JP3776586B2 - 熱保護回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路におけるいわゆる熱保護回路に係り、特に、半導体集積回路、とりわけ、CMOS集積回路に適する熱保護回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の熱保護回路として知られているものには、例えば、図3に示されたような構成を有するものがある。
以下、図3を参照しつつこの熱保護回路について概括的に説明すれば、まず、この熱保護回路は、バイポーラトランジスタを用いてなるもので、コンパレータ部30と、ヒステリシス発生部31と、温度検出部32と、出力部33と、基準電源部34とに大別されて構成されたものとなっている。
かかる構成において、コンパレータ部30は、温度検出部32のダイオード39によって発生されたいわゆるバンドギャップ電圧と、基準電源部34により発生された所定の基準電圧とを比較し、その比較結果に応じた信号を出力するようになっているものである。
【0003】
すなわち、回路の雰囲気温度が異常と判定するに至らない状態にある場合において、温度検出部32からは、所定以上のバンドギャップ電圧が出力される一方、この場合において、コンパレータ部30を構成する第1のpnp型トランジスタ35のベースに印加される基準電源部34による基準電圧は、先のバンドギャップ電圧より低い値に設定されている。
このため、第1のpnp型トランジスタ35が導通状態となる一方、この第1のpnp型トランジスタ35と差動増幅回路を構成する第2のpnp型トランジスタ36は、非導通状態となる。その結果、出力部33の第3のnpn型トランジスタ37が非導通状態とされる一方、出力部33の第4のnpn型トランジスタ38は導通状態とされ、正常状態における出力は、いわゆるローレベルとされるようになっている。
【0004】
そして、回路温度が上昇し、温度検出部32から出力されるバンドギャップ電圧が所定値以下となると、先とは逆に、コンパレータ部30の第1のpnp型トランジスタ35が非導通状態となり、第2のpnp型トランジスタ36が導通状態となる。
その結果、出力部33の第3のnpn型トランジスタ37が導通状態とされることで、第4のnpn型トランジスタ38が非導通状態となり、回路が所定の高温に晒されていることを示す信号としての出力は、いわゆるハイレベルとなるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の熱保護回路は、一緒に組み込まれる他の回路の半導体の種類に関係なく使用できるものではない。すなわち、例えば、いわゆるCMOS集積回路においては、使用する半導体基板が上述のバイポーラ半導体と異なるだけでなく、その製造プロセスも異なるため、一緒に製造することはできず、結局、上述のバイポーラトランジスタによる回路を、CMOS集積回路において、そのまま用いることはできない。
そのため、バイポーラトランジスタをCMOSトランジスタに置き換えることが考えられるが、この場合、上述したバイポーラトランジスタを用いた熱保護回路において用いられていたと同様に、バイアス等の設定の抵抗を残すとすると、CMOSトランジスタによる消費電力の低減という利点が損なわれるだけでなく、集積回路では抵抗値が高くなる程大きな面積を必要とするため、集積回路化による小型化という集積回路本来の利点も損なわれてしまうという問題が生ずる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、いわゆるCMOS製造プロセスによって製造することができ、消費電力が少なく、比較的簡易な回路構成で、大きな面積を要することのない熱保護回路を提供するものである。
本発明の他の目的は、安定動作が確保され信頼性の高い熱保護回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る熱保護回路は、
雰囲気温度に応じた電圧を出力する熱検出部と、
前記熱検出部による出力電圧と、基準電圧とを比較し、その比較結果に応じた信号を出力する比較部と、
前記比較部に応じた出力信号を出力する出力部とを具備してなる熱保護回路であって、
前記比較部は、二つのトランジスタを用いてなる差動増幅回路を有し、当該差動増幅回路は、二つのトランジスタの一方の入力端に、電源電圧またはアース電圧が、他方のトランジスタの入力端に、前記熱検出部の出力電圧が、それぞれ印加されるよう構成され、かつ、前記二つのトランジスタのそれぞれの面積サイズの比が、所定の温度においてそれぞれ等しい電流が流れるように設定されたものである。
