する軸受穴231が開設されている。軸受穴231にローラ軸132を挿入しその長穴133にスライドユニット220の回転軸232を貫通させてローラ130をスライドユニット220に取り付けるようになっている。なおスライドユニット220は、軸受穴231の存する箇所で上下に2分割可能になっている。また軸受穴231の内側上面および内側下面には回転軸232を差し込むための穴がそれぞれ設けてある。
【0070】
スライドユニット220は、上下に分割した状態で、先の一方の穴に回転軸232を差込み、回転軸232にローラ軸132の長穴133を通し、回転軸232の他端が他方の穴に入れて上下を組み合わせる。その後、上方のガイドレール211aと下方ガイドレール211bに通して、これらガイドレール211a、211bを本体に固定することで、スライドユニット220が上下に分離不能となるようになっている。スライドユニット220へのカフ戻し固定軸135の取付方法はローラ130と同様になっている。
【0071】
以上、本発明の各種実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもかまわない。
【0072】
たとえば、実施の形態では、カフ101に1本のローラ130を引っ掛けて移動させるようにしたが、複数のローラを平行な2列にかつ千鳥状に配置し、これらにカフをジグザグに架設し、一方の列のローラと他方の列のローラとが相対的に離れるようにローラを移動させれば、1本のローラの移動距離に対して上腕を挿入する円筒状部分から引き出すカフの長さをより一層長くすることができる。たとえば図18に示すものでは3本のローラ251〜253を設け、第1、第3ローラ251、253を移動させてカフ254を引っ張るようになっており、1本のローラの移動距離の約4倍の距離のカフを移動させることが可能になっている。さらに、図19に示すように、ローラ261に加えて、カフ262の他端に設けたナックルユニット263をローラ262と反対方向へ移動させてもよい。これにより、ローラ261の移動距離が低減される。
【0073】
また実施の形態では、カフ取付板111を回動可能とし、かつローラ130を傾斜可能としたが、いずれか一方だけを回動・傾斜させてもよい。また実施の形態では、ケーブルで牽引することによりラックギアと係合歯のいずれかを移動させて歯合させたが、移動方法はこれに限定されず、たとえば、ソレノイドでロック位置とアンロック位置とに変位させるように構成してもよい。またスライドユニットについてもケーブルで牽引する以外の方法で移動させてもよい。たとえばスライドユニットにリニアモータを埋め込んだり、ガイドレールを雄ねじとし、これに係合する雌ねじをスライドユニットに取り付け、雄ねじまたは雌ねじを回転させてスライドユニットを移動させたりする等であってもよい。
【0074】
さらに、ローラ130の移動方向は、水平に限定されず、カフを引っ張ることができれば、適宜の方向へいかなる軌跡で移動させてもよい。たとえば、斜め下方にローラ130を移動させたり、円弧やS字を描くように移動させてもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明にかかる血圧測定用カフ自動巻付装置によれば、カフに引っ掛けた棒状部材を移動させることでカフを引っ張るので、棒状部材の移動機構やモータなどの配置の自由度が高くなり、小型化が可能になる。また棒状部材は、これ自身でカフを巻き取るものではなく、カフを引っ張る方向に移動すればよいので、トルクの発生が不要となって径を細くすることができる。さらにカフが棒状部材で折り返すように架設されるので、棒状部材の移動量に対して、上腕を挿入する円筒状部分からのカフの引き出し距離が長くなる。
【0076】
棒状部材がその移動方向の前後方向へ自在に傾斜可能なものでは、上腕の形状に合わせてカフを斜めに引っ張ることができ、カフを上腕に隙間なく巻き付けて高い精度での血圧測定が可能になる。
【0077】
棒状部材の両端をガイドレールに案内されるスライドユニットで支持するものでは、棒状部材で折り返すカフの架設経路においてスライドユニットが障害物にならず、カフの架設および棒状部材の支持を容易に行うことができる。また両端のスライドユニットをケーブルで引っ張って移動させるものでは、ケーブルを延ばすことで、ケーブルの巻取部やモータの配置箇所を適宜に選択することが可能になり、装置の小型化に貢献する。さらにケーブルを通すチューブを少なくともケーブルの曲げ部分に使用するものでは、ケーブルを自在に曲げて張り渡すことができ、糸巻き部やこれを駆動するモータの設置箇所の自由度がさらに高くなる。
【0078】
カフの巻付完了位置で棒状部材またはスライドユニットに係合して、棒状部材またはスライドユニットを移動不能に固定するロック手段を有するものでは、小さい力でカフを巻付完了に保持することができる。またスライドユニットを案内するガイドレールに沿ったラックギアを用いるものでは、スライドユニットの位置にかかわらず、係合歯をラックギアに係合させてロックすることができる。
【0079】
取付台を、カフの円筒状部分の中心軸と直交する回転中心まわりに回動可能に支持したものでは、棒状部材に加えてカフの円筒状部分も向きを変えるので、より一層隙間なく上腕にカフを巻き付けることができる。またカフの巻付完了位置で取付台を回動不能に固定するものでは、血圧測定中に取付台の向きが変位して、カフの巻き付け状態が変動することを防止し、より正確な血圧の測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置を示す右側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置を示す上面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置を示す正面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置の図3におけるA−A断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置の有するローラの端部を示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置の有するスライドユニットを示す左側面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置のスライドユニットを牽引するケーブルの架設状態を示す説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置の有するスライドユニットのロック機構を示す説明図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置の有するカフの端部を示す説明図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置の有するカフの端部と係合するナックルユニットを示す説明図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る血圧測定用カフ自動巻付装置が上腕にカフを巻き付ける際のカフ取付板およびローラの傾斜状況の一例を示す説明図である。
