JP3777564B2 - 移動通信用端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信用端末装置に関し、特に、サイトダイバーシティ受信を行ってハンドオーバーを行う際に、複数の基地局から送信される信号の受信タイミングのずれを調整するための遅延バッファを最小とすることができる移動通信用端末装置に関する。
【0002】
現在、開発が進められているW−CDMA移動通信システムでは、移動局(MS:Mobile Station;移動通信用端末装置)が無線エリアの境界を横切るときに、現在通信中の基地局(BTS:Base Transceiver Station)を、移動先の基地局(BTS)に切替えるために、ハンドオーバーという切替え制御処理技術が用いられる。
【0003】
移動局(MS)が無線エリアの境界を通過するとき、移動局(MS)は、切替え元基地局( BTS1) と切替え先基地局(BTS2)の両方の基地局からの送信信号を、一時的に同時に受信して合成(サイトダイバーシティ受信)する状態に入り、その後に受信状態の悪い側の基地局(BTS)を切り離すというハンドオーバー処理を行う。
【0004】
サイトダイバーシティ受信を行うには、複数の基地局(BTS)からの信号を合成受信するために、移動局(MS)では各々の基地局(BTS)からの受信タイミングのずれを遅延調整した後に合成する必要がある。
【0005】
このため、移動局(MS)にとって、サイトダイバーシティ対象の基地局(BTS)からの受信タイミングのずれ時間を切り詰めることが重要になる。該受信タイミングのずれ時間が不確定であれば、移動局(MS)に備える遅延調整用の遅延バッファを充分大きくしなければならず、ハードウェアと消費電力の増大につながるからである。
【0006】
【従来の技術】
現在ITU(国際電気通信連合)で策定中のIMT−2000の標準規格案として、日本のARIB(Association of Radio Industries and Businesses=社団法人電波産業会)で検討されたハンドオーバー時における移動先基地局(BTS2)の送信タイミングを決定する手順は、以下のとおりである。
【0007】
図6はハンドオーバー先基地局(BTS2)の送信タイミング決定手順の説明図である。同図は、各基地(BTS)及び移動局(MS)における信号のタイミングを表し、“SFN=0" ,“SFN=1" ,“SFN=2" ,〜“SFN=36863" はスーパーフレームナンバーを表している。
【0008】
図の(a)はハンドオーバー元基地局(現在通信中の基地局BTS1)から移動局(MS)へ送信された下り通信チャネル(DPCH:Dedicated Physical Channel;移動局−基地局間のポイント−ポイントの個別物理チャネル)の送信タイミングを表し、図の(b)は移動局(MS)における該下り通信チャネル(DPCH)の受信タイミングを表している。
【0009】
図に示すように、移動局(MS)における基地局(BTS1)からの下り通信チャネル(DPCH)の受信タイミングは、基地局(BTS1)の送信タイミングからその間の伝搬遅延時間分遅れる。
【0010】
移動局(MS)は、ハンドオーバー元基地局(BTS1)からの下り通信チャネル(DPCH)の受信タイミング(先頭スーパーフレーム(SFN=0)の先頭タイミング位置)を抽出し、図の(c)に示すように、このタイミングより一定時間(250μsec)シフトしたタイミングを、移動局(MS)から基地局(BTS)への上り通信チャネル(DPCH)の送信タイミングとする。
【0011】
上記移動局(MS)における下り通信チャネルの受信タイミングから上り通信チャネルの送信タイミングまでの一定時間(250μsec)のタイミングシフトは「送受信オフセット」と称され、4.096Mcpsの拡散チップレートの場合、1024chipとなる。
【0012】
一方、図の(d)に示すように、ハンドオーバー先の基地局(BTS2)から常時とまり木チャネルが送信され、移動局(MS)は、該ハンドオーバー先の基地局(BTS2)からのとまり木チャネルを受信し、図の(e)に示す移動局(MS)でのとまり木チャネルの受信タイミングと、前述の図(c)に示す移動局(MS)の上り通信チャネル(DPCH)の送信タイミングとの時間差(TDHO )を計測し、該とまり木チャネル受信タイミングの時間差(TDHO )情報を、ハンドオーバー元基地局(BTS1)へ通信チャネル(DPCH)を介して報告する。
【0013】
ハンドオーバー元基地局(BTS1)はハンドオーバー先基地局(BTS2)へネットワークを介してこの時間差(TDHO )情報を通知する。ハンドオーバー先基地局(BTS2)は、図の(f)に示すように、とまり木チャネル送信タイミングから、該時間差(TDHO )分シフトし、更にそのタイミングから送受信オフセットの250μsec(1024chip)分早めたタイミングで、下り通信チャネル(DPCH)を送信する。