【0008】
かかる構成においては、比較部を構成する差動増幅回路の2つのトランジスタの面積サイズの比を、所定の温度、すなわち、回路を熱保護しようとする温度において、それぞれに流れる電流が同一となるようにし、しかも、一方のトランジスタの入力端に電源電圧またはアース電圧とした点に特徴を有するものである。
このような構成とすることで、所定温度よりも低い温度、すなわち、正常時には、差動増幅回路を構成する一方のトランジスタを動作状態、他方のトランジスタを非動作状態とでき、所定温度を僅かに越えたところで、それとは逆に、一方のトランジスタを非動作状態、他方のトランジスタを動作状態とすることが、特別な基準電圧回路を設けることなく可能となり、集積回路化に適した熱保護回路が提供できるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、第1の実施例について図1を参照しつつ説明する。
この第1の実施例における熱保護回路は、比較部20と、ヒステリシス部21と、熱検出部22と、出力部23とに大別されて構成されたものとなっており、いわゆるP基板をベースにしてCMOS集積回路化する場合に適するものである。
【0010】
比較部20は、熱検出部22により出力された回路の雰囲気温度に対応する電圧と、基準電圧とを比較し、その比較結果に応じた信号を出力部23へ出力するもので、pチャンネルの第1及び第2のMOS FET(図1においては、それぞれ「M1」、「M2」と表記)1,2を主たる構成要素としてなる差動増幅回路を用いて構成されたものとなっている。
すなわち、第1のMOS(Metal Oxide Semiconductor) FET1と第2のMOS FET2は、ドレイン同士が接続されると共に、第1の電流源10に接続されている。一方、第1及び第2のMOS FET1,2のソース側には、nチャンネルの第3及び第4のMOS FET(図1においては、それぞれ「M3」、「M4」と表記)3,4によるいわゆるカレントミラー負荷が接続された構成となっている。
また、第1のMOS FET1のゲートは、アースに接続される一方、第2のMOS FET2のゲートは、後述する熱検出部22のダイオード8のアノードに接続されている。
【0011】
いわゆるカレントミラー負荷となる第3及び第4のMOS FET3,4は、相互にゲートが接続されると共に、第3のMOS FET3のドレインに接続され、さらに、第1のMOS FET1のソースに接続されている。第3のMOS FET3は、いわゆるダイオード接続状態とされて、第1のMOS FET1に直列接続された構成となっている。
そして、これら第1のMOS FET1のソースと、第3のMOS FET3のドレイン及びゲートと、第4のMOS FET4のゲートの接続点は、後述するヒステリシス部21の第6のMOS FET(図1においては「M6」と表記)6のゲートに接続されている。
【0012】
一方、第4のMOS FET4のドレインは、第2のMOS FET2のソースと共に、後述するヒステリシス部21の第5のMOS FET(図1においては「M5」と表記)5のドレイン及び出力部23の第7のMOS FET(図1においては「M7」と表記)7のゲートに接続されている。
そして、第3及び第4のMOS FET3,4のそれぞれのソースは、共にアースに接続されている。
【0013】
ヒステリシス部21は、比較部20の比較動作にいわゆるヒステリシス特性を与えるためのもので(詳細は後述)、nチャンネルの第5及び第6のMOS FET5,6を用いて構成されたものとなっている。
すなわち、第5のMOS FET5のドレインは、先に述べたように、比較部20の第2のMOS FET2のソース及び第4のMOS FET4のドレインに接続されると共に、出力部23の第7のMOS FET7のゲートに接続される一方、ソースは、第6のMOS FET6のドレインに接続され、この第6のMOS FET6のソースは、アースに接続されたものとなっている。これにより、第5及び第6のMOS FET5,6は、直列接続された構成とされている。
【0014】
熱検出部22は、この熱保護回路がおかれている雰囲気温度に応じた電圧を発生するためのもので、ダイオード(図1においては「D1」と表記)8を用いて構成されたものとなっている。