【図13】カフが上腕に均一に巻かれていない状態の一例を示す説明図である。
【図14】カフが上腕に均一に巻き付いた状態の一例を示す説明図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態におけるスライドユニットおよび押圧バーを示す説明図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるスライドユニットの左側面図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるスライドユニットの図16におけるB−B断面図である。
【図18】ジグザグにカフを架設したものの一例を示す説明図である。
【図19】カフの他端を移動させるものの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
100…血圧測定用カフ自動巻付装置
101…カフ
110…ベース部
111…カフ取付板
112…カフユニット軸
113…ガイドレール
114…カフ進入口
115…カフ案内ローラ
117…セクタギア
118…ソレノイド
119…ばね
120…スライドユニット
121…係合歯
122…回転軸
123…外ユニット
124…内ユニット
125…スライド溝
126…軸受穴
130…ローラ
131…ローラ部
132…ローラ軸
133…長穴
135…カフ戻し固定軸
140…ナックルユニット
141…本体部
142…第1縦軸
143…第2縦軸
150…糸巻き
151…糸巻きモータ
152…糸巻きホルダ
155…ケーブル
156…チューブ
161…ガイドピン下部固定板
162…ガイドピン
163…ガイドピン上部固定板
164…コイルばね
165…スライドストッパ
166…ラックギア
171…ロック用ワイヤ
172…糸巻き
173…糸巻きモータ
174…糸巻きホルダ
175…チューブ
181…リンクケーブル
182…V字型チューブ
183…接続部
184…連結穴
201…カフ
202…上腕
203…隙間
211…ガイドレール
212…押圧バー
213…ヒンジ
214…ケーブル
215…ラックギア
220…スライドユニット
221…ストッパー入子
222…縦の長穴
223…ピン
224…ばね
225…係止歯
231…軸受穴
232…回転軸
254…カフ

Claims (9)

  1. 血圧測定時にカフを上腕に巻き付ける血圧測定用カフ自動巻付装置において、
    一端が取付台に固定され、かつ円筒状に巻かれた後、他端側を前記円筒状部分の外方へ延ばして架設されたカフと、
    棒状部材と、
    前記棒状部材の軸方向を前記カフの幅方向にして前記カフのうち前記円筒状部分の外方へ延びる箇所に前記棒状部材を引っ掛けた状態で前記棒状部材を移動させて前記円筒状部分が縮径するように前記カフを引っ張る移動手段とを有し、
    前記移動手段は、前記棒状部材をその移動方向の前後方向へ自在に傾斜可能に支持した状態で移動させる
    ことを特徴とする血圧測定用カフ自動巻付装置。
  2. 前記棒状部材は、両端に長穴を有し、
    前記移動手段は、前記棒状部材の軸方向と前記棒状部材の移動方向の双方に垂直な回転軸を前記長穴に通して前記棒状部材の両端部をそれぞれ支持するスライドユニットと、前記棒状部材の両端のスライドユニットをそれぞれ案内する互いに平行配置されたガイドレールと、前記スライドユニットを前記ガイドレールに沿って移動させる動力部とを有し、両端のスライドユニットが独立に移動することで前記棒状部材を移動方向の前後に傾斜可能にした
    ことを特徴とする請求項1に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置。
  3. 前記移動手段は、前記棒状部材の両端部をそれぞれ支持するスライドユニットと、前記棒状部材の両端のスライドユニットをそれぞれ案内する互いに平行配置されたガイドレールと、前記各スライドユニットに取り付けられたケーブルと、前記ケーブルを牽引する牽引手段とを有し、
    前記牽引手段によって前記ケーブルを牽引することで前記スライドユニットを前記ガイドレールに沿って引っ張り、両端が前記スライドユニットによって支持された前記棒状部材を移動させる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置。
  4. 前記ケーブルを通すチューブを少なくとも前記ケーブルの曲げ部分に使用する
    ことを特徴とする請求項3に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置。
  5. 前記カフの巻付完了位置で前記棒状部材または前記スライドユニットに係合して、前記棒状部材または前記スライドユニットを移動不能に固定するロック手段
    を有することを特徴とする請求項2、3または4に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置。
  6. 前記ガイドレールに沿って設けたラックギアと、
    前記ラックギアに歯合可能な係合歯であって前記スライドユニットに設けられたものと、
    前記ラックギアと前記係合歯のいずれか一方または双方を互いの歯合したロック位置と、歯合しないアンロック位置とに変位させる施錠手段と
    を有することを特徴とする請求項2、3または4に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置。
  7. 前記取付台を、前記カフの前記円筒状部分の中心軸と直交する回転中心まわりに回動可能に支持した
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置。
  8. 前記カフの巻付完了位置で前記取付台に係合し、前記取付台を回動不能に固定する取付台ロック手段
    を有することを特徴とする請求項7に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置。
  9. 前記棒状部材を、その軸を中心に回動自在に構成した
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の血圧測定用カフ自動巻付装置。
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