【0014】
移動局(MS)には、図の(g)に示す受信タイミングで、ハンドオーバー先基地局(BTS2)からの下り通信チャネル(DPCH)が到来し、図の(b)と(g)とを比較すると分かるように、ハンドオーバー元基地局(BTS1)からの下り通信チャネル(DPCH)の受信タイミングと、ハンドオーバー先基地局(BTS2)からの下り通信チャネル(DPCH)の受信タイミングとが一致し、移動局(MS)に対し連続した信号で基地局を切替えることが可能となる。
【0015】
前述のとまり木チャネル受信タイミングの時間差(TDHO )情報は、移動局(MS)の上り通信チャネル(DPCH)のシンボル単位で丸められる。丸め処理として切捨て処理が行われる場合には、ハンドオーバー先基地局(BTS2)から送信される下り通信チャネル(DPCH)の受信タイミングは、最大で1シンボル分(0〜255chip分)早くなり、ハンドオーバー元基地局( BTS1) からの受信タイミングとの間にずれが生じる(図6では左方向にずれる)。
【0016】
移動局(MS)は、ハンドオーバー元基地局( BTS1) とハンドオーバー先基地局(BTS2)の両方の基地局からの送信信号を同時に受信してサイトダイバーシティ受信を行い、該受信信号を合成するが、その際に、2つの基地局からの受信タイミングのずれを調整し、双方の受信タイミングを一致させる必要がある。
【0017】
図7は移動局(MS)における受信タイミングのずれを調整する回路の説明図である。今、第2の基地局(BTS2)からの受信信号の方が第1の基地局(BTS1)からの受信信号より早く到着するとすると、第2の基地局(BTS2)からの受信信号を遅延バッファ71に入力し、遅延バッファ71の遅延量を調整することにより、各基地局(BTS1,BTS2)からの受信タイミングを合わせて各レイク合成部721 ,722 に入力し、該レイク合成出力信号を合成することにより、サイトダイバーシティ受信が行われる。
【0018】
遅延バッファ71はメモリを用いて構成するため、調整可能な遅延量を大きくするには、メモリの容量を大きくしなければならず、メモリ容量を大きくするとハードウェアと消費電力の増大を招くことになる。
【0019】
また、遅延バッファ71の容量を小さくすると、該容量を超える受信タイミングのずれを伴なう基地局(BTS)間のサイトダイバーシティ受信を行うことができず、サイトダイバーシティの対象基地局(BTS)数が減少し、通信品質の悪化を招く。
【0020】
そして、もう一つの第3の基地局(BTS3)を加えたサイトダイバーシティ受信状態に入ると、3つの基地局(BTS)間での受信タイミングのずれが更に大きくなる。図8は3つの基地局(BTS)からのサイトダイバーシティ受信における受信タイミングの例を示している。
【0021】
図8の(a)は最初のハンドオーバー元の第1基地局(BTS1)からの下り通信チャネルの移動局(MS)における受信タイミングを示し、図の(b)は最初のハンドオーバー先で次にハンドオーバー元となる第2基地局(BTS2)からの下り通信チャネルの移動局(MS)における受信タイミングを示し、図の(c)は2番目にハンドオーバー先となる第3基地局(BTS3)からの下り通信チャネルの移動局(MS)における受信タイミングを示している。
【0022】
各基地局(BTS1,BTS2,BTS3)からの下り通信チャネルの受信タイミングのずれ(Terror1,Terror2)は、ハンドオーバー先基地局からのとまり木チャネルの受信タイミングの時間差(TDHO )情報を1シンボル(256chip)単位で切捨てることによる丸め誤差の影響である。
【0023】
丸め処理として、1シンボル(256chip)単位での切捨ての代りに、或る閾値を境に切上げ又は切捨る処理を行ったとしても、切捨てが連続して起きた場合、同様の状態になる。これは、第3の基地局(BTS3)とのハンドオーバー時に、第2の基地局(BTS2)をハンドオーバー元基地局とするためである。サイトダイバーシティ受信対象の基地局のうち、ハンドオーバー元基地局としてどの基地局が選択されるかについては規定がなく、ケースバイケースによって変わるものと想定する必要がある。
【0024】
図9は3つの基地局からの信号の受信タイミングのずれを調整する回路の説明図である。3つの基地局からの信号の受信タイミングのずれが図8に示すような例の場合、第2及び第3の基地局(BTS2,BTS3)からの信号を、それぞれ遅延バッファ91,92に入力し、遅延バッファ91,92の遅延量を調整して、第1、第2及び第3の基地局(BTS1,BTS2,BTS3)からの信号の受信タイミングを一致させて各第1、第2及び第3のレイク合成部93,94,95に入力する。
【0025】
しかし、実際にはどの基地局が最初のハンドオーバー元となるかは定まらないので、各基地局(BTS1,BTS2,BTS3)からの受信信号に対して対等に扱う必要があり、現実の回路構成は図10に示すようになる。