すなわち、ダイオード8は、そのカソードがアースに接続される一方、アノードが第2の電流源11に接続されて、常時所定の電流が流されるようになっている。このため、ダイオード8のアノード側には、雰囲気温度に応じたいわゆるバンドギャップ電圧が得られるようになっている。
【0015】
出力部23は、比較部20による比較結果に応じた出力信号を出力するためのもので、nチャンネルの第7のMOS FET7を用いて構成されたものとなっている。すなわち、第7のMOS FET7は、ソースがアースに接続される一方、ドレインは、第3の電流源12に接続され、この相互の接続点から出力が得られるようになっている。さらに、この第7のMOS FET7のドレインと第3の電流源12との接続点は、ヒステリシス部21の第5のMOS FET5のゲートに接続されており、出力信号がヒステリシス部21へいわゆるフィードバックされるようになっている。
なお、第7のMOS FET7のゲートは、既に述べたように比較部20及びヒステリシス部21に接続されている。
【0016】
次に、かかる構成における動作について説明する。
まず、回路の雰囲気温度が比較的低い状態にある場合、ダイオード8のアノード側に得られる電圧VA(図1参照)は、いわゆるバンドギャップ電圧であるため、回路の雰囲気温度が高い状態にある場合に比して、比較的高いレベルとなる。
したがって、比較部20の第1及び第2のMOS FET1,2のゲート電位についてみれば、第1のMOS FET1のゲート電位がアース電位であるのに対して、第2のMOS FET2のゲート電位は、それより高い状態であるため、そのため、第1のMOS FET1は導通状態となる一方、第2のMOS FET2は、非導通状態となる。
【0017】
これにより、第1のMOS FET1には、第1の電流源10からの電流が流れ込み、さらに、第3のMOS FET3へ流れ込む。
そして、この第3のMOS FET3に対して第4のMOS FET4と第6のMOS FET6は、共にそのゲートが並列接続されたものとなっており、後述するように、第5のMOS FET5が導通状態であるため、いわゆるカレントミラー動作により、第4及び第6のMOS FET4,6には、第3のMOS FET3に流れた電流と同じ大きさの電流が、それぞれの大きさに応じて分流されることとなる。
これに対して、第2のMOS FET2には殆ど電流が流れないために、この第2のMOS FET2のソースと第4のMOS FET4のドレインとの接続点の電位VB(図1参照)は低下し、略零vに近いいわゆるローレベルの状態となる。
【0018】
そして、出力部23の第7のMOS FET7のゲート電位もローレベルとされることで、第7のMOS FET7は、非導通状態となり、そのため、出力電圧VC(図1参照)は、略電源電圧Vccに近い状態、すなわち、いわゆるハイレベルの状態となる。
この出力電圧VCのハイレベル状態は、第5のMOS FET5のゲートにフィードバックされるため、この場合、第5のMOS FET5は、導通状態となる。
【0019】
ここで、この第5のMOS FET5と直列接続されている第6のMOS FET6に流れる電流I6と、この第6のMOS FET6と共に、第3のMOS FET3に対して並列接続状態にある第4のMOS FET4を流れる電流I4の和は、第1のMOS FET1及び第3のMOS FET3を流れる電流I1,I3と等しく設定されること、すなわち、I1=I3=I4+I6の関係が成立することが必要となる。
これは、(I4+I6)の電流が、いわば参照電流となり、第2のMOS FET2に流れる電流と比較される結果、第1及び第2のMOS FET1,2は、先に述べたように通常の差動増幅回路としての動作が確保されることとなるからである。
【0020】
次に、回路の雰囲気温度が上昇し、高温となった場合について説明すれば、まず、雰囲気温度の上昇と共に、電圧VAは、徐々に低下して接地電位へ近づいてゆくこととなる。
そして、電圧VAが予め設定された電圧まで低下すると、第1のMOS FET1が非導通状態となる一方、第2のMOS FET2が導通状態となる。
ここで、第1のMOS FET1に代わって、第2のMOS FET2が導通状態となるための所定電圧は、次のようにして決定されるものである。
【0021】