【0026】
図10において各遅延バッファ101,102,103の容量は同じである。受信信号は通常AD変換されるので、量子化ビット数×遅延調整可能チップ数×最大サイトダイバーシティ受信基地局数だけの遅延バッファ容量(ビット数)が必要となる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
このような状態において、例えば第2の基地局(BTS2)からの信号が微弱となり、移動局(MS)から切り離され、さらに新しい第4の基地局(BTS4)にハンドオーバーする事態が発生したとき、サイトダイバーシティ受信を行うために、さらに大きな受信タイミングをのずれを調整する遅延バッファが必要となる可能性が生じる。
【0028】
また、第3の基地局(BTS3)が切り離され、新しく第5の基地局(BTS5)にハンドオーバーする事態が発生するとさらに大きな遅延バッファが必要となる。図11はこのように複数回のハンドオーバーが行われたときの様子を示している。
【0029】
図11に示すように、第1の基地局(BTS1)との通信チャネルによるリンクを残したまま、他の新たな基地局へのハンドオーバーを繰り返すと、いくらでも第1の基地局(BTS1)と他の基地局(BTS4,BTS5)との受信タイミングのずれが大きくなる可能性が生じる。
【0030】
移動局(MS)が最大のサイトダイバーシティ効果を得るためには、第1の基地局(BTS1)以外の全ての基地局からの受信信号を蓄積して受信タイミングのずれを調整する遅延バッファを備える必要がある。
【0031】
そして、各基地局からの受信信号の受信タイミングのずれが大きいと、そのずれを調整する遅延バッファの容量を大きくしなければならず、そうすると移動局(MS)のハードウェア、消費電力の増大を招くことになり、通話時間が短縮され、電池容量が大きくなり、端末重量が増すといった欠点を生じる。
【0032】
本発明は、ハンドオーバー先基地局からの通信チャネルの受信タイミングが、サイトダイバーシティ受信対象の基地局からの通信チャネルの受信タイミングと最小のずれとなるようにし、受信タイミング調整用の遅延バッファを最小としたまま、最大のサイトダイバーシティ効果を得ることができ、移動通信用端末装置のハードウェア及び消費電力の削減を図るとともにサイトダイバーシティ効果による受信品質の向上を図ることを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明の移動通信用端末装置は、(1)CDMAセルラシステムにおける移動局として用いられる移動通信用端末装置において、ハンドオーバー元基地局の通信チャネルの移動局での受信タイミング又は移動局の送信タイミングとハンドオーバー先のとまり木チャネルの受信タイミングとの時間差を計測する手段と、サイトダイバーシティ受信時の各基地局からの通信チャネルの受信タイミングのずれを基に前記時間差を修正する手段と、該修正した時間差を基地局へ報告する手段とを備えたものである。
【0034】
また、(2)前記時間差を修正する手段は、サイトダイバーシティ受信時の各基地局からの通信チャネルの受信タイミングの最も遅いタイミングを基に、ハンドオーバー先基地局からの通信チャネルの受信タイミングが、該最も遅いタイミングを超えない範囲で該タイミングに最も近いタイミングとなるように、前記時間差に特定単位での丸め分を加算若しくは減算した値又は該加減算を行わない時間差値を選択して、前記時間差を修正するものである。
また、(3)前記修正した時間差を予め特定単位で丸めた後に基地局へ報告するものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態の構成例を示す図である。図に示すように本発明の移動通用端末装置は、受信部Rxを介してとまり木チャネル受信部11によりハンドオーバー先の基地局からのとまり木チャネルを受信し、受信タイミング測定部131 でとまり木チャネルの受信タイミングを測定し、該受信タイミング情報をとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )算出部15に出力する。
【0036】
また、ハンドオーバー元の基地局からの信号を通信チャネル(DPCH)受信部121 により受信し、受信タイミング測定部132 でその受信タイミングを測定し、該測定値を送信タイミング決定部14に出力する。
【0037】
送信タイミング決定部14は該受信タイミングから一定時間(250μsec)シフトした上り通信チャネルの送信タイミングを決定し、該送信タイミング情報をとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )算出部15に出力する。
【0038】
とまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )算出部15は、とまり木チャネルの受信タイミング情報と、上り通信チャネルの送信タイミング情報とから、とまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )を算出する。このとき、とまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )は、上り通信チャネルのシンボル単位で切捨て処理が行われる。
【0039】
とまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )算出部15は、算出した時間差(TDHO )情報をCPU18に入力するとともに、該時間差(TDHO )情報に丸め単位R(通信チャネルのシンボル単位の時間長)を加える加算部17を通して該加算値(TDHO +R)をCPU18に入力する。
【0040】
一方、サイトダイバーシティ受信を行っているもう一方の基地局から受信される信号を、通信チャネル(DPCH)受信部122 により受信し、受信タイミング測定部133 でその受信タイミングを測定する。
【0041】
2つの基地局からサイトダイバーシティ受信を行っている2つの通信チャネル(DPCH)受信部121 ,122 は、それぞれ遅延バッファを備え、該遅延バッファによる調整値をラスト受信タイミング(Tlast)決定部16に出力する。
【0042】
ラスト受信タイミング(Tlast)決定部16は、2つの通信チャネル(DPCH)受信部121 ,122 から入力された各遅延バッファ調整値から、最も遅い受信タイミングを決定し、そのタイミング(Tlast)情報をCPU18に出力する。
【0043】
CPU18は受信タイミング測定部132 から出力されるハンドオーバー元基地局の通信チャネルの受信タイミング情報と、とまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )算出部15から出力されるとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )及びそれに丸め単位Rを加えた値(TDHO +R)と、ラスト受信タイミング(Tlast)決定部16から出力される最も遅い受信タイミング(Tlast)情報とを入力し、それらに基づいてハンドオーバー元基地局に報告するとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )を、以下に説明する手法によって修正し、該修正したとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )を上り通信チャネル(DPCH)フレーム生成部19、送信部Txを介して、ハンドオーバー元基地局に送信する。
【0044】
図2は本発明によるとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )の修正手段の説明図である。ここで、ハンドオーバー先基地局からのとまり木チャネルの受信タイミングをTPERCH とし、前述のとまり木チャネル受信タイミング時間差TDHO をシンボル単位で切り捨てた値を〔TDHO 〕と表し、シンボル単位の時間長をR、送受信オフセットをToffsetと表すとする。
【0045】
従来のように単純にとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )を基地局へ報告すると、ハンドオーバー先基地局からの下り通信チャネルの受信タイミングTBTS3DPCHは、{TPERCH +〔TDHO 〕−Toffset}となる。
【0046】
ハンドオーバー先基地局からの下り通信チャネルの受信タイミングTBTS3DPCHが、前述のTlastに最も近ければ、必要な遅延調整バッファの容量は最小なものとなる。該受信タイミングTBTS3DPCHは移動局(MS)の側で予測することができる。
【0047】
そこで、ハンドオーバー先基地局からの下り通信チャネルの受信タイミングTBTS3DPCHとして、{TPERCH +〔TDHO 〕−Toffset}と、{TPERCH +〔TDHO +丸め単位R〕−Toffset}の二つの値を計算して、その値のうちTlastに近い方のタイミングを選ぶことにより、常に遅延バッファを最小に保つことができる。
【0048】
なお、Tlastより遅いタイミングを選択すると遅延バッファの遅延量を負の値にしなければならなくなるので、Tlastより遅いタイミングを選択することはできない。即ち、{TPERCH +〔TDHO +丸め単位R〕−Toffset}の値がTlastの値を超える場合は、{TPERCH +〔TDHO 〕−Toffset}の値を選択し、そうでない場合は、{TPERCH +〔TDHO +丸め単位R〕−Toffset}の値を選択する。
【0049】
このようにすることにより、ハンドオーバー先基地局からの下り通信チャネルの受信タイミングTBTS3DPCHを図2の斜線部分のみに設定することができ、遅延バッファによる遅延調整量を常に丸め単位R以下にすることができる。