すなわち、第1のMOS FET1の面積サイズをS1、第2のMOS FET2のそれをS2とすると、(S1/S2)=(|Vgsm1|−VA2/(|Vgsm2|)2を満足するように、第1のMOS FET1の面積サイズと第2のMOS FET2の面積サイズを、非対称の大きさに設定すればよい。ここで、|Vgsm1|−VA=|Vgsm2|を満たすようにする。これは、第1のMOS FET1に流れる電流に比して、第2のMOS FET2に流れる電流が多くなったときに、比較部20の出力としての電圧VBがそれまでのローレベルからハイレベルへ変化し、かつ、出力部23の出力電圧VCがハイレベルからローレベルへ変化するようにするためである。換言すれば、第1及び第2のMOS FET1,2のそれぞれの面積サイズの比は、所定の温度、すなわち、回路が熱保護を図る必要のあるとして出力部23からローレベル信号を出力させる際の回路の雰囲気温度において、第1及び第2のMOS FET1,2にそれぞれ等しい電流が流れるように設定されたものであるということができるものである。
なお、上記式中、Vgsm1は、第1のMOS FET1のゲート・ソース間電圧を、Vgsm2は、第2のMOS FET2のゲート・ソース間電圧を、それぞれ表し、、また、VAは、先に述べたように、ダイオード8のアノード側における電圧である。
【0022】
電圧VAが上述のようにして設定された所定の電圧を下回ると、第2のMOS FET2に流れる電流が増大し、第1のMOS FET1に流れる電流より大となり、第1のMOS FET1は、非導通状態となる一方、第2のMOS FET2が導通状態となり、電圧VBは、略電源電圧Vccに近い状態、換言すれば、ハイレベルの状態となる。それによって、出力部23の第7のMOS FET7は、導通状態となるため、出力電圧VCは、ローレベル状態となる。これによって、例えば、この信号を図示されない外部回路において利用することで、回路が熱のために暴走することがないよう、例えば、電源供給を、一旦停止する等の対策を講ずることができるものとなる。
【0023】
出力部23の電圧VC上述のように、ローレベルとなると、その電圧は、ヒステリシス部21の第5のMOS FET5のゲートにも印加されるため、このとき、第5のMOS FET5は、それまでの導通状態から非導通状態へ切り替わることとなる。
このため、第5のMOS FET5が導通状態の際に第6のMOS FET6に流れていた電流は流れなくなり、第2のMOS FET2が非導通状態へ切り替わる際の、参照電流が先の(I4+I6)からI4へ減少することとなる。
【0024】
したがって、上述のように出力電圧VCがローレベルとなる検出温度よりも、回路の雰囲気温度が低下しても、第2のMOS FET2は即座に導通状態から非導通状態に変わるのではなく、第2のMOS FET2の電流が参照電流I4よりも少なくなった際に、第2のMOS FET2は、導通状態から非導通状態へ変化する(換言すれば、いわば正常状態へ復帰する)こととなり、いわゆるヒステリシス動作が実現されることとなる。
【0025】
なお、ここで、第4のMOS FET4の面積サイズと第6のMOS FET6の面積サイズの和が一定であることは、I4+I6=一定を意味する。したがって、第4のMOS FET4の面積サイズと第6のMOS FET6の面積サイズの和が一定であれば、各々の面積サイズを違えても、出力電圧VCがローレベルとなる検出温度は同一である。但し、この場合、それぞれの面積サイズを違えることは、それぞれに流れる電流I4,I6の大きさを違えることとなるため、上述したヒステリシス動作におけるいわゆるヒステリシス幅を変えることとなる。
【0026】
一方、第4のMOS FET4の面積サイズと第6のMOS FET6の面積サイズの和を上述したように一定とすることなく、それぞれ任意の大きさとする場合には、熱保護を図る所定の温度と解除温度(回路の雰囲気温度が正常となり、出力電圧VCがローレベルの状態からハイレベル状態となる際の温度)とを違えることができる。
【0027】
次に、図2を参照しつつ第2の実施例について説明する。
先の第1の実施例が、いわゆるP型半導体基板をベースに、いわゆるPN接合部分についてはP型拡散層及びNウェル層を用いるようにした場合に適する回路構成であったのに対し、この第2の実施例は、いわゆるN型半導体基板をベースにする場合に適する回路構成のものである。そして、この場合、Pウェル層を電源電圧Vccのレベルに保持し、N拡散層を出力電圧VAのレベルとなるようにすると好適である。
なお、図2においては、先の図1に示された構成要素に対応する構成要素については、図1で用いた符号の後に「A」を付すこととする。また、図1の構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付すこととする。
【0028】
この第2の実施例における回路は、使用する半導体素子が、図1に示された回路例の場合と基本的に逆特性のものとした点が異なるもので、基本的な回路構成は、図1に示されたものと同一のものである。したがって、図1に示された回路と、この第2の実施例における回路における各回路素子の接続の違いは、使用した半導体素子の特性の違いに応じて当然に生ずるものであり、図1で説明した基本的な回路構成を異ならしめるものではないので、以下の説明においては、各回路素子の接続についてはその説明を省略し、動作について概括的に説明することとする。
【0029】
まず、回路の雰囲気温度が比較的低い場合、ダイオード8のいわゆるバンドギャップ電圧は、回路の雰囲気温度が高い状態にある場合に比して比較的高いレベルとなる。そのため、ダイオード8のカソード側の電圧VAは、アノード側の電源電圧Vccからこのバンドギャップ電圧分だけやや低い電圧となり、nチャンネルの第2のMOS FET2Aのゲートに印加される。
一方、nチャンネルの第1のMOS FET1Aのゲートは、電源電圧Vccが常時印加されているため、この場合、第1のMOS FET1Aが導通状態となり、第2のMOS FET2Aは、非導通状態となる。
【0030】
したがって、第2のMOS FET2Aには電流は流れず、そのドレイン電位、すなわち、pチャンネルの第4のMOS FET4Aのソースとの接続点の電位VBは、略電源電圧Vcc付近となり、この電圧VBが出力部23を構成するpチャンネルの第7のMOS FET7Aのゲートに印加されるため、第7のMOS FET7Aは非導通状態となり、出力電圧VCは、ローレベルとなる。すなわち、この第2の実施例の場合、正常時における出力レベルは、先の図1の実施例とは逆となる。
次に、回路の雰囲気温度が上昇し、所定の検出温度を越え、ダイオード8のバンドギャップ電圧が無視できる程度に小さくなると、熱検出部22の電圧VA、略電源電圧Vccに近くなり、第1のMOS FET1Aに代わり、第2のMOS FET2Aが導通状態となる。
【0031】
したがって、第2のMOS FET2Aのドレイン側の電位VBは、先とは逆に略接地電位に近づき、そのため、第7のMOS FET7Aは導通状態となり、出力電圧VCは、略電源電圧Vccまでに上昇し、ハイレベル状態となる。
このとき、この出力電圧VCのハイレベル状態は、第5のMOS FET5Aのゲートに印加されるため、第5のMOS FET5Aは、非導通状態となり、第6のMOS FET6Aの電流が流れなくなる。これは、先の図1に示された第1の実施例の場合と同様である。
このため、第2のMOS FET2Aが、導通状態から再び非導通状態へ復帰する際の参照電流は、第4のMOS FET4Aを流れる電流I4だけとなり、第2のMOS FET2Aを流れる電流がこの電流I4より少なくなった際に、第2のMOS FET2Aは、非導通状態となる。このように、回路の雰囲気温度が正常に戻り、それに伴い、出力電圧VCが正常時のレベルに復帰する際の比較部20の動作に対して、ヒステリシス部21によるヒステリシスが生ずる点も図1に示された第1の実施例の場合と基本的に同様である。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、比較部の差動増幅回路を構成する二つのトランジスタの面積サイズを比対称とすると共に、その一方のトランジスタの入力に電源電圧またはアース電圧を印加する一方、他方のトランジスタの入力には温度に対応した電圧を印加するような構成とすることで、従来と異なり、基準電圧を生成する回路を用いることなく、所定の温度で熱保護のための所定の出力信号を出力を得ることがきるので、回路構成が簡易となり、しかも、従来のように基準電圧の精度維持に特別な方策を必要とせず、特性の安定した熱保護回路が提供されるものである。
【0033】
特に、トランジスタにMOS FETを用いて集積回路化する場合には、上述したような回路構成が簡易で、基準電圧を生成する回路を必要としないということが、集積回路化によるより一層の小型化を可能とするものである。