【0050】
図3は本発明のCPUによるとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )修正のフロー図である。前述の図1に示したCPU18は、入力された受信タイミングの中から最も遅い受信タイミング(Tlast)を調べ(3−1)、T0 ={TPERCH +〔TDHO 〕−Toffset}とT1 ={TPERCH +〔TDHO +丸め単位R〕−Toffset}とを計算(3−2)する。なお、タイミングを表す数値が大きい程、遅れたタイミングを表し、各タイミングはチップ単位で表すことができる。図4は上記Tlast,T0 ,T1 のタイミング関係を示している。
【0051】
そして、CPU18はT0 とTlastとの大小を比較し(3−3)、図4の(a)に示すように、T0 がTlastを超える場合は、とまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )の設定エラー処理(3−5)を行う。
【0052】
また、上記(3−3)の比較において、T0 がTlast以下の場合は、T1 とTlastとの大小を比較し(3−4)、図4の(b)に示すように、T1 がTlastを超えるときは、とまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )を報告し(3−6)、図4の(c)に示すように、T1 がTlast以下のときは、とまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )に丸め単位Rを加えた値を報告する(3−7)。
【0053】
上記の判定(3−3)において、T0 がTlastを超える場合にエラー処理としているのは、適正にとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )を測定して切捨てによる丸めが行われた場合、基準となるハンドオーバー元基地局(BTS)の通信チャネル(DPCH)の受信タイミングより、ハンドオーバー先基地局の通信チャネル(DPCH)の受信タイミングが絶対に遅くなることはありえないからである。
【0054】
図3に示した処理はCPUの代わりにハードウェアで行っても良いことはもちろんである。また、図1の点線部の範囲の処理をCPUによるソフトウェア処理で行うことも可能である。丸め処理が切捨て処理の場合は、前述の〔 〕内の算出は単純なビットシフト演算で行うことができる。
【0055】
このように、移動局(MS)が基地局(BTS)へとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )情報を報告する際に、測定したとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )に丸め単位R分を加算して報告することによって、サイトダイバーシティ受信対象の基地局(BTS)からの通信チャネルの受信タイミングのずれを最小にし、移動局(MS)における遅延バッファの大きさを最小にしたまま、最大のサイトダイバーシティ効果を得ることができる。
【0056】
更に、とまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )がシンボル単位で切り上げ処理されることがある場合は、一般的に以下の手法により、丸め単位R分を増減してとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )を基地局(BTS)へ報告する構成とすることができる。
【0057】
図5は本発明によるとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )の一般的な修正のフロー図である。同図に示すように、まず、移動局(MS)において、現在、遅延バッファにより受信タイミングが調整され、サイトダイバーシティ受信を行っている通信チャネル(DPCH)の受信タイミングの中で、最も遅い受信タイミングをしらべ、そのタイミングをTlastとする(5−1)。
【0058】
次に、ハンドオーバー先基地局からのとまり木チャネルの受信タイミングをTPERCH を測定し、TPERCH を基に以下のT0 ,T+ ,T- を算定する(5−2)。
T0 =TPERCH +〔TDHO 〕−Toffset
T+ =TPERCH +〔TDHO +丸め単位R〕−Toffset
T- =TPERCH +〔TDHO −丸め単位R〕−Toffset
【0059】
そして、上記T0 ,T+ ,T- のうちから、Tlastに最も近傍のタイミングを選択する。ただし、Tlastよりも遅いタイミングとなるものは、最近傍タイミングであっても選択しない(5−3)。そのようなタイミングは、候補として除外する。理由は前述したとおりである。
【0060】