また、一般にいわゆるCMOS回路の消費電力は、スイッチング時の消費電力の平均であるため、実際には、その動作モードや駆動周波数によって変動し、正確な予測が困難である。そのため、CMOS集積回路においては、いわゆるパッケージ容量を不用意に越える虞があり、加熱によるICの損傷、焼損が発生する可能性が高いといういわゆるシステム安全上の問題が生じている。これに対して、本発明に係る熱保護回路は、CMOS集積回路化に適するものであるため、このような問題解決の有効な手段として用いることができ、本発明に係る熱保護回路を組み込んだ集積回路の信頼性向上に寄与することができるという効果を奏するものである。
【0034】
さらに、請求項6記載の発明においては、上述した効果に加えて、ヒステリシス部が、出力部の出力信号により、比較部の差動増幅回路の電流を直接変化させるように構成されているため、従来と異なり、出力信号を変換するような中間の回路を設ける必要がなくなり、回路構成が簡素となると共に、消費電力のより一層の低減を図ることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態における第1の実施例の回路構成例を示す回路図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態における第2の実施例の回路構成例を示す回路図である。
【図3】図3は従来のバイポーラトランジスタを用いた熱保護回路の一構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
1…pチャンネルの第1のMOS FET
2…pチャンネルの第2のMOS FET
3…nチャンネルの第3のMOS FET
4…nチャンネルの第4のMOS FET
5…nチャンネルの第5のMOS FET
6…nチャンネルの第6のMOS FET
7…nチャンネルの第7のMOS FET
1A…nチャンネルの第1のMOS FET
2A…nチャンネルの第2のMOS FET
3A…pチャンネルの第3のMOS FET
4A…pチャンネルの第4のMOS FET
5A…pチャンネルの第5のMOS FET
6A…pチャンネルの第6のMOS FET
7A…pチャンネルの第7のMOS FET
8…ダイオード
10…第1の電流源
11…第2の電流源
12…第3の電流源
20…比較部
21…ヒステリシス部
22…熱検出部
23…出力部

Claims (6)

  1. 雰囲気温度に応じた電圧を出力する熱検出部と、
    前記熱検出部による出力電圧と、基準電圧とを比較し、その比較結果に応じた信号を出力する比較部と、
    前記比較部に応じた出力信号を出力する出力部とを具備してなる熱保護回路であって、
    前記比較部は、二つのトランジスタを用いてなる差動増幅回路を有し、当該差動増幅回路は、二つのトランジスタの一方の入力端に、電源電圧またはアース電圧が、他方のトランジスタの入力端に、前記熱検出部の出力電圧が、それぞれ印加されるよう構成され、かつ、前記二つのトランジスタのそれぞれの面積サイズの比が、所定の温度においてそれぞれ等しい電流が流れるように設定されたものであることを特徴とする熱保護回路。
  2. 差動増幅回路を構成する二つのトランジスタは、pチャンネル型のMOS FETであり、一方のMOS FETのゲートが、アースに接続されてなることを特徴とする請求項1記載の熱保護回路。
  3. 差動増幅回路を構成する二つのトランジスタは、nチャンネル型のMOS FETであり、一方のMOS FETのゲートが、電源に接続されてなることを特徴とする請求項1記載の熱保護回路。
  4. 比較部の差動増幅回路には、二つのトランジスタからなるカレントミラー負荷が接続され、前記二つのトランジスタの内、ダイオード接続状態とされるトランジスタが、前記差動増幅回路を構成する二つのトランジスタの内、入力端子に電源電圧またはアース電圧が印加される一方のトランジスタと直列接続されることを特徴とする請求項2または3記載の熱保護回路。
  5. 出力部の出力状態に応じて、比較部の差動増幅回路における差動増幅動作にヒステリシスを生じさせるヒステリシス部を設けたことを特徴とする請求項4記載の熱保護回路。
  6. ヒステリシス部は、直列接続された二つのトランジスタを有してなり、前記二つのトランジスタの内、一方のトランジスタは、出力部の出力状態に応じて導通または非導通状態とされるよう設けられ、他方のトランジスタは、その入力端がカレントミラー負荷を構成する二つのトランジスタの入力端に共通に接続されるよう構成されてなるものであることを特徴とする請求項5記載の熱保護回路。
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