そして選択したT0 ,T+ ,T- のいずれかのタイミングに対応する〔TDHO 〕、〔TDHO +丸め単位R〕又は〔TDHO −丸め単位R〕を、とまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )として基地局(BTS)へ報告する(5−4)。
【0061】
なお、図5に示すフローにおいて、丸め処理が切捨てのみである場合は、上記T- の算定は対象から外して良い。また、丸め処理が切上げのみである場合は、上記T+ の算定は対象から外して良い。丸め処理が或る閾値との比較により切捨て又は切上げが行われる場合は、上記T0 ,T+ ,T- の全てを算定し比較対象とする。
【0062】
また、移動局(MS)から基地局(BTS)へ、TDHO ,(TDHO +丸め単位R)又は(TDHO −丸め単位R)を報告し、基地局(BTS)で丸め処理を行う構成とすることもできるが、該丸め処理を移動局(MS)で行い、その丸めた値を基地局(BTS)へ報告する構成とすることにより、基地局(BTS)での丸め処理は不用となり、移動局(MS)と基地局(BTS)間の伝送情報量を減少させることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハンドオーバー時に移動局(MS)が基地局(BTS)へとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )を報告する際に、該時間差(TDHO )の値を増減してから報告することにより、サイトダイバーシティ受信における受信タイミング調整用の遅延バッファの大きさを最小にしたまま、最大のサイトダイバーシティ効果を得ることができ、移動通信端末装置のハードウェア及び消費電力の削減を図るとともにサイトダイバーシティ効果による受信品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成例を示す図である。
【図2】本発明によるとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )の修正手段の説明図である。
【図3】本発明のCPUによるとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )修正のフロー図である。
【図4】本発明におけるTlast,T0 ,T1 のタイミング関係を示す図である。
【図5】本発明によるとまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )の一般的な修正のフロー図である。
【図6】ハンドオーバー先基地局(BTS2)の送信タイミング決定手順の説明図である。
【図7】移動局(MS)における受信タイミングのずれを調整する回路の説明図である。
【図8】3つの基地局(BTS)からのサイトダイバーシティ受信における受信タイミングの例を示す図である。
【図9】3つの基地局からの信号の受信タイミングのずれを調整する回路の説明図である。
【図10】3つの基地局からの信号の受信タイミングのずれを調整する一般的な回路の説明図である。
【図11】複数回のハンドオーバーが行われたときの様子を示す図である。
【符号の説明】
11 とまり木チャネル受信部
121 ,122 通信チャネル(DPCH)受信部
131 ,132 ,133 受信タイミング測定部
14 送信タイミング決定部
15 とまり木チャネル受信タイミング時間差(TDHO )算出部
16 ラスト受信タイミング(Tlast)決定部
17 加算部
18 CPU
19 通信チャネル(DPCH)フレーム生成部
Rx 受信部
Tx 送信部
Claims (3)
- CDMAセルラシステムにおける移動通信用端末装置において、
ハンドオーバー元基地局の通信チャネルの移動局での受信タイミング又は移動局の送信タイミングとハンドオーバー先のとまり木チャネルの受信タイミングとの時間差を計測する手段と、
サイトダイバーシティ受信時の各基地局からの通信チャネルの受信タイミングのずれを基に前記時間差を修正する手段と、
該修正した時間差を基地局へ報告する手段と、
を備えたことを特徴とする移動通信用端末装置。 - 前記時間差を修正する手段は、サイトダイバーシティ受信時の各基地局からの通信チャネルの受信タイミングの最も遅いタイミングを基に、ハンドオーバー先基地局からの通信チャネルの受信タイミングが、該最も遅いタイミングを超えない範囲で該タイミングに最も近いタイミングとなるように、前記時間差に特定単位での丸め分を加算若しくは減算した値又は該加減算を行わない時間差値を選択して、前記時間差を修正することを特徴とする請求項1に記載の移動通信用端末装置。
- 前記修正した時間差を予め特定単位で丸めた後に基地局へ報告することを特徴とする請求項1又は2に記載の移動通信用端末装置。
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